JP3578207B2 - 蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機、それを使用した発電・冷暖房・給湯システム、およびそのシステム制御法 - Google Patents

蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機、それを使用した発電・冷暖房・給湯システム、およびそのシステム制御法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機に係り、詳しくは排熱を効率よく回収すると共に吸収冷凍機・冷温水機単体の成績係数を上げることができるようにした装置の改良に関するものである。加えて、そのような吸収冷凍機・冷温水機を使用した発電・冷暖房・給湯システム、並びにそのシステムの総合効率が高められるようにした制御法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸収冷凍機や吸収冷温水機などは、機内を循環する吸収液の濃度変化により冷水や温水を取り出すことができるようになっている。例えば二重効用形の吸収冷凍機などでは、その構成が、図8に示すように、真空容器からなる蒸発器5と吸収器1、それらよりは圧力の高い容器の低温再生器2や凝縮器4、外部から熱エネルギの供給を受ける高温再生器3からなっている。
【0003】
蒸発器5では、高真空下で蒸発器管5pの外面に流下された冷媒液3wによって蒸発潜熱を奪われ、蒸発器管を流れる冷水26が冷却される。吸収器1では、蒸発器5で発生した冷媒蒸気3gを吸収器管1pを流れる冷却水25で冷却することにより、吸収液3rに吸収させると共に容器内を高い真空に保持する。低温再生器2では、高温再生器3で分離蒸発した冷媒蒸気3sを低温再生器管2pに流してその潜熱で吸収液2mを加熱濃縮し、冷媒を分離蒸発させる。高温再生器3では、吸収液3mを加熱濃縮して冷媒蒸気3sを発生させる。凝縮器4では、低温再生器2で蒸発した冷媒蒸気2sが凝縮器管4pを流れる冷却水25で冷却され、凝縮する。なお、吸収器管1pを流通した後に凝縮器管4pを流通した冷却水25は、図示しない冷却塔で冷却した後に循環される。
【0004】
このような吸収冷凍機・冷温水機の運転では、冷房運転のみならず、冷暖切換弁37を開いて、低温再生器2で吸収液を加熱濃縮させることにより凝縮した冷媒2dを直接蒸発器5へ送れば、暖房運転を行うこともできる。いずれの場合も、高温再生器3へは例えば高温の蒸気31を高温再生器管3pに導入して、吸収液3mを加熱するようにしている。そして、冷水26の温度の制御にあたって、一般には冷水出口温度tを基にして高温再生器3における加熱量が蒸気供給弁31Vで調整される。
【0005】
このような吸収冷凍機等においては二重効用の原理に基づき省エネ化が進められているが、その系内での熱交換効率の向上を図るために低温熱交換器6や高温熱交換器7が設置される。高温熱交換器7は高温再生器3に向かう吸収液3aを予熱するもので、その熱源として高温再生器3から導出された高温の吸収液3bが導入される。低温熱交換器6は低温再生器2に向かう吸収液2aを予熱するもので、低温再生器2から導出された吸収液2bおよび高温熱交換器7を出た吸収液3b7 であって、それらが吸収器1に戻される途中で熱源として利用されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特公昭60−24903号公報には、吸収冷凍機をさらに改善するため、高温再生器で吸収液を加熱した蒸気の凝縮水により、低温再生器へ向かう吸収液を加熱すべく熱回収器を設けた例が記載されている。詳しく述べると、低温再生器6へ向かう吸収液ライン2Lに低温熱交換器6の下流側で直列となる熱回収器38が設置され、この熱回収器において高温再生器3で利用し得なかった熱エネルギを回収する。
【0007】
高温再生器3で吸収液3mを加熱した蒸気の凝縮水31wは例えば170℃もあり、この熱を使用して吸収液2aを加熱すれば大幅なエネルギ回収がなされるように見える。しかし、低温再生器2に加熱源として導入される冷媒蒸気3sは高々100℃であり、凝縮水31wと熱交換して低温再生器2に供給される吸収液2aの温度を無闇に上げても意味はない。すなわち、低温再生器2で冷媒蒸気2sを発生させることができる程度に熱交換を抑制しておく必要がある。
【0008】
仮に熱交換率を高めて冷媒蒸気2sの温度を高くしたとしても、凝縮器4において多量の凝縮熱が冷却水25に捨てられることになる。しかも、これによって冷却水量の増加が余儀なくされまたより一層のクーリングが強いられることになり、結局は、回収可能なエネルギが存在するにもかかわらず、充分に利用できないままボイラ側の給水タンク(図1の符号32を参照)へ戻される。すなわち、回収エネルギの二次的利用の途がとざされている。
【0009】
