JP3576740B2 - 画像通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆電話回線などの通信回線を介して画像情報の送信及び受信を行なうファクシミリ装置などの画像通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ装置などに代表される上記の画像通信装置では、送信側が送信する文書の一連の画像データの内の1ラインもしくは数ライン程度の画像データを読み取り、変調して送信し、受信側がそれを受け、復調し、その分の画像を形成し、また次のラインの送信を待つ、というダイレクト送信方法が主流であった。しかし、最近のファクシミリ装置の多機能化や、複写機とファクシミリ装置の複合機の開発等により、送信する文書の一連の画像データの全てを一度に高速で読み取り、メモリに読み込んだ後に、時間をおいて画像データの送信を開始するメモリ送信方法が開発され、実際、そのメモリ送信機能を備えたファクシミリ装置を使う使用者からは送信時に時間がかからないなど作業効率が向上したとの効果の報告もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のメモリ送信の場合、特にファクシミリ装置の使用頻度の高い使用者に使用されていて、メモリ送信用の複数の文書の画像データが次々に読み込まれてメモリに溜り、一つの文書の送信が終了した直後に次の文書の送信が始まることになる場合がある。
【0004】
この場合に、急な受信があったとしても、メモリ送信の間隔時間が空いていないために、回線が通話中となり受信が出来ないという不具合があった。すなわち現在では、この場合に記憶しているメモリ送信用文書の画像データを全て送信してしまうまで待つか、それとも、直ちに受信を可能とするために、記憶している全ての文書の画像データを消去する必要があり、非常に不便であった。
【0005】
そこで本発明の課題は、この種のメモリ送信機能を有した画像通信装置において、メモリ送信のために受信の機会を逸することを極力防止し、受信とメモリ送信を両立して行なえるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、
通信回線を介して文書の画像情報の送信及び受信を行なう画像通信装置であって、文書の一連の画像情報を全てメモリに読み込んだ後に宛先に送信するメモリ送信機能を有した画像通信装置において、
該画像通信装置の操作部に設けられた操作入力手段により起動され受信待機状態とする強制受信機能を有し、前記メモリに複数の文書の画像情報が読み込まれ、それぞれの宛先へのメモリ送信が予約されている場合、複数の文書のメモリ送信を順次行ない、ある文書の送信中に前記強制受信機能が起動されると、その文書の一連の画像情報を全て送信し終わった後、次の予約文書の画像情報の送信開始を一時中止して受信待機状態とされる構成を採用した。
【0008】
また、本発明では、前記強制受信機能による受信待機状態で第1の所定時間以内に受信がなかった場合、及び受信があって該受信終了後に第2の所定時間以内に次の受信がなかった場合、強制受信機能を自動的にクリアするオートクリア機能を有する構成を採用した。具体的には、このオートクリア機能は例えば装置のCPUの処理により実現される。また、前記第1と第2の所定時間は、画像通信装置の操作部からの入力等により可変に設定可能とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。ここではファクシミリ装置での実施形態を示す。
【0012】
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態を図1〜図5により説明する。まず、同実施形態のファクシミリ装置全体の構成を図1により説明する。
【0013】
図1に示したファクシミリ装置の構成は、装置全体の動作を制御するCPU1、画像データ信号及び各種通信手順信号の変調、復調を行なうモデム2、電話機4とモデム2の間の電話回線5の接続切り換え等を行なうNCU3、電子写真方式などの記録方式で受信画像または複写画像の記録を行なう記録部6、送信する文書の画像を読み取るための照明光源、光学系、CCDセンサー、原稿搬送系等からなる読取部7、メモリのROM8及びRAM9、使用者が装置を操作するための入力を行なう操作部10からなる。
【0014】
ROM8には、CPU1が後述する処理を含む装置全体の制御処理を行なうための制御プログラム等の固定データが格納される。
【0015】
