JP4518839B2 - 吸収性物品の個装体 - Google Patents

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本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品を個装用シートを用いて個別に包装してなる個装体に関する。
従来、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品の個装体として、吸収性物品を、個装用シート上に固定し該個装用シートと共に折り畳み、その個装用シートの両側部をヒートシール等により接合して密封したものが知られている。
特開平11−42248号公報(特許文献1)には、吸収性物品の個装体として、個装体開封時の接合部の剥離音や個装体の加圧による破れを防止するために、個装用シートとして不織布を用いたものが提案されている。特許文献1には、吸収性物品は、使用時におけるズレ防止のためにショーツに対する粘着部が形成されているものが殆どであるが、個装体における粘着部に接触する面には、シリコン系あるいはテフロン(登録商標)系の剥離処理を施すことが良い旨が記載されている。
特開平11−42248号公報
しかし、特許文献1に記載のように、吸収性物品を、粘着部を介して剥離処理を施した個装用シートに固定した場合には、その吸収性物品を、個装用シートから引き剥がす際に「ばりばり」といった剥離音が生じやすく、また個装用シートに比較的高い強度が要求される。そのため、個装用シートとして使用できる不織布が限定されたり、不織布とプラスチックシートとからなるポリラミ不織布を用いる等の工夫が必要となる。また、吸収性物品を個装用シートに固定する場合には、粘着部の接触面に剥離処理や個装用シートとは別体の剥離紙が必要であり、コスト高の原因ともなる。
従って、本発明の目的は、吸収性物品を個装用シートから引き剥がす際の剥離音を防止でき、個装用シートの材料選択の自由度が高く、また、剥離処理を不要として安価に製造することのできる吸収性物品の個装体、及びその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明は、個装用シートと、着衣に固定するためのズレ止め層を非肌当接面に有する吸収性物品とからなる吸収性物品の個装体であって、吸収性物品と個装用シートとの間に、2種類のホットメルト接着剤が層間剥離可能に積層接着された2層構造のホットメルト接着剤層が形成されており、吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤がズレ止め層を形成している吸収性物品の個装体を提供するものである。
本発明は、前記吸収性物品の個装体の製造方法であって、個装用シートに第1のホットメルト接着剤を塗工する工程と、第1のホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、第1のホットメルト接着剤上に第2のホットメルト接着剤を塗工する工程と、第1及び第2のホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、第2ホットメルト接着剤上に吸収性物品を重ねて、吸収性物品と個装用シートとを接合させる工程とを含む、吸収性物品の個装体の製造方法を提供するものである。
本発明は、前記吸収性物品の個装体の製造方法であって、個装用シートに、層間剥離可能な2種類のホットメルト接着剤を一体的に塗工する工程と、ホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、該ホットメルト接着剤上に、吸収性物品を重ねて、吸収性物品と個装用シートとを接合させる工程とを含む、吸収性物品の個装体の製造方法を提供するものである。
本発明の吸収性物品の個装体によれば、吸収性物品を個装用シートから引き剥がす際の剥離音を防止でき、また、個装用シートの材料選択の自由度が高くなる。そして、剥離処理を不要として安価に製造することができる。
本発明の吸収性物品の個装体の製造方法によれば、そのような個装体を簡便に製造可能である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の吸収性物品の個装体の一実施形態として、不織布、紙又は樹脂フィルムからなる個装用シート2を用いて、生理用ナプキン3を個別に包装してなる個装体1が示されている。
