JP2510779B2 - 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法 - Google Patents

易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法

Info

Publication number
JP2510779B2
JP2510779B2 JP2293337A JP29333790A JP2510779B2 JP 2510779 B2 JP2510779 B2 JP 2510779B2 JP 2293337 A JP2293337 A JP 2293337A JP 29333790 A JP29333790 A JP 29333790A JP 2510779 B2 JP2510779 B2 JP 2510779B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
fiber mat
adhesive resin
inorganic fiber
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2293337A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04166330A (ja
Inventor
正志 武田
成夫 上拾石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2293337A priority Critical patent/JP2510779B2/ja
Publication of JPH04166330A publication Critical patent/JPH04166330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2510779B2 publication Critical patent/JP2510779B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的強度に優れ、無機繊維粉塵の発生が
少なく、金属板との接着を熱融着しやすいとともに高温
下での接着力に優れる易熱融着性接着性樹脂層を設けた
断熱無機繊維マットに関する。特に本発明の断熱無機繊
維マットは、金属折版の裏張り用途に好適に用いられ
る。
〔従来の技術〕
従来、断熱無機繊維マット具体的にはガラス繊維マッ
トは、不燃性と繊維をパンチングによって細密充填した
ことによる断熱性から耐火構造の建築物における金属折
版屋根材として金属板と貼り合されたのち山形状に成形
されて使用されている。これらの断熱無機繊維マット
は、具体的には例えば特公昭63−57228号公報にはガラ
ス繊維などの無機繊維マットと無端状有機繊維不織布と
の積層体に有機繊維不織布側からニードルパンチ加工を
施してガラス繊維と有機繊維を絡み合わせて、かつ有機
繊維不織布表面に樹脂組成物からなる難燃性被膜を形成
した金属折版屋根用ブランケットが提案され、特公昭63
−57538号公報には、ガラス繊維と有機繊維およびホッ
トメルト型接着剤からなる複合繊維とが混織されたシー
ト状物であって、厚み方向にニードルパンチ加工される
と共に、加熱処理により前記複合繊維とガラス繊維およ
び有機繊維もしくは複合繊維同志が熱接着された断熱材
が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、特公昭63−57228号公報に記載のガラス繊維
断熱材は、不織布表面に形成された難燃性被膜によって
摩擦抵抗が増加し折版成形時に皺が発生したり、屈曲部
が破断しやすく、また、不織布の反対面すなわちガラス
面はガラス繊維がむきだしであるためガラス粉塵の発生
が多く生産時、金属板との貼合せ時、折版成形時に作業
者がチカチカ感等の不快感を覚えたり、また健康上にも
よくないので好ましくない。さらに、金属板との貼合せ
時にはネオプレン系等の公知の接着材を使用するが、こ
れらは接着強さが必ずしも十分でなく、特に高温におけ
る接着強さの低下が問題であった。
一方、特公昭63−57538号公報記載の有機繊維とホッ
トメルト型接着剤からなる複合繊維でガラス繊維を接合
