JP3568819B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機,ファクシミリ,プリンタ等の画像形成装置の現像装置に関し、感光体の静電潜像を現像する現像ローラ上に供給ローラから供給された現像剤の層厚を層厚規制部材により規制するものにおいて、現像ローラと層厚規制部材との間から現像剤が飛散して画像形成装置内を汚染するのを防止するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の現像装置として、現像槽内の現像剤を現像剤供給ローラを用いて現像ローラに供給し、現像ローラ上に付着した現像剤のうち余分な現像剤を層厚規制部材によって掻き取ることで、現像ローラ表面の現像剤を所定の厚さにした後、この現像剤を感光体表面に形成された静電潜像に対して供給し、静電潜像を現像する現像装置があった。
【0003】
上記のような現像装置は、図8に示すように、現像装置のケーシング21の現像槽内に現像剤を撹拌帯電する撹拌ローラ22が設けられ、ケーシング21内には、この帯電した現像剤を現像ローラ23に供給する供給ローラ24と、現像ローラ23とが配設されている。
【0004】
この現像ローラ23は、ケーシング21の静電潜像が形成される感光体25の対向位置に設けられた開口21aに感光体25と所定間隔を保持しながら回転するように配置されている。
【0005】
そして、ケーシング21の開口21aの下部縁部に一端が固着され先端がこの一端より現像ローラ23の下流側に位置し当該現像ローラ23上に担持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材26が設けられている。
【0006】
上記現像ローラ23と感光体25はその対向面で下方向から上方向へ同方向へ回転しており、感光体25に形成された静電潜像を現像ローラ23から現像剤を供給して現像していた。
【0007】
このような現像装置においては、層厚規制部材と現像ローラとの間の隙間から現像剤が落下し、現像装置を備えた画像形成装置内を汚染するという不都合を生じていたため、特開平5−119601号公報に記載された構成により、現像剤の画像形成装置内への落下を防止したものがあった。
【0008】
この現像装置の一例としては図9に示すように、ケーシング21の開口21aの下部縁部を現像ローラ23と感光体25との現像位置下方まで延設して落下現像剤回収部27を形成し、落下現像剤回収部27の端部に感光体25表面と接触するシール部材28を設けている。
【0009】
また、他の例としては図10に示すように、落下現像剤回収部27の端部にローラ状のシール部材29を設け、このシール部材29に付着した落下現像剤が静電潜像現像前の感光体25に付着しないようにシール部材29から掻き取るブレード30を設けている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図9及び図10に示した上記の現像装置は、両者とも感光体が現像ローラによる現像位置において下方向から上方向に回転する構造となっており、このような構造においては、落下現像剤回収部において落下する現像剤を回収することが可能となる、
しかしながら、感光体が現像位置において上方向から下方向へ回転する構造の現像装置においては、落下現像剤回収部に設けられたシール部材が静電潜像の現像後の感光体と接触することとなるため、現像剤により現像された現像剤像を掻き乱してしまい、正常な画像を得ることができないという問題があった。
【0011】
また、ケーシングの開口の下部縁部を延設してシール部材を設ける必要があるため、ケーシングの形状が複雑な形状となってしまい、しかも、シール部材が感光体と常時接触しているため、感光体の劣化を生じるという問題があった。
【0012】
本発明の現像装置は上記の問題に鑑みなされたものであり、感光体が現像位置において上方向から下方向へ回転する構造の現像装置においても、現像ローラと層厚規制部材間からの現像剤の画像形成装置内への落下を防止することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、現像装置のケーシング内に収容され感光体に対向して形成された現像開口を介して感光体と対向して現像位置に配設された現像ローラと、上記ケーシング内に収容された現像剤を上記現像ローラに供給する供給ローラと、上記ケーシングの現像開口縁に一端が固定され先端が上記現像ローラと所定間隔で対向し、上記供給ローラにより現像ローラ上に供給された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、上記感光体が現像ローラによる現像位置において上方向から下方向へ回転する現像装置において、上記層厚規制部材の現像ローラ上の現像剤との非接触面側に、現像ローラと層厚規制部材との間をシールする飛散現像剤シール部材であって、柔軟性を有したブレード状に形成された飛散現像剤シール部材を、自由端が現像ローラ上の現像剤を掻き乱することのないように現像ローラに弾性的に軽接触するように一端を貼設している。
