JP3568732B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電子ファイル、ディジタル複写機、ファクシミリ及びスキャナ等を構成する画像処理装置に関し、特に、原稿を走査して得られた画像信号に対して、各画素の特性に応じた最適な処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機やファクシミリでは、文字部分、写真部分または網点部分が存在する原稿、または、これらの複数の部分が混在する原稿をCCDイメージセンサらにより読み取って得られた画像信号に対して、記録画像の画質を向上させるための画像処理を実行する画像処理装置が設けられている。この画像処理は、読み取った画像が文字、写真または網点のいずれの画像種類であるかを識別し、その識別結果に応じて各画素毎に最適な処理を行うようにしたものである。
【0003】
例えば、特開平6−150059号公報には、原稿画像を複数画素からなるブロックに分割し、パターンマッチングによって原稿画像の画像種類を識別するようにした構成が開示されている。この構成では、複数の基準パターンを予め準備しておき、原稿画像のパターンを基準パターンと比較することにより原稿画像の画像種類を決定する。
【0004】
また、特開平8−149297号公報には、網点画像における画像データの周期性を利用して、原稿画像の1ライン分の画像データの周期性を検出することにより、注目画素が網点画像部分であるか否かを識別するようにした構成か開示されている。
【0005】
さらに、特開昭61−194968号公報には、ブロック内の画素の主走査方向と副走査方向とにおける信号レベルの変化している画素を計測し、その変化係数の総和を予め設定した値と比較することにより、注目画素が網点写真画像部分であるか否かを識別するようにした網点写真領域識別方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−150059号公報に開示されているようなパターンマッチングを用いた画像識別処理では、多数のパターンを予め準備しておく必要があり、必要とするメモリ容量が膨大になるとともに、汎用性に乏しい問題がある。
【0007】
また、特開平8−149297号公報に開示されているような1ライン分の画像情報における周期性を検出する方法では、濃度が低くドットサイズが小さい網点領域では、網点ドットが1ライン上に位置することは稀であり、網点部分を確実に識別することができない場合が生じる。このために、複数のラインにより2次元領域で周期性を検出することとすると、ドットの周期性に合わせて多数のブロックメモリが必要になり、コストの上昇を招く問題がある。
【0008】
さらに、特開昭61−194968号公報に開示されているような網点写真部分の連続性を検出するものでは、網点領域の検出はできるものの、信号レベルの変化が小さい写真部分を文字部分と識別することが困難で、網点写真部分を確実に識別することはできない。
【0009】
この発明の目的は、小規模な回路構成で原稿画像の各画素が複数種の画像領域のいずれに含まれるかを確実に識別することができる画像処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、原稿画像の各画素を含まれる画像領域を識別し、画像領域の識別結果に応じて画素毎に処理を実行する画像処理装置において、
注目画素及び注目画素を中心とする複数の周辺画素により構成される局所ブロックの各画像信号と総和が−1であるフィルタ係数との積和演算により画像のエッジ部に位置する画素を検出するエッジ検出手段と、注目画素が含まれる画像領域を識別する識別手段と、を設け、
前記識別手段が、写真領域、文字領域及び網点領域の特性を表す特徴量である前記局所ブロックの各画像信号における最大信号レベルと最小信号レベルとの差異である最大濃度差、及び、前記局所ブロックにおいて主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて隣接する2画素間の画像信号の差分を順次加算した総和の小さい方の値である煩雑度をパラメータとして各領域の領域境界を定めたテーブルを、前記エッジ検出手段によって検出した局所ブロックにおけるエッジ部画素の連続数をパラメータとして複数備え、
