JP3543136B2 - カーペット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として壁張地、椅子張地、床材、敷物等に使用される貼合用基布と貼合基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
壁張地、椅子張地、床材、敷物等は、屋内や車内において肌身の触れる箇所を美しく見せ装うために使用される内装資材であり、それにはファッション性と、ほどよい感触を与える断熱性やクッション性が要求される。
【0003】
内装資材の表面を装う紙、不織布、織物、編物、パイル布帛、人工皮革、天然皮革、合成皮革、プラスチックフイルムなど(以下、これらを内装基布と総称する。)に断熱性やクッション性を付与するために、それらの内装基布の裏面に発泡樹脂組成物を塗布積層し、或いは、発泡樹脂シートが貼り合わされている。しかし、発泡樹脂組成物を塗布積層する場合、その発泡樹脂組成物の発泡倍率を10倍以上に設定すると、異常発泡が生じ易く、均一厚みの発泡樹脂層を積層することは困難になる。その点、発泡樹脂シートを貼り合わせる場合は、発泡ウレタン樹脂シート、発泡オレフイン樹脂シート、発泡スチレン樹脂シート等、包装資材に広く使用されている安価な一定厚みの発泡樹脂シートを貼り合わせるだけなので経済的であり、異常発泡や厚みの不揃いの問題も生じない。特に、略完全弾性体である発泡ウレタン樹脂シートは、20〜40倍に発泡したものが包装資材に広く使用されていて安価に入手することが出来、それがブロック状に発泡形成したウレタン樹脂の発泡体をスライスしてつくられるので厚みの不揃いの問題もなく、その発泡体に異常発泡があるときはスライスする際に切除されるので問題にはならず、断熱性やクッション性を内装基布に付与する資材としては好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、包装資材に使用されている発泡ウレタン樹脂シート、発泡オレフイン樹脂シート、発泡スチレン樹脂シート等の高発泡樹脂シートは、それが高発泡しているが故に気泡シェルを構成している樹脂皮膜も極薄で掻き疵が付き易く、その貼り合わせた発泡樹脂シートでの層内剥離が問題になる。又、発泡ウレタン樹脂シートは、断熱性やクッション性、内装基布との接着性、資材としての経済性等の点で優れた特性を有するが、ブロック状に発泡形成した発泡体をスライスしてつくられるので、そのスライスしてつくられる最大長さは、厚みに反比例し、又、スライスする発泡体の大きさによって決まるので、余り長尺ものは得られない。そして発泡体の形成装置によって発泡ウレタン樹脂シートの幅も制限され、2mを超える広幅のものは得られず、この点では、熱溶融させてTダイ押出機から押し出してつくられる発泡オレフイン樹脂シートの場合も同様である。
【0005】
そこで、床材や敷物のように2mを超える広幅の内装基布に、高発泡した発泡樹脂シートを貼り合わせる場合は、幅が2m未満の発泡樹脂シートを数枚継ぎ合わせて広幅の発泡樹脂シートに調製して貼り合わせることになる。しかし、長尺広幅の発泡樹脂シートに継ぎ合わせるには、特殊な装置を必要とし、又、その継ぎ合わせる過程で皺や破れが発生し易く、継ぎ合わせて得られる発泡樹脂シートは極めて割高になる。そして、内装基布に必要とされる発泡樹脂層の厚みは一般に5mm前後に設定され、その程度の厚みで20〜40倍にも発泡している発泡樹脂シートは、貼り合わせる過程で加えられるテンションによって伸縮変形し易く、破れや皺の問題が発生し易い。
【0006】
【発明の目的】
