JP3569959B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた抗活性酸素能を有するアミノ酸誘導体を含有し、皮膚及び毛髪にべとつき感、きしみ感を与えることなく、なめらかな使用感を有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、活性酸素種による様々な皮膚への障害・疾病が報告されている。例えば、太陽光線、特に紫外線による皮膚の老化、癌化、色素沈着、炎症等においては、その原因として活性酸素種が深く関与していることが知られている。従って、活性酸素種の作用を抑制することができれば、これら皮膚への障害・疾病を防ぐことが期待される。
【0003】
従来、活性酸素種の作用を抑制する物質として、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)をはじめとする酵素系抗酸化剤やアスコルビン酸、トコフェロール、グルタチオン等の非酵素系抗酸化剤、あるいはタンニン類等植物由来の抗酸化剤が知られている。しかしながら、これら物質のうち、SODは高価かつ化学的に不安定であることからその使用には制約がある。アスコルビン酸、トコフェロール、グルタチオン等の非酵素系抗酸化剤についても、不安定な化合物が多い上、活性酸素種の抑制効果も不十分である。タンニン類等植物由来の抗酸化剤もまた加水分解されやすい、自身が酸化されやすい等、安定性に問題を有するものが多い。
【0004】
また近年、生体内に存在する金属イオンが活性酸素種の発生において触媒の役割を果たしていることから、金属イオンを捕捉することにより活性酸素種の発生を抑える検討がいくつか報告されている(例えば、Free Radicals in Biology and Medicine. Oxford, Clarendon Press, 234頁,1989年)。金属イオン捕捉能を有する化合物としては、デスフェリオキサミン系化合物が知られているが、この化合物は、金属イオン捕捉能が強すぎるために生体内の金属イオンのバランスに支障をきたす上、高価格である。デスフェリオキサミン系化合物以外では、2,2´−ジピリジル、1,10−フェナンスロレン、2,2´−ジピリジルアミン等の金属イオンキレート剤が検討されているが、これらはその殆どが皮膚刺激性を示すことから、皮膚外用剤として用いることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安全性が高く、優れた抗活性酸素能を有し、しかも皮膚あるいは毛髪に塗布した時、皮膚及び毛髪にべとつき感、きしみ感を与えることなく、なめらかな使用感を有する皮膚外用剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体またはその塩と、多価アルコールを併用することにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、下記成分(A)及び成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)との配合割合は重量比で0.01/99.99〜90/10であることを特徴とする皮膚外用剤に関する。
(A)下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体またはその塩から選ばれる一種または二種以上
(B)多価アルコール
【0008】
【化2】
Figure 0003569959
(式中、Arは2−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−1−ナフチル基またはピリジル基を表し、そしてこれらの基の芳香環に結合した水素原子は、1個または複数個が独立にハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルコキシル基またはカルボキシル基で置換されていてもよく、Rはアミノ酸の側鎖を表し、Xは−CH −NH−を表し、Yは−COOR を表し(基中、R は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)、そして nは0または1の整数を表す。)
(ただし、(A)がN−(2−ヒドロキシベンジル)ヒスチジンで、かつ(B)が1,3−ブチレングリコールのもの、及び、(A)がN−(2−ヒドロキシベンジル)グルタミン酸で、かつ(B)が1,3−ブチレングリコールのものを除外する。)
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)上記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体において、Rとしては、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、システィン酸、ホモシスティン酸等の酸性アミノ酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、セリン、ホモセリン、チロシン、システィン、メチオニン、グルタミン、アルギニン等の中性アミノ酸、リジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性アミノ酸の側鎖をあげることができる。これらに不斉炭素原子が存在する場合は光学活性体またはラセミ体のいずれでも良い。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニア等の無機アミン塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、リジン、オルニチン、アルギニン等の有機アミン塩等をあげることができる。これらの塩は二種以上を組み合わせて用いても良い。これらはアミノ酸誘導体塩として配合しても、アミノ酸誘導体と塩基を別々に配合して組成物中でアミノ酸誘導体塩を形成せしめてもよい。
【0010】
本発明に用いられるアミノ酸誘導体の好ましい具体例としては、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−グルタミン酸、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−アスパラギン酸、N−(2−ヒドロキシベンジル)グリシン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−アラニン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−DL−アラニン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−スレオニン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−チロシン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−フェニルアラニン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−セリン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−ヒスチジン、N−(2−ヒドロキシベンジル)−L−アルギニン等をあげることができる。
【0011】
上記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体は、例えばサリチルアルデヒドのような2−ヒドロキシ芳香族アルデヒドとアミノ酸またはそのエステルとを溶媒中または無溶媒で反応させることにより、また、必要に応じて水素化ホウ素ナトリウム等の水素添加剤を添加することにより容易に導くことができる。
【0012】
本発明に用いられる(B)多価アルコールの好ましい具体例としては、ポリオキシエチレングリコール(3〜12E.O.付加物)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリグリセリン、マルチトール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0013】
上記成分(A)、成分(B)はそれらのいずれか一種を単独で使用することもできるが、二種以上を併用することも可能である。
【0014】
本発明の皮膚外用剤における成分(A)と成分(B)との配合割合は、重量比で、通常0.01/99.99〜90/10、好ましくは0.05/99.95〜50/50である。多価アルコールの含有割合が10未満の場合、皮膚あるいは毛髪に対してきしみ感を生じる等使用感に問題があり好ましくない。また、99.99を超える場合には、皮膚にべとつき感が生じ、使用感に問題があり好ましくない。
【0015】
本発明の皮膚外用剤における成分(A)及び成分(B)の合計の含有量は、0.01〜80重量%、好ましくは0.02〜50重量%である。0.01重量%未満では抗活性酸素能が十分に発揮されず、80重量%を超えるとべとつき感等使用感に問題を生じるので好ましくない。
【0016】
