JP3570655B2 - ゲル電解質およびリチウム電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池、電気二重層キャパシター、センサー、エレクトロクロミック表示素子、メモリー素子等の電気化学素子に用いられるゲル電解質、およびリチウム電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
シート状に加工が可能なゲル電解質を用いることにより、A4版、B5版などの大面積で、しかも薄形の電池、あるいは電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック素子などの電気化学デバイスを得ることができる。
このようなゲル電解質として、アルカリ金属塩を非プロトン性有機溶媒に溶解した有機電解液をポリアクリロニトリルでゲル化した電解質が提案されている。例えば、J.Electrochem.Soc.,Vol.137,1657−1658(1990)には、過塩素酸リチウムを溶解したプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒よりなる有機電解液をポリアクリロニトリルでゲル化し、シート状としたゲル電解質が報告されている。室温において10−3S/cmのイオン伝導度を示すことが述べられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のゲル電解質は、電池等の電気化学素子が使用される広範な温度域、例えばマイナス10℃からプラス60℃では、ゲル状態を保持することが困難であった。例えば、マイナス10℃では凍結したり、プラス60℃では軟化してシートの形状を保持できなかったり、あるいは低温から高温へまたは低温から高温への温度変化を繰り返し受けると、有機電解液が分離するという欠点があった。
本発明は、広範な温度域においても従来のような欠点のない、高温で軟化し難く、低温で凍結し難い、良好な有機電解液の保持性を有するゲル電解質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来の単一のポリアクリロニトリルに換えて、共重合成分および共重合比の少なくとも一方が異なる2種以上のアクリロニトリル共重合体を用いて有機電解液をゲル化するものである。
本発明者らが従来の欠点について鋭意検討したところ、同じ有機電解液を用いた場合、アクリロニトリル共重合体のアクリロニトリル単位以外の成分の共重合量が多いほど高温で軟化し易く、また有機電解液の保持力が高く、さらに低温での凍結が起こり難いことが判明した。本発明は、このような知見に基づいており、単一のポリアクリロニトリルでは困難である、高温で軟化し難く、低温で凍結し難い、良好な有機電解液の保持性を有するゲル電解質を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル電解質に用いるアクリロニトリル共重合体としては、アクリロニトリルモノマー、およびアクリロニトリルモノマーと共重合可能なモノマーからなるものなら何れも用いることができる。アクリロニトリルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン等を用いることができる。
本発明に従い、共重合成分の異なるアクリロニトリル共重合体を2種以上組み合わせて用いる場合、共重合成分としてアクリル酸メチルを含むアクリロニトリル共重合体と、共重合成分として酢酸ビニルを含むアクリロニトリル共重合体とを組み合わせて用いるのが好ましい。この組み合わせによると、ゲル化する有機電解液の種類が異なっても、二者の配合量を調節することによって、高温において軟化し難く、有機電解液の保持性が高く、かつ、低温で凍結し難いゲル電解質を与える。
【0006】
アクリロニトリルモノマー(AN)とビニルモノマー(VM)の共重合割合については、特に制限はないが、本発明者らが検討したところによると、ビニルモノマーの種類によらず、アクリロニトリルモノマーの割合が小さいほど有機電解液の保持性が高くなり、低温で凍結し難いゲル電解質を与えるが、室温において自己保持性で固形の形態を保つゲル電解質が得られ難くなる。アクリロニトリルモノマーとビニルモノマーの共重合モル比(AN/VM)は、99.5/0.05〜80/20の範囲が好ましい。特に、AN/VMが99.5/0.5〜97/3のアクリロニトリル共重合体と、AN/VMが93/7〜90/10のアクリロニトリル共重合体を組み合わせて用いることが好ましい。この範囲でAN/VMモル比の異なる任意のアクリロニトリル共重合体を2種以上組み合わせて用いることにより、ゲル化する有機電解液の種類が異なっても、AN/VM比の異なるアクリロニトリル共重合体の配合割合を変えることによって、高温において軟化し難く、凍結温度の低い、かつ有機電解液保持性の高いゲル電解質を得ることができる。
アクリロニトリル共重合体の平均分子量については、とくに制限はないが、10万〜100万の範囲が好ましい。
