JP2006071062A - 動圧軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型・薄型、かつ高速回転型のスピンドルモータ等のモータの軸受として、高温状況下においても優れた軸受剛性を発揮する高性能な動圧軸受を提供する。
【解決手段】 軸孔11の内周面13に、軸方向に沿って延びる分離溝14を形成し、これら分離溝14の間の内周面13に、軸心Pに対し偏心し、かつ軸2の回転方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく円弧面15をそれぞれ形成する。スラストワッシャ22が対向する上端面12に、軸2の回転方向に向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝16を形成する。分離溝14および円弧面15を5つ形成し、分離溝14の幅を、軸心Pを中心とした周方向への角度θで8〜20°に相当する長さに設定し、分離溝14の最大深さを0.05〜0.15mmとする。スパイラル溝16は8〜15本形成し、その最大深さを8〜15μmとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、潤滑油等の潤滑用流体に動圧を発生させて高い軸受剛性を得ることのできる動圧軸受に係り、特に、小型・薄型で、高速回転型のスピンドルモータ等に好適な動圧軸受に関する。
例えば、磁気ディスクあるいはCD−ROM、DVD−ROM等の光ディスクを駆動してこれらディスクに情報の読み書きを行うディスク駆動装置や、レーザビームプリンタ等の各種情報機器には、駆動源としてスピンドルモータが採用されている。この種のスピンドルモータの軸受としてはボールベアリングが用いられていたが、回転精度、高速性、静音性といった面では限界があり、これらの特性に優れた軸受として、非接触タイプの動圧軸受が用いられるようになってきた。動圧軸受とは、軸と軸受との間の微小隙間に潤滑油による油膜を形成し、その油膜を、軸が回転することにより高圧化させて軸を高い剛性で支持する軸受であり、その動圧は、軸か、軸受のいずれか一方に形成される凹所によって効果的に発生する。
そのような凹所は、主に、ラジアル荷重を支持するラジアル動圧凹所と、スラスト荷重を支持するスラスト動圧凹所とに分けられる。ラジアル動圧凹所はラジアル受け面(軸の外周面か、軸受の内周面のいずれか一方)に形成され、形状としては、ヘリングボーン状の溝や、外径と非同心の複数(例えば3つ)の円弧面などが挙げられる。溝は、軸の回転に伴って油膜がより高圧になるように形状や深さが工夫され、また、円弧面は、軸との間の微小隙間が、軸の回転方向に向かうにしたがい狭小となって断面クサビ状になるように形成されている。一方、スラスト荷重を支持するスラスト動圧凹所は、スラスト受け面(軸の端面あるいは軸に設けられたフランジ状のスラストワッシャと、軸受端面との互いの対向面のうちの一方の面)に形成され、形状としては、ヘリングボーン状、あるいはスパイラル状の溝が挙げられる(特許文献1,2参照)。
特開2001−53683号公報 特開2002−31223号公報
上記の溝等によるラジアル動圧凹所やスラスト動圧凹所は、一般に、ケミカルエッチングや電解放電加工等の方法によって形成されるが、特に軸受が焼結材からなる場合には、塑性加工によって形成される。
ところで、近年のノート型パーソナルコンピュータ(PC)に搭載されるハードディスク駆動用のスピンドルモータは、小型化・薄型化とともに、回転の高速化が顕著である。小型化・薄型化に関しては、ハードディスクの径が3.5インチから2.5インチ、さらには1.8インチ程度と小径化が進んでおり、これに伴ってディスク駆動装置全体の厚さは、12.5mm程度から5mm前後と薄くなってきている。これに伴い、軸受は、内径φ5mmからφ2mm程度、軸方向長さが2mm程度と、小型化を余儀なくされている。軸受の小型化は、軸受剛性の低下や、動圧凹所を上記の方法で形成することが困難になるといった問題を招く。
一方、高速化に関しては、軸の回転数が4200rpmから5400rpm、さらには7200rpmと回転数が増大している。このような高速化は、軸受部分の温度の上昇を招き、例えば、従来では60℃前後だったものが、80℃を超えるまでに高温となる。軸受部分の高温化は潤滑油の粘度を低下させることになるため、特にスラスト受け面においてスラスト動圧による軸の浮上量が不足して金属接触が起こり、軸受剛性や回転精度を低下させる要因となる。