本発明の皮膚外用剤には、成分(A)及び成分(B)以外に、一般に皮膚外用剤として使用されている成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。一般に皮膚外用剤に使用されている成分としては、尿素、エタノール、イソプロパノール、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、油脂、高分子化合物、乳化剤、粉体、抗生物質等を挙げることができる。
【0017】
アニオン界面活性剤としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、オレイン酸等の高級脂肪酸塩、N−長鎖アシルグルタミン酸、N−長鎖アシルアスパラギン酸、N−長鎖アシルグリシン、N−長鎖アシルアラニン、N−長鎖アシルザルコシン、N−長鎖アシル−β−アラニン、N−長鎖アシル−N−メチル−β−アラニン等のN−アシルカルボン酸塩、ポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(3E.O.)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3E.O.)トリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(4.5E.O.)ラウ リルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(6E.O.)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(7E.O.)トリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレン(3E.O.)ステアリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3E.O.)オクチルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル酢酸モノエタノールアミン等のエーテルカルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(炭素数12)等のアルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸牛脂アミド二ナトリウム、ポリオキシエチレン(1〜5E.O.)スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレン(3E.O.)スルホコハク酸ミリスチル二ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(5E.O.)ラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(2E.O.)モノオレイルアミド二ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリントリエタノールアミン、ラウロイル−N−メチルタウリントリエタノールアミン等のN−アシルスルホン酸塩、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸トリエタノールアミン、ラウロイルイセチオン酸トリエタノールアミン等のO−アシルスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、パルミチル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸トリエタノールアミン、パルミチル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)パルミチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)パルミチルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のエーテル硫酸塩、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸トリエタノールアミン、ミリスチルリン酸ナトリウム、ミリスチルリン酸トリエタノールアミン、オレイルリン酸ナトリウム、オレイルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ラウリルエーテルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ミリスチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)ミリスチルエーテルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)オレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜4E.O.)オレイルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のアルキルリン酸塩をそれぞれ挙げることができる。
【0018】
両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチル酢酸ベタイン、ミリスチルジヒドロキシエチル酢酸ベタイン、パルミチルジヒドロキシエチル酢酸ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチル酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジヒドロキシエチル酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、パルミチン酸アミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ミリスチルジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、パルミチルジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノプロピルスルホベタイン、ミリスチルジメチルアミノプロピルスルホベタイン、パルミチルジメチルアミノプロピルスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノプロピルスルホベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−パルミチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ステアリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム誘導体をそれぞれ挙げることができる。
【0019】
ノニオン界面活性剤としては、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2E.O.)ラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2E.O.)ミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2E.O.)パルミチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2E.O.)ステアリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン(2E.O.)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド誘導体、糖アルコールヒドロキシ脂肪族エーテル誘導体等の糖質系化合物をそれぞれ挙げることができる。
【0020】
カチオン界面活性剤としては、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・塩酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・乳酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・コハク酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・クエン酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・リンゴ酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・リン酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・グルタミン酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・アスパラギン酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・硫酸塩、Nα−ココイル−L−アルギニンメチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−ラウロイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−ミリストイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−パルミトイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−ステアロイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nα−オレオイル−L−アルギニンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のNα−長鎖アシルアルギニン低級アルキルエステル塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・乳酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・コハク酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・クエン酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・リンゴ酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・リン酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・グルタミン酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・アスパラギン酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル・硫酸塩、Nε−ラウロイル−L−リジンメチルエステル・塩酸塩、Nε−ココイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩、Nε−ミリストイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩、Nε−パルミトイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩、Nε−ステアロイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩、Nε−オレオイル−L−リジンエチルエステル・塩酸塩等のNε−アルキルリジン低級アルキルエステル塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、エイコシルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド等のモノアルキル第4級アンモニウム塩、ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモニウムブロマイド、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモニウムメチルサルフェート等のジアルキル第4級アンモニウム塩、ジステアリルポリエテノキシメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルポリエテノキシエチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルポリエテノキシヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、トリステアリルポリエテノキシアンモニウムブロマイド、ジステアリルポリエテノキシエチルアンモニウムエチルサルフェート等のアルキルポリエテノキシ第四級アンモニウム塩、をそれぞれ挙げることができる。
【0021】
油脂としては、アボガド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ブドウ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、大豆油、綿実油、硬化油等のトリグリセリド、オレンジラフィー油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等の炭化水素、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等の高級アルコール、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール等のステロール、オレイン酸オレイル、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ピログルタミン酸オレイン酸グリセリル、ジ(コレステロール、ベヘニル、オクチルドデシルアルコール)−N−ラウロイル−L−グルタミン酸エステル等の脂肪酸エステル、をそれぞれ挙げることができる。
【0022】
高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコン油、キチン、部分脱アセチル化キチン、加水分解コラーゲン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸ナトリウム、キサンタンガム等を挙げることができる。
【0023】
乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリン、ジグリセリンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノセスキオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール等を挙げることができる。
【0024】
粉体としては、タルク、カオリン、二酸化チタン、チタン被覆雲母、雲母、酸化鉄、珪酸、群青、紺青、亜鉛華、クレー、沈降炭酸カルシウム、オキシ塩化ビスマス、ペントナイト、モンモリロナイト等の無機粉体、Nε−ラウロイルリジン、グアニン、ラミネート樹脂パール剤等の有機粉体をそれぞれ挙げることができる。
【0025】
抗生物質としては、エリスロマイシン、ストレプトマイシン、テラマイシン、オーレオスライシン、グラミシジン、クロラムフェニコール、オーレオマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、バイシリン、バシトラシン、ネオマイシン、ペニシリン、ポリミキシンB、ロイコマイシン等を挙げることができる。
【0026】
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に制限されず、溶液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等任意の剤型をとることができる。また、本発明の皮膚外用剤はオイル、ローション、クリーム、乳液、ゲル、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、エナメル、ファンデーション、リップスティック、おしろい、パック、軟膏、香水、パウダー、オーデコロン、石鹸、エアゾル、クレンジングフォーム等の化粧料もしくは洗浄剤のほか、皮膚老化防止改善剤、皮膚炎症防止改善剤、浴用剤、養毛剤、皮膚美容液、日焼け防止剤、または外傷、あかぎれ、ひびわれ等による肌荒れの防止改善剤等に用いることができる。
【0027】
更に皮膚外用剤におけるその他の常用成分を、本発明の皮膚外用剤に本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。皮膚外用剤におけるその他の常用成分としては、DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、プロデュウ100(味の素社)、プロデュウ200(味の素社)等の保湿剤、エチレンジアミンテトラ酢酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、コハク酸、ケファリン、サッカリン酸、ヘキサメタリン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1 −ジフォスフォン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、あるいはこれらの塩等のキレート剤、生薬、ビタミン類、ホルモン類、抗ヒスタミン剤、皮膚収斂剤等の薬剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、エストロゲン、各種感光素等の発毛促進剤、アルブチンあるいはその他の各種ハイドロキノン配糖体等の美白剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等の酸化防止剤、胎盤抽出物、エラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス等の動・植物抽出成分、クレゾール誘導体あるいはパラベン誘導体等の防腐防黴剤、副腎皮質ホルモン等のホルモン、アミノ酸、柔軟剤、緩和剤、感触向上剤、過脂剤、粘度調整剤、パール化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料、色素等を挙げることができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、本実施例において、配合量は重量%で表した。