個装体1は、図1及び図2に示すように、縦長の生理用ナプキン3を個装用シート2上に固定し、生理用ナプキン3を長手方向に該個装用シート2と共に3つ折り又は4つ折り状態となるように折り畳んだ後、折り畳んだ個装用シート2の両側部の重合部分4をエンボス加工等により接合すると共に、摘み部付きの粘着テープ5により、最初に開放する部分を開かないように固定したものである。
図2には、個装体1を展開状態とし、生理用ナプキン3を個装用シート2から剥離した状態が示されている。
図2に示すように、生理用ナプキン3は、その非肌当接面31に、着衣に固定するためのズレ止め層32を有している。ズレ止め層32は、ホットメルト接着剤からなる。ズレ止め層32は、生理用ナプキン3の長手方向及び幅方向の略中央部に縦長矩形状に形成されている。尚、生理用ナプキン3は、図示しないが、肌当接面を形成する液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備し、裏面シートにより非肌当接面31が形成されている。
個装用シート2には、図2に示すように、生理用ナプキン3のズレ止め層32に対向する面21に、ホットメルト接着剤からなる層(以下、保護層ともいう)22が形成されている。個装用シート2は、生理用ナプキン3の長手方向と同じ方向に縦長で、生理用ナプキン3より幅広の矩形状を有している。保護層22も、生理用ナプキン3と同方向に縦長の矩形状に形成されており、その縦横の寸法は、ズレ止め層32と略同一か、やや大きい。
図3には、展開状態における個装体1の幅方向の断面が模式的に示されている。図3に示すように、生理用ナプキン3と個装用シート2との間には、2種類のホットメルト接着剤が層間剥離可能に積層された2層構造のホットメルト接着剤層が形成されている。
即ち、生理用ナプキン3のズレ止め層32を形成するホットメルト接着剤(吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤)と、個装用シート2の保護層22を形成するホットメルト接着剤(個装用シートに近い方のホットメルト接着剤)とが、厚み方向に積層されて両者の界面で接着されている。そして、両層間の接着力を介して、生理用ナプキン3と個装用シート2とが互いに接合されている。
また、ズレ止め層32を形成するホットメルト接着剤と保護層22を形成するホットメルト接着剤とは、層間剥離可能に接合されている。層間剥離可能とは、ズレ止め層32と保護層22との間が剥離することを意味する。
ズレ止め層32と保護層22との間が剥離するようにすることで、生理用ナプキン3を個装用シート2から引き剥がす際の剥離音を大幅に低減することができる。これにより、例えば、生理用ナプキンの使用や交換等を他人に知られる可能性を低減させることができる。
また、ズレ止め層32と保護層22との層間が剥離することにより、個装用シート2に剥離処理を施したり、別体の剥離紙を用いる必要がなく、そのため、製造コストの低減を図ることができる。
ホットメルト接着剤からなる保護層は、少なくとも以下の(1)〜(5)の何れかの点において、従来汎用されている剥離処理とは異なるものである。
(1)保護層を形成するホットメルト接着剤は、熱可塑性であり、熱硬化性材料であるテフロン(登録商標)やシリコンをコートし硬化処理(熱、電子線、紫外線照射などによる皮膜形成)を必須とする剥離処理を予め設けている材料とは異なる。
(2)ズレ止め層を形成するホットメルト接着剤は、保護層を形成するホットメルト接着剤と相溶性のない樹脂で構成され、両者の界面で剥離可能である。尚、樹脂の選定に付いては後述する。
(3)保護層を形成するホットメルト接着剤は、個装用シート全面を被覆しない。基本的にズレ止め層に対応する部分及びその周辺のみを被覆する。
(4)ズレ止め層を形成するホットメルト接着剤と保護層を形成するホットメルト接着剤との間に、剥離層が介在せず、且つ、両者の界面に剥離処理がなされていない。
(5)保護層を形成するホットメルト接着剤は、個装用シートである繊維集合体に一部食い込んで固定されている。又は、保護層を形成するホットメルト接着剤は、個装用シートであるフィルムと、相溶性があるか又はズレ止め層を形成するホットメルト接着剤に対するより強い相互作用があって接着している。