このような高温化や、上記のような小型化・薄型化による軸受剛性の低下は、NRRO値(再現性のない振動成分)の増大を惹起し、ひいてはディスクに対する情報の読み書きに支障を来すおそれがある。さらには、ディスクに対する記録の高密度化の観点から、軸振れが1μm程度、あるいはそれ以下のものが要求される場合が多くなってきた。
よって本発明は、小型・薄型、かつ高速回転型のスピンドルモータ等のモータの軸受として、高温状況下においても優れた軸受剛性を発揮する高性能な動圧軸受を提供することを目的としている。
本発明者は、小型・薄型で、かつ高速回転型のモータに用いられる軸受における上記ラジアル動圧凹所やスラスト動圧凹所の形状、数、寸法等の条件について鋭意研究したところ、まず、ラジアル動圧凹所としては、上記円弧面が好適で、かつ、その数が3〜6である場合に、形成し易く、かつ、高い軸受剛性が得られることを見出した。また、これら円弧面の間に、潤滑油を供給するための溝として、軸方向に延びて内周面を周方向に分離させて各円弧面を隔絶させる分離溝を、周方向を3〜6等分する位置に形成し、その幅は、当該軸受の軸心を中心とした周方向への角度で8〜20°に相当する長さを有するとともに、その最大深さは0.05〜0.15mmが好適であることを見出した。
本発明は上記知見を基になされたものであって、軸が挿入される軸孔の内周面に、軸方向に沿って延び、該内周面を周方向に分離させる複数の分離溝が、周方向に等間隔をおいて形成され、これら分離溝の間の内周面に、外径と非同心で、かつ、一周方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく円弧面が形成された円筒状の動圧軸受であって、分離溝の数は3〜6とされ、これに伴い円弧面の数も3〜6とされ、さらに、分離溝は、幅が、当該軸受の軸心を中心とした周方向への角度で8〜20°に相当する長さを有し、また、最大深さが0.05〜0.15mmとされていることを特徴としている。
上記の各数値条件について根拠を述べると、まず、ラジアル動圧凹所としての円弧面の数は、上記のように3〜6の場合が、形成し易い範囲であり、かつ、高い軸受剛性を得られるからである。上記分離溝内には潤滑油が貯留し、その潤滑油は軸の回転に巻き込まれて円弧面と軸との間の微小隙間に供給されて油膜を形成し、この油膜に動圧が発生する。分離溝の幅が上記角度で8°を下回ると、動圧は高くなるものの、潤滑油が巻き込まれにくくなって供給が不足がちになり、逆に20°を超えると動圧が低くなって軸受剛性の低減を招く。したがって、この角度を8〜20°とした。なお、分離溝の幅の上限を15°以下にすると、十分な軸受剛性が得られるのでより好ましい。
また、分離溝の最大深さが0.05mmを下回ると分離溝の部分で負圧が発生し、また、空気を巻き込んで気泡が生じるおそれもある。気泡の発生は軸受剛性を低減させるばかりでなく、上記NRRO値が増大しやすい。一方、分離溝の最大深さが0.15mmを超えると、軸受自体の強度低下につながり、例えば当該動圧軸受をハウジング内に圧入すると分離溝に応力が集中して変形を招くおそれがある。したがって、分離溝の最大深さを0.05〜0.15mmとした。
本発明の動圧軸受は、端面に、スラスト動圧凹所として、上記一周方向に向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝が形成され、さらにこのスパイラル溝の本数を8〜15本とし、かつ、最大深さを8〜15μmと規定することを好ましい形態としている。これらの理由としては、スパイラル溝の本数が8本からスラスト荷重支持能力を示す負荷容量が満足するレベルに達するが、15本を超えてもその負荷容量は飽和する。したがって、本数は8〜15本が好適である。また、スパイラル溝の最大深さは、80℃前後の高温状況下で潤滑油の粘度が低下した場合、10μm前後で上記浮上量が最大となるが、加工する上で、深さを15μm超とすることは困難である。これらの観点から、スパイラル溝の最大深さは8〜15μmが好適である。
さて、本発明の動圧軸受の材質は、各動圧凹所を加工しやすいことから、原料粉末を圧縮成形し、その成形体を焼結した焼結材が好ましく、そのような焼結軸受の組成としては、高い加工精度と強度の両立が図られる観点から、鉄:40〜60wt%、銅:40〜60wt%、錫:1〜5wt%を含有するものが好適である。
本発明の動圧軸受によれば、ラジアル動圧凹所やスラスト動圧凹所の形状、数、寸法等を最適な条件に規定したことにより、高温状況下においても優れた軸受剛性を発揮し、小型・薄型、かつ高速回転型のスピンドルモータ等のモータの軸受としてきわめて有望である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る動圧軸受1の縦断面を示しており、図2は図1のII−II線矢視断面図である。この動圧軸受1は、図示の通り円筒状であって、外径がφ6mm程度、軸方向長さが5mm程度の小型のもので、中空の軸孔11に挿入されるφ3mm程度の軸2を、回転自在に支持する。
