JP3571436B2 - インクジェットプリンタ用印字ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ用印字ヘッドに関し、更に詳しくは、基板内部に多数のインク吐出路が形成され、そのインク吐出路に連なるインク吐出口がその基板面に形成されて構成されたインクジェットプリンタ用印字ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、その概略を示す図15のように構成されている。この図15は、インクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図であり、ガラス等の所要の厚みを有する絶縁材料からなる基板40の第一の面に複数列(この図では4列)に配置された多数のインク吐出口41が形成され、その第一の面と対向する第二の面にインク吐出口41に対応して多数の圧電素子42が設けられている。
【0003】
このように構成されたインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、圧電素子42が駆動されると、そこに設けられている図示していない振動板が振動することによってその内部に形成されている加圧室が加圧され、それによってその加圧室に連なる図示していないインク吐出路にインクを押し出し、そのインク吐出路に連なるインク吐出口41からインクが吐出されるようになっている。上記圧電素子42はそれぞれ独立して駆動できるようになっているので、所定のインク吐出口41からインクを吐出させることにより所定の文字や図形等が印字される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいては、インク吐出口41のインクが乾燥する等して目詰まりが生じるとインクが正常に吐出されないため、印字が不鮮明となったり、印字が不可能となったりする。そのため、通常は、不使用時にはインク吐出口41を覆うようなキャップを被せたりする。また、使用時にはプリンタの電源ON時や印字開始直前に圧電素子42を駆動させてインクに振動を与える等して目詰まりの防止制御をおこなっている。
【0005】
ところが、長期間使用しない場合や、連続使用しても殆どインク吐出の行なわれないインク吐出口が存在する場合には、インクが完全に乾燥する等して上記のような目詰まり防止制御では目詰まりの回復が不可能なことがあり、そうした場合は印字ヘッドを交換しなければならないという問題が生じる。
【0006】
従って、本発明は、従来の目詰まり防止制御では回復が不可能な目詰まりであっても、その回復を可能とする構造のインクジェットプリンタ用印字ヘッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、基板内部に多数のインク吐出路が形成されるとともに、そのインク吐出路に連なるインク吐出口が前記基板の第一の面に形成され、前記インク吐出路に連なるインク加圧室が加圧されることにより前記インク吐出口からインクが吐出されるように構成されたものにおいて、前記インク吐出路に外部から供給される圧縮空気を送り込むための開口部が前記基板の第二の面に形成され、その開口部にはその開口部を閉じる栓体が設けられていることを特徴としている。
【0008】
この請求項1に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいては、圧縮空気を送り込むための開口部の栓体を開け、その開口部に圧縮空気送入手段の空気供給口を当てがってその開口部から圧縮空気を送り込むと、その圧縮空気は目詰まりを生じているインク吐出路に達し、その部分の目詰まりの原因となっているインクをインク吐出口から外部に排出する。その結果、目詰まりが回復される。なお、目詰まりが回復した後も開口部が開いたままであると、圧電素子を駆動して加圧室を加圧したときにインクにかかる圧力が開口部から外部に逃げ、インク吐出口からの正常なインクの吐出が不可能となるので、目詰まりが回復した後は開口部は栓体により閉じられる。
【0009】
また、請求項2に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、請求項1記載のものにおいて、圧縮空気を送り込むための開口部は、インク吐出路ごとに形成されていることを特徴としている。
【0010】
この請求項2に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいては、開口部はインク吐出路ごとに形成されているので、その開口部から送り込まれた圧縮空気は目詰まりの生じているインク吐出路に直接達し、より確実に目詰まりが回復される。
【0011】