ところで、熱回収量を増やして省エネ率を上げようとする場合、熱交換器を追加することが一般的に行われる。例えば吸収冷凍機の系外に排熱源が存在する場合に、その排熱を使用して低温再生器に向かう吸収液を予熱しておく排熱回収器を設けた例が、特開平9−96461号公報に提案されている。また、高温再生器に向かう吸収液を予熱しておく排熱回収器を設けた例が、特開平9−101067号公報に開示されている。このような排熱利用機器に限らず、小さい熱交換器で大きな熱回収効果を得るためには、利用可能な排熱温度を考慮したうえで最も効果的な取付位置を選定することが重要である。
【0010】
本発明は上記した問題に鑑みなされたもので、その目的は、吸収冷凍機・冷温水機の内外に残存する熱エネルギを可及的多量に回収し、高温再生器および低温再生器で加熱濃縮される吸収液の温度を予め上げておいて吸収冷凍機の成績係数を向上させること、系外の排熱を利用する装置を導入し、排熱温度に応じて低温再生器へ供給される吸収液の予熱温度を調整することにより排熱を効率よく回収できること、高温再生器に加熱源を供給する排ガスボイラにおけるボイラ効率をも向上させ得ること、を実現した蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機を提供することである。
【0011】
加えて、その蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機を使用した発電・冷暖房・給湯システムを構築し、年間を通じて高い効率の発電、高い省エネの冷暖房運転や給湯を可能にすることである。さらには、ガスタービンの排熱を有効利用して効率を上げる一方、ボイラ・冷凍機の効率が低下した場合でも、熱損失が減少して総合効率が低下しないシステム制御法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収器,低温再生器,高温再生器,凝縮器,蒸発器,低温再生器に向かう吸収液を予熱する低温熱交換器,高温再生器に向かう吸収液を予熱する高温熱交換器を備えており、高温再生器では加熱源としてボイラで発生させた蒸気が使用され、該高温再生器で発生した冷媒蒸気が低温再生器に加熱源として導入され、高温熱交換器には高温再生器から導出された吸収液が熱源として導入され、低温熱交換器には吸収器へ戻される吸収液が熱源として導入されるようになっている吸収冷凍機・冷温水機に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、高温再生器3へ向かう吸収液ライン3Lに高温熱交換器7とは並列になるように高温蒸気ドレン熱交換器8が設置され、その高温蒸気ドレン熱交換器8には高温再生器3で吸収液3mを加熱濃縮した蒸気31の凝縮水31wが導入されるようになっている。低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lで吸収液2aを予熱する低温熱交換器6の上流側に位置するところから分岐して低温再生器2へ向かう補助ライン2L20が枝設され、その補助ラインには、排ガスボイラ30を出た排気30G(図5を参照)と熱交換して得られる温水34Wを導入し、それを加熱源として発生させた冷媒蒸気20sと加熱された吸収液20aとを低温再生器6へ流下させる補助再生器20が設置されていることである。
【0013】
図2および図4に示すように、低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lに低温熱交換器6とは並列になるように低温蒸気ドレン熱交換器9を設置し、その低温蒸気ドレン熱交換器9には高温蒸気ドレン熱交換器8で吸収液と熱交換した凝縮水31w8 が導入されるようにしておく。
【0014】
図3および図4に示すように、低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lに低温熱交換器6とは並列になるように冷媒ドレン熱交換器10が設置され、その冷媒ドレン熱交換器10には低温再生器2で吸収液2mを加熱した冷媒の凝縮液2dが導入される。
【0015】
図6および図7からなる図に示すように、システムの発明は、吸収冷凍機・冷温水機18、高温再生器3に蒸気31を供給する排ガスボイラ30、発電すると共に排ガスボイラ30で使用される排ガス30Gを発生する発電用ガスタービン40、排ガスボイラ30を出た排気30Gと熱交換して補助再生器用の温水34Wを得る温水熱交換器34や給湯用温水熱交換器36が備えられた発電・冷暖房・給湯システムとしたことである。このようなシステムには、吸収液ポンプ27によって吸収器液溜めから汲み出された吸収液2aの一部を直ちに蒸発器5へ送る負荷制御用吸収液循環ライン29を設けておくとよい。
【0016】