した断熱材は、実際の製造面においてパンチング工程に
おいてパンチング針とガラス繊維あるいは有機繊維との
摩擦で発生する熱によってホットメルト型接着剤からな
る複合繊維が溶融しパンチング針に付着するため著しく
生産性が低下したり、ガラス繊維あるいはこれら3者の
絡み会いが不十分となるため機械的強度に劣ったり、あ
るいは機械的強度を保持させようとすれば有機成分が多
量に必要となり本マットの不燃性が損なわれる問題があ
った。また、このものもガラス粉塵の発明をとめること
はできず環境衛生上好ましくない問題があった。
本発明は上記の問題を解決するものであってガラス粉
塵の発生をおさえ、さらにネオプレン系等の公知の有機
溶剤型接着剤を使用することなく金属板との接着を可能
にするとともに高温下での接着強さを飛躍的に高めた断
熱無機繊維マットを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の易熱融着性断熱無機繊維マットは有機繊維不
織布と無機繊維マットが重ね合せられ有機繊維不織布側
からパンチングされて気繊維不織布の繊維で無機繊維を
絡合して形成された断熱無機繊維マットにおいて、無機
繊維マット表面に平均粒径40〜500μmの熱可塑性接着
性樹脂微分末からなる接着性樹脂層が設けられたことを
特徴とする。また、本発明の易熱融着性断熱無機繊維マ
ットの製造方法は有機繊維不織布と無機繊維マットを重
ね合せ有機繊維不織布側からパンチングし有機繊維不織
布の繊維で無機繊維を絡合してマットとしたのち、無機
繊維側に平均粒径が40〜500μmの熱可塑性接着性樹脂
微粉末を均一に散布し、さらに接着性樹脂の融点より高
い温度で加熱することを特徴とする。
本発明における無機繊維(A)とは公知の各種ガラス
繊維、例えば無機アルカリガラス(Eガラス)を原料と
してダイレクトメルト法、マーブルメルト法等で作られ
た長繊維が好ましい。太さとしては3〜15μm、好まし
くは5〜10μm、長さは長繊維をチョップドして30〜15
0mmにしたものが好ましい。その他としてはロックウー
ルや鉱さい繊維などを混合した物であっても良く、さら
にはガラスヤーン以外にガラスロービンを混合したもの
であっても良い。
本発明における有機繊維不織布(B)とはポリエステ
ル、ナイロン、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の樹脂あるいはこれらの成分を含む各種共重合体あ
るいは混合樹脂からなる長繊維で繊度は1〜10デニー
ル、長さは無端状の長繊維のもので好ましく、この不織
布の目付けは10〜45g/m2のものが好ましく、より好まし
くは20〜40g/m2である。10g/m2未満では無機繊維マット
の機械的強度が不十分であったり無機繊維の粉塵の発生
が多くなるので好ましくなく、45g/m2を越えると無機繊
維マットの不燃性に悪影響があるので好ましくない。
本発明における平均粒径が40〜500μmの熱可塑性接
着性樹脂微粉末とは無機繊維と各種金属板との双方に対
して良好な接着性を示し、且つ、70℃で常温での接着力
の1/2以上を保持する必要がある。平均粒径が40μm未
満であると無機繊維マット上に散布したときマット表面
に残りにくく金属板と接着したとき接着力が低下するの
で好ましくない。一方、500μmを越えると加熱して融
着するとき接着性樹脂の溶融速度が遅くなり生産性が低
下するので好ましくない。
本発明に用いる熱可塑性接着性樹脂微粉末は、少なく
とも2つの極大を有する粒径分布(以下「2山粒径分
布」ともいう)を有することが望ましい。さらに好まし
くはその極大の1つが40〜150μmの粒径範囲にあり、
もう1つの極大が200〜500μmの粒径範囲にあるもので
ある。粒径分布において極大を示す粒径のうち小さい方
が150μmを越えると無機繊維マット内部への浸透が不
十分となり、無機繊維マットの機械的強度が不十分とな
るので好ましく無い。一方、極大を示す粒径のうち大き
い方が200μm未満では無機繊維マット上に散布したと
き一部がマット内部に浸透するためマット上に残る樹脂
粉末のむらが生じ各種金属板との接着性が不安定になる
ので好ましくない。
常温での金属板との接着力は1500g/25mm以上で、70℃