RAM9は、CPU1が各種の処理を行なうためのワークエリアとして用いられ、その一部はメモリ送信のための画像データを記憶するための画像メモリとして使用される。また、RAM9の他の一部は不揮発性メモリとして構成され、ワンタッチダイヤルの電話番号のデータ等の記憶に使用され、特に、後述するオートクリアに関わる時間データの記憶等に使用される。
【0016】
次に、操作部10について図2により説明する。図2は操作部の上面を示している。
【0017】
図2に示すように、操作部10には、コピー、ファクシミリ、プリントの各機能を選択して設定するための3つのファンクションキー11、コピー動作、ファクシミリの送信または受信動作、プリント動作の各動作を開始させるためのスタートボタン12、電話番号や後述する時間等の数値データの入力に用いられるテンキー13、電話番号や各種機能の登録ないし設定を行なう登録/設定モードを指定するための登録/設定ボタン14、登録/設定モードで登録ないし設定項目の検索を行なうための2つの検索キー15、登録ないし設定内容を確定するための確定ボタン16が設けられており、更に、本発明に関わる構成として、強制受信ボタン17が設けられている。
【0018】
強制受信ボタン17は、図1のRAM9の画像メモリに文書の一連の画像情報が読み込まれメモリ送信が予約されている場合でも、この文書の一連の画像情報の送信開始を一時中止して受信待機状態とする強制受信機能を起動するためのボタンである。この強制受信ボタン17は、機械的なボタンスイッチとして設けても良いが、ここでは液晶表示器などからなる表示部18の表示面にボタンのシンボルが表示され、表示部18上に重ねて設けられる不図示のタッチパネルのボタン表示部分をタッチすることにより入力がなされるものとする。ファンクションキー11も同様とする。
【0019】
なお、図2では、ファンクションキー11のファクシミリ機能を選択するキーが押され、さらに強制受信ボタン17が押された場合の表示部18の表示状態が示されている。この場合、図示のように、強制受信機能の実行中である旨を使用者に報知する表示がなされるものとする。
【0020】
次に、本実施形態の装置の動作を説明する。
【0021】
本実施形態の装置では、メモリ送信のための操作は次のように行なわれる。すなわち、使用者が送信したい文書を装置の読取部7にセットした後、操作部10のテンキー13あるいは不図示のワンタッチキーにより送信の宛先のファクシミリの電話番号を入力し、スタートボタン12を押すと、文書の画像情報が読み取られ、RAM9の画像メモリに読み込まれる。そして文書の一連の画像データが全て読み込まれた後、時間をおいて送信の宛先に発呼し、画像データの送信を開始する。
【0022】
ここで、使用者が上記のメモリ送信のための操作を複数の文書で次々に行なった場合、それぞれの文書の画像データが順次RAM9の画像メモリに読み込まれるとともに、RAM9の所定の記憶領域に例えば図3に示すようなメモリ送信の予約受け付けリストのデータが書き込まれる。すなわち、予約番号と宛先のファクシミリの電話番号と文書の原稿の枚数などが読み込まれた画像データに対応付けて記憶される。これはCPU1の処理によりなされる。なお、ある文書のメモリ送信が終了すると、CPU1の処理により、図3のリストのデータから当該文書のデータが削除され、図3のリストのデータが更新されるとともに、画像メモリにおいて当該文書の画像データが消去される。
【0023】
上述のようにメモリ送信用の文書の画像データが画像メモリに読み込まれ、図3のリストのデータが書き込まれた後、図3のリストの予約番号順に従って、読み込まれた複数の文書のメモリ送信が順次行なわれるが、ここで操作部10の強制受信ボタン17が押されると、上述の強制受信機能が起動され、その時点で予約されている次の文書の画像データの送信開始が一時中止され、受信待機状態とされる。これは後述するCPU1の処理による。なお、強制受信ボタン17が押された時点で、ある文書の画像データの送信中である場合には、その文書の一連の画像データを全て送信し終った後に受信待機状態とされる。
【0024】
そして、本実施形態では、図4に示すように、強制受信ボタンがオンされて受信待機状態となった後に所定の時間t1以内に受信がなかった場合、及び、受信があって、その受信終了後に所定の時間t2以内に次の受信がなかった場合に強制受信機能が自動的にクリアされる。以下、この機能をオートクリア機能という。これも後述のようにCPU1の処理による。オートクリアがなされた時点で、RAM9の画像メモリにメモリ送信を予約されてまだ送信されていない文書の画像データがあった場合には、クリア後その画像データの送信が行なわれる。
【0025】
