JP3568079B2 - ビスカスヒータ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体をせん断により発熱させ、放熱室内を流動する循環流体に熱交換して暖房熱源に利用するビスカスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平2−246823号公報に車両用暖房装置に利用されるビスカスヒータが開示されている。このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対設された状態で通しボルトにより締結され、内部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャケットとを形成している。ウォータジャケット内では循環水が入水ポートから取り入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく流動されている。前部ハウジングには軸受を介して駆動軸が回転可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回転可能なロータが固定されている。発熱室の壁面とロータの外面とは互いに近接するラビリンス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面との間隙にはシリコーンオイル等の粘性流体が封入されている。
【0003】
車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカスヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回転するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のビスカスヒータでは、それぞれ一部材たる前部及び後部ハウジングのみにより発熱室と、放熱室としてのウォータジャケットとを形成しているため、前部及び後部ハウジングの形状が複雑化し、必然的に製造コストの高騰を招くことになる。
【0005】
しかも、このビスカスヒータでは、放熱室内壁の表面積が比較的小さいため、熱交換効率が低く、さらに、粘性流体の漏れ対策や非金属部品の熱劣化対策等に関してなんらの配慮もなされてはいない。
また、生産性の観点から仮に発熱室を形成する対の専用部材を採用し、両専用部材との間にそれぞれ放熱室を形成する前部及び後部ハウジングを単純に結合すべく構成すれば、いたずらに水シールを必要とする結合界面が多くなって漏水管理も必要以上の精度が要求される。
【0006】
本発明の第1の課題は、製造が容易であり、保全にも配慮を加えたビスカスヒータを提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、第1の課題の解決とともに、熱交換効率の高いビスカスヒータを提供することにある。
さらに、本発明の第3の課題は、第1、2の課題の解決とともに、粘性流体や循環流体の漏れを確実に防止しうるビスカスヒータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1のビスカスヒータは、軸方向に密合されて密合界域に発熱室を形成した前部及び後部側板と、該前部及び後部側板を挟持してそれぞれ側板との間に循環流体を流動させる放熱室を形成した前部及び後部ハウジングと、該前部側板及び該前部ハウジングのうちの少なくとも一方に軸受を介して回転可能に支承された駆動軸と、該発熱室内の駆動軸に装着されたロータと、該発熱室内の壁面と該ロータの外面との間隙に封入され、該ロータの回転により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータであって、上記前後の側板は少なくとも一方のハウジングから延在する筒部内に囲封されていることを特徴としている。
【0008】
このビスカスヒータでは、互いに対向する密合界域に発熱室を形成し、各背面で放熱室を形成する前部及び後部側板が、少なくとも一方のハウジングから延在する筒部内に囲封されて、外周方向に露出する要シール部は両ハウジングの結合面のみに局限されている。したがって、構造の複雑化をもたらすことなく循環流体の漏洩を確実に防止することができる。なお、上記筒部としては円筒が採用され得る。
(2)請求項2記載のビスカスヒータは、請求項1記載のビスカスヒータにおいて、上記筒部は上記前部ハウジングから延在され、該筒部の開放端は該開放端に結合される後部ハウジングによって覆蓋されていることを特徴としている。
【0009】
このビスカスヒータでは、前部ハウジングの筒部開放端を覆蓋する後部ハウジングの結合面を平坦面で形成しうるので、構造の簡素化に一層貢献することができる。
(3)請求項3記載のビスカスヒータは、請求項1又は2記載のビスカスヒータにおいて、上記両ハウジングの結合面にはOリングが介装されていることを特徴としている。
【0010】
このビスカスヒータでは、シール要素として最も簡便なOリングの採用が可能となるので、この点からも有利である。
(4)請求項4記載のビスカスヒータは、請求項1、2又は3記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部側板の放熱室を形成する壁面には、軸方向に複数条のフィンが突設されていることを特徴としている。
【0011】
このビスカスヒータでは、各側板の放熱室を形成する壁面にフィンが突設されているため、有効表面積の拡大により循環流体との熱交換効率を十分高めることができる。
(5)請求項5記載のビスカスヒータは、請求項4記載のビスカスヒータにおいて、同心円弧状をなす上記フィンによって分岐される放熱室内の流路は、その両端がそれぞれ流入及び流出ポートと連通され、各流路幅は外周側ほど拡張されていることを特徴としている。
【0012】
このビスカスヒータでは、同心円弧状をなすフィンによって形成される流路幅が外周側ほど拡張されており、流路形状によって定まる各流路間の流速を極力均斉化することによって、発熱が著しい外周側の効果的な熱交換を行うことができる。
(6)請求項6記載のビスカスヒータは、請求項4又は5記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部ハウジングの放熱室を形成する壁面と、上記フィン先端との間には所要の空隙が設けられていることを特徴としている。
【0013】
このビスカスヒータでは、放熱室を形成する両ハウジングの壁面とフィン先端とを離隔させることにより、側板の有する熱量がフィンから直接ハウジングを経由して無用に放散されないよう配慮されているので、熱交換効率の面でさらに有効である。