では少なくとも常温での1/2の750g/25mm以上であること
が望ましい。常温での接着力は1500g/25mm未満では折版
山形形成時に接着力が不十分なため、剥離を起こすので
好ましくない。一方、70℃の高温下での接着力が750g/2
5mm未満では実際に金属折版屋根として屋外施工後接着
力が不足しているため剥離することがあるので好ましく
ない。
接着性樹脂としては、融点が75℃〜120℃でメルトイ
ンデックス(MI)が10〜20000g/10分のものが好まし
い。融点が75℃未満であると70℃以上の高温下での接着
力が不足するので好ましくなく、120℃を越えると金属
板との接着に際しこれ以上の加熱が必要となるが、この
付近から金属板が反ったりして平面性が悪化し折版山形
成形性が悪化するので好ましくない。MIが10g/10分未満
では粉末を散布後加熱して樹脂成分を溶融させるが、こ
の時樹脂の流れが悪いため樹脂とガラス繊維部分が点接
着となるため接着力が不足したり、また冷却ロール等で
加圧して表面を均すとき樹脂の広がりが不足するため接
着力が不足するので好ましくなく、MIが20000g/10分を
越えると逆に流れ性が良すぎるために樹脂成分がマット
中に浸透しマット表面に残りにくいため接着力が不足す
るので好ましくない。熱可塑性接着樹脂微粉末が2山粒
径分布を有する場合、該微粉末は組成の異なる2種類以
上の微粉末の混合物でもよい。そのような場合、小さい
粒径の微粉末はMIが200〜20000、大きい粉末のものはMI
が10〜5000が好ましく、この範囲のなかで目的に応じて
選定すると良い。
接着性樹脂としては、特に限定されるものではないが
エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、
エチレン−グリシジルアクリレートグラフト共重合体、
エチレン−グリシジルメタアクリレートグラフト共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル−グリシジルアクリレ
ート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−グリシジ
ルメタアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
グリシジルアクリレートグラフト共重合体、エチレン−
酢酸ビニル−グリシジルメタアクリレートグラフト共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル−グリシジルアクリ
レートグラフト共重合体、エチレン−アクリル酸エチル
−グリシジルメタアクリレートグラフト共重合体等の共
重合体樹脂成分を含むものや比較的軟化点の高い上記MI
値を満たすホットメルト樹脂などが挙げられる。
次に本発明の易熱融着性断熱無機繊維マットの構造を
図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図は本発明の易熱融着性断熱無機繊維
マットの熱融着前後の断面図である。無機繊維(1)の
マットの片面に、有機繊維不織布(2)が積層され、不
織布(2)側からニードルパンチ加工されニードル繊維
(3)によって絡み合わされている。このマットの無機
繊維(1)上に平均粒径が40〜500μmの熱可塑性接着
性樹脂微粉末(5)が均一に散布され(第2図)、さら
にこのものを接着性樹脂の融点以上に加熱して無機繊維
(1)に接着性樹脂を融着せしめると同時に無機繊維マ
ット表面に接着性樹脂層(4)を形成している(第1
図)。または、無機繊維マット表面の接着性樹脂層を加
熱して溶融して冷却ロール等を使用して圧着することに
より接着性樹脂微粉末(5)が延ばされ一種のフィルム
状の接着性樹脂層(4)を形成している。
次に2山粒径分布を有する熱可塑性接着性樹脂微粉末
が用いられた易熱融着性断熱無機繊維マットの構造を図
面に基づいて説明する。第3図及び第4図は本発明の易
熱融着性断熱無機繊維マットの熱融着前後の断面図であ
る。無機繊維(1)のマットの片面に、ポリエステル繊
維不織布(2)が積層され、不織布(2)側からニード
ルパンチ加工されニードル繊維(3)によって絡み合わ
されている。このマットの無機繊維(1)上に2山粒径
分布を有する接着性樹脂微粉末(8、9)が均一に散布