そこで本発明は、発泡倍率が10倍以上の高発泡樹脂の積層された幅2m以上の広幅内装基布に適した貼合用基布と貼合基布を簡便且つ経済的に得ることを第1の目的とする。本発明の第2の目的は、内装基布に積層される発泡倍率が10倍以上の高発泡樹脂層の内装基布からの剥離強度を高めることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る貼合用基布22は、紙、不織布、織物、編物、パイル布帛、人工皮革、天然皮革、合成皮革、プラスチックフイルムなどの内装基布や、表面装飾を必要とする内装下地に貼り合わせて使用されるものであり、(a) 10倍以上の発泡倍率をもって発泡している発泡樹脂層12に繊維集合体層11が重ね合わされていること、(b) その繊維集合体層11の繊維(21)がニードルパンチングによって発泡樹脂層12に差し込まれていること、(c) その差し込まれた繊維集合体層11の繊維が発泡樹脂層12の表面に突き出て立毛層21を形成していること、(d) それらの繊維集合体層11と発泡樹脂層12が一体になった2層積層構造を形成していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る貼合基布14は、壁張地、椅子張地、床材、敷物等の内装資材として使用されるものであり、(e) 第1基布22と第2基布13を接着剤23を介して貼り合わさせて構成され、(f) 第1基布22が、10倍以上の発泡倍率をもって発泡している発泡樹脂層12に繊維集合体層11が重ね合わされており、その繊維集合体層11の繊維(21)がニードルパンチングによって発泡樹脂層12に差し込まれており、その差し込まれた繊維集合体層11の繊維が発泡樹脂層12の表面に突き出て立毛層21を形成しており、それらの繊維集合体層11と発泡樹脂層12が一体になった2層積層構造を形成している貼合用基布であり、(g) 第1基布22と第2基布13の間の接着剤23が、発泡樹脂層12の表面に突き出た繊維集合体層11の繊維の立毛層21と一体になった接着層(21・23)を形成しており、(h) 第1基布22の表面の繊維集合体層11と第2基布13が、発泡樹脂層12に差し込まれている繊維(21)を介して連結されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る貼合用基布22と貼合基布14の好ましい実施態様は、上記の特徴に加えて、発泡樹脂層12の発泡倍率を10倍以上にすることである。
【0010】
本発明に係る貼合用基布22と貼合基布14の他の好ましい実施態様は、上記の特徴に加えて、繊維集合体層11を繊維ウェブによって構成し、発泡樹脂層12に20〜70倍に高発泡した軟質発泡ウレタン樹脂シートを使用することである。
【0011】
本発明に係る貼合基布14の他の好ましい実施態様は、上記の特徴に加えて、貼合用基布(第1基布)22に貼り合わされる第2基布13をパイル布帛とすることである。
【0012】
【発明の実施の形態】
第2基布(内装基布)13と発泡樹脂層12と繊維集合体層11の順に重なった積層構造を成す貼合基布14は、その第2基布(内装基布)13と繊維集合体層11の何れを表面とするものであってもよい。例えば、第2基布(内装基布)13を内装資材の表面とする場合、第2基布(内装基布)13には、壁張地ではプリントやエンボスを施した紙、布帛、プラスチックフイルムなどが使用され、椅子張地では天然皮革、表面が合成樹脂皮膜で構成された合成皮革、表面が樹脂と繊維で構成された人工皮革、織物、編物などが使用され、床材や敷物ではプリントやエンボスを施した合成樹脂シート、リノリューム、ウイルトンカーペット、タフテッドカーペット、モケット、タオル地、パイル編地等のパイル布帛、太い糸で織成された厚手の織物(平織カーペット)、太い糸で編成された厚手の編物、ニードルパンチングフェルト、茣蓙、筵、木質カーペット(ウッドカーペット)、竹カーペット等の可撓性を有するもののほか、合板(フローリング)や金属板のように可撓性を欠くものも使用される。即ち、壁張地、椅子張地、床材、敷物等の内装資材の表面材として使用されている全ての資材が使用される。そのように第2基布(内装基布)13を内装資材の表面とする場合、裏材となる貼合用基布(第1基布)22の繊維集合体層11には、織物、編物、不織布等、内装資材の裏材として使用されている全ての資材を使用することが出来る。
