JP3568177B2 - 通信回線用中継コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通信回線の屋内配線において、機器間を接続するモジュラープラグ付きのコードを延長するための中継コネクタに関し、特にISDN(サービス総合デジタル網)に接続される屋内配線において有用な中継コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信回線の屋内配線において機器間を接続するモジュラープラグ付きのコードを延長するために、両端に入力側及び出力側のモジュラージャックを備え、これらをクロス接続した中継コネクタが公知である。
即ち、この中継コネクタを介してモジュラープラグ付きのコード同士を接続することにより、その長さを延長することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ISDNに代表されるデジタル回線においては、音声でなく各種のデジタルデータを伝送する関係上、特にノイズには敏感であり、ノイズによりデータが狂うおそれがあった。
そして、中継コネクタを介してコードを延長する場合にはノイズを拾う危険性はより増大した。
【0004】
この発明はこのような問題点に鑑みて創作されたものであり、コードを延長する機能と共にノイズの混入を防止できる機能を備えた中継コネクタを実現することを目的とする。
【0005】
一方、中継コネクタにノイズの混入を防止できる機能を備えることは、構造及び内部の配線が複雑化し、組み立て上のネックになることを意味する。
この発明はこのような問題点も考慮したものであり、上記の中継コネクタを特に組み立て容易な構成で実現することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ここでは、上記の目的を達成する中継コネクタとして、入力側のモジュラージャックに対し、出力側のモジュラージャックを接続してケース内に収容した中継コネクタにおいて、これらのモジュラージャック間にノイズフィルタを介在させた構成のものを開示する。
【0007】
より詳細にはこの発明のコネクタは、プリント基板と、このプリント基板上に実装されるべき入力側及び出力側のモジュラージャックと、ノイズフィルタをユニット化してプリント基板上に実装するためのリード線群を設けると共に入力側のモジュラージャック側に対応するリード線群の各リード線と、出力側のモジュラージャック側に対応するリード線群の各リード線同士をクロス接続したフィルタユニットと、これらを収容するケースを設け、ケースをベース部とカバー部の上下2つに分割すると共に、収容した入力側及び出力側のモジュラージャックの挿入開口が露出する窓部をベース部とカバー部の両端に設け、一方、モジュラージャックの挿入開口の両外側面には突起を設け、モジュラージャックをプリント基板に実装した際に、この突起の側端面が少なくともベース部の窓部の裏側に当接するように構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の中継コネクタの具体的な実施例を添付図面に基づいて説明する。
尚、理解を容易にするために、添付図面においては中継コネクタの上下を反転して図示する。
この中継コネクタはプリント基板40と、このプリント基板上に実装されるべき入力側及び出力側のモジュラージャック10、20と、フィルタユニット30と、これらを収容するケース1よりなる。
【0009】
この中継コネクタにおいて、入力側及び出力側のモジュラージャック10、20は、挿入開口10A、20Aにモジュラープラグが挿入されることにより、このプラグの接点群が接触バネ片群10B、20Bに接触して導通する公知の通信回線用のモジュラージャックである。
尚、図3において図中符号51はこの場合のモジュラープラグである。
コード50の一端に設けられるこのモジュラープラグ51は、上記のモジュラージャックの挿入開口に挿入することにより、このモジュラージャックの接触バネ片群が接点群51Bに接触して導通し、更に係止爪52によりその抜け止めが防止される公知の通信回線用のモジュラージャック用のプラグである。
【0010】
一方、フィルタユニット30はノイズフィルタとして公知のコイルC1・・・C8をケース内に収容したものであり、その底面からはプリント基板40上にこのユニットを実装するための、入力側のモジュラージャック10に対応するリード線群30C及び、出力側のモジュラージャック20に対応するリード線群30Dが突設される。
【0011】
以上の入力側及び出力側のモジュラージャック10、20及びフィルタユニット30はプリント基板40上に実装されることにより電気的に接続されると共に、プリント基板40を媒介として一体に固定されることとなる。
そして、プリント基板40上における各部材の配置は、入力側及び出力側のモジュラージャック10、20がプリント基板40の両端に位置し、フィルタユニット30はこの中間に位置することとなる。
尚、このプリント基板40において、図中符号41は入力側のモジュラージャック10のリード線群10Cが挿入接続されるべきスルーホール、同じく42は出力側のモジュラージャック20のリード線群20Cが挿入接続されるべきスルーホール、同じく43はフィルタユニット30のリード線群30Cが挿入接続されるべきスルーホール、同じく44はフィルタユニット30のリード線群30Dが挿入接続されるべきスルーホールを指す。
【0012】
図5及び図6に以上の電気回路の例を示す。
ここでは8芯のモジュラージャック(JIS規格、JISX5110)を採用したものを例にとっている。
図中符号L1・・・L8は入力側及び出力側のモジュラージャック10、20のそれぞれの各接触バネ片であり、モジュラープラグ付きのコード同士を延長のために接続する関係上、これらはクロス接続される。
そして、フィルタユニット30の各コイルC1・・・C8は、リード線群30C及び30Dを介して上記の各接触バネ片L1・・・L8同士の間にそれぞれ介在される。
【0013】
この場合、上記のクロス接続は図5に示すようにプリント基板40において実現されてもいいが、図6に示すようにフィルタユニット30において実現されることがより望ましい。