(7)請求項7記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5又は6記載のビスカスヒータにおいて、上記放熱室を形成する少なくとも上記前部及び後部側板の壁面は鋳肌面で形成されていることを特徴としている。
【0014】
このビスカスヒータでは、放熱室を形成する少なくとも各側板の壁面を鋳肌面とすることにより、生産性の向上に加えて表面積のさらなる拡大にも著しく有利である。なお、放熱室を形成する両ハウジングの壁面においても、必要箇所を除き鋳肌の避退面とすることが望ましい。
(8)請求項8記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部側板と上記前部及び後部ハウジングとの間には、該両側板の自転を拘止する自転拘止手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】
このビスカスヒータでは、ハウジングから延在する筒部内に囲封された側板が自転しないよう、ハウジングとの間に自転拘止手段が設けられている。自転拘止手段としては位置決めピンやキー等慣用技術の採用も可能であるが、請求項9記載のビスカスヒータのように、側板とハウジングの対向壁との間に相対係合部を形成すれば、より簡素な構成で側板の自転が確実に防止される。
(9)請求項10記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、78又は9記載のビスカスヒータにおいて、上記側板は上記ハウジングとの間の中央領域で軸方向に延びる相対嵌合部を有し、実質的に上記放熱室を封止するその嵌合周面には嵌合部相互の軸方向移動を許容するシール部材が介装されていることを特徴としている。
【0016】
このビスカスヒータでは、熱変形などによって側板とハウジングとの間に相対的な軸方向移動が生じても、中央領域に設けられた相対嵌合部及びその嵌合周面に介装されたシール部材とにより、該熱変形の吸収と同時に循環流体の内方への漏出も確実に防止される。
なお、請求項11記載のビスカスヒータのように、側板とハウジングとの間の中央領域で互いに軸方向に衝合する衝合部を設け、その衝合面にシール部材を介装しても同様に循環流体の漏出を防ぐことができる。
【0017】
また、請求項12記載のビスカスヒータのように、これらのシール部材としてOリングを採用すれば一層簡便な構成とすることができる。
(10)請求項13記載のビスカスヒータは、請求項10、11又は12記載のビスカスヒータにおいて、上記後部側板と上記後部ハウジングとで形成される上記相対嵌合部又は衝合部の内方空洞部は、発熱室内の粘性流体を回生する密封状の貯留室に構成されていることを特徴としている。
【0018】
このビスカスヒータでは、発熱室内の粘性流体を回生する密封状の貯留室が設けられているため、粘性流体の厳しい容量管理が不要となり、また、貯留室は例えばワイセンベルク効果によって発熱室内の粘性流体を回収し、一方、貯留室内の粘性流体をその粘性により発熱室へ供給して循環回生作用を促すので、粘性流体の耐用度を格段と向上させることができる。
(11)請求項14記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータにおいて、上記軸受は上記前部ハウジングに配設されるとともに、該軸受と発熱室との間には駆動軸を軸封する軸封装置が設けられ、上記前部放熱室は該軸封装置の近傍まで延在されていることを特徴としている。
【0019】
このビスカスヒータでは、前部ハウジングに配設された軸受と発熱室との間に軸封装置が設けられているため、粘性流体が外部に漏出する虞れがなく、しかも前部放熱室が軸封装置の近傍まで延在されているので、軸封装置を構成するゴム等の非金属要素は循環流体によって間接的に冷却され、熱影響は巧みに緩和される。
(12)請求項15記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータにおいて、上記軸受は上記前部側板に配設されるとともに、該軸受は駆動軸を軸封する軸封機能を備え、上記前部放熱室は該軸受の近傍まで延在されていることを特徴としている。
【0020】
このビスカスヒータは、請求項14記載のビスカスヒータの作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、請求項14記載のビスカスヒータのように、軸受と軸封装置とを別体としてそれぞれ設ける場合、組み付け工数が多く、また軸受及び軸封装置の2カ所において軸芯性等を確保すべく高精度な加工が必要となるため、製造が面倒であるとともにコストの高騰を招く。
【0021】
この点、このビスカスヒータでは、軸封機能を備えた軸受を前部側板に配設する構成を採用しているため、組み付け工数、高精度な加工が必要となる箇所及び部品点数の低減を図ることができ、製造工程の簡素化及びコストの低減を図ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1及び図2において、1はビスカスヒータの外郭を構成する前部ハウジングであって、該前部ハウジング1はクラッチ等の伝動機構を装着すべく前方(図示左方)に向かって突出した中空筒状のボス部1aと、該ボス部1aの基端壁1bから後方に向かって大きく碗形状に延在した筒部としての円筒部1cとからなり、該円筒部1c内には対をなす前部側板2及び後部側板3が内装されて、これらは該円筒部1cの開放端を覆蓋すべく結合される後部ハウジング4によって囲封されている。
【0023】
両ハウジング1、4によって囲封される両側板2、3は共に円筒部1cの内壁と嵌合するリム部2a、3aが、結合される両ハウジング1、4の対向壁面によって挟着されており、軸方向に密合される両側板2、3の密合界域には、前部側板2に設けられた円形凹陥部と後部側板3の平坦面とで発熱室5が形成されている。そして両側板2、3は対向する両ハウジング1、4との間の各中央領域で、それぞれ軸方向に延びる相対嵌合部6、7を有し、該相対嵌合部6と該リム部2aとの間で発熱室5と隣接する環状空間は、前部放熱室(ウォータジャケット)FWに形成され、一方相対嵌合部7とリム部3aとの間で同様に発熱室5と隣接する環状空間は、後部放熱室(ウォータジャケット)RWに形成されている。そして、両ハウジング1、4の結合界面には両放熱室FW、RWを外方に向けて封止するOリングS1 が介装され、また、相対嵌合部6、7の各嵌合周面には、嵌合部相互の微少な軸方向移動を許容しつつ各放熱室FW、RWを内方に向けて封止するシール部材としてのOリングS2 、S3 が介装されている。
【0024】
前部ハウジング1のボス部1a内に挿通される駆動軸8は2個の軸受9、10に支承されて延在し、その後端には発熱室5内で回転可能なロータ11が固着されており、前部側板2に設けられた円形嵌合部(ボス部)6の内方域、つまり前部放熱室FWの近傍域には、後述する粘性流体の漏出を封止する軸封装置(オイルシール)12が駆動軸8との間に介装されている。
