JP3571175B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザプリンタ等の光プリンタ,デジタル複写機,ファクシミリ装置,あるいはそれらを統合した複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等の画像形成装置では、感光体上を帯電手段によって一様に帯電させた後、レーザ書込手段によって、画像データに応じてレーザダイオードをオン・オフ発光させると共に、その画像データの解像度に応じた回転数でポリゴンモータを回転させることにより、レーザダイオードから射出されるレーザ光をポリゴンモータによって回転されるポリゴンミラーによって偏向走査させ、感光体の帯電面に照射して静電潜像を形成させる。
【0003】
その後、感光体上の静電潜像を現像手段によりトナーを付着させて現像してトナー画像を形成させ、そのトナー画像を給紙手段によって用紙収納部から給紙させた用紙上に転写手段によって転写させた後、その用紙を定着手段に送り込んでヒータを有するヒートローラによって用紙上のトナー画像を熱定着させた後、その用紙を機外の排紙トレイに排紙する。
【0004】
このような画像形成装置(電子写真装置)として、例えば特開平5−2298号公報に見られるように、ポリゴンモータを起動した後、その回転数が定常回転数(画像データの解像度に応じた回転数)に達する時刻を検出し、その検出時刻を基準として用紙搬送手段(給紙手段)を駆動することにより、ファーストプリントを早めるようにしたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような静電写真プロセスによる画像形成装置では、プリント動作(画像形成動作)中は定着手段のヒートローラの表面温度(定着温度)が最適温度(プリント時制御温度)を保持するように温度制御を行なう必要があるが、プリント命令を受信した後、定着温度がプリント時制御温度に達するまでの時間は電源投入直後や動作直後等では異なるため、例えば以下の(1)〜(3)に示すような問題がある。
【0006】
(1)電源投入によりヒートローラ内のヒータへの通電を開始させ、その直後にプリント命令を受信してポリゴンモータを起動させると、定着温度がプリント時制御温度に達する前にポリゴンモータの回転数が定常回転数に達するが、その時点から定着温度がプリント時制御温度に達するまではポリゴンモータが空回りし続けることになるため、電力が無駄に消費され、ポリゴンモータの寿命も短くなる。
【0007】
(2)待機時には無駄な電力消費を避けるため、定着温度をプリント時制御温度より若干低い待機時制御温度になるように制御するが、プリント動作を行なった直後に再びプリント命令を受信してポリゴンモータを起動させるような場合は、ポリゴンモータの回転数が定常回転数に達する前に定着温度がプリンタ時制御温度に達する。そのため、その時点からポリゴンモータの回転数が定常回転数に達するまでは、定着温度がプリント時制御温度を維持するようにヒートローラ内のヒータへの通電が制御されるため、やはり電力が無駄に消費され、ヒータの寿命も短くなる。
【0009】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、画像形成装置において、プリント命令受信時の制御効率を高め、電力消費の節減及びポリゴンモータやヒートローラ内のヒータの高寿命化を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、画像データの解像度に応じた定常回転数でポリゴンモータを回転させることによりポリゴンミラーを回転させ、該ポリゴンミラーにより上記画像データに応じてオン・オフされるレーザ光を偏向走査することで感光体上に静電潜像を形成させるレーザ書込手段と、該手段によって感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成させる現像手段と、該手段によって感光体上に形成されたトナー画像を用紙上に転写する転写手段と、該手段によって用紙上に転写されたトナー画像を内部にヒータを有するヒートローラにより熱定着する定着手段とを備え、電源投入後ヒートローラの表面温度がプリント時制御温度よりも低い待機時制御温度にて待機状態となり、その後プリント命令受信により、ヒータへの通電をオンにして上記表面温度をプリント時制御温度に上昇させると共に、ポリゴンモータを起動し、上記表面温度がプリント時制御温度に達し、かつ、ポリゴンモータの回転数が定常回転数になることにより、プリント動作を可能にする画像形成装置において、以下の手段を設けたものである。
【0011】