【0013】
一方、貼合用基布(第1基布)22の繊維集合体層11を内装資材の表面とする場合、繊維集合体層11には織物、編物、不織布を使用することが出来る。その場合、内装資材の裏材となる第2基布(内装基布)13には、紙、布帛、プラスチックフイルム等、内装資材の裏材として使用されている全ての資材を使用することが出来る。又、そのように貼合用基布(第1基布)22の繊維集合体層11を内装資材の表面とする場合、その表面となる繊維集合体層11には、樹脂組成物を含浸させて補強し、或いは、表面化粧シートを貼り合わせ、プリント模様を施し、裏材となる第2基布(内装基布)13に達する程度の深いエンボス模様を施すなどして仕上げることも出来る。更に、貼合用基布(第1基布)22は、壁面、天井面、ドア表面、床板の裏面、合板や鉄板等の硬質板材に、吸音性、防音性、遮音性、消音性、断熱性、結露防止等の機能性を付与するために、繊維集合体層11を外側に向けて貼り合わせて使用することも出来、その繊維集合体層11の表面には、塗料を塗布し、或いは、左官仕上げをすることも出来る。
【0014】
第2基布(内装基布)13と貼合用基布(第1基布)22の発泡樹脂層12との貼り合わせには、液状樹脂組成物や熱溶融性樹脂が接着剤として使用される。貼合用基布(第1基布)22の繊維集合体層11に熱融着性繊維を使用する場合、発泡樹脂層12に突き出た熱融着性繊維21を加熱溶融させて第2基布(内装基布)13に貼り合わせることも出来る。その熱融着性繊維(11)は、鞘成分が芯成分よりも低融点の芯鞘複合繊維であってもよい。
【0015】
貼合用基布(第1基布)22の繊維集合体層11の一部の繊維21を発泡樹脂層12に差し込んで反対側の発泡樹脂層12の表面にに突き出すには、繊維集合体層11と発泡樹脂層12を重ね合わせてニードルパンチングフェルト装置に通し、ニードルを繊維集合体層側(11)から差し込んでニードルパンチングを施せばよい。その重ね合わせる繊維集合体層11と発泡樹脂層12の間は、接着剤によって仮接着しておくことも出来る。その場合の接着剤は、スプレーやグラビアロールを用いて点状に部分的に塗着するとよい。その接着剤に熱融着性樹脂を用いる場合は、その熱融着性樹脂をスプレーやグラビアロールを用いて点状に塗着した織物、編物、不織布等の繊維集合体11を用意し、それを発泡樹脂層12に重ね合わせ、加熱圧着して繊維集合体層11と発泡樹脂層12の間を仮接着してからニードルパンチングフェルト装置に通すとよい。繊維集合体11に織物や編物を使用する場合、繊維21を発泡樹脂層12に差し込み易くするために、嵩高な糸条を用いて織物や編物(11)を目粗に(ポーラスに)織成または編成する。最適の発泡樹脂層12は、前記の通り完全弾性体であり、個々独立した単独気泡によってではなく連続気泡によって構成され、ニードルパンチングのときにニードルに気泡シェルの樹脂皮膜が亀裂しても弾性的に復元し、断熱性やクッション性、内装基布との接着性、資材としての経済性等の点で優れた特性を有する20〜70倍に、好ましくは30〜60倍に高発泡した軟質発泡ウレタン樹脂シートである。
【0016】
【実施例】