また、個装用シート2に保護層22を形成することにより、個装用シート2の腰や強度を向上させることができるので、個装用シート2として用いる材料の選択の自由度が高く、製造コストの削減を図ることができる。例えば、不織布や紙、樹脂フィルムをそれぞれ単体で使用できる他、これらの材料それぞれについても、製法や組成等について幅広い種類のものを用いることができる。
個装用シート2は、使用感が柔らかく、携帯中も音がせず、外観印象が良好な観点から特に不織布からなることが好ましい。個装用シート2として用いる不織布としては、熱可塑性樹脂、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらから任意に選択される複合樹脂繊維からなるエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、及びスパンボンドとメルトブローンの複合不織布(所謂SM、SMS、SMMSなど)、又はレーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の繊維からなるスパンレース不織布等、を挙げることができ、これらの中でも、表面強度が高く携帯していて毛羽立たない、中の製品が見えにくい、着色や印刷が比較的しやすい、の観点から、スパンボンド又はこの複合不織布(SMS、SMMS)が好ましい。
個装用シート2として用いる紙としては、通常の紙を特に制限なく用いることが可能であるが、破れや裂けなどの使用上の不都合なく好適に用いられる様強度や耐裂け性を上げるために、ポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレンなどの繊維を混抄した紙(繊維強度と熱融着による結合強度向上)や、繊維状ポリビニルアルコールを混抄した紙(バインダーによる結合強度向上)、同様の理由で2枚の薄紙の間にポリエチレンなどのフィルムをサンドイッチした紙等を挙げることができ。これらの中でも、上記の観点で強度を十分に高められ、かつ低コストの観点から、ポリエステルの繊維を混抄した紙が好ましい。
また、ぱりぱりした使用感や音の発生を防ぐため、カレンダー加工(エンボス加工)によって紙に凹凸をつけ、柔らかくすることも好適に用いられる。
個装用シート2として用いる樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ酢酸ビニル、及びこれらの複合樹脂からなるフィルムを好適に使用できる。これらの中でも、感触が柔らかく、パリパリ音がしにくく、裂けにくく、個装シールしやすいの観点から、ポリエチレンフィルムが特に好ましい。また、紙と同様の目的で、カレンダー加工(エンボス加工)によってフィルムに凹凸をつけることも可能である。
また、上記樹脂フィルムは、不織布や紙にラミネートした複合シートとしても使用することができる。
また、個装用シート2として、比較的坪量の低いものを使用することができる。例えば、坪量10〜50g/m2の不織布、坪量15〜45g/m2の紙、坪量7〜45g/m2の樹脂フィルムを用いることもでき、このような低坪量のものを用いることは、低コストに加え、個装用シートが柔らかく、携帯時、製品着用時に特に音がしにくい観点からも好ましい。
また、いずれの材料を個装用シートの材料として用いた場合にも、外観向上の観点から、予め材料に着色を施すことも可能である。同様の観点から、後から印刷を施すことも可能である。
ズレ止め層32と保護層22との間が剥離(層間剥離)するようにするためには、ズレ止め層32形成用のホットメルト接着剤と、保護層22形成用のホットメルト接着剤とは、相溶性がなく、界面で相互作用がない(即ち接着性がない)樹脂の組み合わせであることが好ましい。
ズレ止め層32の形成材料は、ホットメルト接着剤であり、簡便で安価に適用可能で、品質が安定している点で有利である。ズレ止め層形成用のホットメルト接着剤は粘着性を有する。ズレ止め層32形成用のホットメルト接着剤としては、各種公知のものを用いることができるが、接着性に優れ、かつ後述する保護層形成用のホットメルト接着剤と問題なく引き剥がし可能の観点からゴム系又はアクリル系のホットメルト接着剤であることが好ましい。
ゴム系又はアクリル系のホットメルト接着剤としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体(SEBS)等から選択されるベースポリマーを含む接着剤、又はアクリル樹脂から選択されるベースポリマーを含む接着剤等が挙げられる。
保護層22の形成材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコーン等の各種の樹脂からなる熱可塑性の組成物を用いることもできるが、加工しやすく、理想的には前述のズレ止め層用のホットメルト接着剤と同時塗工可能で、シンプルで安価な工程も可能の観点からホットメルト接着剤を用いる。保護層22形成用のホットメルト接着剤としては、各種公知のものを用いることができるが、保存後も安定してズレ止め層と引き剥がし可能である観点からアクリル系又はシリコン系のホットメルト接着剤であることが好ましい。
アクリル系のホットメルト接着剤を保護層22形成用に用いる場合、ズレ止め層32形成用のホットメルト接着剤と同様のものを用いることができるが、ズレ止め層32及び保護層22の両方にアクリル系のホットメルト接着剤を用いる場合は、ズレ止め層32について、粘着付与剤や可塑剤を減らすなど、粘着剤としてのバランスを見ながら接着力を下げていく工夫が必要である。
このように、本発明における「2種類のホットメルト接着剤」には、ベースポリマーが同じ接着剤であるが、可塑剤、粘着付与剤の配合量及びベースポリマーの平均分子量の少なくとも何れかが互いに異なるようなものも含まれる。
保護層22形成用に用いるシリコン系のホットメルト接着剤としては、ゴム状シロキサン(シリコーンゴム)と樹脂状シロキサン(シリコーン樹脂)を任意の割合で混合したベースポリマーからなる接着剤が挙げられる。
ズレ止め層32の下着等への固定性の観点から、ズレ止め層32形成用のホットメルト接着剤として、接着力を容易に十分に得ることがきるゴム系のホットメルト接着剤を用い、保護層22形成用のホットメルト接着剤として、アクリル系又はシリコン系のホットメルト接着剤を用いることが好ましい。
保護層22に用いるホットメルト接着剤は、吸収性物品取り出し後の個装用シート取り扱い性や、個装用シートが多孔質の場合に外側に滲みだした場合の個装体同士のくっつき等の観点からは、粘着性が低いか又は有していない方が好ましい。一方、個装用シートを吸収性物品の廃棄用として用いる場合には、使用後の製品を丸めて固定する固定性の観点から、若干の粘着性を有していることが好ましい。
一方、ズレ止め層は製品を下着に安定して止着可能な接着力が必要であり、したがって保護層に比べズレ止め層の接着力が(圧倒的に)大きいことが好ましい。
ここでいう接着力は、図2に示すように、生理用ナプキン3を個装用シート2から剥離してズレ止め層の接着面と保護層の接着面とを露出させたときの各接着面の接着力を比較したときの強弱であり、例えば、次のように測定した対木綿布接着力を用いて評価することができる。
夫々の材料を、膜厚30μで、厚さ25μのPETフィルムに塗工する。
製品の場合は、引き剥がした製品のズレ止め層側、保護層側夫々をそのまま評価に用いる。
測定対象となるホットメルト面を、(財)日本規格協会製綿布(「かなきん3号」)に、夫々の長手方向が一致する様に貼り合わせ、2kgのゴムローラーで一往復加圧する。直ちにこのサンプルをオリエンテック製テンシロン引っ張り試験機(RTM25)に、カナキンが上のチャック、フィルム(又は製品や個装材)が下のチャックになる様に挟みこみ、長手方向に引っ張って接着力を測定する。
このときの引張り速度は300mm/分とし、引張り長さは50mmとし、接着力グラフにピークが出る場合は極大平均(ピークの山の平均値)をもって接着力とする。
保護層22は、上記接着力の値が50cN以下、特に20cN以下であることが、個装表面側に露出してしまった場合に個装玉同士がくっついてしまわないため、及び製品を剥がした後の個装材料を操作しやすい(外した製品をくるんで廃棄しようとする場合、あまりべたつくと個装がくっついて広げにくく不都合となる)ため等から好ましい。
ズレ止め層32は、上記接着力の値が100〜500cN、特に150〜350cNであることが、製品のズレやヨレを防止し、かつ下着から製品を取り外す時には無理なく剥がせる、の観点から好ましい。