前記エッジ検出手段の検出結果に基づいて前記エッジ部画素の連続数を算出するとともに、局所ブロックにおける画像信号に基づいて前記最大濃度差及び前記煩雑度を算出し、算出したエッジ部画素の連続数に応じたテーブルを選択し、最大濃度差及び煩雑度によって特定される注目画素が選択したテーブルにおいて写真領域、文字領域または網点領域のいずれに含まれるかを識別することを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載した発明においては、注目画素及び注目画素を中心とする複数の周辺画素により構成される局所ブロックの各画像信号と総和が−1であるフィルタ係数との積和演算により画像のエッジ部に位置するエッジ部画素が検出される。フィルタ計数の総和が−1であるフィルタを用いてエッジ検出を行うと、原稿の文字領域や網点領域等の低濃度領域のエッジ部のみが検出され、写真領域においてエッジ部は検出されない。したがって、局所ブロックに含まれる複数の画素に対してフィルタ計数の総和が−1であるフィルタを用いてエッジ検出を行うことにより、注目画素が低濃度領域の画像であるか否かが識別される。
【0012】
局所ブロックに含まれる複数の画素に対してフィルタ計数の総和が−1であるフィルタを用いて強調処理された画像信号を予め設定された閾値で2値化することより、注目画素が写真領域に含まれるか否かが正確に識別される。
【0013】
即ち、図5(A)に示す5画素×5画素の画像信号を含む局所ブロックに対して、図5(B)に示すようなフィルタ係数を用いて強調処理を行い、エッジ検出を行う場合、図5(A)に示す例において、中心に位置する注目画素の画像信号Img12の空間フィルタリング処理後におけるエッジ検出濃度値Img12′は、
Img12′=Σ(Imgi×Fi)/ΣFi
により求められる。このエッジ検出濃度値Img12′を閾値と比較することにより注目画素がエッジ部であるか否かを峻別する。
【0014】
例えば、図2に示すようにフィルタ係数の総和が−1となるフィルタを用いて図6(A)に示す写真領域の画素の画像信号、及び、図6(B)に示す文字領域の画素の画像信号に対して空間フィルタリング処理を行った場合、図6(A)及び(B)に示す画像信号は、それぞれ図6(H)及び(I)に示すように強調処理され、閾値“0”で2値化すると、それぞれ図6(J)及び(K)に示すエッジ検出結果が得られ、写真領域においてはエッジ部が検出されない。
【0015】
注目画素を中心とする局所ブロックにおけるエッジ部画素の連続数によってテーブルが選択され、選択されたテーブルにおける最大濃度差及び煩雑度に基づいて注目画素が含まれる画像領域が正確に決定される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、画像処理装置の構成を示すブロック図である。画像処理装置10は、白黒反転回路1、ブロックメモリ2、エッジ検出回路3、識別回路4及びフィルタ処理回路5から構成されている。白黒反転回路1は、入力端子から入力された画像信号に対して中間濃度値(入力信号が8bitであれば128)を中心として反転する。ブロックメモリ2は、白黒反転回路1から入力さた画像信号を、各画素256レベル(8bit)で格納する記憶領域を有する。エッジ検出回路3は、ブロックメモリ2に格納されている画像信号のエッジレベルを空間フィルタリング処理によって求め、固定閾値処理により2値化したエッジ情報を特徴量として求める。エッジ検出回路3におけるエッジ検出用のフィルタとしては、例えば、図2に示すように、フィルタ係数の総和が−1であるフィルタを用いる。
【0017】
識別回路4は、特徴量をブロック内の注目画素が写真領域か否かを判定するための回路であり、各領域に応じた識別信号を出力する。フィルタ回路5は、識別回路4の出力に基づいて最適なフィルタを選択し、入力信号に対して空間フィルタリング処理を行う。フィルタ処理回路5は、注目画素に対して近傍画素との重み平均を取り、注目画素と近傍画素との信号レベル変化を少なくするような平滑処理を行う平滑フィルタ、及び、近傍画素との差分値を注目画素に加えることによって注目画素と近傍画素との信号レベル変化がより大きくなるような強調処理を行う強調フィルタを備えている。
【0018】
なお、上記8bitのブロックメモリ2は、入力の最大濃度値(2のn乗)を格納できるnbitのブロックメモリとすることができる。またフィルタ処理回路5は、予めフィルタ係数が決められた強調フィルタまたは平滑フィルタを選択し、注目画素に対して強調処理または平滑処理を行う。このフィルタ処理回路5で用いられる強調フィルタの例を図3(A)に、平滑フィルタの例を図3(B)に示す。なお、マスクサイズやフィルタ係数が図3(A)及び(B)に示す例と異なる任意のフィルタを用いることもできる。
【0019】
