JP3578093B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば老人や身障者等(着座者)が車両への乗降を楽に行うことができるようにした車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、いわゆる福祉車両用のシートとして様々な改良が施された車両用のシートが提供されている。例えば特開平11−309175号公報に開示された車両用シートは、シート本体と折り畳み可能な前後の車輪を有するシート装置と、車室内に設置され、該シート装置を連結して前記シート本体の着座姿勢を保持しつつ該シート装置を車室内と車室外との間で移動するためのリフトアップ装置を備え、該リフトアップ装置により前記シート装置を車室内に移動して該シート装置を車室内用のシートとして使用可能、かつ前記リフトアップ装置により前記シート装置を車室外に移動した後、前記リフトアップ装置から切り離して当該シート装置を車いすとして単独で使用可能な構成となっている。
【0003】
この車両用シートによれば、着座者はシート装置のシート本体に着座したまま車両に乗り込むことができ、又シート装置のシート本体に着座したまま室外に出た後、当該シート装置をリフトアップ装置から切り離して通常の車いすとして使用することができるので、着座者は車室内用のシートと車いすとの間の乗り移り動作を全く行う必要がなく、従って着座者及びその介護者の負担を大幅に低減することができた。また、車室内と車室外との間のシート装置の移動をリフトアップ装置により行うことができるので、この点でも介護者の負担を大幅に低減することができた。
【0004】
さらに、この車両用シートによれば、シート装置の前後輪はシート本体の下面に沿って折り畳み可能となっているため、着座者がシート本体に着座したまま該シート装置ごと車室内に乗り込む際に、この前後輪をシート本体の下面に沿って折り畳んでおくことにより当該シート装置を高さ方向にコンパクトにすることができるので着座者は車室内において他の同乗者とほぼ同じ高さに着座することができ、これにより着座者は特別の感情(例えば、特別扱いを受けているといった疎外感)を抱くことなく着座することができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用シートは、助手席あるいは後部席(運転席以外の座席)として用いられる構成であったので、これを運転席に適用しようとする場合には、主としてステアリングホイールが邪魔になるため、そのままでは運転席に適用することができなかった。
本発明は、車両への乗降を楽に行うことができるようにするための従来からの機能(主としてシート装置をドア開口部を経て車室外と車室内との間で移動させる機能)を備えつつ、運転席に適用できる車両用シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、前記各請求項に記載した構成の車両用シートとした。
先ず、本発明に関連する技術について説明する。この関連技術に係る車両用シートは、シート装置と、該シート装置を運転席位置と、ドア開口部に隣接する同乗者席位置との間で移動させるロングスライド装置と、前記シート装置を車両前後方向に移動させつつ車両正面向きの位置と前記ドア開口部側に向いた位置との間で回転させる連動機構を備え、前記シート装置は、降車時は、前記ロングスライド装置により前記運転席位置から前記同乗者席位置まで移動した後、前記連動機構により車両前方に移動しつつ前記車両正面向きの位置から前記ドア開口部側に向いた位置に回転し、乗車時は、前記連動機構により前記ドア開口部側に向いた位置から前記車両正面向きの位置に回転しつつ車両後方に移動した後、前記ロングスライド装置により前記同乗者席位置から前記運転席位置に移動する構成を備えている。
この関連技術に係る車両用シートによれば、ステアリングホイール等が邪魔にならない同乗者席位置(助手席あるいは後部席等の運転席以外の座席が配置される位置)においてシート装置を車室外に移動させる構成であるので、運転席位置において、車室外に移動させる場合のようにステアリングホイールが邪魔になることはなく、従ってシート装置の車室内と車室外との間の移動を従来通りスムーズに行うことができる。同乗者席位置と運転席位置との間の移動はロングスライド装置により行われる。
【0007】
従って、運転者が運転席位置から車室外に出る場合(降車時)には、先ずシート装置をロングスライド装置により同乗者席位置に移動させ、然る後、連動機構によりシート装置を車両前方へ移動させつつ、該シート装置を車両正面向きの位置からドア開口部側に向いた位置に連動して回転させればよく、これにより運転者は運転席から車室外へ楽に移動することができる。
逆に、運転席に搭乗する場合(乗車時)には、上記操作によりドア開口部側に向いたシート装置に着座した後、連動機構によりシート装置を車両後方へ移動させつつドア開口部側から車両正面向きの位置に連動して回転させ、然る後、ロングスライド装置により、シート装置を同乗者席位置から運転席位置に移動させればよく、これにより運転者は車室外から運転席へ楽に乗車することができる。
このように、着座者(運転者)は、運転席用のドア開口部を経ることなく、車室内と車室外との間で移動できる構成であるので、同乗者席位置に位置するシート装置をロングスライド装置により運転席位置に移動させる際には、ステアリングホイール等が邪魔になることはなく、従って従来同乗者席として提供されていた車両用シートを、その利便性を損なうことなく、運転席に適用することができる。
【0008】
運転者が出入りするドア開口部には、助手席用のドア開口部、後列席用のドア開口部あるいはバックドア開口部を設定することができる。要は運転席用ドア以外のドア開口部を経て運転者が出入りすることとすれば、運転席用のドア開口部を経る場合のようにステアリングホイールが邪魔になることはない。
また、シート装置を車両前後方向に移動させつつ車両正面向きの位置とドア開口部側に向いた位置との間で回転させるための連動機構を備えているので、該シート装置に着座した状態のままで着座者の足等が車両ボディ(ドア開口部の周縁)等に干渉することなく、該シート装置を車両正面向きの位置とドア開口部側に向いた位置との間で回転させることができる。
【0009】
次に、例えばシート装置をドア開口部を経て移動させる際に該シート装置がドア開口部の下縁等に干渉しないような移動軌跡を設定する必要がある等の理由により、同乗者席位置におけるシート装置の高さが他の座席高さよりも高くなる場合があり、このような場合にシート装置をそのまま運転席に移動させたのでは着座者(運転者)の高さ(いわゆるヒップポイント)が高くなってしまう。
この点、請求項記載の車両用シートによれば、前記と同様ロングスライド装置により、シート装置を運転席位置と同乗者席位置との間で移動させる構成であるので、ステアリングホイール等が邪魔になることはなく、従って従来同乗者席として提供されていた車両用シートを、その利便性を損なうことなく、運転席に適用することができるとともに、昇降機能を有するリフトアップ装置を備えているので、運転席位置におけるシート装置の高さを同乗者席位置における高さよりも低くすることにより運転者のヒップポイントを適正に設定することができる。
また、上記リフトアップ装置によれば、その昇降機能によりシート装置を車室外に移動させると、車室内の同乗者席位置における高さよりも低い位置(路面に近い高さ)に移動させることができるので、車室外におけるシート装置への着座者の乗り移り動作をより楽に行うことができる。
【0010】
請求項記載の車両用シートによれば、請求項記載の車両用シートにおいて、着座者の足等が車両ボディ(ドア開口部の周縁)等に干渉することなく、シート装置を車両正面向きの位置とドア開口部側に向いた位置との間で回転させることができる。
請求項記載の車両用シートによれば、シート装置とロングスライド装置と回転装置とリフトアップ装置をコンパクトに構成することができる。
請求項記載の車両用シートによれば、車両への乗降動作を全く行うことなく、運転席と車室外の任意の場所との間を移動することができ、この点で着座者は一層楽に車両への乗降を行うことができ、これにより当該車両用シートの利便性をより高めることができる。
【0011】
請求項記載の車両用シートによれば、2箇所のドア開口部を任意に選択して車両への乗降を行うことができるので、当該車両用シートの使い勝手を一層向上させることができる。すなわち、車両の右側または左側の何れの側からでも、シート装置に着座したまま運転席まで移動できるので便利である。
請求項記載の車両用シートによれば、車両前後方向のスライド動作と車幅方向のスライド動作の双方を必要としないので、より簡易な構成で、シート装置を運転席とは反対側の第2列席位置から運転席位置まで移動させることができる。
【0012】
請求項記載の車両用シートによれば、より簡易な構成のリフトアップ装置により、シート装置を車室内と車室外との間で一定の移動経路を経て確実に移動させることができる。
【0013】