【0007】
有機電解液の溶媒は、エチレンカーボネートとその他の非プロトン性有機溶媒との混合溶媒が好ましく用いられる。その他の非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、スルホラン、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルカーボネート等がある。
特に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの組み合わせは、高温で軟化し難く、良好な自己形状保持性を有し、電解液の保持性が高いゲル電解質を与えるので好ましい。エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合割合は、エチレンカーボネートが25〜75モル%が好ましい。エチレンカーボネートの割合が25モル%未満になると、混合溶媒のアクリロニトリル共重合体の溶解性が急激に低下し、室温、低温、高温の何れにおいてもゲル状態を保持し難くなる。また、エチレンカーボネートの割合が75モル%を越えると、ゲル電解質の凍結温度が0℃以上となり、実用性の観点から好ましくない。プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートの割合には、特に制限はない。ジメチルカーボネートの量が多くなるほど、高温で軟化し難くなるが、凍結温度は高くなる。
【0008】
有機電解液に溶解して用いる塩としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、[(CF3)2CHOSO2]2NLi、LiI、NaBF4、(C2H5)4NBF4、安息香酸アンモニウム、あるいは酒石酸アンモニウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が用いられる。有機電解液中の塩濃度は0.5〜2Mが最も高いイオン伝導度が得られるので好ましい。特に、LiBF4あるいはLiPF6は難燃性のゲル電解質を提供するので、素子の安全性を高めるので特に好ましい。
また、本発明のゲル電解質には、上記成分のほかに、機械的強度をさらに高めるために、シルカゲル、アルミナゲル等の無機物質粉末を添加混合してもよいし、あるいは、LiI、β−Al2O3等の固体電解質粉末を添加混合してもよい。さらに、難燃性を高めるために、Sb2O5、ハロゲン化樹脂等の難燃剤を添加混合してもよい。また、本発明のゲル電解質をポリプロピレンあるいはフッ素樹脂からなる微多孔膜、ガラス繊維強化高密度紙、ポリエステルメッシュ等の電気絶縁性の支持体に含浸あるいは担持させもよい。
【0009】
本発明によれば、広範な温度域において従来のような欠点のない、高温で軟化し難く、低温で凍結し難い、良好な有機電解液の保持性を有するゲル電解質を得ることができる。また、本発明のゲル電解質を用いると、大きな出力電流を与えるリチウム電池を得ることができる。
なお、本発明のゲル電解質は、正極、負極と組み合わせて電池に用いる場合、正極と負極とを隔てるセパレータを兼ねた電解質として用いる他に、本発明のゲル電解質をLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、V2O5、V6O13、TiS2等の遷移金属カルコゲン化物、ポリアニリン等の導電性粉末や、有機硫黄化合物等よりなる正極材料粉末、またはリチウム合金や炭素等よりなる負極材料粉末と混合して用いてもよい。
【0010】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、以下で述べるアクリロニトリル共重合体の分子量とは、ポリスチレン換算の数平均分子量である。また、以下のゲル電解質の調製ならびに凍結温度、軟化変形温度の測定は、露点がマイナス80℃以下のアルゴンガス雰囲気中で行った。
【0011】
《実施例1》
アクリロニトリル(AN)と酢酸ビニル(VA)の共重合モル比(AN/VA)が97/3で分子量420,000のアクリロニトリル共重合体1VAHと、AN/VAが90/10で分子量390,000のアクリロニトリル共重合体1VALとを重量比6:4の割合で混合し、粉末PAN1を得た。PAN1、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、およびLiBF4を、PAN1:EC:DMC:LiBF4=16:50:25:9(モル%、PAN1の値はANのモル数で換算し算出した)の割合で混合した。この混合液体をステンレス鋼バットにキャストし、ステンレス鋼バットをガラス板で封止した。これを140℃のヒートプレート上で、乳白色の混合液体が透明になるまで数分間加熱し、室温で5時間放置後、マイナス20℃で17時間保持し、この後、室温に戻した。こうして、厚み約1.5mmのゲル電解質Aを得た。
【0012】