図4は、上記の画像処理装置において記録画像の画質を向上するための空間フィルタリング処理手順を示すフローチャートである。CCDイメージセンサを含む図外の画像読取部により原稿を走査して得た画像信号が、画像処理装置に入力されると(s1)、白黒反転回路1により画像信号を白黒反転する(s2)。次いで、ブロックメモリ2から注目画素を中心とした局所ブロックの画像信号を選択し、エッジ検出回路3により図2に示すフィルタを用いた空間フィルタリング処理により、特徴量としてエッジ検出濃度を算出する(s3)。この後、識別回路4により、各特徴量に基づいてブロック内の注目画素が写真領域か否かの識別を行う。この実施形態では、エッジ検出されなかった場合には写真領域として、エッジ検出されれば文字領域または網点領域として識別される(s4)。この結果、文字領域または網点領域であれば強調フィルタによる強調処理(s5)が、写真領域であれば平滑化処理(s6)が、フィルタ処理回路5において実行された後に画像信号が出力される(s7)。また、写真領域については空間フィルタリング処理を行うことなく画像信号を出力してもよい。この画像処理装置10は、上記のs2〜s7の処理を全ての画素に対して順次実行する(s8)。
【0020】
以上の処理により、この実施形態に係る画像処理装置10では、極めて簡単な回路構成により画像種類の識別を行うことができ、例えば、複写機における写真モードでの複写画像形成時に写真中心の画質を得る場合に、写真領域内のエッジ部をできるだけ検出することなく文字領域だけを正確に抽出するようにし、識別精度の向上を図って高品質の画像を得ることができる。
【0021】
この理由を、図5及び図6を用いて以下に説明する。一般的な空間フィルタリング処理では、例えば、図5(A)に示す5画素×5画素の画像信号に対して、図5(B)に示すようなフィルタ係数により強調処理を行い、エッジ検出濃度値を算出する。図5(A)に示す例において、中心に位置する注目画素の画像信号Img12の空間フィルタリング処理後におけるエッジ検出濃度値Img12′は、
Img12′=Σ(Imgi×Fi)/ΣFi
により求められる。この式により算出したエッジ検出濃度値Img12′を閾値と比較することにより注目画素がエッジ部であるか否かを峻別する。
【0022】
例えば、図6(A)に示す写真領域の画像信号及び図6(B)に示す文字領域の画像信号を、従来の一般的なエッジ検出用フィルタであるフィルタ係数の総和を0としたラプラシアンフィルタ(図6(C)参照)を用いて空間フィルタリング処理を行った場合、図6(A)及び(B)に示す画像信号は、それぞれ図6(D)及び(E)に示すように強調処理され、閾値“0”で2値化すると、それぞれ図6(F)及び(G)に示すエッジ検出結果が得られ、写真領域においてもエッジ部が検出される。したがって、ラプラシアンフィルタを用いた空間フィルタリング処理では、エッジ部の有無によっては注目画素が写真領域であるか否かを識別することはできない。
【0023】
これに対して、画像処理装置10のエッジ検出回路3で使用する図2に示すようにフィルタ係数の総和が−1となるフィルタを用いて空間フィルタリング処理を行った場合、図6(A)及び(B)に示す画像信号は、それぞれ図6(H)及び(I)に示すように強調処理され、閾値“0”で2値化すると、それぞれ図6(J)及び(K)に示すエッジ検出結果が得られ、写真領域においてはエッジ部が検出されない。したがって、画像処理装置10の識別回路4では、注目画素を中心とした周辺画素を含む局所ブロックにおいて、エッジ部が存在するか否かに基づいて、注目画素が写真領域であるか否かを容易に識別できる。
【0024】
図7は、別の画像処理装置の構成を示すブロック図である。図7に示す画像処理装置20は、図1に示した画像処理装置10のエッジ検出回路3と識別回路4との間に1bitのブロックメモリ21と連続度演算回路22とを設けたものであり、画像処理装置10と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】
ブロックメモリ21は、エッジ検出回路3から出力された2値データを格納する1bit×ブロックサイズの記憶領域を備えている。連続度演算回路22は、ブロックメモリ21に格納されているデータに基づいて、エッジの隣接する同一レベルの連続画素数を主走査方向及び副走査方向の全方向について計算し、連続画素数の最長距離を注目画素の特徴量として算出する。例えば、図8(A)に示すように、ブロックサイズが5画素×5画素である場合、エッジ検出回路3で検出したエッジ情報を黒色、非エッジ情報を白色とした場合(実際には、エッジ情報は“1”、非エッジ情報は“0”である。)、主走査方向の1ライン目は隣接する画素がエッジ検出されておらず連続度を1とし、2ライン目はエッジ情報が3画素連続しているので連続度を3とする。これを主走査方向及び副走査方向の全てのラインについて実行し、その最大値を注目画素の連続度とする。
【0026】
図8(A)に示す例では、副走査方向の5ライン目の連続度が5であり、注目画素の連続度は5となる。識別回路4は、連続度演算回路22における連続度の演算結果に基づいて、連続度の高いものを文字領域、連続度が0のものを写真領域、それ以外のものを網点領域と識別する。
【0027】
