JP3577814B2 - 原料輸送設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば製鉄所の製銑工程で原料(鉄鉱石、石炭、石灰石等)の輸送に使用する原料輸送設備、特にその輸送量一定制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄所の原料輸送設備の概略構成を図4に示す。図中、21は原料を投入するホッパー、22はこのホッパー21の下方に配置されたテーブルフィーダ、23は前記ホッパー21から前記フィーダ22を介して落下する原料を受けて輸送するベルトコンベア、24はコンベア駆動用誘導電動機、25は前記コンベア23に設置されたロードセル、26は前記コンベア23の搬送速度を検出する速度検出器、27は制御盤である。制御盤27には、前記ロードセル25の出力(輸送量検出値)と前記速度検出器26の出力(コンベア速度検出値)を受けて輸送量を積算する輸送量積算計27Aと、この輸送量積算計27Aの出力と切り出し量(輸送量)を入力としPID制御によって前記コンベア駆動用誘導電動機24の速度制御を行うPID調節計27Bが装備されている。
【0003】
上記構成の原料輸送設備は、コンベア23に設置されたロードセル25及び速度検出器26の検出出力から現在の輸送量を積算するシステムとなっている。輸送量一定制御は、次のように行っている。
【0004】
即ち、原料切り出し量を予め設定しておき、PID制御によりコンベア駆動用誘導電動機24の速度、つまりコンベア23の搬送速度を輸送量が一定となるように増減させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようにコンベア23の速度を制御しても、コンベア23で輸送する原料の粒度は必ずしも均一ではない上に、ホッパー21からは自然落下するために、一定量の原料がコンベア23上に切り出されない。
【0006】
このため、ホッパー21下方のテーブルフィーダ22上の原料量は、図5に示すような時間−輸送量の関係となり、時間によって輸送量に大幅な差異が生じるようになる。
【0007】
このような関係となった場合、図6に示すように原料Aはコンベア23上でも偏った分布となり、制御不能に陥る。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解決し、最終的には平均した原料分布で輸送できる原料輸送設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ホッパーからフィーダを介してコンベア上に原料を落下させ、輸送量が一定となるようにコンベアの速度を制御する原料輸送設備において、コンベアを3段以上とし、第2段のコンベアに輸送量検出装置を設置しその検出量に基づいて第1段のコンベアの速度制御を行うようにしたことを特徴とするものであり、最終段では原料を平均した量で輸送できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図3に本発明の一実施形態を示す。図1は概略構成図、図2は原料輸送量一定制御システムのフローチャート、図3は原料輸送状況を説明するグラフである。
【0011】
図1において、1は原料を投入するホッパー、2はこのホッパー1の下方に配置したテーブルフィーダ、3−1は前記ホッパー1から前記フィーダ2を介して落下する原料を受けて輸送する第1段(No.1)のベルトコンベア(BC−1)、3−2は第2段(No.2)のベルトコンベア(BC−2)、3−3は第3段(No.3)のベルトコンベア(BC−3)、4は第1段用のコンベア駆動用誘導電動機、5は前記第2段のコンベア3−2に設置したロードセル、6は前記第2段のコンベア3−2の搬送速度を検出する速度検出器、7は前記ロードセル5と前記速度検出器6の出力を受けて輸送量を計算する輸送量計算部、8はこの輸送量計算部7の出力に基づいて前記誘導電動機4の速度を制御するVVVF(可変電圧可変周波数)装置であって、前記ロードセル5、前記速度検出器6及び輸送量計算部7により輸送量検出装置を構成している。
【0012】
原料輸送量一定制御は、図2に示す手順で行うようにしている。
【0013】
即ち、コンベア系統運転開始(ステップS1)の指令でNo.3コンベア(BC−3)3−3→No.2コンベア(BC−2)3−2→No.1コンベア(BC−1)3−1の順序で運転を開始し(S2−1〜S2−3)、全機運転完了時(AND回路の条件成立時)にNo.2コンベア3−2の輸送量検出装置の制御選択が自動か否かを判断する(S3)。同時に、No1.コンベアのVVVF装置8にベース回転数設定を指示する。判断(S3)が「Yes」(自動)であればNo.1タイマー作動(S4)、「No」であれば手動選択及びBC−1回転数操作(CRT画面にて設定)の処理(S5)を実施する。