請求項記載の車両用シートによれば、運転者は、運転席位置からシート装置に着座したまま車室外に移動し、さらに車両から離れて自由に移動することができる。逆に、シート装置の車輪を取り出して該シート装置を車いすとして使用した後、そのまま該シート装置をリフトアップ装置により車室内に移動させ、さらにロングスライド装置により運転席位置に移動させれば、運転者は、シート装置を車いすとして使用した後、着座したまま運転席に搭乗することができる。このように、運転者(着座者)はシート装置に着座したまま、運転席から車室外の任意の場所に移動することができ、またその逆に移動することができるので、当該シート装置の利用価値を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。この第1実施形態は、請求項1〜に記載した発明の実施形態に相当する。図1及び図2は、本実施形態の車両用シート1を示している。この車両用シート1は、運転席として用いられるシートであり、シート本体11を主体とするシート装置10と、車室内に設置されてこのシート装置10を、車室内から車室外へ、あるいはその逆に移動させるためのリフトアップ装置50と、シート装置10を後部席位置と運転席位置との間で比較的長い距離を移動(ロングスライド)させるためのロングスライド装置200を備えている。
図1,2において、後部席位置に位置するシート装置10が実線で示され、運転席位置に位置するシート装置10が二点鎖線で示されている。運転席位置は運転者が着座する座席の位置であり、同乗者席位置とは運転者以外が着座する座席の位置をいう。本実施形態において、同乗者席として、運転席の後ろ側の第2列席(後部席)を例示する。従って、本実施形態の場合、シート装置10は後部席用のドア開口部D2を経てリフトアップ装置50により車室内と車室外との間を移動する。
【0015】
また、シート装置10は、折り畳み可能な車輪(図1および図2では省略されている)を備えているとともに、リフトアップ装置50から切り離すことができる。リフトアップ装置50にシート装置10を連結して当該リフトアップ装置50を作動させることにより、シート装置10を着座姿勢を保持しつつ車室内から車室外へ、逆に車室外から車室内に移動させることができる。車室内に移動することにより当該シート装置10は通常の運転者が着座するための運転席として使用される一方、車室外に移動させてリフトアップ装置50から切り離すとともに車輪を取り出すことにより車いすとして単独で使用することができる。
図3〜図9には、シート装置10とリフトアップ装置50の詳細が示されている。
先ず、図3および図4に示すようにシート装置10は、シート本体11と折り畳み可能な前後の車輪60,60,70,70を備えている。シート本体11は、シートクッション11aと、シートバック11bを有し、シートフレーム20に載置した状態で固定されている。
図5はシート装置10のうちシート本体11を除いた状態を示している。シートフレーム20に、上記前輪60,60及び後輪70,70が連動機構35を介して折り畳み可能に取り付けられている。
すなわち、シートフレーム20の左右側枠21,21の後部には、後輪ステー71,71の上端部がそれぞれ支軸71aを介して上下に回転可能に支持されている。この両後輪ステー71,71の下端部に、それぞれホイールインモータ160を内蔵した後輪70が取り付けられている。
【0016】
後輪ステー71の下端部には略平板形状のモータブラケット161が取り付けられており、このモータブラケット161の外側面にホイールインモータ160が取り付けられている。このホイールインモータ160は、後輪70のホイール162の内周側にコンパクトに組み込まれている。本実施形態において、後輪70,70には比較的小径(直径8インチ程度)のものが用いられている。
【0017】
このホイールインモータ160は図示省略した電気配線を経てバッテリから供給される直流電源により駆動する。電源用のバッテリは、シートバック11bの背面に搭載されている。このバッテリは、シート装置10をリフトアップ装置50に連結した状態(車室内に搭載した状態)では該リフトアップ装置50側に設置した充電器により充電される。
又、シートバック11bの上部に設けたハンドル部104には、ホイールインモータ160,160の起動・停止操作、低速・高速切り換え操作及び正転・逆転切り換え操作をするための操作スイッチ(図示省略)が配置されている。この操作スイッチは、ハンドル部104を把持して当該シート装置10を移動操作する介護者が迅速かつ楽に操作できる位置に配置されている。
さらに、図示は省略したがシート本体11のアームレスト11cには、着座者が当該シート装置10の移動・停止操作、低速・高速切り換え操作及び前後進切り換え操作をするためのジョイスティック形式の操作レバーが設けられている。
このように構成したホイールインモータ160,160により両後輪70,70を回転駆動させることができ、これによりシート装置10を自走させることができる。
【0018】
又、両ホイールインモータ160,160は、図示省略したモータ制御回路により相互に独立して回転制御される。このモータ制御回路により、両ホイールインモータ160,160は、回転方向の切り換え、回転数の切り換え及び左右相互に回転数を相違させることができ、これによりシート装置10は、前後進切り換え可能、かつ高速・低速の切り換え可能であり、かつ左右旋回可能となっている。これらの操作も、ハンドル部104に設けた操作スイッチにより介護者が単独で操作することができ、またはアームレスト11cに設けたジョイステック形式の操作レバーにより着座者が自ら自由に操作することができるようになっている。
【0019】
次に、図3に示すように両後輪ステー71,71は、連結ロッド72により連結されている。このため、両後輪ステー71,71は一体で上下に回転する。連結ロッド72の長手方向中央には、支軸73を介して後輪リンクアーム74の後端部が上下に回転可能に連結されている。後輪リンクアーム74の前端部は支軸75を介して移動枠80の長手方向中央に回転可能に連結されている。この移動枠80については後述する。
【0020】
シートフレーム20の両側枠21,21間には、前側から前枠23と中枠22と後ろ枠24が掛け渡し状に取り付けられている。前枠23にはフットレスト支持枠100が取り付けられており、このフットレスト支持枠100の中央に平板形状のフットレスト101がほぼ水平位置に取り出しかつ起立位置に収納可能に取り付けられている。フットレスト支持枠100の両側にはL型の支持枠102,102が取り付けられており、この両支持枠102,102間には連結ロッド103が掛け渡し状に取り付けられている。この連結ロッド103の両端部に、それぞれ前輪ステー91のほぼ中央部が支軸91aを介して上下に回転可能に取り付けられている。
この両前輪ステー91,91の下部には、それぞれ当該前輪ステー91の軸芯回りに回転可能な二股形状の前輪ブラケット96が取り付けられており、この前輪ブラケット96に前輪60が回転自在に取り付けられている。従って、前輪60,60は、前輪ステー91に対して首振り可能(前輪60の回転軸線が水平面方向に沿って移動可能)に取り付けられている。
一方、両前輪ステー91,91の上端部には、それぞれ支軸92を介して前輪リンクアーム93の前端部が回転可能に連結されている。両前輪リンクアーム93の後端部は、それぞれ支軸94及びL型ブラケット95を介して前記移動枠80の端部に回転可能に連結されている。
【0021】
次に、シートフレーム20の前枠23と中枠22との間には、2本のスライドバー81,81が相互に平行に取り付けられている。この2本のスライドバー81,81を介して前記移動枠80が前後にスライド可能に取り付けられている。
この移動枠80のほぼ中央にはナット82が取り付けられており、このナット82にはねじ軸83が噛み合い状態で挿入されている。このねじ軸83の後端部は中枠22に回転可能に支持され、前端部はギヤボックス84を経て電動モータ85に接続されている。この電動モータ85には、いわゆるパルスモータが用いられており、図示省略した制御装置(駆動回路)によりその起動、停止、および回転数、回転方向および回転速度等が制御される。
電動モータ85が正転又は逆転すると、ギヤボックス84を経てねじ軸83が正転又は逆転し、該ねじ軸83とナット82の噛み合い作用を通じて移動枠80が前方に平行移動し、又は後方に平行移動する。この移動枠80を平行移動させるための機構、すなわち主として電動モータ85、ねじ軸83及びその周辺機器が、前後輪60,60,70,70を折り畳むための駆動装置86を構成する。
【0022】
この駆動装置86によれば、電動モータ85を正転させて移動枠80を前方に平行移動させると、前輪リンクアーム93,93が前方に移動するので、両前輪ステー91,91がそれぞれ支軸91aを中心にして図示時計回り方向(前輪60を後方へ移動させる方向)に回動し、これにより両前輪60,60が後方へ折り畳まれる。
一方、電動モータ85が正転して移動枠80が前方に平行移動すると、後輪リンクアーム74が同じく前方に移動するので、連結ロッド72が前方に移動し、従って両後輪ステー71,71が図示反時計回り方向に回動して両後輪70,70が前方に折り畳まれる。
【0023】
