JP3569841B2 - 貼合方法と熱融着性シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーペット、クッションフロアー、リノリウム、壁紙等の内外装材や、吸音材、制振材、断熱材、クッション材等の内外装下地材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内外装材の多くは、装飾性を有する表面材と、それを支える裏面の基材との積層構造になっている。表面材には、温かく柔らかい感触を与える合成繊維や合成樹脂等の熱可塑性高分子物質が使用されている。基材には、内外装材に吸音性、防音性、保温性、弾力性等の機能を付与するために、合成繊維フェルトや合成樹脂発泡シート等の熱可塑性高分子物質で構成された厚く嵩高な多孔質シートが使用されている。内外装下地材は、内外装材の機能を補完するために使用されるものであり、それには基材と同様に熱可塑性高分子物質で構成された厚く嵩高な多孔質シートが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル樹脂は、安価で加工し易いことからして、内外装下地材や内外装材の表面材や基材(以下、これらを資材と言う。)に汎用されている。しかし近時、それが人体に有害とされる可塑剤を多量必要とし、火災時や焼却時には有害なハロゲンガスを発生する等の問題点が指摘され、それに代わる素材としてポリオレフイン系の樹脂と繊維、及び、ポリエステル系の樹脂と繊維が注目を集めている。これらの素材に成る資材を貼り合わせるには、接着剤を使用すればよいのであるが、これらの樹脂や繊維、特にポリオレフイン系の樹脂と繊維は接着性を欠き、吸音性、防音性、保温性、弾力性等の機能を有する資材は一般に厚く嵩高になっているので資材間に挟み込まれた接着剤の乾燥を妨げ、叉、加熱して接着剤を乾燥させようとするときは資材が熱変形し易い。それで、熱融着性樹脂による貼り合わせが望まれる。
【0004】
一般に2枚の資材を熱融着性樹脂によって貼り合わせる場合、熱融着性樹脂を加熱溶融し、Tダイ押出機からフイルム状に押し出して2枚の資材間に挟み込む方法が採られる。しかしその押し出される熱融着性樹脂の熱溶融フイルムを薄くすれば破れて綺麗に貼り合わせることが出来ず、それを厚くするときはコスト高になるだけではなく、その熱溶融フイルムの余熱によって資材が破れたり熱変形し易くなる。その貼合時の破れや変形を防ぐには、資材を冷却しておくか、熱溶融フイルムを挟み込むと同時に資材を冷却すればよいと言うことになる。しかしそうすると熱融着性樹脂の資材への密着性が損なわれて剥離し易くなる。このような不都合は、Tダイ押出機によらず、熱融着性樹脂を加熱溶融し、ロールコーターやドクターナイフによって資材に塗布する場合にも同様に指摘される。
【0005】
勿論、不織布の表裏に熱融着性機能を点状に塗着した両面熱融着性シートは衣料品用の接着芯地として公知であり、それを2枚の資材の間に挟み込んでアイロン掛け(加熱圧着)することが考えられる。しかし吸音材や制振材、断熱材、クッション材等としての資材は、嵩高で厚く断熱性に優れ、その素材としてのポリオレフイン系の樹脂や繊維は熱変形し易いので、厚みが1mm以下の衣料生地の場合と同じ様に、それらの資材を両面熱融着性シートを使用して貼り合わせることは出来ない。
【0006】
特開平10−292270号(特許第2843561号)には、これらの不都合を解決する手段が開示されている。即ち、特開平10−292270号では、貼り合わせる2枚の資材の少なくとも一方の貼合面に熱融着性樹脂(熱接着性繊維)を予め積層しておき、それを火炎か電熱ヒーターで直接加熱溶融させ、直ちに(1〜2秒程のうちに)2枚の資材を重ね合わせて加圧することとしている。しかし、この方法によってもポリオレフイン系の樹脂や繊維の如く低融点の熱可塑性高分子物質を素材とする資材の貼り合わせは困難である。
【0007】
【発明の目的】