【0025】
図2から明瞭なように、両側板2、3の各放熱室FW,RWを形成する基壁には、軸方向に同心円弧状をなす複数条のフィン2b、3bが突設され、対向して放熱室FW、RWを形成する両ハウジング1、4の壁面と各フィン2b、3b先端との間には所要の空隙が設けられている。そして各放熱室FW、RW内は各側板2、3の径方向に延設された直壁13(図2は後部側板3の直壁のみを示す)によって区画され、さらにフィン2b、3bによって各流路a〜cに分岐されるとともに、その両端部分はそれぞれ流入ポート14及び流出ポート15を介して前部ハウジング1に連結される図示しない循環流体の配管に接続されている。なお、各流路a〜cの流路幅は外周側ほど拡張(a>b>c)されて流速の均斉化が図られている。
【0026】
各放熱室FW、RW内を区画する上述の直壁13は、それぞれ両ハウジング1、4の内壁に形成された各係止部16と軸方向に係合されている。これら直壁13及び係止部16により、両側板2、3の自転を拘止する自転拘止手段としての相対係合部が構成される。また、放熱室FW、RWを形成する側板2、3の内壁面はすべて鋳肌面(粗面)となされ、同様に両ハウジング1、4の対向内壁も切削加工の必要箇所を除き鋳肌面17、18として避退されている。
【0027】
OリングS4 によって封止された上記発熱室5の内壁面とロータ11の外面とで形成される間隙には粘性流体としてのシリコーンオイルが封入され、一方、後部側板3と後部ハウジング4とで形成される相対嵌合部7の内方空洞部は、該粘性流体を回生する密封状の貯留室19に構成されて、該貯留室19は後部側板3に貫設された回収通路20並びに供給孔21及び供給溝22からなる供給通路を介して発熱室5に連通されている。
【0028】
車両の暖房装置に適用される本実施形態のビスカスヒータでは、プーリ又は電磁クラッチ等を介してエンジンと連結された駆動軸8が回転されると、発熱室5内でロータ11が回転されるため、封入されたシリコーンオイルが発熱室5の壁面とロータ11の外面との間でせん断作用を受けて発熱し、この熱は前部及び後部放熱室FW、RW内を流動する循環流体たる循環水に熱交換され、加熱された循環水は暖房回路を経由して車両の暖房に供される。
【0029】
このとき発熱室5と共に前部及び後部放熱室FW、RWを形成する前部及び後部側板2、3は前部ハウジング1の円筒部1c内に囲封され、外周方向に露出する要シール部は、該円筒部1cの開放端を覆蓋する後部ハウジング4との結合面のみに局限されている。したがって、循環水の漏洩の虞れはきわめて少なく、加えて後部ハウジング4の形状の単純化や最も簡便なOリングS1 の採用も可能となって、生産性の観点からも頗る有利である。
【0030】
また、このビスカスヒータでは、各側板2、3の放熱室FW、RWを形成する壁面に複数条のフィン2b、3bが突設され、さらには同壁面が鋳肌面となされているため、有効表面積が著しく拡大されて熱交換効率の向上に大きく貢献することができる。なお、本実施形態の鋳肌面17、18のように、放熱室FW、RWを形成する両ハウジング1、4の壁面にも鋳肌面の適用を拡げれば一層有利であり、しかも両ハウジング1、4の同壁面と各フィン2b、3bの先端とは積極的に離隔されて、両側板2、3のもつ熱量がフィン2b、3bから直接両ハウジング1、4を経由して無用に放散されないようにも配慮されている。
【0031】
両側板2、3は両ハウジング1、4との間の各中央領域で実質的に放熱室FW、RWの内周縁を画定し、かつ軸方向に延びる相対嵌合部6、7を有しており、その嵌合周面には嵌合部相互の軸方向移動を許容するOリングS2 、S3 が介装されているので、熱変形などによって各側板2、3と各ハウジング1、4との間に相対的な軸方向移動が生じても、循環水の封止を確保しつつ熱変形を良好に吸収することができる。なお、図3に後部側板103側の形態として例示したように、各側板2、3と各ハウジング1、4との間の中央領域に互いに軸方向に衝合する衝合部70を設け、その衝合部70にOリングS5 を介装しても同様に循環水の漏出を防止することができる。そして前部側板2に設けられた該相対嵌合部6の内方域には、発熱室5内のシリコーンオイルの漏出を封止する軸封装置12が駆動軸8との間に介装されているが、前部放熱室FWは軸封装置12の近傍まで延在されて、軸封装置12を構成するゴム等の非金属要素は循環水によって間接的に冷却されるので、熱影響による劣化は巧みに緩和される。
【0032】
前部ハウジング1に連結された配管を介して導入される循環水は、両放熱室FW、RWにそれぞれ開口されている流入ポート14からフィン2b、3bによって分岐される各流路a〜cへと分流されて周回し、直壁13を隔てて対称的に開口されている流出ポート15を経て連結配管へと導出されるが、同心円弧状をなすフィン2b,3bによって形成される各流路a〜cの流路幅は外周側ほど拡張されて、流路形状によって定まる各流路a〜cの流速が均斉化するよう構成されているので、放熱室FW、RWを形成する両側板2、3の全壁面にわたって循環水との熱交換が万遍なく遂行される。特に、各流路幅は外周側ほど拡張されているため、流路aでの流量は他の流路b、cのそれに比して大きくなっている。これにより、このビスカスヒータでは発熱の著しいロータ11の外周付近に対応した熱交換を流路aにより効果的に行うことが可能となる。一方、放熱室FW、RW内を区画して循環水の流れ方向を設定する上述の直壁13は、各ハウジング1、4に形成された係合部16と軸方向に係合して両側板2、3の自転拘止手段を構成しており、ごく簡素な構成で両側板2、3の自転は確実に防止されている。
【0033】
さて、このビスカスヒータでは、発熱室5の中央域と回収通路20を介して連通する貯留室19が設けられ、この貯留室19内ではシリコーンオイルの液位が自重により下方に存在しているため、ロータ11の形状から生じるワイセンベルグ効果により発熱室5内のシリコーンオイルが回収通路20を介して貯留室19内へ回収される一方、貯留室19内のシリコーンオイルは、ロータ11の回転とオイル自体の粘性とにより供給孔21及び供給溝22を介して発熱室5内へ引込まれる。
【0034】
このように、本実施形態のビスカスヒータでは、貯留室19の配設によって封入されるシリコーンオイルの厳しい容量管理が不要となるほか、発熱室5と貯留室19との間で常時シリコーンオイルの入れ替え、つまり循環回生が行われるので、特定のシリコーンオイルのみがせん断対象となることがなく、その耐用度を格段と向上させることができる。
【0035】
なお、図3に示す他の実施形態は、前部ハウジング101と後部ハウジング104が共に碗形状の円筒部101c,104cを有する構成となされているが、基本的な機能については前実施形態と特に変わるところはないので、詳しい説明は省略する。