逆に、電動モータ85が逆転すると、移動枠80が後方へ平行移動するので、前輪リンクアーム93,93が後方へ移動して両前輪ステー91,91が支軸91a,91aを中心にして図示反時計回り方向に回動し、これにより両前輪60,60が折り畳み位置から下方へ取り出される。又、移動枠80が後方へ平行移動すると、後輪リンクアーム74が後方へ移動するため両後輪アーム71,71がそれぞれ支軸71aを中心にして図示時計回り方向に回動し、これにより両後輪70,70が折り畳み位置から下方へ取り出される。
このように、駆動装置86により移動枠80が移動すると、連動機構35により前輪60,60及び後輪70,70が連動して上方へ折り畳まれ、又は下方へ取り出される。
【0024】
前輪60,60は折り畳まれる際に後輪ステー71,71に設けたガイドに係合して、その姿勢が縦姿勢から強制的に横姿勢に変更される。前輪60の縦姿勢とは、該前輪60の姿勢であって、その回転軸線(車軸)を水平方向(地面に対して平行)に沿わせた姿勢をいい、横姿勢とは前輪60の折り畳み動作完了時点でその回転軸線を垂直方向(地面に対して直交する方向)に沿わせた姿勢をいう。
このように、前輪60,60が収納されると、その姿勢が横姿勢に変更されるので、その分だけ下方への張り出し寸法を小さくすることができ、これにより当該シート装置10の車室内における収容高さを低くすることができので、着座者の特別の意識(特別扱いを受けているという疎外感等)を緩和することができる。
【0025】
次に、図3および図4に示すように左右の両カバー体30,30には、それぞれシートバック11bの側部に沿った立ち上がり部30bが設けられており、この立ち上がり部30bの内部には、当該シート装置10をリフトアップ装置50に連結するための連結部40が設けられている。この連結部40の詳細が図6及び図7に示されている。
この両連結部40,40は左右対称に構成されているので、図6及び図7に示すように着座者から見て右側の連結部40について説明する。シートフレーム20の左側の側枠21の後部には、略L字状の第1側板41が立ち上げ状に固定されており、この第1側板41の上部には第2側板42が一定の間隔をおいて平行に固定されている。両側板41,42間の前端縁は上前板43と下前板44により閉塞されている。上前板43の上部は逆U字状に折り曲げられて、当該連結部40の上部に、連結した連結板56の上部56cを抱え込み状に保持するための引き掛け凹部40aが形成されている。
【0026】
両側板41,42及び上下の前板43,44により後方及び下方に開放する略箱体形状の連結部40が形成されており、この後部及び下部の開口部を経てリフトアップ装置50の連結板56が嵌め込まれる。図示するように第2側板42の後端縁には、ほぼ一定の幅で外側に折り曲げられたガイド縁42aが形成されており、このガイド縁42aは当該連結部40にリフトアップ装置50の連結板56を嵌め込む際の案内板として機能する。
このように設けた左右一対の連結部40,40に、それぞれリフトアップ装置50の連結板56,56が嵌め込まれることにより、当該シート装置10がリフトアップ装置50に連結される。なお、両側板41,42間の上部にはロックバー45が掛け渡し状に固定されており、このロックバー45がリフトアップ装置50の連結板56に係合することにより、該連結板56の連結部40への連結状態がロックされる。
【0027】
次に、車室内に設置したリフトアップ装置50は、図9に示すように車室内のフロアFに設置したロングスライド装置200のメインベース201上に設置されている。
このリフトアップ装置50は、メインベース201上に車両前後方向に取り付けた2本のショートスライドレール51,51と、このショートスライドレール51,51を介して車両前後方向に移動可能なサブベース52と、このサブベース52上に取り付けた回転装置53と、該回転装置53を介してサブベース52上に回転可能に支持したスイングベース54と、該スイングベース54の両側部に取り付けた左右一対の四節リンク機構55,55を備えている。以下、必要に応じて、ロングスライド装置200によりなされるスライド動作を特にロングスライド動作といい、ショートスライドレール51,51によりなされるスライド動作をショートスライド動作と称して区別する。
【0028】
回転装置53は外輪53aと内輪53bを相互に回転自在に組み付けたもので、内輪53bがサブベース52上に固定され、外輪53aがスイングベース54の下面に固定されている。この回転装置53によりスイングベース54が車両正面向きと車両側方向き(ドア開口部D2側、図1及び図2参照)との間で約90度回転可能に支持されている。このスイングベース54は車両正面向きと車両側方向きの2位置において、図示省略した回転ロック機構により位置保持されるようになっている。
【0029】
また、図示は省略したがスイングベース54とメインベース201との間には、該スイングベース54ひいてはシート装置10の回転動作とショートスライド動作を連動させるための連動機構が介装されている。この連動機構は、外輪53aの外周面に形成したピニオンギヤ部と、サブベース52に回転可能に支持されてこのピニオンギヤ部に噛み合う中間ギヤと、該中間ギヤに噛み合い、車室内側のショートスライドレール51に沿ってメインベース201上に取り付けたラックを備えている。さらに、上記ピニオンギヤ部には回転モータにより回転する駆動ギヤが噛み合わされており、この回転モータが正転または逆転側に起動することにより当該シート装置10が車両正面側にまたはドア開口部D2側に回転し、この回転動作に連動してショートスライドする。
上記回転モータにはパルスモータが用いられており、制御装置の駆動回路によりその起動、停止およびその回転数、回転方向および回転速度等が制御される。
【0030】
次に、両四節リンク機構55,55はそれぞれ2本のリンクアーム55a,55bを備え、前側の両リンクアーム55a,55aの下端部はスイングベース54の側壁部54cに設けた支軸55d,55dを介して上下に回転可能に連結されている。一方、後ろ側の両リンクアーム55b,55bの下端部間は前記側壁部54cに対して回動する1本の連結軸57により一体に連結されており、又この連結軸57を介して両リンクアーム55b,55bがスイングベース54に対して上下に回動可能に連結されている。
上記連結軸57に、両四節リンク機構55,55を室外側に振り出し動作させるための駆動源としての電動シリンダ90が連結されている。この電動シリンダ90は、電動モータとねじ軸送り機構を組み合わせたもので、従来公知のものを用いている。この電動シリンダ90の電動モータにはパルスモータが用いられており、図示省略した制御装置の駆動回路によりその起動、停止等の動作が制御され、これにより両四節リンク機構55,55の傾動方向、傾動速度、傾動角度が制御される。
【0031】
両四節リンク機構55,55の先端に、それぞれ前記した連結板56が取り付けられている。この両連結板56,56に対して前後のリンクアーム55a,55bの上端部は支軸56a,56bを介して回動可能に連結されている。
両連結板56,56は、図6および図7に示すようにそれぞれ前記シート装置10の連結部40にほぼ隙間なく嵌め込み可能な略平板形状を有している。この連結板56の上部56cが、連結部40の引き掛け凹部40a内に嵌め込まれると、当該上部56cの外れ方向(図7において左方向)への変位が規制される。
両連結板56,56の下部にはそれぞれロック爪58が設けられており、このロック爪58が連結部40の下前板44に対して下側から引き掛けられることによっても当該連結板56の後方への変位が規制される。
【0032】
又、両連結板56,56の前側にはロック凹部56dが切り込み状に形成されている。一方、図6及び図7に示すように四節リンク機構55の後ろ側のリンクアーム55b,55bの支軸56b寄りの位置には、それぞれブロック55cが取り付けられている。図7に示すように連結板56,56をそれぞれ連結部40に連結すると、上記ロック凹部56dに連結部40のロックバー45が嵌まり込み、これによっても連結板56の後方への変位が規制される。しかも、当該リフトアップ装置50の作動によりシート装置10を室内に移動すると、図示するように前後のリンクアーム55a,55bがほぼ直立状態に位置するため、上記ブロック55cがロックバー45の上側に張り出し、これによりロック凹部56dからのロックバー45の相対移動が禁止され、ひいては車室内における当該シート装置10に対するリフトアップ装置50の連結状態が確実に維持される。
両連結板56,56の両側面には、それぞれ所定の板厚を有する摺動板56e,56eが貼り付けられている。この摺動板56e,56eにより連結板56,56は、連結部40に対して板厚方向(当該シート装置10の幅方向)にガタツキなく、かつ面方向には滑らかに移動可能に嵌め込まれるようになっている。
【0033】
次に、上記両連結板56,56の下端部間は、受け枠59により連結されている。シート装置10がリフトアップ装置50に連結された状態では、この受け枠59が、シート装置10のシートフレーム20の後ろ枠24に対して下側からほぼ重ね合わせ状に位置する。