図1は、本発明を適用して敷物を仕上げる工程を図示し、一部を円で囲んで拡大して図示している。先ず、繊維集合体11と発泡樹脂層12は、繊維集合体11を上にし、発泡樹脂層12を下にして重ね合わされ、エンドレスベルト15に載せられてニードルパンチング装置へと送り込まれる。ニードルパンチング装置は、扁心カム16によって昇降駆動されるニードルロッカー17とバックアッププレート18で構成されている。ニードルロッカー17には、側面に微細な爪19を有する無数のニードル20が植設されている。バックアッププレート18には、それらのニードル20が貫通する無数の孔が穿設されている。ニードルロッカー17とバックアッププレート18の間を通過するとき、繊維集合体11から発泡樹脂層12へとニードル20が差し込まれ、そのときニードル20の側面の爪19に触れた繊維21が発泡樹脂層12へと差し込まれ、その差し込まれた繊維21は反対側の発泡樹脂層12の表面へと突き出される。繊維集合体11と発泡樹脂層12は、その差し込まれた繊維21を介して一体化され、繊維集合体11の繊維21が差し込まれて発泡樹脂層12の表面に突き出た貼合用基布22として調製される。
【0017】
差し込まれた繊維21は、発泡樹脂層内部12で把持され固定されるので、繊維集合体層11の繊維と繊維は、織物や編物や不織布を構成する繊維のように、互いに絡み合って強く連結していなくてもよい。従って、発泡樹脂層12に重ね合わせられる繊維集合体11は、紡績カードから送り出される繊維ウェブのように無数の繊維が単に堆積しただけの状態のものであってもよい。
【0018】
上記の通り、貼合基布を製造する過程では、先ず、繊維集合体11と発泡樹脂層12を重ね合わせてニードルパンチング装置に通し、一体化され繊維集合体11の繊維21が差し込まれて発泡樹脂層12の表面に突き出され、一体化された貼合用基布(第1基布)22が用意される。次に、貼合用基布(第1基布)22は、差し込まれて発泡樹脂層12の表面に突き出た繊維の立毛層21を下に向けてエンドレスベルト25に載せられ、接着剤23の塗布された第2基布(内装基布)13の裏面の上に重ね合わされ、乾燥ゾーン24に通され、繊維集合体11と発泡樹脂層12と内装基布13の順に重なった貼合基布14が仕上がる。
【0019】
発泡樹脂層12が軟質発泡ウレタン樹脂シート(軟質ウレタンフォーム)や発泡ゴムシート(ラバーフォーム)のように摩擦係数が大きく、バックアッププレート18に触れて滑り難くなるものでは、そのバックアッププレート18との接触面、即ち、第2基布(内装基布)13との貼合面に薄葉紙、不織布、寒冷紗、亀甲紗、繊維ウェブ等、概して目付が80gf/m2 以下、好ましくは50gf/m2 以下、更に好ましくは5〜25gf/m2 前後の極薄手の滑材29を積層しておくとよい。滑材29を発泡樹脂層12に仮接着しておく場合には、摩擦係数の小さいプラスチックフイルムを滑材29に使用することも出来る。滑材29はワックスやシリコンなどを配合した塗料であってもよい。これらの滑材29はニードル20によって亀裂する程度に極薄にしても、その亀裂した破片(29)が、発泡樹脂12とバックアッププレート18の間に介在し、それらの間での滑りをよくするので何ら不都合を生ぜず、又、その亀裂箇所に発泡樹脂層12が露出して接着剤23に直接触れるので、その滑材29によって接着剤23の接着性が妨げられることはない。
【0020】
図1に図示する実施例では、繊維集合体11には紡績カードから送り出される繊維ウェブが使用され、発泡樹脂層12には発泡倍率が30倍で厚みが7mmの軟質発泡ウレタン樹脂シートが使用され、第2基布(内装基布)13には一次裏地26にパイル27を植設したタフテッドパイル布帛が使用されている。接着剤23は、ロールコーター28によってタフテッドパイル布帛(13)のバックステッチ面に塗布される。
【0021】
貼合用基布(第1基布)22や貼合基布14は、断熱性とクッション性に富む軟質発泡ウレタン樹脂シートその他の軟質発泡樹脂層12を有するので、断熱性とクッション性の必要とされる壁張地、椅子張地、床材、敷物等の内装資材の表面材や裏材に使用されるほか、鞄や靴、靴中敷き、スーツやジャンバー等の衣料品その他の身の回り品の資材としても使用することが出来る。