また、請求項3に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、請求項1記載のものにおいて、圧縮空気を送り込むための開口部は、複数のインク吐出路にインクを供給する共通供給路に通じるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
この請求項3に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいては、開口部は複数のインク吐出路にインクを供給する共通供給路に通じるように形成されているので、その開口部から送り込まれた圧縮空気は複数のインク吐出路に達し、複数のインク吐出路に目詰まりが生じていても同時にその複数箇所の目詰まりが回復される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図であり、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図で、上下方向及び左右方向を逆転して示したものである。
【0014】
これらの図において、インクジェットプリンタ用印字ヘッドは所要の厚みを有する絶縁材料からなる矩形状の基板1を備えている。この基板1の内部には、その長手方向に沿って複数本(この図では5本)のインクの共通供給路2が形成されている。この各共通供給路2の一端は閉じられているが、他端は基板1の側面に通じており、この他端に外部の貯留タンクからインクを供給する供給パイプ3が接続されている。
【0015】
各共通供給路2の側部には、共通供給路2の長手方向に沿って所定のピッチで複数の加圧室4が延びており、この加圧室4に連なってインク吐出路5が形成されている。このインク吐出路5は、基板1の一面側にインク吐出路5に連なるインク吐出口6が形成されて構成されている。インク吐出口6は、図1に示されているように、各インク吐出口6が複数列(この図では4列)の各ラインに沿って所定のピッチで規則正しく配列されている。なお、この実施形態では、各列のインク吐出口6は、隣合うラインで同じ位置にくるように形成されているが、隣合うラインで例えば半ピッチずらせて形成するようにしてもよい。
【0016】
上記の共通供給路2、加圧室4及びインク吐出路5は、この実施形態においては、基板1の上記第一の面と対向する第二の面側から所定の深さの溝を形成し、これらの溝を覆うように基板1面に薄板状のガラス等の絶縁材料からなる大きな振動板7を貼り合わせることにより構成されている。
【0017】
上記加圧室4には、基板1の第二の面の振動板7上にチタン酸ジルコン酸鉛等からなる圧電素子8が取り付けられている。上記インク吐出路5には、基板1の第二の面の振動板7を切り欠いて、外部から圧縮空気を送り込むための開口部9が形成されている。この開口部9には、その少し内側に中央に貫通孔10の形成された弁体11が振動板7と一体に設けられ、その外側に開閉自在の栓体12が設けられている。この弁体11は、開口部9の間口を狭めるためのものであり、中央の貫通孔10には後述する圧縮空気送入手段の空気供給口が挿入される。上記栓体12は、その一部が開口部9に接続された状態で形成されており、その内面には突起13が形成され、栓体12を閉じたときにその突起13が弁体11の貫通孔10に嵌合されて開口部9が密閉されるようになっている。
【0018】
上記のように構成された本発明のインクジェットプリンタ用印字ヘッドは、通常はインク吐出路5に形成されている開口部9が栓体12により閉じられた状態となっており、所定の文字等を印字するために所定の圧電素子8が駆動されると圧電素子8の存在する箇所の振動板7が振動して加圧室4が加圧される。その結果、加圧室4内のインクがインク吐出路5側に押し出されてインク吐出口6からインクが吐出される。インクの共通供給路2は、インク吐出口6からのインクの吐出が常に正常に行なわれるように、供給パイプ3を介して外部の貯留タンクから供給されたインクをインク吐出路5側に供給する。また、上記従来の場合と同様に、不使用時にはインク吐出口6を覆うようなキャップが被せられ、使用時には電源ON時や印字開始直前に圧電素子8を駆動し、インクに振動を与える等して目詰まりの防止制御が行なわれる。
【0019】
しかし、インク吐出路5に目詰まりが生じ、上記目詰まり防止制御によっては回復が不可能な場合、本発明のインクジェットプリンタ用印字ヘッドでは、プリンタの蓋を開けて印字ヘッドを露出させ、図3に示すように目詰まりの生じているインク吐出路5の開口部9の栓体12を開け、その開口部9の弁体11の貫通孔10に圧縮空気送入ポンプ等の圧縮空気送入手段15の空気供給口16を差し込み、圧縮部17を押圧してインク吐出路5に圧縮空気を送り込む。空気供給口16は先端部が先細り状になっているため、弁体11の貫通孔10に密閉状に挿入され、開口部9からの圧縮空気の漏洩が防止される。これにより、圧縮空気は目詰まりの原因となっているインクをインク吐出口6から外部へ排出する。なお、一回の圧縮空気の送り込みでは目詰まりが回復されない場合は、圧縮空気送入作業を複数回繰り返したり、より強く圧縮部17を押圧して圧力の大きな圧縮空気を送り込んだりする。圧縮空気送入手段15としては、注射器のような構造のものでもよい。
