JPH11159524A - 動圧軸受 - Google Patents
動圧軸受Info
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- JPH11159524A JPH11159524A JP9329231A JP32923197A JPH11159524A JP H11159524 A JPH11159524 A JP H11159524A JP 9329231 A JP9329231 A JP 9329231A JP 32923197 A JP32923197 A JP 32923197A JP H11159524 A JPH11159524 A JP H11159524A
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- JP
- Japan
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- dynamic pressure
- less
- bearing
- ceramic
- gpa
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】温度変化が生じても熱膨張差による不都合がな
く、しかも、低速回転時に摺動しても相手材の摩耗を少
なくできる動圧軸受を得る。 【解決手段】ヤング率200GPa以上、熱膨張係数
9.0〜11.0×10-6/℃(40〜400℃)、摺
動相手材とのビッカース硬度の差が7GPa以下の範囲
にあるセラミックスからなり、摺動面に動圧発生溝を備
えて動圧軸受を構成する。上記セラミックとして、曲げ
強度700MPa以上、平均結晶粒径4μm以下、理論
密度に対する相対密度が98%以上のジルコニアセラミ
ックスを用いる。また、動圧発生溝の底面の表面粗さ
(Rmax)は1.5μm以下である。
く、しかも、低速回転時に摺動しても相手材の摩耗を少
なくできる動圧軸受を得る。 【解決手段】ヤング率200GPa以上、熱膨張係数
9.0〜11.0×10-6/℃(40〜400℃)、摺
動相手材とのビッカース硬度の差が7GPa以下の範囲
にあるセラミックスからなり、摺動面に動圧発生溝を備
えて動圧軸受を構成する。上記セラミックとして、曲げ
強度700MPa以上、平均結晶粒径4μm以下、理論
密度に対する相対密度が98%以上のジルコニアセラミ
ックスを用いる。また、動圧発生溝の底面の表面粗さ
(Rmax)は1.5μm以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレーザービ
ームプリンターのポリゴンミラー、フロッピーディスク
ドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HD
D)、VTR、CD−ROM等におけるシャフトの軸受
に用いられる動圧軸受に関するものである。
ームプリンターのポリゴンミラー、フロッピーディスク
ドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HD
D)、VTR、CD−ROM等におけるシャフトの軸受
に用いられる動圧軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シャフトの軸受は、玉軸受けと含
油軸受けを積み重ねた構造をとっていたが、製品の薄型
化、高性能化に伴い、種々の問題点が発生してきた。例
えば、FDD装置等のスピンドルモーターの薄型化をは
かる場合など軸受けを短くする必要があるが、短くする
につれ軸振れが大きくなってくる。これにより、メディ
アの偏心が大きくなり、データ読み書きの信頼性が著し
く低下する問題点が発生した。
油軸受けを積み重ねた構造をとっていたが、製品の薄型
化、高性能化に伴い、種々の問題点が発生してきた。例
えば、FDD装置等のスピンドルモーターの薄型化をは
かる場合など軸受けを短くする必要があるが、短くする
につれ軸振れが大きくなってくる。これにより、メディ
アの偏心が大きくなり、データ読み書きの信頼性が著し
く低下する問題点が発生した。
【0003】このような問題点の解決手段として、スパ
イラル溝等の動圧発生溝を形成した動圧軸受が開発され
た。これは、スパイラル溝が潤滑流体に与えるポンピン
グ作用により、スピンドルモーターの回転に伴う油圧の
上昇を得てシャフトを浮上させ、流体膜を形成して無接
触で回転するものである。さらには、油圧によるセンタ
リング効果を与えることによりシャフトの偏心を著しく
抑えることもできる。
イラル溝等の動圧発生溝を形成した動圧軸受が開発され
た。これは、スパイラル溝が潤滑流体に与えるポンピン
グ作用により、スピンドルモーターの回転に伴う油圧の
上昇を得てシャフトを浮上させ、流体膜を形成して無接
触で回転するものである。さらには、油圧によるセンタ
リング効果を与えることによりシャフトの偏心を著しく
抑えることもできる。
【0004】動圧軸受の構成としては、シャフトの外周
またはスリーブ内面のいずれか一方に動圧発生溝を形成
し、ラジアル方向の剛性を持つラジアル軸受と、シャフ
トの端面又はスラスト軸受の表面にスパイラル状の動圧
発生溝を形成し、オイル、気体等の潤滑流体のポンピン
グ作用によりスラスト方向の剛性を持つスラスト軸受と