(実施形態2)
このビスカスヒータは、図4に示すように、上記実施形態1のビスカスヒータにおいて、前部ハウジング1に配設された軸受10及び前部側板2に配設された軸封装置12の代わりに、前部側板2に軸封機能を備えた軸受装置23を配設したものである。
【0036】
すなわち、上記軸受装置23は、軸封装置を内蔵した深溝玉軸受装置であり、前部側板2のボス2dに内周段部2cとサークリップ24とで挟持された状態で発熱室5に隣接するように設けられている。また、前部ハウジング1のボス1aには内周段部1cによりグリス封入式ラジアル玉軸受9が設けられている。これら軸受装置9、23により駆動軸12が回動可能に支承されている。なお、前部放熱室FWは軸受装置23の近傍まで延在されており、これにより、軸受装置23を構成するゴム等の非金属要素は循環水によって間接的に冷却されるので、熱影響による劣化は巧みに緩和される。
【0037】
駆動軸8の後端部には外径が縮小されて形成された小径部8aが形成され、ロータ11の圧入孔11cにこの小径部8aを圧入することにより、駆動軸8の後端部に発熱室8内で回動可能な平板形状のロータ11が圧入されている。ここで、ロータ11の圧入孔11c回りの鍔には駆動軸8の外径を超えて形成されたボス11dが形成され、このボス11dの前端面が小径部8aの外周段部8bに当接することにより、ロータ11が駆動軸8に対して位置決めされている。また、軸受装置23はボス11dの前端面とサークリップ25とにより挟持されている。なお、ロータ11には、内周域において発熱室5の前後を連通する連通孔11aが貫設されているとともに、外周域においてシリコーンオイルのせん断効果を高める貫通孔11bが貫設されている。その他の構成については前記実施形態1と同様である。
【0038】
上記構成を有するこのビスカスヒータは、前記実施形態1のビスカスヒータの作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、このビスカスヒータでは、軸封装置を内蔵した軸受装置23を前部側板2に設けているため、軸受10と軸封装置12とを別体としてそれぞれ前部ハウジング1と前部側板2とに設けていた前記実施形態1のビスカスヒータと比べて、組み付け工数、高精度な加工が必要となる箇所及び部品点数の低減を図ることができ、製造工程の簡素化及びコストの低減を図ることが可能となる。
【0039】
また、このビスカスヒータでは、軸受装置23が前部側板2のボス2dに設けられ、軸受9が前部ハウジング1のボス1aに設けられおり、軸受9、10がともに前部ハウジング1のボス1aに設けられた前記実施形態1のビスカスヒータと比較して、両軸受が離反されているため、これらの間のスパンの確保により、駆動軸8の振れを効果的に抑制することができる。なお、両軸受間のスパンをより大きく確保する観点から、軸受装置23は、前部側板2のボス2d内において、できるだけ後方側、すなわちできるだけロータ11に近接させて設けることが好ましい。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明に係るビスカスヒータは、各請求項記載の手段の採用により、以下に掲記する優れた効果を奏する。
請求項1〜15記載のビスカスヒータは、構造が簡素で生産性の向上に大きく寄与し、とくに請求項10〜15記載のビスカスヒータは、構成要素の保全の面で有利である。
【0041】
また、請求項4〜7記載のビスカスヒータは、高い熱交換効率を得ることができ、さらに請求項1及び10〜12記載のビスカスヒータは、循環流体の漏れを確実に防止することができる。
さらに、請求項15記載のビスカスヒータは、駆動軸における軸受や軸封のための構造やその製造工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るビスカスヒータの縦断面図。
【図2】同ビスカスヒータの後部側板を示す側面図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るビスカスヒータの要部を示す縦断面図。
【図4】本発明の実施形態2に係るビスカスヒータの縦断面図。
【符号の説明】
1は前部ハウジング、1cは筒部としての円筒部、2は前部側板、
2bはフィン、3は後部側板、3bはフィン、4は後部ハウジング、
5は発熱室、6、7は相対嵌合部、8は駆動軸、9、10は軸受、
11はロータ、12は軸封装置、
13は直壁(自転拘止手段としての相対係合部)、14は流入ポート、
15は流出ポート、16は係合部(自転拘止手段としての相対係合部)、
19は貯留室、23は軸封機能を備えた軸受装置、70は衝合部、
FWは前部放熱室、RWは後部放熱室、a〜cは流路、
S1 〜S5 はOリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体をせん断により発熱させ、放熱室内を流動する循環流体に熱交換して暖房熱源に利用するビスカスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平2−246823号公報に車両用暖房装置に利用されるビスカスヒータが開示されている。このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが対設された状態で通しボルトにより締結され、内部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャケットとを形成している。ウォータジャケット内では循環水が入水ポートから取り入れられ、出水ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく流動されている。前部ハウジングには軸受を介して駆動軸が回転可能に支承され、駆動軸には発熱室内で回転可能なロータが固定されている。発熱室の壁面とロータの外面とは互いに近接するラビリンス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面との間隙にはシリコーンオイル等の粘性流体が封入されている。
【0003】
車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカスヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回転するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のビスカスヒータでは、それぞれ一部材たる前部及び後部ハウジングのみにより発熱室と、放熱室としてのウォータジャケットとを形成しているため、前部及び後部ハウジングの形状が複雑化し、必然的に製造コストの高騰を招くことになる。
【0005】
