JP3571768B2 - 金−錫合金めつき液 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、金−錫合金の電気めっき液に関する。
【0002】
【従来の技術】
金−錫合金は、金ハンダの一種として、電子部品の組立に際して、半導体チップをセラミック基盤などの他の素材への接続、セラミックパッケージへの蓋の接続などに使用される。
その際、接続される半導体チップなどが熱的な損傷を受けないようにするため、金−錫合金皮膜は、280℃近辺の融点を有する金−錫合金すなわち金−錫の重量比率が、80:20の皮膜が使用される。この皮膜は、金−錫合金を溶解、鋳造し、圧延して所定の厚さの箔とした後、接続される部分の形状に合わせて小片に切断され使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
溶解、圧延によって得られる共折組成(金80wt%,錫20wt%)の、金−錫合金は、脆い性質を持っているため、箔を融着接続する寸法形状に切断する際、破壊し易い欠点がある。また、接続される寸法形状が微細化しているので、箔の切断が一層困難になっている。さらに、切断された箔を融着部分に位置合わせする際、位置ズレを起こし易いという問題がある。他方、半導体などの微細パターンにめっきを施す場合、めっき不要部分をレジストでマスクし、必要な部分のみにめっきをすることは、よく行われることである。
【0004】
前述した箔の代わりに、電気めっき法により、接続される部分に皮膜を形成させる試みがなされたが、以下のような致命的な欠点がある。すなわち、ピロリン酸錫、硫酸錫、塩化錫などのめっき液中で2価を示す無機性錫化合物を含有するめっき液では、錫の酸化反応が進行し、4価の錫を生成し、不溶性化合物となって沈殿してしまう。めっき液の組成によっては、この沈殿反応は1日で進行することがある。この沈殿反応が進行することによって、めっき液中の錫濃度が変化し、安定した共折組成の金−錫合金皮膜を得られないことになる。
錫の沈殿反応を防止する目的で、めっき液のpHを10〜11にし、シアン化ナトリウムを含有させためっき液例が報告されている(特開平4−268089号)。しかし、高アルカリ性のめっき液は、レジストを溶解損傷させ易くすることがあり、レジストを用いて微細パターンを形成した半導体チップなどには使用できないか、もしくは使用が限定されるという問題がある。
本発明は、上記の従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、めっき液の保存および使用時においての錫の沈殿反応を防止し、レジストを溶解損傷させない、金−錫合金めっき液を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来の金−錫合金めっき液の有する欠点を改善すべく鋭意研究した結果、錫源として従来の無機塩に変えて有機スルホン酸塩を用いることによりすぐれた金−錫合金めっき液を得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は金−錫合金めっき液において、錫源として有機スルホン酸の錫塩を用いることを特徴とするものである。
有機スルホン酸としては、スルホン酸基(SO3H)を1個以上有するもので有ればどのようなものでもよいが、次式(a)又は(b)で示されるものが好ましい。
R−SO3H (a)
(式中、Rは置換基を有してもよい低級アルキル基を示す。)
Ar−SO3H (b)
(式中、Arは置換基を有してもよい芳香族基を示す。)
【0006】
式(a)中の低級アルキル基としては炭素数1〜8のものが好ましく、さらには炭素数1〜5のものが好ましく、炭素数1〜3のものがさらに好ましい。低級アルキル基は直鎖のものであっても、分岐しているものでもよい。当該低級アルキル基の置換基としては、特に制限はないが中性又は酸性のものが好ましく、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜12のアルキルアリール基、炭素数7〜12のアリールアルキル基などの炭化水素基、水酸基、低級アルコキシ基などの中性の基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基などの酸性の基などを挙げることができる。これらの置換基を1個以上有することができるが、置換基を有する場合には3個以下であることが好ましい。
式(b)中の芳香族基としては、フェニル基、ナフタレン基などの炭素環式のもの、チオフェン、フラン、ピリジンなどの複素環式のものなどを挙げることができるが、炭素環式のものが好ましく、フェニル基であるものがさらに好ましい。当該芳香族基の置換基としては、特に制限はないが、中性又は酸性のものが好ましく、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜12のアルキルアリール基、炭素数7〜12のアリールアルキル基などの炭化水素基、低級アルコシキ基などの中性の基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、水酸基などの酸性の基などを挙げることができる。これらの置換基を1個以上有することができるが、置換基を有する場合には3個以下であることが好ましい。
【0007】
本発明の金−錫合金めっき液の金源としては、めっき液の金源として通常使用されるものであるならば特に制限はないが、シアン化第一金化合物が好ましく、より好ましくはシアン化第一金カリウムを挙げることができる。
本発明の金−錫合金めっき液には、pH緩衝成分、安定化剤、酸化防止剤、錯化剤などをさらに添加することができる。
pH緩衝成分または安定化剤としては、通常使用されるものであればどのようなものでもよいが、多価カルボン酸又は水溶性ポリヒドロキシカルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
酸化防止剤としては、通常使用されるものであればどのようなものでもよいが、水溶性フェノール類、水溶性フェノールカルボン酸類、アスコルビン酸及びそれらの塩又はそれらのエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
錯化剤としては、通常使用されるものであればどのようなものでもよいが、ピリジン化合物、キノリン化合物、水溶性ポリアミンカルボン酸およびそれらの塩又はそれらのエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
本発明の金−錫合金めっき液のpHは特に制限はないが、好ましくは3.0から9.0、より好ましくは3.0から6.0、さらに好ましくは3.5から5.0である。