【0020】
図4は本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図であり、図5は図4のB−B線に沿う拡大断面図で、上下方向を逆転して要部のみを示したものである。この第2の実施形態のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの基本構造は上記第1の実施形態のものと同様であるので、同一の構成部分については同一の参照番号を付し、以下には第1の実施形態との相違点のみを説明する。
【0021】
すなわち、上記第1の実施形態では圧縮空気を送り込むための開口部9をインク吐出路5のそれぞれに形成するようにしたが、この第2の実施形態では同様の目的の開口部20を、圧電素子8の取り付けられている基板1の同じ第二の面側で共通供給路2の位置する箇所に、その部分の振動板7を切り欠いて共通供給路2に通じるように形成したものである。この開口部20には第1の実施形態と同様に開閉自在の栓体21が設けられている。この栓体21は、第1の実施形態と同様にその一部が開口部20に接続された状態で形成されている。
【0022】
この第2の実施形態では、開口部20から圧縮空気を送り込むと、その圧縮空気は共通供給路2を介して、この共通供給路2に連なる複数のインク吐出路5のそれぞれに達し、各インク吐出路5のインクを外部に排出する。これにより、目詰まりの生じているインク吐出路5の目詰まりの原因となっているインクも外部に排出されて目詰まりが回復される。この第2の実施形態の場合は、複数のインク吐出路5に同時に圧縮空気が供給されるため、開口部20から第1の実施形態の場合よりも強い圧力の圧縮空気が供給されることになる。
【0023】
この第2の実施形態では、圧縮空気を送入するにあたって図6に示すような圧縮空気送入手段22が用いられる。この圧縮空気送入手段22は、その先端部の空気供給口23が球状をしたものであり、その球状の空気供給口23が栓体21を開けた状態の開口部20に圧接するようにして挿入される。そのため、圧縮空気は開口部20から外部に漏えいすることなく共通供給路2に送り込まれる。なお、開口部20に、第1の実施形態の開口部9に形成した弁体11と同様の弁体を形成してもよく、そうした場合は第1の実施形態と同様の圧縮空気送入手段を用いることができる。
【0024】
この第2の実施形態のように開口部20を共通供給路2に通じるように形成した場合は、圧電素子8等の他の部材の制約を受けない箇所に形成することができるので開口部20を第1の実施形態の開口部9よりも大径とすることができ、開口部20の形成作業が容易となる。また、開口部20が大径となると圧縮空気送入手段22の空気供給口23の挿入作業も容易となる。また、この第2の実施形態のように共通供給路2から圧縮空気を送り込む場合、加圧室4に目詰まりが生じているときは同時にその目詰まりも回復される。
【0025】
なお、先に述べた上記第1の実施形態の場合、図6に示すような圧縮空気送入手段22を用いるようにすると、開口部9の弁体11をなくすことができる。
【0026】
図7は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部のみを示す拡大断面図である。この第3の実施形態では、上記第1の実施形態におけるインク吐出路5の構造に改良を加えており、図7はそのインク吐出路5部分を拡大して示している。なお、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照番号を付し、以下にはその相違点のみ説明する。
【0027】
この第3の実施形態では、インク吐出路5上部の振動板7に小径の開口部24が形成され、インク吐出路5の中間位置にインク吐出路内部を上下に二分する間仕切り部25が形成されている。この間仕切り部25の中央部には大径の通路26が形成され、その周辺部には大径の通路26を取り囲むように複数の小径の通路27が形成されている。この大径の通路26の横断面積は、複数の小径の通路27の各横断面積を合計したものよりも十分に大きくなるように設定されている。なお、上記大径の通路26部分は筒状とされている。
【0028】
上記間仕切り部25で二分されたインク吐出路5の上側の部屋には板状の栓体28が配置され、下側の部屋には図示していないインクの加圧室に連なるインク通路29が接続されている。板状の栓体28はインク吐出路5の径と略同径とされ、周辺部には間仕切り部25の小径の通路27と対応する位置に通孔30が形成されている。この板状の栓体28は、図7では間仕切り部25の大径の通路26の筒状部に接して位置しているが、上側の部屋内で上下動可能となっている。
