JP3565938B2 - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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    • Y10S303/04Pressure signal used in electrical speed controlled braking circuit

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御するように構成した、車両の制動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、急制動時等における車両の安定性及び操舵性を確保するためにアンチスキッドシステムが開発されている。これは、車輪の回転状況や路面状況等による車両の走行状態に応じて、制動装置のマスタシリンダによって発生する液圧を、増減制御することにより、車輪に過大な制動力がかからないようにして、車輪のロックを防止するものである。
【0003】
例えば、特表平5−502423号においては、目標スリップと、車輪速度及び車体速度等から求められる実スリップとの偏差によるPIフィードバック制御により、制動装置の目標制動液圧を求めている。又、この目標制動液圧と、制動装置のマスタシリンダによって供給される供給圧力と、横方向力とから逆液圧モデルに基づいて、アンチスキッド液圧制御弁の開閉時間を求め、弁の開閉を制御するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特表平5−502423号を含め、従来のこの種の制動力制御装置にあっては、制御の指標となる目標制動液圧を、目標スリップ、車輪速度、あるいは車体速度のようなパラメータから直接求めるようにしていたため、車両の運動特性に即したよりきめ細かな総合的な制御を実現することができないという問題があった。
【0005】
例えば、前記特表平5−502423号で開示された制御装置においては、逆液圧モデルを用いてアクチュエータの弁開閉時間を求める際、弁モデルとして単なるオリフィスを想定し、静的なモデルで弁開閉時間を算出しているが、実際の油圧系では配管剛性の変化を考慮しないと精度を確保することはできず、更には車両運動、アクチュエータのゲイン及び位相、油圧特性等まで考慮した動的なモデルで算出しないと十分な精度で制御することはできない。
【0006】
そのため、従来の制御装置では場合によっては例えばアクチュエータのゲインや位相、あるいは油圧特性が実際の車両運動と適正に整合せず、制動力の制御が必ずしも最適な車両挙動制御とはならない場合があるという問題があった。
【0007】
即ち、前述したような目標スリップ、車輪速度、あるいは車体速度等のパラメータから「目標制動液圧」を直接求める方法では、該目標制動液圧を例えば左右独立に求めたとしても、それによって得られる実際の「制動力の左右配分」が現実の車両の挙動状態と必ずしも良好に整合しないことがあるという問題があったものである。
【0008】
そのため制動力の制御を車両の運動制御、あるいは姿勢制御等により積極的に利用するというのは現実的には難しいというのが実情であった。
【0009】
本発明は、前記従来の問題を解決するべくなされたもので、実際の車両の運動状態あるいは挙動状態に即した制動制御を行うことのできる車両の制動力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その要旨を図1に示すように、制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、を備えた車両の制動力制御装置において、前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、前記制動装置は、後輪側の液圧配管にプロポーショニングバルブを備えたものであり、前記推定制動液圧算出手段で後輪側の推定制動液圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記液圧モデルの液圧時定数を、プロポーショニングバルブの液圧折れ点の前後で変更する後輪液圧時定数変更手段を備えたことにより前記目的を達成したものである。
【0017】
