JP3570559B2 - 磁気記録装置及び磁気再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術(図8及び図9)
発明が解決しようとする課題(図8及び図9)
課題を解決するための手段(図2、図5及び図7)
作用(図2、図5及び図7)
実施例
(1)実施例の全体構成(図1)
(2)回転ドラムの構成(図2及び図3)
(2−1)ノーマルモードの処理(図1〜図5)
(2−2)倍速モードの処理(図1〜図3、図6及び図7)
(2−3)可変速再生モードの処理(図1〜図3、図6、図7及び図9)
(3)実施例の効果
(4)他の実施例
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は磁気記録装置及び磁気再生装置に関し、例えばデイジタルビデオ信号を記録再生するビデオテープレコーダに適用し得る。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種のデイジタルビデオ信号を記録再生するビデオテープレコーダは、セグメント記録の手法を適用して1フレーム分のデイジタルビデオ信号を複数対の記録トラツクに割り当てて記録するようになされている。
【0004】
すなわち図8に示すように、この種のビデオテープレコーダは、回転ドラム1に180 度の角間隔で1対の記録再生ヘツド2A及び2Bを搭載し、この回転ドラムを所定の回転速度で回転駆動する。
さらにこのビデオテープレコーダは、この回転ドラムに180 度の巻き付け角度で磁気テープを巻き付け、この磁気テープを所定の走行速度で走行させる。
これにより図9に示すように、ビデオテープレコーダは、磁気テープ3に記録再生ヘツド2A及び2Bで順次正及び負のアジマス角の記録トラツクを形成する。
【0005】
このときビデオテープレコーダは、この回転ドラム1の回転速度を毎秒150 回転の回転速度に設定し、これにより1フレームのデイジタルビデオ信号を10トラツク(トラツク番号0〜9で表す)に割り当てて記録する。
これによりビデオテープレコーダは、再生時、この連続する10トラツクから得られる再生信号を処理して1フレーム分の映像信号を再生し得るようになされている。
【0006】
さらにこの種のビデオテープレコーダにおいて、回転ドラム1は、それぞれ記録再生ヘツド2A及び2Bの先行側に、記録再生ヘツド2A及び2Bの走査軌跡を走査するフライングイレーズヘツド4A及び4Bを配置し、これによりこのフライングイレーズヘツド4A及び4Bで記録再生ヘツド2A及び2Bが走査する記録トラツクを予め消去し得るようになされている。
これによりこの種のビデオテープレコーダは、この消去後の領域に記録再生ヘツド2A及び2Bで記録トラツクを形成してインサート編集等の処理を実行し得るようになされている。
【0007】
さらにこのビデオテープレコーダにおいて、回転ドラム1は、この記録再生ヘツド2A及び2Bの後行側に、記録再生ヘツド2A及び2Bの走査軌跡を走査するダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを配置する。
ここでダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bは、印加電圧に応じて回転ドラム1の回転軸方向にヘツド取り付け位置が変位するように形成され、これによりビデオテープレコーダは、可変速再生時、記録再生ヘツド2A及び2Bの出力信号に代えてこのダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bの出力信号を処理してデイジタルビデオ信号を再生し得るようになされている。
【0008】
すなわち2倍速でデイジタルビデオ信号を再生する場合、ビデオテープレコーダは、始めに第1のダイナミツクトラツキングヘツド5Aで対応する記録トラツク(トラツク番号0)を走査した後、続いて第2のダイナミツクトラツキングヘツド5Bで続く記録トラツク(トラツク番号1)を走査する。
このときビデオテープレコーダは、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bが対応する記録トラツクをジヤストトラツキングして走査し得るように、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを変位させる。
【0009】
これによりビデオテープレコーダは、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを変位させてトラツク番号0〜9の記録トラツクについてデイジタルビデオ信号を再生すると、1フレーム分飛ばしてトラツク番号0〜9の記録トラツクを再生するようになされ、これによりフレーム単位で磁気テープを走査して2倍速のデイジタルビデオ信号を再生し得るようになされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのようにしてダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを駆動して可変速再生する場合、ビデオテープレコーダは、トラツク番号9の記録トラツクを再生するとき、ダイナミツクトラツキングヘツド5Bの変位が最も大きくなる。
この場合ビデオテープレコーダは、ほぼ10トラツク分ダイナミツクトラツキングヘツド5Bを変位させる必要があり、例えばトラツクピツチを10〔μm〕と仮定すると約100 〔μm〕もダイナミツクトラツキングヘツド5Bを変位させる必要がある。
【0011】
これに対してダイナミツクトラツキングヘツドは、磁気テープに対する当たりを変化させることなく変位を大きくするためには、ダイナミツクトラツキングヘツドを可動するバイモルフの長さを長く形成する必要があり、その分このダイナミツクトラツキングヘツドを搭載する回転ドラムの直径が大きくなることを避け得ず、結局ビデオテープレコーダの全体形状が大型化する問題があつた。
【0012】
さらにこの種のビデオテープレコーダにおいて、倍速ダビングすることができれば、使い勝手を向上し得ると考えられるが、従来の回転ドラムの構成では、回転ドラムの回転速度及び磁気テープの走行速度を通常の2倍の速度に設定する必要があり、結局モータ、モータ駆動系等の周波数特性の制限から倍速ダビングし得ない問題があつた。
【0013】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、小型の回転ドラムで可変速再生し得、また倍速ダビングすることができる磁気記録装置及び磁気再生装置を提案しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに記録トラツク(0、1、2、3、……)を形成して所望の情報信号を記録する磁気記録装置11、12において、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、回転ドラム18を回転速度で駆動して磁気テープ3を走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する走査軌跡に対して、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの走査軌跡が一致するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを同時並列的に駆動して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した記録トラツク(0、1、2、3、……)を回転ドラム18の回転周期で順次形成する。但し、ここでnは2以上の整数でなる。
【0015】
さらに第2の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、回転ドラム18を回転速度で駆動して磁気テープ3を走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する記録トラツク(0、1、2、3、……)を、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが走査するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの出力信号を同時並列的に処理して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した複数対の記録トラツク(0、1、2、3、……)から情報信号を再生する。但し、ここでnは2以上の整数でなる。
【0016】
さらに第3の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録され((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)、磁気再生装置11、12は、所定の段差を設けて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを共通のヘツドベース19に保持し、回転ドラム18の回転軸方向に変位し得るようにヘツドベース19を回転ドラム18に保持し、第1の磁気ヘツド21Aから得られるパイロツト信号の再生信号に基づいて、ヘツドベース19を可動して第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bをトラツキング制御する。
【0017】
さらに第4の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が記録トラツクに順次循環して記録され(f0、f1、f0、f2、……)、磁気再生装置11、12は、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、可変速時、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bから得られるパイロツト信号の再生信号に基づいて、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを駆動してトラツキング制御する。
【0018】
さらに第5の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録され((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)、磁気再生装置11、12は、同一の記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査する複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)を配置し、複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)から得られる再生信号の比較結果を得、該比較結果に基づいて、再生信号を選択出力する。
【0019】
【作用】
回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、磁気テープ3を1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する走査軌跡に対して走査軌跡が一致するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを同時並列的に駆動して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した記録トラツク(0、1、2、3、……)を回転ドラム18の回転周期で順次形成すれば、1/nの走行速度で記録トラツクを形成する場合に比してn倍速で順次記録トラツクを形成することができる。