され、小さい方の接着性樹脂微粉末(9)が無機繊維マ
ット内部に浸透され(第4図)、さらにこのものを接着
性樹脂の融点以上に加熱して無機繊維(1)に接着性樹
脂を融着せしめると同時に無機繊維マット表面に接着性
樹脂層(6)を形成している(第3図)。または、無機
繊維マット表面の接着性樹脂層を加熱して溶融して冷却
ロール等を使用して圧着することにより接着性樹脂微粉
末(8)が延ばされ一種のフィルム状の接着性樹脂層
(6)を形成している。
次に本発明の製造方法の一態様について述べる。ただ
し、本発明は以下の製造方法に限定されるものではな
い。
まず、ヤーンとロービングで混合比率が90/10〜60/40
よりなるガラス繊維(A)を解繊したのち一定厚みのガ
ラスマットを形成する。このときビニロンや熱可塑性樹
脂からなる有機繊維を10重量%以下ならガラス繊維
(A)中に入れて混繊してガラスマットを形成してもよ
い。
次いで無端状に長いポリエステル繊維不織布(B)を
積層したのち不織布側からニードルパンチ加工を施し不
織布層を内側にして巻き取る。
この不織布付きガラスマットロールを巻取時の状態の
逆、すなわち不織布層を下側にして巻出し、不織布層の
反対側表面に粉体散布装置を用いて平均粒径が40〜300
μm、融点が87℃、MIが20g/10分のエチレン−酢酸ビニ
ル−グリシジルアクリレート共重合体を38g/m2となるよ
うに均一に散布して水平搬送装置を装備した180℃の熱
風加熱炉中に導入し樹脂成分を溶融させ、この熱風加熱
炉の出口で冷却ロールで加圧して冷却と同時に樹脂成分
をガラスマットに接着せしめて巻き取る。また、本発明
においては接着性樹脂粉末を散布する前にアクリル系樹
脂成分等のエマルジョン型接着剤を噴霧してあっても良
い。
次に2山粒径分布を有する熱可塑性接着性樹脂微粉末
が用いられた易熱融着性断熱無機繊維マットの製造方法
の一態様について述べる。
まず、ヤーンとロービングで混合比率が90/10〜60/40
よりなるガラス繊維(A)を解繊したのち一定厚みのガ
ラスマットを形成する。このときビニロンや熱可塑性樹
脂からなる有機繊維を10重量%以下ならガラス繊維
(A)中に入れて混繊してガラスマットを形成してもよ
い。
次いで無端状に長いポリエステル繊維不織布(B)を
積層したのち不織布側からニードルパンチ加工を施し不
織布層を内側にして巻き取る。
この不織布付きガラスマットロールを巻取時の状態の
逆、すなわち不織布層を下側にして巻出し、不織布層の
反対側表面に粉体散布装置を用いて粒径が40μm〜80μ
m、200μm〜250μmで前者が40%、後者が60%の2山
分布で融点が97℃、MIが5000g/10分のエチレン−酢酸ビ
ニル−グリシジルアクリレート共重合体を主成分とする
接着性樹脂を42g/m2となるように均一に散布してバイブ
レータ付きの水平搬送装置に導入し、バイブレータによ
って40〜80μmの微粉末を無機繊維マット内に浸透さ
せ、さらに180℃の熱風加熱炉中に導入し、無機繊維マ
ット内の無機繊維同志あるいはポリエステル繊維を融着
すると同時に無機繊維マット表面に接着性樹脂層を形成
させる。なお、接着性樹脂微粉末を無機繊維マット表面
に散布した後、有機繊維不織布面側から真空吸引すると
小さい粒径の接着性樹脂微粉末が無機繊維マット内に浸
透するので好ましい。
本発明に用いる特性値の測定方法並びに評価方法は次
の通りである。
1.平均粒径 粉体を乾式分散機(RODS:日本電子株式会社製)付き
レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS:日本電子株式
会社製)にかけて、粒度分布を測定し、平均粒径を求め
た。
2.融点 Perkin−Elmer社製示差走査熱量計DSC−2を用い、5m
gの試料を20℃/分の昇温速度で280℃まで昇温し5分間
保持したのち、同速で冷却し、再度昇温したときの、い
わゆるセカンンドランの融解曲線を取る。その融解曲線
において吸熱のピーク温度を融点とする。なおピークが
2個以上ある場合は高温側の吸熱ピーク温度を融点とす
る。
3.MI JIS−K−6760によって得た値を用いる。
4.機械的強度 無機繊維マットから幅25mm、長さ100mmに切出し、チ
ャック間50mmにセットしたオートグラフ型引張り試験器