発電・冷暖房・給湯システムを制御するためには、二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51、その吸収冷凍機・冷温水機の補機を制御する補機動力運転盤52、高温再生器に蒸気を供給している排ガスボイラ30を制御するボイラ運転盤53、発電すると共に排ガスボイラで使用される排ガスを発生する発電用ガスタービン40を制御する発電機制御盤54が備えられ、これらの各運転盤および制御盤を統括して制御指令するコージェネシステム運転盤55も設けられる。そして、吸収冷凍機・冷温水機18の負荷に応じた制御が二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51および補機動力運転盤52でなされ、その制御に連動してコージェネシステム運転盤55が発電機制御盤54およびボイラ運転盤53に対して運転の変更を指令することができるようになっている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機、それを使用した発電・冷暖房・給湯システム、およびそのシステム制御法を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、吸収器1,低温再生器2,高温再生器3,凝縮器4,蒸発器5,低温再生器2に向かう吸収液2aを予熱する低温熱交換器6,高温再生器3に向かう吸収液3aの一部を予熱する高温熱交換器7を備える吸収冷凍機・冷温水機11の構成図である。
【0018】
その機能や作用は「従来の技術」の項で説明したとおりであり、図8と同一の符号を付してその説明を省く。なお、高温再生器3では加熱源として排ガスボイラ30で発生させた蒸気31が使用され、高温再生器3で発生した冷媒蒸気3sが低温再生器2に加熱源として導入される。高温熱交換器7には高温再生器3から導出された吸収液(濃吸収液)3bが熱源として導入され、低温熱交換器6には吸収器1へ戻される吸収液3rが熱源として導入されるようになっている点についても同じである。
【0019】
このような吸収冷凍機・冷温水機11において、高温再生器3へ向かう吸収液ライン3Lには高温熱交換器7と並列になるように高温蒸気ドレン熱交換器8が設置される。この高温蒸気ドレン熱交換器には高温再生器3で吸収液3mを加熱濃縮した蒸気31の凝縮水31wが導入されるようになっている。すなわち、高温熱交換器7の上流側で吸収液ライン3Lを分岐し、高温熱交換器の入口へは吸収液の一部が流入するようにしておく。残部は高温蒸気ドレン熱交換器8に導入され、高温再生器3で吸収液の加熱に利用した後の蒸気ドレン31wと熱交換させ、吸収冷凍機単体の成績係数を上げるようにしている。
【0020】
この高温蒸気ドレン熱交換器8で予熱された吸収液3a8 と高温熱交換器7で予熱された吸収液3a7 とは合流して、高温再生器3に供給される。もう少し詳しく述べると、高温再生器3で加熱濃縮された吸収液3mは、加熱源である蒸気31と熱交換してその蒸気ドレン31wに近い温度まで上がっている。そこで、図8の場合のように導出された濃吸収液3bのみで高温再生器3に向かう全部の吸収液3aを予熱するよりも、その濃吸収液3bで高温再生器3に向かう約半分の吸収液3a7 を予熱する一方、蒸気ドレン31wで残りの吸収液3a8 を予熱するようにすれば、高温再生器3に向かう吸収液3aをほぼ倍の熱量で予熱しておくことができ、結果として、高温再生器3に導入される吸収液3aの温度を上げておくことができる。もちろん、蒸気ドレン31wからの熱回収も進み、加熱源である蒸気31の保有する熱エネルギの有効利用も図られる。
【0021】
より一層温度の高い吸収液3aが高温再生器3に供給されると冷媒蒸気3sの発生量は増加することになるが、増加させる必要のない場合には高温再生器3に供給される蒸気量を蒸気供給弁31Vで絞ることができる。前者の場合には、その冷媒蒸気の熱エネルギで低温再生器2における吸収液2mの加熱濃縮が促進され、二重効用の効果をおおいに発揮させることになって極めて都合がよい。後者の場合には蒸気の消費量を減らすことができその分他の用途に回すことができるか、自家焚きボイラの場合には低負荷運転させることができる。
【0022】
いずれにしても、高温蒸気ドレン熱交換器8を出た凝縮水31w8 は例えば120℃もあり、これをボイラ30の給水タンク32へ戻してもよいが、その温度を考慮して気液分離器33に返してやればボイラ30の給水温度を上げることにもなり、ボイラの熱効率改善にも大きく寄与させることができる。すなわち、吸収冷凍機とボイラを組合せた設備においては、吸収冷凍機の高い成績係数と効率よい熱回収効果が発揮される。
【0023】
ところで、上で述べた排ガスボイラ30に図5に示す温水熱交換器34を設けておき、それによって回収された熱エネルギを吸収冷凍機・冷温水機の運転に寄与させるようにする。すなわち、図1に示すように、系外の排熱を利用する装置としての補助再生器20を導入する。
【0024】
詳しく述べると、補助再生器20には、図5に示す排ガスボイラ30を出た排気30Gと温水熱交換器34で熱交換して得られる例えば85℃の温水34Wが、加熱源として導入される。この補助再生器20は、温水によって低温再生器2に向かう吸収液2aを加熱すると共に一部を蒸発させる。ちなみに、補助再生器20から低温再生器2へは、図1のように、吸収液20aと冷媒蒸気20sとを同時に送ることができるように太い配管20Aが使用されている。
【0025】
その図1より分かるように、吸収器1から低温再生器2に向かう吸収液ライン2Lが低温熱交換器6の手前で分岐され、その分岐ラインに補助再生器20が配置されている。すなわち、低温再生器2へ向かう吸収液ラインで吸収液を予熱する低温熱交換器6に対して上流側に位置するところから分岐して低温再生器へ向かう補助ライン2L20が枝設され、この補助ラインに補助再生器20が設置されているのである。
【0026】