【0020】
さらに回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、磁気テープ3を1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの出力信号を同時並列的に処理して情報信号を再生すれば、1/nの走行速度で磁気テープを再生する場合に比してn倍速で磁気テープを再生することができ、又選択的に再生信号を出力してダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの変位を小さくして可変速再生し得る。
【0021】
さらに所定の段差を設けて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを共通のヘツドベース19に保持し、回転ドラム18の回転軸方向に変位し得るようにヘツドベース19を回転ドラム18に保持し、第1の磁気ヘツド21Aから、4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録された3種のパイロツト信号((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)の再生信号を得、この再生信号に基づいて、ヘツドベース19を可動して第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bをトラツキング制御すれば、当該3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)によつて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを確実にトラツキング制御することができる。
【0022】
さらに互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、可変速時、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bから、記録トラツクに順次循環して記録された3種のパイロツト信号(f0、f1、f0、f2、……)の再生信号を得、この再生信号に基づいて、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを駆動してトラツキング制御すれば、可変速再生時のトラツキング精度を向上し得る。
【0023】
さらに同一の記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査する複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)を配置し、複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)から、4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録された3種のパイロツト信号((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)の再生信号を得、この再生信号の比較結果に基づいて、再生信号を選択出力すれば、エラー数の少ない再生信号を選択出力し得、ドロツプアウト等の影響を低減し得る。
【0024】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0025】
(1)実施例の全体構成
図1において、10は全体として本発明によるテープトランスポート11及び12を適用した映像信号処理装置を示し、テープトランスポート11及び12でデイジタルビデオ信号を記録再生する。
【0026】
ここで映像信号処理装置10において、操作部13は、映像信号処理装置10のマンマシンインターフエースを形成し、テープトランスポート11及び12の動作を切り換える再生、記録、停止、イジエクト等の操作子、可変速再生のためのジヨグシヤトルコントローラ等を配置する。
なおこの実施例において、操作部13は、この映像信号処理装置10に別途接続するテープトランスポート、ハードデイスク、半導体メモリ等を制御する操作子等も併せて配置するようになされている。
【0027】
これに対してシステムコントローラ14は、操作部13の操作に応動して制御信号を生成し、この制御信号をテープトランスポート11及び12の制御部11A及び12A等に送出し、これにより映像信号処理装置10全体の動作を制御する。
すなわちシステムコントローラ14は、ノーマル再生の動作モードが選択された場合、テープトランスポート11又は12をノーマル再生の動作モードに設定し、これによりテープトランスポート11又は12に装填された磁気テープ3を再生する。
【0028】
さらにこのときシステムコントローラ14は、再生信号処理部15の動作を切り換え、テープトランスポート11又は12で再生したデイジタルビデオ信号を再生信号処理部15で復調してモニタ装置16に出力し、またユーザの操作に応動してこの再生したデイジタルビデオ信号をハードデイスク装置、半導体メモリ等の記録媒体に出力する。
このとき映像信号処理装置10においては、ユーザの操作に応動して再生信号処理部15でこの再生したデイジタルビデオ信号を間引きして出力し、これによりこのデイジタルビデオ信号のデータ量を低減してハードデイスク等に出力する。
【0029】
これに対してユーザが記録モードを選択すると、システムコントローラ14は、記録信号処理部17の動作を切り換え、所定の映像機器から出力される映像信号をデイジタルビデオ信号に変換した後、記録信号に変換してテープトランスポート11又は12に出力する。
これにより映像信号処理装置10は、必要に応じてテープトランスポート11又は12でデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようになされている。
【0030】
これに対してユーザがテープトランスポート11又は12を選択して編集モードを選択した場合、システムコントローラ14は、テープトランスポート11及び12の一方を再生モードに設定し、残りを記録モードに設定する。
同時にシステムコントローラ14は、再生信号処理部15及び記録信号処理部17の動作を切り換え、これによりテープトランスポート11又は12で再生したデイジタルビデオ信号をテープトランスポート12又は11で記録する。
【0031】
このときユーザが倍速ダビングの動作モードを選択すると、システムコントローラ14は、テープトランスポート11及び12の動作モードを倍速の動作モードに切り換え、これによりデイジタルビデオ信号を倍速でダビングし得るようにする。
なおこの実施例においては、テープトランスポート11及び12を再生モードに設定した場合、ジヨグシヤトルコントローラの操作に応動して可変速再生し得るようになされ、また再生モード及び記録モードで倍速の動作モードに切り換えて通常の2倍のデータ転送速度で所望の映像機器との間でデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようになされている。
【0032】
(2)回転ドラムの構成
このようにして通常の記録再生動作、可変速の動作モードに加えて倍速の動作モードでデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようにするため、テープトランスポート11及び12は、図8との対応部分に同一符号を付して図2に示すように回転ドラム18を形成する。
【0033】
すなわち回転ドラム18は、隣接する記録トラツクを走査するようにそれぞれ1対の記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bをそれぞれヘツドベースに搭載した後、バイモルフ19及び20に搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成するようになされ、これにより図3に示すように、回転ドラムを通常の回転速度で回転駆動して磁気テープを通常の2倍の走行速度で走行させた場合でも、順次連続する記録トラツクを記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで漏れなく走査し得るようになされている。
【0034】
(2−1)ノーマルモードの処理
すなわち通常の走行速度で磁気テープ3を記録するノーマル記録の場合、制御部11A及び12Aは、記録信号処理部17から出力される記録信号で記録再生ヘツド2A、2Bを駆動し、これにより記録再生ヘツド2A、2Bで順次交互に記録トラツクを形成する。
このとき制御部11A及び12Aは、回転ドラム18を毎秒150 回転の回転速度で回転駆動し、これにより1フレームのデイジタルビデオ信号を10トラツクに割り当てて記録する。
【0035】
このとき記録信号処理部17は、周波数f0、f1、f0、f2、f0、f1、……の順序で記録トラツク単位で周波数を切り換えてパイロツト信号を生成し、このパイロツト信号を記録信号に重畳して出力し、これにより再生時、テープトランスポート11及び12は、このパイロツト信号を基準にしてトラツキング制御し得るようになされている。
【0036】
これに対してノーマル再生時、テープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド2A、2Bの再生信号に加えて記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bの再生信号を再生信号処理部15に出力し、ここで信号処理してデイジタルビデオ信号を再生する。
すなわちこの種の磁気記録再生装置においては、磁気ヘツド及び磁気テープ間にごみ等が巻き込まれることにより、瞬間的に、再生信号の信号レベルが劣化する場合がある(すなわちドロツプアウトでなる)。
このような信号レベルの劣化は、偶発的なもので、続く再生動作のときには発生しない場合がある。
【0037】
これに対してこの実施例のように回転ドラム18に3組の磁気ヘツド2A、2B、21A、21B、22A、22Bを配置すれば、3系統の再生信号を得ることができ、これにより1つの再生信号にドロツプアウトが発生した場合でも、何れかの再生信号においては、ドロツプアウトの発生しない再生信号を得ることができる。
これによりこのノーマルモードの再生処理において、再生信号処理部15は、この3系統の再生信号を入力し、順次比較結果を得、これにより最もエラー数の少ない再生信号を選択的に処理する。
【0038】
すなわちこの実施例において、記録信号処理部17は、デイジタルビデオ信号を所定のブロツク単位でインタリーブ処理し、さらに誤り訂正符号を付加して記録するようになされ、これにより図4に示すように、テープトランスポート11及び12は、それぞれ1つの記録トラツクをn個の領域に分割してデイジタルビデオ信号を記録し得るようになされ、また再生信号処理部15は、各領域毎に再生データを誤り訂正処理し得るようになされている。
このデイジタルビデオ信号を再生する際、再生信号処理部15は、図5に示すようにこの3系統の再生信号を処理する。
【0039】