図9は、上記画像処理装置における空間フィルタリング処理手順を示すフローチャートである。CCDイメージセンサを含む図外の画像読取部により原稿を走査して得た画像信号が、画像処理装置に入力されると(s21)、白黒反転回路1により画像信号を白黒反転する(s22)。次いで、ブロックメモリ2から注目画素を中心とした局所ブロックの画像信号を選択し、エッジ検出回路3により特徴量を算出する(s23)。このエッジ検出では、図2に示したフィルタ係数の総和を−1とするフィルタを用いる。エッジ検出回路3において検出された注目画素を中心とする周辺画素のエッジ情報はブロックメモリ21に格納され、ブロックメモリ21に格納されている1ブロック分の画素のエッジ情報に基づいて注目画素の連続度を連続度演算回路22により特徴量として算出する(s24)。
【0028】
この後、識別回路4により、連続度演算回路22から出力された特徴量に基づいてブロック内の注目画素が写真領域、文字領域または網点領域のいずれであるかの識別を行う(s25)。この結果文字領域であれば強調フィルタによる強調処理(s26)を、網点領域であれば平滑フィルタによる平滑化処理(s27)を、フィルタ処理回路5において実行した後に、写真領域であれば空間フィルタリング処理を行うことなく画像信号を出力する(s28)。画像処理装置20は、上記のs22〜s28の処理を全ての画素に対して順次実行する(s29)。以上のように、この実施形態に係る画像処理装置20は、原稿を走査して得られた画像信号に対して各画素が文字領域、網点領域または写真領域のいずれであるかの識別処理を実行し、この識別処理の結果に応じて各画素毎に空間フィルタリング処理を行うようにしている。これにより、極めて簡単に高い精度の画像種類の識別を行うことができる。即ち、エッジ検出回路3におけるエッジ検出処理において図2のフィルタを用いることにより、写真領域においてはエッジが検出されないために連続度は常に0であり、網点領域では連続度が4以上になることはなく、文字領域では連続度が高くなるため、高い精度の識別処理を極めて簡単に行うことができる。
【0029】
なお、上記の実施形態では、連続度演算回路22における連続度の算出を、局所ブロック内の主走査方向及び副走査方向の2方向について実行するようにしたが、例えば、図8(B)に示すように、ブロック内の斜め方向の連続度も算出するようにしてもよい。これによって、注目画素の特徴量としての連続度を高い精度で求めることができる。
【0030】
図10は、さらに別の画像処理装置の構成を示すブロック図である。図10に示す画像処理装置30は、図7に示した画像処理装置20のブロックメモリ21と連続度演算回路22との間に判定回路31を設けたものであり、画像処理装置20と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。判定回路31は、ブロックメモリ21に格納されている1ブロックの画素中におけるエッジ部の画素の有無により、注目画素が写真領域であるか否かを判別する。
【0031】
図11は、上記画像処理装置における空間フィルタリング処理手順を示すフローチャートである。CCDイメージセンサを含む図外の画像読取部により原稿を走査して得た画像信号が、画像処理装置に入力されると(s31)、白黒反転回路1により画像信号を白黒反転する(s32)。次いで、ブロックメモリ2から注目画素を中心とした局所ブロックの画像信号を選択し、エッジ検出回路3によりエッジ部であるか否かを表すエッジ情報を算出する(s33)。このエッジ検出では、図2に示したフィルタ係数の総和を−1とするフィルタを用いる。
【0032】
エッジ検出回路3において局所ブロック中にエッジが検出された場合には、エッジ検出回路3において検出された注目画素を中心とする周辺画素のエッジ情報をブロックメモリ21に格納し、ブロックメモリ21に格納されている1ブロック分の画素のエッジ情報に基づいて連続度演算回路22により注目画素の連続度を特徴量として算出する(s34)。この後、識別回路4により連続度演算回路22から出力された特徴量に基づいてブロック内の注目画素が写真領域、文字領域または網点領域のいずれであるかの識別を行う(s35)。
【0033】
この結果、文字領域であれば強調フィルタによる強調処理(s36)を、網点領域であれば平滑フィルタによる平滑化処理(s37)を、フィルタ処理回路5において実行した後に画像信号を出力する(s38)。s33において、エッジ検出回路3が局所ブロック中にエッジを検出しなかった場合には、注目画素が写真領域であると判断して空間フィルタリング処理を行うことなく画像信号を出力する。画像処理装置30は、上記のs32〜s38の処理を全ての画素に対して順次実行する(s39)。
【0034】