PAN1として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体1VAHのみを用いた他は同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質A’を得た。さらに、PAN1として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体1VALのみを用いた他は同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質A”を得た。
【0013】
得られたゲル電解質について、次のような熱機械分析(TMA)を行った。2×2cmの大きさに切り出したゲル電解質の小片を水平なガラス板の上に置き、マイナス50℃で冷却固化した。そして、厚み1mm、大きさ0.5×0.5cmのガラス板を前記ゲル電解質小片の中心部に置き、0.5℃/分の速度で150℃まで加熱した。この際、電解質の上部に配置したガラス板の上下方向の変位を光学的に温度変化と同期させて記録した。何れのゲル電解質についても、変位と温度とをプロットした線は二つの大きな変曲点を与えた。低温側の変曲点を、ゲル電解質の凍結温度(Tfrz)とし、高温側での変曲点をゲル電解質の軟化変形温度(Tsfn)とした。
結果をまとめて表1に示す。
【0014】
次に、上記で得られたゲル電解質について、次のような分極試験(CV)を行った。2×2cmの大きさに切り出したゲル電解質の小片を、厚み300ミクロン、大きさ2×2cmの二枚の金属リチウム箔で挟んだ。そして、上下の金属リチウム箔に幅3mm、長さ5cm、厚み30ミクロンのチタンリードを接続した。次いで、2枚のガラス板に挟み、ガラス板の両端をクリップでとめて分極試験用のLi/ゲル電解質/Liの構成のセルを組み立てた。このセルを、マイナス0.5Vからプラス0.5Vの範囲で電位掃引速度10mV/秒で50回繰り返して分極し、セルを流れる電解電流を測定した。50回目のマイナス0.5Vとプラス0.5Vの電流値の平均値(I(0.5) )の大きさにより金属リチウム負極の溶解析出反応に対するゲル電解質の分極性の程度を評価した。大きな分極電流値(I(0.5) )を与えるゲル電解質ほど分極性が優れている。結果をまとめて表1に示す。
また、ゲル電解質小片をガラスサンプル管に封入し、20℃で30日間保存した後の有機電解液の浸みだし・分離の有無を目視により観察した。結果をまとめて表1に示す。
【0015】
《実施例2》
DMCの代わりにプロピレンカーボネート(PC)を用いた以外は実施例1と同様にしてゲル電解質B、B’、およびB”を得た。実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表1にまとめて示す。
【0016】
【表1】
【0017】
《実施例3》
AN/VAが98/2で分子量520,000のアクリロニトリル共重合体2VAHと、アクリロニトリル(AN)とアクリル酸メチル(MA)の共重合モル比(AN/MA)が90/10で分子量388,000のアクリロニトリル共重合体1MALとを重量比8:2の割合で混合し、粉末PAN2を得た。PAN2、EC、DMC、およびLiBF4を、PAN2:EC:DMC:LiBF4=16:50:25:9(モル%、PAN1の値はANのモル数で換算し算出した)の割合で混合した。この混合液体をステンレス鋼バットにキャストし、ステンレス鋼バットをガラス板で封止した。これを140℃のヒートプレート上で、乳白色の混合液体が透明になるまで数分間加熱し、室温で5時間放置後、マイナス20℃で17時間保持し、この後室温に戻した。こうして、厚み約1.5mmのゲル電解質Cを得た。
【0018】
PAN2として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体2VAHのみを用いた他は同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質C’を得た。さらに、PAN2として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体1MALのみを用いた他は同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質C”を得た。
【0019】
実施例1と同様の方法を用いて、これらのゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表2に示す。
【0020】
《実施例4》
DMCの代わりにPCを用いた以外は実施例1と同様にしてゲル電解質D、D’、およびD”を得た。実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
《実施例5》
AN/MAが98/2で分子量560,000のアクリロニトリル共重合体1MAHと、AN/VAが92/8で分子量730,000のアクリロニトリル共重合体2VALとを重量比7:3の割合で混合し、粉末PAN3を得た。PAN3、EC、PC、DMC、LiBF4を、PAN3:EC:PC:DMC:LiBF4=16:35:25:15:9(モル%)の割合で混合した。この混合液体をステンレス鋼バットにキャストし、ステンレス鋼バットをガラス板で封止した。これを140℃のヒートプレート上で、乳白色の混合液体が透明になるまで数分間加熱し、室温で5時間放置後、マイナス20℃で17時間保持し、この後室温に戻した。こうして、厚み約1.5mmのゲル電解質Eを得た。