しかも、このビスカスヒータでは、放熱室内壁の表面積が比較的小さいため、熱交換効率が低く、さらに、粘性流体の漏れ対策や非金属部品の熱劣化対策等に関してなんらの配慮もなされてはいない。
また、生産性の観点から仮に発熱室を形成する対の専用部材を採用し、両専用部材との間にそれぞれ放熱室を形成する前部及び後部ハウジングを単純に結合すべく構成すれば、いたずらに水シールを必要とする結合界面が多くなって漏水管理も必要以上の精度が要求される。
【0006】
本発明の第1の課題は、製造が容易であり、保全にも配慮を加えたビスカスヒータを提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、第1の課題の解決とともに、熱交換効率の高いビスカスヒータを提供することにある。
さらに、本発明の第3の課題は、第1、2の課題の解決とともに、粘性流体や循環流体の漏れを確実に防止しうるビスカスヒータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1のビスカスヒータは、軸方向に密合されて密合界域に発熱室を形成した前部及び後部側板と、該前部及び後部側板を挟持してそれぞれ側板との間に循環流体を流動させる放熱室を形成した前部及び後部ハウジングと、該前部側板及び該前部ハウジングのうちの少なくとも一方に軸受を介して回転可能に支承された駆動軸と、該発熱室内の駆動軸に装着されたロータと、該発熱室内の壁面と該ロータの外面との間隙に封入され、該ロータの回転により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータであって、上記前後の側板は少なくとも一方のハウジングから延在する筒部内に囲封されていることを特徴としている。
【0008】
このビスカスヒータでは、互いに対向する密合界域に発熱室を形成し、各背面で放熱室を形成する前部及び後部側板が、少なくとも一方のハウジングから延在する筒部内に囲封されて、外周方向に露出する要シール部は両ハウジングの結合面のみに局限されている。したがって、構造の複雑化をもたらすことなく循環流体の漏洩を確実に防止することができる。なお、上記筒部としては円筒が採用され得る。
(2)請求項2記載のビスカスヒータは、請求項1記載のビスカスヒータにおいて、上記筒部は上記前部ハウジングから延在され、該筒部の開放端は該開放端に結合される後部ハウジングによって覆蓋されていることを特徴としている。
【0009】
このビスカスヒータでは、前部ハウジングの筒部開放端を覆蓋する後部ハウジングの結合面を平坦面で形成しうるので、構造の簡素化に一層貢献することができる。
(3)請求項3記載のビスカスヒータは、請求項1又は2記載のビスカスヒータにおいて、上記両ハウジングの結合面にはOリングが介装されていることを特徴としている。
【0010】
このビスカスヒータでは、シール要素として最も簡便なOリングの採用が可能となるので、この点からも有利である。
(4)請求項4記載のビスカスヒータは、請求項1、2又は3記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部側板の放熱室を形成する壁面には、軸方向に複数条のフィンが突設されていることを特徴としている。
【0011】
このビスカスヒータでは、各側板の放熱室を形成する壁面にフィンが突設されているため、有効表面積の拡大により循環流体との熱交換効率を十分高めることができる。
(5)請求項5記載のビスカスヒータは、請求項4記載のビスカスヒータにおいて、同心円弧状をなす上記フィンによって分岐される放熱室内の流路は、その両端がそれぞれ流入及び流出ポートと連通され、各流路幅は外周側ほど拡張されていることを特徴としている。
【0012】
このビスカスヒータでは、同心円弧状をなすフィンによって形成される流路幅が外周側ほど拡張されており、流路形状によって定まる各流路間の流速を極力均斉化することによって、発熱が著しい外周側の効果的な熱交換を行うことができる。
(6)請求項6記載のビスカスヒータは、請求項4又は5記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部ハウジングの放熱室を形成する壁面と、上記フィン先端との間には所要の空隙が設けられていることを特徴としている。
【0013】
このビスカスヒータでは、放熱室を形成する両ハウジングの壁面とフィン先端とを離隔させることにより、側板の有する熱量がフィンから直接ハウジングを経由して無用に放散されないよう配慮されているので、熱交換効率の面でさらに有効である。
(7)請求項7記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5又は6記載のビスカスヒータにおいて、上記放熱室を形成する少なくとも上記前部及び後部側板の壁面は鋳肌面で形成されていることを特徴としている。
【0014】
このビスカスヒータでは、放熱室を形成する少なくとも各側板の壁面を鋳肌面とすることにより、生産性の向上に加えて表面積のさらなる拡大にも著しく有利である。なお、放熱室を形成する両ハウジングの壁面においても、必要箇所を除き鋳肌の避退面とすることが望ましい。
(8)請求項8記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のビスカスヒータにおいて、上記前部及び後部側板と上記前部及び後部ハウジングとの間には、該両側板の自転を拘止する自転拘止手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】
このビスカスヒータでは、ハウジングから延在する筒部内に囲封された側板が自転しないよう、ハウジングとの間に自転拘止手段が設けられている。自転拘止手段としては位置決めピンやキー等慣用技術の採用も可能であるが、請求項9記載のビスカスヒータのように、側板とハウジングの対向壁との間に相対係合部を形成すれば、より簡素な構成で側板の自転が確実に防止される。
(9)請求項10記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、78又は9記載のビスカスヒータにおいて、上記側板は上記ハウジングとの間の中央領域で軸方向に延びる相対嵌合部を有し、実質的に上記放熱室を封止するその嵌合周面には嵌合部相互の軸方向移動を許容するシール部材が介装されていることを特徴としている。
【0016】
このビスカスヒータでは、熱変形などによって側板とハウジングとの間に相対的な軸方向移動が生じても、中央領域に設けられた相対嵌合部及びその嵌合周面に介装されたシール部材とにより、該熱変形の吸収と同時に循環流体の内方への漏出も確実に防止される。
なお、請求項11記載のビスカスヒータのように、側板とハウジングとの間の中央領域で互いに軸方向に衝合する衝合部を設け、その衝合面にシール部材を介装しても同様に循環流体の漏出を防ぐことができる。
