JP3571733B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、毛髪に対して柔軟性および艶などの優れたコンディショニング効果を付与し、かつ、毛髪の損傷を抑え、染毛効果および堅牢性に優れた染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より染毛剤としては、p−フェニレンジアミンなどの酸化染料を用いた酸化染毛剤が、染毛力や堅牢性に優れ、色調が多彩であることから広く用いられてきた。しかし、一部では頭皮への刺激や安全性、毛髪損傷などの問題が懸念されている。一方、これらの酸化染毛剤の毛髪や頭皮に対する問題を克服するために、酸性染料や天然色素を用いたカラーリンスやヘアマニキュアタイプの染毛剤が注目されている。しかし、従来の酸化染毛剤と比較すると染毛力や堅牢性、感触などの点でまだ充分に満足のいくものではなかった。
【0003】
これらの問題点を解決する方法として、染毛力および堅牢性を向上させるために、酸性染料又は天然色素にシステイン誘導体を用いることが特開平3−141215号に記載されている。しかし、この染毛剤はpHがアルカリ性領域であるため、毛髪が損傷するという問題があった。
【0004】
また、同様な目的で酸性染料と浸透促進剤を用いることが特開昭61−53211号や特開昭62−164612号などをはじめ、多数報告されている。 しかし、浸透促進剤が多量に使用されているため、毛髪がパサつくなどの問題があった。
【0005】
一方、特開平4−74113号には、毛髪の感触を改善するためにカチオン化シリコーンを配合することが記述されている。しかし、これらのカチオン化シリコーンは他のカチオン界面活性剤やカチオン化重合物と同様に酸性染料と複合体を形成し、毛髪内部にまで染料がほとんど浸透しないため、染毛力および堅牢性が低下するという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このように、酸性染料を用いた染毛剤においては、仕上りの感触が良好で、かつ、染毛力および堅牢性に優れた染毛剤組成物が未だ得られておらず、かかる染毛剤組成物の開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決する手段および作用】
本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、次の特定成分を組み合せて用いることにより、優れたコンディショニング効果、染毛力および堅牢性を併せ持つ染毛剤組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)タール系酸性染料、(B)酸、(C)アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、プロリン及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一種0.5〜15重量%、および(D)有機溶剤を含有し、pH2〜5であることを特徴とする染毛剤組成物を提供するものである。
【0009】
以下詳細に説明する。本発明の染毛剤組成物に用いられる(A)タール系酸性染料としては、公知のものでよく、希望する染着色に応じて適宜選定し、1種又は2種以上併用してもよい。タール系酸性染料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等が挙げられる。これらの染料を染毛剤組成物中に0.001〜5重量%配合するのが好ましく、0.01〜3重量%配合するのが特に好ましい。0.001重量%より少ない場合、染毛効果が不十分であり、逆に5重量%より多い場合には染毛力が向上しないばかりか頭皮、手指への染着が著しくなり望ましくない。
【0010】
本発明に用いられる(B)酸としては、有機酸または無機酸を用いることができる。例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、レブリン酸、フマル酸、マレイン酸、吉草酸、酪酸等の有機酸、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。また、これらの酸とその酸のナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩等を組み合せ、緩衝作用を持たせてpHを2〜5の酸性領域に保つことが染毛効果の点から好ましい
【0011】
本発明に用いられる(C)アミノ酸又はその塩としては、例えばL−チロシン、トリプトファン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはそのナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。これらの中でも、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アラニン、プロリン等の中性アミノ酸およびその塩が好ましい。これらのアミノ酸又は塩類は本発明中に0.1〜20重量%配合することが好しく、さらには0.5〜15重量%配合されるのが特に好ましい。この範囲での使用量であればpH2〜5の領域において、酸性染料との複合体形成が低いレベルに抑えられるので好ましい。また、アミノ酸の配合量が0.5重量%より少ないと毛髪に艶やなめらかさを与える効果が得られず、15重量%より多いと毛髪にべたつきを与えたり、染着効果を防げるなどの問題が生じる。