以上のように、この実施形態に係る画像処理装置30は、エッジ検出回路3における空間フィルタリング処理後の局所ブロックにおいてエッジ部が存在しない場合には、注目画素が写真領域であることを直ちに判断し、写真領域に対する連続度の演算処理を実行しないようにし、原稿を走査した得られた画像信号に対して各画素が文字領域、網点領域または写真領域のいずれであるかの識別処理をさらに短時間化できる。
【0035】
なお、上記の実施形態では、連続度演算回路22における連続度の算出を、局所ブロック内の主走査方向及び副走査方向の2方向について実行するようにしたが、ブロック内の斜め方向の連続度も算出するようにしてもよい。
【0036】
図12は、この発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図12に示す画像処理装置40は、ブロックメモリ41と、エッジ検出回路42、ブロックメモリ43、主走査方向連続度演算回路44a、副走査方向連続度演算回路44b及び比較器45からなる第1特徴量演算手段と、最大値検出回路46a、最小値検出回路44b及び減算器47からなる第2特徴量演算手段と、主走査方向差分値総和算出回路48a、副走査方向差分値総和算出回路48b、比較器49及び重み平均累算回路50からなる第3特徴量演算手段と、識別回路51と、フィルタ処理回路52と、から構成されている。
【0037】
第1特徴量演算手段を構成する主走査方向連続度演算回路44a、副走査方向連続度演算回路44b及び比較器45は、図7に示した画像処理装置20の連続度演算回路22と同一の処理を実行する。画像処理装置40は、第1特徴量演算手段により算出する連続度に加えて、第2特徴量演算手段により算出するブロック内の最大濃度差値、及び、第3特徴量演算手段により算出する煩雑度を用いることにより、画像領域の識別精度をさらに向上するようにしたものてのある。
【0038】
図13は、上記画像処理装置における空間フィルタリング処理手順を示すフローチャートである。CCDイメージセンサを含む図外の画像読取部により原稿を走査して得た画像信号が画像処理装置40に入力されると(s41)、画像信号に対して白黒反転処理を行った後(s42)、ブロックメモリ41に格納する。ブロックメモリ41には、注目画素を中心として、例えば、7画素×7画素の周辺画素の画像信号が格納される。このブロックメモリ41に格納した画像信号に対してエッジ検出回路42によりエッジ検出処理を実行する(s43)。エッジ検出回路42において検出された注目画素を中心とする周辺画素のエッジ情報は2値化されてブロックメモリ43に格納される。
【0039】
s43におけるエッジ検出処理に図2に示すような3画素×3画素のフィルタを用いた場合、7画素×7画素のブロックの端部に位置する画素については、フィルタの中央に位置させることができないため、エッジ検出の有効範囲は5画素×5画素の範囲となり、ブロックメモリ43には注目画素を中心とした5画素×5画素の局所ブロックのエッジ情報が格納される。
【0040】
次いで、主走査方向連続度演算回路44a、副走査方向連続度演算回路44b及び比較器45により、ブロックメモリ43に格納されている1ブロック分の画素のエッジ情報に基づいて、注目画素の連続度を第1特徴量P0として算出する(s44)。また、最大値検出回路46a、最小値検出回路46b及び減算器47により、ブロックメモリ41に格納されている7画素×7画素の画像信号の最大信号レベルと最小信号レベルとの差を第2特徴量P1として算出する(s45)。さらに、主走査方向差分値総和算出回路48a、副走査方向差分値総和算出回路48b、比較器49及び重み平均累算回路50により、ブロックメモリ41に格納されている7画素×7画素のブロックにおける主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて隣接する2画素間の画像信号の差分を順次加算した総和の小さい方の値である煩雑度を第3特徴量P2として算出する(s46)。
【0041】
第1特徴量P0、第2特徴量P1及び第3特徴量P2は、識別回路51に入力され、識別回路51はこれらの特徴量に基づいてブロック内の注目画素が写真領域、文字領域または網点領域のいずれであるかの識別を行う(s47)。即ち、識別回路51は、第1特徴量P0に基づいて、例えば、図14に示すように予め準備された複数のルックアップテーブルのうちで最適なルックアップテーブルを選択し、選択したルックアップテーブルに基づいて第2特徴量P1及び第3特徴量P2とから、例えば、図15に示す領域境界にしたがって、注目画素が文字領域、網点領域または写真領域のいずれであるかを識別する。
【0042】
この結果、文字領域であれば強調フィルタによる強調処理(s48)を、網点領域であれば平滑フィルタによる平滑化処理(s49)を、フィルタ処理回路52において実行した後に画像信号を出力し、写真領域であれば空間フィルタリング処理を行うことなく画像信号を出力する(s50)。画像処理装置40は、上記のs42〜s50の処理を全ての画素に対して順次実行する(s51)。