本発明は又、制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、を備えた車両の制動力制御装置において、前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、前記制御量算出手段は、算出された制御量が、液圧制御装置で制御できない程に微小な値であったときは、該制御量を制御可能な制御量にまで補正する制御量補正手段を備えたことにより、同様に前記目的を達成したものである。
【0018】
本発明は又、制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、を備えた車両の制動力制御装置において、前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段と、を備え、前記推定制動液圧算出手段は、制動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相当の所定液圧以下となったときは、所定の期間推定制動液圧を前記所定液圧に維持することにより、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の遅れを補償する遅れ補償手段を備え、前記所定の期間は、算出された推定制動液圧が、前記所定液圧以上に回復し、更に回復後所定時間が経過するまでの期間であることにより、同様に前記目的を達成したものである。
【0020】
【作用】
本発明においては、車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出し、この実スリップ率と目標スリップ率を用いて、先ず目標制動トルクという物理量を算出する。この目標制動トルクという物理量は、車両の運動や挙動を表わす各種諸元との整合性を極めて明確に考慮し得る概念であることから、現実のそのときの車両の運動や挙動にきめ細かく対応するようにこれを定めることができる。
【0021】
次に、目標制動トルクを目標制動液圧に変換する。そして過去の推定制動液圧とマスタシリンダ液圧より、液圧モデルを用いて現に車輪の制動装置に作用している推定制動液圧を算出する。
【0022】
又、この推定制動液圧と目標制動液圧とから、逆液圧モデルを用いて液圧制御装置で設定するべき実際の制御量を算出する。ここで制御量とは、例えば液圧制御装置が3位置電磁弁を用いている場合にはその増減保持開閉時間を意味し、液圧制御装置がリニア制御弁を用いている場合にはその駆動電流、等を意味する。
【0023】
このように、本発明においては、目標制動液圧を直接計算するのではなく、まず目標制動トルクを求めるようにしているため、実際の車両の運動に即した制御指標を得ることができる。又、前記液圧モデル、及び逆液圧モデルの導入により、現時点での実際の液圧の正確な把握及びその液圧が目標液圧へ向けて実際に変化してゆく過程の正確な把握、即ち液圧の動的な把握ができるため、求められた目標制動トルクが実際に有効に車両に作用するように制御することができる。
【0024】
従って、本発明はアンチスキッド制御や加速スリップ制御のほか、例えば左右の車輪に制動力を(運転者のブレーキ操作とは独立して)付与することにより旋回中の車両運動を制御するというような様々な制御に応用することが可能となり、車両運転時における安定性、操舵性を総合的に向上させることができるようになる。
【0029】
又、本発明においては、目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、制動装置後輪側の液圧配管にプロポーショニングバルブ(以下Pバルブと略す)を備えたものであり、後輪側の推定制動液圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記液圧モデルの液圧時定数をPバルブの液圧折れ点の前後で変更するので、算出する推定液圧の誤差をより小さくすることができる。
【0031】
又、本発明においては、目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、算出された制御量が液圧制御装置で制御できない程に微小な値であったときに、該制御量を制御可能な制御量にまで増大補正するので、液圧制御装置の制御タイミングの遅れを防止することができる。
【0032】