【0017】
また、請求項12記載のビスカスヒータのように、これらのシール部材としてOリングを採用すれば一層簡便な構成とすることができる。
(10)請求項13記載のビスカスヒータは、請求項10、11又は12記載のビスカスヒータにおいて、上記後部側板と上記後部ハウジングとで形成される上記相対嵌合部又は衝合部の内方空洞部は、発熱室内の粘性流体を回生する密封状の貯留室に構成されていることを特徴としている。
【0018】
このビスカスヒータでは、発熱室内の粘性流体を回生する密封状の貯留室が設けられているため、粘性流体の厳しい容量管理が不要となり、また、貯留室は例えばワイセンベルク効果によって発熱室内の粘性流体を回収し、一方、貯留室内の粘性流体をその粘性により発熱室へ供給して循環回生作用を促すので、粘性流体の耐用度を格段と向上させることができる。
(11)請求項14記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータにおいて、上記軸受は上記前部ハウジングに配設されるとともに、該軸受と発熱室との間には駆動軸を軸封する軸封装置が設けられ、上記前部放熱室は該軸封装置の近傍まで延在されていることを特徴としている。
【0019】
このビスカスヒータでは、前部ハウジングに配設された軸受と発熱室との間に軸封装置が設けられているため、粘性流体が外部に漏出する虞れがなく、しかも前部放熱室が軸封装置の近傍まで延在されているので、軸封装置を構成するゴム等の非金属要素は循環流体によって間接的に冷却され、熱影響は巧みに緩和される。
(12)請求項15記載のビスカスヒータは、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータにおいて、上記軸受は上記前部側板に配設されるとともに、該軸受は駆動軸を軸封する軸封機能を備え、上記前部放熱室は該軸受の近傍まで延在されていることを特徴としている。
【0020】
このビスカスヒータは、請求項14記載のビスカスヒータの作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、請求項14記載のビスカスヒータのように、軸受と軸封装置とを別体としてそれぞれ設ける場合、組み付け工数が多く、また軸受及び軸封装置の2カ所において軸芯性等を確保すべく高精度な加工が必要となるため、製造が面倒であるとともにコストの高騰を招く。
【0021】
この点、このビスカスヒータでは、軸封機能を備えた軸受を前部側板に配設する構成を採用しているため、組み付け工数、高精度な加工が必要となる箇所及び部品点数の低減を図ることができ、製造工程の簡素化及びコストの低減を図ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1及び図2において、1はビスカスヒータの外郭を構成する前部ハウジングであって、該前部ハウジング1はクラッチ等の伝動機構を装着すべく前方(図示左方)に向かって突出した中空筒状のボス部1aと、該ボス部1aの基端壁1bから後方に向かって大きく碗形状に延在した筒部としての円筒部1cとからなり、該円筒部1c内には対をなす前部側板2及び後部側板3が内装されて、これらは該円筒部1cの開放端を覆蓋すべく結合される後部ハウジング4によって囲封されている。
【0023】
両ハウジング1、4によって囲封される両側板2、3は共に円筒部1cの内壁と嵌合するリム部2a、3aが、結合される両ハウジング1、4の対向壁面によって挟着されており、軸方向に密合される両側板2、3の密合界域には、前部側板2に設けられた円形凹陥部と後部側板3の平坦面とで発熱室5が形成されている。そして両側板2、3は対向する両ハウジング1、4との間の各中央領域で、それぞれ軸方向に延びる相対嵌合部6、7を有し、該相対嵌合部6と該リム部2aとの間で発熱室5と隣接する環状空間は、前部放熱室(ウォータジャケット)FWに形成され、一方相対嵌合部7とリム部3aとの間で同様に発熱室5と隣接する環状空間は、後部放熱室(ウォータジャケット)RWに形成されている。そして、両ハウジング1、4の結合界面には両放熱室FW、RWを外方に向けて封止するOリングS1 が介装され、また、相対嵌合部6、7の各嵌合周面には、嵌合部相互の微少な軸方向移動を許容しつつ各放熱室FW、RWを内方に向けて封止するシール部材としてのOリングS2 、S3 が介装されている。
【0024】
前部ハウジング1のボス部1a内に挿通される駆動軸8は2個の軸受9、10に支承されて延在し、その後端には発熱室5内で回転可能なロータ11が固着されており、前部側板2に設けられた円形嵌合部(ボス部)6の内方域、つまり前部放熱室FWの近傍域には、後述する粘性流体の漏出を封止する軸封装置(オイルシール)12が駆動軸8との間に介装されている。
【0025】
図2から明瞭なように、両側板2、3の各放熱室FW,RWを形成する基壁には、軸方向に同心円弧状をなす複数条のフィン2b、3bが突設され、対向して放熱室FW、RWを形成する両ハウジング1、4の壁面と各フィン2b、3b先端との間には所要の空隙が設けられている。そして各放熱室FW、RW内は各側板2、3の径方向に延設された直壁13(図2は後部側板3の直壁のみを示す)によって区画され、さらにフィン2b、3bによって各流路a〜cに分岐されるとともに、その両端部分はそれぞれ流入ポート14及び流出ポート15を介して前部ハウジング1に連結される図示しない循環流体の配管に接続されている。なお、各流路a〜cの流路幅は外周側ほど拡張(a>b>c)されて流速の均斉化が図られている。
【0026】
各放熱室FW、RW内を区画する上述の直壁13は、それぞれ両ハウジング1、4の内壁に形成された各係止部16と軸方向に係合されている。これら直壁13及び係止部16により、両側板2、3の自転を拘止する自転拘止手段としての相対係合部が構成される。また、放熱室FW、RWを形成する側板2、3の内壁面はすべて鋳肌面(粗面)となされ、同様に両ハウジング1、4の対向内壁も切削加工の必要箇所を除き鋳肌面17、18として避退されている。
【0027】
OリングS4 によって封止された上記発熱室5の内壁面とロータ11の外面とで形成される間隙には粘性流体としてのシリコーンオイルが封入され、一方、後部側板3と後部ハウジング4とで形成される相対嵌合部7の内方空洞部は、該粘性流体を回生する密封状の貯留室19に構成されて、該貯留室19は後部側板3に貫設された回収通路20並びに供給孔21及び供給溝22からなる供給通路を介して発熱室5に連通されている。
【0028】
車両の暖房装置に適用される本実施形態のビスカスヒータでは、プーリ又は電磁クラッチ等を介してエンジンと連結された駆動軸8が回転されると、発熱室5内でロータ11が回転されるため、封入されたシリコーンオイルが発熱室5の壁面とロータ11の外面との間でせん断作用を受けて発熱し、この熱は前部及び後部放熱室FW、RW内を流動する循環流体たる循環水に熱交換され、加熱された循環水は暖房回路を経由して車両の暖房に供される。