からなる。
またはスリーブ内面のいずれか一方に動圧発生溝を形成
し、ラジアル方向の剛性を持つラジアル軸受と、シャフ
トの端面又はスラスト軸受の表面にスパイラル状の動圧
発生溝を形成し、オイル、気体等の潤滑流体のポンピン
グ作用によりスラスト方向の剛性を持つスラスト軸受と
からなる。
【0005】ここで、重要な要素はスラスト方向の動圧
軸受である。即ち、縦型モータでのラジアル方向は、シ
ャフトの外径とスリーブ内径がほぼ等しいため、接触に
より傷がついたり、摺動面が剥離することは殆ど無い。
軸受である。即ち、縦型モータでのラジアル方向は、シ
ャフトの外径とスリーブ内径がほぼ等しいため、接触に
より傷がついたり、摺動面が剥離することは殆ど無い。
【0006】これに対し、スラスト方向の軸受は、回転
部の自重とステータの吸引力等のスラスト力が全てシャ
フトとスラスト軸受の摺動面にかかることになり、スタ
ート・ストップ時や、低速回転時に互いの摺動面が接触
回転するため耐久性に対して重要な影響を持っている。
また、この動圧軸受を構成するシャフト及び軸受はいず
れも従来はステンレス等の焼き入れ材を使用していた。
部の自重とステータの吸引力等のスラスト力が全てシャ
フトとスラスト軸受の摺動面にかかることになり、スタ
ート・ストップ時や、低速回転時に互いの摺動面が接触
回転するため耐久性に対して重要な影響を持っている。
また、この動圧軸受を構成するシャフト及び軸受はいず
れも従来はステンレス等の焼き入れ材を使用していた。
【0007】しかしながら、金属同志で構成される場
合、金属同志の接触により摩耗が生じたり、また発生し
た摩耗粉が軸受の隙間に入り込んでかじり焼き付きを生
じる等の問題がある。即ち、鋭い断面形状をした溝によ
る起動時の複雑な接触問題(溝エッジによる切削)、潤
滑剤の挙動等により長期の使用において信頼性の面で問
題を有していた。
合、金属同志の接触により摩耗が生じたり、また発生し
た摩耗粉が軸受の隙間に入り込んでかじり焼き付きを生
じる等の問題がある。即ち、鋭い断面形状をした溝によ
る起動時の複雑な接触問題(溝エッジによる切削)、潤
滑剤の挙動等により長期の使用において信頼性の面で問
題を有していた。
【0008】そこで、特開昭63−163016号公報
等に示すように、この動圧軸受をセラミックスで形成す
ることが提案されている。これは、動圧軸受を構成する
シャフト又は軸受の一方をセラミックスで形成してその
表面にショットブラスト法等で動圧発生溝を形成し、他
方を金属材で形成したものであった。
等に示すように、この動圧軸受をセラミックスで形成す
ることが提案されている。これは、動圧軸受を構成する
シャフト又は軸受の一方をセラミックスで形成してその
表面にショットブラスト法等で動圧発生溝を形成し、他
方を金属材で形成したものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にシャフト又は軸受の一方をセラミックスで形成し、他
方を金属で形成した場合、両者の特性の差による不都合
が生じていた。例えば、セラミックスと金属材は熱膨張
係数が異なるため、動圧軸受を用いるモーター等の内部
の温度が100℃まで上がるような場合、両者の隙間の
大きさが変化してモーターの回転に支障を生じる等の不
都合があった。
にシャフト又は軸受の一方をセラミックスで形成し、他
方を金属で形成した場合、両者の特性の差による不都合
が生じていた。例えば、セラミックスと金属材は熱膨張
係数が異なるため、動圧軸受を用いるモーター等の内部
の温度が100℃まで上がるような場合、両者の隙間の
大きさが変化してモーターの回転に支障を生じる等の不
都合があった。
【0010】また、金属材に比べてセラミックスは硬度
が非常に高いため、低速回転時などに両者が摺動する
と、金属材側が大きく摩耗してしまうという問題があっ
た。なお、この問題を解決するために、摺動する両方の
部材をセラミックスで形成することも考えられるが、両
方を同じ材質で形成するとかえって摩耗しやすくなると
いう不都合があった。
が非常に高いため、低速回転時などに両者が摺動する
と、金属材側が大きく摩耗してしまうという問題があっ
た。なお、この問題を解決するために、摺動する両方の
部材をセラミックスで形成することも考えられるが、両
方を同じ材質で形成するとかえって摩耗しやすくなると
いう不都合があった。
【0011】さらに、一般にセラミックス材は金属材に
比べて強度が低いため、セラミックスを用いた動圧軸受
をノートパソコン等の携帯機器に使用すると、軸受部に
衝撃が加わった場合に破損しやすいという問題があっ
た。
比べて強度が低いため、セラミックスを用いた動圧軸受
をノートパソコン等の携帯機器に使用すると、軸受部に
衝撃が加わった場合に破損しやすいという問題があっ
た。
【0012】また、動圧軸受では、流体膜を安定して保
持させるために、動圧発生溝の底面を滑らかにしておく
必要があるが、セラミックス材にショットブラスト法で
形成した動圧発生溝では、底面の表面粗さを中心線平均
粗さ(Ra)で1μm程度、即ち最大高さ(Rmax)で4μm程
度にしか加工できなかった。
持させるために、動圧発生溝の底面を滑らかにしておく
必要があるが、セラミックス材にショットブラスト法で
形成した動圧発生溝では、底面の表面粗さを中心線平均