また、ズレ止め層と保護層は、個装を展開して上記の手法(但し2kgローラー加圧なし、個装材が上側、製品が下側で挟んで)で接着力を測定した場合の接着力が150cN以下であることが望ましく、5〜50cNの範囲であることが特に望ましい。軽く滑らかに剥がれ、音がしにくい観点からは、上記の接着力の範囲で、尚且つ接着強度に変動が少ないものほど良好である。
また、ズレ止め層は、上記の如く十分な接着力を発現するために、ホットメルト接着剤を膜厚20μ〜60μ、特に30〜50μで塗工することが望ましい。一方保護層は、補強材として個装材料の切れや裂けを防止する観点と、コストとのバランスから、ホットメルト接着剤を、膜厚10〜50μ、特に20〜35μで塗工することが望ましい。
次に、本発明の吸収性物品の個装体の製造方法の一実施形態について、上述した生理用ナプキン3を製造する場合を例に説明する。本実施形態で用いる製造装置6は、第1反転機61、第2反転機62、第1ホットメルトガン63、第2ホットメルトガン64等を備えている。第1反転機61は、搬送ベルト65、第1反転ローラ67等から構成されている。第2反転機62は、第1反転機61と同様に、搬送ベルト68、第2反転ローラ69等から構成されている。第1、第2反転ローラ67、69は、互いに近接した位置に配置され、第1反転機61により順次搬送されてきた個装用シート2と、第2反転機62により順次搬送されてきた生理用ナプキン3とを、位相を合わせつつ両ロール間で加圧して接合させるようになっている。
第1ホットメルトガン63は、充填した保護層形成用のホットメルト粘着剤22aを加熱加圧して薄膜塗工するように構成され、第1反転ローラ67より上流側の位置に配置されている。第2ホットメルトガン64は、充填したズレ止め層形成用のホットメルト粘着剤32aを加熱加圧して塗工するように構成され、第1ホットメルトガン63の配置位置より下流側であって、第1反転ローラ67より上流側の位置に配置されている。
本実施形態においては、第1反転機61により、搬送ベルト65上に一定間隔毎に載置した個装用シート2をA方向に搬送しつつ、第1ホットメルトガン63により、保護層形成用のホットメルト粘着剤22aを、該個装用シート2の表面に所定形状に薄膜塗工する。このホットメルト粘着剤22aより個装用シート2上に保護層22が形成される。また、特に不織布又は紙からなる個装用シート2を用いた場合、ホットメルト粘着剤22aの一部は、個装用シート2の表面近傍において繊維間に入り込むため、形成される保護層22は、その一部が個装用シート2と一体化し、個装用シート2に強固に結合している。
そして、保護層22形成後の個装用シート2の該保護層22上に、第2ホットメルトガン64により、ズレ止め層形成用のホットメルト粘着剤32aを塗工する。このホットメルト粘着剤32aより保護層22上にズレ止め層32が形成する。
そして、保護層22及びズレ止め層32が形成された個装用シート2と、第1反転機62により搬送ベルト68上に一定間隔毎に載置されてB方向に搬送した生理用ナプキン3とを、第1、第2反転ローラ67、69の間で合流させ、生理用ナプキン3と個装用シート2との間を加圧して、ズレ止め層32と生理用ナプキン3との間を接合させる。
このようにして、個装用シート2と接合された生理用ナプキン3は、第1反転ローラ67で折り返されて反転しつつ方向Bに搬送され、その後の包装工程に送られる。包装工程においては、生理用ナプキン3を該個装用シート2と共に3つ折り又は4つ折り状態となるように折り畳んだ後、折り畳んだ個装用シート2の両側部の重合部分4をエンボス加工等により接合すると共に、摘み部付きの粘着テープ5により、最初に開放する部分を開かないように固定する。尚、生理用ナプキン3及び/又は個装用シート2の折り畳み方、折り畳んだ後の封止方法(例えば、両側部の重合部分4の接合方法、粘着テープ5の有無や粘着テープ5を用いる際の固定方法等)は、特に制限されず、各種公知の方法で実施することができる。
上記実施形態の製造方法においては、ズレ止め層が保護層でオーバーラップされて個装材にのらないために、第1ホットメルトガン63と第2ホットメルトガン64の距離は近い方が(位相ズレによるメルトの位置ズレが起こらないため)望ましい。保護層は個装材の補強の役割も担うことも勘案すると、少なくとも製品長手方向(引き剥がす方向)に連続したパターンであることが望ましく、製品全長よりは大きい矩形であることが更に望ましい。一方ズレ止め材は、前記保護層からはみ出さない範囲において、製品固定に適した任意のパターンを選択することが可能である。