(株式会社島津製作所製タイプIS−500)にかけ、引張
り速度50mm/分で引張り破断強さを記録用紙に記録す
る。機械的強度はこの記録用紙に記録された最高の値
(A)をもって表す。
機械的強度=(A)kg/25mm 5.接着強さ 無機繊維マットと金属板を張合わせたものを幅25mm、
長さ150mmに切断したのち、長さ方向に無機繊維マット
を100mm剥離してサンプルとする。
測定装置:オートグラフ型引張り試験器 (株式会社島津製作所製タイプIS−500) 常温法:20〜25℃の常温で引張り速度50mm/分で接着長さ
50mmの剥離強さを測定し、その最大値を接着強さ(B)
として表す。
常温接着強さ=(B)g/25mm 高温法:同上の内容にて70℃下で測定を行う。
高温接着強さ=(B)g/25mm 〔実施例〕 以下本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 直径が10μm、長さ30〜100mmのガラス繊維97%(ヤ
ーンとロービングの混合比70/30)に繊度3デニール、
平均長さ70mmのポリエステル複合繊維(ユニチカ株式会
社製“S−10")3%を混合後、解繊して厚さ50mmのガ
ラス繊維マットを作り、この上にスパンボンド法によっ
て製造された繊度3デニールのポリエステル長繊維不織
布(ユニチカ株式会社製“90405WTO"、目付け43g/m2
を積層しニードリングマシンにより20ステッチ/cm2のニ
ードリングを施し、ニードリング面の反対側に不織布構
成繊維(ニードル繊維)を突出させたのちに巻き取っ
た。次に不織布面を下にして巻出し、不織布構成繊維
(ニードル繊維)を突出させた面を上にして、遠赤外線
ヒータと熱風加熱炉を供えた水平搬送装置に導入した。
この加熱炉に入る直前に粉末散布装置を使用して熱可塑
性接着性樹脂粉末として日本石油化学社製“レクスポー
ル1"(エチレン−アクリル酸−エチルアクリレート共重
合体、融点98℃、MIが20000/10分、平均粒径250μm)6
0重量%と同社製“レクスパールRA3150"(エチレンとグ
リシジル基含有共重合体、融点96℃、MIが30/10分、平
均粒径250μm)40重量%の混合微粉末を60g/m2散布し1
80〜200℃に加熱した加熱炉に入れ、接着性樹脂を溶融
させた。この後乾燥炉の出口において冷却ロールでニッ
プして溶融した接着性樹脂を均一に延ばすとともに冷却
して固化させた後に巻き取った。
得られた易熱融着性断熱無機繊維マットを厚さが0.6m
mで温度が120℃に加熱された着色亜鉛鉄板に融着した。
このものをロールフォーミングによって山形に屈曲成形
し、無機繊維マット裏張り折版屋根を作成した。
得られた易熱融着性断熱無機繊維マット、および熱融
着した亜鉛鉄板/無機繊維マット及び無機繊維マット裏
張り折版屋根の特性は第1表に示した。
実施例2 直径が10μm、長さ30〜100mmのガラス繊維97%(ヤ
ーンとロービングの混合比70/30)に繊度3デニール、
平均長さ70mmのポリエステル複合繊維(ユニチカ株式会
社製“S−10")3%を混合後、解繊して厚さ50mmのガ
ラス繊維マットを作り、この上にスパンボンド法によっ
て製造された繊度3デニールのポリエステル長繊維不織
布(ユニチカ株式会社製“90405WTO"、目付け43g/m2
を積層しニードリングマシンにより20ステッチ/cm2のニ
ードリングを施し、ニードリング面の反対側に不織布構
成繊維(ニードル繊維)を突出させたのちに巻き取っ
た。次に不織布面を下にして巻出し、不織布構成繊維
(ニードル繊維)を突出させた面を上にして、遠赤外線
ヒータと熱風加熱炉を供えた水平搬送装置に導入した。
この加熱炉に入る直前に粉末散布装置を使用して熱可塑
性接着性樹脂微粉末として住友化学工業株式会社製“ボ
ンドファーストE"(エチレンとグリシジル基含有共重合
体、融点98℃、MIが20g/10分、平均粒径が300μm)50
重量%と日本石油化学社製“レクスポール2"(エチレン
−アクリル酸−エチルアクリレート共重合体、融点102
℃、MIが5000g/10分、平均粒径が80μm)50重量%の混
合微粉末を42g/m2散布し180〜200℃に加熱した加熱炉に
入れ、接着性樹脂を溶融させた。この後乾燥炉の出口に