【0023】
PAN3として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体1MAHのみを用いた他は前記と同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質E’を得た。さらに、PAN3として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体1VALのみを用いた他は前記と同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質E”を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表3に示す。
【0024】
《実施例6》
AN/MAが97/3で分子量620,000のアクリロニトリル共重合体2MAHと、AN/MAが91/9で分子量460,000のアクリロニトリル共重合体2MALとを重量比8:2の割合で混合し、粉末PAN4を得た。PAN4、EC、PC、DMC、およびLiBF4を、PAN3:EC:PC:DMC:LiBF4=16:50:20:5:9(モル%)の割合で混合した。この混合液体をステンレス鋼バットにキャストし、ステンレス鋼バットをガラス板で封止した。これを140℃のヒートプレート上で、乳白色の混合液体が透明になるまで数分間加熱し、室温で5時間放置後、マイナス20℃で17時間保持し、この後室温に戻した。こうして、厚み約1.5mmのゲル電解質Fを得た。
【0025】
PAN4として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体2MAHのみを用いた他は前記と同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質F’を得た。さらに、PAN4として混合粉末に換えてアクリロニトリル共重合体2MALのみを用いた他は同様にして厚み約1.5mmのゲル電解質F”を得た。
実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
《実施例7》
LiBF4に換えてLiPF6とLiBF4とのモル比20/80の混合物を塩として用いた以外は実施例6と同様にしてゲル電解質G、G’、およびG”を得た。実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表4に示す。
【0028】
《実施例8》
LiBF4に換えてLiPF6を用いた以外は実施例6と同様にしてゲル電解質H、H’、およびH”を得た。実施例1と同様の方法を用いて、これらゲル電解質の凍結温度、軟化変形温度、分極電流値、有機電解液の浸みだし・分離の有無を測定した。結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
また、上記で用いたアクリロニトリル共重合体、その共重合モル比、および分子量をまとめて表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、広範な温度域において従来のような欠点のない、高温で軟化し難く、低温で凍結し難い、良好な有機電解液の保持性を有するゲル電解質を得ることができる。また、本発明のゲル電解質を用いると、大きな出力電流を与えるリチウム電池を得ることができる。
Claims (6)
- 共重合成分および共重合比の少なくとも一方が異なる2種以上のアクリロニトリル共重合体と有機電解液より構成されることを特徴とするゲル電解質。
- 共重合成分が酢酸ビニルおよびアクリル酸メチルからなる群より選ばれるビニルモノマーである請求項1記載のゲル電解質。
- アクリルモノマーとビニルモノマーとの共重合モル比(AN/VM)が99.5/0.5〜97/3の範囲にある少なくとも1種のアクリロニトリル共重合体と、AN/VMモル比が93/7〜90/10の範囲にある少なくとも1種のアクリロニトリル共重合体とを含む請求項1または2記載のゲル電解質。
- 有機電解液の有機溶媒が、プロピレンカーボネートおよびジメチルカーボネートの少なくとも一方とエチレンカーボネートを含有する請求項1記載のゲル電解質。
- 有機電解液の塩が、LiBF4およびLiPF6から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩を含有する請求項1記載のゲル電解質。
- リチウムを活物質とする負極、正極、および請求項1〜5のいずれかに記載のゲル電解質を具備するリチウム電池。
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