このようにしておけば、吸収液2aの一部を補助再生器20で予熱し、残部を低温熱交換器6で予熱するといった恰好となるので、吸収液は合流された後に低温再生器2に供給される。このようにしているのは、低温再生器2からの中濃吸収液2b等で低温再生器2に向かう全部の吸収液2aを予熱するよりも、その中濃吸収液2b等で低温再生器2に向かう約半分の吸収液2aを予熱する一方、補助再生器20で残りの吸収液2aを予熱するようにすれば、低温再生器2に向かう吸収液をほぼ倍の熱量で予熱しておくことができ、結果として、低温再生器2に導入される吸収液の温度を上げておくことができる。
【0027】
図2は異なる例の吸収冷凍機・冷温水機12であり、図1の吸収冷凍機・冷温水機11を改良したものである。なお、この図2以降後述する図4までは、図の右側に位置させるべき排ガスボイラ、左側に位置させるべき吸収器や蒸発器、さらには冷暖切換弁37等は省かれている。この図においては、熱交換器がもう一つ追加されている。低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lが低温熱交換器6の上流側で分岐され、低温熱交換器6と並列となるようにすなわち低温熱交換器6をバイパスするラインに低温蒸気ドレン熱交換器9が設置される。この低温蒸気ドレン熱交換器には、高温蒸気ドレン熱交換器8で吸収液3aと熱交換した凝縮水31w8 が導入されるようになっている。
【0028】
このようにしておけば、高温蒸気ドレン熱交換器8で熱交換した蒸気ドレン31w8 は外部へ放出されずに保有熱が低温蒸気ドレン熱交換器9で回収され、吸収冷凍機の系内で熱回収量を増やすことができる。なお、低温蒸気ドレン熱交換器9を出た蒸気ドレン31w9 の温度は90℃程度まで下がるため、100℃以上でボイラへ戻すようになっている図1に比べれば吸収冷凍機12における熱回収量が増え、省エネ効果が進む。なお、蒸気ドレン31w9 はボイラ給水タンク32へ戻される。
【0029】
図3はさらに異なる例の吸収冷凍機・冷温水機13であり、図1の吸収冷凍機・冷温水機11を別の視点から改良したものである。これには、図2の低温蒸気ドレン熱交換器9とは異なる熱交換器が追加されている。すなわち、低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lに低温熱交換器6と並列になるように冷媒ドレン熱交換器10が設置されている。この冷媒ドレン熱交換器は低温再生器2で吸収液2mを加熱した冷媒3sの凝縮液2dが導入されるもので、低温再生器2に向かう吸収液2aの一部を予熱する。
【0030】
図のごとく並列配置となっているので、冷媒ドレン熱交換器10で予熱された吸収液2a10と低温熱交換器6で予熱された吸収液2a6 とは合流して、低温再生器2に供給される。ところで、低温再生器2で吸収液2mを加熱濃縮した後の冷媒ドレン2dは低温熱交換器6に導入される熱交換源としての吸収液3r(これは、図3の例では低温再生器2から導出された中濃吸収液2bと高温熱交換器7で熱交換を終えて排出された濃吸収液3b7 との混合液である。但し、図示しないが、高温熱交換器7で熱交換を終えて排出された濃吸収液3b7 のみであってもよい。)の温度よりは高い。そのために、図1の場合のように、低温熱交換器6に導入される加熱用吸収液3rのみで低温再生器2に向かう全部の吸収液2aを予熱するよりも、本例のような配置によって低温熱交換器6へ戻された吸収液3rで低温再生器2に向かう約半分の吸収液を予熱する一方、冷媒ドレン2dで残りの吸収液を予熱するようにすれば、低温再生器2に向かう吸収液2aをほぼ倍の熱量で加熱しておくことができる。
【0031】
結果として、低温再生器2に導入される吸収液2aの温度が上がり、都合のよいことは言うに及ばない。もちろん、冷媒ドレン2dからの熱回収も進み、加熱源である蒸気31の保有する熱エネルギの間接的な有効利用が図られる。ちなみに、この吸収冷凍機・冷温水機13においても高温蒸気ドレン熱交換器8が存在し、しかもそれから出た蒸気ドレン31w8 が排ガスボイラ30の気液分離器33に返されている点で、吸収冷凍機・冷温水機のみならず、ボイラとの組み合わせにおける効率の向上が図られることは述べるまでもない。
【0032】
このような構成にしておけば、低温再生器2で吸収液2mの加熱に使用されて凝縮した冷媒ドレン2dの熱をさらに低温の吸収液の加熱に利用し、図1の場合よりさらに省エネ率を上げることができる。低温再生器2で吸収液2mを加熱して凝縮した冷媒ドレン2dを先の二つの例のように直接凝縮器4に移動させればそこを流れる冷却水25により冷却されるので、凝縮熱は冷却水側に捨てられることになる。しかし、この冷媒ドレン2dを低温熱交換器6の入口側で分岐した吸収液により熱回収するようにしているので、吸収液の予熱が促進される。
【0033】
図4はさらに発展させた例の吸収冷凍機・冷温水機14であり、図2の吸収冷凍機・冷温水機12を図3の要領によって改良したものである。もちろん、図3の吸収冷凍機・冷温水機13を図2の要領によって改良したということもできる。したがって、低温蒸気ドレン熱交換器9や冷媒ドレン熱交換器10は前述したとおりの作用効果を発揮する。高温蒸気ドレン熱交換器8が装備されていることもあって熱回収率は極めて高く、成績係数の改善と省エネ率の改善の両方の効果が高く発揮される。