又、本発明においては、目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、推定制動液圧算出手段は、制動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相当の所定液圧以下となったときは、所定の期間推定制動液圧を所定液圧に維持することにより、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の遅れを補償する遅れ補償手段を備え、前記所定の期間は、算出された推定制動液圧が、前記所定液圧以上に回復し、更に回復後所定時間が経過するまでの期間であるので、推定制動液圧と実際の制動液圧との差が大きくなるのを防止できると共に、大気圧相当の液圧状態から再び増圧に戻るときに発生する特異な液圧上昇遅れの影響を考慮した制御をすることができる。
【0034】
【実施例】
以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0035】
本実施例は、アンチスキッド制御システムの制御ロジックに係わるものであり、その概略構成を図2に、そのための制御回路を図3に示す。
【0036】
この実施例は、車両2の図示しない公知の制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧(マスタシリンダ圧)Pmを、車両2の走行状態に応じて増減制御するように構成した車両の制動力制御装置において、実スリップ率S及び目標制動トルクNrを算出するスリップ率制御部4(実スリップ率算出手段及び目標制動トルク算出手段に相当)と、目標制動トルクNrを目標制動液圧Prに変換するN−P変換部6(目標制動力液圧変換手段に相当)と、目標制動液圧Prを実現するのに必要な、増圧のための弁制御時間ti及び減圧のための弁制御時間tdを算出する液圧制御部8(推定制動液圧算出手段及び制御量算出手段に相当)とを備えたものである。
【0037】
前記スリップ率制御部4は、車輪速度(車輪角速度)ω及び車体速度Vから実スリップ率Sを算出し、目標スリップ率Srと実スリップ率Sから、車輪速度ωが目標スリップ率Srになるように目標制動トルクNrを車両運転状態あるいは挙動状態を考慮して算出する。
【0038】
前記液圧制御部8は、前記マスタシリンダによって発生されるマスタシリンダ圧Pmと前記目標制動液圧Prから液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧Pを算出し、この推定制動液圧Pと前記N−P変換部6によって算出された目標制動液圧Prから、この目標制動液圧Prを実現するために必要な、増圧あるいは減圧のための弁制御時間ti、tdを算出する。
【0039】
なお、これらのスリップ率制御部4、N−P変換部6、液圧制御部8の役割は実際には、図3のABSコンピュータ20が果たしており、各輪のスピードセンサ11a〜11dより、車輪速度ωが各車輪分測定され、マスタ圧センサ12よりマスタシリンダ圧Pmが測定され、上記演算がABSコンピュータ20において実行され、得られた弁制御時間ti、tdの間だけバルブ31a〜d、32a〜dが制御される。
【0040】
以下、本実施例の作用を各制御機能毎に詳しく説明する。
【0041】
まず、スリップ率制御部4の作用について、1輪分の車輪Whと車両の運動方程式から説明する。
【0042】
1輪分の車両重量をM、車体速度をV、タイヤ慣性モーメントをI、タイヤ半径をR、制動トルクをN、車輪速度(車輪角速度)をω、実スリップ率をS、タイヤの路面反力をF(S) とすると、これらの力は図4に示すように車輪Whに働く。このとき車輪Whの運動方程式は次の(1)式、車両の運動方程式は次の(2)式のように表わされる。
【0043】
I・(dω/dt)=RF(S) −N …(1)
M・(dV/dt)=−F(S) …(2)
【0044】
又、実スリップ率Sは次の(3)式で与えられる。
【0045】
S=(V−Rω)/V …(3)
【0046】
実スリップ率Sと路面反力F(S) の関係を図5に示す。又(3)式を車輪速度ωについて解くと、次の(4)式のようになる。
【0047】
ω=(1−S)V/R …(4)
【0048】
(1)、(2)式よりF(S) を消去すると次の(5)式が得られる。
【0049】
N=−I・(dω/dt)−RM・(dV/dt) …(5)
【0050】
以下、極配置法による目標制動トルクNrの導出について説明する。
【0051】
目標スリップ率をSrとして(4)式に代入すると、目標車輪速度ωrは次の(6)式で与えられる。
【0052】
ωr=(1−Sr)V/R …(6)
【0053】
