JP3433525B2 - 信号再生装置 - Google Patents

信号再生装置

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JP3433525B2
JP3433525B2 JP20262094A JP20262094A JP3433525B2 JP 3433525 B2 JP3433525 B2 JP 3433525B2 JP 20262094 A JP20262094 A JP 20262094A JP 20262094 A JP20262094 A JP 20262094A JP 3433525 B2 JP3433525 B2 JP 3433525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープの再生およ
び記録を行う際に、ヘッドの回転速度を従来に比べての
低速にすることができる信号再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTRでは、VTRテープの再
生および記録を行う際に、通常の再生速度および記録速
度とは異なる速度で、変速再生および変速記録する場合
がある。VTRテープは、図20(A)に示すように、
テープの長手方向に対してトラック角度θ3でピッチM
tのトラックが設けられている。このトラックにはプラ
スのアジマスによるトラックAと、マイナスのアジマス
によるトラックBとが交互に位置し、図20(A)に示
すように上ドラムの位置に設けられたヘッドAによって
トラックAが再生され、ヘッドBによってトラックBが
再生される。このVTRテープでは、テープ走行がされ
ていないスチル状態で上ドラムの回転が行われた場合で
はヘッドA、Bのリード角はθ1であるが、テープを1
倍速で走行させ、VTRテープ走査装置の上ドラムを回
転速度30rpsで回転させると、ヘッドA、Bの走査
角度がθ3となり、トラックA、Bが正確に走査され
る。リード角θ1は、例えば、VHSフォーマットの場
合には5°56’7.4”であり、8mmフォーマット
の場合には4°53’6”である。VTRテープにおけ
るトラック角度θ3およびピッチMtはフォーマットと
して決められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図20(A)
に示すVTRテープの2倍速の再生および記録を上記ヘ
ッドA、Bのリード角θ1で行う場合に、上ドラムの回
転速度を変えずにVTRテープの走行速度のみを2倍に
すると、図20(A)に示すようにヘッドA、Bの走査
角度はθ2となり、また、図20(B)の横線に示され
るように、半分のトラックしか走査できない。
【0004】このとき、ドラムの回転速度を2倍にすれ
ば、VTRテープの全てのトラックを走査することが可
能であるが、取り扱う周波数が2倍になり回路の周波数
特性を高める必要が生じ、また、ヘッドA、BがVTR
テープの走行経路に出入りするときにテープに生じる振
動であるヘッドチップのたたきの影響が大きくなるとい
った問題が生じる。特に、4倍速の再生および記録を行
う場合には、上ドラムの回転速度は120rpsとな
り、取り扱う周波数が高くなることから回路の作製が困
難になるという問題がある。
【0005】上述した問題を解決するために、通常のリ
ード角および直径のドラムを用い、ヘッド数を2倍にす
ることで、テープの走行速度を2倍にしても、上ドラム
を回転速度を30rpsで回転させて、VTRテープの
全てのトラックを適切に走査することができるDT(Dy
namic Tracking head)がある。このDTを用いれば、例
えば、4倍速の再生および記録を行う場合にも、上ドラ
ムの回転速度は60rpsでよく、この周波数の回路を
作製することは可能である。しかし、このDTを用いる
と、DTを駆動させる回路が必要となり、また、記録時
にヘッドの高さを制御するための位置センサが必要とな
るため、ドラムの構造が複雑になるという問題が生じ
る。
【0006】さらには、VTRテープには、図20
(A)に示すように、例えば、偶数番目のトラックにf
0の周波数特性を有するパイロット信号が記録され、奇
数番目のトラックにf1およびf2の周波数特性を有す
るパイロット信号が交互に記録されている。VTRテー
プ走査装置では、ヘッドが偶数番目のトラックを走査す
るときに、両側の奇数番目のトラックに記録されたf1
のパイロット信号と、f2のパイロット信号との比率を
検出して、トラッキングサーボ、すなわちATFサーボ
を行う。一方、奇数番目のトラックを走査するときには
ATFトラッキングサーボは行われていない。従って、
奇数番目のトラックを走査する場合には、そのトラック
走査精度は、偶数番目のトラックを走査するヘッドと奇
数番目トラックを走査するヘッドとの相対的なマウント
高さおよび距離の精度による。そのため、上記2つのヘ
ッドのマウント高さの精度が低い場合や、2つのヘッド
間の距離が長い場合には、ATFサーボによる位置制御
が行われているトラックについては適切に走査を行うこ
とができるが、そうでないトラックについては、ドラム
の面ぶれなどによるヘッド高さ誤差の影響を受け、トラ
ッキングずれが生じるという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされ、ドラムの構造を複雑にすることなく、変速再
生および変速記録を適切に行うことができる信号再生装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上述した目的を達成するために、第1の発
明の信号再生装置は、斜めトラックが形成されるように
テープに記録された信号を再生する信号再生装置であっ
て、各々の斜めトラックを走査して同時に第1の再生信
号および第2の再生信号をそれぞれ生成する相互に隣接
する第1の回転ヘッドおよび第2の回転ヘッドを有し、
前記テープが走行していないスチルモードの時に、前記
第1の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドのそれぞ
れが1回転の間に複数の前記斜めトラックを横切って走
査するように前記テープが第1のリード角でその周囲に
巻き付けられたドラムと、前記第1の回転ヘッドおよび
前記第2の回転ヘッドの回転速度と前記テープの走行速
度とを制御する制御手段と、前記第1の再生信号および
前記第2の再生信号を処理する処理手段とを具備し、前
記処理手段は、前記第1の回転ヘッドおよび前記第2の
回転ヘッドのそれぞれからの前記第1の再生信号および
前記第2の再生信号をそれぞれ記憶する第1のメモリお
よび第2のメモリと、前記第1のメモリに記憶された第
1の再生信号と前記第2のメモリに記憶された第2の再
生信号とを出力するタイミングを制御するメモリ制御手
段と、前記第1のメモリから出力された前記第1の再生
信号と前記第2のメモリから出力された前記第2の再生
信号とを切り換えて、前記第1の再生信号の半分の部分
と前記第2の再生信号の半分の部分とのいずれか一方を
出力するスイッチング手段とを有する。
【0009】第2の発明の信号再生装置は、斜めトラッ
クが形成されるようにテープに記録された信号を再生す
る信号再生装置であって、各々の斜めトラックを走査し
て同時に第1の再生信号および第2の再生信号をそれぞ
れ生成する相互に隣接する第1の回転ヘッドおよび第2
の回転ヘッドを有し、前記テープが走行していないスチ
ルモードの時に、前記第1の回転ヘッドおよび前記第2
の回転ヘッドのそれぞれが1回転の間に複数の前記斜め
トラックを横切って走査するように前記テープが第1の
リード角でその周囲に巻き付けられたドラムと、前記第
1の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドの回転速度
と前記テープの走行速度とを制御する制御手段と、前記
第1の再生信号および前記第2の再生信号を処理する処
理手段とを具備し、前記処理手段は、前記第1の回転ヘ
ッドおよび前記第2の回転ヘッドのそれぞれからの前記
第1の再生信号および前記第2の再生信号をそれぞれ記
憶する第1のメモリおよび第2のメモリを有し、前記第
1の再生信号および前記第2の再生信号が、通常の速度
の再生モードの時に、前記第1のメモリおよび前記第2
のメモリに記憶するときの速度の2倍の速度で、前記第
1のメモリおよび前記第2のメモリから出力され、それ
によって前記再生信号が時間圧縮される。
【0010】第3の発明の信号再生装置は、斜めトラッ
クが形成されるようにテープに記録された信号を再生す
る信号再生装置であって、各々の斜めトラックを走査し
て同時に再生信号をそれぞれ生成する相互に隣接する複
数の回転ヘッドを有し、前記テープが走行していないス
チルモードの時に、前記複数の回転ヘッドのそれぞれが
1回転の間に複数の前記斜めトラックを横切って走査す
るように前記テープが第1のリード角でその周囲に巻き
付けられたドラムと、前記複数の回転ヘッドの回転速度
と前記テープの走行速度とを制御する制御手段と、前記
再生信号を処理する処理手段とを具備し、前記制御手段
は、前記テープが通常の速度より遅い速度で走行される
低速モード、あるいは、前記テープが逆向きに走行され
るリバースモードの時に、前記テープの所望の走行速度
に応じて、前記回転ヘッドが複数の斜めトラックを横切
って部分的に信号を再生するように、前記回転ヘッドの
回転速度を制御し、前記処理手段は、前記複数の回転ヘ
ッドによって再生された前記斜めトラックからの部分的