図8に示すように上記後ろ枠24の左右側枠21,21寄りの2カ所には、リフトアップ装置50に対する位置決め用の位置決めピン105が下方へ突き出し状に取り付けられている。これに対して受け枠59には位置決め孔59a,59aが形成されており、両位置決め孔59a,59aにそれぞれ位置決めピン105が挿入されることにより、シート装置10に対するリフトアップ装置50の位置決めがなされる。
【0034】
又、シートフレーム20の後ろ枠24には、電源コネクタ(いわゆるジャンクションコネクタ)110のオス側110aが取り付けられている。これに対して、受け枠59には上記電源コネクタ110のメス側110bが取り付けられている。このため、シート装置10がリフトアップ装置50に連結されると、シートフレーム20の後ろ枠24が受け枠59にほぼ重ね合わせ状に位置決めされるとともに、電源コネクタ110のオス側110aがメス側110bに連結されて、シート装置10とリフトアップ装置50との間が電気的にも接続される。電源コネクタ110のオス側110aは前記駆動装置86の電動モータ85及び前記ホイールインモータ160,160の電源バッテリの充電回路に接続されている。このため、電源コネクタ110のオス側110aとメス側110bが接続されると、駆動装置86の電動モータ85に電源が供給され、これにより前輪60,60及び後輪70,70を折り畳み可能、又は取り出し可能な状態になると共に、ホイールインモータ160,160の電源バッテリを、車室内に搭載した充電器に接続した状態となり、これにより電源バッテリは車両走行中十分な時間充電することができる。
【0035】
次に、シート装置10およびリフトアップ装置50を運転席位置と後部席位置との間で移動させるためのロングスライド装置200について説明する。このロングスライド装置200は、車室内のフロアF上に、運転席位置から後部席位置に至って相互に平行に取り付けた2本のロングスライドレール202,202と、このロングスライドレール202,202を介して移動可能に支持したメインベース201と、両ロングスライドレール202,202間においてこれらと平行かつ回転可能にフロアF上に取り付けたねじ軸203と、このねじ軸203を回転させるためのロングスライドモータ204を備えている。
2本のロングスライドレール202,202は、運転席側に下る方向に僅かに傾斜して取り付けられている。
ねじ軸203は、メインベース201の下面に取り付けたナットに噛み合わされている。ロングスライドモータ204が起動すると、ねじ軸203が回転し、これによりメインベース201が運転席位置から後部席位置に向けて、またはその逆向きに移動する。メインベース201が移動することにより、その上側に取り付けたリフトアップ装置50、シート装置10およびシート本体11に着座した運転者が運転席位置と後部席位置との間を移動することができる。
【0036】
上記ロングスライドモータ204にもパルスモータが用いられている。このロングスライドモータ204の起動、停止、およびその回転数、回転速度、回転方向等が制御装置の駆動回路によって制御され、これに基づいてシート装置10の位置が検知される。このロングスライドモータ204が所定量作動してシート装置10が運転席位置または後部席位置に至ると、このロングスライドモータ204は停止する。
なお、本実施形態では、シート装置10が運転席位置に至る手前で、ロングスライドモータ204が停止し、その後リフトアップ装置50の電動シリンダ90が起動するよう制御装置に動作プログラムが入力されている。これについては、後述する。
【0037】
以上のように構成した車両用シート1によれば、図3に示すようにシート装置10をリフトアップ装置50から切り離すことにより、該シート装置10を車いすとして単独で使用することができる。シート装置10は、リフトアップ装置50から切り離した状態では、前輪60,60及び後輪70,70が下方に取り出されて路上に接地した状態となっている。
上記切り離し状態において、介護者がハンドル部104の操作スイッチを起動操作することにより、又は着座者がアームレスト11cに配置したジョイスティック形式の操作スイッチを起動操作することにより、ホイールインモータ160,160が起動して、両後輪70,70が回転駆動される。このため、介護者はより小さな力でシート装置10を移動させることができ、この点で介護者の負担が大幅に低減される。また、着座者がアームレスト11cの操作スイッチを操作して、当該シート装置10を自走させることにより介護者の援助を得ることなく着座者自身が単独で移動することができる。
【0038】
さらに、ハンドル部104の操作スイッチ又はアームレスト11cの操作スイッチを操作して、左右のホイールインモータ160,160を逆転させることによりシート装置10を後退させることができ、又両ホイールインモータ160,160の回転数を変化させることによりシート装置10を低速で移動させたり、高速で移動させたりすることができ、又両ホイールインモータ160,160の回転数を相互に相違させることによりシート装置10を左旋回又は右旋回させることができる。
【0039】
このような切り離し状態からシート装置10をリフトアップ装置50に連結して車室内に搭載するためには、シート装置10を後ろ向きでリフトアップ装置50に接近させて(後退)、シートフレーム20の後ろ枠24の下方に受け枠59が位置する状態とする。この操作および以下の一連の操作中、着座者はシート装置10に着座した状態のままでよい。
次に、別途設けた操作パネルのスイッチをオン操作してリフトアップ装置50の電動シリンダ90を起立側に起動させて両四節リンク機構55,55をわずかに起立方向に移動させ、これにより両連結板56,56及び受け枠59を一体で上昇させて受け枠59をシートフレーム20の後ろ枠24に対して下方から重ね合わせる。その過程で、位置決めピン105,105が位置決め孔59a,59aに挿入されることにより、リフトアップ装置50がシート装置10に対して位置決めされ、また電源コネクタ110のオス側110aがメス側110bに接続されて、駆動装置86に電源が供給される。
【0040】
又、両連結板56,56が上昇することにより、該連結板56,56がシート装置10の連結部40,40内に嵌め込まれる。両連結板56,56の上端部56c,56cがそれぞれ連結部40の引き掛け凹部40aにはまり込むと、両連結板56,56のロック爪58,58がそれぞれ連結部40の下前板44の下縁に下方から引き掛けられるとともに、連結板56のロック凹部56d内にロックピン45がはまり込む。この段階で、両連結板56,56が、それぞれシート装置10の連結部40に対して左右方向及び後方へ相対移動不能に連結される。
【0041】
こうしてリフトアップ装置50の四節リンク機構55,55を起立側(室内側)に移動させつつ両連結板56,56を連結部40,40に連結し、その後引き続き電動シリンダ90を逆転させて四節リンク機構55,55を起立側に移動させることにより、シート装置10を地面から浮き上がらせることができる。この段階で一旦リフトアップ装置50を停止させる。リフトアップ装置50の停止は、制御装置から出力されるパルス信号に基づいて電動シリンダ90の電動モータが停止することによりなされる。シート装置10を地面から浮き上がらせた状態とすることにより以下説明するように前輪60,60及び後輪70,70を折り畳むことができる。
【0042】
前輪60,60及び後輪70,70を折り畳むには、駆動装置86の電動モータ85を正転側に起動させればよい。なお、この段階で駆動装置86の電動モータ85には電源コネクタ110を経て電源が供給されている。電動モータ85が正転側に起動すると移動枠80が折り畳み側に平行移動するため、両前輪リンクアーム93,93と後リンクアーム74が折り畳み方向(前方、図5において右方)に移動する。両前輪リンクアーム93,93が折り畳み方向に移動すると両前輪ステー91,91がそれぞれ支軸91aを中心にして折り畳み方向(図5において時計回り方向)に回動し、これにより両前輪60,60が折り畳み方向に移動する。
一方、これと同時に両後輪ステー71,71がそれぞれ支軸71aを中心にして折り畳み方向(図5において反時計回り方向)に回転し、これにより両後輪70,70が折り畳み方向に移動する。
前輪60,60及び後輪70,70の折り畳み動作の最終段階では、前記したように両前輪60,60の姿勢が縦姿勢から横姿勢に強制的に変更される。
【0043】
両前輪60,60の姿勢が縦姿勢から横姿勢に変更されると、当該前輪60,60及び後輪70,70の折り畳みが完了する。移動枠80がスライド前端位置(前後輪の折り畳み位置)に至って前輪60,60及び後輪70,70の折り畳みが完了すると、制御装置の駆動装置から出力されるパルス信号に基づいて電動モータ85が停止する。逆に、電動モータ85が所定量作動して、移動枠80が後端位置に至って前輪60,60及び後輪70,70が取り出されると、電動モータ85が自動的に停止する。
【0044】