ここで、車輪速度ωと目標車輪速度ωrの偏差をeとし、次の(7)式のようにおき、tで微分すると(8)式が得られる。
【0054】
e=ω−ωr=ω−(1−Sr)V/R …(7)
de/dt=dω/dt−{(1−Sr)/R}・(dV/dt)…(8)
【0055】
(5)、(8)式よりdω/dtを消去すると、次の(9)式が得られる。
【0056】
Figure 0003565938
【0057】
このとき、aを正の定数(a>0)としてde/dt=−aeであれば、偏差eは0に収束する(e→0)(極配置法)。よって次の(10)式のようにおけば、目標制動トルクNrは(11)式のように得ることができる。
【0058】
Figure 0003565938
【0059】
ここで、(11)式のdV/dtについて考察すると、本来上式のdV/dtは(2)式より、その本質は車輪Whの路面反力F(S) であり、アンチスキッド制御中の車輪Whにあっては、スリップの変動による速い動きと車両そのものの制動(通常は一定の減速度)のための遅い動きが含まれていると考えられる。
【0060】
しかし、実際には車体速度Vは直接測定が難しいため、従来は各輪の車輪速度ωのグラフにおける包絡線に想定される車体減速度のガードをかけたようなものを用いて計算されていた。従って、計算された車体速度Vにはスリップ変動による速い動きが欠落しているものと考えられる。
【0061】
又、(5)式より路面反力F(S) 、即ち、真のdV/dtの速い動きはdω/dtにより大きく反映され、遅い動きは制動トルクNの中心値に反映されると考えられる。従って、この制動トルクNの中心値を基準制動トルクNnom とすると、真のdV/dtは次の(12)式により推定可能と考えられる。
【0062】
dV/dt=k1 ・(dω/dt)+k2 Nnom …(12)
【0063】
これを(11)式へ代入し、dV/dtを消去すると、次の(13)式が得られる。
【0064】
Figure 0003565938
【0065】
従って、目標制動トルクNrは上の(13)式によって求めることが可能となる。(13)式において、dω/dtはde/dtにバイアスをかけたものとも見ることができる。又、基準制動トルクNnom は減速中の平均減速度に相当する量であるため、従来の方法等によって求められた平滑化されたdV/dt(これを(dV/dt)sと表わす)により代用させることもできる。
【0066】
これにより、(13)式は次の(14)式のように表わすことができる。
【0067】
Figure 0003565938
【0068】
この(14)式を用いると、車輪速度ωと目標スリップ率Srが与えられれば、目標制動トルクNrが計算可能となる。(14)式は、偏差eのPD(比例・微分)フィードバックに平均減速度に相当するバイアス値を加えたものと見ることもでき、バイアス値を与えることによってフィードバックゲインKp′、Kd′の値を小さくでき、無用の振動を抑えていると解釈することもできる。
【0069】
なお、後で詳しく述べるように、この目標制動トルクNrを実現するために液圧制御部8で油圧回路に逆モデルを用いて弁制御時間ti、tdを決定するが、モデルと実アクチュエータのパラメータにズレがあった場合、誤差が蓄積していくこととなる。従ってこの誤差蓄積による偏差eのバイアスが発生することになり、このバイアスを0にするために、偏差eの積分をフィードバックする必要がある。
【0070】
よって、実際の制御則は(14)に積分項を加えた次の(15)式になる。
【0071】
【数1】
Figure 0003565938
【0072】
従って、PID(比例・積分・微分)フィードバック制御となる。ここで積分は、制御開始から現在までの積分とする。
【0073】
又、各フィードバックゲインKp′、Kd′、KI ′は定数でもよいが、車体速度Vが低くなるに連れて同じスリップ率でも偏差eの値が小さくなるため、Kp′、Kd′、KI ′は車体速度Vが低いと大きくなるように車速感応にしてもよい。
【0074】
次に、N−P変換部6において目標制動トルクNrを目標制動液圧Prに変換する作用について説明する。
【0075】
通常、目標制動液圧Prは制動トルクNrに比例すると考えられるので、次の(16)式のように与えることができる。
【0076】
Pr=k3 Nr (K3 は定数) …(16)
【0077】
但し、後輪側はPバルブがあるため、その特性を入れたマップで与える。従って次の(17)式のように書くことができる。
【0078】
Pr=Pr(Nr) …(17)
【0079】