粗さ(Ra)で1μm程度、即ち最大高さ(Rmax)で4μm程
度にしか加工できなかった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、ヤン
グ率200GPa以上、40〜400℃の熱膨張係数
9.0〜11.0×10-6/℃、摺動相手材とのビッカ
ース硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックス
からなり、摺動面に動圧発生溝を備えて動圧軸受を構成
したことを特徴とする。
グ率200GPa以上、40〜400℃の熱膨張係数
9.0〜11.0×10-6/℃、摺動相手材とのビッカ
ース硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックス
からなり、摺動面に動圧発生溝を備えて動圧軸受を構成
したことを特徴とする。
【0014】即ち、シャフトと軸受の一方を上記セラミ
ックスの動圧軸受で形成し、他方を金属材で形成すれ
ば、動圧軸受の熱膨張係数を上記範囲内とすることによ
り、金属材との熱膨張差を小さくし、温度変化が生じて
も熱膨張差による不都合を解消できる。しかも、摺動相
手の金属材とのビッカース硬度の差を7GPa以下とす
ることによって、硬度差が比較的小さいために、低速回
転時に摺動しても相手材の摩耗を少なくすることができ
る。
ックスの動圧軸受で形成し、他方を金属材で形成すれ
ば、動圧軸受の熱膨張係数を上記範囲内とすることによ
り、金属材との熱膨張差を小さくし、温度変化が生じて
も熱膨張差による不都合を解消できる。しかも、摺動相
手の金属材とのビッカース硬度の差を7GPa以下とす
ることによって、硬度差が比較的小さいために、低速回
転時に摺動しても相手材の摩耗を少なくすることができ
る。
【0015】また、本発明は、上記セラミックスとし
て、曲げ強度700MPa以上、平均結晶粒径4μm以
下、理論密度に対する相対密度が98%以上のジルコニ
アセラミックスを用いたことを特徴とする。
て、曲げ強度700MPa以上、平均結晶粒径4μm以
下、理論密度に対する相対密度が98%以上のジルコニ
アセラミックスを用いたことを特徴とする。
【0016】ここで、曲げ強度700MPa以上のジル
コニアセラミックスを用いたのは、曲げ強度が700M
Pa未満であると、外部からの衝撃によりより破損しや
すく、軸受やモーターとしての機能を果たさなくなるた
めである。さらに、加えて、上記ジルコニアセラミック
スは破壊靱性が5.0MPa√m以上であるものが好ま
しい。これは、破壊靱性が5.0MPa√m未満である
と、動圧発生溝の周囲等に欠けが生じやすく、欠けた破
片が原因でモーターがストップしたり、安定した動圧効
果が得られないという問題が発生するためである。
コニアセラミックスを用いたのは、曲げ強度が700M
Pa未満であると、外部からの衝撃によりより破損しや
すく、軸受やモーターとしての機能を果たさなくなるた
めである。さらに、加えて、上記ジルコニアセラミック
スは破壊靱性が5.0MPa√m以上であるものが好ま
しい。これは、破壊靱性が5.0MPa√m未満である
と、動圧発生溝の周囲等に欠けが生じやすく、欠けた破
片が原因でモーターがストップしたり、安定した動圧効
果が得られないという問題が発生するためである。
【0017】また、平均結晶粒径を4μm以下、相対密
度を98%以上としたのは、平均結晶粒径が4μmより
大きいか、又は相対密度が98%未満であると、動圧発
生溝の底面を滑らかにすることができず、動圧発生溝の
溝深さを高精度に加工できないことから、安定した動圧
効果が得られず回転ふれが大きくなるという問題が発生
するためである。より好ましくは、平均結晶粒径は3μ
m以下、さらには0.5μm以下が良い。また相対密度
は99.0%以上が好ましい。
度を98%以上としたのは、平均結晶粒径が4μmより
大きいか、又は相対密度が98%未満であると、動圧発
生溝の底面を滑らかにすることができず、動圧発生溝の
溝深さを高精度に加工できないことから、安定した動圧
効果が得られず回転ふれが大きくなるという問題が発生
するためである。より好ましくは、平均結晶粒径は3μ
m以下、さらには0.5μm以下が良い。また相対密度
は99.0%以上が好ましい。
【0018】また、本発明は、上記動圧発生溝の底面の
表面粗さ(Rmax)が1.5μm以下であることを特徴とす
る。
表面粗さ(Rmax)が1.5μm以下であることを特徴とす
る。
【0019】即ち、底面を上記のような滑らかな面とす
ることによって、流体膜を安定して発生させ、シャフト
の回転振れを小さくすることができる。
ることによって、流体膜を安定して発生させ、シャフト
の回転振れを小さくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態をVTR
用スピンドルモータの動圧軸受装置を例にして説明す
る。
用スピンドルモータの動圧軸受装置を例にして説明す
る。
【0021】図1に示すように、動圧軸受装置は、回転
体を取り付けたシャフト1、動圧スラスト軸受2および
スリーブ3とからなり、該シャフト1を固定軸にしてス
リーブ3が回転するようになっている。また、該スリー
ブ3の内周もしくは該シャフト1の外周いずれかにヘリ
ングボーン形状の溝4が形成されてラジアル方向の動圧