【0014】
したがって、感光体上の現像剤像を掻き乱すことなく、現像ローラと層厚規制部材間からの現像剤の画像形成装置内への落下を防止することが可能となる。また、簡単な構成で現像ローラへの密着性を向上させることができるとともに、現像ローラ上の現像剤を掻き乱すことなく現像剤の画像形成装置内への落下を防止することを可能としている。
【0017】
本発明の飛散現像剤シール部材は、自由端が現像ローラの回転方向下流側に、層厚規制部材に固着される固着端が現像ローラの回転方向上流側に位置するよう設けられている。
【0018】
したがって、現像ローラ上の現像剤にストレスを与えることなく、現像剤の画像形成装置内への落下を防止することを可能としている。
【0019】
本発明の飛散現像剤シール部材は導電性を有している。
【0020】
したがって、現像ローラと飛散現像剤シール部材との間に発生する電界を制御して、現像ローラ上の現像剤の摩擦帯電量と帯電極性を調整することができるとともに、充分な摩擦帯電量を付与することができ、現像ローラ上の現像剤の層を安定して形成することが可能となる。
【0021】
本発明の飛散現像剤シール部材は、帯電系列上で現像剤の帯電を促進させる材料で形成している。
【0022】
したがって、現像ローラと飛散現像剤シール部材との間に発生する電界を制御して、現像ローラ上の現像剤の摩擦帯電量と帯電極性を調整することができるとともに、充分な摩擦帯電量を付与することができ、現像ローラ上の現像剤の層を均一に形成することが可能となる。
【0023】
本発明は、飛散現像剤シール部材に現像剤の帯電極性と同極性の電荷を供給する供給手段を備えている。
【0024】
したがって、現像ローラ上の現像剤に飛散現像剤シール部材を介して帯電電極と同電極の電位を注入することができ、現像剤の帯電量を所定の帯電量にすることができ、感光体へ供給される現像剤の量が安定し、濃度斑のない画像形成が可能となる。
【0025】
本発明は、飛散現像剤シール部材を現像剤との接触により帯電される現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースするために接地している。
【0026】
したがって、現像剤との接触により飛散現像剤シール部材に帯電された現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースすることにより、現像剤に外添剤として添加しているシリカ等の現像剤と同極性に帯電しやすい非磁性物質が静電気的に飛散現像剤シール部材に吸着されるのを防ぎ、この部分での現像剤の融着を防止することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の現像装置の実施形態1を図1乃至図3とともに説明する。図1は現像装置の実施形態1を示す概略断面図、図2は現像装置の実施形態1の具体的な構成を示す断面図、図3は図2の要部拡大図である。
【0028】
この現像装置の実施形態1は、現像装置のケーシング1の現像槽内に現像剤を撹拌帯電する撹拌ローラ2が設けられ、ケーシング1内には、この帯電した現像剤を現像ローラ3に供給する供給ローラ4と、現像ローラ3とが配設されている。
【0029】
この現像ローラ3は、ケーシング1の静電潜像が形成される感光体5の対向位置に設けられた開口1aに感光体5と所定間隔を保持しながら回転するように配置されている。
【0030】
そして、ケーシング1の開口1aの下部縁部には、一端がこの下部縁部に固定され先端が現像ローラ3と所定間隔を保持して対向し、現像ローラ3上に担持された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材6が設けられている。
【0031】
上記現像ローラ3は感光体5との対向面(現像位置)で下方向から上方向へ同方向へ回転しており、感光体5はこの対向面(現像位置)で上方向から下方向へ回転しており、感光体5に形成された静電潜像を現像ローラ3から現像剤を供給して現像している。
【0032】
上記層厚規制部材6の先端の現像剤との非接触面側には、一端がこの先端に貼着され自由端が現像ローラ3と軽接触する飛散現像剤シール部材7を設けている。
【0033】
この飛散現像剤シール部材7は、例えば、導電性フィルム,導電性マイラ等の柔軟な素材によりブレード状に形成されており、現像ローラ3と層厚規制部材6間の隙間から現像剤が飛散するのを防止し、現像剤が落下して画像形成装置内を汚染するのを防止している。
【0034】
また、飛散現像剤シール部材7は導電性を有し、帯電系列上で現像剤の帯電を促進させる材料で形成しているので、現像ローラ3と飛散現像剤シール部材7との間に発生する電界を制御して、現像ローラ3上の現像剤の摩擦帯電量と帯電極性を調整することができるとともに、充分な摩擦帯電量を付与することができ、現像ローラ上の現像剤の層を均一に安定して形成することができる。
【0035】