すなわち、ヒートローラの表面の軸方向の中央部に接触又は近接させて第1の温度検出素子を、端部に接触又は近接させて第2の温度検出素子をそれぞれ配置し、その第1,第2の温度検出素子によってヒートローラの2箇所の温度検出を行ない、プリント命令受信時にその2箇所の検出温度によってポリゴンモータの起動タイミングを切り替えるプリント命令受信時処理手段を設け、プリント命令受信時処理手段を、第1,第2の温度検出素子による検出温度差と予め設定された判定値とを比較して、該検出温度差が該判定値より小さい時には、直ちにポリゴンモータを起動した後、その回転数が定常回転数に達するタイミングに合わせてヒートローラの表面温度の設定を待機時制御温度からプリント時制御温度に切り替え、第1,第2の温度検出素子による検出温度差が判定値以上ある時には、ヒートローラの表面温度の設定を待機時制御温度からプリント時制御温度に切り替えた後、第1,第2の温度検出素子による検出温度がプリント時制御温度に達するタイミングに合わせてポリゴンモータを起動する手段としたものである。
【0015】
この発明による画像形成装置では、ヒートローラの表面の軸方向の中央部と端部にそれぞれ接触又は近接させて配置された第1,第2の温度検出素子によってヒートローラの2箇所の温度検出を行ない、プリント命令受信時にその2箇所の検出温度によってポリゴンモータの起動タイミングを切り替える。
【0016】
すなわち、第1,第2の温度検出素子による検出温度差と予め設定された判定値とを比較して、該検出温度差が該判定値より小さい時、つまり電源が投入されてから比較的多くの時間が経過している時には、第1,第2の温度検出素子による検出温度を短時間でプリント時制御温度にすることができるため、直ちにポリゴンモータを起動した後、その回転数が定常回転数に達するタイミングに合わせてヒートローラの表面温度の設定を待機時制御温度からプリント時制御温度に切り替える。
【0017】
また、第1,第2の温度検出素子による検出温度差が上記判定値以上ある時、つまり電源が投入されてからあまり時間が経過していない時には、第1,第2の温度検出素子による検出温度を短時間でプリント時制御温度にすることができないため、ヒートローラの表面温度の設定を待機時制御温度からプリント時制御温度に切り替えた後、第1,第2の温度検出素子による検出温度がプリント時制御温度に達するタイミングに合わせてポリゴンモータを起動する。
【0018】
このように、プリント命令受信時のポリゴンモータの起動タイミングを第1,第2の温度検出素子による検出温度によって切り替え、その各検出温度がプリント時制御温度に達する頃にポリゴンモータの回転数が定常回転数に達するようにしたため、電力消費を節減でき、またポリゴンモータやヒートローラ内のヒータの寿命期間を延ばすことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明を実施したレーザプリンタの機構部の概略を示す構成図である。
【0024】
このレーザプリンタのプリンタ本体1は、感光体ドラム2上を画像データ(ビデオデータ)に応じて光学的に走査するレーザ書込ユニット(レーザ書込手段)3と、感光体ドラム2,帯電チャージャ(帯電手段)4,現像ユニット(現像手段)5,転写チャージャ(転写手段)6及びクリーニングユニット7等の画像形成プロセスを行なうプロセスユニットとを備えている。
【0025】
また、用紙を供給する給紙カセット(用紙収納部)8,9と、現像ユニット5で現像されて用紙上に転写されたトナー画像を加熱及び加圧して定着する定着ユニット(定着手段)10と、定着ユニット10で定着処理されて排紙路11を介して排紙される用紙を受ける排紙トレイ12,13と、プリンタコントローラ39,エンジンドライバ40の各ボードとを備えている。
【0026】
このレーザプリンタはまた、プリンタ本体1の他にオプションとして備えられた大量給紙ユニット(用紙収納部)14と、定着ユニット10で定着処理された片面に画像が形成された用紙を裏返して再度プロセスユニットに送り込んで両面に画像を形成するための反転ユニット15とを有し、プリンタ本体1は反転ユニット15上に載置され、また大量給紙ユニット14も反転ユニット15の側部に装着されている。
【0027】
そして、給紙カセット8,9及び大量給紙ユニット14には、それぞれ用紙を順次給紙するための給紙コロ(給紙手段)16,17,18を設け、またプロセスユニット内の感光体ドラム2の手前には、用紙と感光体ドラム2上のトナー画像との用紙送り方向の位置合わせ(縦レジスト調整)を行なうためのレジストローラ対19を設けている。
【0028】
このレーザプリンタは、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のホスト装置から送られてくる文字コード等のデータをプリンタコントローラ39によって画像データに変換して、エンジンドライバ40によってプリンタ本体1,大量給紙ユニット14及び反転ユニット15の各部を制御して用紙上に画像を形成するものである。