【0029】
このとき発熱室5と共に前部及び後部放熱室FW、RWを形成する前部及び後部側板2、3は前部ハウジング1の円筒部1c内に囲封され、外周方向に露出する要シール部は、該円筒部1cの開放端を覆蓋する後部ハウジング4との結合面のみに局限されている。したがって、循環水の漏洩の虞れはきわめて少なく、加えて後部ハウジング4の形状の単純化や最も簡便なOリングS1 の採用も可能となって、生産性の観点からも頗る有利である。
【0030】
また、このビスカスヒータでは、各側板2、3の放熱室FW、RWを形成する壁面に複数条のフィン2b、3bが突設され、さらには同壁面が鋳肌面となされているため、有効表面積が著しく拡大されて熱交換効率の向上に大きく貢献することができる。なお、本実施形態の鋳肌面17、18のように、放熱室FW、RWを形成する両ハウジング1、4の壁面にも鋳肌面の適用を拡げれば一層有利であり、しかも両ハウジング1、4の同壁面と各フィン2b、3bの先端とは積極的に離隔されて、両側板2、3のもつ熱量がフィン2b、3bから直接両ハウジング1、4を経由して無用に放散されないようにも配慮されている。
【0031】
両側板2、3は両ハウジング1、4との間の各中央領域で実質的に放熱室FW、RWの内周縁を画定し、かつ軸方向に延びる相対嵌合部6、7を有しており、その嵌合周面には嵌合部相互の軸方向移動を許容するOリングS2 、S3 が介装されているので、熱変形などによって各側板2、3と各ハウジング1、4との間に相対的な軸方向移動が生じても、循環水の封止を確保しつつ熱変形を良好に吸収することができる。なお、図3に後部側板103側の形態として例示したように、各側板2、3と各ハウジング1、4との間の中央領域に互いに軸方向に衝合する衝合部70を設け、その衝合部70にOリングS5 を介装しても同様に循環水の漏出を防止することができる。そして前部側板2に設けられた該相対嵌合部6の内方域には、発熱室5内のシリコーンオイルの漏出を封止する軸封装置12が駆動軸8との間に介装されているが、前部放熱室FWは軸封装置12の近傍まで延在されて、軸封装置12を構成するゴム等の非金属要素は循環水によって間接的に冷却されるので、熱影響による劣化は巧みに緩和される。
【0032】
前部ハウジング1に連結された配管を介して導入される循環水は、両放熱室FW、RWにそれぞれ開口されている流入ポート14からフィン2b、3bによって分岐される各流路a〜cへと分流されて周回し、直壁13を隔てて対称的に開口されている流出ポート15を経て連結配管へと導出されるが、同心円弧状をなすフィン2b,3bによって形成される各流路a〜cの流路幅は外周側ほど拡張されて、流路形状によって定まる各流路a〜cの流速が均斉化するよう構成されているので、放熱室FW、RWを形成する両側板2、3の全壁面にわたって循環水との熱交換が万遍なく遂行される。特に、各流路幅は外周側ほど拡張されているため、流路aでの流量は他の流路b、cのそれに比して大きくなっている。これにより、このビスカスヒータでは発熱の著しいロータ11の外周付近に対応した熱交換を流路aにより効果的に行うことが可能となる。一方、放熱室FW、RW内を区画して循環水の流れ方向を設定する上述の直壁13は、各ハウジング1、4に形成された係合部16と軸方向に係合して両側板2、3の自転拘止手段を構成しており、ごく簡素な構成で両側板2、3の自転は確実に防止されている。
【0033】
さて、このビスカスヒータでは、発熱室5の中央域と回収通路20を介して連通する貯留室19が設けられ、この貯留室19内ではシリコーンオイルの液位が自重により下方に存在しているため、ロータ11の形状から生じるワイセンベルグ効果により発熱室5内のシリコーンオイルが回収通路20を介して貯留室19内へ回収される一方、貯留室19内のシリコーンオイルは、ロータ11の回転とオイル自体の粘性とにより供給孔21及び供給溝22を介して発熱室5内へ引込まれる。
【0034】
このように、本実施形態のビスカスヒータでは、貯留室19の配設によって封入されるシリコーンオイルの厳しい容量管理が不要となるほか、発熱室5と貯留室19との間で常時シリコーンオイルの入れ替え、つまり循環回生が行われるので、特定のシリコーンオイルのみがせん断対象となることがなく、その耐用度を格段と向上させることができる。
【0035】
なお、図3に示す他の実施形態は、前部ハウジング101と後部ハウジング104が共に碗形状の円筒部101c,104cを有する構成となされているが、基本的な機能については前実施形態と特に変わるところはないので、詳しい説明は省略する。
(実施形態2)
このビスカスヒータは、図4に示すように、上記実施形態1のビスカスヒータにおいて、前部ハウジング1に配設された軸受10及び前部側板2に配設された軸封装置12の代わりに、前部側板2に軸封機能を備えた軸受装置23を配設したものである。
【0036】
すなわち、上記軸受装置23は、軸封装置を内蔵した深溝玉軸受装置であり、前部側板2のボス2dに内周段部2cとサークリップ24とで挟持された状態で発熱室5に隣接するように設けられている。また、前部ハウジング1のボス1aには内周段部1cによりグリス封入式ラジアル玉軸受9が設けられている。これら軸受装置9、23により駆動軸12が回動可能に支承されている。なお、前部放熱室FWは軸受装置23の近傍まで延在されており、これにより、軸受装置23を構成するゴム等の非金属要素は循環水によって間接的に冷却されるので、熱影響による劣化は巧みに緩和される。
【0037】
駆動軸8の後端部には外径が縮小されて形成された小径部8aが形成され、ロータ11の圧入孔11cにこの小径部8aを圧入することにより、駆動軸8の後端部に発熱室8内で回動可能な平板形状のロータ11が圧入されている。ここで、ロータ11の圧入孔11c回りの鍔には駆動軸8の外径を超えて形成されたボス11dが形成され、このボス11dの前端面が小径部8aの外周段部8bに当接することにより、ロータ11が駆動軸8に対して位置決めされている。また、軸受装置23はボス11dの前端面とサークリップ25とにより挟持されている。なお、ロータ11には、内周域において発熱室5の前後を連通する連通孔11aが貫設されているとともに、外周域においてシリコーンオイルのせん断効果を高める貫通孔11bが貫設されている。その他の構成については前記実施形態1と同様である。
【0038】