な再生データを再配列する再配列手段を具備する。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明の信号再生装置では、テープの記録およ
び再生を行う際に、記録および再生の2倍速あるいは4
倍速などの倍速に応じた走行速度で、ドラムのリードに
沿ってテープが走行される。また、ヘッドが、テープの
トラックを適切に走査するような回転速度でドラムが回
転され、ドラムに設けられた複数のヘッドによって、テ
ープの隣接した複数のトラックが同時に走査される。こ
のとき、ドラムのリードは、前記テープの走行がスチル
状態のときに、前記複数のヘッドによって同時に走査さ
れる複数のトラック分の第1のリード角を有し、従来の
リード角に比べて小さい角度を有している。そのため、
ドラムの回転速度は、従来の回転速度に比べて低速にな
る。その結果、取り扱う周波数は低くなり、回路の作製
が容易となると共に、従来では回路の製作が困難である
ために実現できなかった速い2倍速または4倍速などの
高速の記録および再生が可能となる。
【0018】また、本発明の信号再生装置では、1倍速
以下、または、逆方向にテープを走行させて再生する際
に、2倍速あるいは4倍速などの倍速に応じた走行速度
で、ドラムのリードに沿ってテープが走行される。ま
た、テープの複数のトラックをヘッドが斜めに横切り、
複数のトラックを部分的に読み取る回転速度でドラムが
回転され、ドラムに設けられた複数のヘッドによって、
テープの隣接した複数のトラックが部分的に同時に走査
され、読み取られる。そして、上記部分的に読み取られ
た読み取り結果が、処理手段によって、結合され、トラ
ックに対応した読み取り結果が生成される。
【0019】
【実施例】第1実施例について説明する。本実施例で
は、テープとしてのVTRテープを1倍速、2倍速およ
び4倍速など1倍速以上の走行速度でFORWARD方
向に走行させて再生および記録するビデオ記録再生装置
(VTR)について説明する。図1は本実施例のVTR
の構成図である。図1に示すように、本実施例のVTR
は、操作部2、テープトランスポート部4、再生信号処
理部6および表示部8で構成される。
【0020】操作部2は、例えば記録ボタン、停止ホタ
ン、インジュクションボタン、変速再生および変速記録
のためのジョグシャトルコントローラなどを有し、ユー
ザによるボタン操作などに応じた操作信号S2をテープ
トランスポート部4の制御部42に出力する。
【0021】テープトランスポート部4は、主に、制御
部42、ドラム44およびテープ走行部46を有し、操
作信号S2に応じた制御部42からの切換信号に基づい
て、ドラム44の上ドラムの回転速度、および、テープ
走行部46によるVTRテープの走行速度が制御され
る。図2(A)はドラム44の下ドラム44bに形成さ
れたリードの角度を説明するための図であり、図2
(B)は図2(A)に示す上ドラム44aに設けられた
ヘッドの位置を説明するための図である。
【0022】図2(A)に示すように、下ドラム44b
には、リード角θ1のリード48が形成されており、こ
のリード48に沿ってVTRテープが走行される。この
リード角θ1は、図3に示すように、VTRテープの2
つの隣接したトラックで形成される領域の長い方の対角
線とテープの長手方向とで形成される鋭角であり、VT
Rテープがスチル状態のときに、上ドラムの回転に応じ
て点線で示す軌跡54に沿ってヘッド50a、50b、
52a、52bが走査する。従って、2倍速でVTRテ
ープを走行させ、回転速度30rpsで上ドラムを回転
させると、ヘッド50a、50b、52a、52bはト
ラック角度θ3でトラックを走査する。
【0023】このように、図20に示す従来のリード角
θ1に比べて小さい上記リード角θ1で上ドラムのリー
ドを形成したため、VTRテープの走行速度を例えば2
倍速にする場合には、従来のVTRにおいて1倍速で走
査するときに用いられた回転速度30rpsで上ドラム
を回転させることで、ヘッド50a、50b、52a、
52bはVTRテープのトラックを適切に走査する。リ
ード角θ1は、8ミリフォーマットの場合には、例えば
4°51’58.8”であり、従来のリード角θ1の4
°53’6”に比べて小さい。
【0024】また、図2(A)に示す上ドラム44aに
は、図2(B)に示すように対向する位置にヘッド50
a、50bおよびヘッド52a、52bが設けられてお
り、ヘッド50a、52aはVTRテープのトラックの
うちプラスアジマスのトラックを走査し、ヘッド50
b、52bはマイナスアジマスのトラックを走査する。
また、隣接するヘッド50a、50b、および、ヘッド
52a、52bは、VTRテープの隣接するトラックを
それぞれ同時に走査する。
【0025】ヘッド50a、50b、52a、52b
は、例えば、VTRテープのトラックに記録されたオー
ディオ信号などを読み取る機能と、オーディオ信号をト
ラックに記録する機能との双方、あるいは、いずれか一
方の機能を有する。
【0026】テープ走行部46は、制御部42からの切
換信号に基づいて、例えば、1倍速、2倍速および4倍
速など1倍速以上のテープ走行速度でVTRテープを走
行させる。
【0027】再生信号処理部6は、ドラム44の上ドラ
ム44aに設けられたヘッド50a、50b、52a、
52bからの読み取り信号S50a,S50b,S52
a,S52bを入力し、これらの読み取り信号を表示信
号S6に変換し、表示部8に出力する。図4は再生信号
処理部6の構成図である。図4に示すように、再生信号
処理部6は、切換スイッチ100a,100b、再生R
Fアンプ101a,101b、復調回路102a,10
2b、切換スイッチ103a,103b、メモリ104
a1,104a2,104b1,104b2、切換スイ
ッチ105a,105b、切換スイッチ106および制
御回路107で構成される。
【0028】切換スイッチ100aは、ヘッド50a,
52aから読み取り信号S50a,S52aを入力し、
制御回路107からの切換信号S107に基づいて、い
ずれか一方を再生RFアンプ101aに出力する。切換
スイッチ100bは、ヘッド50b,52bから読み取
り信号S50b,S52bを入力し、制御回路107か
らの切換信号S107に基づいて、いずれか一方を再生
RFアンプ101bに出力する。
【0029】再生RFアンプ101a,101bは、そ
れぞれ切換スイッチ100a,100bからの読み取り
信号S100a,100bを増幅して復調回路102
a,103bに出力する。
【0030】復調回路102a,102bは、再生RF
アンプ101a,101bからそれぞれ増幅された読み
取り信号S101a,S101bを入力し、これを復調
してそれぞれ切換スイッチ103a,103bに出力す
る。
【0031】切換スイッチ103aは、復調回路102
aから入力した読み取り信号S102aを、制御回路1
07からの切換信号S107に基づいて、メモリ104
a1およびメモリ104a2に選択的に出力する。切換
スイッチ103bは、復調回路102bから入力した読
み取り信号S102bを、制御回路107からの切換信
号S107に基づいて、メモリ104b1およびメモリ
104b2に選択的に出力する。
【0032】切換スイッチ105aは、メモリ104a
1,104a2に記憶された読み取り信号を、制御回路
107からの切換信号S107に基づいて、選択的に切
換スイッチ106に出力する。切換スイッチ105b
は、メモリ104b1,104b2に記憶された読み取
り信号を、制御回路107からの切換信号S107に基
づいて、選択的に切換スイッチ106に出力する。
【0033】切換スイッチ106は、切換スイッチ10
5a,105bから入力した読み取り信号S105a,
S105bを、選択的に、出力信号S6として、図1に
示す表示部8に出力する。
【0034】表示部8は、ディスプレイを有し、再生信
号処理部6からの再生信号S6に応じた画像をディスプ
レイに表示する。
【0035】上述した本実施例のVTRの動作について
説明する。2倍速で再生を行う場合について例示する。
ユーザは、先ず、操作部2の再生ボタンを押下し、ジョ
グコントローラによって2倍速を指定する。このとき、
操作部2からテープトランスポート部4の制御部42
に、ユーザの操作に応じた操作信号S2が出力される。
【0036】そして、制御部42からドラム44および
テープ走行部46に操作信号S2に応じた制御信号が出
力される。この制御信号にによって、上ドラム44aは
回転速度30rpsで回転し、テープ走行部46はVT
Rテープを2倍速で走行させる。これによって、ドラム
44に設けられたヘッド50a、50b、52a、52
bは、VTRテープのトラック角度θ3に沿って移動
し、トラックを適切に走査する。このとき、隣接したプ
ラスおよびマイナスのアジマスによるトラックがヘッド
50a、50bによってを同時に走査され、該走査され
たマイナスのトラックに隣接したプラスのアジマスによ
るトラックおよび該プラスのトラックに隣接したマイナ
スのアジマスによるトラックがヘッド52a、52bに
よって同時に走査される。
【0037】例えば図3では、トラック60、61がヘ
ッド50a、50bによって同時に走査され、次に、ト
ラック62、63がヘッド52a、52bによって同時
に走査される。このようにして、VTRテープの全ての
トラックが順次、ヘッド50a、50b、52a、52
bによって走査される。ヘッド50a、50b、52
a、52bのトラックの走査によって、トラックに記録
された例えばオーディオ信号が読み取られ、この読み取
り結果が再生信号処理部6に出力される。この読み取り
結果は再生信号処理部6において表示信号に変換され、