そこで本発明は、資材がポリオレフイン系の樹脂や繊維の如く低融点の熱可塑性高分子物質を素材とするものでも、熱融着性樹脂を使用して綺麗に貼り合わせることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る熱融着貼合方法は、非熱可塑性物質で構成された可撓性シート11の表裏全面に加熱して粘着性を帯びた状態にした非水溶性熱融着性樹脂12を担持させて、平面形状を有する2枚の資材13・14の間に挟み込むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る両面熱融着性シート16は、非熱可塑性物質で構成された可撓性シート11の表裏の全面が、JIS−K−7210に規定されるメルトフローレートが1g/10min以上でJIS−K−7121に規定される融解温度が40〜120℃の非水溶性熱融着性樹脂12・12で被覆されており、その可撓性シート11と表裏の非水溶性熱融着性樹脂12・12を合わせた厚み(t)が1.5mm以下であり、JIS−Z−1528に規定される180°引きはがし法に従って常温(25℃)においてステンレス鋼板(SUS40CP)に圧着した後の剥離強度が1kgf/25mm以下であることを第1の特徴とする。
【0010】
本発明に係る両面熱融着性シート16の第2の特徴は、上記の第1の特徴に加えて、可撓性シート11にガラス繊維不織布を使用することにある。
【0011】
本発明に係る両面熱融着性シート16の第3の特徴は、上記の第1の特徴に加えて、可撓性シート11がガラス繊維不織布であり、非水溶性熱融着性樹脂12としてポリオレフィン系樹脂が主材として使用されていることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、貼り合わせる2枚の資材13・14の中の少なくとも一方の資材の厚みが1mm以上であり、その2枚の資材13・14の中の少なくとも一方の資材が熱可塑性高分子物質を有し、その熱可塑性高分子の融点(A℃)が可撓性シート11の表裏の非水溶性熱融着性樹脂12の融点(B℃)よりも高く、その差(D=A−B)が50℃以下であり、その2枚の資材13・14の中の少なくとも一方が内部空隙15を有し、その資材13・14に占める内部空隙15の容積比率が50容積%以上であるとき特に有効である。
【0013】
非水溶性熱融着性樹脂には、ポリオレフイン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合系樹脂、スチレン・イソプレン・ブロック共重合系樹脂、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合系樹脂、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合系樹脂、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック三元共重合系樹脂、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック三元共重合系樹脂、その他、ナイロン樹脂系やポリエステル樹脂系等、ホットメルト接着剤として公知の熱融着性樹脂が、適宜、ワックス、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、水素添加ロジン等の粘着付与剤を配合して使用される。これらの非水溶性熱融着性樹脂12は、資材13・14や可撓性シート11との相容性を考慮して選択し使用される。
【0014】
貼り合わせる2枚の資材13・14の一方または双方が熱可塑性高分子物質を有する場合、非水溶性熱融着性樹脂12には、その資材13・14の熱可塑性高分子物質よりも融点が少なくとも10℃以上、好ましくは50℃以上低いものを使用するとよい。非水溶性熱融着性樹脂12は、それを加熱して熱溶融状態にして可撓性シート11に担持させて2枚の資材の間に挟み込んでもよいし、それを可撓性シート11の表裏に予め積層しておき、その可撓性シート11の上で加熱し熱融着状態にして2枚の資材の間に挟み込んでもよい。
【0015】
非水溶性熱融着性樹脂12によって貼り合わされた複合貼合資材18は、更に、他の資材(複合貼合資材)に貼り合わせて多重複合貼合資材に仕上げることも出来る。
【0016】
可撓性シート11は非熱可塑性物質を主材とするものであればよく、それにはガラス繊維布帛(不織布)、セルロース繊維布帛(不織布)、炭素繊維布帛(不織布)、パルプ繊維不織布(紙)、和紙、アルミニウム箔その他の金属箔シートが使用される。特に、目付けが50g/m 以下、概して25g/m 前後でガラス繊維間に隙間があってポーラスなガラス繊維不織布を可撓性シート11に用いるときは、そのガラス繊維間に隙間を透過して表裏の非水溶性熱融着性樹脂が可撓性シート(ガラス繊維不織布)11に融着して完全に一体化し、それを介して2枚の資材13・14を貼り合わせるとき、可撓性シート11と非水溶性熱融着性樹脂12の間の層間剥離が全く起きない複合貼合資材18が得られる。