こうして前輪60,60及び後輪70,70の折り畳みが完了した後、再度リフトアップ装置50を起動して両四節リンク機構55,55を上方へ傾動させることにより着座者が着座した状態のままのシート装置10を上昇させて車室内に収容することができる。両四節リンク機構55,55が起立位置まで傾動して電動シリンダ90が停止すると、シート装置10がほぼスイングベース54上に位置する状態となる。電動シリンダ90の電動モータは制御装置の駆動装置によって停止し、これによりリフトアップ装置50が停止する。なお、この段階でシート装置10は、メインベース201上に設けたロック装置に係合されて当該スイングベース54の上方に強固に位置保持される。
【0045】
又、シート装置10がスイングベース54の上方に戻されて両四節リンク機構55,55の後ろ側のリンクアーム55b、55bがほぼ直立状態になると、図7に示すようにブロック55cがロックバー45の上方に張り出す状態となり、これによってもリフトアップ装置50がロックされてシート装置10が位置保持される。
こうしてシート装置10がスイングベース54上に戻されて、電動シリンダ90の電動モータが停止すると、代わって回転装置53の回転モータが起動してシート装置10およびスイングベース54が一体となって車両正面側に約90゜回転し始める。前記した連動機構によりシート装置10は、一旦車両後方側へショートスライドしながら車両正面向きの位置に向けて回転する。これによりシート装置10がドア開口部D2を通過する際に、着座者の足等が車両ボディのピラー(ドア開口部D2の周縁部)に干渉することが防止される。この段階のスライド動作は、ショートスライドレール51,51に沿ってサブベース52が移動することによりなされるショートスライド動作となっている。
【0046】
回転モータが所定量回転してシート装置10が車両正面向きの位置に戻されると該回転モータが停止し、これによりシート装置10の回転動作およびショートスライド動作が停止する。この段階で、シート装置10が後部席位置に戻される。
こうしてシート装置10が後部席位置に戻されると、上記回転モータに代わってロングスライドモータ204が起動する。ロングスライドモータ204が起動すると、ねじ軸203が回転し、これによりシート装置10およびリフトアップ装置50が運転席位置に向けて移動する(ロングスライド動作)。
【0047】
ロングスライド動作は、ロングスライドモータ204の起動、停止およびその回転数、回転方向、回転速度を制御装置の駆動回路から出力されるパルス信号に基づいて制御されることによりなされる。ロングスライド動作の当初の段階では、前記リフトアップ装置50の電動シリンダ90は停止している。
しかしながら、ロングスライド動作が進行してシート装置10が運転席位置の手前まで至ると、ロングスライドモータ204が停止してロングスライド動作が中止され、代わって上記リフトアップ装置50の電動シリンダ90が再び起動し、これにより両四節リンク機構55,55が前傾方向に約30゜傾動してシート装置10が前方へ振り出される。この状態が図1において二点鎖線で示されている。リフトアップ装置50の作動によってシート装置10が前方へ振り出されると、該シート装置10は前方へ変位するとともに下方へ高さHだけ変位する。この段階でのリフトアップ装置50の作動量すなわちシート装置10の振り出し量は、予め制御装置に入力されたプログラムに基づいて電動シリンダ90の電動モータがパルス制御されることにより設定されている。
【0048】
こうしてリフトアップ装置50が再び前傾方向に作動することによりシート装置10が高さHだけ下方へ変位され、これにより運転席位置におけるシート装置10のいわゆるヒップポイント(HP:着座高さ)が運転動作に適切な高さに設定される(ヒップポイント下降動作)。このヒップポイント下降動作が開始されるタイミングは、ロングスライドモータ204の回転数(ロングスライド動作量)に基づいて予め適切に設定されている。このことから、本実施形態では、リフトアップ装置50が特許請求の範囲に記載した「シート高さ変位装置」としても機能している。
また、シート装置10のヒップポイント下降動作は、運転者がシートベルトを適切な姿勢で装着できる車両前後方向の範囲の最も後ろ側の位置(リヤモースト:R/M)で完了するように設定されている。従って、ヒップポイント下降動作の完了後、再度ロングスライド装置200を起動させることにより、運転者がシートベルトを適切な姿勢で装着できる車両前後方向の範囲の最も前側の位置(フロントモースト:F/M)と上記リヤモーストとの間の範囲内で、シート装置10の車両前後方向の位置(シートポジション)を任意に変更することができる。
なお、2本のロングスライドレール202,202が運転席側に僅かに下る方向に傾斜して取り付けられているので、この点でも運転席位置におけるシート装置10の高さ(HP)が同乗者位置よりも低くなるようになっている。
【0049】
以上で、車いすとして単独で使用可能な状態のシート装置10を車室内の運転席位置に位置させるまでの一連の操作が完了する。この間、着座者(運転者)はシート装置10に着座した状態のままであり、従来のような乗り移り動作等を全く行うことなく極めて楽に車室外から運転席に着座することができる。
シート装置10を運転席位置から車室外に移動し、車いすとして単独で使用可能な状態にするには上記説明した操作とは逆の操作をすればよい。この間も、着座者はシート装置10に着座したままでよく、この場合も乗り移り動作等を全くすることなく極めて楽に運転席から車室外の車いす上まで移動することができる。
【0050】
以上のように構成した車両用シート1によれば、ステアリングホイールS等が邪魔にならない後部席位置のドア開口部D2を経てシート装置10を車室内から車室外へ、あるいはその逆に移動させる構成であるので、運転席位置のドア開口部D1(図1参照)を経てシート装置10を車室外に移動させる場合のようにステアリングホイールS等が邪魔になることはない。また、後部席位置から運転席位置までの移動はロングスライド装置200によりなされるので、この場合もステアリングS等が邪魔になることはなく極めてスムーズに行われる。
このことから、本実施形態の車両用シート1によれば、従来装置と同様シート装置10の車室内と車室外との間の移動をスムーズに行うことができるとともに、これを運転席に適用することができ、これにより老人や身障者等が車両を運転する場合にも、運転席と車室外の車いすとの間の移動を極めて楽に(従来のような乗り移り動作を全くすることなく)行うことができる。
【0051】
以上説明した第1実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、例示した第1実施形態では、シート装置10をドア開口部D2を経て車両幅方向に移動させるための装置として、四節リンク機構55,55を主体とするリフトアップ装置50を例示したが、スライド機構を主体する移動装置を用いてもよい。この場合も、適当な角度で傾斜するスライド機構を用いることにより、車室内から車室外のより地上に近い高さにシート装置10を移動させることができ、また運転席位置におけるヒップポイントHPを適切に設定することができる。
【0052】
また、ヒップポイントHPを下方へ変位させるタイミングを、変位が完了した時点でシート装置10がリヤモーストR/Mに至るよう設定する場合を例示したが、下方への変位が完了した時点でシート装置10がフロントモーストF/Mに至るよう(より遅いタイミングで)設定してもよく、またその間のタイミングに設定してもよい。
さらに、リフトアップ装置50(またはスライド機構のリフトアップ装置)をシート高さ変位装置として機能させる構成を例示したが、このリフトアップ装置とは別に、シート装置を上下に変位させるための機構を別途設け、該機構によってヒップポイントHPを変位させる構成としてもよい。
【0053】
また、シート装置10を出入りさせるためのドア開口部には、例示した後部座席用のドア開口部D2の他、助手席用ドア開口部D5、助手席の後ろ側の座席用のドア開口部D3あるいは車両後部のドア開口部D4を設定することができ、要は運転席用以外のドア開口部を経てシート装置10を出入りさせれば、運転席用のドア開口部を経る場合のようにステアリングホイールSが邪魔になることはなく、前記例示した場合と同様の作用効果を得ることができる。従って、同乗者席位置として、運転席位置の後ろ側を例示したが、運転席以外の他の座席位置に本発明に係る車両用シートを設定することができる。
例えば、図10は前記第1実施形態におけるシート装置10の移動経路を模式的に示す図であって、運転席(D席)の後ろ側の第2列席用のドア開口部D2を経てシート装置10を出入りさせる形態を示しているが、図11〜図18は、上記第2列席用のドア開口部D2以外のドア開口部D3〜D5を経てシート装置10を出入りさせる場合を例示している。図11〜図13は第2実施形態の車両用シート300を示し、図14および図15は第3実施形態の車両用シート400を示し、図16は第4実施形態の車両用シート500を示し、図17および図18は第5実施形態の車両用シート600を示している。
【0054】
先ず、第2実施形態の車両用シート300について説明する。この第2実施形態が、請求項に記載した発明の実施形態に相当する。なお、以下の説明において第1実施形態と同様の構成および部材(主としてシート装置およびリフトアップ装置)については同位の符号を用いてその説明を省略する。