即ち、この場合はフィルタユニット30のリード線群30Cの各リード線と、出力側のモジュラージャック20側に対応するリード線群30Dの各リード線同士がクロス接続されるものであるが、この結果プリント基板40側においてはクロス接続を実現するための複雑なパターンが不要となり、製造が容易となる効果が実現されることとなる。
【0014】
次に、プリント基板40上に固定された入力側及び出力側のモジュラージャック10、20及びフィルタユニット30は、ベース部2とカバー部3の上下2つに分割された合成樹脂製のケース1内に収容される。
【0015】
ベース部2は一面を開放した箱からなり、収容されるべきモジュラージャック10、20の挿入開口10A、20Aが露出する窓部2A、2Aがその長手側両側に設けられる。
同じく、カバー部3は一面を開放した箱からなり、収容されるべきモジュラージャック10、20の挿入開口10A、20Aが露出する窓部3A、3Aがその長手側両側に設けられる。
【0016】
一方、モジュラージャック10、20の挿入開口10A、20Aの両外側面には突起11、21を設け、これらのモジュラージャックをプリント基板30の両端に実装し、ケース1のベース部2に落とし込んだ際に、この突起11、21の側端面がベース部2の窓部2A、2Aの裏側に当接するようにプリント基板30上におけるモジュラージャック10、20の間隔を設定する(図4参照)。
【0017】
以上の構成よりなるこの中継コネクタの組み立てに当たっては、先ずプリント基板30に入力側及び出力側のモジュラージャック10、20及びフィルタユニット30を実装することにより、これらを一体に固定し、固定したこれらをケース1のベース部2に落とし込む。
その結果、前記したように、モジュラージャック10、20の突起11、21の端面がベース部2の窓部2A、2Aの裏側に当接するので、モジュラージャックの挿入開口10A、20Aが窓部2A、2Aより露出された状態で、プリント基板30に固定された各部材のベース部2内における平面方向の移動は防止され、次いでベース部2をカバー部3で被蓋することにより上下方向の移動も防止されることとなる。
この場合、ベース部2とカバー部3とはベース部2の開口端に設けたリブ2B、2Bをカバー部3の開口端に設けた溝3B、3Bに嵌めることにより接合位置が規定され、更に超音波溶接をすることにより固着される。
【0018】
【発明の効果】
以上のように構成されるこの発明によれば、2本のコードのモジュラープラグをこの中継コネクタの両端の入力側及び出力側のモジュラージャックに接続することにより、2本のコードが延長される中継コネクタとしての効果を奏する他に、収容されたノイズフィルタにより回線へのノイズの混入が防止される効果が得られる。
【0019】
一方、ノイズフィルタは1本づつモジュラージャックの端子に半田付けされるのでなく、1個のフィルタユニットに纏められ、プリント基板にこのフィルタユニットをモジュラージャックと共に実装し、ケースに収容するだけでコネクタの組み立ては完了するので、極めて製造効率の高い中継コネクタが実現される。
【0020】
又、両端の入力側及び出力側のモジュラージャックのクロス接続を実現する配線をフィルタユニット内で行うことにより、プリント基板側においてはクロス接続を実現するための複雑なパターンが不要となり、製造が容易となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の通信回線用中継コネクタの分解状態を上下を逆にして観察した斜視図。
【図2】同上、組み立て工程を示す上下を逆にして観察した斜視図。
【図3】同上、使用状態を示す上下を逆にして観察した斜視図。
【図4】同上、ベース部にプリント基板を落とし込んだ状態の一部切り欠き平面図。
【図5】同上、電気回路のブロック図。
【図6】同上、電気回路の異なる例のブロック図。
【符号の説明】
1 ケース
2 ベース部
3 カバー部
10 入力側のモジュラージャック
20 出力側のモジュラージャック
30 フィルタユニット
Claims (1)
- 入力側のモジュラージャックに対し、出力側のモジュラージャックを接続してケース内に収容し、これらのモジュラージャック間にノイズフィルタを介在させた通信回線用中継コネクタにおいて、プリント基板(40)と、このプリント基板(40)上に実装されるべき入力側及び出力側のモジュラージャック(10、20)と、ノイズフィルタをユニット化してプリント基板上に実装するためのリード線群(30C、30D)を設けると共に入力側のモジュラージャック(10)側に対応するリード線群(30C)の各リード線と、出力側のモジュラージャック(20)側に対応するリード線群(30D)の各リード線同士をクロス接続したフィルタユニット(30)と、これらを収容するケース(1)を設け、ケース(1)をベース部(2)とカバー部(3)の上下2つに分割すると共に、収容した入力側及び出力側のモジュラージャック(10、20)の挿入開口(10A、20A)が露出する窓部(2A、3A)をベース部(2)とカバー部(3)の両端に設け、一方、モジュラージャック(10、20)の挿入開口の両外側面には突起(11、21)を設け、モジュラージャック(10、20)をプリント基板(30)に実装した際に、この突起(11、21)の側端面が少なくともベース部(2)の窓部(2A)の裏側に当接するように構成したことを特徴とする通信回線用中継コネクタ。
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JP28588796A JP3568177B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 通信回線用中継コネクタ |
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JP28588796A Expired - Lifetime JP3568177B2 (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 通信回線用中継コネクタ |
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