JP3567631B2 - 用紙加圧解除装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばファクシミリ装置、プリンター、複写機等の用紙搬送ローラの加圧解除装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ装置等の画像記録装置において、給紙部から記録部への紙送り部でジャムが発生したとき、給紙カセットを引き出してジャム紙を取り除こうとしても、駆動ローラとその加圧ローラに挟まれているため、多大の力を要したり又途中で引きちぎれたりして困難を究めていた。そこで、紙送り部に装置外へ開閉することができるカバー(いわゆるジャム解除カバ−)を設け、このカバーの内側に上記加圧ローラを取り付けるようにしたものが見受けられるようになった。
図6に従来のファクシミリ装置の概略断面図を示す。給紙カセット1が装置下部に設けられており、扇状のピックアップローラ2によりピックアップされた用紙16が駆動ローラ5、加圧ローラ4とから成る紙送り部を経て記録部8において記録され記録紙トレイ9に搬送される。又原稿台7と原稿読取部6が装置上部に配置されている。加圧ローラ4はジャム紙取り出し用カバー3に取り付けられており、ジャム紙が発生したときジャム紙取り出し用カバー3を開くと、加圧ローラ4と駆動ローラ5とは離間されジャム紙の解除が容易となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなジャム解除カバーを採用した場合、新たにカバーを設ける必要がある上にカバー開閉のためのスペースが必要となる為、設置スペースが大きくなるという欠点があった。本発明はジャム解除カバー等を設けることを必要とせず、給紙カセットを引き出すと簡単にジャム紙が取り除かれることを可能にする用紙加圧解除装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明においては、給紙カセットの抜き差し動作に連動する摺動部材(スライドプレート)が設けられ、該給紙カセットが抜き出されると該スライドプレートが摺動し加圧ローラの加圧が解除されることを要旨とする。
従って、駆動ローラと加圧ローラとが離間するため、給紙カセット導入口から容易にジャム紙を取り除くことができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
さらに、請求項1に記載の発明では、該加圧ローラは弾性部材により駆動ローラに加圧されており、該スライドプレートが摺動すると、該弾性部材が反付勢方向に作用することを要旨とする。
従って、該加圧ローラは通常は弾性部材により駆動ローラに圧接されているが、該スライドプレートから摺動すると該弾性部材が押圧され、加圧ローラが駆動ローラから離間することになる。
【0006】
請求項2に記載の発明では、該給紙カセットと該スライドプレートとの連動が双方に設けられた係合部材の係合関係によってなされ、該給紙カセットが引き出されるときには該スライドプレートが装置機体に当接するまでは係合関係が保たれ、さらに該給紙カセットが引き出される時は係合関係が解除され、該給紙カセットのみが引き出されると共に該スライドプレートの上記作用により、加圧ローラの加圧解除状態が維持されることを要旨とする。
従って、給紙カセットが引き出される時にスライドプレートは、加圧ローラの加圧が解除される位置まで給紙カセットとの係合関係により連動されることになり、加圧ローラが駆動ローラから離間させられることになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図6にもとずいて詳細に説明する。
【0008】
本発明は、図6のような画像記録装置に適用される。つまり、給紙カセットは装置の正面方向(図の表裏方向)に抜き差しされ、記録用紙は装置正面からみて先ず左側へ搬送されそれから反転されつつ右側上方へ記録部を通り搬送される構成になっている。従って、給紙カセットの抜き差し方向と記録用紙の搬送方向は直交する方向にある。
給紙カセットは装置本体下部に設置される為、装置本体の正面下部には大きな空所があり、この空所は装置の正面側に開口している。
【0009】
図1に本発明による紙送り部の詳細を、図2にスライドプレート10、加圧ローラ4、加圧ローラ4の弾性支持台14、押圧板バネ13の位置関係の詳細を示す。
【0010】
加圧ローラ4は板バネから構成されている弾性支持台14により支持されている。弾性支持台14は一方を装置本体に固定され、加圧ローラ4を駆動ローラ5に弾性付勢している。
【0011】
押圧板バネ13は、前記弾性支持台14に対向した位置に、自由端どうしを対面させるように一方を装置本体に固定されている。通常は押圧板バネ13と該弾性支持台14は接触していなく、加圧ローラ4は弾性支持台14の弾性により、駆動ローラ5に圧接状態になっている。
【0012】
図3に示すように、給紙カセット1の紙送り出し方向側面にスライドプレート10が、該給紙カセット1の抜き差し方向と同方向に摺動可能に取り付けられている。
スライドプレート10の摺動範囲は装置本体の前後のあたり面により規制されており、給紙カセットが引き出され、前側のあたり面にスライドプレート10が当接して(一番手前にあるとき)その動きが阻止された状態では、スライドプレート10上に設けられている凸部12が押圧板バネ13と係合するような位置関係にある。
【0013】
図4にスライドプレート10に設けられている係合部材11を、図5に給紙カセット1に設けられている係合部材15を示す。
図4−aはスライドプレート10の係合部材11を表側から見た斜視図、図4−bは裏側から見た斜視図、図5−aは給紙カセットの係合部材15部の斜視図、図5−bは同じく側面図である。
係合部材11はスライドプレート10の垂直面に、その長手方向に沿って樹脂一体成形された2枚の平行な板状体で構成されている。その一端には内側に接近するように湾曲した部分11aと、それに続く長い平坦部を有している。湾曲部11aは弾性を持たせるように、スライドプレート10の本体部分に窓16を設け本体より切り離して独立させている。従って係合部材11の湾曲部11aは、2枚の対向する板が、接近−離反する方向に弾性を持っている。
係合部材15は給紙カセット1と一体成形されており樹脂性であって、卵形の長円形の突起物である。給紙カセットの引き出す方向が大曲率部であり、差し込む方向が小曲率部である。そして係合部材15はスライドプレート10の係合部材11と係合するようになっている。
【0014】
スライドレール10上に設けられている凸部12は押圧板バネ13と係合位置にあり、引出し方向一番手前にある時は、凸部12の斜面になっている曲面12aが、押圧板バネ13の側面である適当なむかえ角θを持った案内面13aに係合して押圧板バネ13を押圧し、凸部12の先端の平行部12bにて押圧板バネ13を、スライドプレート摺動方向、つまり給紙カセット引出し方向に対して直角の方向である紙送り出し方向に押圧した状態で停止している。つまり押圧板バネ13は、給紙カセットの引出し方向の力を、それとは直行する方向に効果的に変換する特徴を持つ。その結果、給紙カセット1の引出し方向と直行して配置されている押圧ローラ4を駆動ローラ5から平行に離間させる効果がある。
【0015】
係合部材11の2枚の板の平行部分は係合部材15の大曲率部より広く、湾曲して対向している部分は係合部材15の大曲率部の径より若干狭くなっている。
【0016】
ジャムが発生して給紙カセット1を引き出すと、スライドプレート10の係合部材11の平行部を給紙カセット1の係合部材15が走行しているあいだは、スライドプレート10は静止しており、係合部材11の湾曲部11aに係合部材15の大曲率部が係合すると、スライドプレート10は給紙カセット1と連動して動くようになる。スライドプレート10の摺動が装置本体の当たり面により停止すると凸部12により押圧板バネ13が13aの位置まで押圧された状態になり、弾性ローラ4の弾性支持台14が14aまで弾性変形され、押圧ローラ4が駆動ローラ5から離間した状態になる。
【0017】
それでも尚給紙カセット1が引き出されようとすると、係合部材11は開口する方向に弾性を持っているため、給紙カセット側係合部材15は、係合部材11を押し広げて摺動し、係合関係を解除して、給紙カセットのみ引き出されることになる。
つまり、給紙カセット1が引き出された状態では、スライドプレート10の凸部12が押圧板バネ13を押圧した状態にあり、押圧ローラ4は駆動ローラ5から離間した状態に維持される。
【0018】
給紙カセット1を挿入する時は、係合部材15の小曲率部から押し込まれることになり、スライドプレート10の係合部材11との係合が容易に行われるようになっている。係合部材15の大曲率部が係合部材11の湾曲部11aに係合すると、スライドプレート10は給紙カセット1と連動を始め、凸部12が押圧板バネ13から離れると押圧ローラ4と駆動ローラ5とは圧接状態に戻ることになる。スライドプレート10の連動が装置本体のあたり面により停止すると、係合部材15の大曲率部が、係合部材11の湾曲部11aを摺動通過し、給紙カセット1は所定の位置に納まることになる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。ファクシミリ等の画像記録装置の紙送り機構において、ジャムが発生した際、給紙カセットを引き出すだけで、加圧ローラと駆動ローラとの圧接状態を解除して、給紙カセット挿入口から容易にジャム紙を取り出すことが出来る。
しかも、ジャム紙取り出し専用のカバーを必要としないため、装置の構造も簡単になり、カバー開閉用のスペースも不必要となるため設置スペースも小さく出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明による紙送り部の拡大断面図である。
【図2】は本発明による加圧ローラ部の拡大斜視図である。
【図3】は本発明による給紙カセット部の概略斜視図である。
【図4】は本発明によるスライドプレートの係合部材拡大斜視図であって(a)は表から見たもの(b)は裏側から見たものである。
【図5】は本発明による給紙カセットの係合部材拡大図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図 である。
【図6】は従来のファクシミリ装置の正面断面図である。
【符号の説明】
1 給紙カセット
4 加圧ローラ
5 駆動ローラ
10 スライドプレート(摺動部材)
13 押圧板バネ
14 弾性支持台(弾性部材)
Claims (2)
- 給紙カセットから一枚ずつ紙を繰出し搬送ローラを経て記録部に導入する画像記録装置における該搬送ローラの加圧解除装置であって、該搬送ローラは駆動ローラと加圧ローラとより成り、上記給紙カセットの装着部には該給紙カセットの抜き差し動作に連動する摺動部材が設けられ、該給紙カセットの抜き出しに伴う摺動部材の作用により上記加圧ローラの加圧が解除され、
上記加圧ローラの駆動ローラに対する加圧が弾性部材によりなされ、上記摺動部材は該弾性部材に対し反付勢方向に作用するものである用紙加圧解除装置。 - 上記給紙カセットと摺動部材との連動は、双方に設けられた係合部材の係合関係によってなされ、上記給紙カセットの抜き出しの際には上記係合関係が維持されて摺動部材が摺動し、該摺動部材が装置機体に当接してその摺動が阻止された後は係合関係が解除されて給紙カセットのみが外部に取り出し可能とされると共に、給紙カセットが取り出されたときには、摺動部材の上記作用により加圧ローラの加圧解除状態が維持されるようにした請求項1記載の用紙加圧解除装置。
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