また、不織布やフィルムなど、個装材に十分な強度がある場合、保護層はズレ止め層と同じ大きさ/パターンとして最小限のコストにとどめることも可能である。この場合はホットメルトガンは1ヵ所のノズルに2つの塗布口を有するガン1個として、保護層/ズレ止め層に対応するホットメルトを夫々供給して同時塗工することによって、同一形状で位相ずれなく塗工することが可能である。
尚、一般的には、保護層22上にズレ止め層32を形成する場合に、ズレ止め層用に用いるホットメルト粘着剤32aが保護層22からはみ出すことを防止する観点から、ズレ止め層32は、個装用シート2の流れ方向における長さW1(図3参照)が、保護層22の同方向の長さW2よりも短いことが好ましい。
ホットメルトを溶融状態、もしくは軟化した状態で重ね合わせた場合、相溶性のないホットメルト同士でも剥がれずに接合した状態で保持することが可能である。この場合、両者には接着に類する相互作用は働いていない為、剥離しようとしたときにはスムーズに引き剥がし可能である。
尚、上述した製造方法においては、個装用シート2上に、保護層22及びズレ止め層32を順次形成した後、そのズレ止め層32上に生理用ナプキン3を重ねて接合したが、これに代えて、例えば第2ホットメルトガン64を、符号64’で示す位置に配置し、個装用シート2に保護層22を形成し、生理用ナプキン3にズレ止め層32を形成した後に、個装シートの保護層22と生理用ナプキン3のズレ止め層32とを積層して接合させることもできる。
また、生理用ナプキン3側にズレ止め層32および保護層22を別々のノズルで順次塗工して層形成した後に、個装シートを積層することも可能である。
次に本発明の他の実施形態としての生理用ナプキンの個装体1’について図5を参照して説明する。
図5に示す個装体1’は、ズレ止め層32及び保護層22が、一体的に塗工された層間剥離可能な2種類のホットメルト粘着剤からなる点及び生理用ナプキン3の幅方向におけるズレ止め層32の長さW1(図5参照)が、保護層22の同方向の長さW2(図5参照)と同じである点において、上述した個装体1と相違する。その他の点においては上述した個装体1と同様であり個装体1について上述した説明が適宜適用される。
本実施形態の個装体1’は、例えば、図4に示す製造装置6において、図4に示す第1及び第2ホットメルトガン63,64に代えて、相溶性のない2種類のホットメルト粘着剤を両者の分離状態を維持しつつ、それらを層状に塗工できるホットメルトガンを第1ホットメルトガン63の配置位置に具備するものを用いて製造可能である。そのようなホットメルトガンとしては、1ヵ所のノズルに2つの塗布口を有するガン1個として、保護層/ズレ止め層に対応するホットメルトを夫々供給して同時塗工する等を用いることができる。
一つのホットメルトガンを用いて、層間剥離可能な2種類のホットメルト粘着剤を一度に塗工することにより、個装体の製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの一層の低減を図ることができる。
層間剥離可能な2種類のホットメルト粘着剤を一度に塗工する場合、ホットメルト粘着剤を個装用シートに塗工した後、吸収性物品を積層する方法と、ホットメルト粘着剤を吸収性物品に塗工した後、個装用シートを積層する方法の何れも可能である。
本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、本発明における吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー、失禁パッド等であっても良い。尚、吸収性物品の非肌当接面を構成する材料は、樹脂フィルムの他、該樹脂フィルムに接合一体化された不織布等であっても良い。吸収性物品の表面シート、裏面シート、吸収体の形成材料は、これらの材料として従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。ホットメルト接着剤を塗工する際の個装用シートは、搬送方向に連続する個装用シートの連続体とすることもできる。