【0034】
ところで、前記した補助再生器20は、低温再生器2へ向かう吸収液ライン2Lで吸収液を予熱するいかなる熱交換器に対しても上流側に位置するところから分岐した補助ライン2L20に設けられるため、補助再生器20と各熱交換器群19(図2ないし図4を参照)とは並列に配置された恰好となる。
【0035】
以上の説明からも推測できるように、吸収冷凍機は冷房負荷変動に対応して運転できる範囲が広くなるが、年間を通して見れば、全負荷運転よりも部分負荷運転しているときの方が長いとも言える。部分負荷運転では高温再生器で加熱する熱量が絞られるために、吸収サイクル全体の温度・濃度が低くなり、排ガスと熱交換して得た温水と吸収液との温度差が広がって熱回収量が増える。そのため、部分負荷運転では排熱温水からの熱回収量が増える一方で蒸気からの加熱が減ることになり、最高の省エネ効果が得られる。その分排ガスボイラで発生した蒸気は他の用途に回すことができる。熱回収バランスにより、補助再生器の熱回収量は自由に変えることができるため大形の熱プラントシステムでは、他の施設との組み合わせで最適な熱システムを構築することも可能となる。
【0036】
ところで、図6および図7からなる図に示すように、吸収冷凍機・冷温水機18(図6を参照:前述した符号11〜14のいずれかに該当)と、高温再生器3に蒸気31を供給する排ガスボイラ30(図7を参照)と、発電すると共に排ガスボイラ30で使用される排ガス40Gを発生する発電用ガスタービン40と、排ガスボイラ30を出た排気30Gと熱交換して補助再生器20のための温水を得る温水熱交換器34と、その温水の残熱を利用して給湯することができる給湯用温水熱交換器36とを備えたシステムになっていると、一つのシステムで発電・冷暖房・給湯が可能となる。
【0037】
このようなシステムにエコノマイザ35も設けておけば、温水熱交換器34を出た排気34Gによってボイラ水を予熱しておくことができる。詳しく述べると、ガスタービン40にはタービン41,燃焼器42,圧縮機43,発電機44と後述する発電機制御盤54が含まれる。ガスタービンの排熱回収装置としての排ガスボイラ30には気液分離器33が含まれることは上述のとおりである。排熱利用機器には、吸収冷凍機・冷温水機18と必要に応じて温水熱交換器34や給湯用温水熱交換器36も含まれる。このようなシステムにおいて、図6に示す補機動力として冷却水ポンプ21,冷温水ポンプ22,冷却塔ファンモータ23と必要に応じて温水ポンプ24が含まれ、排ガスボイラ30と吸収冷凍機・冷温水機18の間には、蒸気・ドレンを循環させる配管によって、循環ループが形成される。
【0038】
排ガスボイラ30とガスタービン40とはガスタービンの排ガス40Gをボイラへ供給する排ガスダクトにより結合され、ボイラ30はその熱で蒸気31を発生させ、吸収冷凍機・冷温水機18はその蒸気31を熱源として冷房または暖房運転ができるよう有機的に結合されている。ボイラは貫流式ボイラとしておけばよいが、水管式ボイラや煙管式ボイラであってもよい。その排ガス30Gはボイラを出た後、温水熱交換器34やエコノマイザ35へと温度の低くなる熱交換器に順次流され、ガスタービン40の排熱を有効に回収する。
【0039】
吸収冷凍機・冷温水機18では、冷房運転または暖房運転に必要な吸収液ポンプ27,冷媒ポンプ28,冷温水ポンプ22,冷却水ポンプ21,冷却塔ファンモータ23,温水ポンプ24などが連動するよう電気的にインターロックが組まれる。また、吸収冷凍機・冷温水機18の負荷変動が加熱源である上流のボイラ30やガスタービン40の運転に支障を与えないように、負荷変化を吸収して吸収冷凍機にも悪影響を与えないようにする負荷制御用吸収液循環ループ29も設けられる。
【0040】
このようなシステムにおいては、冷水・温水・給湯を同時にまたは個別に得ることができる熱交換器を備えたことになり、年間を通じて高い発電効率と省エネルギおよび高い効率の冷暖房運転,給湯が可能となる。吸収液と熱交換した蒸気ドレンは直接排ガスボイラ30へ戻され、ボイラ給水温度を上げボイラ効率が上がる。そして、システム化によりガスタービン40の排熱を有効利用して効率を上げることもでき、ボイラ・冷凍機の効率が低下した場合でも熱損失が減って総合効率は低下することがない。
【0041】
ボイラ・冷凍機の動力用電源は全て自給であって受電設備が不要となり、冷房負荷の変動の影響を受けにくくなる。一体化することによって装置全体のコンパクト化も図られるが、それにとどまらず、冷暖房・給湯に必要な機器を同一設備内で連動して運転させ、全ての機器が一つにまとまって動力電源・制御電源を共有し、他からの影響を受けずまた他へ影響を与えない冷暖房・給湯システムとすることもできる。これによって発電機の制御装置・電源装置がコンパクト化し、コストダウンも図られる。
【0042】