【0029】
このようなインク吐出路5の構造では、加圧室が加圧されてインク通路29からインクがインク吐出路5内に押し出されてくると、板状の栓体28は間仕切り部25の横断面積の大きい大径の通路26を介して上に押し上げられ、図8に示すように開口部24を閉じることになる。そのため、インク吐出路5内に押し出されてきたインクは、開口部24から外部には漏洩せず、インク吐出口6から外部に吐出される。インク吐出路5に目詰まりが生じた場合は、図9に示すように開口部24に第1の実施形態と同様の圧縮空気送入手段15の空気供給口16を挿入し、インク吐出路5内に圧縮空気を送り込む。栓体28は、インク吐出路5内にインクが押し出されてきていないときには自重により下に下がり大径の通路26を閉じているが、インクが押し出されてきていても圧縮空気の圧力により下に押し下げられて大径の通路26を閉じることになる。従って、いずれの場合でも、圧縮空気送入手段15により送り込まれた圧縮空気は栓体28の通孔30及び間仕切り部25の小径の通路27を介して下側の部屋に送り込まれ、インク吐出口6からインクが外部に排出され、それにより目詰まりが回復される。
【0030】
この第3の実施形態のような構造のインク吐出路5を形成する場合は、第1の実施形態に比べて圧縮空気送入作業が容易となる。すなわち、第1の実施形態では開口部9が小径のものであるため、開口部9における栓体12の開閉作業が煩雑となるが、第3の実施形態では栓体28はインク吐出路5内に配置されており、人手による開閉作業を必要としない。そのため、圧縮空気送入作業が容易となる。
【0031】
なお、圧縮空気送入手段として図6に示すような形状のものを用いることもできる。また、栓体28をインク液よりも比重の小さな材質で形成すると、栓体28は、開口部24が上側に位置し、かつインク吐出路5内にインクが存在している限りは常に開口部24を閉じた状態となるので、開口部24からのインクの漏洩をより確実に防止することができる。さらに、栓体28を開口部24側に付勢するバネ等の付勢手段を設けることもできる。このようにすると開口部24からのインクの漏洩が一層確実に防止できる。また、上記間仕切り部25の大径の通路26と小径の通路27の横断面積の大小は特に上記のような制約を受けるものではない。
【0032】
図10は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部のみを示す断面図である。この図10は上記第2の実施形態である図5に対応する箇所を示すものであり、第2の実施形態における図5の共通供給路2に通じる開口部20に代えて、基板1面では小径部32とされ、基板1内部では大径部33とされた開口部34を形成したものである。なお、この開口部34を形成している箇所の振動板7はその厚みが他の箇所よりも厚くなるようにされている。
【0033】
この開口部34の大径部33内には中央部に大径の通路35が形成され、周辺部に大径の通路35を取り囲むように複数の小径の通路36が形成されている。各通路35、36は共通供給路2に通じており、この大径の通路35の横断面積は、複数の小径の通路36の各横断面積を合計したものよりも十分に大きくなるように設定されている。なお、上記大径の通路35部分は筒状とされている。
【0034】
上記開口部34の大径部33内には板状の栓体37が配置されている。この板状の栓体37は、大径部33と略同径とされ、周辺部には上記小径の通路36と対応する位置に通孔38が形成されており、上下動可能に配置されている。
【0035】
このような開口部34の構造では、インクが外部の貯留タンクから供給パイプ3を介して共通供給路2内に供給されると、板状の栓体37はインクの圧力により横断面積の大きな大径の通路35を介して上に押し上げられ、図11に示すように開口部34を閉じることになる。そのため、インクは開口部34から外部には漏洩せず、共通供給路2を介してインク吐出路側に供給されることになる。
【0036】
インク吐出路に目詰まりが生じた場合は、図12に示すように開口部34に第1の実施形態と同様の圧縮空気送入手段15の空気供給口16を挿入し、共通供給路2内に圧縮空気を送り込む。栓体37は、インクが供給パイプ3を介して共通供給路2内に押し出されてきていないときには自重により下に下がり大径の通路35を閉じているが、インクが押し出されてきていても圧縮空気の圧力により下に押し下げられて大径の通路35を閉じることになる。従って、いずれの場合でも、圧縮空気送入手段15により送り込まれた圧縮空気は栓体37の通孔38及び小径の通路36を介して共通供給路2に送り込まれ、共通供給路2に連なる複数のインク吐出路のそれぞれに達し、各インク吐出路のインクを外部に排出する。これにより目詰まりの生じているインク吐出路の目詰まりが回復される。