【0012】
また、本発明の染毛剤組成物は、特定のpH領域、すなわちpH2〜5にすることにより、アミノ酸の弱カチオニック効果と酸性染料の染着効果が同時に発揮されるため、優れたコンディショニング効果と良好な染毛力および堅牢性を得ることができる。
【0013】
本発明に用いられる(D)有機溶剤としては、下記式(1)または(2)で示される化合物が挙げられる。これらの中でも、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジロキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドンなどが好ましい。これらの中でも、ベンジルアルコールが染毛力の点で特に好ましい。これらの有機溶剤は本発明の染毛剤組成物中に0.1〜25重量%配合するのが好ましく、0.5〜15重量%配合するのが特に好ましい。0.1重量%より少ないと充分な染毛力の向上が得られず、25重量%よりも多い場合も著しい染毛力の向上が見られない。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
更に、本発明の染毛剤組成物には本発明の効果を防げない範囲において、従来公知の成分を添加配合することができる。例えば高級アルコール、流動パラフィン、エステル油、脂肪酸、シリコーン及びその誘導体、ワセリン、多価アルコール、キサンタンガム等の増粘剤、紫外線吸収剤、防腐剤、非イオン界面活性剤または両性界面活性剤等の乳化剤、香料、パール化剤等が挙げられる。
【0017】
本発明の染毛剤組成物は液体、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、またはエアゾールフォーム状の染毛剤の他、樹脂を配合した整髪染毛剤等の剤型にすることができる。
【0018】
また、本発明の染毛剤組成物を用いて染毛する場合、当該組成物を毛髪に塗布し室温で数分間放置するか、あるいは30〜50℃に加温して施術することが好ましい。
【0019】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表1に示す実施例1〜2及び比較例1〜3を調整し、染着性試験、感触官能試験および堅牢性試験の評価を行い、結果を表1に示した。
【0020】
(1)染着性試験
山羊毛束(重量約2g)を5重量%ラウリル硫酸ナトリウム5gを使用して洗浄し、温水にて充分すすいだ。その後余分な水分をふきとり、実施例1〜2および比較例1〜3の染毛剤組成物2gを塗布し、櫛で均一にのばした後、恒温槽(37℃)中に5分間放置する。その後、温水にて充分すすぐ。この操作を1日1回の間隔で5回繰り返し行い、乾いた状態で染着性を下記基準により評価した。
◎…染毛力がきわめて良好(均一かつ濃く着色し白色が目立ない)
○…染毛力が良好 (均一に着色し白色が目立ない)
△…染毛力が不充分 (染まりが不均一で白色がやや目立つ)
×…染毛力がきわめて悪い(染まりが不均一で白色が目立つ)
【0021】
(2)感触官能試験
日本人黒髪の毛束を用いて、先に調整した染毛組成物を0.5g塗布し手で均一に延ばした後、温水で洗い流した時の毛髪の柔かさ、及び指通りの良さと乾燥後の毛髪の艶及びなめらかさについて、10名の専門パネラーによりそれぞれ視覚的および官能的に評価した。
下記の基準で評価し、人数のもっとも多かった評価を代表とした。
◎…非常になめらかで指通り良い、艶も良い
○…なめらかで指通りが良い
△…ややきしみがあり、艶もやや欠ける
×…きしみがあり、ざらつきを感じる
【0022】
(3)堅牢性試験
染着性試験にて染毛した毛束を試験の1日後に50℃1重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に20分間浸漬し、その後温水で充分洗い流し乾燥させる、この際の退色の程度を前記染毛毛束と比較して評価した。
◎…退色非常に良好
○…退色良好
△…退色やや不良
×…退色不良
実施例 1〜2 及び比較例 1〜3
【0023】
【表1】
(注)表中の数字は重量%を表わす。
【0025】
【発明の効果】
本発明の染毛剤組成物は、優れたコンディショニング効果と良好な染毛力および堅牢性を得ることができる。
Claims (1)
- (A)タール系酸性染料、(B)酸、(C)アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、プロリン及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一種0.5〜15重量%、および(D)有機溶剤を含有し、pH2〜5であることを特徴とする染毛剤組成物。
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JP35461592A Expired - Fee Related JP3571733B2 (ja) | 1992-12-16 | 1992-12-16 | 染毛剤組成物 |
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