【0017】
複合貼合資材18は、その片面から順に、表面資材13と非水溶性熱融着性樹脂層(12)と可撓性シート(ガラス繊維不織布)11と非水溶性熱融着性樹脂層(12)と裏面資材14との少なくとも五層の積層構造物になるが、表面側の非水溶性熱融着性樹脂層(12)と可撓性シート(ガラス繊維不織布)11と裏面側の非水溶性熱融着性樹脂層(12)との三層は表裏の資材13・14を貼り合わせる接着層17であり、その可撓性シート11を概して25g/m 前後となる目付け50g/m 以下のポーラスなガラス繊維不織布とし、その接着層17の厚みを1.5mm以下にするときは、ガラス繊維が接着層17の表裏にわたって介在し、その接着層17の内部での層内剥離は起きず、表裏の資材13・14は恰もガラス繊維に縫合されたかの如く一体化して剥離強度の強い複合貼合資材18が得られる。
【0018】
非水溶性熱融着性樹脂12は資材13・14に密着する程度に接着層17の表裏に介在すれば充分である。従って、両面熱融着性シート16(接着層17)は、加熱して2枚の資材13・14に挟み込む際に破れない程度に薄いものであってもよく、叉、その厚み(t)が薄ければ加熱した際に非水溶性熱融着性樹脂12が瞬時に粘着性を帯びた状態になって貼り合わせ易く、加熱エネルギーも少なくて済む。この点でも、無機質で熱伝導率の高いガラス繊維によって構成され、目付けが50g/m 以下、概して25g/m 前後でガラス繊維間に隙間があってポーラスなガラス繊維不織布を可撓性シート11に用い、両面熱融着性シート16(接着層17)の厚み(t)を1.5mm以下、好ましくは1mm以下で概して0.5mm前後にすることが推奨される。
【0019】
本発明において、資材13・14の貼り合わせに非水溶性熱融着性樹脂12を使用するのは、縫製後に加湿したり水中に浸漬して衣料生地から剥離させる衣料品用の接着芯地の熱融着性樹脂のように水溶性のものでは、資材13・14の貼り合わせ時に、その熱融着性樹脂を加湿して粘着性を帯びた状態にすることも出来、加熱して粘着性を帯びた状態にすることは必ずしも必要でなく、加熱による資材の破れや変形と言った技術的課題を解決すべき手段を必要とせず、叉、水溶性の熱融着性樹脂を使用したのでは内外装材や内外装下地材に適した耐水性のある複合貼合資材18が得られないためである。
【0020】
非水溶性熱融着性樹脂に、JIS−Z−1528・180°引きはがし法による剥離強度が1kgf/25mm以下のものを使用するのは、慣用される粘着テープ等の粘着剤も一種の非水溶性熱融着性樹脂ではあるが、その粘着テープ等の剥離強度(JIS−Z−1528)が2kgf/25mm以上であり、その粘着テープ等は使用時に加熱する必要はなく、従って加熱による資材の破れや変形と言った技術的課題を解決すべき手段を必要とせず、叉、そのように常温で接着して使用されるものでは強い剥離強度を有せず、それを使用して貼り合わせても常温で容易に剥離し、剥離強度の強い複合貼合資材は得難くなるためである。
【0021】
従って、常温における複合貼合資材18の接着層17の内外での剥離強度を高めたい場合には、融解温度(JIS−K−7121)が70℃以上、好ましくは90〜120℃の非水溶性熱融着性樹脂12を用い、両面熱融着性シート16の剥離強度(JIS−Z−1528・180°引きはがし法)が0.5kgf/25mm以下になるようにするとよい。そうすると、ガラス繊維に補強されて全体が伸縮し難く、引張強度や寸法・形状安定性にも優れ、使用中に頻繁に擦られるダストコントロールマット(出入口用マット)やタイルカーペットその他の床材、或いは、吸音材、制振材、断熱材、クッション材等の床下地材に適した複合貼合資材18が得られる。
【0022】
【具体例】
図1は、貼合装置を図示し、非水溶性熱融着性樹脂12は、ヒーター20に加熱されて溶融し、溶液状になって加熱パッド19に貯えられる。可撓性シート11は、その溶液状の非水溶性熱融着性樹脂12を潜って引き上げられ、その表裏に塗着した非水溶性熱融着性樹脂12は、ニップロール21・21で積層の厚みが整えられ、そのまま2枚の資材13・14の間に挟み込まれ、加圧ロール23・23で圧着されて複合貼合資材18に接着層17を形成する。22は、ニップロール21に付着した余剰の非水溶性熱融着性樹脂12を掻き取るドクターナイフである。