軸受を構成し、動圧スラスト軸受2の摺動面にはスパイ
ラル状の溝2aが形成されてスラスト方向の動圧軸受を
構成している。
体を取り付けたシャフト1、動圧スラスト軸受2および
スリーブ3とからなり、該シャフト1を固定軸にしてス
リーブ3が回転するようになっている。また、該スリー
ブ3の内周もしくは該シャフト1の外周いずれかにヘリ
ングボーン形状の溝4が形成されてラジアル方向の動圧
軸受を構成し、動圧スラスト軸受2の摺動面にはスパイ
ラル状の溝2aが形成されてスラスト方向の動圧軸受を
構成している。
【0022】そのため、回転時には動圧効果により非接
触状態となるが、スタート・ストップ時や低速回転時に
は、シャフト1の先端が動圧スラスト軸受2と摺動する
ようになっており、回転体の全荷重がシャフト1の先端
と動圧スラスト軸受2に負荷として加わることになる。
触状態となるが、スタート・ストップ時や低速回転時に
は、シャフト1の先端が動圧スラスト軸受2と摺動する
ようになっており、回転体の全荷重がシャフト1の先端
と動圧スラスト軸受2に負荷として加わることになる。
【0023】そして、このスラスト軸受2が、ヤング率
200GPa以上、熱膨張係数9.0〜11.0×10
-6/℃(40〜400℃)、摺動相手材とのビッカース
硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックスより
形成されている。また、シャフト1はステンレス等の金
属材で形成されている。
200GPa以上、熱膨張係数9.0〜11.0×10
-6/℃(40〜400℃)、摺動相手材とのビッカース
硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックスより
形成されている。また、シャフト1はステンレス等の金
属材で形成されている。
【0024】そのため、ヤング率200GPa以上の高
剛性であることから、溝2aを高精度に加工することが
できる。また、熱膨張係数が、9.0〜11.0×10
-6/℃であることから、シャフト1を構成するステンレ
ス(熱膨張係数10.5×10-6/℃)との熱膨張差が
小さく、高温時でも隙間の変化を小さくすることができ
る。
剛性であることから、溝2aを高精度に加工することが
できる。また、熱膨張係数が、9.0〜11.0×10
-6/℃であることから、シャフト1を構成するステンレ
ス(熱膨張係数10.5×10-6/℃)との熱膨張差が
小さく、高温時でも隙間の変化を小さくすることができ
る。
【0025】さらに、このスラスト軸受2を成すセラミ
ックスは、摺動相手であるシャフト1を成す金属とのビ
ッカース硬度の差を7GPa以下にしておくことによ
り、低速回転時に両者が摺動しても、シャフト1側の摩
耗を小さくすることができる。
ックスは、摺動相手であるシャフト1を成す金属とのビ
ッカース硬度の差を7GPa以下にしておくことによ
り、低速回転時に両者が摺動しても、シャフト1側の摩
耗を小さくすることができる。
【0026】このようなスラスト軸受2を成すセラミッ
クスとしては、特に曲げ強度700MPa以上、さらに
は破壊靱性5.0MPa√m以上のジルコニアセラミッ
クスが好ましい。
クスとしては、特に曲げ強度700MPa以上、さらに
は破壊靱性5.0MPa√m以上のジルコニアセラミッ
クスが好ましい。
【0027】このジルコニアセラミックスは、40〜4
00℃の熱膨張係数が10.5×10-6/℃とステンレ
ス(熱膨張係数10.5×10-6/℃)とほぼ同等であ
る。また、このジルコニアセラミックスは、ビッカース
硬度が12.3GPaと、シャフト1を成すステンレス
(ビッカース硬度6.4GPa)との差が5.9GPa
になり、上述した7GPa以下の差であることから、シ
ャフト1側の摩耗を小さくできる。
00℃の熱膨張係数が10.5×10-6/℃とステンレ
ス(熱膨張係数10.5×10-6/℃)とほぼ同等であ
る。また、このジルコニアセラミックスは、ビッカース
硬度が12.3GPaと、シャフト1を成すステンレス
(ビッカース硬度6.4GPa)との差が5.9GPa
になり、上述した7GPa以下の差であることから、シ
ャフト1側の摩耗を小さくできる。
【0028】また、このように高強度、高靱性のジルコ
ニアセラミックスを用いれば、外部から強い衝撃が加わ
ったり、装置を落下させてしまったりした場合でも、ス
ラスト軸受2が破損する恐れはなく、モーターの回転に
支障を生じることなく、長期にわたって良好に使用する
ことができる。なお、このように強度、靱性が高いこと
から、本発明の動圧軸受は、VTRのスピンドルモータ
の他、デスクトップ型や持ち運びをするノート型パソコ
ンのHDDやFDD、LBPのスピンドルモータ等に用
いることができる。
ニアセラミックスを用いれば、外部から強い衝撃が加わ
ったり、装置を落下させてしまったりした場合でも、ス
ラスト軸受2が破損する恐れはなく、モーターの回転に
支障を生じることなく、長期にわたって良好に使用する
ことができる。なお、このように強度、靱性が高いこと
から、本発明の動圧軸受は、VTRのスピンドルモータ
の他、デスクトップ型や持ち運びをするノート型パソコ
ンのHDDやFDD、LBPのスピンドルモータ等に用
いることができる。
【0029】さらに、上記スラスト軸受2を成すジルコ