図1に示すように、軸2は、軸本体21にスラストワッシャ22が嵌合されたもので、軸本体21が動圧軸受1の軸孔11に図中上から挿入され、スラストワッシャ22が動圧軸受1の上端面12に対向して配置される。軸2のラジアル荷重は動圧軸受1の内周面13で受けられ、軸2のスラスト荷重は動圧軸受1の上端面12で受けられる。本実施形態の動圧軸受1は、ハードディスク駆動装置用のスピンドルモータ等に用いられ、その場合には、軸本体21のスラストワッシャ22よりも上方部分に、ロータハブを介して磁気ディスクが搭載される。
動圧軸受1の軸孔11の内周面13には、図2に示すように、断面が半円弧状で、両端面間にわたり軸方向に沿って真っ直ぐに延びる5つの分離溝14が、周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、内周面13の各分離溝14の間には、動圧軸受1の外径の軸心Pに対して偏心し、矢印Rで示す軸2の回転方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく形状の円弧面15が形成されている。すなわち、これら円弧面15は動圧軸受1の外径と非同心であり、各円弧面15の中心は、軸心Pの周囲に、この軸心Pと同心的で周方向に等間隔をおいて存在する。この場合、図示例では分離溝14および円弧面15はそれぞれ5つ形成されているが、これらは3〜6が好適な数とされる。
このような円弧面15の形状により、円弧面15と軸2の外周面との間の微小隙間は、軸2の回転方向に向かうにしたがってしだいに狭小となる断面クサビ状に形成される。この場合、分離溝14の幅は、図2に示す動圧軸受の軸心Pを中心とした周方向への角度θで8〜20°に相当する長さとされている。また、その最大深さは、0.05〜0.15mmとされている。
動圧軸受1の上端面12には、図3に示すように、軸2の回転方向Rに向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝16が、周方向に等間隔をおいて形成されている。これらスパイラル溝16の外周側の端部は外周面に開口しているが、内周側の端部は内周面13に開口しておらず閉塞している。この場合、図示例ではスパイラル溝16は12本形成されているが、8〜15本が好適な数とされる。そして、これらスパイラル溝16の最大深さは8〜15μmとされている。
本実施形態の動圧軸受1は、原料粉末を圧縮成形した成形体を焼結した焼結軸受である。焼結軸受であることにより、分離溝14、円弧面15およびスパイラル溝16は、塑性加工によって容易に形成することができる。例えば、内周面13の加工は、分離溝14および円弧面15を形成し得る雄型のピンを、焼結軸受の素材の軸孔11に圧入することによって形成することができる。また、スパイラル溝16は、このスパイラル溝16を形成し得る複数の凸部が形成されたパンチを焼結軸受の素材の端面に刻印することによって形成することができる。焼結軸受は多孔質であるためスプリングバック量が少なく、塑性加工によって上記分離溝14、円弧面15およびスパイラル溝16を、高い寸法精度で形成することができる。
原料粉末としては、例えば、鉄:40〜60wt%、銅:40〜60wt%、錫:1〜5wt%の合金粉末のように、鉄粉と銅粉がほぼ同量であって、他に数wt%の錫粉を含有するものが好ましく用いられる。このような組成によれば、加工性の良好な銅を主成分とする焼結材の特性に加えて、鉄量を多く含有することにより強度が向上し、さらに、錫を含有することにより、軸2に対するなじみ性と塑性加工性がより向上する。このため、上記のように塑性加工によって分離溝14、円弧面15およびスパイラル溝16を形成することが容易となり、しかも、摩擦係数が低減して耐摩耗性が向上する。
上記動圧軸受1によれば、潤滑油が含浸されて含油軸受とされる。そして、軸孔11に挿入された軸2が、図2および図3に示す矢印R方向に回転すると、内周面13の各分離溝14にしみ出して貯留する潤滑油が、効率よく軸2に巻き込まれて円弧面15と軸2との間のクサビ状の微小隙間に侵入し、油膜を形成する。この微小隙間に入っていく潤滑油は、微小隙間の狭小側に流動することにより、クサビ効果が生じて高圧となり、高いラジアル動圧が発生する。このように油膜が高圧化する部分は、円弧面15に応じて周方向に等間隔をおいて発生し、これによって軸2のラジアル荷重は、バランスよく、かつ高い剛性をもって支持される。