【0022】
【発明の効果】
本発明によると、発泡樹脂層12を貫通した繊維21が、接着剤23によって基材層13に接着し、且つ、発泡樹脂層12を被覆する繊維集合体層11を形成しており、その発泡樹脂層12を貫通した繊維21によって繊維集合体層11と第2基布(内装基布)13が連結される。このため、繊維集合体層11と第2基布(内装基布)13の間に介在する発泡樹脂層12での層内剥離も、貼合用基布(第1基布)22と第2基布(内装基布)13の間での層間剥離も、発泡樹脂層12を貫通している繊維21によって防止される。つまり、繊維集合体層11と第2基布(内装基布)13の間に発泡樹脂層12を挟み込み、キルティングミシンに通してそれらを縫合し一体化した場合と同様に、発泡樹脂層12での層内剥離、発泡樹脂層12と貼合用基布(第1基布)22の層間剥離、発泡樹脂層12と第2基布(内装基布)13の層間剥離が回避される。
【0023】
しかし本発明では、キルティングを施した場合のように、縫糸のミシン糸目によって繊維集合体層11や第2基布(内装基布)13の外観が損なわれるようなことはなく、又、縫糸によって飛び飛びにではなく、発泡樹脂層12を貫通している繊維21によって繊維集合体層11と第2基布(内装基布)13が接合される点で、キルティングに比して特異な効果が認められる。又、その貫通した繊維21が発泡樹脂層内12で起立した状態で保持されており、発泡樹脂層12に圧縮応力が作用するとき、その起立した状態で保持されている発泡樹脂層内12の繊維21に圧縮応力に対する抗力が生じ、発泡樹脂層12の圧縮強度が高まる。これらの効果は、貼合用基布(第1基布)22を、キルティングを施すことの出来ない壁面、天井面、ドア表面、床板の裏面、合板や鉄板等の硬質板材に、吸音性、防音性、遮音性、消音性、断熱性、結露防止等の機能性を付与するために、繊維集合体層11を外側に向けて貼り合わせて使用する場合も同じである。
【0024】
本発明の貼合用基布(第1基布)22は、壁面、天井面、ドア表面、床板の裏面、合板や鉄板等の硬質板材や第2基布(内装基布)13に貼り合わせて使用されるが、そのとき接着剤23の塗布される発泡樹脂層12の表面が立毛繊維21に覆われているので、発泡樹脂層12が30〜60倍に高発泡した連続気泡の軟質発泡ウレタン樹脂シートであっても、接着剤23が発泡樹脂層12に浸透してその吸音性、防音性、遮音性、消音性、断熱性、結露防止等の機能性を損なうことがなく、その立毛繊維21が接着剤23と一体になった接着層を形成してアンカリング効果を発揮して確り貼り合わされる。
【0025】
又、発泡樹脂層12は、繊維集合体層11に補強された貼合用基布(第1基布)22として第2基布(内装基布)13に貼り合わされるので、その貼合過程で発泡樹脂層12が軟質でも伸縮せず、発泡樹脂層12に皺が発生したり破れることもない。そして、狭幅の発泡樹脂層12を継ぎ合わせて広幅の軟質発泡樹脂シートとして貼り合わせるとしても、その継ぎ合わされる発泡樹脂シートと発泡樹脂シートの突き合わせ箇所が、繊維集合体11を介して継ぎ合わされることになるので、発泡樹脂シートと発泡樹脂シートを接着剤で接着する必要はなく、その発泡樹脂シートと発泡樹脂シートとの継ぎ合わせに格別な装置を必要とせず、又、その発泡樹脂シートと発泡樹脂シートとの継ぎ目も繊維集合体11に被覆されるので、その継ぎ目は内装資材としての貼合基布14の美観を損なわない。
【0026】
そして、発泡樹脂層12が軟質であり、それが10倍以上、特に、40〜70倍と高発泡していれば、ニードルパンチング過程で発泡樹脂層12からニードル20の受ける抵抗も少なく、ニードル20によって発泡樹脂層12が損傷を受けることもなく、発泡樹脂層12が狭幅の発泡樹脂シートであっても、それを繊維集合体層11を介して継ぎ合わせ、広幅の発泡樹脂シートとして貼り合わせることが出来るので、発泡倍率が10倍以上の広幅の軟質発泡樹脂層12が積層されていてクッション性や断熱保温性に富み、嵩高であっても軽量で持ち運び易く、2mを超える広幅で継ぎ目なく効率的に施工できる床材や敷物等の内装資材に適した貼合基布14が得られる。