【0014】
No.1タイマーの時限後、No.1コンベア(BC−1)3−1の回転数がMaxか否かを判断し(S6)、「No」であればNo.1コンベア(BC−1)3−1の回転数上昇指令(S7)をNo.1コンベアのVVVF装置8に対して発する。また、No.1コンベア(BC−1)3−1の回転数がMinか否かを判断し(S8)、「No」であればNo.1コンベア(BC−1)3−1の回転数下降指令(S9)をNo.1コンベアのVVVF装置8に対して発する。
【0015】
一方、No.2コンベア(BC−2)3−2の輸送量に各2段階の上下限HH,H,L,LLを設定し(図3参照)、LL限以下か(S10)、L限以下か(S11)、HH限以上か(S12)、H限以上か(S13)を順次判断する。判断(S10,S12)が「Yes」であれば、LL警報(S14),HH警報(S15)を発し、No.コンベアの回転数判断を実行する。また、判断(S13)が「No」であれば、No.2タイマー作動(S16)とし、その時限後に元に戻る。
【0016】
なお、S17はNo.1コンベア用電動機の回転数の処理ステップである。
【0017】
次に、動作について述べる。原料は、ホッパー1から自然落下し、テーブルフィーダ2を介してNo.1コンベア3−1上に落下する。そして、No.1コンベア3−1からNo.2コンベア3−2へ、更にNo.3コンベア3−3へと搬送され、最終的には所定の集積場や装入箇所へ輸送される。
【0018】
No.2コンベア3−2で搬送される際、輸送量検出装置(ロードセル5、速度検出器6、計算部7等)により輸送量が検出され、その計算部7の計算結果に基づいてNo.1コンベアのVVVF装置8の運転が制御される。つまり、No.1コンベア3−1の搬送速度が制御される。この制御は、ベース回転数を決定しておき、輸送量の増減に対応した微調整によって行っている。
【0019】
No.2コンベア3−2の輸送量には、図3(a)のように各2段階の上下限HH,H,L,LLが設定されており、回転数は図3(b)のようにL限以下では上昇し、H限以上では下降する。この結果、No.1,No.2コンベア3−1,3−2では不均一であっても、No.3コンベア3−3上では図3(c)のように輸送量が略均一となり、制御動作の安定化が図れる。
【0020】
なお、No.2コンベア上に搬送されたきた原料で制御を行うため、最初に切り出された原料に対しては従来と同様に効果がないが、原料輸送の全体時間(5〜6時間)に比較すると、無視できる範囲である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、コンベアを3段以上とし、第2段の検出値に基づいて第1段の速度制御を行うようにしたので、少なくとも最終段のコンベア上では平均した輸送量とすることができるようになり、制御動作の安定化によって適確な原料輸送量一定制御が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成説明図。
【図2】一実施形態における原料輸送量一定制御システムの制御手順を示すフローチャート。
【図3】一実施形態の原料輸送状況を説明するグラフで、(a)はNo.2コンベア上の輸送量、(b)はIM回転数(VVVFの周波数)、(c)はNo.3コンベア上の輸送量。
【図4】従来の製鉄所用原料輸送設備の概略構成図。
【図5】従来設備のテーブルフィーダ上の時間と輸送量の関係を示すグラフ。
【図6】従来設備のコンベア上の原料分布の一例。
【符号の説明】
1…ホッパー
2…テーブルフィーダ
3−1…No.1ベルトコンベア
3−2…No.2ベルトコンベア
3−3…No.3ベルトコンベア
4…No.1コンベア用誘導電動機
5…ロードセル
6…速度検出器
7…輸送量計算部
8…No.1コンベア用VVVF装置

Claims (2)

  1. ホッパーからフィーダを介してコンベア上に原料を落下させ、輸送量が一定となるようにコンベアの速度を制御する原料輸送設備において、コンベアを3段以上とし、第2段のコンベアに輸送量検出装置を設置しその検出量に基づいて第1段のコンベアの速度制御を行うようにしたことを特徴とする原料輸送設備。
  2. ベース回転数を決定しておき、輸送量の増減に対して微調整を行うことによって、第1段のコンベアの速度制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の原料輸送設備。
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