おいて冷却ロールでニップして溶融した接着性樹脂を均
一に延ばすとともに冷却して固化させた後に巻き取っ
た。
得られた易熱融着性断熱無機繊維マットを厚さが0.6m
mで温度が120℃に加熱された着色亜鉛鉄板に融着した。
このものをロールフォーミングによって山形に屈曲成形
し、無機繊維マット裏張り折版屋根を作成した。
得られた易熱融着性断熱無機繊維マット、および熱融
着した亜鉛鉄板/無機繊維マット及び無機繊維マット裏
張り折版屋根の特性は第1表に示した。
実施例3 直径が10μm、長さ30〜100mmのガラス繊維100%(ヤ
ーンとロービングの混合比70/30)を解繊して厚さ50mm
のガラス繊維マットを作り、この上にスパンボンド法に
よって製造された繊度3デニールのポリエステル長繊維
不織布(ユニチカ株式会社製“90405WTO"、目付け43g/m
2)を積層しニードリングマシンにより20ステッチ/cm2
のニードリングを施し、ニードリング面の反対側に不織
布構成繊維(ニードル繊維)を突出させたのちに巻き取
った。次に不織布面を下にして巻出し、不織布構成繊維
(ニードル繊維)を突出させた面を上にして、粉体散布
装置、真空吸引装置、遠赤外線ヒータと熱風加熱炉を連
続的に供えた水平搬送装置に導入した。まず熱可塑性接
着性樹脂微粉末として住友化学工業株式会社製“ボンド
ファーストE"(エチレンとグリシジル基含有共重合体、
融点98℃、MIが20g/10分、平均粒径が300μm)50重量
%と日本石油化学社製“レクスポール2"(エチレン−ア
クリル酸−エチルアクリレート共重合体、融点102℃、M
Iが5000g/10分、平均粒径が80μm)50重量%の混合微
粉末を43g/m2散布し、不織布面側から真空吸引して小さ
い粒径の樹脂微粉末を無機繊維マット内に分散させた。
その後、180〜200℃に加熱した加熱炉に入れ、接着性樹
脂を溶融させた。この後、乾燥炉の出口において冷却ロ
ールでニップして溶融した接着性樹脂を均一に延ばすと
ともに冷却して固化させた後に巻き取った。得られた断
熱無機繊維マットを厚さが0.6mmで温度が120℃に加熱さ
れた着色亜鉛鉄板に融着した。このものをロールフォー
ミングによって山形に屈曲成形し、無機繊維マット裏張
り折版屋根を作成した。
得られた断熱無機繊維マットおよび熱融着した亜鉛鉄
板/無機繊維マット及び無機繊維マット裏張り折版屋根
の特性は第1表に示した。
比較例 直径が10μm、長さ30〜100mmのガラス繊維75%(ヤ
ーンとロービングの混合比70/30)に繊度3デニール、
平均長さ70mmのポリエステル複合繊維(ユニチカ株式会
社製“S−10")25%を混合後、解繊して厚さ50mmのガ
ラス繊維マットを作り、ニードリングマシンにより25ス
テッチ/cm2のニードリングを施した後、175℃に加熱し
た加熱炉に導入しポリエステル複合繊維を溶融させてガ
ラス繊維を結束して断熱無機繊維マットを得た。得られ
た断熱無機繊維マットをクロロプレン系接着剤(ダイア
ボドDC761)を固形分で42g/m2となるように塗布し、実
施例と同様に着色亜鉛鉄板に接着し、ロールフォーミン
グによって山形に屈曲成形し、無機繊維マット裏張り折
版屋根を作成した。得られた断熱無機繊維マットおよび
熱融着した亜鉛鉄板/無機繊維マット及び無機繊維マッ
ト裏張り折版屋根の特性は第1表に示した。
第1表に示したように本発明による断熱無機繊維マッ
トは無機繊維マット内部を接着性樹脂微粉末を使用して
有機繊維と併用して結束しているため無機繊維マットの
機械的強度が極めて高くなるとともに、ガラス繊維側の
表面に易熱融着、接着性樹脂層を設けたため、ガラス屑
の飛散がなく、また、表面にガラス繊維が突出していな
いため作業時のチカチカ感がなく作業性に優れ、また同
時に熱融着によって亜鉛鉄板等の金属鋼板との接着が可
能になったので従来の接着法の問題点であった引火爆発
等の危険性が皆無になった。本発明のものは極めて少な
い有機成分で金属鋼板との接着が可能となった。
さらに、特定の融点、MIの接着性樹脂であるため常温
接着性、高温接着性に優れ、亜鉛鉄板/無機繊維マット
のロールフォーミングによって山形に屈曲成形する工程
では破れ、剥離等の問題のない極めて優れた断熱無機繊
維マットとなった。
一方、比較例によるものは、複合繊維だけではガラス