【0027】
そして又、繊維集合体層11に熱融着性繊維を使用する場合には、格別な装置を要せず、ニードルパンチングを施して一体化した繊維集合体層と軟質発泡樹脂層との貼合用基布(第1基布)22を第2基布(内装基布)13に重ねて圧熱(アイロン掛け)するだけで軽量でクッション性に富む内装資材に適した貼合基布14を得ることが出来、そのとき繊維集合体層11の繊維が相互に熱融着して強靱な皮膜を形成し、得られる貼合基布14は耐摩耗性に優れ内装資材に適したものとなる。
【0028】
更に、繊維集合体11の繊維21が軟質発泡樹脂層12に差し込まれ、軟質発泡樹脂内部12で把持され固定され、而も、繊維集合体11の繊維21が接着剤23と一体になった接着層(21・23)を形成して第2基布(内装基布)13に接着されるので、繊維集合体11が紡績カードから送り出される繊維ウェブのように無数の繊維を単に堆積しただけのものであっても格別不都合はなく、仮に、繊維集合体層11の表面が耐摩耗性に劣るとしても、樹脂組成物(塗料)を軽く塗布して目止めを施すことは極めて容易なことであるから、紡績カードから送り出される繊維ウェブのように無数の繊維を単に堆積しただけの安価な繊維集合体11を使用して軟質発泡樹脂層12の積層された内装資材としての使用に適した貼合基布14を経済的に得ることが出来る。
【0029】
更に又、床面に継ぎ目なく敷き込むには、幅が3〜6mの広幅のカーペットが要求されるが、第2基布(内装基布)13にパイル布帛を使用するときは、その要求を満たし軽量で施工現場に持込み易く施工し易い広幅のクッション性と断熱保温性に富むカーペットとしての使用に適した貼合基布14が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼合用基布と貼合基布の製造装置の側面であり、その一部を円で囲んで拡大して図示している。
【符号の説明】
11 繊維集合体
12 発泡樹脂層
13 第2基布(内装基布・タフテッドパイル布帛)
14 貼合基布(内装資材)
15 エンドレスベルト
16 扁心カム
17 ニードルロッカー
18 バックアッププレート
19 爪
20 ニードル
21 繊維(立毛層)
22 貼合用基布(第1基布)
23 接着剤
24 乾燥ゾーン
25 エンドレスベルト
26 一次裏地
27 パイル
28 ロールコーター
29 滑材
Claims (2)
- 基布とパイル布帛が接着剤を介して貼り合わされているカーペットであり、基布が、10倍以上の発泡倍率をもって発泡して連続気泡を形成している軟質発泡ウレタン樹脂シートに繊維ウェブが重ね合わされており、その繊維ウェブの繊維がニードルパンチングによって軟質発泡ウレタン樹脂シートに差し込まれており、その差し込まれた繊維ウェブの繊維が軟質発泡ウレタン樹脂シートの表面に突き出て立毛層を形成しており、それらの繊維ウェブと軟質発泡ウレタン樹脂シートが一体になった2層積層構造を形成しており、基布とパイル布帛の間の接着剤が、軟質発泡ウレタン樹脂シートの表面に突き出た繊維ウェブの繊維の立毛層(21)と一体になった接着層を形成しており、基布の表面の繊維ウェブとパイル布帛が、軟質発泡ウレタン樹脂シートに差し込まれている繊維を介して連結されていることを特徴とするカーペット。
- 前掲請求項1に記載の繊維ウェブに熱融着性繊維が使用されており、その熱融着性繊維が鞘成分が芯成分よりも低融点の芯鞘複合繊維である前掲請求項1に記載のカーペット。
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