【0023】
図1に図示する貼合装置では、資材13・14の貼合面だけが熱溶融した薄い非水溶性熱融着性樹脂12に触れて加熱されるだけなので、ポリオレフイン繊維製一次基布25にパイル24をタフテイングしたタフテッドパイル布帛(13)とポリエチレン樹脂発泡シート(14)のように、貼合面が低融点の熱可塑性高分子物質で構成された資材の貼り合わせに好都合である。図2は、このようにしてタフテッドパイル布帛(13)とポリエチレン樹脂発泡シート(14)を貼り合わせて仕上げられたタフテッドカーペット(18)の断面図であり、15はポリエチレン樹脂発泡シートの内部空隙である。
【0024】
図3は、両面熱融着性シート16を使用する場合の貼合装置を図示し、26は加熱ゾーンである。非水溶性熱融着性樹脂12は、そこで熱溶融状態になり、可撓性シート11に担持されて2枚の資材13・14の間に挟み込まれ、加圧ロール23・23で圧着されて接着層17となり、複合貼合資材18が仕上げられる。この具体例では、2枚の資材13・14の貼合面は、加熱ゾーン26の余熱によって予備加熱されるようになっている。従って、図3に図示する貼合装置は、エマルジョン樹脂接着剤によって裏打されたパイル布帛やニードルパンチングフェルト(13)に、エマルジョン樹脂接着剤を含浸させた厚手の不織布(所謂、樹脂綿14)を貼り合わせる場合のように、貼合面が比較的熱変形し難い資材の貼り合わせに好都合である。27は、貼り合わされた複合貼合資材18を、非水溶性熱融着性樹脂12が冷却して固化するまで挟持するエンドレスベルトである。図3において、28はガイドロールである。
【0025】
両面熱融着性シート16は、非水溶性熱融着性樹脂12を加熱溶融させてTダイ押出機からフイルム状に押し出して可撓性シート11の表裏に塗着して製造することも出来る。しかし、本発明において使用する非水溶性熱融着性樹脂12は、そのメルトフローレート(JIS−K−7210)が1g/10min以上で融解温度(JIS−K−7121)が40〜120℃であり、比較的低温で高い流動性性を帯びて可撓性シート11に融着し易くなるので、格別高価なTダイ押出機を使用しなくても両面熱融着性シート16を製造することが出来る。
【0026】
図4は、両面熱融着性シート16の製造装置を図示し、非水溶性熱融着性樹脂12は、傾斜した堰止め板29と堰止めロール30によって溝状に構成された加熱パッドに投入され、堰止め板29の底面のヒーター37で加熱されて熱溶融状態にされて貯えられ、堰止めロール30が回転するとき、ドクターナイフ33に擦られて堰止めロール30の周面に塗膜を形成し、転写ロール31を介して可撓性シート11に転写され、可撓性シート11に担持されて水槽35へと導かれ、そこで冷却されて固化するようになっている。32は、堰止めロール30や転写ロール31を加熱するヒーターであり、それらのロールの周面に塗着した非水溶性熱融着性樹脂12は、可撓性シート11に転写されるまで熱溶融状態に維持される。34は、生産停止時に残存する非水溶性熱融着性樹脂12を掻き落として清掃するドクターナイフであり、加熱パッドに残存する非水溶性熱融着性樹脂12も転写ロール31に転送され、水槽35へと掻き落とされて冷却され、そこで固化して再使用される。
【0027】
【発明の効果】
本発明(請求項1)によると、非水溶性熱融着性樹脂12は、加熱して熱溶融状態にされ、可撓性シート11に担持されて資材間13・14に挟み込まれ、複合貼合資材18に接着層17を形成する。このため、厚みに無関係に2枚の資材を貼り合わせることが出来、合成繊維フェルトや合成樹脂発泡シート等の熱可塑性高分子物質で構成されていて内部空隙15を有し、容積比率が50容積%以上で厚く嵩高な吸音材、制振材、断熱材、クッション材等の多孔質シートでも、その内部空隙15を押し潰すことなく効率的に貼り合わせることが出来る。
【0028】