繊維を完全に結束し、マット表面からのガラス繊維の脱
離を押さえることが困難でありチカチカ感の残るもので
あった。さらに、着色亜鉛鉄板に接着する工程では接着
剤を必要とし、本発明と同量の接着成分では接着力不足
となった。この原因は接着剤を塗布したとき接着剤のか
なりの量がマット中に吸着されたためマット表面に残っ
ている量では接着不足になったものと考えられる。従っ
て、比較例の亜鉛鉄板/無機繊維マットを実施例と同様
にロールフォーミングによって山形に屈曲成形する工程
で破れ、剥離をおこす不満足なものであった。
〔発明の効果〕 かくして得られた断熱無機繊維マットは熱可塑性接着
性樹脂微粉末によって表面に一種のフィルム状の接着性
樹脂層を有するため、金属板との接着施工時あるいはそ
の積層品の折板山形成形時、あるいは折板山形成形品の
施工時にガラス繊維の飛散がないためチカチカ感の不快
感がなく、さらに高温接着性に優れた接着性樹脂層を設
けたため金属板との接着時に従来良く使用されていた可
燃性有機溶剤型接着剤を使用することなく熱接着が可能
になった。また、折版山形成形時のロールフォーミング
工程においては接着性樹脂成分の強固な接着力によりガ
ラスマット層に受ける剪断、圧縮、引張りなどの力に十
分耐え良好な断熱無機繊維マット折版山形成形品を得る
ことができる。これらは断熱金属折板屋根用途に好適に
用いられる。具体的には各種体育館や倉庫、住宅等の建
築基準法に基づく不燃材料を用いられなければならない
部分などに用いられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の易熱融着性断熱無機繊維マットの断面
図である。 第2図は本発明の易熱融着性断熱無機繊維マットの加熱
前の断面図である。 第3図は2山粒径分布を有する熱可塑性接着性樹脂微粉
末を用いた易熱融着性断熱無機繊維マットの断面図であ
る。 第4図は2山粒径分布を有する熱可塑性接着性樹脂微粉
末を用いた易熱融着性断熱無機繊維マットの加熱前の断
面図である。 1……無機繊維 2……有機繊維不織布 3……ニードル繊維 4……接着性樹脂層 5……接着性樹脂微粉末 6……接着性樹脂層 7……平均粒径の小さい方の接着性樹脂微粉末が浸透
し、無機繊維同志あるいは有機繊維が融着した範囲 8……平均粒径の大きい方の接着性樹脂微粉末 9……平均粒径の小さい方の接着性樹脂微粉末

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機繊維シートと無機繊維シートが重ね合
    せられ有機繊維シート側からパンチングされて形成され
    た断熱繊維マットにおいて、無機繊維シート表面側が主
    として平均粒径40〜500μmの熱可塑性接着性樹脂微粉
    末からなる接着性樹脂により接着されたことを特徴とす
    る易熱融着性断熱繊維マット。
  2. 【請求項2】該パンチングののち、該無機繊維シート表
    面側が該熱可塑性接着性樹脂微粉末を均一に散布し、さ
    らに接着性樹脂の融点より高い温度で加熱することを特
    徴とする請求項1記載の易熱融着性断熱繊維マットの製
    造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性接着性樹脂微分末が少なくとも2
    つの極大を有する粒径分布を有することを特徴とする請
    求項2に記載の易熱融着性断熱繊維マットの製造方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性接着性樹脂微粉末の粒径分布の極
    大の1つが40〜150μmの粒径範囲にあり、もう1つの
    極大が200〜500μmの粒径範囲にあることを特徴とする
    請求項3に記載の易熱融着性断熱繊維マットの製造方
    法。