なお、上記オートクリアを行なう条件となる受信前の所定時間t1及び受信後の所定時間t2は可変に設定可能とする。この設定を行なうには、スタンバイ状態で使用者が操作部10の登録/設定ボタン14を押して登録/設定モードとした後、検索キー15の操作で時間t1,t2を設定する機能の項目を検索して確定ボタン16の操作で確定し、さらにテンキー13の操作で時間t1,t2の数値を入力し、確定ボタン16の操作で確定する。CPU1は、このような操作部10からの操作入力に応じて処理を行ない、入力された時間t1,t2のデータをRAM9の不揮発性領域で時間t1,t2のデータが記憶されている所定アドレスに書き込む(更新する)。
【0026】
次に、上述したメモリ送信、強制受信、オートクリアに関わるCPU1の処理動作を図5のフローチャートにより説明する。このフローチャートに示す制御処理は、CPU1がROM8に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0027】
図5に示すように、メモリ送信をスタートするにあたり、先ずCPU1は、RAM9内の図3の予約受け付けリストのデータを見て、まだ送信されていないメモリ送信予約文書があるか否かを判断し(ステップS1)、なかった場合は通常のスタンバイ状態に移行する(ステップS7)。
【0028】
一方、予約文書があった場合には、図3のリストの受け付け番号が1番若い最初の予約文書の画像データの送信を行う(ステップS2)。
【0029】
次に、上記文書の画像データの送信が終了した後(送信中でも可)、強制受信ボタン17が押されたか否か判断し(ステップS3)、押されていない場合はステップS1に戻り、ステップS1,S2ないしS6の処理を繰り返し、次の予約文書がある場合はその文書の画像データを送信する。
【0030】
一方、強制受信ボタン17が押された場合には、次の予約文書の送信開始を一時中止し、受信待機状態すなわち受信可能なスタンバイ状態とする(ステップS4)。この場合、メモリ送信のためのメモリ読み込み機能は、通常のスタンバイ時と同じく使用可能とする。但しダイレクト送信は不可とする。また、強制受信ボタン17が押された時点で、ある予約文書の画像データを送信中の場合には、送信を続行し、その文書の一連の画像データを全て送信し終った後に受信待機状態とする。
【0031】
次に、受信待機状態になってから前述のように設定された時間t1以内に受信があったらその受信動作を行なう(ステップS5)。
【0032】
一方、時間t1以内に受信がなかった場合、及び受信があってその受信終了後に時間t2以内に次の受信がなかった場合、前述のオートクリア機能として強制受信機能を解除し、ステップS1に戻る。
【0033】
そしてステップS1以下の処理を繰り返し、次の予約文書がある場合はその文書の画像データを送信する。
【0034】
以上のような実施形態の装置によれば、強制受信機能を有するので、使用者は必要に応じて強制受信ボタン17を押して強制受信機能を起動させ、メモリ送信の予約文書がある場合でも受信を行なうことができる。すなわち、メモリ送信のために受信の機会を逸することを極力防止し、受信とメモリ送信を両立して行なうことができる。
【0035】
(実施形態2)
上述した第1の実施形態では強制受信機能を設けるものとしたが、第2の実施形態としては、強制受信機能を設けず、その代わりに、複数の文書の画像データが画像メモリに次々に読み込まれ、図3のリストのように複数の文書のメモリ送信予約がなされ、その複数の文書の画像データの送信を順次行なう場合に、所定の送信間隔時間をおいて送信を行なうようにする。また、その送信間隔時間は可変に設定可能とする。その他の構成は第1の実施形態と同様とする。
【0036】
上記の送信間隔時間の設定は、図2の操作部10の13〜16のキーないしボタンの操作により行なう。すなわち、まずスタンバイ状態で登録/設定ボタン14を押して登録/設定モードとした後、検索キー15の操作でメモリ送信の送信間隔時間を設定する機能の項目を検索して確定ボタン16の操作で確定し、さらにテンキー13の操作で送信間隔時間の数値を入力し、確定ボタン16の操作で確定する。CPU1は、このような操作部10からの操作入力に応じて処理を行ない、入力された送信間隔時間のデータをRAM9の不揮発性領域で送信間隔時間のデータが記憶されている所定アドレスに書き込む(更新する)。
【0037】
また、CPU1はメモリ送信にあたって図6のフローチャートに示す処理を以下のように行なう。
【0038】
すなわち、メモリ送信をスタートするにあたり、先ずCPU1は、RAM9内の図3の予約受け付けリストのデータを見て、まだ送信されていないメモリ送信予約文書があるか否かを判断し(ステップS11)、なかった場合は通常のスタンバイ状態に移行する(ステップS15)。