一方、潤滑油は、動圧軸受1の上端面12に形成されたスパイラル溝16内にもしみ出して貯留され、この潤滑油の一部は、軸2の回転によってスパイラル溝16内から出て、上端面12とスラストワッシャ22との間に油膜を形成する。また、スパイラル溝16内に保持される潤滑油は、スパイラル溝16内の外周側から内周側に向かって流動し、内周側の端部で最も高圧化するスラスト動圧が発生する。そして、そのスラスト動圧をスラストワッシャ22が受けることにより、軸2が僅かに浮上した状態となり、これによってスラスト荷重がバランスよく、かつ高い剛性をもって支持される。
本実施形態の動圧軸受1によれば、ラジアル側においては、円弧面15の数が3〜6の範囲であり、これら円弧面15に潤滑油を供給するための分離溝14の幅が上記角度θで8〜20°に相当するため、各円弧面15と軸2との間に高いラジアル動圧が発生して軸受剛性が大幅に向上する。一方、スラスト側では、スパイラル溝16が8〜15本(図示例では12本)であるため、上端面12とスラストワッシャ22との間に高いスラスト動圧が発生する。そのスパイラル溝16は、最大深さが8〜15μmであるため、軸2の高速回転により軸受部分が80℃前後に高温化して潤滑油の粘度が低下しても、軸2を支持して浮上させるスラスト動圧が確保される。
また、分離溝14の最大深さが0.05〜0.15mmであるため、この分離溝14によって動圧軸受1自体の強度が損なわれることがなく、また、負圧や気泡の発生が抑えられて、上記のように潤滑油が効率よく円弧面15に供給される。
なお、上記動圧軸受1は、含有軸受としての動圧軸受の例として説明したが、含有軸受にあっては、気孔から僅かではあるが発生した動圧が抜けることがある。この動圧の抜けを生じさせないために、上記円弧面15やスパイラル溝16等の動圧発生凹所を設けた後に、これら凹所の気孔に樹脂を含浸して固化することによる封孔処理を施しても、同様の作用効果を奏する。
次に、本発明の実施例を説明し、本発明の効果を明らかにする。
表1に示す組成の原料粉末を圧縮成形し、その成形体を焼結して真密度比6.3〜7.2%、外径φ6mm、内径φ3mm、軸方向長さ5mmの円筒状の焼結軸受の素材を必要数得た。次いで、この焼結軸受の素材を加工して以下の項目A〜Eにつき試験を行った。
Figure 2006071062
A.分離溝および円弧面の数
内周面の分離溝および円弧面の数を3〜8とした6種類の焼結軸受を作製した。分離溝および円弧面の形成は、焼結軸受の素材の軸孔に、分離溝および円弧面の雄型のピンを圧入する塑性加工によって形成した。これら焼結軸受を鋼製のハウジングに圧入し、潤滑油としてエステル油を含浸させた。次いで、焼結軸受に軸を挿入して4200rpmで回転させ、その時に生じる焼結軸受と軸との間の油膜圧力(kg/cm)を測定した。この油膜圧力が高いほど軸受剛性が高いと判断され、ここでは、油膜圧力が8kg/cm程度であれば必要十分な軸受剛性が確保されていると見なす。
図4は測定結果を示しており、測定した油膜圧力は円弧面の数が3つのものが最も油膜圧力が高いが、軸受剛性は油膜圧力×円弧面の数の値、すなわち各円弧面での油膜圧力の総和で表されることから、軸受剛性は、円弧数が5つのものが最も高い軸受剛性を示すことが判る。ただし、分離溝および円弧面の数が3つあれば、必要十分な軸受剛性は確保されることも判った。しかしながら、7つ以上の分離溝および円弧面とするには、軸受面が小さくなりすぎて形成が困難であり、実用化しにくいことが判明した。したがって、分離溝および円弧面の数は3〜6が好適であり、5が最適であることが認められた。
B.分離溝の幅
分離溝の幅を、図2で示す角度θを5〜20°の範囲で1°ずつ異ならせた16種類の焼結軸受を作製し、これら焼結軸受を用いて、試験Aと同様に油膜圧力を測定した。なお、形成した分離溝および円弧面はそれぞれ5つと共通させた。図5は測定結果を示しており、これによると、分離溝の幅が狭くなるほど動圧は高くなることが判る。しかしながら、分離溝の幅を示す角度θが8°を下回ったものでは、潤滑油が巻き込まれにくくなって円弧面への潤滑油の供給が不足がちになる現象が起きた。また、角度θが20°で油膜圧力がほぼ6kg/cmであり、これは実用上必要な油膜圧力の下限値であるため、角度θが20°を超えると、必要十分な軸受剛性を確保しにくくなる。また、角度θが15°で油膜圧力が8kg/cmと十分な油膜圧力となり、十分な軸受剛性が確保される。これらのことから、角度θは8〜20°が好適であり、8〜15°がより好適であることが認められた。
C.分離溝の深さ
分離溝の最大深さを0.01〜0.21mmの範囲で0.02mmずつ異ならせた9種類の焼結軸受を作製し、これら焼結軸受を用いて、試験Aと同様に油膜圧力を測定した。なお、形成した分離溝および円弧面はそれぞれ5つ、分離溝の幅を示す角度θは10°と共通させた。図6は測定結果を示しており、これによると、分離溝の最大深さは0.05mm以上で油膜圧力が一定となるが、0.05mm以下では油膜圧力が若干低下するとともに変動することが判った。これは分離溝が0.05mm以下では分離溝の部分で負圧が発生して空気を巻き込み、これが軸受面に流入して圧力低下と圧力変動が生じるためである。ところが、0.15mmを超えると、焼結軸受全体に、分離溝が狭まるような変形が生じやすい。このため、分離溝の最大深さは0.05〜0.15mmが好適であることが認められた。
D.スパイラル溝の本数
端面に形成するスパイラル溝の数を6〜16とした11種類の焼結軸受を作製した。スパイラル溝の形成は、凸部が形成されたパンチを焼結軸受の素材の端面に刻印することによって形成した。これら焼結軸受に潤滑油としてエステル油を含浸させ、この焼結軸受に、スラストワッシャを有する軸を、そのスラストワッシャをスパイラル溝に対向させて挿入し、この軸を4200rpmで回転させて、スラスト荷重支持能力を示す軸の浮上量を調べた。図7はその結果を示しており、これによれば、スパイラル溝を8本以上有することにより負荷容量が満足するレベルに達するが、15本を超えてもその負荷容量は飽和することが判る。
E.スパイラル溝の深さ
端面に形成するスパイラル溝の最大深さを4〜19μmの範囲で1μmずつ異ならせた16種類の焼結軸受を作製した。スパイラル溝は上記Dの試験と同様の方法で形成し、本数は10本と共通させた。そして、室温:25℃と、高温の80℃の環境下で、上記Dの試験と同様にして軸を回転させ、スラストワッシャの浮上量を調べた。図8はその結果を示しており、これによれば、室温では、スパイラル溝の深さが増大するほどスラストワッシャの浮上量も増大するが、80℃と高温の状況では、深さが10μmで浮上量は最大となった。したがって、室温と高温の双方の温度状況を鑑みると、スパイラル溝の深さは8〜15μmが好適であることが判る。
本発明の一実施形態の動圧軸受の縦断面図である。 図1のII−II線矢視断面図である。 一実施形態の動圧軸受の上面図である。 実施例で作製した動圧軸受の円弧面と軸受剛性(油膜圧力)との関係を示す線図である。 実施例で作製した動圧軸受の分離溝の幅と軸受剛性(油膜圧力)との関係を示す線図である。 実施例で作製した動圧軸受の分離溝の最大深さと軸受剛性(油膜圧力)との関係を示す線図である。 実施例で作製した動圧軸受のスパイラル溝の本数と浮上量との関係を示す線図である。 実施例で作製した動圧軸受のスパイラル溝の深さと軸の浮上量との関係を示す線図である。
符号の説明
1…動圧軸受、2…軸、11…軸孔、12…上端面、13…内周面、14…分離溝、
15…円弧面、16…スパイラル溝。

Claims (4)

  1. 軸が挿入される軸孔の内周面に、軸方向に沿って延び、該内周面を周方向に分離させる複数の分離溝が、周方向に等間隔をおいて形成され、これら分離溝の間の内周面に、外径と非同心で、かつ、一周方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく円弧面が形成された円筒状の動圧軸受であって、
    前記分離溝の数は3〜6とされ、これに伴い前記円弧面の数も3〜6とされ、
    さらに、前記分離溝は、幅が、当該軸受の軸心を中心とした周方向への角度で8〜20°に相当する長さを有し、また、最大深さが0.05〜0.15mmとされていることを特徴とする動圧軸受。
  2. 前記動圧軸受の端面に、前記一周方向に向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝が形成されており、該スパイラル溝の本数は8〜15本であり、かつ、その最大深さが8〜15μmとされていることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受。
  3. 焼結材からなる焼結軸受であることを特徴とする請求項1または2に記載の動圧軸受。
  4. 鉄:40〜60wt%、銅:40〜60wt%、錫:1〜5wt%を含有する焼結合金製であることを特徴とする請求項3に記載の動圧軸受。
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