排熱回収装置である排ガスボイラ30を出た排ガス30Gは、温水にしてそのエネルギを補助再生器20で利用したり、温水・給湯用温水の加熱源として利用することで省エネが一層促進される。これは、発電・蒸気・冷水・温水・給湯それぞれの用途に必要な条件が、熱の流れに逆らわず段階的に高い温度レベルから低い温度レベルへ移るように機器を配置して、循環ループを組んだことによるものであることは言うまでもない。なお、補機動力はパッケージ化しておけば、排熱利用機器と離れて設置するにしても隣接して設置するにしてもシステム化が進めやすくなる。
【0043】
ところで、図6と図7で示したシステムにおいて、吸収冷凍機・冷温水機18を制御する二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51、その吸収冷凍機・冷温水機の補機を運転・制御する補機動力運転盤52、高温再生器3に蒸気を供給している排ガスボイラ30を制御するボイラ運転盤53、発電すると共に排ガスボイラで使用される排ガスを発生する発電用ガスタービン40を制御する発電機制御盤54が備えられ、これらの各運転盤および制御盤を統括して制御指令するコージェネシステム運転盤55が設けられる。
【0044】
これによって、吸収冷凍機・冷温水機18の負荷に応じた制御が二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51および補機動力運転盤52でなされ、その制御に連動してコージェネシステム運転盤55が発電機制御盤54およびボイラ運転盤53に対して運転の変更を指令することができる。このような制御系において、冷却水ポンプ21,冷温水ポンプ22,温水ポンプ24,吸収液ポンプ27の動力電源にインバータ制御回路を追加して各ポンプの回転数制御をできるようにしておけば、消費電力を低減させ省エネ化をますます進めることができる。
【0045】
このようなシステムに加えて、前記したごとくの負荷制御用吸収液循環ループ29を組み込み、そのループに介在させた循環バルブV4 の開閉を二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51からの指令で制御すれば、吸収冷凍機・冷温水機18の負荷変動が加熱源である上流のボイラ30,ガスタービン40の運転に支障を与えないように、さらに負荷変化を吸収して吸収冷凍機にも悪影響を与えないようにしておくことができる。かくして、冷水と温水と給湯を同時にまたは個別に供給でき、年間を通じて高い発電効率と省エネルギおよび冷暖房運転、給湯を可能にする発電・冷暖房・給湯装置が確立される。
【0046】
このような制御システムにおいては、冷水出口温度tの変化または出入口温度差の変化を検出してその変化を信号に変換し、二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51から補機動力運転盤52に伝える。補機動力運転盤では、動力電源に追加されたインバータ制御回路で負荷変化の信号により各ポンプの回転数制御が行われ、負荷が減った場合には消費電力を低減させる。同時に、インバータの制御信号がコージェネシステム運転盤55に伝えられる。吸収液ポンプ27もインバータ制御により回転数が制御されている場合には、この制御信号もコージェネシステム運転盤55に伝えられ、コージェネシステム運転盤から各ポンプのインバータ制御信号および消費電力の変化が発電装置の制御盤54に伝えられる。
【0047】
発電装置の制御盤では消費電力の低減を検知すると、発電機の出力を制御して省エネを図るので、負荷変化による消費電力の低減と発電機の出力低減により、総合的な省エネルギが実現される。また、負荷低下によって消費電力が減り発電機の出力が低下すると、ガスタービン41から排出される排ガスの量が減るために、排ガスボイラ30への加熱量が減少する。排ガスボイラの出力が抑制されて省エネとなる。電力主体の制御であれば、インバータ制御信号と電気消費量によりガスタービン41の出力制御を行えばよく、熱出力主体の制御であればインバータ制御信号に加えて排ガスボイラ30の蒸気圧力信号をボイラ運転盤53からコージェネシステム運転盤55に送り、さらに発電装置の制御盤54に送って出力制御を行えばよく、総合的に熱効率の高い運転が可能となる。
【0048】
ところで、排ガスボイラ30の排気30Gの保有熱を温水によって熱回収しても常時温水の需要があるわけではなく、無駄に放熱してしまうこともある。そこで、全体的にみればコージェネシステムで余った温水熱をさらに吸収冷凍機の熱源として利用するといったことが補助再生器20で実現される。すなわち、吸収冷凍機・冷温水機18に組み込まれた第1バルブV1 ,第2バルブV2 ,第3バルブV3 ならびに温水量制御バルブV5 の開閉もしくは開度調整を、コージェネシステム運転盤55からの指令を受けた二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤51が適宜行うことによって最適サイクルが選択され、これにより低温再生器2での加熱負荷を減らして省エネ効果が発揮される。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、高温熱交換器の入口で吸収液を分割し、高温熱交換を迂回して流れる吸収液を高温蒸気ドレン熱交換器において高温再生器で吸収液の加熱に利用した後の蒸気ドレンと熱交換するようにしたので、蒸気ドレンから熱回収を進めることができる。高温再生器に向かう吸収液は、高温再生器で加熱濃縮された吸収液の有する熱エネルギと高温再生器で吸収液を加熱して凝縮したドレンの有する熱エネルギの両方によって予熱されることになり、高温再生器に向かう吸収液への熱転化が促進される。