JP2293337A 1990-10-30 1990-10-30 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2510779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2293337A JP2510779B2 (ja) 1990-10-30 1990-10-30 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2293337A JP2510779B2 (ja) 1990-10-30 1990-10-30 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04166330A JPH04166330A (ja) 1992-06-12
JP2510779B2 true JP2510779B2 (ja) 1996-06-26

Family

ID=17793507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2293337A Expired - Fee Related JP2510779B2 (ja) 1990-10-30 1990-10-30 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2510779B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102608896B1 (ko) * 2023-01-20 2023-12-01 엠엠아이티(주) 불연성 직물과 방열재의 니들링 접합형 방열 시트

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58167158A (ja) * 1982-03-30 1983-10-03 日東電工株式会社 複合接着シ−ト
JPS6011835U (ja) * 1983-07-06 1985-01-26 寿屋フロンテ株式会社 自動車用カ−ペツト
JPH0537251Y2 (ja) * 1987-08-18 1993-09-21

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04166330A (ja) 1992-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101027182B (zh) 覆面纤维绝缘材料
JPH02255329A (ja) ガラス繊維マット断熱材裏張り金属折版屋根板
JPH04500248A (ja) 建築用被覆材に用いる可撓性の基層ウェブ、および上記ウェブから製造された建築用被覆材
JP2516519B2 (ja) 断熱材の製造法
JP2510779B2 (ja) 易熱融着性断熱繊維マット及びその製造方法
JP4933183B2 (ja) 折板用断熱マット及びそれを用いた断熱折板屋根
JP3104379B2 (ja) 無機繊維飛沫の飛散を防止した金属折板用断熱無機繊維マット
JP3381128B2 (ja) ラミネート装置と敷物裏加工法
JP4105784B2 (ja) 吸音板及びその製造方法
JP3008649B2 (ja) 無機繊維飛沫の飛散を防止した金属折板用断熱無機繊維マット
JP2833635B2 (ja) 断熱性無機繊維マット
JPH11221872A (ja) 断熱用繊維材
JP4756933B2 (ja) 接着性に優れた厚物接着品及びその製造法
JP2010125805A (ja) 建材用断熱材及びその製造方法
JP5248752B2 (ja) 遮音性建築板の製造方法
JPH01246453A (ja) 折板用ガラス繊維断熱材の製造法
JP3126853B2 (ja) ポリマー改質アスファルトルーフィングとその製法
JPH058125Y2 (ja)
JPH0444353Y2 (ja)
JP5106207B2 (ja) タイルカーペット
JP2655240B2 (ja) 不織布複合材及びその製造法
JPH0782645A (ja) 熱接着性不織布、天井成形用芯材及び天井材
JPS60110439A (ja) 無機・有機複合断熱材
JP5179157B2 (ja) 折板用断熱マット及びその製造方法並びにそれを用いた断熱折板
JPH08134756A (ja) 無機繊維断熱マットおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080416

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees