JP4587220B2 - 動圧軸受ユニットおよびこれを用いたスピンドルモータ - Google Patents
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Description
図1は、一実施形態のスピンドルモータ1の断面を示している。このモータ1は、1.8インチまたは2.5インチの径の2枚の磁気記録ディスクDを回転させるものであり、ケース10、磁気記録ディスクDを支持するハブ20、ハブ20を回転させるモータ部30、ハブ20の回転中心となる軸40、軸40を回転自在に支持する動圧軸受ユニット50から構成されている。ケース10の中心には図1で上方に突出する円筒状のホルダ部11が形成されており、このホルダ部11内に動圧軸受ユニット50が収容されている。なお、図1は、1.8インチまたは2.5インチの径の2枚の磁気記録ディスクDを回転させるものであるが、3.5インチの1枚の磁気記録ディスクを回転させるものであってもよい。
動圧軸受70の軸孔71の内周面73には、図3に示すように、断面が半円弧状で、両端面間にわたり軸方向に沿って真っ直ぐに延びる5つの分離溝74が、周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、内周面73の各分離溝74の間には、動圧軸受70の外径の軸心Pに対して偏心し、矢印Rで示す軸40の回転方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく形状の円弧面75が形成されている。すなわち、これら円弧面75は動圧軸受70の外径と非同心であり、各円弧面75の中心は、軸心Pの周囲に、この軸心Pと同心的で周方向に等間隔をおいて存在する。
表1に示す組成の原料粉末を圧縮成形し、その成形体を焼結して真密度比6.3〜7.2%、外径φ6mm、内径φ3mm、軸方向長さ5mmの円筒状の焼結軸受の素材を必要数得た。次いで、この焼結軸受の素材を加工して以下の項目A〜Eにつき試験を行った。
内周面の分離溝および円弧面の数を3〜8とした6種類の焼結軸受を作製した。分離溝および円弧面の形成は、焼結軸受の素材の軸孔に、分離溝および円弧面の雄型のピンを圧入する塑性加工によって形成した。これら焼結軸受を鋼製のハウジングに圧入し、潤滑油としてエステル油を含浸させた。次いで、焼結軸受に軸を挿入して4200rpmで回転させ、その時に生じる焼結軸受と軸との間の油膜圧力(kg/cm2)を測定した。この油膜圧力が高いほど軸受剛性が高いと判断できる。
分離溝の幅を、図3で示す角度θを5〜20°の範囲で1°ずつ異ならせた16種類の焼結軸受を作製し、これら焼結軸受を用いて、試験Aと同様に油膜圧力を測定した。なお、形成した分離溝および円弧面はそれぞれ5つと共通させた。図6は測定結果を示しており、これによると、分離溝の幅が狭くなるほど動圧は高くなることが判る。しかしながら、分離溝の幅を示す角度θが8°を下回ったものでは、潤滑油が巻き込まれにくくなって円弧面への潤滑油の供給が不足がちになる現象が起きた。また、角度θが20°で油膜圧力がほぼ6kg/cm2であり、これは実用上必要な油膜圧力の下限値であるため、角度θが20°を超えると、必要十分な軸受剛性を確保しにくくなる。また、角度θが15°で油膜圧力が8kg/cm2と十分な油膜圧力となり、十分な軸受剛性が確保される。これらのことから、角度θは8〜20°が好適であり、8〜15°がより好適であることが認められた。
分離溝の最大深さを0.01〜0.21mmの範囲で0.02mmずつ異ならせた9種類の焼結軸受を作製し、これら焼結軸受を用いて、試験Aと同様に油膜圧力を測定した。なお、形成した分離溝および円弧面はそれぞれ5つ、分離溝の幅を示す角度θは10°と共通させた。図7は測定結果を示しており、これによると、分離溝の最大深さは0.05mm以上で油膜圧力が一定となるが、0.05mm以下では油膜圧力が若干低下するとともに変動することが判った。これは分離溝が0.05mm以下では分離溝の部分で負圧が発生して空気を巻き込み、これが軸受面に流入して圧力低下と圧力変動が生じるためである。ところが、0.15mmを超えると、焼結軸受全体に、分離溝が狭まるような変形が生じやすい。このため、分離溝の最大深さは0.05〜0.15mmが好適であることが認められた。