【0029】
つまり、プロセスユニット内の感光体ドラム2を図示しないメインモータによって矢示方向に回転させ、まず帯電チャージャ4からの放電によってその表面を一様に帯電した後、詳細は後述するレーザ書込ユニット3によって書き込み用の画像データに応じたレーザ光を照射して、書き込み画像に応じた静電潜像を形成し、現像ユニット5によってその静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する。
【0030】
一方、選択された用紙に対応する給紙カセット8,9及び大量給紙ユニット14の給紙コロ16,17,18のうちのいずれかを駆動して用紙を給紙し、この用紙の先端を図示しないレジストセンサで検知すると、この検知結果に基づいて用紙の先端をレジストローラ対19に押し当てて用紙のスキューを矯正し、駆動している給紙コロ16,17又は18を一時停止して用紙を待機させる。
【0031】
そして、所定のタイミングで再度一時停止している給紙コロ16,17又は18を駆動すると共にレジストローラ対19を駆動して、用紙をプロセスユニットの画像転写部に送り込み、この用紙を転写位置で感光体ドラム2に接触させてトナー画像に重ね合わせ、所定のタイミングで転写チャージャ6に所定の電圧を印加してトナーを用紙側に引き付け、感光体ドラム2上のトナー画像を用紙上に転写する。
【0032】
このように、給紙カセット8,9及び大量給紙ユニット14から給紙された用紙をレジストローラ対19で一時停止させた後、そのレジストローラ対19を再駆動して転写部に送り込むことによって、感光体ドラム2上のトナー画像と用紙との相対的な位置の内の用紙送り方向すなわち副走査方向の位置調整である縦レジスト調整を行なうことができる。
【0033】
したがって、縦レジスト調整は、例えば感光体ドラム2の回転に同期して出力されるパルスをカウントし、このカウント値が基準値に補正値を加算した値になったときにレジストローラ対19を駆動することによって行なうことができる。
【0034】
感光体ドラム2から分離した用紙は、プロセスユニットから定着ユニット10に送り込まれ、その定着ユニット10が内部にヒータを備えたヒートローラ10aと加圧ローラ10bとによって用紙及びトナー画像を加熱しながら加圧してトナー画像を用紙上に溶融定着する処理を施し、この定着処理した用紙は排紙路11を介して排紙トレイ12又は13に排紙され、あるいは反転ユニット15に送り込まれて再給紙される。
【0035】
また、転写工程を終了した感光体ドラム2は、クリーニングユニット7によって残留トナーが除去され、図示しない除電ランプの照射によって残留電荷が消去されて次の画像形成プロセスに備える。
【0036】
図3は、レーザ書込ユニット3の構成例を示す斜視図である。
このレーザ書込ユニット3において、レーザダイオード(LD)22より射出されたレーザ光は、コリメートレンズ23により平行光束とされ、次に形成するドット(画素密度)の大きさに応じたスリットを持つアパーチャ24により余分なレーザ光がカットされる。
【0037】
そのアパーチャ24により整形された平行光束は、シリンダレンズ25により主走査方向の画像形成用のレーザ光が感光体ドラム2上で所定の大きさになるように集光され、ポリゴンモータ26により回転されるポリゴンミラー27で主走査方向(感光体ドラム2の軸方向)Xに走査される。そして、一対のFθレンズ28により等角運動を等速運動にし、また像面湾曲を補正する。
【0038】
Fθレンズ28を通ったレーザ光は、反射ミラー29により角度を変えられ、シリンダレンズ30により副走査方向(感光体ドラム2の回転方向)Yの集光がなされ、感光体ドラム2上に所定ビーム径でスポット状に結像される。
【0039】
なお、感光体ドラム2上を走査する直前のレーザ光は、ミラー31及びシリンダレンズ32を介して光ファイバ33に入射された後、図2のエンジンドライバ40に備えられたフォトダイオード等の同期検知センサ(同期検知器)34で検知される。そして、エンジンドライバ40が同期検知センサ34からの検知信号を用い、1走査毎に画像形成用レーザ光の発光開始タイミングを制御する。
【0040】
図1は、このレーザプリンタにおける要部構成例を示す回路図である。
定着ユニット10は、発熱源となるハロゲンランプ(ヒータ)10cを内蔵するヒートローラ10aと用紙裏面から押し当てを行なう加圧ローラ10bとによって構成されている。
【0041】
ヒートローラ10aは構成上、その表面の軸方向の中央部が最高温になるため、図4に示すように、その部位に主たるサーミスタ41(第1の温度検出素子)を接触させて配置している。
また、ヒートローラ10a表面の最低温となりうる部位、つまりその軸方向の端部にサーミスタ42(第2の温度検出素子)を接触させて配置している。