すなわち再生信号処理部15は、テープ、ヘツド系(この実施例の場合磁気テープ3、磁気ヘツド2A、2B、21A〜22A等でなる)から出力される3系統の再生信号S1〜S3について、ステツプSP1、ステツプSP2、ステツプSP3において、それぞれこの3系統の再生信号S1〜S3を1トラツク分取り込んだ後、再生データを復調して誤り訂正処理し、この再生データを上述のn個の領域に対応するように、n個のブロツクに分割してそれぞれ内蔵のメモリに格納する。
【0040】
続いて再生信号処理部15は、ステツプSP4に移り、処理対象のブロツクを表すカウンタのカウント値iをクリヤし、続くステツプSP5でこのカウント値iをインクリメントする。さらに再生信号処理部15は、続いてステツプSP6でこのカウンタのカウント値iが最終ブロツクを指定する値n以下か否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステツプSP7に移る。
ここで再生信号処理部15は、誤り訂正処理結果に基づいて、このi番目のブロツクについて、3系統の再生信号から最もエラー数の少ない再生データを選択し、ステツプSP8において選択した再生データを所定のメモリに格納してステツプSP5に戻る。
【0041】
これにより再生信号処理部15は、ステツプSP5−SP6−SP7−SP8−SP6の処理手順を繰り返して、各ブロツク毎に最もエラー数の少ない再生データを選択的にメモリに格納し、最終ブロツクまで選択処理を完了すると、ステツプSP6において否定結果が得られることにより、ステツプSP9に移る。
これにより再生信号処理部15は、このメモリに選択的に格納した再生データをモニタ装置16、さらにはデイスク装置等の記憶装置に出力し、続くステツプSP10で処理対象を続く記録トラツクの再生信号に切り換える。
【0042】
これにより偶発的に再生信号の信号レベルが劣化した場合でも、再生したデイジタルビデオ信号の劣化を有効に回避することができる。
【0043】
(2−2)倍速モードの処理
これに対して倍速モードで記録再生する場合、テープトランスポート11及び12は、2組の磁気ヘツド21A〜22Bを用いてデイジタルビデオ信号を記録再生する。
【0044】
この倍速モードにおいて、制御部11A及び12Aは、ノーマルモードの場合と同一の回転速度で回転ドラム18を回転駆動するのに対し、磁気テープ3の走行速度をノーマルモードの場合の2倍に設定する。
これによりテープトランスポート11及び12は、再生時、順次連続する記録トラツクを記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで漏れなく走査し得るようにし、さらに記録時、記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで連続する記録トラツクを順次形成し得るようにする。
【0045】
すなわち記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bは、回転ドラム18の半回転で始めに記録再生ヘツド21A、21Bがそれぞれトラツク番号0及び1の記録トラツクを形成した後、続く回転ドラム18の半回転で記録再生ヘツド22A、22Bがそれぞれトラツク番号2及び3の記録トラツクを形成する。
【0046】
かくしてこの実施例においてテープトランスポート11及び12は、ノーマルモードで1組の磁気ヘツドを用いて記録トラツクを形成するのに対し、倍速モードにおいて、2組の磁気ヘツドを用いてノーマルモードの2倍の走行速度で走行する磁気テープに記録トラツクを形成することにより、回転ドラム18の回転周期でノーマルモードの2倍の記録トラツクを形成し得るようになれ、これによりノーマルモードの場合と同様のトラツクピツチで記録トラツクを形成し得るようになされている。
【0047】
この記録トラツク形成周期に対応して記録時、記録信号処理部17は、ノーマルモードの2倍の転送速度でデイジタルビデオ信号を入力し、このデイジタルビデオ信号を記録信号に変換する。
このとき記録信号処理部17は、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bがそれぞれ同時に磁気テープ3を走査することにより、この記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bの走査に対応するように、2系統の記録信号を生成し、この2系統の記録信号で記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bを駆動する。
【0048】
これによりテープトランスポート11及び12は、この記録信号で記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bを駆動する駆動回路、回転ドラムを駆動するドラムモータ等をノーマルモードとほぼ同一の周波数帯域で動作し得るように保持し、その分全体構成を簡略化し得るようになされている。
【0049】
さらに記録信号処理部17は、このようにして生成する2系統の記録信号に、ノーマルモードの場合と互換性を維持し得るようにパイロツト信号を重畳し、これによりテープトランスポート11及び12は、順次記録トラツクを形成するようになされている。
【0050】
ところでこのように回転ドラムの回転速度をノーマルモードと同一に保持し、磁気テープの走行速度をノーマルモードの2倍に設定すれば、各磁気ヘツドが磁気テープ上に形成する走査軌跡の傾き(すなわちヘツドトレース角度でなる)がノーマルモードと倍速モードとで変化することになる。
これを放置したのでは、倍速モードで記録した磁気テープをノーマルモードで再生し得なくなる。
【0051】
このためこの実施例において制御部11A及び12Aは、倍速モードの記録時、メモリに格納した基準データに基づいてバイモルフ19及び20を駆動するようになされ、これにより記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bの高さを補正して、順次形成する記録トラツクをノーマルモードのヘツドトレース角度に保持する。
ちなみにこの場合、各記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bは、それぞれ最大1トラツクピツチ分だけ変位して記録トラツクを形成することになる。
【0052】
これに対して倍速モードの再生時、テープトランスポート11及び12は、偶数番号の記録トラツクを基準にしてATFトラツキング制御する。
すなわちこの再生モードにおいても、制御部11A及び12Aは、記録時と同一の条件で回転ドラム18を回転駆動し、さらに磁気テープ3を走行させる。
【0053】
この状態で制御部11A及び12Aは、記録再生ヘツド21A、22Aから出力される再生信号をATFトラツキング制御回路に出力し、ここでこの再生信号に含まれるパイロツト信号を分離する。
すなわち3つの周波数をこのように順次切り換えてパイロツト信号を生成する場合、偶数番号(トラツク番号0、2、4、……)の記録トラツクにおいては、先行及び後行側の記録トラツクにそれぞれ周波数f1及びf2のパイロツト信号、又は周波数f2及びf1のパイロツト信号が記録されていることにより、この周波数の違いを検出してオフトラツクの方向を検出することができ、またトラツキングエラー量も検出することができる。
【0054】
すなわち図6に示すように、隣接する記録トラツクから混入するパイロツト信号の信号レベルを検出し、このとき周波数f1のパイロツト信号の方が信号レベルが大きい場合、磁気ヘツド21A又は22Aは、後行側にオフセツトしていると判断することができ、この場合先行側にヘツド高さを補正してジヤストトラツキングし得る。
これとは逆に周波数f2のパイロツト信号の方が信号レベルが大きい場合、磁気ヘツド21A又は22Aは、先行側にオフセツトしていると判断することができ、この場合後行側にヘツド高さを補正してジヤストトラツキングし得る。
【0055】
ところが奇数番号(トラツク番号1、3、5、……)の記録トラツクにおいては、先行及び後行側の記録トラツクに同一の周波数f0のパイロツト信号が記録されていることにより、オフトラツクの方向を検出し得ない特徴がある。
これによりこの実施例においては、同一のヘツドベースに記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bをそれぞれ保持し、一方の記録再生ヘツド21A、22Aを基準にしてトラツキング制御することにより、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bをジヤストトラツキングの状態に保持する。
【0056】
すなわち図7に示すようにテープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bから得られる再生信号SPBを所定の増幅回路で増幅した後、記録再生ヘツド21A及び22Aの再生信号SPBからパイロツト信号SPを抽出する。
さらにテープトランスポート11及び12は、それぞれ各周波数f0、f1、f2のパイロツト信号SPについて、信号レベルを検出した後、ステツプSP15に移り、制御部11A及び12Aで周波数f1及びf2のパイロツト信号SPの信号レベルを比較する。
【0057】
これにより制御部11A及び12Aは、オフトラツクの方向を検出した後、検出結果に基づいてステツプSP16又はステツプSP17に移り、トラツキング制御の方向を設定した後、ステツプSP18に移る。
ここで制御部11A及び12Aは、各パイロツト信号の信号レベル検出結果に基づいてトラツキングエラー量を検出し、この検出結果に基づいてヘツド高さ駆動部を駆動することにより、バイモルフ19及び20を駆動し、これによりATFトラツキング制御の手法を適用してトラツキング制御する。
【0058】
かくしてこのように1組の磁気ヘツドを1つのヘツドベースに保持し、一方の磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報を基準にしてヘツドベースを駆動することにより、他方の磁気ヘツドでトラツキングエラー情報を検出し得ない場合でも、確実にトラツキング制御することができる。
さらに倍速再生モード以外のノーマル再生モード、可変速再生モードに適用しても、1組の磁気ヘツドを確実にトラツキング制御することができる。
【0059】
かくしてこの倍速再生モードにおいて、再生信号処理部15は、この1組の磁気ヘツドから同時並列的に得られる再生信号を順次処理し、通常の2倍の転送速度のデイジタルビデオ信号を生成して出力する。
これにより映像信号処理装置10は、テープトランスポート11及び12をそれぞれ倍速モードの記録再生モードに設定して、通常の2倍の速度でデイジタルビデオ信号をダビングすることができる。
【0060】
(2−3)可変速再生モードの処理
これに対して可変速再生モードにおいて、テープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド21A、21B、22A及び22Bから得られる再生信号SPBを選択的に処理して出力する。
すなわち例えば2倍速でデイジタルビデオ信号を再生する場合、テープトランスポート11及び12は、倍速モードの場合と同様に回転ドラム18の回転速度及び磁気テープ3の走行速度を設定する。
【0061】
これによりテープトランスポート11及び12は、順次磁気テープ3上に形成した記録トラツクを漏れなく再生する。