【0050】
高温蒸気ドレン熱交換器および高温再生器をそれぞれを経て高温再生器に入った吸収液は、高温蒸気ドレン熱交換器を備えない吸収冷凍機における場合よりも高温に予熱され、高温再生器での冷媒蒸気の発生が促進される。したがって、高温再生器に供給される蒸気量の節約が図られるか、もしくは冷媒蒸気の発生量増加による低温再生器への入熱増加で二重効用効果の向上が図られ、吸収冷凍機単独の成績係数を上げることができる。
【0051】
低温再生器へ向かう吸収液ラインで吸収液を予熱するいかなる熱交換器に対しても上流側に位置するところから分岐する補助ラインに補助再生器を設置するようにしたので、排熱から回収された温水の温度が高くない場合でも、低温再生器に向かう吸収液の温度を高くして吸収冷凍機・冷温水機の省エネが図られる。
【0052】
補助再生器には排ガスボイラを出た排気と熱交換して得られる温水が加熱源として導入されるので、系外に存在する排熱とりわけ排ガスボイラの排ガスに残存する熱エネルギを有効に利用することができる。
【0053】
高温熱交換器で熱交換した蒸気ドレンは外部へ放出されず、すなわち低温熱交換器入口で分岐した一方の吸収液と熱交換させるように低温蒸気ドレン熱交換器を設けるなら、蒸気ドレンからの熱回収は進み、吸収冷凍機内での熱回収量を飛躍的に増やすことができるようになる。
【0054】
高温蒸気ドレン熱交換器を備えた装置に冷媒ドレン熱交換器を追加すれば、低温再生器で吸収液の加熱に利用され凝縮した冷媒ドレンの熱をさらに低温の吸収液の加熱に利用できる。したがって凝縮器において冷却水に捨てられる冷媒ドレンの凝縮熱も少なくなり、熱回収効率が上がると共に、低温熱交換器における熱交換負担が軽減される。低温再生器に供給される吸収液の温度は高められ、ひいては省エネ率が改善される。
【0055】
吸収冷凍機・冷温水機,排ガスボイラ,発電用ガスタービン,排ガスボイラの排気で温水を得る温水熱交換器や給湯用温水熱交換器を備えた発電・冷暖房・給湯システムとしておけば、ガスタービンの排ガス熱を利用してボイラで蒸気を、温水熱交換器で温水をそれぞれ発生させ、それを熱源として吸収冷凍機・冷温水機を運転し、冷水や温水を外部へ供給することができる。さらに予熱を利用して給湯用熱源として利用できるようにもなっており、ガスタービン,ボイラ,吸収冷凍機・冷温水機の運転効率を高め、ひいては総合効率が向上する。
【0056】
負荷制御用吸収液循環ラインを設けておけば、吸収器からの吸収液の一部を直ちに蒸発器へ送り、それによって、負荷変化を吸収冷凍機・冷温水機の系内で吸収し、負荷変動が加熱源である上流のボイラやガスタービンの運転に支障をきたさないようにしておくことができる。
【0057】
発電・冷暖房・給湯システムに二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤,補機動力運転盤,ボイラ運転盤,発電機制御盤を備えておき、これらの各運転盤および制御盤を統括して制御指令するコージェネシステム運転盤が設けられていると、吸収冷凍機・冷温水機の負荷に応じた制御が二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤および補機動力運転盤でなされ、その制御に連動してコージェネシステム運転盤が発電機制御盤およびボイラ運転盤に対して運転の変更を指令することができ、冷水と温水と給湯を同時にまたは個別に供給でき、年間を通じて高い発電効率と省エネおよび冷暖房運転・給湯が可能で、総合的に熱効率の高い運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機の一具体例における構成図。
【図2】低温再生器に向かう吸収液ラインに低温蒸気ドレン熱交換器が低温熱交換器と並列に配置され、それらの熱交換器の一群に対して補助再生器が並列に配置された要部構成図。
【図3】低温再生器に向かう吸収液ラインに冷媒ドレン熱交換器が低温熱交換器と並列に配置され、それらの熱交換器の一群に対して補助再生器が並列に配置された要部構成図。
【図4】低温再生器に向かう吸収液ラインに低温蒸気ドレン熱交換器と冷媒ドレン熱交換器とが共に低温熱交換器と並列に配置され、それらの熱交換器の一群に対して補助再生器が並列に配置された要部構成図。
【図5】発電用ガスタービンとその排ガスを利用した各種熱回収装置のシステム化構成図。
【図6】吸収冷凍機・冷温水機,発電用ガスタービン,排ガスボイラ,温水熱交換器等を備えた発電・冷暖房・給湯システムであり、吸収冷凍機・冷温水機とその補機の部分を表した構成図。
【図7】発電・冷暖房・給湯システムであり、発電用ガスタービン,排ガスボイラ,温水熱交換器等の部分を表した構成図。
【図8】二重効用形吸収冷凍機における従来技術例の一構成図。
【符号の説明】