なお、ヒートローラ10aの最高温となりうる部位と最低温となりうる部位にそれぞれサーミスタ41,42を近接させて配置するようにしてもよい。
【0042】
エンジンドライバ40は、A/Dコンバータ40aを備えたマイクロコンピュータを用いており、電源が投入された時にANDゲート45を介して交流電源(低圧電源)46へのヒータ制御信号をハイレベル“H”にし、交流電源46からヒートローラ10a内のハロゲンランプ10cへの通電をオンにした後、サーミスタ41,42を用いてヒートローラ10aの2箇所の温度を検出し、以下の制御を行なう。
【0043】
すなわち、電源投入によりハロゲンランプ10cへの通電がオン状態になると、ヒートローラ10a表面が軸方向の中央部から徐々に両端部に向けて加熱されていき、サーミスタ41,42による各検出温度が待機時制御温度に達した時に、交流電源46へのヒータ制御信号をローレベル“L”にしてハロゲンランプ10cへの通電をオフにする。
【0044】
その後、サーミスタ41による検出温度が待機時制御温度より小さくなった時に、交流電源46へのヒータ制御信号を再びハイレベル“H”にしてハロゲンランプ10cへの通電をオンにし、サーミスタ41による検出温度が待機時制御温度に達した時に、交流電源46へのヒータ制御信号を再びローレベル“L”にしてハロゲンランプ10cへの通電をオフにし、以後上述の制御を繰り返す。
【0045】
また、プリンタコントローラ39からプリント命令を受信した時には、ヒートローラ10aの表面温度(定着温度)の設定を待機時制御温度からそれより若干高いプリント時制御温度に切り替え(後述するタイミングで切り替える)、最初はサーミスタ41による検出温度がプリント時制御温度より小さいため、交流電源46へのヒータ制御信号をハイレベル“H”にしてハロゲンランプ10cへの通電をオンにし、サーミスタ41による検出温度がプリント時制御温度に達した時に、交流電源46へのヒータ制御信号を“L”にしてハロゲンランプ10cへの通電をオフにし、以後上述の制御を繰り返す。
【0046】
さらに、プリンタコントローラ39からプリント命令を受信した時に、サーミスタ41,42による検出温度によって図3に示したポリゴンモータ26の起動タイミングあるいは図2に示した給紙コロ16,17,又は18による給紙動作の開始タイミングを切り替える処理(後述する)も行なう。
さらにまた、プリンタコントローラ39からの画像データに応じてレーザダイオード22をオン・オフ発光させると共に、その画像データの解像度に応じた定常回転数でポリゴンモータ26を回転させる制御も行なう。
【0047】
ここで、サーミスタ41,42による温度検出は次のようにして行なう。すなわち、サーミスタ41と抵抗43による分圧値とサーミスタ42と抵抗44による分圧値をA/Dコンバータ40aによってデジタル値として読み込み、予め設定された特性表より換算してヒートローラ10aの2箇所の温度を求める。
【0048】
なお、コンパレータ47は、ヒートローラ10aの異常高温時に、交流電源46へのヒータ制御信号をカットするため、つまりそのヒータ制御信号を強制的にオフにしてヒートローラ10a内のハロゲンランプ10cへの通電をオフにするために使用する。
【0049】
図5は、エンジンドライバ40によるこの発明に係るプリント命令受信時の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この場合、エンジンドライバ40はプリント命令受信時処理手段としての機能を果たす。
【0050】
エンジンドライバ40は、待機時にはサーミスタ41による検出温度がプリント時制御温度Tpより若干低い待機時制御温度Twになるように、ヒートローラ10a内のハロゲンランプ10cへの通電を制御し、プリンタコントローラ39からプリント命令を受信した時に、図5に示すように、まずサーミスタ41による検出温度(ヒートローラ10aの中央部の温度)Taとサーミスタ42による検出温度(ヒートローラ10aの端部の温度)Tbを読み込む。
【0051】
そして、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差と予め設定された判定値ΔTsとを比較して、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差が判定値ΔTsより小さい時には、直ちにポリゴンモータ26を起動した後、その回転数が定常回転数(画像データの解像度に応じた回転数)に達するタイミングとサーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbがプリント時制御温度Tpに達するタイミングとが一致するように、定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替える時間(必要な待ち時間)を設定し、その設定時間を経過した時に定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替える。