【0043】
以上のように、この実施形態に係る画像処理装置40は、注目画素を中心とした局所ブロックにおけるエッジ情報の連続度を第1特徴量とし、第2特徴量である最大濃度差、及び、第3特徴量である煩雑度を補助的に用いて画像領域の識別処理を多元的に実行するようにしている。これにより、極めて高い精度で画像領域の識別処理を行うことができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、注目画素を中心とする局所ブロックにおけるエッジ部画素の連続数によってテーブルを選択し、選択したテーブルにおける最大濃度差及び煩雑度に基づいて注目画素が含まれる画像領域を正確に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同画像処理装置におけるエッジ検出に用いられるフィルタの一例を示す図である。
【図3】同画像処理装置における空間フィルタリング処理に用いられるフィルタを例示した図である。
【図4】同画像処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図5】同画像処理装置におけるエッジ検出に係る画像信号とフィルタ計数との積和計算を説明する図である。
【図6】同画像処理装置におけるエッジ検出状態を従来例との比較において説明する図である。
【図7】別の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】同画像処理装置における連続度演算回路の処理を説明する図である。
【図9】同画像処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図10】さらに別の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図11】同画像処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図13】同画像処理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図14】同画像処理装置における識別回路に予め準備されたテーブルの例を示す図である。
【図15】同画像処理装置における識別回路に予め準備されたテーブルにおける領域境界の一例を示す図である。
【符号の説明】
10−画像処理装置
1−白黒反転回路
2−ブロックメモリ
3−エッジ検出回路
4−識別回路
5−フィルタ処理回路
Claims (1)
- 原稿画像の各画素を含まれる画像領域を識別し、画像領域の識別結果に応じて画素毎に処理を実行する画像処理装置において、
注目画素及び注目画素を中心とする複数の周辺画素により構成される局所ブロックの各画像信号と総和が−1であるフィルタ係数との積和演算により画像のエッジ部に位置する画素を検出するエッジ検出手段と、注目画素が含まれる画像領域を識別する識別手段と、を設け、
前記識別手段が、写真領域、文字領域及び網点領域の特性を表す特徴量である前記局所ブロックの各画像信号における最大信号レベルと最小信号レベルとの差異である最大濃度差、及び、前記局所ブロックにおいて主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて隣接する2画素間の画像信号の差分を順次加算した総和の小さい方の値である煩雑度をパラメータとして各領域の領域境界を定めたテーブルを、前記エッジ検出手段によって検出した局所ブロックにおけるエッジ部画素の連続数をパラメータとして複数備え、
前記エッジ検出手段の検出結果に基づいて前記エッジ部画素の連続数を算出するとともに、局所ブロックにおける画像信号に基づいて前記最大濃度差及び前記煩雑度を算出し、算出したエッジ部画素の連続数に応じたテーブルを選択し、最大濃度差及び煩雑度によって特定される注目画素が選択したテーブルにおいて写真領域、文字領域または網点領域のいずれに含まれるかを識別することを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10125097A JP3568732B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 画像処理装置 |
US09/055,298 US6192153B1 (en) | 1997-04-18 | 1998-04-06 | Image processing device |
Applications Claiming Priority (1)
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