1…吸収器、2…低温再生器、2L…吸収液ライン、2L20…補助ライン、2a…低温再生器に向かう吸収液、2a6 ,2a10…吸収液、2d…冷媒の凝縮液(冷媒ドレン)、2m…吸収液、2s…冷媒蒸気、3…高温再生器、3L…吸収液ライン、3a…高温再生器に向かう吸収液、3a7 ,3a8 …吸収液、3b…吸収液(濃吸収液)、3m…吸収液、3r…吸収器へ戻される吸収液(加熱用吸収液)、3s…冷媒蒸気、4…凝縮器、5…蒸発器、6…低温熱交換器、7…高温熱交換器、8…高温蒸気ドレン熱交換器、9…低温蒸気ドレン熱交換器、10…冷媒ドレン熱交換器、11,12,13,14,18…吸収冷凍機・冷温水機、19…熱交換器群、20…補助再生器、20a…吸収液、20s…冷媒蒸気、27…吸収液ポンプ、29…負荷制御用吸収液循環ループ、30…ボイラ(排ガスボイラ)、30G…排気、31…蒸気、31w,31w8 …凝縮水(蒸気ドレン)、34…温水熱交換器、34W…温水、36…給湯用温水熱交換器、40…発電用ガスタービン、40G…排ガス、44…発電機、51…二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤、52…補機動力運転盤、53…ボイラ運転盤、54…発電機制御盤、55…コージェネシステム運転盤。

Claims (6)

  1. 吸収器,低温再生器,高温再生器,凝縮器,蒸発器,前記低温再生器に向かう吸収液を予熱する低温熱交換器,前記高温再生器に向かう吸収液を予熱する高温熱交換器を備え、前記高温再生器では加熱源としてボイラで発生させた蒸気が使用され、該高温再生器で発生した冷媒蒸気が前記低温再生器に加熱源として導入され、前記高温熱交換器には高温再生器から導出された吸収液が熱源として導入され、前記低温熱交換器には吸収器へ戻される吸収液が熱源として導入されるようになっている吸収冷凍機・冷温水機において、
    前記高温再生器へ向かう吸収液ラインに前記高温熱交換器とは並列になるように高温蒸気ドレン熱交換器が設置され、該高温蒸気ドレン熱交換器には前記高温再生器で吸収液を加熱濃縮した蒸気の凝縮水が導入されるようになっており、
    前記低温再生器へ向かう吸収液ラインで吸収液を予熱する低温熱交換器の上流側に位置するところから分岐して低温再生器へ向かう補助ラインが枝設され、該補助ラインには、前記排ガスボイラを出た排気と熱交換して得られる温水を導入し、それを加熱源として発生させた冷媒蒸気と加熱された吸収液とを前記低温再生器へ流下させる補助再生器が設置されていることを特徴とする蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機。
  2. 前記低温再生器へ向かう吸収液ラインに前記低温熱交換器とは並列になるように低温蒸気ドレン熱交換器が設置され、該低温蒸気ドレン熱交換器には前記高温蒸気ドレン熱交換器で吸収液と熱交換した凝縮水が導入されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載された蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機。
  3. 前記低温再生器へ向かう吸収液ラインに前記低温熱交換器とは並列になるように冷媒ドレン熱交換器が設置され、該冷媒ドレン熱交換器には前記低温再生器で吸収液を加熱した冷媒の凝縮液が導入されるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された蒸気加熱式二重効用形吸収冷凍機・冷温水機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載された吸収冷凍機・冷温水機と、高温再生器に蒸気を供給する排ガスボイラと、発電すると共に前記排ガスボイラで使用される排ガスを発生する発電用ガスタービンと、排ガスボイラを出た排気と熱交換して補助再生器用の温水を得る温水熱交換器や給湯用温水熱交換器を備えたことを特徴とする発電・冷暖房・給湯システム。
  5. 蒸発器と吸収器との間には、吸収液ポンプによって吸収器液溜めから汲み出された吸収液の一部を直ちに蒸発器へ送る負荷制御用吸収液循環ラインが設けられていることを特徴とする請求項4に記載された発電・冷暖房・給湯システム。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載された吸収冷凍機・冷温水機を制御する二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤、該吸収冷凍機・冷温水機の補機を制御する補機動力運転盤、高温再生器に蒸気を供給している排ガスボイラを制御するボイラ運転盤、発電すると共に前記排ガスボイラで使用される排ガスを発生する発電用ガスタービンを制御する発電機制御盤が備えられ、これらの各運転盤および制御盤を統括して制御指令するコージェネシステム運転盤が設けられ、吸収冷凍機・冷温水機の負荷に応じた制御が二重効用形吸収冷凍機・冷温水機運転盤および補機動力運転盤でなされ、該制御に連動してコージェネシステム運転盤が発電機制御盤およびボイラ運転盤に対して運転の変更を指令することができるようになっていることを特徴とする発電・冷暖房・給湯システムの制御方法。
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