その可撓性シート11が、非熱可塑性物質で構成されているので、非水溶性熱融着性樹脂12と一緒に加熱されても、又、熱溶融状態にある非水溶性熱融着性樹脂12に触れて加熱されても破れたり熱変形することがなく、その担持する非水溶性熱融着性樹脂12の塗膜を限りなく薄くすることが出来、それによって2枚の資材13・14を貼り合わせて複合貼合資材18を柔軟可撓に仕上げることが出来、それらの資材13・14の吸音性、防音性、保温性、弾力性等の機能が非水溶性熱融着性樹脂12に損なわれることがなく、それらの資材13・14が熱可塑性高分子物質を素材とするものであっても、又、それが内部空隙15の容積比率が50容積%以上となる多孔質シートであっても貼合過程で破れたり熱変形することがなく、そして、それが内部空隙15の容積比率が50容積%以上となる多孔質シートであれば、それに接した非水溶性熱融着性樹脂12が瞬時に冷却固化することなく融着して剥離し難く、吸音性、防音性、保温性、弾力性等の機能性に優れた複合貼合資材18を得ることが出来る。
【0029】
そして本発明では、加熱して熱溶融状態にされた非水溶性熱融着性樹脂12を、非熱可塑性物質で構成された可撓性シート11が担持して資材間13・14へと挟み込むので、貼合装置の設計や据付けの都合上、非水溶性熱融着性樹脂12を熱溶融状態に加熱する加熱ゾーン(19・26)から挟み込むまでの距離を長くせざるを得ない場合でも、その間に予備加熱ゾーン36を設けることきが出来、非水溶性熱融着性樹脂による貼合装置の設計や据付けが楽になる。
【0030】
本発明(請求項2)によると、資材間13・14へと挟み込むために両面熱融着性シート16を加熱するとき、非水溶性熱融着性樹脂12を担持する可撓性シート11が非熱可塑性物質で構成されていて熱変形することがなく、その非水溶性熱融着性樹脂12のメルトフローレート(JIS−K−7210)が1g/10min以上で融解温度(JIS−K−7121)が120℃以下であるため、それを加熱して可撓性シート11の表裏に薄く強固に接着することが出来、全体の厚み(t)が1.5mm以下になっているので瞬時に加熱溶融させることが出来、従って資材13・14の貼合工程を高速化される。その非水溶性熱融着性樹脂12は、常温(25℃)での剥離強度(JIS−Z−1528)が1kgf/25mm以下であって殆ど粘着性を示さず、従って表裏を離形紙で保護する必要はなく安価に得られ、叉、使用時に表裏から離形紙を取り外す手間も省けて取扱い易い点でも本発明は実用的である。尚、常温における両面熱融着性シート16の粘着性を抑えるには、その表裏に凹凸(エンボス)を施すとよく、そのように凹凸(エンボス)を施すときは表裏の表面積が増して加熱溶融し易くなるので好都合である。その場合、その表側の凸部の先端から裏側の凸部の先端までの距離ではなく、その表側の凹部の底面から裏側の凹部の底面までの距離が両面熱融着性シート16の厚み(t)となる。即ち、凸部の先端から凹部の底面までの距離分は、両面熱融着性シート16の厚み(t)から除外される。
【0031】
本発明(請求項3)によると、無機質で熱伝導率の高いガラス繊維が可撓性シート11として使用されており、全体の厚み(t)を1.5mm以下にしたので、加熱して瞬時に粘着性を帯びた状態にすることが出来、2枚の資材13・14の間に挟み込んで効率的に貼り合わせることの出来る両面熱融着性シート16が得られる。その非水溶性熱融着性樹脂12の積層の厚みが500μmであれば資材との接着に充分であり、それを200μm以下にし、ガラス繊維不織布(11)の目付けが50g/m 以下、概して25g/m 前後で全体の厚み(t)を1mm以下で概して0.5mm前後にすると本発明の実用性が一層高まる。
【0032】
本発明(請求項4)によると、接着性を欠くポリオレフイン系樹脂や繊維に成る資材と同質のポリオレフイン系樹脂によって表裏が構成されているので、従来貼り合わせが困難とされていたポリオレフイン系樹脂や繊維に成る厚手の資材を簡便に強固に貼り合わせることが出来、而も、ガラス繊維のみならずポリオレフイン系樹脂も有害な燃焼ガスを発生せず、焼却時に無公害の両面熱融着性シート16が得られる。
【0033】
叉、接着層17がメルトフローレート(JIS−K−7210)が1g/10min以上で融解温度(JIS−K−7121)が120℃以下の非水溶性熱融着性樹脂12で構成されているので、その接着層17(両面熱融着性シート16)を加熱溶融させるときは、貼り合わせる資材に融着し易く、それを2枚の資材13・14の間に挟み込んで効率的に複合貼合資材18を得ることが出来る。
【0034】