ニアセラミックスは、平均結晶粒径4μm以下、理論密
度に対する相対密度98%以上としてあることが好まし
く、これにより、ショットブラスト等で溝2aを加工し
た際に、その底面の表面粗さを最大高さ(Rmax)で1.5
μm以下とすることができる。その結果、動圧発生のた
めの流体膜を安定して発生させることができる。その結
果、スピンドルモーターの回転振れを小さくすることが
できる。
ニアセラミックスは、平均結晶粒径4μm以下、理論密
度に対する相対密度98%以上としてあることが好まし
く、これにより、ショットブラスト等で溝2aを加工し
た際に、その底面の表面粗さを最大高さ(Rmax)で1.5
μm以下とすることができる。その結果、動圧発生のた
めの流体膜を安定して発生させることができる。その結
果、スピンドルモーターの回転振れを小さくすることが
できる。
【0030】例えば、磁気記録装置の分野では、記録密
度向上のため1インチあたりのトラック数が年々増えて
きている。そのためにはスピンドルモーターのふれが小
さいことが不可欠であるが、上述した本発明の動圧軸受
を用いれば、動圧発生溝の溝深さを高精度に加工し、溝
底の表面粗さを滑らかにできることから、安定した動圧
効果を得てスピンドルモーターの回転振れが小さくな
り、ハードディスク等の記録密度を向上させることがで
きる。
度向上のため1インチあたりのトラック数が年々増えて
きている。そのためにはスピンドルモーターのふれが小
さいことが不可欠であるが、上述した本発明の動圧軸受
を用いれば、動圧発生溝の溝深さを高精度に加工し、溝
底の表面粗さを滑らかにできることから、安定した動圧
効果を得てスピンドルモーターの回転振れが小さくな
り、ハードディスク等の記録密度を向上させることがで
きる。
【0031】なお、以上の実施形態では、動圧軸受を構
成する動圧スラスト軸受2を上記のジルコニアセラミッ
クスで形成し、シャフト1を金属で形成したが、逆にす
ることもできる。あるいは、ラジアル方向の軸受につい
ても、同様にシャフト1、スリーブ3の一方を上記のジ
ルコニアセラミックスで形成することもできる。
成する動圧スラスト軸受2を上記のジルコニアセラミッ
クスで形成し、シャフト1を金属で形成したが、逆にす
ることもできる。あるいは、ラジアル方向の軸受につい
ても、同様にシャフト1、スリーブ3の一方を上記のジ
ルコニアセラミックスで形成することもできる。
【0032】例えば、シャフト1を上記ジルコニアセラ
ミックスで形成し、スリーブを上記のステンレス材で形
成した場合、両者の隙間は数μm程度と極めて小さく、
また使用時にはモーター内部の温度は100℃にも達す
るが、上述したように両者の熱膨脹係数が同等であるた
め、シャフト1とスリーブ3との隙間は大きく変化せ
ず、モーターの回転に支障を生じることなく、長期にわ
たって良好に使用することができる。
ミックスで形成し、スリーブを上記のステンレス材で形
成した場合、両者の隙間は数μm程度と極めて小さく、
また使用時にはモーター内部の温度は100℃にも達す
るが、上述したように両者の熱膨脹係数が同等であるた
め、シャフト1とスリーブ3との隙間は大きく変化せ
ず、モーターの回転に支障を生じることなく、長期にわ
たって良好に使用することができる。
【0033】また、上記の例では、ジルコニア製動圧軸
受の摺動相手材としてステンレスを用いたが、相手材と
してその他の金属材やセラミックス等を用いた場合でも
同様である。
受の摺動相手材としてステンレスを用いたが、相手材と
してその他の金属材やセラミックス等を用いた場合でも
同様である。
【0034】ところで、本発明で用いるジルコニアセラ
ミックスは、ZrO2 を主成分とし、安定化剤としてY
2 O3 ,MgO,CaO,CeO2 ,Dy2 O3 等の一
種以上を含有し、正方晶の結晶を主体としたものを用い
る。特に、安定化剤としてY 2 O3 を2〜4モル%含有
するもの、CeO2 −Dy2 O3 を合計で5〜8モル%
含有するもの、MgOを8〜15モル%含有するものが
好ましい。
ミックスは、ZrO2 を主成分とし、安定化剤としてY
2 O3 ,MgO,CaO,CeO2 ,Dy2 O3 等の一
種以上を含有し、正方晶の結晶を主体としたものを用い
る。特に、安定化剤としてY 2 O3 を2〜4モル%含有
するもの、CeO2 −Dy2 O3 を合計で5〜8モル%
含有するもの、MgOを8〜15モル%含有するものが
好ましい。
【0035】そして、上記組成の原料粉末を用いて公知
のプレス成形法等で所定形状に成形し、得られた成形体
を1300〜1500℃で焼成し、その表面に動圧発生
溝を加工することによって、本発明の動圧軸受を得るこ
とができる。
のプレス成形法等で所定形状に成形し、得られた成形体
を1300〜1500℃で焼成し、その表面に動圧発生
溝を加工することによって、本発明の動圧軸受を得るこ
とができる。
【0036】この時、原料粉末の粒径や、焼成条件を調
整することによって、最終的な焼結体の平均結晶粒径を
4μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは
0.5μm以下とし、かつ理論密度に対する相対密度を
98%以上、好ましくは99%以上となるようにする。
整することによって、最終的な焼結体の平均結晶粒径を
4μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは
0.5μm以下とし、かつ理論密度に対する相対密度を
98%以上、好ましくは99%以上となるようにする。
【0037】また、得られた焼結体の表面に動圧発生溝
を形成する場合は、ショットブラスト法を用いる。例え
ば、動圧スラスト軸受2の場合、平板状のジルコニアセ
ラミックスの表面にスパイラル状の溝2aに合致した形
状のマスキングを形成しておいて、この上からショット
ブラスト加工を施すことによって、所定形状の溝2aを
形成することができる。また、この時、ジルコニアセラ
ミックスの平均結晶粒径が4μm以下であり、かつ相対
密度が98%以上であることによって、ショットブラス
トによる溝2aの深さを高精度に加工することができ、
その底面の表面粗さを最大高さ(Rmax)1.5μm以下と
滑らかにすることができる。
を形成する場合は、ショットブラスト法を用いる。例え
ば、動圧スラスト軸受2の場合、平板状のジルコニアセ
ラミックスの表面にスパイラル状の溝2aに合致した形
状のマスキングを形成しておいて、この上からショット
ブラスト加工を施すことによって、所定形状の溝2aを
形成することができる。また、この時、ジルコニアセラ
ミックスの平均結晶粒径が4μm以下であり、かつ相対
密度が98%以上であることによって、ショットブラス
トによる溝2aの深さを高精度に加工することができ、
その底面の表面粗さを最大高さ(Rmax)1.5μm以下と
滑らかにすることができる。
【0038】さらに、このようにして形成した溝2aの
エッジ部に微小なC面又はR面の面取りを形成すれば、
エッジ部のチッピングを防止することができ、より好適
である。
エッジ部に微小なC面又はR面の面取りを形成すれば、
エッジ部のチッピングを防止することができ、より好適
である。
【0039】
【実施例】実験例1 まず、本発明の動圧軸受を構成する金属製のシャフト1
と、セラミックス製の動圧スラスト軸受2との耐摩耗性
および摺動性を調べるため、ボール・オン・ディスク型
の摩擦摩耗試験を用いた基礎試験を行った。
と、セラミックス製の動圧スラスト軸受2との耐摩耗性
および摺動性を調べるため、ボール・オン・ディスク型
の摩擦摩耗試験を用いた基礎試験を行った。
【0040】本発明実施例として表1中ジルコニアセラ
ミックスの試料を用意し、比較例としてアルミナ系セラ
ミックス、窒化珪素系セラミックス、炭化珪素系セラミ
ックスの各試料を用意した。
ミックスの試料を用意し、比較例としてアルミナ系セラ
ミックス、窒化珪素系セラミックス、炭化珪素系セラミ
ックスの各試料を用意した。
【0041】各試料を、乾式無潤滑下の状態で、相手材
にステンレス(SUS304:ビッカース硬度6.4G
Pa)のボールを用いて、荷重0.1Kg、相対摺動速
度0.1〜5m/sで摺動試験を行い、摩擦係数、各試
料の摩耗量、相手材の摩耗量を測定した結果を表1に示
す。なお、結果は、速度0.1m/sでのジルコニアセ
ラミックスの摩擦係数、摩耗量、相手材摩耗量をそれぞ
れ1とした場合の比率で示した。また、各材質につい
て、ボールを成すステンレスとのビッカース硬度の差も
求めた。
にステンレス(SUS304:ビッカース硬度6.4G
Pa)のボールを用いて、荷重0.1Kg、相対摺動速
度0.1〜5m/sで摺動試験を行い、摩擦係数、各試
料の摩耗量、相手材の摩耗量を測定した結果を表1に示
す。なお、結果は、速度0.1m/sでのジルコニアセ
ラミックスの摩擦係数、摩耗量、相手材摩耗量をそれぞ
れ1とした場合の比率で示した。また、各材質につい
て、ボールを成すステンレスとのビッカース硬度の差も
求めた。
【0042】表1から明らかなように、比較例であるN
o.2〜4は、ビッカース硬度の差が7GPaを超える
ため、相手材(ボール)の摩耗量が大きかった。これに
対し、本発明実施例のNo.1では、ビッカース硬度の
差が7GPa以下であることから、低速での相手材の摩
耗量が小さく、摩擦係数も低かった。なお、本発明実施
例では、高速領域での相手材の摩耗量が大きかったが、
動圧軸受で最も重要なのはシャフトと軸受が接触する低
速領域での摺動であり、高速領域においては動圧効果に
より既にシャフトは浮上し非接触の状態になるため何等
問題はない。
o.2〜4は、ビッカース硬度の差が7GPaを超える
ため、相手材(ボール)の摩耗量が大きかった。これに
対し、本発明実施例のNo.1では、ビッカース硬度の
差が7GPa以下であることから、低速での相手材の摩
耗量が小さく、摩擦係数も低かった。なお、本発明実施
例では、高速領域での相手材の摩耗量が大きかったが、
動圧軸受で最も重要なのはシャフトと軸受が接触する低
速領域での摺動であり、高速領域においては動圧効果に
より既にシャフトは浮上し非接触の状態になるため何等
問題はない。
【0043】また、各材質の40〜400℃の熱膨張係
数を比較したところ、ステンレスの熱膨張係数が10.
5×10-6/℃であるのに対し、アルミナは7.1×1
0-6/℃、炭化珪素は4.0×10-6/℃、窒化珪素は
2.6×10-6/℃といずれも熱膨張差が大きかった。
これに対し、ジルコニアセラミックスの熱膨張係数は1
0.5×10-6/℃とステンレスとほぼ同等であった。
数を比較したところ、ステンレスの熱膨張係数が10.