【0039】
一方、予約文書があった場合には、図3のリストの受け付け番号が1番若い最初の予約文書の画像データの送信を行う(ステップS12)。
【0040】
最初の予約文書の送信が終了したら、受信可能でメモリ送信は不可(但しメモリ送信のための画像読み込みは可)とするスタンバイ状態とする(ステップS13)。
【0041】
次に、上述のように設定された送信間隔時間が経過したか否か判断し(ステップS14)、経過していなければステップS13に戻ってスタンバイ状態を維持し、この間に受信があったら、その受信動作を行なう。
【0042】
一方、設定された送信間隔時間が経過したらステップS11に戻ってステップS11以下の処理を繰り返し、次の予約文書がある場合はその文書の画像データを送信する。
【0043】
以上のように、本実施形態では、複数の文書のメモリ送信予約がなされ、その複数の文書の画像データの送信を順次行なう場合に、予め設定された送信間隔時間をおいて送信を行なうので、送信間隔時間の間に受信が可能であり、第1の実施形態と同様に、メモリ送信のために受信の機会を逸することを極力防止し、受信とメモリ送信を両立して行なうことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、通信回線を介して文書の画像情報の送信及び受信を行なう画像通信装置であって、文書の一連の画像情報を全てメモリに読み込んだ後に宛先に送信するメモリ送信機能を有した画像通信装置において、該画像通信装置の操作部に設けられた操作入力手段により起動され受信待機状態とする強制受信機能を有し、前記メモリに複数の文書の画像情報が読み込まれ、それぞれの宛先へのメモリ送信が予約されている場合、複数の文書のメモリ送信を順次行ない、ある文書の送信中に前記強制受信機能が起動されると、その文書の一連の画像情報を全て送信し終わった後、次の予約文書の画像情報の送信開始を一時中止して受信待機状態とされる構成を採用したので、メモリ送信のために受信の機会を逸することを極力防止し、受信とメモリ送信を両立して行なうことができ、使用者が装置を有効に利用できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のファクシミリ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の操作部を示す上面図である。
【図3】同装置のメモリ内に作成されるメモリ送信の予約受け付けリストを示す表図である。
【図4】同装置におけるオートクリア機能のタイミングを示すタイミングチャート図である。
【図5】同装置のCPUによるメモリ送信時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】第2の実施形態の装置のCPUによるメモリ送信時の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 モデム
3 NCU
4 電話機
5 電話回線
6 記録部
7 読取部
8 ROM
9 RAM
10 操作部
11 ファンクションキー
12 スタートボタン
13 テンキー
14 登録/設定ボタン
15 検索キー
16 確定ボタン
17 強制受信ボタン
18 表示部

Claims (3)

  1. 通信回線を介して文書の画像情報の送信及び受信を行なう画像通信装置であって、文書の一連の画像情報を全てメモリに読み込んだ後に宛先に送信するメモリ送信機能を有した画像通信装置において、
    該画像通信装置の操作部に設けられた操作入力手段により起動され受信待機状態とする強制受信機能を有し、前記メモリに複数の文書の画像情報が読み込まれ、それぞれの宛先へのメモリ送信が予約されている場合、複数の文書のメモリ送信を順次行ない、ある文書の送信中に前記強制受信機能が起動されると、その文書の一連の画像情報を全て送信し終わった後、次の予約文書の画像情報の送信開始を一時中止して受信待機状態とされることを特徴とする画像通信装置。
  2. 前記強制受信機能による受信待機状態で第1の所定時間以内に受信がなかった場合、及び受信があって該受信終了後に第2の所定時間以内に次の受信がなかった場合、強制受信機能を自動的にクリアするオートクリア機能を有することを特徴とする請求項1に記載の画像通信装置。
  3. 前記第1と第2の所定時間を可変に設定可能としたことを特徴とする請求項2に記載の画像通信装置。
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