そして非水溶性熱融着性樹脂12は、融解温度(JIS−K−7121)が40〜120℃であり、常温(25℃)においてステンレス鋼板(SUS40CP)に圧着した後の剥離強度(JIS−Z−1528・180°引きはがし法)が1kgf/25mm以下であって格別粘着性を有せず、而も、接着層17(両面熱融着性シート16)の厚み(t)が1.5mm以下と薄くなっているので、使用中に資材13・14の間にズレが生じ難く、特に、接着層17に介在する可撓性シート11に概して25g/m 前後となる目付け50g/m 以下のポーラスなガラス繊維不織布を用いるときは、ガラス繊維が接着層17の表裏にわたって介在し、その接着層17の内部での層内剥離は起きず、表裏の資材13・14はガラス繊維に縫合されるような恰好で一体化されることになる。
【0035】
このように本発明(請求項1〜4)は、内部空隙15の容積比率が50容積%以上となるパイル布帛やニードルパンチングフェルト、吸音材、制振材、断熱材、クッション材等の厚く嵩高で断熱性、吸音性、防音性、保温性、弾力性等の機能性に富む資材、ポリオレフイン樹脂、ポリオレフイン繊維、ポリエステル樹脂、ポリエステル繊維等の熱可塑性物質で構成されていて加熱されて変形し易い資材の貼り合わせに好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼合装置の側面図である。
【図2】本発明に係る複合貼合資材の断面図であり、一部を円で囲んで拡大して図示している。
【図3】本発明に係る貼合装置の側面図である。
【図4】本発明に係る両面熱融着性シートの製造装置の側面図である。
【符号の説明】
11 可撓性シート
12 非水溶性熱融着性樹脂
13・14 資材
15 内部空隙
16 両面熱融着性シート
17 接着層
18 複合貼合資材
19 加熱パット
20 ヒーター
21 ニップロール
22 ドクターナイフ
23 加圧ロール
24 パイル
25 一次基布
26 加熱ゾーン
27 エンドレスベルト
28 ガイドロール
29 堰止め板
30 堰止めロール
31 転写ロール
32 ヒーター
33・34 ドクターナイフ
35 水槽
36 予備加熱ゾーン
37 ヒーター

Claims (4)

  1. ガラス繊維で構成された目付けが50g/m 以下の可撓性シート(11)の表裏の全面が、メルトフローレート(JIS−K−7210)が1g/10min以上で融解温度(JIS−K−7121)が40〜120℃の非水溶性熱融着性樹脂(12・12)の200μm以下の積層で被覆されており、その可撓性シート(11)と表裏の非水溶性熱融着性樹脂(12・12)の積層を合わせた厚み(t)が1.5mm以下であり、常温(25℃)においてステンレス鋼板(SUS40CP)に圧着した後の剥離強度(JIS−Z−1528・180°引きはがし法)が1kgf/25mm以下である両面熱融着性シート(16)の全面に加熱し、その非水溶性熱融着性樹脂(12)が粘着性を帯びた状態にし、その両面熱融着性シート(16)を平面形状を有する2枚の資材(13・14)の間に挟み込むことを特徴とする熱融着貼合方法。
  2. ガラス繊維で構成された目付けが50g/m 以下の可撓性シート(11)の表裏の全面が、メルトフローレート(JIS−K−7210)が1g/10min以上で融解温度(JIS−K−7121)が40〜120℃の非水溶性熱融着性樹脂(12・12)の200μm以下の積層で被覆されており、その可撓性シート(11)と表裏の非水溶性熱融着性樹脂(12・12)の積層を合わせた厚み(t)が1.5mm以下であり、常温(25℃)においてステンレス鋼板(SUS40CP)に圧着した後の剥離強度(JIS−Z−1528・180°引きはがし法)が1kgf/25mm以下であることを特徴とする両面熱融着性シート。
  3. 前掲請求項2に記載の可撓性シート(11)が、ガラス繊維によって構成された不織布であることを特徴とする前掲請求項2に記載の両面熱融着性シート。
  4. 前掲請求項2に記載の可撓性シート(11)がガラス繊維で構成された不織布であり、非水溶性熱融着性樹脂(12・12)がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする前掲請求項2に記載の両面熱融着性シート。
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