5×10-6/℃であるのに対し、アルミナは7.1×1
0-6/℃、炭化珪素は4.0×10-6/℃、窒化珪素は
2.6×10-6/℃といずれも熱膨張差が大きかった。
これに対し、ジルコニアセラミックスの熱膨張係数は1
0.5×10-6/℃とステンレスとほぼ同等であった。
【0044】
【表1】
【0045】実験例2 次に、図1に示す動圧スラスト軸受2を様々な材質で形
成し、その耐衝撃性を調べるための衝撃試験と、動圧発
生溝の溝底の表面粗さの違いによるモーターの回転ふれ
量の違いを測定する試験を行った。
成し、その耐衝撃性を調べるための衝撃試験と、動圧発
生溝の溝底の表面粗さの違いによるモーターの回転ふれ
量の違いを測定する試験を行った。
【0046】本発明実施例として、表2のNo.1〜3
に示すように、安定化剤として3モル%のY2 O3 を含
有した部分安定化ジルコニアセラミックスを用い、その
焼成条件を変化させることによって、平均結晶粒径等の
異なるものを用意した。また比較例として、表2のN
o.4〜8に示すジルコニア以外の各種材料、及びN
o.9〜11に示すようにジルコニアセラミックスであ
っても相対密度、曲げ強度、平均結晶粒径が本発明の範
囲外であるものを用意した。
に示すように、安定化剤として3モル%のY2 O3 を含
有した部分安定化ジルコニアセラミックスを用い、その
焼成条件を変化させることによって、平均結晶粒径等の
異なるものを用意した。また比較例として、表2のN
o.4〜8に示すジルコニア以外の各種材料、及びN
o.9〜11に示すようにジルコニアセラミックスであ
っても相対密度、曲げ強度、平均結晶粒径が本発明の範
囲外であるものを用意した。
【0047】それぞれ、3mm×4mm×50mmの試
験片を準備し、スパン30mmで3点曲げにて曲げ強度
を測定した。また、破壊靱性値は圧痕法によるクラック
の大きさより算出し、平均結晶粒径はコード法にて測定
した。さらに、各成分の重量比から理論密度を算出し、
実際に測定した見掛け比重との比により相対密度を算出
した。
験片を準備し、スパン30mmで3点曲げにて曲げ強度
を測定した。また、破壊靱性値は圧痕法によるクラック
の大きさより算出し、平均結晶粒径はコード法にて測定
した。さらに、各成分の重量比から理論密度を算出し、
実際に測定した見掛け比重との比により相対密度を算出
した。
【0048】なお、この実験例では、曲げ強度はJIS
に規定する試験片で測定したが、最終製品である動圧ス
ラスト軸受2で測定する場合は、この動圧スラスト軸受
2自身又はこれを所定形状に加工したものを用いて同様
の曲げ試験を行い、得られた値を公知の手法によってJ
IS試験片での強度に変換すればよい。
に規定する試験片で測定したが、最終製品である動圧ス
ラスト軸受2で測定する場合は、この動圧スラスト軸受
2自身又はこれを所定形状に加工したものを用いて同様
の曲げ試験を行い、得られた値を公知の手法によってJ
IS試験片での強度に変換すればよい。
【0049】次に、各種材料を用いて、直径10mm、
厚み1mmの動圧スラスト軸受2を形成し、その表面に
ショットブラスト法にて深さ5μmの溝2aを形成し
た。この溝2aの底面を表面粗さ計で測定して最大高さ
(Rmax)を求め、また同じ表面粗さ計で複数の溝2aの深
さを調べ、そのバラツキ量を求めた。
厚み1mmの動圧スラスト軸受2を形成し、その表面に
ショットブラスト法にて深さ5μmの溝2aを形成し
た。この溝2aの底面を表面粗さ計で測定して最大高さ
(Rmax)を求め、また同じ表面粗さ計で複数の溝2aの深
さを調べ、そのバラツキ量を求めた。
【0050】その後、この動圧スラスト軸受2を図1の
装置に組み込んで、300Gの衝撃試験を行った。ま
た、各試料をスピンドルモーターに組み込んで5000
rpmで回転させたときのシャフト1の回転振れ量を測
定し、さらにスタート・ストップ試験を10万サイクル
行った後の状態を調べた。これらの結果を表3に示す。
表2、3から明らかなように、比較例のNo.4〜10
の曲げ強度が700MPa以下のものは、衝撃試験の結
果、変形、割れ、欠け、クラックを発生していた。ま
た、No.4〜7、9のものは、スタート・ストップ試
験の結果、負荷電流が増加したり、モーターがストップ
する等の不都合があった。さらに、比較例のNo.11
は、平均結晶粒径が4μmを越えるため溝底面の表面粗
さ(Rmax)が2μmと大きく、その結果シャフトの回転振
れが0.15μmと大きいものであった。
装置に組み込んで、300Gの衝撃試験を行った。ま
た、各試料をスピンドルモーターに組み込んで5000
rpmで回転させたときのシャフト1の回転振れ量を測
定し、さらにスタート・ストップ試験を10万サイクル
行った後の状態を調べた。これらの結果を表3に示す。
表2、3から明らかなように、比較例のNo.4〜10
の曲げ強度が700MPa以下のものは、衝撃試験の結
果、変形、割れ、欠け、クラックを発生していた。ま
た、No.4〜7、9のものは、スタート・ストップ試
験の結果、負荷電流が増加したり、モーターがストップ
する等の不都合があった。さらに、比較例のNo.11
は、平均結晶粒径が4μmを越えるため溝底面の表面粗
さ(Rmax)が2μmと大きく、その結果シャフトの回転振
れが0.15μmと大きいものであった。
【0051】これらに対し、本発明実施例であるNo.