図11は、助手席(P席)の後ろ側のドア開口部D3または運転席(D席)の後ろ側のドア開口部D2の一方を任意に選択してシート装置10を出入りさせることができる第2実施形態を示している。この第2実施形態の場合、図12および図13に示すように前記例示した車両前後方向のロングスライド装置200に加えて車幅方向(図11および図12において上下方向)のロングスライド動作を与えるための幅方向スライド装置301が設けられている。車両前後方向のロングスライド装置200と幅方向スライド装置301を組み合わせることによりシート装置10を、ドア開口部D2を経て又はドア開口部D3を経て車室外から運転席位置(D席)に移動させることができる。
【0055】
車両フロアFに設置したロングスライド装置200のメインベース201上に幅方向スライド装置301が取り付けられている。この幅方向スライド装置301は、メインスライド枠302と、これに対して車両幅方向にスライド可能に支持した第1スライド枠303と、該第1スライド枠303に対して車両幅方向にスライド可能に支持した第2スライド枠304を備えており、2段スライド構造を有している。メインスライド枠302が、メインベース201上に固定されている。
図12に示すようにメインスライド枠302と第1スライド枠303との間に、第1ねじ軸305が回転可能に取り付けられ、第1スライド枠303と第2スライド枠304との間に第2ねじ軸306が回転可能に取り付けられている。第1ねじ軸305は、第1スライドモータ307により回転し、これにより第1スライド枠303がメインスライド枠302に対して車両幅方向にスライドする。また、第2ねじ軸306は、第2スライドモータ308により回転し、これにより第2スライド枠304が第1スライド枠303に対して車両幅方向にスライドする。両スライドモータ307,308にもいわゆるパルスモータが用いられており、モータ制御装置によりその起動、停止および回転数、回転方向および回転速度等が制御される。
【0056】
第2スライド枠304にはショートスライドレール351,351が車両前後方向に沿って相互に平行に取り付けられている。このショートスライドレール351,351を介して第2スライド枠304には、サブベース352が車両前後方向に移動可能に取り付けられている。また、第2スライド枠304にはねじ軸310が回転可能に取り付けられており、このねじ軸310はショートスライドモータ311により回転する。ねじ軸310に噛み合うナット312はサブベース352の下面にブラケットを介して固定されている。従って、ショートスライドモータ311が起動するとねじ軸310が回転し、これによりサブベース352が車両前方または後方に向けてスライドする。ショートスライドモータ311にもいわゆるパルスモータが用いられており、制御装置の駆動回路によりその起動、停止および回転数、回転方向および回転速度等が制御される。
【0057】
次に、サブベース352には回転装置353を介してスイングベース354が回転可能に支持されている。回転装置353は、相互に回転可能な外輪353aと内輪353bを有している。外輪353aはサブベース352の上面に取り付けられ、内輪353bはスイングベース354の下面に取り付けられている。外輪353aの外周面にはピニオンギヤ部が形成されている。一方、スイングベース354の下面には回転モータ315が取り付けられている。この回転モータ315の出力軸に取り付けた駆動ギヤが、上記外輪353aのピニオンギヤ部に噛み合わされている。従って、回転モータ315が起動すると、スイングベース354が回転する。この回転モータ315にもいわゆるパルスモータが用いられており、制御装置の駆動回路によりその起動、停止および回転数、回転方向および回転速度等が制御される。
また、上記回転モータ315と、前記ショートスライドモータ311は、その起動、停止、および回転数、回転方向および回転速度等について同期されており、これによりシート装置10の車両前後方向のスライド動作と回転動作が連動してなされるようになっている。
【0058】
スイングベース354に左右一対の四節リンク機構55,55を介してシート装置10が連結される。スイングベース354、四節リンク機構55,55およびシート装置10は、前記第1実施形態と同様に構成されているので、詳述しない。なお、図13では、四節リンク機構55,55およびシート装置10が簡略化されて示され、四節リンク機構55,55を作動させる駆動装置およびシート装置10を連結するための連結部40については図示が省略されている。
以上のように構成した第2実施形態の車両用シート300によれば、シート装置10の回転操作が回転モータ315によりなされ、車両前後方向のスライド動作がショートスライドモータ311によりなされるので、両モータ311,315をそれぞれ適切に制御することにより、シート装置10の回転方向とスライド方向を任意に設定することができる。
このことから、第2実施形態の車両用シート300によれば、回転モータ315およびショートスライドモータ311の制御を切り換えることにより、運転席側のドア開口部D2を経てシート装置10を運転席位置から車室外へ、あるいはその逆に移動させることができるとともに、助手席側のドア開口部D3を経てシート装置10を運転席位置から車室外へ、あるいはその逆に移動させることができる。
【0059】
すなわち、シート装置10を車室内から車室外へ移動させる場合であって、この動作をドア開口部D2を経て行う場合は、第2列席の右側席位置において該シート装置10を車両後方へスライドさせつつ右回転させることによりドア開口部D2側に向けることができる。これに対して、同じくシート装置10を車室内から車室外へ移動させる場合であって、この動作をドア開口部D3を経て行う場合には、第2列席の左側席位置において該シート装置10を車両後方へスライドさせつつ左回転させることによりドア開口部D3側に向けることができる。また、逆にシート装置10を車室外から車室内へ戻す場合であって、この動作をドア開口部D2を経て行う場合は、第2列席位置の右側席位置において該シート装置10を車両前方へスライドさせつつ左回転させることにより車両正面向きに戻すことができる。これに対して、同じくシート装置10を車室外から車室内へ戻す場合であって、この動作をドア開口部D3を経て行う場合は、第2列席位置の左側席位置において該シート装置10を車両前方へスライドさせつつ右回転させることにより車両正面向きに戻すことができる。
【0060】
上記のようにシート装置10を運転席側のドア開口部D2を経て車室内の運転席位置と車室外との間を移動させる場合には、前記第1実施形態と全く同様の過程を経て動作させることができる。従ってこの場合には、幅方向スライド装置301を動作させる必要がない。
これに対して、シート装置10を助手席側のドア開口部D3を経て車室内の運転席と車室外との間を移動させる場合には、幅方向スライド装置301によりシート装置10を車幅方向(第2列席位置の右側席位置と左側席位置との間で)に大きく移動させる必要がある。すなわち、シート装置10をドア開口部D3を経て車室外から運転席位置に戻すには、連結部40を介してシート装置10をリフトアップ装置50に連結し、両四節リンク機構55,55を起立側へ傾動させてシート装置10をスイングベース354上に戻す。然る後、前記したように回転モータ315およびショートスライドモータ311を起動してシート装置10を車両後方へ移動させつつ回転させて車両正面向きの位置に戻す。この段階で、シート装置10が第2列席位置の左側席位置に位置する。シート装置10が該左側席位置において車両正面向きに戻された後、第1スライドモータ307を起動して第1スライド枠303を図12において上側に後退させるとともに第2スライドモータ308を起動して第2スライド枠304を第1スライド枠303に対して同じく図12において上側に後退させ、これによりシート装置10を車両正面向きの状態のまま左側席位置(ドア開口部D3側)から右側席位置(ドア開口部D2側)へ迅速に移動させることができる。こうしてシート装置10を第2列席位置の右側席位置へ移動させた後、第1実施形態と同様のロングスライド動作により運転席位置に戻すことができる。
このように、第2実施形態の車両用シート300によれば、前記第1実施形態と同様、シート装置10を車室内の運転席位置と車室外との間でスムーズに移動させることができるので、老人や身障者等が車両を運転する場合に楽に乗降することができる。しかも、車両の左右両側部に設けたドア開口部D2またはドア開口部D3の何れを経てもシート装置10を運転席位置と車室外との間で移動させることができるので、当該車両用シート300の使い勝手がさらによくなる。
【0061】
以上説明した第2実施形態において、シート装置10の車幅方向の移動と、ドア開口部D3側から車両正面向きに回転させる動作を順次連続して行う構成を例示したが、同時に行う構成としてもよい。すなわち、両四節リンク機構55,55を起立側に傾動させてシート装置10をスイングベース354の上方に戻した後、第1および第2スライドモータ307,308を起動してシート装置10をドア開口部D2側に移動させ、これと同時に回転モータ315を起動してシート装置10をドア開口部D2側から車両正面向きに回転させつつ、ショートスライドモータ311を起動して該シート装置10を車両後ろ側へスライドさせる構成としてもよい。このように、回転モータ315、ショートスライドモータ311および第1、第2スライドモータ307,308を同時に起動させることにより、シート装置10を複雑な動きをさせながら第2列席位置の右側席位置と左側席位置との間を迅速に移動させることができる。