次に、液圧制御部8の作用について説明する。
【0080】
流量モデル及び、液量による剛性の変化によりアクチュエータを液圧モデル化すると、増圧モデルの場合次の(18)、(19)式が成り立つ。
【0081】
dP/dt=Kai√(Pm−P) …(18)
【0082】
【数2】
Figure 0003565938
【0083】
但し、Pは推定制動液圧、Pmはマスタシリンダ圧、Kはブレーキ剛性、aiは増圧弁制御関係量(液圧時定数)であり、又積分はt=0からt=tまでの増圧時である。
【0084】
又、減圧モデルの場合、次の(20)、(21)式が成り立つ。
【0085】
dP/dt=−Kad√(P−Pres ) …(20)
【0086】
【数3】
Figure 0003565938
【0087】
但し、Pres はリザーバ圧、adは減圧弁制御関係量(液圧時定数)であり、積分はt=tf−tからt=tfまでの減圧時である。
【0088】
圧前推定制動液圧をP(k−1)とし、増圧のための弁制御時間をtiとして(18)、(19)式を解くと、現時点での推定制動液圧P(k)が次の(22)式で与えられる。
【0089】
Figure 0003565938
【0090】
又、同様に、減圧のための弁制御時間をtdとして(20)、(21)式を解くと、次の(23)式が得られる。
【0091】
Figure 0003565938
【0092】
次に、逆圧モデルを用いて弁制御時間ti、tdを求める作用を説明する。
【0093】
(22)、(23)式において、推定制動液圧P(k)に目標制動液圧Prを代入し、それぞれ増圧のための弁制御時間ti、減圧のための弁制御時間tdについて解くと、次の(24)、(25)式が得られる。
【0094】
Figure 0003565938
【0095】
以上を図式化すると図6のようになる。即ち、目標制動液圧Prより、(24)、(25)式により、弁制御時間ti、tdが算出され、逆に弁制御時間ti、tdより(22)、(23)式により現在の推定制動液P(k)が算出される。
また本実施例は、後輪側の実際の制動液圧は液圧回路にPバルブが入っているため、Pバルブの折れ点の前後で増減圧勾配が変わることから、図2の液圧制御部8において、推定制動液圧Pを求める際、前記液圧時定数ai、adを一義に決めたのでは実際の制動液圧どおりに推定制動液Pを推定することができないので、Pバルブの折れ点の前後で液圧時定数ai、adの値を変え、目標通りに制御ができるようにする。
図8は後輪側推定制動液圧Pの変化を示すグラフである。図8においてPpは予め決められたPバルブの折れ点の液圧であり、aih、adhはそれぞれPpよりも高圧側の液圧時定数ai、adの値、又同様に、ail、adlは、それぞれPpよりも低圧側の液圧時定数ai、adの値である。
【0096】
以上の演算は全て図3のABSコンピュータ20によって行われるが、その具体的アルゴリズムを図7のフローチャートに示す。
【0097】
なお、図7の演算は各車輪毎に一定周期で行われるものとする。
【0098】
まず、ステップ100において、車輪速度ω及びマスタシリンダ圧Pmが読み込まれ、ステップ102において目標スリップ率Srが設定される。次にステップ104において、公知の方法により車体速度Vが推定・演算される。
【0099】
次に、ステップ106において(6)式により目標車輪速度ωrを算出し、ステップ108において偏差e=ω−ωrが演算される。次にステップ110において、(15)式により目標制動トルクNrが計算され、ステップ112において、(16)式又は(17)式により目標制動液圧Prが計算され、ステップ113において図9のフローチャートに従って時定数aiが計算される。次にステップ114において、前回までの推定制動液圧P(k−1)とこの目標制動液圧Prとが比較され、Prの方がP(k−1)より大(Pr>P(k−1))なら、次のステップ116において(24)式により増圧のための弁制御時間tiが計算されると共に、減圧のための弁制御時間tdを零とする。
【0100】
又、ステップ114の判定において、目標制御液圧Prの方が前回の推定制動液圧P(k−1)より大でない(Pr≦P(k−1))なら、ステップ118へ進み、再び目標制動液圧Prと前回までの推定制動液圧P(k−1)を比較し、目標制動液圧Prの方が小(Pr<P(k−1))なら、ステップ120において、(25)式により減圧のための弁制御時間tdが計算されると共に増圧のための弁制御時間tiを零とする。又、ステップ118の判定において、目標制御液圧Prが前回の推定制動液圧P(k−1)より小でないならPr=P(k−1)であるので、ステップ122において、弁制御時間ti、tdを共に零とする。