しかも、飛散現像剤シール部材7は柔軟性を有しているので、現像ローラ3に損傷を与えることがない。
【0036】
次に本発明の現像装置の実施形態2を図4及び図5とともに説明する。図4は現像装置の実施形態2を示す概略断面図、図5は現像装置の実施形態2の具体的な構成を示す要部拡大図である。
【0037】
この現像装置の実施形態2は、上記実施形態1と同様の構成を有しており、飛散現像剤シール部材7にバイアス電圧を供給するバイアス電源8を接続している。
【0038】
このバイアス電源8により現像ローラ3上に担持された現像剤に該現像剤の帯電極性と同極性の電荷を飛散現像剤シール部材7を介して注入することで、帯電量の少ない帯電不良の現像剤を所定の電位に帯電し、現像剤に均一でしかも充分な帯電量を付与するので、安定した現像剤の層を形成することができ、感光体5の静電潜像を正確に現像することができ、濃度斑のない良好な画像を形成することができる。
【0039】
また、上記各実施形態においては、現像ローラ3の回転方向がその現像位置において上方向から下方向に回転するように構成されているが、現像位置において下方向から上方向へ回転するよう構成してもよく、この場合は、上記層厚規制部材6及び飛散現像剤シール部材7をケーシング1の開口1aの上部端部に形成することにより、層厚規制部材6と現像ローラ3間からの現像剤の噴出を防止することができる。
【0040】
次に本発明の現像装置の実施形態3を図6及び図7とともに説明する。図6は現像装置の実施形態3を示す概略断面図、図7は現像装置の実施形態3の具体的な構成を示す要部拡大図である。
【0041】
この現像装置の実施形態3は、上記実施形態1と同様の構成を有しており、飛散現像剤シール部材7を現像剤との接触により帯電される現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースするために接地している。
【0042】
したがって、現像剤との接触により飛散現像剤シール部材7自身に帯電された現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースすることにより、現像剤に外添剤として添加しているシリカ等の現像剤と同極性に帯電しやすい非磁性物質が静電気的に飛散現像剤シール部材7に吸着されるのを防ぎ、この部分での現像剤の融着を防止することができる。
【0043】
すなわち、この時、現像剤は負帯電極性となっているが、現像ローラ3の発生する磁力の強さの方が飛散現像剤シール部材7の接触帯電された電荷による静電気力よりも大きいため、現像剤は飛散現像剤シール部材7に静電気的に吸着されることはないが、シリカ等の非磁性物質は、負帯電特性を示していても、現像ローラ3が発生する磁力によりシリカ等の非磁性物質は拘束されることがないため、飛散現像剤シール部材7が現像剤との接触により正帯電すると、シリカ等の非磁性物質を静電吸着し、シリカ等の非磁性物質を静電吸着することにより、この部分において現像剤の融着が発生してしまう。
【0044】
したがって、シリカ等の非磁性物質が飛散現像剤シール部材7に静電吸着されるのを、飛散現像剤シール部材7を接地し飛散現像剤シール部材7に現像剤との接触により帯電された正帯電電荷をアースしている。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、現像装置のケーシング内に収容され感光体に対向して形成された現像開口を介して感光体と対向して現像位置に配設された現像ローラと、上記ケーシング内に収容された現像剤を上記現像ローラに供給する供給ローラと、上記ケーシングの現像開口縁に一端が固定され先端が上記現像ローラと所定間隔で対向し、上記供給ローラにより現像ローラ上に供給された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、上記感光体が現像ローラによる現像位置において上方向から下方向へ回転する現像装置において、上記層厚規制部材の現像ローラ上の現像剤との非接触面側に、現像ローラと層厚規制部材との間をシールする飛散現像剤シール部材を貼設しているので、感光体上の現像剤像を掻き乱すことなく、現像ローラと層厚規制部材間からの現像剤の画像形成装置内への落下を防止することができる。
また、飛散現像剤シール部材を柔軟性を有したブレード状に形成し、自由端を現像ローラ上の現像剤を掻き乱することのないよう軽接触するように一端を層厚規制部材に固着しているので、簡単な構成で現像ローラへの密着性を向上させることができるとともに、現像ローラ上の現像剤を掻き乱すことなく現像剤の画像形成装置内への落下を防止することができる。
【0047】
請求項2記載の発明は、飛散現像剤シール部材をその自由端が現像ローラの回転方向下流側に、層厚規制部材に固着される固着端が現像ローラの回転方向上流側に位置するよう設けられているので、現像ローラ上の現像剤にストレスを与えることなく、現像剤の画像形成装置内への落下を防止することができる。
【0048】