【0062】
また、第2実施形態では、2段スライド構造の幅方向スライド装置301を例示したが、必要なスライド距離に応じて1段スライド構造、あるいは3段以上のスライド構造に変更することができる。
さらに、スライドドアを開放することにより形成されるドア開口部D2,D3を例示したが、本願発明に係る車両用シートは、ヒンジにより水平方向に回動可能に支持した形式のドア(回動式ドア)を開閉することにより形成されるドア開口部にも適用することができる。
また、第2実施形態において、幅方向スライド装置301のねじ軸305(306)とナットとの噛み合わせを通じて第1および第2スライド枠303,304をスライドさせる構成を例示したが、ラック・ピニオン機構あるいはベルト等を用いて1つまたは2つ以上のスライド枠をスライドさせる構成としてもよい。
【0063】
以上説明した第2実施形態は、車両側部のドア開口部D2またはドア開口部D3のうち任意に選択した一方のドア開口部を経てシート装置10を移動させる構成であったが、これにはさらに変更を加えることができる。例えば、図14および図15には第3実施形態の車両用シート400が示されている。この第3実施形態が、請求項に記載した発明の実施形態に相当する。
この第3実施形態の車両用シート400は、車両左側部のドア開口部D3を経て車室外から車室内へ戻したシート装置10を斜め前方にスライドさせて直接運転席位置にロングスライドさせる構成に特徴を有している。従って、第3実施形態の車両用シート400は、前記した車両前後方向に沿ったロングスライド装置200および幅方向スライド装置301を備えていない。第3実施形態の場合、助手席後方の第2列左側席の位置から運転席位置に至って斜め方向に沿った斜めロングスライド装置401を備えている。但し、この斜めロングスライド装置401と前記ロングスライド装置200は、相互に平行な2組のロングスライドレール(402,202)と、ロングスライドモータおよびねじ軸等からなる駆動機構を備える点でほぼ同様の構成を有している。図15中、符号403はロングスライド用のねじ軸を示している。このロングスライド装置401によりメインベース409がロングスライドレール402,402に沿ってスライド可能に設けられている。このメインベース409の上面側には、ショートスライドレール404,404を介してスイングベース408が該ショートスライドレール404,404に沿って車両前後方向にスライド可能に設けられている。このスイングベース408の両側部に四節リンク機構が設けられている。これらおよびシート装置10については第1、第2実施形態と同様に構成されている。
【0064】
また、第3実施形態では、シート装置10の回転動作と車両前後方向のスライド動作を連動させる手段としてラック・ピニオン機構を用いる構成を例示している。図15中、符号405は内輪405aと外輪405bを有する回転装置405を示している。本例の場合、内輪405aがメインベース409上に取り付けられ、外輪405bがスイングベース408の下面に取り付けられている。外輪405bの周面にはピニオンギヤ部が形成されている。このピニオンギヤ部は、ショートスライドレール404の、メインベース409側に固定した固定側レールに取り付けたラック406に噛み合わされている。このラック・ピニオン機構により、シート装置10は車両正面向きの位置とドア開口部D3側に向いた位置との間で回転しつつ、車両前後方向にスライドする。
助手席の後ろ側の第2列左側席位置と車室外との間の移動については前記第1および第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0065】
次に、本実施形態の場合、助手席410と運転席の後ろ側の第2列右側席411には、電動モータにより車両前後方向に移動してシートポジションを調整可能ないわゆるパワーシートが用いられている。両席410,411は、着座者の通常の操作によりシートポジションを任意に設定することができる他、シート装置10がロングスライド動作を開始すると、助手席410は前方に移動し、第2列右側席411は後方へ自動的に移動するようパワーシート用の電動モータが制御されている。これにより、助手席410および第2列右側席411に干渉することなくシート装置10を両席410.411間を通過させることができる。
シート装置10が運転席位置またはドア開口部D3の第2列左側席位置に至ると、助手席410および第2列右側席411が元のポジションに戻され、またシート装置10が移動しない状態では、両席410,411のシートポジションを通常通り電動により任意に設定することができる。
このように構成した第3実施形態の車両用シート400によっても、シート装置10を車室内の運転席位置と車室外との間でスムーズに移動させることができるので、老人や身障者等が運転席に着座して車両の運転を行う場合に楽に乗降することができる。
【0066】
次に、図16は、第2関連技術に係る車両用シート500を示している。この車両用シート500は、車両側部のドア開口部ではなく、バックドア開口部D4を経てシート装置10を出入りさせる点に特徴を有している。この第4実施形態の場合、バックドア開口部D4の中央から運転席位置に向けて斜め前方に延びるロングスライド装置(図示省略)を用い、また回転装置によるシート装置10の回転角度を180゜に変更する。この第4実施形態の車両用シート500によれば、車室外において車椅子としてのシート装置10に着座したままバックドア開口部D4に後ろ向きで接近し、次に該シート装置10を図示省略したリフトアップ装置に連結した状態で車室内に戻し、次に上記回転装置によりシート装置10を車両正面向きに反転させ、然る後ロングスライド装置により該シート装置10を運転席位置に移動させることができる。なお、本実施形態の場合、ショートスライド機構は省略することができる。
【0067】
次に、図17および図18は第3関連技術に係る車両用シート600を示している。この車両用シート600は、助手席用のドア開口部D5を経てシート装置10を出入りさせる点に特徴を有している。ドア開口部D5は、前端をヒンジにより回動可能に支持された回動式ドア612により開閉される。助手席位置と運転席位置との間の移動がロングスライド装置601によりなされる。
このロングスライド装置601は車両フロアF上に車幅方向に沿って設置されている。前記各実施形態と同様、ロングスライド装置601は、ねじ軸602とナットの噛み合いを経てスライド側枠体をロングスライドレール604,604に対してスライドさせる構成を有している。ねじ軸602は、ロングスライドモータ603により回転する。スライド側枠体にメインベース606が取り付けられている。
【0068】
メインベース606上には、ショートスライドレール607,607を介してサブベース608が車両前後方向に移動可能に設けられている。このサブベース608は、ショートスライドモータ610によりねじ軸612を回転させることによりなされる。このサブベース608の上面側に回転盤609を介してスイングベースが取り付けられている。このスイングベース、四節リンク機構等を含むリフトアップ装置は、前記各実施形態と同様に構成されている。従って、図18ではリフトアップ装置の図示は省略されている。また、回転盤609には、前記各実施形態と同様、周面にギヤ部が形成された外輪と、該外輪に対して回転可能な内輪を備えたものが用いられている。外輪がサブベース608の上面に取り付けられ、内輪がスイングベースの下面に取り付けられている。外輪のギヤ部には、スイングベースの下面側に取り付けた回転モータ611のピニオンギヤが噛み合わされている。このため、回転モータ611が起動すると、スイングベースひいてはシート装置10が車両正面向きの位置とドア開口部D5側に向いた位置との間で回転する。なお、シート装置10の回転角度は、回転モータ611を適切に制御することにより任意に設定することができる。
【0069】
以上のように構成した第5実施形態の車両用シート600によれば、車椅子としてのシート装置10を背を向けた状態でドア開口部D5に接近させて、リフトアップ装置に該シート装置10を連結し、然る後、両四節リンク機構を起立側に作動させてシート装置10をスイングベース上に戻す。これにより、シート装置10は室内に戻される。次に、ショートスライドモータ610および回転モータ609を起動させることによりシート装置10を車両正面向き位置に向けて回転させながら車両後方側へスライドさせる。これによりシート装置10に着座した着座者の足等がピラー等に干渉することなく、該シート装置10が車両正面向きに戻される。なお、シート装置10の回転動作と前後方向のスライド動作は、ショートスライドモータ610および回転モータ609が適切に制御されることにより連動してなされる。以上で、シート装置10の助手席位置までの移動が完了する。
【0070】
次に、シート装置10は助手席位置から運転席位置まで横スライドされる。これは、ロングスライドモータ603が起動してねじ軸602が回転することによりなされる(ロングスライド動作)。この横スライドの過程において、シート装置10には回転動作およびショートスライド動作を付加することができる。例えば、車両のインスツルメントパネル613の中央部が図示するようにシート装置10の移動経路側に膨出している場合であって、シート装置10を直線経路に沿って横スライドさせると、該シート装置10あるいは着座者の体がインスツルメントパネル613に干渉する場合には、回転モータ609またはショートスライドモータ610あるいはその双方を起動させて該シート装置10を回転させたり車両前後方向にショートスライド動作させることにより、該シート装置10あるいは着座者のインスツルメントパネル613に対する干渉を回避しつつ該シート装置10を横スライドさせることができる。この横スライド中におけるシート装置10の回転動作およびショートスライド動作についても、回転モータ611およびショートスライドモータ610を適切に制御することによりロングスライド動作と連動してなされるようになっている。
以上のように構成した第5実施形態の車両用シート600によっても、前記各実施形態と同様、シート装置10を車室内の運転席位置と車室外との間でスムーズに移動させることができるので、老人や身障者等が運転席に着座して車両を運転する場合に楽に乗降することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、車両用シートの側面図である。本図は、シート装置を後部席位置から運転席位置にロングスライドさせる様子を示している。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図であり、車両用シートの平面図である。本図は、シート装置を車室外から車室内の後部席位置に移動させ、然る後運転席位置にまでロングスライドさせる様子を示している。
【図3】シート装置およびリフトアップ装置の斜視図である。本図では、シート装置がリフトアップ装置から切り離された状態を示している。
【図4】シート装置およびリフトアップ装置の斜視図である。本図は、リフトアップ装置にシート装置が連結されてドア開口部を通過する様子を示している。
【図5】シート装置の斜視図である。但し、シート本体は省略されている。
【図6】シート装置の連結部およびリフトアップ装置の連結板周辺の斜視図である。
【図7】シート装置の連結部にリフトアップ装置の連結板が連結された状態を示す側面図でる。連結部は縦断面図で示されている。
【図8】シートフレームの後ろ枠がリフトアップ装置の受け枠に連結される状態を示す斜視図であり、電源コネクタのオス側がメス側に接続される状態および位置決めピンが位置決め孔に挿入される状態を示す図である。
【図9】リフトアップ装置の斜視図である。
【図10】第1実施形態の車両用シートを適用した車室内の平面図であって、運転席の後ろ側のドア開口部D2を経てシート装置を出入りさせる形態を示している。
【図11】第2実施形態の車両用シートを適用した車室内の平面図であって、シート装置を出入りさせるドア開口部についての変更例を示す図である。本図は、運転席の後ろ側のドア開口部D2または助手席の後ろ側のドア開口部D3を経てシート装置を出入りさせる形態を示している。
【図12】第2実施形態の車両用シートの平面図である。
【図13】第2実施形態の車両シートの後面図である。
【図14】第3実施形態の車両用シートを適用した車室内の平面図であって、シート装置を出入りさせるドア開口部についての変更例を示す図である。本図は、助手席の後ろ側のドア開口部D3を経てシート装置を出入りさせ、次に斜め前方にロングスライドさせて該シート装置を運転席に移動させる形態を示している。
【図15】第3実施形態の車両用シートの平面図である。
【図16】第2関連技術の車両用シートを適用した車室内の平面図であって、シート装置を出入りさせるドア開口部についての変更例を示す図である。本図は、バックドア開口部D4を経てシート装置を出入りさせる形態を示している。
【図17】第3関連技術の車両用シートを適用した車室内の平面図であって、シート装置を出入りさせるドア開口部についての変更例を示す図である。本図は、助手席用のドア開口部D5を経てシート装置を出入りさせる形態を示している。
【図18】第3関連技術の車両用シートの平面図である。
【符号の説明】
1…車両用シート
10…シート装置
11…シート本体
35…連動機構
40…連結部
50…リフトアップ装置
51…ショートスライドレール
52…サブベース
53…回転装置
54…スイングベース
55…四節リンク機構
56…連結板
60…前輪、70…後輪
86…駆動装置(前後輪折り畳み用)
160…ホイールインモータ
200…ロングスライド装置
201…メインベース
202…ロングスライドレール
203…ねじ軸
204…ロングスライドモータ
300…車両用シート(第2実施形態)
301…幅方向スライド装置(ロングスライド用)
400…車両用シート(第3実施形態)
401…斜めロングスライド装置
500…車両用シート(第4実施形態)
600…車両用シート(第5実施形態)
601…横移動用ロングスライド装置
D1…運転席用のドア開口部
D2…第2列席運転席側のドア開口部
D3…第2列席助手席側のドア開口部
D4…バックドア開口部
D5…助手席用のドア開口部

Claims (8)

  1. シート装置と、該シート装置を運転席位置と、ドア開口部に隣接する同乗者席位置との間で移動させるロングスライド装置と、前記シート装置を車両正面向きの位置と前記ドア開口部側に向いた位置との間で回転させる回転装置と、前記シート装置を着座者から見て前後方向に移動させつつ昇降させるリフトアップ装置を備え、
    前記シート装置は、降車時は、前記ロングスライド装置により前記運転席位置から前記同乗者席位置まで移動するとともに前記リフトアップ装置により車両後方へ移動しつつ上昇し、前記回転装置により前記車両正面向きの位置から前記ドア開口部側に向いた位置へ回転した後、前記リフトアップ装置により前記ドア開口部を経て車室外へ移動しつつ路面に近い位置に下降し、乗車時は、前記リフトアップ装置により車室外の路面に近い位置から上昇しつつ前記ドア開口部を経て前記同乗者席位置に移動し、前記回転装置により車両正面向きに回転した後、前記リフトアップ装置により車両前方へ移動しつつ車両フロアに近い位置に下降するとともに前記ロングスライド装置により前記同乗者席位置から前記運転席位置に移動する構成とした車両用シート。
  2. 請求項記載の車両用シートであって、
    ドア開口部は車両側部に位置し、シート装置を、車両正面向きの位置からドア開口部側に向いた位置に回転する動作に連動して車両前方に移動させ、前記ドア開口部側に向いた位置から前記車両正面向きの位置に回転する動作に連動して車両後方に移動させる連動機構を備えた車両用シート。
  3. 請求項記載の車両用シートであって、
    回転装置は、リフトアップ装置とシート装置を回転可能に支持し、ロングスライド装置は前記回転装置と前記リフトアップ装置と前記シート装置を移動可能に支持する構成とした車両用シート。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載した車両用シートであって、
    シート装置は車輪を有し、リフトアップ装置から切り離して車椅子として単独で使用可能な構成とした車両用シート。
  5. シート装置と、該シート装置を運転席位置と第2列席位置との間で移動させるロングスライド装置と、前記シート装置を前記第2列席位置の右側席位置と左側席位置との間で移動させる幅方向スライド装置と、前記シート装置を前記右側席位置用のドア開口部を経て車室外へ移動させ、かつ前記左側席位置用のドア開口部を経て車室外へ移動させるリフトアップ装置を備え、前記右側席位置のドア開口部または前記左側席位置用のドア開口部を任意に選択して前記シート装置を前記運転席位置と車室外との間で移動可能な構成とした車両用シート。
  6. シート装置と、該シート装置を、運転席側の第2列席と助手席との間を経て運転席位置と助手席側の第2列席位置との間で移動させるためのロングスライド装置と、前記シート装置を前記助手席側の第2列席位置と車室外との間で移動させるためのリフトアップ装置を備え、前記助手席及び前記運転席側の第2列席は、前記シート装置との干渉を回避する位置に移動可能な構成とした車両用シート。
  7. 請求項1〜の何れかに記載した車両用シートであって、リフトアップ装置は、一端が車室内側に支持され、他端側にシート装置が支持されたリンク機構を備え、該リンク機構を上下に動作させて、前記シート装置を一定の姿勢を保持して着座者から見て前後方向に移動させつつ昇降動させる構成とした車両用シート。
  8. 請求項5または6に記載した車両用シートであって、シート装置は折り畳み可能な車輪を有し、リフトアップ装置から切り離して車いすとして単独で使用可能な車両用シート。
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