1〜3は、曲げ強度700MPa以上、破壊靱性5.0
MPa√m以上であるため、衝撃試験後も異常がなかっ
た。また、平均結晶粒径4μm以下、相対密度98%以
上であるため、溝2aの深さバラツキを1.0μmと小
さくでき、溝2aの底面の表面粗さ(Rmax)を1.5μm
と滑らかにすることができた。その結果、シャフトの回
転振れ量を0.1μm未満と極めて小さくすることがで
き、スタート・ストップ試験の結果も異常がなかった。
1〜3は、曲げ強度700MPa以上、破壊靱性5.0
MPa√m以上であるため、衝撃試験後も異常がなかっ
た。また、平均結晶粒径4μm以下、相対密度98%以
上であるため、溝2aの深さバラツキを1.0μmと小
さくでき、溝2aの底面の表面粗さ(Rmax)を1.5μm
と滑らかにすることができた。その結果、シャフトの回
転振れ量を0.1μm未満と極めて小さくすることがで
き、スタート・ストップ試験の結果も異常がなかった。
【0052】特に、No.1、2のように相対密度99
%以上、平均結晶粒径0.5μm以下としたものは、特
に強度、靱性を高くすることができ、好適であった。
%以上、平均結晶粒径0.5μm以下としたものは、特
に強度、靱性を高くすることができ、好適であった。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】このように、本発明によれば、ヤング率
200GPa以上、熱膨張係数9.0〜11.0×10
-6/℃(40〜400℃)、摺動相手材とのビッカース
硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックスから
なり、摺動面に動圧発生溝を備えて動圧軸受を構成した
ことによって、温度変化が生じても熱膨張差による不都
合を解消するこができ、しかも、低速回転時に摺動して
も相手材の摩耗を少なくすることができる。
200GPa以上、熱膨張係数9.0〜11.0×10
-6/℃(40〜400℃)、摺動相手材とのビッカース
硬度の差が7GPa以下の範囲にあるセラミックスから
なり、摺動面に動圧発生溝を備えて動圧軸受を構成した
ことによって、温度変化が生じても熱膨張差による不都
合を解消するこができ、しかも、低速回転時に摺動して
も相手材の摩耗を少なくすることができる。
【0056】また、本発明によれば、曲げ強度が700
MPa以上、平均結晶粒径が4μm以下、相対密度98
%以上のジルコニアセラミックスからなり、表面に動圧
発生溝を備えて動圧軸受を構成したことによって、耐衝
撃性を向上させ、回転振れを小さくし、高い信頼性と長
寿命化をもたらす動圧軸受を得ることができる。
MPa以上、平均結晶粒径が4μm以下、相対密度98
%以上のジルコニアセラミックスからなり、表面に動圧
発生溝を備えて動圧軸受を構成したことによって、耐衝
撃性を向上させ、回転振れを小さくし、高い信頼性と長
寿命化をもたらす動圧軸受を得ることができる。
【図1】本発明実施形態の動圧軸受装置を示す縦断面図
である。
である。
1:シャフト 2:動圧スラスト軸受 3:スリーブ 4:動圧ラジアル軸受
Claims (3)
- 【請求項1】ヤング率が200GPa以上、40〜40
0℃における熱膨張係数が9.0〜11.0×10-6/
℃、摺動相手材とのビッカース硬度の差が7GPa以下
の範囲にあるセラミックスからなり、摺動面に動圧発生
溝を備えたことを特徴とする動圧軸受。 - 【請求項2】上記セラミックスが、曲げ強度700MP
a以上、平均結晶粒径4μm以下、理論密度に対する相
対密度が98%以上のジルコニアセラミックスからなる
ことを特徴とする請求項1記載の動圧軸受。 - 【請求項3】上記動圧発生溝の底面の表面粗さ(Rmax)が
1.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の
動圧軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9329231A JPH11159524A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 動圧軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9329231A JPH11159524A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 動圧軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11159524A true JPH11159524A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18219125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9329231A Pending JPH11159524A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 動圧軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11159524A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6619847B1 (en) | 2001-02-13 | 2003-09-16 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Ceramic dynamic-pressure bearing, motor having bearing, hard disk drive, and polygon scanner |
US6771459B1 (en) * | 1999-04-30 | 2004-08-03 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spindle motor and hard disc drive incorporating the same |
-
1997
- 1997-11-28 JP JP9329231A patent/JPH11159524A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6771459B1 (en) * | 1999-04-30 | 2004-08-03 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spindle motor and hard disc drive incorporating the same |
US6619847B1 (en) | 2001-02-13 | 2003-09-16 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Ceramic dynamic-pressure bearing, motor having bearing, hard disk drive, and polygon scanner |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041026 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041221 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050614 |