【0037】
この第4の実施形態のような開口部34を形成する場合は、この第4の実施形態に対応する図5に示す第2の実施形態に比べて圧縮空気送入作業が容易となる。すなわち、第2の実施形態では開口部20が小径のものであるため、開口部20における栓体21の開閉作業が煩雑となるが、第4の実施形態では栓体37は開口部34内に配置されており、人手による開閉作業を必要としない。そのため、圧縮空気送入作業が容易となる。
【0038】
なお、圧縮空気送入手段として図6に示すような形状のものを用いることもできる。また、栓体37をインク液よりも比重の小さな材質で形成すると、栓体37は、開口部34が上側に位置し、かつ開口部34内にインクが存在している限りは常に開口部34を閉じた状態となるので、開口部34からのインクの漏洩をより確実に防止することができる。さらに、栓体37を開口部34を閉じる方向に付勢するバネ等の付勢手段を設けることもできる。このようにすると開口部34からのインクの漏洩が一層確実に防止できる。また、上記大径の通路35と小径の通路36の横断面積の大小は特に上記のような制約を受けるものではない。
【0039】
図13は、本発明の第5の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部のみを示す断面図である。この図13に示す実施形態は、図1及び図2に示す第1の実施形態の改良例であり、第1の実施形態と同一の構成部分については同一の参照番号を付し、以下にはその相違点のみ説明する。
【0040】
この第5の実施形態では、基板1と振動板7との間に絶縁材料からなる薄膜40を配置している。この薄膜40は、インク液は透過させないが空気は透過させるという機能を有するものである。従って、振動板7に開口部9が形成されていてもその開口部9位置に対応する薄膜40が栓体の機能を果たすため、インクは開口部9を介して外部へ漏洩することはなく、圧電素子8が駆動して加圧室4が加圧されると、インクはインク吐出口6から外部へ吐出される。
【0041】
インク吐出路5が目詰まりを生じたときは、図14に示すように圧縮空気送入手段41先端部の平坦状となっている空気供給口42を開口部9に当てがい圧縮空気を送り込むと、圧縮空気は薄膜40を通過してインク吐出路5内に達し、インク吐出口6から目詰まりの原因となっているインクを外部に排出する。これにより、目詰まりが回復される。
【0042】
この第5の実施形態のような薄膜40を用いる場合は、開口部9に手作業で開閉するような栓体が不要となるので、開口部9部分の構造がきわめて簡素化され、インクジェットプリンタ用印字ヘッドの製作が容易となる。このような薄膜を用いる構造は、上記の図5に示す第2の実施形態の場合のように共通供給路2に通じる開口部を形成する場合にも採用することができ、そうした場合はこの第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0043】
なお、上記のいずれの実施形態においても、インク吐出口を基板の第一の面に形成し、圧縮空気を送り込むための開口部を基板の上記第一の面と対向する第二の面に形成しているが、この開口部の形成箇所である第二の面は必ずしもインク吐出口の形成された第一の面と対向する面である必要はなく、インク吐出口の形成された面とは異なる面であればよい。
【0044】
また、開口部の形成箇所である第二の面は、開口部の形成がスペース的に可能であるならばインク吐出口の形成された第一の面と同じ面となってもよい。この場合には、開口部に図2に示すような栓体12を設ける構成とするときは、その栓体の一部がインク吐出口の形成面である基板面から突出しないようにする必要がある。このように圧縮空気を送り込むための開口部をインク吐出口と同じ面に形成した場合は、圧縮空気を送り込んだときのインク吐出口からのインクの吐出を直接目で確認することができ、目詰まりが回復した後の圧縮空気の無駄な送り込みを防止することができる。
【0045】
さらに、上記のいずれの実施形態においても、インク吐出口を複数列に配置しているが、一列のみの配置構成とすることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、インクジェットプリンタ用印字ヘッドを構成する基板に、インク吐出路に外部から供給される圧縮空気を送り込むための開口部が形成されているので、目詰まりが生じたときにはその開口部から圧縮空気を送り込むことによりインク吐出路内の目詰まりの原因となっているインクが外部に排出され、インク吐出路の目詰まりを回復することができる。
【0047】