【0008】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の金−錫合金めっき液において、金源としてシアン化第一金化合物、好ましくはシアン化第一金カリウム(KAu(CN)2)を用いることができる。めっき液中のシアン化第一金カリウムの濃度は、共折比率の金−錫合金めっき皮膜が得られる限り、如何なる濃度でも良いが、好ましくは金換算で1〜30g/1、より好ましくは3〜15g/1、さらに好ましくは3〜10g/lである。
錫源としては、有機スルホン酸の錫塩、より好ましくは前述の一般式(a)または(b)で表される有機スルホン酸の錫塩を用いることができる。一般式(a)で表される脂肪族有機スルホン酸の好ましい例としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−カルボキシエタンスルホン酸、1,2−ジヒドロキシエタンスルホン酸、1,2−ジカルボキシエタンスルホン酸、スルホコハク酸などが挙げられる。
【0009】
一般式(b)で表される芳香族有機スルホン酸の好ましい例としては、例えば、ベンゼルスルホン酸、o−フェノールスルホン酸、m−フェノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸などが挙げられる。これら有機スルホン酸の錫塩の濃度は、共折組成の金−錫合金めっき皮膜が得られる限り、如何なる濃度でも良いが、好ましくは錫換算で2〜50g/l、より好ましくは8〜30g/l、さらに好ましくは12〜30g/lである。
本発明の金−錫合金めっき液における、pH緩衝剤または安定剤として、多価カルボン酸又は水溶性ポリヒドロキシカルボン酸およびその塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。多価カルボン酸又は水溶性ポリヒドロキシカルボン酸の好ましい例としては、例えば、マロン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸およびリンゴ酸などが挙げられる。これらの多価カルボン酸又は水溶性ポリヒドロキシカルボン酸およびこれらの塩のめっき液中の濃度は、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300g/l、さらに好ましくは50〜200g/lである。
【0010】
本発明の金−錫合金めっき液における、酸化防止剤として、水溶性フェノール類、水溶性フェノールカルボン酸類、アスコルビン酸およびそれらの塩又はそれらのエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。水溶性フェノール類としては、種々のものを用いることができるが、多価フェノール類が好ましい。水溶性多価フェノール類の好ましい例としては、例えば、カテコール、レゾルシン、フェニルフェノールなどが挙げられる。水溶性フェノールカルボン酸類の好ましい例としては、例えば、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシフタル酸およびレゾルシノールなどが挙げられる。また、アスコルビン酸の塩またはエステルの好ましい例としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミテートおよびアスコルビン酸ステアレートなどが挙げられる。これら水溶性フェノール類、水溶性フェノールカルボン酸類、アスコルビン酸およびそれらの塩又はエステルのめっき液中の濃度は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜50g/l、さらに好ましくは5〜20g/lである。
【0011】
本発明の金−錫合金めっき液における錯化剤として、ピリジン化合物、キノリン化合物、水溶性ポリアミンカルボン酸およびそれらの塩またはこれらのエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。ピリジン化合物の好ましい例としては、例えば、ピリジン、ニコチン酸、ピリジンスルホン酸、アミノピリジンなどが挙げられる。キノリン化合物の好ましい例としては、キノリン、キノリン酸、キノリンスルホン酸、キノリンカルボン酸、キノリノールなどが挙げられる。水溶性ポリアミンカルボン酸の好ましい例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ニトリロトリ酢酸、イミノ二酢酸などが挙げられる。これらピリジン化合物、キノリン化合物、水溶性ポリアミンカルボン酸およびそれらの塩またはこれらのエステルのめっき液中の濃度は、好ましくは3〜40g/l、さらに好ましくは5〜30g/lである。
【0012】
本発明の金−錫合金めっき液のpHには特に制限はないが、3.0〜9.0に調整されることが好ましい。pHの範囲が3.0〜9.0であれば、本発明の目的を好適に達せられるが、より好ましくは3.0から6.0、さらに好ましくは3.5〜5.0である。pH値が低すぎるとシアン化第一金カリウムが不溶性のシアン化金となって沈殿する。逆にpH値が高すぎると、4価の錫が生成し沈殿する。
pHを調整するには、従来慣用の方法、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどを添加して行えば良い。めっきを行なう際の温度はめっき皮膜にヤケを生じないようにするため、35〜75℃が好ましく、40〜65℃がさらに好ましい。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0014】
実施例1
シアン化第一金カリウムを金換算で6g/l、メタンスルホン酸錫を錫換算で18g/l、クエン酸カリウム 120g/l、クエン酸 60g/l、アスコルビン酸 10g/l、ニコチン酸 10g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.5のめっき液を調整した。
めっき液の温度65℃、陰極電流密度0.5A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったガリウム−ヒ素ウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後及び使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0015】
実施例2
シアン化第一金カリウムを金換算で4g/l、エタンスルホン酸錫を錫換算で15g/l、クエン酸カリウム 120g/l、乳酸 60g/l、カテコール5g/l、ピリジンスルホン酸15g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが5.0のめっき液を調製した。
めっき液の温度55℃、陰極電流密度0.4A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったガリウム−ヒ素ウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後及び使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0016】