端面に形成するスパイラル溝の数を6〜16とした11種類の焼結軸受を作製した。スパイラル溝の形成は、凸部が形成されたパンチを焼結軸受の素材の端面に刻印することによって形成した。これら焼結軸受に潤滑油としてエステル油を含浸させ、この焼結軸受に、スラストワッシャを有する軸を、そのスラストワッシャをスパイラル溝に対向させて挿入し、この軸を4200rpmで回転させて、スラスト荷重支持能力を示すスラストワッシャの浮上量を調べた。図8はその結果を示しており、これによれば、スパイラル溝を8本以上有することにより負荷容量が満足するレベルに達することが判る。一方、スパイラル溝は、上記のようにパンチに形成された凸部を焼結軸受の素材の端面に刻印して形成されるが、外径φ6mm、内径φ3mmで形成される焼結軸受の端面はきわめて狭く、この狭い領域に12本を超えるスパイラル溝を形成することは難しい。よって、スパイラル溝の本数の上限は12本が好適である。
端面に形成するスパイラル溝の最大深さを4〜19μmの範囲で1μmずつ異ならせた16種類の焼結軸受を作製した。スパイラル溝は上記Dの試験と同様の方法で形成し、本数は10本と共通させた。そして、室温:25℃と、高温の80℃の環境下で、上記Dの試験と同様にして軸を回転させ、スラストワッシャの浮上量を調べた。図9はその結果を示しており、これによれば、室温では、スパイラル溝の深さが増大するほどスラストワッシャの浮上量も増大するが、80℃と高温の状況では、深さが10μmで浮上量は最大となった。したがって、室温と高温の双方の温度状況を鑑みると、スパイラル溝の深さは8〜15μmが好適であることが判る。
50…動圧軸受ユニット、60…ハウジング、63…カバー部材、70…動圧軸受、
71…軸孔、73…内周面、74…分離溝、75…円弧面、76…スパイラル溝。
Claims (4)
- 有底筒状のハウジング内に、スラストワッシャを有する軸を回転自在に支持する円筒状の軸受が設けられた磁気記録ディスク駆動装置用の動圧軸受ユニットにおいて、
ラジアル荷重を支持するラジアル動圧凹所およびスラスト荷重を支持するスラスト動圧凹所が軸受に設けられた動圧軸受を用いるとともに、
前記軸受は、前記ラジアル動圧凹所として、前記軸が挿入される軸孔の内周面に、軸方向に沿って延び、該内周面を周方向に分離させる複数の分離溝が、周方向に等間隔をおいて形成され、これら分離溝の間の内周面に、外径と非同心で、かつ、一周方向に向かうにしたがって内周側に縮径していく円弧面が形成されており、かつ、
前記スラスト動圧凹所として、前記スラストワッシャに対向する前記動圧軸受の端面には、前記一周方向に向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びるとともに、外周側の端部は外周側の縁に開口しているが、内周側の端部は内周側の縁に開口しておらず閉塞している複数のスパイラル溝が形成されており、
前記分離溝は5つ形成され、これに伴い前記円弧面も5つ形成され、
前記分離溝は、幅が、当該軸受の軸心を中心とした周方向への角度で8〜20°に相当する長さを有し、また、最大深さが0.05〜0.15mmとされ、
前記スパイラル溝は8〜12本形成され、その最大深さが8〜15μmとされており、
さらに、前記軸の径が2〜3mmであることを特徴とする動圧軸受ユニット。 - 前記スパイラル溝が形成された前記動圧軸受の端面との間に、前記スラストワッシャを挟み込む環状のカバー部材を、前記ハウジングの開口端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受ユニット。
- 前記動圧軸受が、焼結材からなる焼結軸受であることを特徴とする請求項1または2に記載の動圧軸受ユニット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の動圧軸受ユニットを具備することを特徴とするスピンドルモータ。
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