【0029】
合成例1
グリシン9gを2N水酸化ナトリウム水溶液60mlに溶かした後、これにサリチルアルデヒド12ml及び水素化ホウ素ナトリウム1.3gを順次加えた。1時間撹拌した後、再度、サリチルアルデヒド12ml及び水素化ホウ素ナトリウム1.3gを順次加えた。室温で1時間撹拌後、不溶物を濾別し、濾液をジエチルエーテルで抽出した。塩酸でpHを4に調節して、N−(2−ヒドロキシベンジル)グリシン17gを得た。同様にして、種々のN−(2−ヒドロキシベンジル)アミノ酸またはN−(4−ピリドキシル)メチレンアミノ酸を得た。
【0030】
合成例2
L−ヒスチジン1.6g及び2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド2.6gをエタノール220mlに加え、5日間撹拌することによりN−(2−ヒドロキシ−1−ナフタール)−L−ヒスチジン2.4gを得た。同様にして、種々のN−(2−ヒドロキシ−1−ナフタール)アミノ酸またはN−(4−ピリドキシリデン)アミノ酸を得た。
【0031】
試験例
皮膚外用剤として、男女各10人のパネラーの官能評価により、使用感を評価した。表1に各評価項目の評価基準を示す。官能評価に際しては表2に示す配合物を調製した。
【0032】
【表1】
Figure 0003569959
【0033】
【表2】
Figure 0003569959
【0034】
表2に示すように、本品は何れもべとつき感あるいはきしみ感がなく、使用感は十分満足のいくものであった。
【0035】
実施例7〜8 ボディーシャンプー
表3及び4に示す組成のボディーシャンプーを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0036】
【表3】
Figure 0003569959
【0037】
【表4】
Figure 0003569959
【0038】
実施例9 洗顔フォーム
表5に示す組成の洗顔フォームを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0039】
【表5】
Figure 0003569959
【0040】
実施例10〜12 化粧水
表6〜8に示す組成の化粧水を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0041】
【表6】
Figure 0003569959
【0042】
【表7】
Figure 0003569959
【0043】
【表8】
Figure 0003569959
【0044】
実施例13 ローション
表9に示す組成のローションを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0045】
【表9】
Figure 0003569959
【0046】
実施例14〜15 化粧用クリーム
表10〜11に示す組成の化粧用クリームを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0047】
【表10】
Figure 0003569959
【0048】
【表11
Figure 0003569959
【0049】
実施例16 クレンジングフォーム
12に示す組成のクレンジングフォームを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0050】
【表12
Figure 0003569959
【0051】
実施例17 乳液
13に示す組成の乳液を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0052】
【表13
Figure 0003569959
【0053】
実施例18 パック
14に示す組成のパックを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0054】
【表14
Figure 0003569959
【0055】
実施例19 口紅
15に示す組成の口紅を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0056】
【表15
Figure 0003569959
【0057】
実施例2022 毛髪用シャンプー
1618に示す組成の毛髪用シャンプーを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0058】
【表16
Figure 0003569959
【0059】
【表17
Figure 0003569959
【0060】
【表18
Figure 0003569959
【0061】
実施例23 リンス
19に示す組成のリンスを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0062】
【表19
Figure 0003569959
【0063
実施例24 ヘアコンディショナー
20に示す組成のヘアコンディショナーを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0064】
【表20
Figure 0003569959
【0065】
実施例25 パーマネントウェーブ剤
21に示す組成のパーマネントウェーブ剤を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0066】
【表21
Figure 0003569959
【0067】
実施例26 発毛促進剤
22に示す組成の発毛促進剤を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0068】
【表22
Figure 0003569959
【0069】
実施例27 染毛剤
23に示す組成の染毛剤を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0070】
【表23
Figure 0003569959
【0071】
実施例28 歯磨
24に示す組成の歯磨を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0072】
【表24
Figure 0003569959
【0073】
実施例29 日焼け防止クリーム
25に示す組成の日焼け防止クリームを常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0074】
【表25
Figure 0003569959
【0075】
実施例30 美白剤
26に示す組成の美白剤を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0076】
【表26
Figure 0003569959
【0077】
実施例3137 軟膏剤
2733に示す組成の軟膏剤を常法により調製した。本品はべとつき感、きしみ感の何れも示さず、使用感は十分満足のいくものであった。
【0078】
【表27
Figure 0003569959
【0079】
【表28
Figure 0003569959
【0080】
【表29
Figure 0003569959
【0081】
【表30
Figure 0003569959
【0082】
【表31
Figure 0003569959
【0083】
【表32
Figure 0003569959
【0084】
【表33
Figure 0003569959
【0085】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、安全性が高く、優れた抗活性酸素能を有し、しかも皮膚あるいは毛髪に塗布した時、皮膚及び毛髪にべとつき感、きしみ感を与えることなく、なめらかな使用感を有するものである。

Claims (1)

  1. 下記成分(A)及び成分(B)を含有し、成分(A)と成分(B)との配合割合は重量比で0.01/99.99〜90/10であることを特徴とする皮膚外用剤。
    (A)下記一般式(I)で表されるアミノ酸誘導体またはその塩から選ばれる一種または二種以上
    (B)多価アルコール
    Figure 0003569959
    (式中、Arは2−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−1−ナフチル基またはピリジル基を表し、そしてこれらの基の芳香環に結合した水素原子は、1個または複数個が独立にハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルコキシル基またはカルボキシル基で置換されていてもよく、Rはアミノ酸の側鎖を表し、Xは−CH2 −NH−を表し、Yは−COOR1を表し(基中、R1 は水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)、そして nは0または1の整数を表す。)
    (ただし、(A)がN−(2−ヒドロキシベンジル)ヒスチジンで、かつ(B)が1,3−ブチレングリコールのもの、及び、(A)がN−(2−ヒドロキシベンジル)グルタミン酸で、かつ(B)が1,3−ブチレングリコールのものを除外する。)
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