再生信号処理部15は、この再生した再生信号のうち、1フレームを形成する10トラツク分の再生信号を選択的に取り込んでデイジタルビデオ信号に変換し、通常の転送速度で出力する。
【0062】
さらに再生信号処理部15は、この10トラツク分の再生信号を取り込む際、磁気テープの走行速度に応じて1フレーム単位で間欠的に取り込むようになされ(すなわち2倍速においては、1フレーム間隔で取り込むことになる)、これにより再生速度に応じてフレーム落とししたデイジタルビデオ信号を生成する。
このときテープトランスポート11及び12は、例えば2倍速において、最大1トラツク分記録再生ヘツド21A、21B、22A及び22Bを変位させるだけで磁気テープ3上に形成した記録トラツクを漏れなく再生することができることにより、バイモルフ19、20の変位量を小さく設定して可変速再生することができる。
【0063】
従つてその分、テープトランスポート11及び12は、回転ドラム18の形状を小型化して形成し得、全体形状を小型化することができる。
【0064】
さらにこの可変速再生において、磁気ヘツド21A、22Aから得られるトラツキングエラー情報を基準にして磁気ヘツド21A〜22Bをトラツキング制御することにより、従来に比して可変速再生におけるトラツキング精度を格段的に向上することができる。
すなわち可変速再生における従来のトラツキング制御においては、磁気テープの速度情報を基準にして駆動信号を生成し、この駆動信号に応じてダイナミツクトラツキングヘツドを駆動するようになされており、実際上、記録トラツクが蛇行して形成されているように場合は、正確にジヤストトラツキングし得ない欠点があつた。
【0065】
ところがこの実施例のように可変速再生時においても磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御すれば、このような蛇行して形成された記録トラツクに対しても確実にジヤストトラツキングし得、その分トラツキング精度を向上することができる。
【0066】
(3)実施例の効果
以上の構成において、回転ドラムに2組のダイナミツクトラツキングヘツドを配置し、この2組のダイナミツクトラツキングヘツドから出力される再生信号を同時並列的に処理することにより、さらにこの2組のダイナミツクトラツキングヘツドを同時並列的に駆動することにより、磁気テープの走行速度をノーマルモードの2倍の走行速度に設定して、倍速で記録再生することができ、これにより倍速ダビングすることができる。
【0067】
またこの2組のダイナミツクトラツキングヘツドから出力される再生信号を同時並列的に処理した後、選択的に出力することにより、ダイナミツクトラツキングヘツドを最大1トラツクだけ変位させて2倍速で再生し得、これにより回転ドラムの形状を小型化して可変再生することができ、さらにこのとき磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御することにより、可変速再生時のトラツキング精度を向上することができる。
【0068】
また1つのヘツドベースに1組の磁気ヘツドを搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成することにより、1方の磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてバイモルフを駆動することにより、確実にトラツキング制御することができる。
【0069】
(4)他の実施例
なお上述の実施例においては、2組のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに搭載する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて2組以上のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに搭載するようにしてもよい。
【0070】
さらに上述の実施例においては、2組のダイナミツクトラツキングヘツドと通常の記録再生ヘツドを回転ドラムに配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、通常の記録再生ヘツドを省略するようにしてもよい。
【0071】
さらに上述の実施例においては、1つのヘツドベースに1組の磁気ヘツドを搭載する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば4つの周波数を切り換えてパイロツト信号を形成する場合等においては、磁気ヘツドを個別にヘツドベースに搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成してもよく、この場合個々の磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御すればよい。
【0072】
さらに上述の実施例においては、バイモルフでダイナミツクトラツキングヘツドを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ボイスコイルで高さを可変し得るようにしてダイナミツクトラツキングヘツドを形成してもよい。
【0073】
さらに上述の実施例においては、デイジタルビデオ信号を記録再生するテープトランスポートに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アナログ信号の形式で順次1対の記録トラツクに映像信号をフイールド単位で割り当てて記録する場合、さらには映像信号に限らず、オーデイオデータ、コンピユータのデータ等を記録再生する場合に広く適用することができる。
【0074】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに配置し、このダイナミツクトラツキングヘツドを同時並列的に駆動し、さらにこのダイナミツクトラツキングヘツドの出力信号を同時並列的に処理することにより、簡易な構成で倍速等の速度でダビングすることができる磁気記録装置及び磁気再生装置を得ることができる。
【0075】
さらにダイナミツクトラツキングヘツドの出力信号を選択的に処理して出力することによりダイナミツクトラツキングヘツドの変位を小さくし得、小型の回転ドラムで可変速再生し得える磁気再生装置を得ることができる。
【0076】
さらに所定の段差を設けて共通のヘツドベースを介して第1及び第2の磁気ヘツドを回転ドラムに変位し得るように保持することにより、第1の磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいて、第1及び第2の磁気ヘツドをトラツキング制御することができ、また可変速時、ダイナミツクトラツキングヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいて、ダイナミツクトラツキングヘツドを駆動してトラツキング制御することにより、トラツキング精度を向上することができる磁気再生装置を得ることができる。
【0077】
さらに同一の記録トラツクを走査する複数の磁気ヘツドを配置し、複数の磁気ヘツドから得られる再生信号を選択出力することにより、エラー数の少ない再生信号を選択出力し得、ドロツプアウト等の影響を低減し得る磁気再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による映像信号処理装置を示すブロツク図である。
【図2】その磁気ヘツドの配置を示す平面図である。
【図3】その磁気ヘツドの走査の説明に供する略線図である。
【図4】記録トラツクの分割の説明に供する略線図である。
【図5】再生信号の処理の説明に供するフローチヤートである。
【図6】トラツキング制御の説明に供する略線図である。
【図7】その動作の説明に供するフローチヤートである。
【図8】従来のテープレコーダの回転ドラムを示す平面図である。
【図9】その磁気ヘツドの走査の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1、18……回転ドラム、2A、2B、4A、4B、5A、5B、21A、21B、22A、22B……磁気ヘツド、11、12……テープトランスポート、11A、12A……制御部、14……システムコントローラ。
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術(図8及び図9)
発明が解決しようとする課題(図8及び図9)
課題を解決するための手段(図2、図5及び図7)
作用(図2、図5及び図7)
実施例
(1)実施例の全体構成(図1)
(2)回転ドラムの構成(図2及び図3)
(2−1)ノーマルモードの処理(図1〜図5)
(2−2)倍速モードの処理(図1〜図3、図6及び図7)
(2−3)可変速再生モードの処理(図1〜図3、図6、図7及び図9)
(3)実施例の効果
(4)他の実施例
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は磁気記録装置及び磁気再生装置に関し、例えばデイジタルビデオ信号を記録再生するビデオテープレコーダに適用し得る。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種のデイジタルビデオ信号を記録再生するビデオテープレコーダは、セグメント記録の手法を適用して1フレーム分のデイジタルビデオ信号を複数対の記録トラツクに割り当てて記録するようになされている。
【0004】
すなわち図8に示すように、この種のビデオテープレコーダは、回転ドラム1に180 度の角間隔で1対の記録再生ヘツド2A及び2Bを搭載し、この回転ドラムを所定の回転速度で回転駆動する。
さらにこのビデオテープレコーダは、この回転ドラムに180 度の巻き付け角度で磁気テープを巻き付け、この磁気テープを所定の走行速度で走行させる。
これにより図9に示すように、ビデオテープレコーダは、磁気テープ3に記録再生ヘツド2A及び2Bで順次正及び負のアジマス角の記録トラツクを形成する。
【0005】
このときビデオテープレコーダは、この回転ドラム1の回転速度を毎秒150 回転の回転速度に設定し、これにより1フレームのデイジタルビデオ信号を10トラツク(トラツク番号0〜9で表す)に割り当てて記録する。
これによりビデオテープレコーダは、再生時、この連続する10トラツクから得られる再生信号を処理して1フレーム分の映像信号を再生し得るようになされている。
【0006】
さらにこの種のビデオテープレコーダにおいて、回転ドラム1は、それぞれ記録再生ヘツド2A及び2Bの先行側に、記録再生ヘツド2A及び2Bの走査軌跡を走査するフライングイレーズヘツド4A及び4Bを配置し、これによりこのフライングイレーズヘツド4A及び4Bで記録再生ヘツド2A及び2Bが走査する記録トラツクを予め消去し得るようになされている。
これによりこの種のビデオテープレコーダは、この消去後の領域に記録再生ヘツド2A及び2Bで記録トラツクを形成してインサート編集等の処理を実行し得るようになされている。
【0007】
さらにこのビデオテープレコーダにおいて、回転ドラム1は、この記録再生ヘツド2A及び2Bの後行側に、記録再生ヘツド2A及び2Bの走査軌跡を走査するダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを配置する。
ここでダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bは、印加電圧に応じて回転ドラム1の回転軸方向にヘツド取り付け位置が変位するように形成され、これによりビデオテープレコーダは、可変速再生時、記録再生ヘツド2A及び2Bの出力信号に代えてこのダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bの出力信号を処理してデイジタルビデオ信号を再生し得るようになされている。
【0008】
すなわち2倍速でデイジタルビデオ信号を再生する場合、ビデオテープレコーダは、始めに第1のダイナミツクトラツキングヘツド5Aで対応する記録トラツク(トラツク番号0)を走査した後、続いて第2のダイナミツクトラツキングヘツド5Bで続く記録トラツク(トラツク番号1)を走査する。
このときビデオテープレコーダは、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bが対応する記録トラツクをジヤストトラツキングして走査し得るように、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを変位させる。
【0009】
これによりビデオテープレコーダは、第1及び第2のダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを変位させてトラツク番号0〜9の記録トラツクについてデイジタルビデオ信号を再生すると、1フレーム分飛ばしてトラツク番号0〜9の記録トラツクを再生するようになされ、これによりフレーム単位で磁気テープを走査して2倍速のデイジタルビデオ信号を再生し得るようになされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのようにしてダイナミツクトラツキングヘツド5A及び5Bを駆動して可変速再生する場合、ビデオテープレコーダは、トラツク番号9の記録トラツクを再生するとき、ダイナミツクトラツキングヘツド5Bの変位が最も大きくなる。
この場合ビデオテープレコーダは、ほぼ10トラツク分ダイナミツクトラツキングヘツド5Bを変位させる必要があり、例えばトラツクピツチを10〔μm〕と仮定すると約100 〔μm〕もダイナミツクトラツキングヘツド5Bを変位させる必要がある。
【0011】
これに対してダイナミツクトラツキングヘツドは、磁気テープに対する当たりを変化させることなく変位を大きくするためには、ダイナミツクトラツキングヘツドを可動するバイモルフの長さを長く形成する必要があり、その分このダイナミツクトラツキングヘツドを搭載する回転ドラムの直径が大きくなることを避け得ず、結局ビデオテープレコーダの全体形状が大型化する問題があつた。
【0012】
さらにこの種のビデオテープレコーダにおいて、倍速ダビングすることができれば、使い勝手を向上し得ると考えられるが、従来の回転ドラムの構成では、回転ドラムの回転速度及び磁気テープの走行速度を通常の2倍の速度に設定する必要があり、結局モータ、モータ駆動系等の周波数特性の制限から倍速ダビングし得ない問題があつた。
【0013】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、小型の回転ドラムで可変速再生し得、また倍速ダビングすることができる磁気記録装置及び磁気再生装置を提案しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに記録トラツク(0、1、2、3、……)を形成して所望の情報信号を記録する磁気記録装置11、12において、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、回転ドラム18を回転速度で駆動して磁気テープ3を走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する走査軌跡に対して、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの走査軌跡が一致するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを同時並列的に駆動して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した記録トラツク(0、1、2、3、……)を回転ドラム18の回転周期で順次形成する。但し、ここでnは2以上の整数でなる。
【0015】
さらに第2の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、回転ドラム18を回転速度で駆動して磁気テープ3を走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する記録トラツク(0、1、2、3、……)を、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが走査するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの出力信号を同時並列的に処理して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した複数対の記録トラツク(0、1、2、3、……)から情報信号を再生する。但し、ここでnは2以上の整数でなる。
【0016】
さらに第3の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録され((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)、磁気再生装置11、12は、所定の段差を設けて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを共通のヘツドベース19に保持し、回転ドラム18の回転軸方向に変位し得るようにヘツドベース19を回転ドラム18に保持し、第1の磁気ヘツド21Aから得られるパイロツト信号の再生信号に基づいて、ヘツドベース19を可動して第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bをトラツキング制御する。
【0017】
さらに第4の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が記録トラツクに順次循環して記録され(f0、f1、f0、f2、……)、磁気再生装置11、12は、互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、可変速時、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bから得られるパイロツト信号の再生信号に基づいて、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを駆動してトラツキング制御する。
【0018】
さらに第5の発明においては、所定の回転速度で回転する回転ドラム18に磁気テープ3を巻き付け、磁気テープ3を所定の走行速度で走行させることにより、磁気テープ3に順次斜めに形成した記録トラツク(0、1、2、3、……)から所定の情報信号を再生する磁気再生装置11、12において、トラツキング制御用の3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)が4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録され((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)、磁気再生装置11、12は、同一の記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査する複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)を配置し、複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)から得られる再生信号の比較結果を得、該比較結果に基づいて、再生信号を選択出力する。
【0019】
【作用】
回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、磁気テープ3を1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する走査軌跡に対して走査軌跡が一致するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを同時並列的に駆動して複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bに対応した記録トラツク(0、1、2、3、……)を回転ドラム18の回転周期で順次形成すれば、1/nの走行速度で記録トラツクを形成する場合に比してn倍速で順次記録トラツクを形成することができる。
【0020】
さらに回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、磁気テープ3を1/nの走行速度で走行させた際に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bが形成する記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査するように、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを可動し、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの出力信号を同時並列的に処理して情報信号を再生すれば、1/nの走行速度で磁気テープを再生する場合に比してn倍速で磁気テープを再生することができ、又選択的に再生信号を出力してダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bの変位を小さくして可変速再生し得る。
【0021】
さらに所定の段差を設けて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを共通のヘツドベース19に保持し、回転ドラム18の回転軸方向に変位し得るようにヘツドベース19を回転ドラム18に保持し、第1の磁気ヘツド21Aから、4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録された3種のパイロツト信号((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)の再生信号を得、この再生信号に基づいて、ヘツドベース19を可動して第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bをトラツキング制御すれば、当該3種のパイロツト信号(f0、f1、f2)によつて第1及び第2の磁気ヘツド21A及び21Bを確実にトラツキング制御することができる。
【0022】
さらに互いに異なる走査軌跡を形成するように、回転ドラム18に複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを配置し、可変速時、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bから、記録トラツクに順次循環して記録された3種のパイロツト信号(f0、f1、f0、f2、……)の再生信号を得、この再生信号に基づいて、複数対のダイナミツクトラツキングヘツド21A、21B、22A、22Bを駆動してトラツキング制御すれば、可変速再生時のトラツキング精度を向上し得る。
【0023】
さらに同一の記録トラツク(0、1、2、3、……)を走査する複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)を配置し、複数の磁気ヘツド(2A、21A、22A)、(2B、21B、22B)から、4つの記録トラツクを単位として順次循環して記録された3種のパイロツト信号((f0、f1、f0、f2)、(f0、f1、f0、f2)、……)の再生信号を得、この再生信号の比較結果に基づいて、再生信号を選択出力すれば、エラー数の少ない再生信号を選択出力し得、ドロツプアウト等の影響を低減し得る。
【0024】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0025】
(1)実施例の全体構成
図1において、10は全体として本発明によるテープトランスポート11及び12を適用した映像信号処理装置を示し、テープトランスポート11及び12でデイジタルビデオ信号を記録再生する。
【0026】
ここで映像信号処理装置10において、操作部13は、映像信号処理装置10のマンマシンインターフエースを形成し、テープトランスポート11及び12の動作を切り換える再生、記録、停止、イジエクト等の操作子、可変速再生のためのジヨグシヤトルコントローラ等を配置する。
なおこの実施例において、操作部13は、この映像信号処理装置10に別途接続するテープトランスポート、ハードデイスク、半導体メモリ等を制御する操作子等も併せて配置するようになされている。
【0027】
これに対してシステムコントローラ14は、操作部13の操作に応動して制御信号を生成し、この制御信号をテープトランスポート11及び12の制御部11A及び12A等に送出し、これにより映像信号処理装置10全体の動作を制御する。
すなわちシステムコントローラ14は、ノーマル再生の動作モードが選択された場合、テープトランスポート11又は12をノーマル再生の動作モードに設定し、これによりテープトランスポート11又は12に装填された磁気テープ3を再生する。
【0028】
さらにこのときシステムコントローラ14は、再生信号処理部15の動作を切り換え、テープトランスポート11又は12で再生したデイジタルビデオ信号を再生信号処理部15で復調してモニタ装置16に出力し、またユーザの操作に応動してこの再生したデイジタルビデオ信号をハードデイスク装置、半導体メモリ等の記録媒体に出力する。
このとき映像信号処理装置10においては、ユーザの操作に応動して再生信号処理部15でこの再生したデイジタルビデオ信号を間引きして出力し、これによりこのデイジタルビデオ信号のデータ量を低減してハードデイスク等に出力する。
【0029】
これに対してユーザが記録モードを選択すると、システムコントローラ14は、記録信号処理部17の動作を切り換え、所定の映像機器から出力される映像信号をデイジタルビデオ信号に変換した後、記録信号に変換してテープトランスポート11又は12に出力する。
これにより映像信号処理装置10は、必要に応じてテープトランスポート11又は12でデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようになされている。
【0030】
これに対してユーザがテープトランスポート11又は12を選択して編集モードを選択した場合、システムコントローラ14は、テープトランスポート11及び12の一方を再生モードに設定し、残りを記録モードに設定する。
同時にシステムコントローラ14は、再生信号処理部15及び記録信号処理部17の動作を切り換え、これによりテープトランスポート11又は12で再生したデイジタルビデオ信号をテープトランスポート12又は11で記録する。
【0031】
このときユーザが倍速ダビングの動作モードを選択すると、システムコントローラ14は、テープトランスポート11及び12の動作モードを倍速の動作モードに切り換え、これによりデイジタルビデオ信号を倍速でダビングし得るようにする。
なおこの実施例においては、テープトランスポート11及び12を再生モードに設定した場合、ジヨグシヤトルコントローラの操作に応動して可変速再生し得るようになされ、また再生モード及び記録モードで倍速の動作モードに切り換えて通常の2倍のデータ転送速度で所望の映像機器との間でデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようになされている。
【0032】
(2)回転ドラムの構成
このようにして通常の記録再生動作、可変速の動作モードに加えて倍速の動作モードでデイジタルビデオ信号を記録再生し得るようにするため、テープトランスポート11及び12は、図8との対応部分に同一符号を付して図2に示すように回転ドラム18を形成する。
【0033】
すなわち回転ドラム18は、隣接する記録トラツクを走査するようにそれぞれ1対の記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bをそれぞれヘツドベースに搭載した後、バイモルフ19及び20に搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成するようになされ、これにより図3に示すように、回転ドラムを通常の回転速度で回転駆動して磁気テープを通常の2倍の走行速度で走行させた場合でも、順次連続する記録トラツクを記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで漏れなく走査し得るようになされている。
【0034】
(2−1)ノーマルモードの処理
すなわち通常の走行速度で磁気テープ3を記録するノーマル記録の場合、制御部11A及び12Aは、記録信号処理部17から出力される記録信号で記録再生ヘツド2A、2Bを駆動し、これにより記録再生ヘツド2A、2Bで順次交互に記録トラツクを形成する。
このとき制御部11A及び12Aは、回転ドラム18を毎秒150 回転の回転速度で回転駆動し、これにより1フレームのデイジタルビデオ信号を10トラツクに割り当てて記録する。
【0035】
このとき記録信号処理部17は、周波数f0、f1、f0、f2、f0、f1、……の順序で記録トラツク単位で周波数を切り換えてパイロツト信号を生成し、このパイロツト信号を記録信号に重畳して出力し、これにより再生時、テープトランスポート11及び12は、このパイロツト信号を基準にしてトラツキング制御し得るようになされている。
【0036】
これに対してノーマル再生時、テープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド2A、2Bの再生信号に加えて記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bの再生信号を再生信号処理部15に出力し、ここで信号処理してデイジタルビデオ信号を再生する。
すなわちこの種の磁気記録再生装置においては、磁気ヘツド及び磁気テープ間にごみ等が巻き込まれることにより、瞬間的に、再生信号の信号レベルが劣化する場合がある(すなわちドロツプアウトでなる)。
このような信号レベルの劣化は、偶発的なもので、続く再生動作のときには発生しない場合がある。
【0037】
これに対してこの実施例のように回転ドラム18に3組の磁気ヘツド2A、2B、21A、21B、22A、22Bを配置すれば、3系統の再生信号を得ることができ、これにより1つの再生信号にドロツプアウトが発生した場合でも、何れかの再生信号においては、ドロツプアウトの発生しない再生信号を得ることができる。
これによりこのノーマルモードの再生処理において、再生信号処理部15は、この3系統の再生信号を入力し、順次比較結果を得、これにより最もエラー数の少ない再生信号を選択的に処理する。
【0038】
すなわちこの実施例において、記録信号処理部17は、デイジタルビデオ信号を所定のブロツク単位でインタリーブ処理し、さらに誤り訂正符号を付加して記録するようになされ、これにより図4に示すように、テープトランスポート11及び12は、それぞれ1つの記録トラツクをn個の領域に分割してデイジタルビデオ信号を記録し得るようになされ、また再生信号処理部15は、各領域毎に再生データを誤り訂正処理し得るようになされている。
このデイジタルビデオ信号を再生する際、再生信号処理部15は、図5に示すようにこの3系統の再生信号を処理する。
【0039】
すなわち再生信号処理部15は、テープ、ヘツド系(この実施例の場合磁気テープ3、磁気ヘツド2A、2B、21A〜22A等でなる)から出力される3系統の再生信号S1〜S3について、ステツプSP1、ステツプSP2、ステツプSP3において、それぞれこの3系統の再生信号S1〜S3を1トラツク分取り込んだ後、再生データを復調して誤り訂正処理し、この再生データを上述のn個の領域に対応するように、n個のブロツクに分割してそれぞれ内蔵のメモリに格納する。
【0040】
続いて再生信号処理部15は、ステツプSP4に移り、処理対象のブロツクを表すカウンタのカウント値iをクリヤし、続くステツプSP5でこのカウント値iをインクリメントする。さらに再生信号処理部15は、続いてステツプSP6でこのカウンタのカウント値iが最終ブロツクを指定する値n以下か否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステツプSP7に移る。
ここで再生信号処理部15は、誤り訂正処理結果に基づいて、このi番目のブロツクについて、3系統の再生信号から最もエラー数の少ない再生データを選択し、ステツプSP8において選択した再生データを所定のメモリに格納してステツプSP5に戻る。
【0041】
これにより再生信号処理部15は、ステツプSP5−SP6−SP7−SP8−SP6の処理手順を繰り返して、各ブロツク毎に最もエラー数の少ない再生データを選択的にメモリに格納し、最終ブロツクまで選択処理を完了すると、ステツプSP6において否定結果が得られることにより、ステツプSP9に移る。
これにより再生信号処理部15は、このメモリに選択的に格納した再生データをモニタ装置16、さらにはデイスク装置等の記憶装置に出力し、続くステツプSP10で処理対象を続く記録トラツクの再生信号に切り換える。
【0042】
これにより偶発的に再生信号の信号レベルが劣化した場合でも、再生したデイジタルビデオ信号の劣化を有効に回避することができる。
【0043】
(2−2)倍速モードの処理
これに対して倍速モードで記録再生する場合、テープトランスポート11及び12は、2組の磁気ヘツド21A〜22Bを用いてデイジタルビデオ信号を記録再生する。
【0044】
この倍速モードにおいて、制御部11A及び12Aは、ノーマルモードの場合と同一の回転速度で回転ドラム18を回転駆動するのに対し、磁気テープ3の走行速度をノーマルモードの場合の2倍に設定する。
これによりテープトランスポート11及び12は、再生時、順次連続する記録トラツクを記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで漏れなく走査し得るようにし、さらに記録時、記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bで連続する記録トラツクを順次形成し得るようにする。
【0045】
すなわち記録再生ヘツド21A、21B及び22A、22Bは、回転ドラム18の半回転で始めに記録再生ヘツド21A、21Bがそれぞれトラツク番号0及び1の記録トラツクを形成した後、続く回転ドラム18の半回転で記録再生ヘツド22A、22Bがそれぞれトラツク番号2及び3の記録トラツクを形成する。
【0046】
かくしてこの実施例においてテープトランスポート11及び12は、ノーマルモードで1組の磁気ヘツドを用いて記録トラツクを形成するのに対し、倍速モードにおいて、2組の磁気ヘツドを用いてノーマルモードの2倍の走行速度で走行する磁気テープに記録トラツクを形成することにより、回転ドラム18の回転周期でノーマルモードの2倍の記録トラツクを形成し得るようになれ、これによりノーマルモードの場合と同様のトラツクピツチで記録トラツクを形成し得るようになされている。
【0047】
この記録トラツク形成周期に対応して記録時、記録信号処理部17は、ノーマルモードの2倍の転送速度でデイジタルビデオ信号を入力し、このデイジタルビデオ信号を記録信号に変換する。
このとき記録信号処理部17は、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bがそれぞれ同時に磁気テープ3を走査することにより、この記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bの走査に対応するように、2系統の記録信号を生成し、この2系統の記録信号で記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bを駆動する。
【0048】
これによりテープトランスポート11及び12は、この記録信号で記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bを駆動する駆動回路、回転ドラムを駆動するドラムモータ等をノーマルモードとほぼ同一の周波数帯域で動作し得るように保持し、その分全体構成を簡略化し得るようになされている。
【0049】
さらに記録信号処理部17は、このようにして生成する2系統の記録信号に、ノーマルモードの場合と互換性を維持し得るようにパイロツト信号を重畳し、これによりテープトランスポート11及び12は、順次記録トラツクを形成するようになされている。
【0050】
ところでこのように回転ドラムの回転速度をノーマルモードと同一に保持し、磁気テープの走行速度をノーマルモードの2倍に設定すれば、各磁気ヘツドが磁気テープ上に形成する走査軌跡の傾き(すなわちヘツドトレース角度でなる)がノーマルモードと倍速モードとで変化することになる。
これを放置したのでは、倍速モードで記録した磁気テープをノーマルモードで再生し得なくなる。
【0051】
このためこの実施例において制御部11A及び12Aは、倍速モードの記録時、メモリに格納した基準データに基づいてバイモルフ19及び20を駆動するようになされ、これにより記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bの高さを補正して、順次形成する記録トラツクをノーマルモードのヘツドトレース角度に保持する。
ちなみにこの場合、各記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bは、それぞれ最大1トラツクピツチ分だけ変位して記録トラツクを形成することになる。
【0052】
これに対して倍速モードの再生時、テープトランスポート11及び12は、偶数番号の記録トラツクを基準にしてATFトラツキング制御する。
すなわちこの再生モードにおいても、制御部11A及び12Aは、記録時と同一の条件で回転ドラム18を回転駆動し、さらに磁気テープ3を走行させる。
【0053】
この状態で制御部11A及び12Aは、記録再生ヘツド21A、22Aから出力される再生信号をATFトラツキング制御回路に出力し、ここでこの再生信号に含まれるパイロツト信号を分離する。
すなわち3つの周波数をこのように順次切り換えてパイロツト信号を生成する場合、偶数番号(トラツク番号0、2、4、……)の記録トラツクにおいては、先行及び後行側の記録トラツクにそれぞれ周波数f1及びf2のパイロツト信号、又は周波数f2及びf1のパイロツト信号が記録されていることにより、この周波数の違いを検出してオフトラツクの方向を検出することができ、またトラツキングエラー量も検出することができる。
【0054】
すなわち図6に示すように、隣接する記録トラツクから混入するパイロツト信号の信号レベルを検出し、このとき周波数f1のパイロツト信号の方が信号レベルが大きい場合、磁気ヘツド21A又は22Aは、後行側にオフセツトしていると判断することができ、この場合先行側にヘツド高さを補正してジヤストトラツキングし得る。
これとは逆に周波数f2のパイロツト信号の方が信号レベルが大きい場合、磁気ヘツド21A又は22Aは、先行側にオフセツトしていると判断することができ、この場合後行側にヘツド高さを補正してジヤストトラツキングし得る。
【0055】
ところが奇数番号(トラツク番号1、3、5、……)の記録トラツクにおいては、先行及び後行側の記録トラツクに同一の周波数f0のパイロツト信号が記録されていることにより、オフトラツクの方向を検出し得ない特徴がある。
これによりこの実施例においては、同一のヘツドベースに記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bをそれぞれ保持し、一方の記録再生ヘツド21A、22Aを基準にしてトラツキング制御することにより、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bをジヤストトラツキングの状態に保持する。
【0056】
すなわち図7に示すようにテープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド21A及び21B、記録再生ヘツド22A及び22Bから得られる再生信号SPBを所定の増幅回路で増幅した後、記録再生ヘツド21A及び22Aの再生信号SPBからパイロツト信号SPを抽出する。
さらにテープトランスポート11及び12は、それぞれ各周波数f0、f1、f2のパイロツト信号SPについて、信号レベルを検出した後、ステツプSP15に移り、制御部11A及び12Aで周波数f1及びf2のパイロツト信号SPの信号レベルを比較する。
【0057】
これにより制御部11A及び12Aは、オフトラツクの方向を検出した後、検出結果に基づいてステツプSP16又はステツプSP17に移り、トラツキング制御の方向を設定した後、ステツプSP18に移る。
ここで制御部11A及び12Aは、各パイロツト信号の信号レベル検出結果に基づいてトラツキングエラー量を検出し、この検出結果に基づいてヘツド高さ駆動部を駆動することにより、バイモルフ19及び20を駆動し、これによりATFトラツキング制御の手法を適用してトラツキング制御する。
【0058】
かくしてこのように1組の磁気ヘツドを1つのヘツドベースに保持し、一方の磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報を基準にしてヘツドベースを駆動することにより、他方の磁気ヘツドでトラツキングエラー情報を検出し得ない場合でも、確実にトラツキング制御することができる。
さらに倍速再生モード以外のノーマル再生モード、可変速再生モードに適用しても、1組の磁気ヘツドを確実にトラツキング制御することができる。
【0059】
かくしてこの倍速再生モードにおいて、再生信号処理部15は、この1組の磁気ヘツドから同時並列的に得られる再生信号を順次処理し、通常の2倍の転送速度のデイジタルビデオ信号を生成して出力する。
これにより映像信号処理装置10は、テープトランスポート11及び12をそれぞれ倍速モードの記録再生モードに設定して、通常の2倍の速度でデイジタルビデオ信号をダビングすることができる。
【0060】
(2−3)可変速再生モードの処理
これに対して可変速再生モードにおいて、テープトランスポート11及び12は、記録再生ヘツド21A、21B、22A及び22Bから得られる再生信号SPBを選択的に処理して出力する。
すなわち例えば2倍速でデイジタルビデオ信号を再生する場合、テープトランスポート11及び12は、倍速モードの場合と同様に回転ドラム18の回転速度及び磁気テープ3の走行速度を設定する。
【0061】
これによりテープトランスポート11及び12は、順次磁気テープ3上に形成した記録トラツクを漏れなく再生する。
再生信号処理部15は、この再生した再生信号のうち、1フレームを形成する10トラツク分の再生信号を選択的に取り込んでデイジタルビデオ信号に変換し、通常の転送速度で出力する。
【0062】
さらに再生信号処理部15は、この10トラツク分の再生信号を取り込む際、磁気テープの走行速度に応じて1フレーム単位で間欠的に取り込むようになされ(すなわち2倍速においては、1フレーム間隔で取り込むことになる)、これにより再生速度に応じてフレーム落とししたデイジタルビデオ信号を生成する。
このときテープトランスポート11及び12は、例えば2倍速において、最大1トラツク分記録再生ヘツド21A、21B、22A及び22Bを変位させるだけで磁気テープ3上に形成した記録トラツクを漏れなく再生することができることにより、バイモルフ19、20の変位量を小さく設定して可変速再生することができる。
【0063】
従つてその分、テープトランスポート11及び12は、回転ドラム18の形状を小型化して形成し得、全体形状を小型化することができる。
【0064】
さらにこの可変速再生において、磁気ヘツド21A、22Aから得られるトラツキングエラー情報を基準にして磁気ヘツド21A〜22Bをトラツキング制御することにより、従来に比して可変速再生におけるトラツキング精度を格段的に向上することができる。
すなわち可変速再生における従来のトラツキング制御においては、磁気テープの速度情報を基準にして駆動信号を生成し、この駆動信号に応じてダイナミツクトラツキングヘツドを駆動するようになされており、実際上、記録トラツクが蛇行して形成されているように場合は、正確にジヤストトラツキングし得ない欠点があつた。
【0065】
ところがこの実施例のように可変速再生時においても磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御すれば、このような蛇行して形成された記録トラツクに対しても確実にジヤストトラツキングし得、その分トラツキング精度を向上することができる。
【0066】
(3)実施例の効果
以上の構成において、回転ドラムに2組のダイナミツクトラツキングヘツドを配置し、この2組のダイナミツクトラツキングヘツドから出力される再生信号を同時並列的に処理することにより、さらにこの2組のダイナミツクトラツキングヘツドを同時並列的に駆動することにより、磁気テープの走行速度をノーマルモードの2倍の走行速度に設定して、倍速で記録再生することができ、これにより倍速ダビングすることができる。
【0067】
またこの2組のダイナミツクトラツキングヘツドから出力される再生信号を同時並列的に処理した後、選択的に出力することにより、ダイナミツクトラツキングヘツドを最大1トラツクだけ変位させて2倍速で再生し得、これにより回転ドラムの形状を小型化して可変再生することができ、さらにこのとき磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御することにより、可変速再生時のトラツキング精度を向上することができる。
【0068】
また1つのヘツドベースに1組の磁気ヘツドを搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成することにより、1方の磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてバイモルフを駆動することにより、確実にトラツキング制御することができる。
【0069】
(4)他の実施例
なお上述の実施例においては、2組のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに搭載する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて2組以上のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに搭載するようにしてもよい。
【0070】
さらに上述の実施例においては、2組のダイナミツクトラツキングヘツドと通常の記録再生ヘツドを回転ドラムに配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、通常の記録再生ヘツドを省略するようにしてもよい。
【0071】
さらに上述の実施例においては、1つのヘツドベースに1組の磁気ヘツドを搭載する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば4つの周波数を切り換えてパイロツト信号を形成する場合等においては、磁気ヘツドを個別にヘツドベースに搭載してダイナミツクトラツキングヘツドを形成してもよく、この場合個々の磁気ヘツドから出力されるトラツキングエラー情報に基づいてトラツキング制御すればよい。
【0072】
さらに上述の実施例においては、バイモルフでダイナミツクトラツキングヘツドを形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ボイスコイルで高さを可変し得るようにしてダイナミツクトラツキングヘツドを形成してもよい。
【0073】
さらに上述の実施例においては、デイジタルビデオ信号を記録再生するテープトランスポートに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アナログ信号の形式で順次1対の記録トラツクに映像信号をフイールド単位で割り当てて記録する場合、さらには映像信号に限らず、オーデイオデータ、コンピユータのデータ等を記録再生する場合に広く適用することができる。
【0074】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを回転ドラムに配置し、このダイナミツクトラツキングヘツドを同時並列的に駆動し、さらにこのダイナミツクトラツキングヘツドの出力信号を同時並列的に処理することにより、簡易な構成で倍速等の速度でダビングすることができる磁気記録装置及び磁気再生装置を得ることができる。
【0075】
さらにダイナミツクトラツキングヘツドの出力信号を選択的に処理して出力することによりダイナミツクトラツキングヘツドの変位を小さくし得、小型の回転ドラムで可変速再生し得える磁気再生装置を得ることができる。
【0076】
さらに所定の段差を設けて共通のヘツドベースを介して第1及び第2の磁気ヘツドを回転ドラムに変位し得るように保持することにより、第1の磁気ヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいて、第1及び第2の磁気ヘツドをトラツキング制御することができ、また可変速時、ダイナミツクトラツキングヘツドから得られるトラツキングエラー情報に基づいて、ダイナミツクトラツキングヘツドを駆動してトラツキング制御することにより、トラツキング精度を向上することができる磁気再生装置を得ることができる。
【0077】
さらに同一の記録トラツクを走査する複数の磁気ヘツドを配置し、複数の磁気ヘツドから得られる再生信号を選択出力することにより、エラー数の少ない再生信号を選択出力し得、ドロツプアウト等の影響を低減し得る磁気再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による映像信号処理装置を示すブロツク図である。
【図2】その磁気ヘツドの配置を示す平面図である。
【図3】その磁気ヘツドの走査の説明に供する略線図である。
【図4】記録トラツクの分割の説明に供する略線図である。
【図5】再生信号の処理の説明に供するフローチヤートである。
【図6】トラツキング制御の説明に供する略線図である。
【図7】その動作の説明に供するフローチヤートである。
【図8】従来のテープレコーダの回転ドラムを示す平面図である。
【図9】その磁気ヘツドの走査の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1、18……回転ドラム、2A、2B、4A、4B、5A、5B、21A、21B、22A、22B……磁気ヘツド、11、12……テープトランスポート、11A、12A……制御部、14……システムコントローラ。
Claims (5)
- 所定の回転速度で回転する回転ドラムに磁気テープを巻き付け、上記磁気テープを所定の走行速度で走行させることにより、上記磁気テープに順次斜めに記録トラツクを形成して所望の情報信号を記録する磁気記録装置において、
互いに異なる走査軌跡を形成するように、上記回転ドラムに複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを配置し、
上記回転ドラムを上記回転速度で駆動して上記磁気テープを上記走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドが形成する走査軌跡に対して、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドの走査軌跡が一致するように、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを可動し、
上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを同時並列的に駆動して上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドに対応した上記記録トラツクを上記回転ドラムの回転周期で順次形成する
ことを特徴とする磁気記録装置。
但し、ここでnは2以上の整数でなる。 - 所定の回転速度で回転する回転ドラムに磁気テープを巻き付け、上記磁気テープを所定の走行速度で走行させることにより、上記磁気テープに順次斜めに形成した記録トラツクから所定の情報信号を再生する磁気再生装置において、
互いに異なる走査軌跡を形成するように、上記回転ドラムに複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを配置し、
上記回転ドラムを上記回転速度で駆動して上記磁気テープを上記走行速度の1/nの走行速度で走行させた際に上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドが形成する上記記録トラツクを、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドが走査するように、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを可動し、
上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドの出力信号を同時並列的に処理して上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドに対応した上記複数対の記録トラツクから上記情報信号を再生する
ことを特徴とする磁気再生装置。
但し、ここでnは2以上の整数でなる。 - 所定の回転速度で回転する回転ドラムに磁気テープを巻き付け、上記磁気テープを所定の走行速度で走行させることにより、上記磁気テープに順次斜めに形成した記録トラツクから所定の情報信号を再生する磁気再生装置において、
トラツキング制御用の3種のパイロツト信号が4つの上記記録トラツクを単位として順次循環して記録され、
上記磁気再生装置は、
所定の段差を設けて第1及び第2の磁気ヘツドを共通のヘツドベースに保持し、上記回転ドラムの回転軸方向に変位し得るように上記ヘツドベースを上記回転ドラムに保持し、
上記第1の磁気ヘツドから得られる上記パイロツト信号の再生信号に基づいて、上記ヘツドベースを可動して上記第1及び第2の磁気ヘツドをトラツキング制御する
ことを特徴とする磁気再生装置。 - 所定の回転速度で回転する回転ドラムに磁気テープを巻き付け、上記磁気テープを所定の走行速度で走行させることにより、上記磁気テープに順次斜めに形成した記録トラツクから所定の情報信号を再生する磁気再生装置において、
トラツキング制御用の3種のパイロツト信号が上記記録トラツクに順次循環して記録され、
上記磁気再生装置は、
互いに異なる走査軌跡を形成するように、上記回転ドラムに複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを配置し、
可変速時、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドから得られる上記パイロツト信号の再生信号に基づいて、上記複数対のダイナミツクトラツキングヘツドを駆動してトラツキング制御する
ことを特徴とする磁気再生装置。 - 所定の回転速度で回転する回転ドラムに磁気テープを巻き付け、上記磁気テープを所定の走行速度で走行させることにより、上記磁気テープに順次斜めに形成した記録トラツクから所定の情報信号を再生する磁気再生装置において、
トラツキング制御用の3種のパイロツト信号が4つの上記記録トラツクを単位として順次循環して記録され、
上記磁気再生装置は、
同一の記録トラツクを走査する複数の磁気ヘツドを配置し、
上記複数の磁気ヘツドから得られる再生信号の比較結果を得、該比較結果に基づいて、上記再生信号を選択出力する
ことを特徴とする磁気再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24750693A JP3570559B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 磁気記録装置及び磁気再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24750693A JP3570559B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 磁気記録装置及び磁気再生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0779401A JPH0779401A (ja) | 1995-03-20 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3570559B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-07 JP JP24750693A patent/JP3570559B2/ja not_active Expired - Fee Related
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