本発明の吸収性物品の個装体の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示す個装体を展開状態とし、生理用ナプキンを個装用シートから剥離した状態を示す斜視図である。 図3は、図1に示す個装体の展開状態における幅方向断面を示す概略断面図である。 図1及び図2に示す個装体の製造に好ましく用いられる製造装置の概略構成を示す図である。 本発明の吸収性物品の個装体の他の実施形態を示す図であり、図3相当図である。
符号の説明
1 生理用ナプキンの個装体(吸収性物品の個装体)
2 個装用シート
22 保護層
3 生理用ナプキン(吸収性物品)
32 ズレ止め層

Claims (7)

  1. 個装用シートと、着衣に固定するためのズレ止め層を非肌当接面に有する吸収性物品とからなる吸収性物品の個装体であって、
    吸収性物品と個装用シートとの間に、2種類のホットメルト接着剤が層間剥離可能に積層接着された2層構造のホットメルト接着剤層が形成されており、吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤がズレ止め層を形成しており、個装用シートに近い方のホットメルト接着剤が前記個装用シートの一部に設けられた保護層を形成しており、
    前記2層構造のホットメルト接着剤層は、前記2種類のホットメルト接着剤を、それぞれが溶融又は軟化した状態で重ね合わせて形成されている吸収性物品の個装体。
  2. 個装用シートと、着衣に固定するためのズレ止め層を非肌当接面に有する吸収性物品とからなる吸収性物品の個装体であって、
    吸収性物品と個装用シートとの間に、2種類のホットメルト接着剤が層間剥離可能に積層接着された2層構造のホットメルト接着剤層が形成されており、吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤がズレ止め層を形成しており、個装用シートに近い方のホットメルト接着剤が前記個装用シートの一部に設けられた保護層を形成しており、
    吸収性物品を個装用シートから剥離し、一方のホットメルト接着剤からなるズレ止め層側の面と他方のホットメルト接着剤からなる保護層側の面とを露出させたときに、そのいずれの面も粘着性を有している吸収性物品の個装体。
  3. 吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤が、ゴム系又はアクリル系のホットメルト接着剤であり、個装用シートに近い方のホットメルト接着剤が、アクリル系又はシリコン系のホットメルト接着剤である請求項1又は2記載の吸収性物品の個装体。
  4. 個装用シートに近い方のホットメルト接着剤は、吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤に対して、同一の面積及び面方向における同一の位置に形成されている請求項1〜3の何れか記載の吸収性物品の個装体。
  5. 個装用シートは、不織布又は紙からなる請求項1〜4の何れか記載の吸収性物品の個装体。
  6. 請求項1又は2記載の吸収性物品の個装体の製造方法であって、
    個装用シートに第1のホットメルト接着剤を塗工する工程と、第1のホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、第1のホットメルト接着剤上に第2のホットメルト接着剤を塗工する工程と、第1及び第2のホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、第2ホットメルト接着剤上に吸収性物品を重ねて、吸収性物品と個装用シートとを接合させる工程とを含む、吸収性物品の個装体の製造方法。
  7. 個装用シートと、着衣に固定するためのズレ止め層を非肌当接面に有する吸収性物品とからなり、吸収性物品と個装用シートとの間に、2種類のホットメルト接着剤が層間剥離可能に積層接着された2層構造のホットメルト接着剤層が形成されており、吸収性物品に近い方のホットメルト接着剤がズレ止め層を形成している吸収性物品の個装体の製造方法であって、
    個装用シートに、層間剥離可能な2種類のホットメルト接着剤を一体的に塗工する工程と、ホットメルト接着剤を塗工した個装用シートにおける、該ホットメルト接着剤上に吸収性物品を重ねて、吸収性物品と個装用シートとを接合させる工程とを含む、吸収性物品の個装体の製造方法。
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