上記構成を有するこのビスカスヒータは、前記実施形態1のビスカスヒータの作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、このビスカスヒータでは、軸封装置を内蔵した軸受装置23を前部側板2に設けているため、軸受10と軸封装置12とを別体としてそれぞれ前部ハウジング1と前部側板2とに設けていた前記実施形態1のビスカスヒータと比べて、組み付け工数、高精度な加工が必要となる箇所及び部品点数の低減を図ることができ、製造工程の簡素化及びコストの低減を図ることが可能となる。
【0039】
また、このビスカスヒータでは、軸受装置23が前部側板2のボス2dに設けられ、軸受9が前部ハウジング1のボス1aに設けられおり、軸受9、10がともに前部ハウジング1のボス1aに設けられた前記実施形態1のビスカスヒータと比較して、両軸受が離反されているため、これらの間のスパンの確保により、駆動軸8の振れを効果的に抑制することができる。なお、両軸受間のスパンをより大きく確保する観点から、軸受装置23は、前部側板2のボス2d内において、できるだけ後方側、すなわちできるだけロータ11に近接させて設けることが好ましい。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明に係るビスカスヒータは、各請求項記載の手段の採用により、以下に掲記する優れた効果を奏する。
請求項1〜15記載のビスカスヒータは、構造が簡素で生産性の向上に大きく寄与し、とくに請求項10〜15記載のビスカスヒータは、構成要素の保全の面で有利である。
【0041】
また、請求項4〜7記載のビスカスヒータは、高い熱交換効率を得ることができ、さらに請求項1及び10〜12記載のビスカスヒータは、循環流体の漏れを確実に防止することができる。
さらに、請求項15記載のビスカスヒータは、駆動軸における軸受や軸封のための構造やその製造工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るビスカスヒータの縦断面図。
【図2】同ビスカスヒータの後部側板を示す側面図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るビスカスヒータの要部を示す縦断面図。
【図4】本発明の実施形態2に係るビスカスヒータの縦断面図。
【符号の説明】
1は前部ハウジング、1cは筒部としての円筒部、2は前部側板、
2bはフィン、3は後部側板、3bはフィン、4は後部ハウジング、
5は発熱室、6、7は相対嵌合部、8は駆動軸、9、10は軸受、
11はロータ、12は軸封装置、
13は直壁(自転拘止手段としての相対係合部)、14は流入ポート、
15は流出ポート、16は係合部(自転拘止手段としての相対係合部)、
19は貯留室、23は軸封機能を備えた軸受装置、70は衝合部、
FWは前部放熱室、RWは後部放熱室、a〜cは流路、
S1 〜S5 はOリング
Claims (15)
- 軸方向に密合されて密合界域に発熱室を形成した前部及び後部側板と、該前部及び後部側板を挟持してそれぞれ側板との間に循環流体を流動させる放熱室を形成した前部及び後部ハウジングと、該前部側板及び該前部ハウジングのうちの少なくとも一方に軸受を介して回転可能に支承された駆動軸と、該発熱室内の駆動軸に装着されたロータと、該発熱室内の壁面と該ロータの外面との間隙に封入され、該ロータの回転により発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータであって、上記前部及び後部側板は少なくとも一方のハウジングから延在する筒部内に囲封されていることを特徴とするビスカスヒータ。
- 上記筒部は上記前部ハウジングから延在され、該筒部の開放端は該開放端に結合される後部ハウジングによって覆蓋されていることを特徴とする請求項1記載のビスカスヒータ。
- 上記両ハウジングの結合面にはOリングが介装されていることを特徴とする請求項1又は2記載のビスカスヒータ。
- 上記前部及び後部側板の放熱室を形成する壁面には、軸方向に複数条のフィンが突設されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のビスカスヒータ。
- 同心円弧状をなす上記フィンによって分岐される放熱室内の流路は、その両端がそれぞれ流入及び流出ポートと連通され、各流路幅は外周側ほど拡張されていることを特徴とする請求項4記載のビスカスヒータ。
- 上記前部及び後部ハジングの放熱室を形成する壁面と、上記フィン先端との間には所要の空隙が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載のビスカスヒータ。
- 上記放熱室を形成する少なくとも上記前部及び後部側板の壁面は鋳肌面で形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のビスカスヒータ。
- 上記前部及び後部側板と上記前部及び後部ハウジングとの間には、該両側板の自転を拘止する自転拘止手段が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のビスカスヒータ。
- 上記自転拘止手段は、上記両側板と上記前部及び後部ハウジングの対向壁との間に形成された相対係合部であることを特徴とする請求項8記載のビスカスヒータ。
- 上記側板は上記ハウジングとの間の中央領域で軸方向に延びる相対嵌合部を有し、実質的に上記放熱室を封止するその嵌合周面には嵌合部相互の軸方向移動を許容するシール部材が介装されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のビスカスヒータ。
- 上記側板は上記ハウジングとの間の中央領域で互いに軸方向に衝合する衝合部を有し、実質的に上記放熱室を封止するその衝合面にはシール部材が介装されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のビスカスヒータ。
- 上記シール部材はOリングであることを特徴とする請求項10又は11記載のビスカスヒータ。
- 上記後部側板と上記後部ハウジングとで形成される上記相対嵌合部又は衝合部の内方空洞部は、発熱室内の粘性流体を回生する密封状の貯留室に構成されていることを特徴とする請求項10、11又は12記載のビスカスヒータ。
- 上記軸受は上記前部ハウジングに配設されるとともに、該軸受と発熱室との間には駆動軸を軸封する軸封装置が設けられ、上記前部放熱室は該軸封装置の近傍まで延在されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータ。
- 上記軸受は上記前部側板に配設されるとともに、該軸受は駆動軸を軸封する軸封機能を備え、上記前部放熱室は該軸受の近傍まで延在されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のビスカスヒータ。
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