【0052】
一方、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差が判定値ΔTs以上ある時には、定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替えた後、サーミスタ41による検出温度Taをモニタし、ポリゴンモータ26の回転数が定常回転数に達するタイミングとサーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbがプリント時制御温度Tpに達するタイミングとが一致するように、サーミスタ41による検出温度Ta(サーミスタ42による検出温度Tbでもよい)が必要な温度Tsに達した時にポリゴンモータ26を起動する。
【0053】
このように、エンジンドライバ40が、ヒートローラ10aの最高温となりうる部位と最低温となりうる部位にそれぞれ接触(又は近接)させて配置された各サーミスタ41,42によってヒートローラ10aの2箇所の温度検出を行ない、プリント命令受信時にその2箇所の検出温度によってポリゴンモータ26の起動タイミングを切り替えることにより、サーミスタ41,42による検出温度がプリント時制御温度に達するタイミングとポリゴンモータ26の回転数が定常回転数に達するタイミングとを一致させることができるため、電力消費を節減でき、またポリゴンモータ26やハロゲンランプ10cの寿命期間を延ばすことができる。
【0054】
図6は、エンジンドライバ40によるこの発明の参考となるプリント命令受信時の処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0055】
エンジンドライバ40は、待機時にはサーミスタ41による検出温度がプリント時制御温度Tpより若干低い待機時制御温度Twになるように、ヒートローラ10a内のハロゲンランプ10cへの通電を制御し、プリンタコントローラ39からプリント命令を受信した時に、図6に示すように、まずサーミスタ41による検出温度Taとサーミスタ42による検出温度Tbを読み込む。
【0056】
そして、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差と予め設定された判定値ΔTs1とを比較して、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差が判定値ΔTs1より小さい時には、直ちに給紙コロ16,17,又は18による給紙動作を開始(図示しない給紙モータを起動)した後、用紙の先端がレジストローラ対19(感光体ドラム2の直前の所定位置)に到達するタイミングとサーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbがプリント時制御温度Tpに達するタイミングとが一致するように、定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替える時間(必要な待ち時間)を設定し、その設定時間を経過した時に定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替える。
【0057】
一方、サーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbの差が判定値ΔTs1以上ある時には、定着温度の設定を待機時制御温度Twからプリント時制御温度Tpに切り替えた後、サーミスタ41による検出温度Taをモニタし、用紙の先端がレジストローラ対19に到達するタイミングとサーミスタ41,42による検出温度Ta,Tbがプリント時制御温度Tpに達するタイミングとが一致するように、サーミスタ41による検出温度Ta(サーミスタ42による検出温度Tbでもよい)が必要な温度Ts1に達した時に給紙動作を開始する。
【0058】
このように、エンジンドライバ40が、ヒートローラ10aの最高温となりうる部位と最低温となりうる部位にそれぞれ接触(又は近接)させて配置された各サーミスタ41,42によってヒートローラ10aの2箇所の温度検出を行ない、プリント命令受信時にその2箇所の検出温度によって給紙動作の開始タイミングを切り替えることにより、サーミスタ41,42による検出温度がプリント時制御温度に達するタイミングと用紙の先端がレジストローラ対19に到達するタイミングとを一致させることができるため、ファーストプリントにかかる時間を削減することができる。したがって、ファーストプリントを早め、ファーストプリントの定着性を確保することができる。