この表示信号S6が表示部8に出力される。
【0038】このときの再生信号処理部6における処理
について図5に示す処理タイミングを参照しながら詳細
に説明する。2倍速再生のときは1フィールドの時間で
図2に示すドラム44が半回転し、図3に示す隣接する
2つのトラックが同時に読み取られる。すなわち、1ト
ラック当たりの読み取り時間は通常の読み取りと同じで
あるが、本実施例では同時に2つのトラックを読み取
る。このとき、ヘッド50a,50b,52a,52b
からの読み取り信号S50a,S50b,S52a,S
52bは、図5(A)に示すようなタイミングで切換ス
イッチ100a,100bに出力される。
【0039】すなわち、図5に示すように、最初の1フ
ィールドの時間において、ヘッド50aによるトラック
A1の読み取り信号S50aが切換スイッチ100aに
出力されると同時に、ヘッド50bによるトラックB1
の読み取り信号S50bが切換スイッチ100bに出力
される。そして、次の1フィールドの時間において、ヘ
ッド52aによるトラックA2の読み取り信号S52a
が切換スイッチ100aに出力されると同時に、ヘッド
52bによるトラックB2の読み取り信号S52bが切
換スイッチ100bに出力される。以後、同様に、隣接
するトラックA2n+1(n=1,2...),B2n+1(n
=1,2...)の読み取り信号S50a,S50bが
同時に切換スイッチ100a,100bに出力され、次
の1フィールドの時間において、次に隣接するトラック
2n(n=2,3...),B2n(n=2,3...)
の読み取り信号S52a,S52bが同時に切換スイッ
チ100a,100bに出力される。
【0040】切換スイッチ100aに上述した図5に示
すタイミングでトラックAの読み取り信号S50a,S
52aが入力されると、1フィールドの時間毎にスイッ
チが切り換えられて、図5に示すような読み取り信号S
100aが再生RFアンプ101aに出力される。同様
に、切換スイッチ100bに上述した図5に示すタイミ
ングでトラックBの読み取り信号S50b,S52bが
入力されると、1フィールドの時間毎にスイッチが切り
換えられて、図5に示すような読み取り信号S100b
が再生RFアンプ101bに出力される。
【0041】再生RFアンプ101a,101bにおい
て、読み取り信号S100a,S100bが増幅され、
読み取り信号S101a,S101bとして復調回路1
02a,102bに出力される。読み取り信号S101
a,S101bは、復調回路102a,102bにおい
て復調され、読み取り信号S102a,S102bとし
て切換スイッチ103a,103bに出力される。
【0042】切換スイッチ103aにおいて、入力され
た読み取り信号S102aが1フィールドの時間毎にメ
モリ104a1,104a2に切換えて出力され、メモ
リ104a1,104a2に記憶される。具体的には、
図5に示すように、トラックA1の読み取り信号S10
3a1がメモリ104a1に記憶され、トラックA2の
読み取り信号S103a2がメモリ104a2に記憶さ
れる。以後、トラックA2n+1(n=1,2...)の読
み取り信号S103a1がメモリ104a1に記憶さ
れ、A2n(n=2,3...)の読み取り信号S103
a2がメモリ104a2に記憶される。
【0043】同様に、切換スイッチ103bにおいて、
入力された読み取り信号S102bが1フィールドの時
間毎にメモリ104b1,104b2に切換えて出力さ
れ、メモリ104b1,104b2に記憶される。具体
的には、図5に示すように、トラックB1の読み取り信
号S103b1がメモリ104b1に記憶され、トラッ
クB2の読み取り信号S103b2がメモリ104b2
に記憶される。以後、トラックB2n+1(n=1,
2...)の読み取り信号S103b1がメモリ104
b1に記憶され、B2n(n=2,3...)の読み取り
信号S103b2がメモリ104b2に記憶される。
【0044】メモリ104a1,104a2に記憶され
た読み取り信号は、切換スイッチ105aにおける1フ
ィールドの時間毎のスイッチ切換えによって、図5に示
すような読み取り信号S105aとして切換スイッチ1
06に出力される。メモリ104b1,104b2に記
憶された読み取り信号は、切換スイッチ105bにおけ
る1フィールドの時間毎のスイッチ切換えによって、図
5に示すような読み取り信号S105bとして切換スイ
ッチ106に出力される。
【0045】読み取り信号S105a,S105bは、
切換スイッチ106におけるスイッチ切換えによって図
5に示すような読み取り信号S6として図1に示す表示
部8に出力される。このとき、表示信号S6は、2トラ
ック毎に飛ばして出力されており、1トラックに書き込
まれる信号が1フィールドの期間に相当するとすれば1
フレーム飛ばして出力されることになる。すなわち、表
示信号S6は2倍速再生信号と等価である。
【0046】表示部8では、表示信号S6に応じた2倍
速の画像がディスプレイに表示される。
【0047】上述したように、本実施例のVTRでは、
2倍速の再生を行う場合に上ドラム44aの回転速度は
30rpsとなり、従来の回転速度60rpsに比べて
低速になるが、リード角θ1を適切に設定してあるため
VTRテープのトラックは適切に走査される。また、4
つのヘッド50a、50b、52a、52bを有するた
め、VTRテープの全てのトラックが走査される。
【0048】上述した例では、2倍速による再生を行う
場合について述べたが、1倍速および4倍速による再生
を行う場合には、ドラム回転速度を1倍速のときに15
rps、4倍速のときに60rpsとすれば、ヘッド5
0a、50b、52a、52bによって全てのトラック
を適切に走査し、再生を行うことができる。このよう
に、本実施例のVTRでは、1倍速においてドラムの回
転速度は15rpsと遅くなるが、回路的には問題はな
い。
【0049】以下、1倍速再生を行う場合の図1,4に
示す再生信号処理部6における処理について図6に示す
処理タイミングを参照しながら説明する。1倍速再生を
行う場合には、図2に示すドラム44の回転速度は15
rpsであり、ドラム44は2フィールドの時間で半回
転し、図3に示す隣接する2つのトラックが同時に読み
取られる。
【0050】このとき、図2に示すヘッド50a,50
b,52a,52bからの読み取り信号S50a,S5
0b,S52a,S52bは、図6に示すようなタイミ
ングで図4に示す切換スイッチ100a,100bに出
力される。
【0051】すなわち、図6に示すように、最初の2フ
ィールドの時間において、ヘッド50aによるトラック
A1の読み取り信号S50aが切換スイッチ100aに
出力されると同時に、ヘッド50bによるトラックB1
の読み取り信号S50bが切換スイッチ100bに出力
される。そして、次の2フィールドの時間において、ヘ
ッド52aによるトラックA2の読み取り信号S52a
が切換スイッチ100aに出力されると同時に、ヘッド
52bによるトラックB2の読み取り信号S52bが切
換スイッチ100bに出力される。以後、同様に、2フ
ィールドの時間において、隣接するトラックA2n+1(n
=1,2...),B2n+1(n=1,2...)の読み
取り信号S50a,S50bが同時に切換スイッチ10
0a,100bに出力され、その後、次の2フィールド
において、次に隣接するトラックA2n(n=2,
3...),B2n(n=2,3...)の読み取り信号
S52a,S52bが同時に切換スイッチ100a,1
00bに出力される。
【0052】切換スイッチ100aに上述した図6に示
すタイミングでトラックAの読み取り信号S50a,S
52aが入力されると、2フィールドの時間毎にスイッ
チが切り換えられて、図6に示すような読み取り信号S
100aが再生RFアンプ101aに出力される。同様
に、切換スイッチ100bに上述した図6に示すタイミ
ングでトラックBの読み取り信号S50b,S52bを
入力されると、2フィールドの時間毎にスイッチが切り
換えられて、図6に示すような読み取り信号S100b
が再生RFアンプ101bに出力される。
【0053】再生RFアンプ101a,101bにおい
て、読み取り信号S100a,S100bが増幅され、
読み取り信号S101a,S101bとして復調回路1
02a,102bに出力される。読み取り信号S101
a,S101bは、復調回路102a,102bで復調
され、読み取り信号S102a,S102bとして切換
スイッチ103a,103bに出力される。
【0054】切換スイッチ103aにおいて、入力され
た読み取り信号S102aが2フィールド毎にメモリ1
04a1,104a2に切換えて出力され、メモリ10
4a1,104a2に記憶される。具体的には、図6に
示すように、トラックA1の読み取り信号S103a1
がメモリ104a1に記憶され、トラックA2の読み取
り信号S103a2がメモリ104a2に記憶される。
以後、トラックA2n+1(n=1,2...)の読み取り
信号S103a1がメモリ104a1に記憶され、A2n
(n=2,3...)の読み取り信号S103a2がメ
モリ104a2に記憶される。
【0055】同様に、切換スイッチ103bにおいて、
入力された読み取り信号S102bが1フィールド毎に
メモリ104b1,104b2に切換えて出力され、メ
モリ104b1,104b2に記憶される。具体的に
は、図6に示すように、トラックB1の読み取り信号S
103b1がメモリ104b1に記憶され、トラックB
2の読み取り信号S103b2がメモリ104b2に記
憶される。以後、トラックB2n+1(n=1,2...)