実施例3
シアン化第一金カリウムを金換算で8g/l、プロパンスルホン酸錫を錫換算で12g/l、酒石酸カリウム 120g/l、マロン酸 60g/l、1−アスコルビン酸パルミテート 15g/l、2−キノリンカルボン酸 10g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが3.8のめっき液を調製した。
めっき液の温度65℃、陰極電流密度0.7A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行なったシリコンウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0017】
実施例4
シアン化第一金カリウムを金換算で3g/l、1,2−ジヒドロキシエタンスルホン酸錫を錫換算で12g/l、リンゴ酸カリウム 150g/l、グリコール酸100g/l、レゾルシン酸 10g/l、エチレンジアミン四酢酸 20g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.3のめっき液を調製した。
めっき液の温度40℃、陰極電流密度0.4A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったシリコンウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0018】
実施例5
シアン化第一金カリウムを金換算で6g/l、メタンスルホン酸錫を錫換算で20g/l、クエン酸カリウム 120g/l、クエン酸 60g/l、アスコルビン酸ステアレート 10g/l、エチレンジアミン三酢酸 10g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.5のめっき液を調製した。
めっき液の温度70℃、陰極電流密度0.6A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったガリウム−ヒ素ウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0019】
実施例6
シアン化第一金カリウムを金換算で10g/l、1,2−ジカルボキシエタンスルホン酸錫を錫換算で30g/l、クエン酸カリウム 150g/l、リンゴ酸 80g/l、フェニル酢酸 15g/l、イミノ二酢酸 10g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.5のめっき液を調製した。
めっき液の温度35℃、陰極電流密度0.7A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったガリウム−ヒ素ウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0020】
実施例7
シアン化第一金カリウムを金換算で6g/l、2−ヒドロキシメタンスルホン酸錫を錫換算で18g/l、クエン酸カリウム 100g/l、グルコン酸 60g/l、サリチル酸 10g/l、ニコチン酸ニトリル 5g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.5のめっき液を調製した。
めっき液の温度65℃、陰極電流密度0.4A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったシリコンウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0021】
実施例8
シアン化第一金カリウムを金換算で6g/l、p−フェノールスルホン酸錫を錫換算で15g/l、酒石酸カリウム 80g/l、酒石酸 30g/l、アスコルビン酸 20g/l、ニコチン酸 20g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが3.5のめっき液を調製した。
めっき液の温度45℃、陰極電流密度0.6A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったガリウム−ヒ素ウエハーにめっきを行った。
使用前、使用後および使用前後の保存中に沈殿の発生はなく、安定しためっき液が得られた。また、めっき後のウエハーのレジストに溶解損傷は見られなかった。得られためっき皮膜の組成は、金80wt%、錫20wt%の共析組成であった。
【0022】
比較例1
シアン化第一金カリウムを金換算で4g/l、硫酸錫を錫換算で15g/l、ピロリン酸カリウム 120g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが5.0のめっき液を調製した。
めっき液の温度45℃、陰極電流密度0.5A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったシリコンウエハーにめっきを行おうとした。
使用前に沈殿が発生し、めっき液の安定性は得られなかった。
【0023】
比較例2
シアン化第一金カリウムを金換算で10g/l、塩化第一錫を錫換算で18g/l、クエン酸 100g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.0のめっき液を調製した。
めっき液の温度45℃、陰極電流密度0.2A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったシリコンウエハーにめっきを行った。
使用後の保存中に沈殿が発生し、めっき液の安定性は得られなかった。
【0024】
比較例3
シアン化第一金カリウムを金換算で0.8g/l、塩化第一錫を錫換算で2g/l、リンゴ酸 200g/lの濃度で混合し、水酸化カリウムを添加してpHが4.5のめっき液を調製した。
めっき液の温度35℃、陰極電流密度0.8A/dm2で、充分にめっき液を攪拌しながら、レジストでパターニングを行ったシリコンウエハーにめっきを行った。
使用後の保存中に沈殿が発生し、めっき液の安定性は得られなかった。
【発明の効果】
本発明の金−錫合金めっき液は使用前の保存中、使用中、使用後の保存中に沈殿が全く発生しないので、常時一定の組成を有する金−錫合金皮膜を得ることができる。
pH値を低アルカリ側から酸性側でめっきするので、被処理材のレジストを損傷させることがない。また、ハンダ付け法では困難である微細パターンを持つ半導体チップの接続を容易に行うことができるので、電子部品の接続に有用である。
Claims (1)
- 金−錫合金めっき液において、錫源として有機スルホン酸の錫塩を用いることを特徴とする金−錫合金めっき液。
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