【0059】
以上、この発明をレーザプリンタに適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、LEDプリンタ,液晶シャッタプリンタ等の他の光プリンタには勿論、デジタル複写機,ファクシミリ装置,あるいはそれらを統合した複合機等の電子写真方式を用いた各種の画像形成装置に適用し得るものである。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、電力消費の節減及びポリゴンモータやヒートローラ内のヒータの高寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示したレーザプリンタにおける要部構成例を示す回路図である。
【図2】この発明を実施したレーザプリンタの機構部の概略を示す構成図である。
【図3】図2のレーザ書込ユニット3の構成例を示す斜視図である。
【図4】図1のヒートローラ10aとサーミスタ41,42との位置関係を示す図である。
【図5】図1のエンジンドライバ40によるこの発明に係るプリント命令受信時の処理ルーチンの一例を示すフロー図である。
【図6】同じくこの発明の参考となるプリント命令受信時の処理ルーチンの一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:レーザプリンタ本体 2:感光体ドラム
3:レーザ書込ユニット 8,9:給紙カセット
10:定着ユニット 10a:ヒートローラ
10c:ハロゲンランプ 16,17,18:給紙コロ
14:大量給紙ユニット 19:レジストローラ対
22:レーザダイオード 26:ポリゴンモータ
27:ポリゴンミラー 39:プリンタコントローラ
40:エンジンドライバ 41,42:サーミスタ
43,44:抵抗 45:ANDゲート
46:交流電源 47:コンパレータ
Claims (1)
- 画像データの解像度に応じた定常回転数でポリゴンモータを回転させることによりポリゴンミラーを回転させ、該ポリゴンミラーにより前記画像データに応じてオン・オフされるレーザ光を偏向走査することで感光体上に静電潜像を形成させるレーザ書込手段と、該手段によって前記感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成させる現像手段と、該手段によって前記感光体上に形成されたトナー画像を用紙上に転写する転写手段と、該手段によって前記用紙上に転写されたトナー画像を内部にヒータを有するヒートローラにより熱定着する定着手段とを備え、電源投入後前記ヒートローラの表面温度がプリント時制御温度よりも低い待機時制御温度にて待機状態となり、その後プリント命令受信により、前記ヒータへの通電をオンにして前記表面温度をプリント時制御温度に上昇させると共に、前記ポリゴンモータを起動し、前記表面温度が前記プリント時制御温度に達し、かつ、前記ポリゴンモータの回転数が前記定常回転数になることにより、プリント動作を可能にする画像形成装置において、
前記ヒートローラの表面の軸方向の中央部に接触又は近接させて第1の温度検出素子を、端部に接触又は近接させて第2の温度検出素子をそれぞれ配置し、その第1,第2の温度検出素子によって前記ヒートローラの2箇所の温度検出を行ない、プリント命令受信時にその2箇所の検出温度によって前記ポリゴンモータの起動タイミングを切り替えるプリント命令受信時処理手段を設け、
該プリント命令受信時処理手段が、前記第1,第2の温度検出素子による検出温度差と予め設定された判定値とを比較して、該検出温度差が該判定値より小さい時には、直ちに前記ポリゴンモータを起動した後、その回転数が前記定常回転数に達するタイミングに合わせて前記ヒートローラの表面温度の設定を前記待機時制御温度から前記プリント時制御温度に切り替え、前記第1,第2の温度検出素子による検出温度差が前記判定値以上ある時には、前記ヒートローラの表面温度の設定を前記待機時制御温度から前記プリント時制御温度に切り替えた後、前記第1,第2の温度検出素子による検出温度が前記プリント時制御温度に達するタイミングに合わせて前記ポリゴンモータを起動する手段であることを特徴とする画像形成装置。
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---|---|---|---|
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JP13502097A JP3571175B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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