請求項3の発明は、飛散現像剤シール部材を導電性を有する部材により形成しているので、現像ローラと飛散現像剤シール部材との間に発生する電界を制御して、現像ローラ上の現像剤の摩擦帯電量と帯電極性を調整することができるとともに、充分な摩擦帯電量を付与することができ、現像ローラ上の現像剤の層を安定して形成することができる。
【0049】
請求項4記載の発明は、飛散現像剤シール部材を帯電系列上で現像剤の帯電を促進させる材料で形成しているので、現像ローラと飛散現像剤シール部材との間に発生する電界を制御して、現像ローラ上の現像剤の摩擦帯電量と帯電極性を調整することができるとともに、充分な摩擦帯電量を付与することができ、現像ローラ上の現像剤の層を均一に形成することができる。
【0050】
請求項5記載の発明は、飛散現像剤シール部材に現像剤の帯電極性と同極性の電荷を供給する供給手段を備えているので、現像ローラ上の現像剤に飛散現像剤シール部材を介して帯電電極と同電極の電位を注入することができ、現像剤の帯電量を所定の帯電量にすることができ、感光体へ供給される現像剤の量が安定し、濃度斑のない画像形成を行うことができる。
【0051】
請求項6記載の発明は、飛散現像剤シール部材を現像剤との接触により帯電される現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースするために接地しているので、現像剤との接触により飛散現像剤シール部材に帯電された現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースすることにより、現像剤に外添剤として添加しているシリカ等の現像剤と同極性に帯電しやすい非磁性物質が静電気的に飛散現像剤シール部材に吸着されるのを防ぎ、この部分での現像剤の融着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像装置の実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】本発明の現像装置の実施形態1の具体的な構成を示す断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】本発明の現像装置の実施形態2を示す概略断面図である。
【図5】本発明の現像装置の実施形態2の具体的な構成を示す要部拡大図である。
【図6】本発明の現像装置の実施形態3を示す概略断面図である。
【図7】本発明の現像装置の実施形態3の具体的な構成を示す要部拡大図である。
【図8】従来の現像装置を示す概略断面図である。
【図9】従来の現像装置の一例を示す概略断面図である。
【図10】従来の現像装置の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 撹拌ローラ
3 現像ローラ
4 供給ローラ
5 感光体
6 層厚規制部材
7 飛散現像剤シール部材
8 バイアス電源
Claims (6)
- 現像装置のケーシング内に収容され感光体に対向して形成された現像開口を介して感光体と対向して現像位置に配設された現像ローラと、
上記ケーシング内に収容された現像剤を上記現像ローラに供給する供給ローラと、
上記ケーシングの現像開口縁に一端が固定され先端が上記現像ローラと所定間隔で対向し、上記供給ローラにより現像ローラ上に供給された現像剤の層厚を規制する層厚規制部材とを有し、
上記感光体が現像ローラによる現像位置において上方向から下方向へ回転する現像装置において、
上記層厚規制部材の現像ローラ上の現像剤との非接触面側に、現像ローラと層厚規制部材との間をシールする飛散現像剤シール部材であって、柔軟性を有したブレード状に形成された飛散現像剤シール部材を、自由端が現像ローラ上の現像剤を掻き乱することのないように現像ローラに弾性的に軽接触するように一端を貼設したことを特徴とする現像装置。 - 上記飛散現像剤シール部材は、自由端が現像ローラの回転方向下流側に、層厚規制部材に固着される固着端が現像ローラの回転方向上流側に位置するよう設けられたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 上記飛散現像剤シール部材は、導電性を有することを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 上記飛散現像剤シール部材は、帯電系列上で現像剤の帯電を促進させる材料で形成されたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 上記飛散現像剤シール部材に現像剤の帯電極性と同極性の電荷を供給する供給手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の現像装置。
- 上記飛散現像剤シール部材を現像剤との接触により帯電される現像剤の帯電極性と逆極性の電荷をアースするために接地したことを特徴とする請求項3記載の現像装置。
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