の読み取り信号S103b1がメモリ104b1に記憶
され、B2n(n=2,3...)の読み取り信号S10
3b2がメモリ104b2に記憶される。
【0056】メモリ104a1,104a2に記憶され
た読み取り信号は、切換スイッチ105aにおけるスイ
ッチ切換えによって、それぞれ図6に示す読み取り信号
S104a1,S104a2として切換スイッチ105
aに出力される。これらの切換スイッチ105aに出力
された読み取り信号は、切換スイッチ105aのスイッ
チ切換えによって、読み取り信号S105aとして切換
スイッチ106に出力される。メモリ104b1,10
4b2に記憶された読み取り信号は、切換スイッチ10
5bにおけるスイッチ切換えによって、それぞれ図6に
示す読み取り信号S104b1,S104b2として切
換スイッチ105bに出力される。これらの切換スイッ
チ105bに出力された読み取り信号は、切換スイッチ
105bのスイッチ切換えによって、読み取り信号S1
05bとして切換スイッチ106に出力される。
【0057】読み取り信号S105a,S105bは、
切換スイッチ106におけるスイッチ切換えによって図
6に示すような読み取り信号S6として図1に示す表示
部8に出力される。
【0058】次に、4倍速再生を行う場合の図1,4に
示す再生信号処理部6における処理について図7に示す
処理タイミングを参照しながら説明する。4倍速再生を
行う場合には、図2に示すドラム44の回転速度は60
rpsであり、ドラム44は1/2フィールドの時間で
半回転し、図3に示す隣接するトラックが同時に読み取
られる。このように、4倍速においてもドラムの回転速
度は60rps程度であり、取り扱う周波数はそれほど
高くならないため、回路の作製はそれほど困難ではな
い。
【0059】4倍速再生では、ヘッド50a,50b,
52a,52bからの読み取り信号S50a,S50
b,S52a,S52bは、図7に示すようなタイミン
グで切換スイッチ100a,100bに出力される。
【0060】すなわち、図7に示すように、最初の1/
2フィールドの時間において、ヘッド50aによるトラ
ックA1の読み取り信号S50aが切換スイッチ100
aに出力されると同時に、ヘッド50bによるトラック
B1の読み取り信号S50bが切換スイッチ100bに
出力される。そして、次の1/2フィールドの時間にお
いて、ヘッド52aによるトラックA2の読み取り信号
S52aが切換スイッチ100aに出力されると同時
に、ヘッド52bによるトラックB2の読み取り信号S
52bが切換スイッチ100bに出力される。
【0061】以後、同様に、1/2フィールドの時間に
おいて、隣接するトラックA2n+1(n=1,
2...),B2n+1(n=1,2...)の読み取り信
号S50a,S50bが同時に切換スイッチ100a,
100bに出力され、その後、次の1/2フィールドの
時間において、次に隣接するトラックA2n(n=2,
3...),B2n(n=2,3...)の読み取り信号
S52a,S52bが同時に切換スイッチ100a,1
00bに出力される。
【0062】切換スイッチ100aに上述した図7に示
すタイミングでトラックAの読み取り信号S50a,S
52aを入力されると、1/2フィールドの時間毎にス
イッチが切り換えられて、図7に示すような読み取り信
号S100aが再生RFアンプ101aに出力される。
同様に、切換スイッチ100bに上述した図7に示すタ
イミングでトラックBの読み取り信号S50b,S52
bを入力されると、1/2フィールドの時間毎にスイッ
チが切り換えられて、図7に示すような読み取り信号S
100bが再生RFアンプ101bに出力される。
【0063】再生RFアンプ101a,101bにおい
て、読み取り信号S100a,S100bが増幅され、
読み取り信号S101a,S101bとして復調回路1
02a,102bに出力される。読み取り信号S101
a,S101bは、復調回路102a,102bで復調
され、読み取り信号S102a,S102bとして切換
スイッチ103a,103bに出力される。
【0064】切換スイッチ103aにおいて、入力され
た読み取り信号S102aがメモリ104a1,104
a2に切換えて出力され、メモリ104a1,104a
2に記憶される。具体的には、図7に示すように、トラ
ックA1の読み取り信号S103a1がメモリ104a
1に記憶され、その後、2フィールドの時間経過後に、
トラックA5の読み取り信号S103a2がメモリ10
4a2に記憶される。また、トラックB1の読み取り信
号S103b1がメモリ104b1に記憶され、その
後、2フィールドの時間経過後に、トラックB5の読み
取り信号S103b2がメモリ104b2に記憶され
る。
【0065】メモリ104a1,104a2に記憶され
た読み取り信号は、切換スイッチ105aにおける1フ
ィールドの時間毎のスイッチ切換えによって、図7に示
すような読み取り信号S105aとして切換スイッチ1
06に出力される。メモリ104b1,104b2に記
憶された読み取り信号は、切換スイッチ105bにおけ
る1フィールドの時間毎のスイッチ切換えによって、図
7に示すような読み取り信号S105bとして切換スイ
ッチ106に出力される。
【0066】読み取り信号S105a,S105bは、
切換スイッチ106におけるスイッチ切換えによって図
7に示すような読み取り信号S6として図1に示す表示
部8に出力される。
【0067】本実施例のVTRにおいては、n倍速(n
≧1)で再生を行う場合には、上ドラムの回転速度は3
0×n/2(rps)となる。
【0068】また、1倍速、2倍速および4倍速などの
整数の倍速の他に、1.5倍速など整数以外の数のn倍
速を行う場合にも、テープ走行速度に応じて、ドラム回
転数を30×n/2(rps)に設定すれば、全てのト
ラックを適切に走査し、再生することができる。
【0069】さらに、上述した例では、VTRテープの
再生を行う場合について例示したが、VTRテープに記
録を行う場合にも、VTRにおける上記走査方法は同じ
であり、上記ヘッド50a、50b、52a、52bは
上記走査に応じて記録データをVTRテープに記録す
る。
【0070】第2実施例について説明する。本実施例で
は、1倍速より低い倍速で,VTRテープをFORWA
RD方向に走行させて再生するVTRについて説明す
る。上述した第1実施例に示すように、1倍速より低い
n倍速でVTRテープを再生する場合についても、上ド
ラムの回転速度を30×n/2(rps)とすれば、V
TRテープの全てのトラックを適切に走査することがで
きる。しかし、上ドラムの回転速度が遅くなり、取り扱
う周波数があまりに低くなると、回路の周波数特性上の
問題が生じるため、本実施例のVTRでは、VTRテー
プを1倍速より低い倍速で再生する場合には、上ドラム
の回転数を所定の回転数以下に下げないこととし、ヘッ
ド50a、50b、52a、52bで読み取ったデータ
を後述するように信号処理することで、トラックに応じ
た適切なデータを生成する。
【0071】図8は、本実施例のVTRの構成図であ
る。図8に示すように、本実施例のVTRは、図1に示
す第1実施例のVTRと基本的には同じである。すなわ
ち、テープトランスポート部4からの読み取り信号S4
が再生信号処理部206に出力され、読み取り信号S4
が再生信号処理部206において変換されて表示信号S
206として表示部8に出力される。
【0072】0.5倍速でVTRテープを再生する場合
について例示する。ユーザによる操作部2の操作に応じ
て、0,5倍速の再生を示す操作信号S2がテープトラ
ンスポート部4に出力されると、制御部42からドラム
44およびテープ走行部46に制御信号が出力される。
この制御信号に基づいて、ドラム44の上ドラムは回転
速度15rpsで回転し、テープ走行部46は0.5倍
速でFORWARD方向に走行する。このように本実施
例のVTRでは、0.5倍速で再生を行う場合に上ドラ
ムの回転速度を15rpsとし、30×0.5/2=
7.5(rps)とはしない。
【0073】図9は、本実施例のVTRのヘッドの走査
領域を説明するための図であり、(A)はトラックを簡
略化のためにテープ走行方向に対して垂直に描いたとき
の図、(B)はトラックをテープ走行方向に対して所定
角度だけ傾斜させ実際のフォーマットに近似させて描い
たときの図である。図9(A)と図9(B)とは実質的
に同じである。
【0074】図2に示す上ドラム44aのヘッド50
a、50b、52a、52bは、トラックに沿っては走
査せず、図9の軌跡30に沿ってVTRテープを走査す
る。そして、例えば、図9に示すように、上ドラム44
aの回転に応じて、1回目にヘッド50aがトラックB
(1)の上半分の領域およびトラックA(1)の下半分
の領域を走査し、ヘッド50bがトラックA(1)の上
半分の領域およびトラックB(2)の下半分の領域を走
査する。この走査によって、アジマスの対応した走査が
行われた、ヘッド50aによるトラックA(1)の下半
分の領域と、ヘッド50bによるB(2)の下半分の領
域とが読み取られる。
【0075】2回目にヘッド52aがトラックA(1)
の上半分の領域およびトラックB(2)の下半分の領域
を走査し、ヘッド52bがトラックB(2)の上半分の
領域およびトラックA(2)の下半分の領域を走査す
る。この走査によって、アジマスの対応した走査が行わ
れた、ヘッド52aによるトラックA(1)の上半分の
領域と、ヘッド52bによるB(2)の上半分の領域と
が読み取られる。3回目にヘッド50aがトラックB
(2)の上半分の領域およびトラックA(2)の下半分
の領域を走査し、ヘッド50bがトラックA(2)の上
半分の領域およびトラックB(3)の下半分の領域を走
査する。この走査によって、アジマスの対応した走査が
行われた、ヘッド50aによるトラックA(2)の上半
分の領域と、ヘッド50bによるB(3)の下半分の領
域とが読み取られる。
【0076】このように、3回の走査によって、トラッ
クA(1)、B(2)の全ての領域がヘッド50a、5
0b、52a、52bによって読み取られる。
【0077】但し、トラックA(1)の下半分の領域は
1回目にヘッド50aによって読み取られ、トラックA
(1)の上半分の領域は2回目にヘッド52aによって
読み取られている。また、トラックB(2)の下半分の
領域は1回目にヘッド50bによって読み取られ、トラ
ックB(2)の上半分の領域は2回目にヘッド52bに
よって読み取られている。
【0078】従って、ヘッドの読み取り結果を、信号処
理して各トラックに対応した読み取りデータを生成する
必要がある。本実施例のVTRでは、ヘッド50a,5
0b,52a,52bによる読み取り信号が再生信号処
理部206において以下のように処理される。先ず、再
生信号処理部206の構成について説明する。図10
は、再生信号処理部206の構成図である。図10に示
すように、再生信号処理部206は、図4に示す再生信
号処理部6に、RFエンベロープ検波部201a,20
1bをさらに加えた構成をしている。
【0079】RFエンベロープ検波部201a,201
bは、それぞれ再生RFアンプ101a,101bから
の読み取り信号を入力し、エンベロープ検波を行い、こ
の検波に応じた検波信号S201a,S201bを制御
回路207に出力する。
【0080】制御回路207は、RFエンベロープ検波
部201a,201bからの検波信号S201a,S2
01bを入力し、これらの検波信号に基づいて生成した
切換信号S207を出力し、切換スイッチ103a,1
03b,105a,105b,106のスイッチ切換え
を制御する。
【0081】再生信号処理部206における処理につい
て図11に示す処理タイミングを参照しながら詳細に説
明する。ヘッド50a,50b,52a,52bからの
読み取り信号S50a,S50b,S52a,S52b
は、図11に示すようなタイミングで切換スイッチ10
0a,100bに出力される。
【0082】すなわち、図11に示すように、最初の2
フィールドの時間において、ヘッド50aによるトラッ
クA1の前半の読み取り信号S50aが切換スイッチ1
00aに出力されると同時に、ヘッド50bによるトラ
ックB1の前半の読み取り信号S50bが切換スイッチ
100bに出力される。その後、2フィールドの時間に
おいて、ヘッド52aによるトラックA1の後半の読み
取り信号S52aが切換スイッチ100aに出力される
と同時に、ヘッド52bによるトラックB1の後半の読
み取り信号S52bが切換スイッチ100bに出力され
る。
【0083】以後、同様に、トラックA2...の前半
および後半の読み取り信号S50a,S52aが切換ス
イッチ100aに出力される。また、トラックB
2...の前半および後半の読み取り信号S50b,S
52bが切換スイッチ100bに出力される。
【0084】切換スイッチ100aに上述した図11に
示すタイミングでトラックAの前半および後半の読み取
り信号S50a,S52aが入力されると、所定のタイ
ミングでスイッチが切り換えられて、読み取り信号S1
00aが再生RFアンプ101a、復調回路102aお
よび切換スイッチ103aを介して、図11に示すよう
に読み取り信号S103a1,103a2としてメモリ
104a1,104a2に出力されて記憶される。すな
わち、トラックA1の前半の読み取り信号S50aがメ
モリ104a1に記憶され、トラックA1の後半の読み
取り信号S52aがメモリ104a2に記憶される。
【0085】また、同様に、切換スイッチ100bに上
述した図11に示すタイミングでトラックBの前半およ
び後半の読み取り信号S50b,S52bが入力される
と、所定のタイミングでスイッチが切り換えられて、読
み取り信号S100bが再生RFアンプ101b、復調
回路102bおよび切換スイッチ103bを介して、図
11に示すように読み取り信号S103b1,103b
2としてメモリ104b1,104b2に出力されて記
憶される。すなわち、トラックB1の前半の読み取り信
号S50bがメモリ104b1に記憶され、トラックB
1の後半の読み取り信号S52bがメモリ104b2に
記憶される。
【0086】メモリ104a1,104a2に記憶され
た読み取り信号は、切換スイッチ105aにおけるスイ
ッチ切換えによって、図11に示すような読み取り信号
S105aとして切換スイッチ106に出力される。メ
モリ104b1,104b2に記憶された読み取り信号
は、切換スイッチ105bにおけるスイッチ切換えによ
って、図11に示すような読み取り信号S105bとし
て切換スイッチ106に出力される。
【0087】読み取り信号S105a,S105bは、
切換スイッチ106におけるスイッチ切換えによって図
11に示すような読み取り信号S6として図1に示す表
示部8に出力される。
【0088】そして、再生信号処理部6から表示部8に
表示信号S6が出力され、表示信号S6に応じた画像が
表示部8のディスプレイに表示される。
【0089】上述したように、本実施例のVTRによれ
ば、0.5倍速の再生を行う場合にも上ドラムの回転速
度は15rpsとすることができ、テープトランスポー
ト部4および再生信号処理部206などの回路が取り扱
う周波数はそれほど低くならず、回路の製作が比較的簡
単になる。また、各ヘッドによる読み取り結果は、上述
したような再生信号処理部206における処理によって
トラックに応じた読み取り結果に変換される。
【0090】上述したように、0.5倍速再生のとき
は、ドラム回転数を通常の1/2にすると、2フィール
ドの時間(通常の2倍の時間)でドラムが半回転する。
また、1トラックをヘッド50aとヘッド52aとが半
回転毎になぞると共に、1トラックをヘッド50bとヘ
ッド52bとが半回転毎になぞる。このとき、ヘッド5
0aおよびヘッド50bはトラックの前半を、ヘッド5
2aおよびヘッド52bはトラックの後半をそれぞれ良
好なS/N特性で再生できる。
【0091】従って、復調した信号をメモリに蓄え、読
み出すときにRFレベルが大きく、S/Nの良いところ
を読み出すことで、きれいな信号を取り出すことができ
る。尚、復調した信号は周波数が1/2(時間軸が2
倍)になっているので、読み出すときに2倍の周波数で
読み出すことにより時間軸を元に戻す。以上の動作をト
ラックのA側およびB側のそれぞれについて行い、同じ
側を2回繰り返して読み出すようにすることで0.5倍
速の再生が可能となる。
【0092】第3実施例について説明する。本実施例で
は、VTRテープをREVERSE方向に走行させて再
生するVTRについて説明する。本実施例のVTRの構
成は、上述した第2実施例の図8に示すVTRと同じで
ある。以下、本実施例のVTRを用いて、VTRテープ
をREVERSE方向に1倍速で走行させて走査し、再
生する−1倍速の再生について説明する。
【0093】本実施例のVTRにおいても、前述した第
2実施例の場合と同様に、テープトランスポート部4か
らの読み取り信号S4が再生信号処理部206に出力さ
れ、読み取り信号S4が再生信号処理部206において
変換されて表示信号S206として表示部8に出力され
る。そして、表示信号S206に応じた画像が表示部8
のディスプレイに表示される。
【0094】図8に示すテープ走行部46は、操作部2
からの操作信号S2に応じた制御部42からの制御信号
に基づいて、VTRテープをREVERSE方向に1倍
速で走行させる。このとき、ヘッド50a、50b、5
2a、52bの読み取り結果に基づいて図8の再生信号
処理部206において各トラックに対応した読み取り結
果を得られるように、図2に示す上ドラム44aの回転
速度を設定する必要がある。これには、ヘッド50a、
52aによってプラスアジマスのトラックを全て走査
し、ヘッド50b、52bによってマイナスアジマスの
トラックを全て走査できるような上ドラム44aの回転
数を選択する必要がある。
【0095】上ドラム44aの回転数を適切に選択しな
かった場合について例示する。図12は、ドラム44a
の回転速度として15rpsを選択した場合の本実施例
のVTRのヘッドの走査領域を説明するための図であ
り、(A)はトラックを簡略化のためにテープ走行方向
に対して垂直に描いたときの図、(B)はトラックをテ
ープ走行方向に対して所定角度だけ傾斜させ実際のフォ
ーマットに近似させて描いたときの図である。図12
(A)と図12(B)とは実質的に同じである。
【0096】上ドラム44aの回転速度として例えば1
5rpsを選択した場合には、図12に示すように、V
TRテープを−1倍速で走行させると、ヘッド50a、
50b、52a、52bの走査角度はθ5となる。この
とき、例えば、トラックA(3)は、領域64がヘッド
52aによって走査され、領域66がヘッド50aによ
って走査されるが、それ以外の領域はヘッド50a、5
2aによって走査されず読み取りが行われない。また、
トラックB(2)は、領域60がヘッド52bによって
走査され、領域62がヘッド50bによって走査される
が、それ以外の領域はヘッド50b、52bによって走
査されず読み取りが行われない。従って、上ドラム44
aの回転速度を15rpsにしたのでは、VTRテープ
の各トラックの領域を全て読み取ることはできない。
【0097】従って、本実施例のVTRでは、上ドラム
44aの回転速度として30rpsを選択する。
【0098】図13は、ドラム44aの回転速度として
35rpsを選択した場合の本実施例のVTRのヘッド
の走査領域を説明するための図であり、(A)はトラッ
クを簡略化のためにテープ走行方向に対して垂直に描い
たときの図、(B)はトラックをテープ走行方向に対し
て所定角度だけ傾斜させ実際のフォーマットに近似させ
て描いたときの図である。図13(A)と図13(B)
とは実質的に同じである。
【0099】本実施例のVTRテープ装置では、トラッ
クA(3)の領域76が1回目にヘッド50aによって
走査され、領域74が2回目にヘッド52aによって走
査され、領域72が3回目にヘッド50aによって走査
され、領域70が4回目にヘッド50aによって走査さ
れる。このように、トラックA(3)の全ての領域は、
ヘッド50a、52aによって走査される。また、トラ
ックB(3)の領域86が1回目にヘッド50bによっ
て走査され、領域84が2回目にヘッド52bによって
走査され、領域82が3回目にヘッド50bによって走
査され、領域80が4回目にヘッド50bによって走査
される。このように、トラックB(3)の全ての領域
は、ヘッド50b、52bによって走査される。
【0100】従って、上ドラム44aの回転速度を30
rpsにすることで、VTRテープの各トラックの領域
を全て読み取ることができる。
【0101】上述した図13に示す場合においては、再
生信号処理部206では、例えば1回目に読み取られた
領域76と、2回目に読み取られた領域74と、3回目
に読み取られた領域72と、4回目に読み取られた領域
70とを並べ替えてトラックA(3)の読み取り結果が
生成される。また、再生信号処理部206では、1回目
に読み取られた領域86と、2回目に読み取られた領域
84と、3回目に読み取られた領域82と、4回目に読
み取られた領域80とを並べ替えてトラックB(3)の
読み取り結果が生成される。
【0102】上述した例では、−1倍速の再生について
例示したが、−1倍速以外のREVERSE方向の再生
についても例えば上ドラムの回転速度を例えば15rp
sにして、再生信号処理部206において読み取り結果
を適切に並べ替えることによって、適切な再生を行うこ
とができる。
【0103】本実施例における図8に示す再生信号処理
部206は図14に示す構成をしている。図14に示す
ように、本実施例の再生信号処理部206は、図10に
示す切換スイッチ103a,103b,105a,10
5bの代わりに切換スイッチ303a,303b,30
5a,305bを用い、メモリ104a1,104a
2,104b1,104b2の代わりにメモリ304a
1,304a2,304a3,304b1,304b
2,304b3を用いている。それ以外の構成について
は、図13に示す本実施例の再生信号処理部206は、
図10に示す第2実施例の再生信号処理部206と同じ
構成である。
【0104】REVERSE方向の再生を行う際におけ
る上述した図14に示す再生信号処理部206の処理に
ついて図15に示す処理タイミングを参照しながら説明
する。ヘッド50a,50b,52a,52bからの読
み取り信号S50a,S50b,S52a,S52b
は、図15に示すようなタイミングで切換スイッチ10
0a,100bに出力される。
【0105】すなわち、図15に示すように、最初の1
フィールドの時間において、ヘッド50aによるトラッ
クA9,A8の読み取り信号S50aが切換スイッチ1
00aに出力されると同時に、ヘッド50bによるトラ
ックB9,B8の読み取り信号S50bが切換スイッチ
100bに出力される。次に、2番目の1フィールドの
時間において、ヘッド52aによるトラックA8,A7
の読み取り信号S52aが切換スイッチ100aに出力
されると同時に、ヘッド52bによるトラックA8,A
7の読み取り信号S52bが切換スイッチ100bに出
力される。以後、同様に、隣接するトラックA,Bの読
み取り信号が切換スイッチ100a,100bに出力さ
れる。
【0106】切換スイッチ100aに上述した図15に
示すタイミングでトラックAの読み取り信号S50a,
S52aを入力されると、スイッチの切換えによって、
読み取り信号S100aが再生RFアンプ101a、復
調回路102aおよび切換スイッチ303aを介して、
読み取り信号S303a1,S303a2,S303a
3として、図15に示すように、メモリ304a1,3
04a2,304a3に記憶される。すなわち、トラッ
クA8,A5の読み取り信号S50a,S52aがメモ
リ304a1に記憶される。トラックA7の読み取り信
号S50a,S52aがメモリ304a2に記憶され
る。トラックA9,A6の読み取り信号S50a,S5
2aがメモリ304a3に記憶される。
【0107】また、同様に、切換スイッチ100bに上
述した図15に示すタイミングでトラックBの読み取り
信号S50b,S52bを入力されると、スイッチの切
換えによって、読み取り信号S100bが再生RFアン
プ101b、復調回路102bおよび切換スイッチ30
3bを介して、読み取り信号S303b1,S303b
2,S303b3として、図15に示すように、メモリ
304b1,304b2,304b3に記憶される。す
なわち、トラックB8,B5の読み取り信号S50b,
S52bがメモリ304b1に記憶される。トラックB
7の読み取り信号S50b,S52bがメモリ304b
2に記憶される。トラックB9,B6の読み取り信号S
50b,S52bがメモリ304b3に記憶される。
【0108】メモリ304a1,304a2に記憶され
た読み取り信号は、切換スイッチ305aにおけるスイ
ッチ切換えによって、図15に示すような読み取り信号
S304a1,S304a2として切換スイッチ305
aに出力される。メモリ304b1,304b2に記憶
された読み取り信号は、切換スイッチ305bにおける
スイッチ切換えによって、図15に示すような読み取り
信号S304b1,S304b2として切換スイッチ3
05bに出力される。
【0109】切換スイッチ305a,305bからの読
み取り信号S305a,S305bは、切換スイッチ1
06におけるスイッチ切換えによって連続的な信号であ
る読み取り信号S6として図1に示す表示部8に出力さ
れる。
【0110】そして、再生信号処理部6から表示部8に
表示信号S6が出力され、表示信号S6に応じた画像が
表示部8のディスプレイに表示される。上述したよう
に、本実施例のVTRによれば、REVERSE方向の
再生をも適切に行うことができる。
【0111】第4実施例について説明する。本実施例で
は、VTRテープの再生時において、VTRテープの同
一の領域をヘッドで2度、読み取り、それらの読み取り
結果のうち、読み取りエラーの最も少ない読み取り結果
を選択して再生するVTRについて説明する。図16
は、本実施例のVTRの構成図である。図16に示すよ
うに、本実施例のVTRは、テープトランスポート部4
からの読み取り結果S4が読取結果選択部12に出力さ
れ、VTRテープの同一の領域に関する複数の読み取り
結果のうち、エラーの最も少ない読み取り結果が読取結
果選択部12において選択され、選択結果S12が再生
信号処理部6に出力される構成となっている。
【0112】1倍速再生について例示する。テープ走行
部46は、制御部42からの制御信号に基づいて、VT
RテープをFORWARD方向に1倍速で走行させる。
ドラム44の上ドラムは、VTRテープが1倍速で走行
されているとき、制御部42からの制御信号に基づい
て、VTRテープの全てのトラックが対応したアジマス
のヘッドによって2度、走査される回転速度で回転す
る。上ドラムは、例えば、30rpsで回転する。
【0113】図17は、本実施例のVTRのヘッドの走
査領域を説明するための図であり、(A)はトラックを
簡略化のためにテープ走行方向に対して垂直に描いたと
きの図、(B)はトラックをテープ走行方向に対して所
定角度だけ傾斜させ実際のフォーマットに近似させて描
いたときの図である。図17(A)と図17(B)とは
実質的に同じである。図17に示すように、プラスアジ
マスのトラックA(2)は、一回目にプラスアジマスの
ヘッド50aによって左半分の領域が走査され、2回目
にプラスアジマスのヘッド52aによって全領域が走査
され、3回目にヘッド50aによって右半分の領域が走
査される。従って、1回目および3回目と、2回目とで
トラックA(2)の全ての領域が2回、読み取られ、こ
れらの読み取り結果が読取結果選択部12において比較
される。そして、読取結果選択部12において、エラー
の少ない方の読み取り結果が選択され、選択結果S12
が再生信号処理部6に出力され、表示信号が生成され
る。
【0114】上述したように、本実施例のVTRによれ
ば、VTRテープの同一の領域が2度、読み取られるた
め、VTRテープには信号が正確に記録されているがゴ
ミなどにより読み取りが正確に行われない場合などの偶
発的に発生する読み取りエラーによる再生不可の確率を
大幅に低減することができる。
【0115】第5実施例について説明する。本実施例で
は、ATF情報としでVTRテープに記録されたパイロ
ット信号を用いてトラッキングサーボを行い、ドラムの
面ぶれなどによるヘッドの高さの誤差を較正することが
できるVTRについて説明する。図18は、本実施例の
VTRの構成図であり、図1に示す第1実施例のVTR
にATFサーボ部14を加えた構成となっている。本実
施例のVTRに使用されるVTRテープには、図1に示
すように、例えば、偶数番目のトラックにf0の周波数
特性を有するパイロット信号が記録され、奇数番目のト
ラックにf1およびf2の周波数特性を有するパイロッ
ト信号が交互に記録されている。
【0116】本実施例のVTRでは、図2(B)に示す
ヘッド50a、52aが偶数番目のトラックを走査し、
ヘッド50b、52bは奇数番目のトラックを走査し、
従来技術で説明したように、ヘッド50a、52aが走
査する偶数番目のトラックにおいてのみトラッキングサ
ーボが働く。但し、本実施例のVTRでは、第1実施例
で説明したように、ヘッド50aとヘッド52aとは隣
接したトラックを同時に走査するため、ヘッド50aが
走査する偶数番目のトラックについてトラッキングサー
ボによる制御を行えば、ヘッド50bが走査する奇数番
目のトラックについても適切に走査を行うことができ
る。このとき、ヘッド50aとヘッド50bとが予め高
精度に相対的に位置決めされて設置されていることが必
要である。
【0117】図18に示すように、本実施例のVTRで
は、ヘッド50a、50bが読み取った偶数番目のトラ
ックのパイロット信号がATFサーボ部14に出力さ
れ、そのパイロット信号に含まれるf1およびf2の比
率を検出し、その検出結果に応じてトラッキングサーボ
により、ヘッド50a、50bの走査位置を較正する。
図3に示す場合には、例えば、読み取られたパイロット
信号に含まれるf1の比率が大きい場合には、ヘッド5
0a、52aはf1のパイロット信号を記録したトラッ
クの方向に寄りすぎているため、その比率に応じた距離
だけヘッド50a、52aをf2のパイロット信号を記
録したトラックの方向に移動する。
【0118】上述したように、本実施例のVTRでは、
ヘッド50a、52aとヘッド50b、52bとの相対
的な位置を適切に設定しておけば、ヘッド50a、52
aおよびヘッド50b、52bがそれぞれ同時に隣接し
たトラックを走査するため、ヘッド50a、52aが走
査するトラックについてトラッキングサーボを行えば、
同時に、ヘッド50b、52bが走査するトラックにつ
いても適切な走査を行うことができる。
【0119】上述した実施例では、VTRについて例示
したが、本発明の信号再生装置は、VHSテープの走査
を行うVHSテープ走査装置であってもよい。この場合
には、上記図2(A)における上ドラム44aのリード
の角度はθ1は、例えば、5°54’4.9”である。
【0120】本発明の信号再生装置は、上述した実施例
に限定されない。例えば、図19に示すように、VTR
4、5を、記録信号処理部7および再生信号処理部6を
介して接続し、操作部2からの操作信号に応じたシステ
ムコントローラ3からの制御信号に基づいて、相互間で
記録および再生を行うような構成にしてもよい。このと
き、例えばVTR5の代わりに、ハードディスクあるい
は半導体メモリを用いてもよい。
【0121】
【発明の効果】上述したように本発明の信号再生装置に
よれば、上ドラムの回転速度を従来の半分にすることが
でき、従来に比べての低い周波数特性の回路を用いるこ
とができる。その結果、従来では、回路の周波数特性な
どの面から困難であった4倍速の再生および記録につい
ても、従来の2倍速の再生および記録を行う際に用いた
回路と同等の周波数特性を有する回路で実現することが
できる。また、ヘッドチップのたたきによる影響を抑制
することができ、ヘッドのダメージも減少し、ヘッドの
寿命を長期化することができる。
【0122】また、本発明の信号再生装置によれば、ド
ラムの構造の複雑化の原因となるダイナミックトラッキ
ングヘッドを用いずに、スロー再生および−1倍速の再
生を行うことができる。その結果、ドラムの構造が簡単
になり、製造コストも安価になる。
【0123】また、本発明の信号再生装置によれば、テ
ープに付着したゴミなどに起因する偶発的な読み取りエ
ラーによる再生不可の可能性を低減することができる。
【0124】さらに、本発明の信号再生装置によれば、
1本おきのトラックについてATFサーボなどのトラッ
キングサーボを行う方式を採用した場合に、例えばパイ
ロット信号などのATF情報によるトラッキングサーボ
が行われないトラックについても高精度にトラックを走
査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のVTRの構成図である。
【図2】(A)はドラムの外観概略図であり、(B)は
上ドラムに設けられたヘッドの位置を説明するための図
である。
【図3】図1に示すVTRのヘッドの走査角度を説明す
るための図である。
【図4】第1実施例における再生信号処理部の構成図で
ある。
【図5】第1実施例における2倍速再生の場合の図4に
示す再生信号処理部の処理の処理タイミングである。
【図6】第1実施例における1倍速再生の場合の図4に
示す再生信号処理部の処理の処理タイミングである。
【図7】第1実施例における4倍速再生の場合の図4に
示す再生信号処理部の処理の処理タイミングである。
【図8】第2実施例のVTRの構成図である。
【図9】第2実施例のVTRのヘッドの走査領域を説明
するための図であり、(A)はトラックを簡略化のため
にテープ走行方向に対して垂直に描いたときの図、
(B)はトラックをテープ走行方向に対して所定角度だ
け傾斜させ実際のフォーマットに近似させて描いたとき
の図である。
【図10】第2実施例における再生信号処理部の構成図
である。
【図11】第2実施例における再生信号処理部の処理の
処理タイミングである。
【図12】ドラムの回転速度として15rpsを選択し
た場合の第3実施例のVTRのヘッドの走査領域を説明
するための図であり、(A)はトラックを簡略化のため
にテープ走行方向に対して垂直に描いたときの図、
(B)はトラックをテープ走行方向に対して所定角度だ
け傾斜させ実際のフォーマットに近似させて描いたとき
の図である。
【図13】ドラムの回転速度として35rpsを選択し
た場合の本実施例のVTRのヘッドの走査領域を説明す
るための図であり、(A)はトラックを簡略化のために
テープ走行方向に対して垂直に描いたときの図、(B)
はトラックをテープ走行方向に対して所定角度だけ傾斜
させ実際のフォーマットに近似させて描いたときの図で
ある。
【図14】第3実施例における再生信号処理部の構成図
である。
【図15】第3実施例における再生信号処理部の処理の
処理タイミングである。
【図16】第5実施例のVTRの構成図である。
【図17】図16に示すVTRのヘッドの走査領域を説
明するための図であり、(A)はトラックを簡略化のた
めにテープ走行方向に対して垂直に描いたときの図、
(B)はトラックをテープ走行方向に対して所定角度だ
け傾斜させ実際のフォーマットに近似させて描いたとき
の図である。図17(A)と図17(B)とは実質的に
同じである。
【図18】第5実施例のVTRの構成図である。
【図19】本発明の信号再生装置のその他の例を説明す
るための図である。
【図20】(A)は従来のVTRの走査角度を説明する
ための図であり、(B)は上ドラムの回転速度を30r
psとし、テープ走行速度を2倍速にした場合のヘッド
の走査領域を説明するための図である。
【符号の説明】
2・・・操作部 4・・・テープトランスポート部 44a・・・上ドラム 44b・・・下ドラム 6・・・再生信号処理部 8・・・表示部 12・・・読取結果選択部 14・・・ATFサーボ部 50a、50b、52a、52b・・・ヘッド
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/473 G11B 15/467

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜めトラックが形成されるようにテープに
    記録された信号を再生する信号再生装置であって、 各々の斜めトラックを走査して同時に第1の再生信号お
    よび第2の再生信号をそれぞれ生成する相互に隣接する
    第1の回転ヘッドおよび第2の回転ヘッドを有し、前記
    テープが走行していないスチルモードの時に、前記第1
    の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドのそれぞれが
    1回転の間に複数の前記斜めトラックを横切って走査す
    るように前記テープが第1のリード角でその周囲に巻き
    付けられたドラムと、 前記第1の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドの回
    転速度と前記テープの走行速度とを制御する制御手段
    と、 前記第1の再生信号および前記第2の再生信号を処理す
    る処理手段とを具備し、 前記処理手段は、 前記第1の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドのそ
    れぞれからの前記第1の再生信号および前記第2の再生
    信号をそれぞれ記憶する第1のメモリおよび第2のメモ
    リと、 前記第1のメモリに記憶された第1の再生信号と前記第
    2のメモリに記憶された第2の再生信号とを出力するタ
    イミングを制御するメモリ制御手段と、 前記第1のメモリから出力された前記第1の再生信号と
    前記第2のメモリから出力された前記第2の再生信号と
    を切り換えて、前記第1の再生信号の半分の部分と前記
    第2の再生信号の半分の部分とのいずれか一方を出力す
    るスイッチング手段とを有する信号再生装置。
  2. 【請求項2】斜めトラックが形成されるようにテープに
    記録された信号を再生する信号再生装置であって、 各々の斜めトラックを走査して同時に第1の再生信号お
    よび第2の再生信号をそれぞれ生成する相互に隣接する
    第1の回転ヘッドおよび第2の回転ヘッドを有し、前記
    テープが走行していないスチルモードの時に、前記第1
    の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドのそれぞれが
    1回転の間に複数の前記斜めトラックを横切って走査す
    るように前記テープが第1のリード角でその周囲に巻き
    付けられたドラムと、 前記第1の回転ヘッドおよび前記第2の回転ヘッドの回
    転速度と前記テープの走行速度とを制御する制御手段
    と、 前記第1の再生信号および前記第2の再生信号を処理す
    る処理手段とを具備し、 前記処理手段は、前記第1の回転ヘッドおよび前記第2
    の回転ヘッドのそれぞれからの前記第1の再生信号およ
    び前記第2の再生信号をそれぞれ記憶する第1のメモリ
    および第2のメモリを有し、 前記第1の再生信号および前記第2の再生信号が、通常
    の速度の再生モードの時に、前記第1のメモリおよび前
    記第2のメモリに記憶するときの速度の2倍の速度で、
    前記第1のメモリおよび前記第2のメモリから出力さ
    れ、それによって前記再生信号が時間圧縮される信号再
    生装置。
  3. 【請求項3】斜めトラックが形成されるようにテープに
    記録された信号を再生する信号再生装置であって、 各々の斜めトラックを走査して同時に再生信号をそれぞ
    れ生成する相互に隣接する複数の回転ヘッドを有し、前
    記テープが走行していないスチルモードの時に、前記複
    数の回転ヘッドのそれぞれが1回転の間に複数の前記斜
    めトラックを横切って走査するように前記テープが第1
    のリード角でその周囲に巻き付けられたドラムと、 前記複数の回転ヘッドの回転速度と前記テープの走行速
    度とを制御する制御手段と、 前記再生信号を処理する処理手段とを具備し、 前記制御手段は、前記テープが通常の速度より遅い速度
    で走行される低速モード、あるいは、前記テープが逆向
    きに走行されるリバースモードの時に、前記テープの所
    望の走行速度に応じて、前記回転ヘッドが複数の斜めト
    ラックを横切って部分的に信号を再生するように、前記
    回転ヘッドの回転速度を制御し、 前記処理手段は、前記複数の回転ヘッドによって再生さ
    れた前記斜めトラックからの部分的な再生データを再配
    列する再配列手段を具備する信号再生装置。
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