また、請求項2の発明によれば、圧縮空気を送り込むための開口部はインク吐出路ごとに形成されているので、その開口部から送り込まれた圧縮空気は目詰まりの生じているインク吐出路に直接達し、より確実にインク吐出路の目詰まりを回復することができる。
【0048】
また、請求項3の発明によれば、圧縮空気を送り込むための開口部は、複数のインク吐出路にインクを供給する共通供給路に通じるように形成されているので、その開口部から送り込まれた圧縮空気は複数のインク吐出路に達し、同時に複数箇所のインク吐出路の目詰まりを回復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタ用印字ヘッドのA−A線に沿う拡大断面図で、図1とは上下方向及び左右方向を逆転して示したものである。
【図3】図1のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの目詰まりを回復させる方法を説明するための要部断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図である。
【図5】図4のインクジェットプリンタ用印字ヘッドのB−B線に沿う要部拡大断面図で、図4とは上下方向を逆転して示したものである。
【図6】図4のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの目詰まりを回復させる方法を説明するための要部断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部拡大断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部拡大断面図であり、図7とは栓体の位置を異ならせて示す図である。
【図9】図7及び図8のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの目詰まりを回復させる方法を説明するための要部断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部拡大断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部拡大断面図であり、図10とは栓体の位置を異ならせて示す図である。
【図12】図10及び図11のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの目詰まりを回復させる方法を説明するための要部断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係るインクジェットプリンタ用印字ヘッドの要部拡大断面図である。
【図14】図13のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの目詰まりを回復させる方法を説明するための要部断面図である。
【図15】従来例のインクジェットプリンタ用印字ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 共通供給路
3 供給パイプ
4 加圧室
5 インク吐出路
6 インク吐出口
7 振動板
8 圧電素子
9 開口部
10 貫通孔
11 弁体
12 栓体
13 突起
15 圧縮空気供給手段
16 空気供給口
17 圧縮部
20 開口部
21 栓体
22 圧縮空気供給手段
24 開口部
25 間仕切り部
26 大径の通路
27 小径の通路
28 栓体
29 インク通路
30 通孔
32 小径部
33 大径部
34 開口部
35 大径の通路
36 小径の通路
37 栓体
38 通孔
40 薄膜
41 圧縮空気送入手段
42 空気供給口

Claims (3)

  1. 基板内部に多数のインク吐出路が形成されるとともに、そのインク吐出路に連なるインク吐出口が前記基板の第一の面に形成され、前記インク吐出路に連なるインク加圧室が加圧されることにより前記インク吐出口からインクが吐出されるように構成されたインクジェットプリンタ用印字ヘッドにおいて、
    前記インク吐出路に外部から供給される圧縮空気を送り込むための開口部が前記基板の第二の面に形成され、その開口部にはその開口部を閉じる栓体が設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
  2. 前記開口部は、インク吐出路ごとに形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
  3. 前記開口部は、複数のインク吐出路にインクを供給する共通供給路に通じるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ用印字ヘッド。
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