【0101】
次にステップ124においてPr>P(k−1)のときは(22)式により、Pr<P(k−1)のときは(23)式により、それぞれ推定制動液圧P(k)の値を更新し、Pr=P(k−1)のときは前回までの推定制動液圧P(k−1)の値をそのまま保持する。
【0102】
最後に、ステップ126において、上で計算された弁制御時間ti、tdに基づいて各バルブ31a〜31d、32a〜32dが駆動され増減圧制御が行われる。
又、図9に示すように、ステップ302においては、現在演算しようとしているのは4輪中のどの車輪かを判定する。これによりプログラムのループが実行され、4輪分の計算が行われる。ステップ304の判定で前輪であると判断されたら、パラメータai、adをPバルブの前後で変える必要はないので、ステップ312へ進み、(22)、(23)、(24)、(25)式の液圧時定数ai、adを前輪側の増減圧勾配に合わせた増減圧時の液圧時定数aif、adfとして、ステップ310へ進む。
又、ステップ304の判定で、前輪でない、即ち後輪であると判断された場合には、次のステップ306で、既に制御開始時点から推定している(前回の)推定制動液圧P(k−1)とPバルブの折れ点の圧力Ppを比較し、前回の推定制動液圧P(k−1)がPpよりも高ければステップ314へ進み、液圧時定数ai、adをそれぞれaih、adhとしてステップ310へ進む。又、前回の推定制動液圧P(k−1)がPpよりも低いときは、ステップ308へ進み、液圧時定数ai、adをそれぞれail、adlとしてステップ310へ進む。
ステップ310においては、弁制御時間ti、tdを決定すると共に、推定制動液圧P(k)を(22)、(23)、(24)、(25)式を用いて算出する。
【0103】
なお、ステップ110における目標制動トルクNrの演算において(15)式が用いられたが、偏差eの代わりにスリップ率そのものの偏差S−Srを用いてもよいし、前述したようにフィードバッグゲインKb′、Kd′、KI ′は車体速度Vに応じて変化させてもよい。又、平滑された(dV/dt)sの代わりに、予め車体速度Vや路面状態によって値を変えるようマップスケジューリングされた基準制動トルクNnom を用いてもよい。
【0104】
又、推定制動液圧Pの初期値は、アンチスキッド制御作動前のマスタシリンダ圧Pm(後輪ではPバルブ特性で換算したもの)とし、アンチスキッド制御作動中か否かの判定は公知のロジックによるものとする。
【0105】
以上述べたように、第1実施例によれば、弁制御時間を算出する際の目標制動液圧Prを、実スリップ率Sや目標スリップ率Srから直接演算するのではなく、車両状態に応じるように調整し易い目標制御トルクNrを算出し、車両状態に応じて調整から算出するので、実際の車両運動に即した制御量を算出することができる。
【0106】
又、本実施例では、PID制御の微分項で位相差を補償しているので、アクチュエータの位相遅れによって発生する油圧ハンチングを防止することができる。更に、ゲインを車速に応じて変更するので、車両振動等で発生するノイズを除去することができる。
【0128】
又、この実施例によればPバルブの折れ点の前後の増減圧勾配の違いに合わせた液圧時定数ai、adが選ばれるので推定制動液圧P(k)の推定精度をより高めることができ、それだけ目標制動液圧Prへの制御性能が向上する。
【0130】
又、本実施例によれば、液圧モデル上で液圧時定数ai、adをPバルブの折れ点前後の増減圧勾配に応じて変更するので、算出する推定液圧の誤差の発生を防止することができる。
【0131】
次に、第実施例について説明する。
【0132】
本第実施例は、アクチュエータの印加電圧が変動した場合に、アクチュエータの応答遅れが生じ、適正に制御できなくなることを防止するため、図2の液圧制御部8において弁制御時間ti、tdを求める際、前記液圧時定数ai、adを変更するようにしたものである。
【0133】
即ち、図1に電源(バッテリ)電圧と液圧時定数ai、adの関係を示すように、例えばバッテリ電圧が低い場合にはai、adの値大きくしなければ、意図するアクチュエータ制御を行うことができない。
【0134】
図1に本第実施例で用いられるバッテリ電圧監視回路を示す。
【0135】
図1において、バッテリ40の正負極はコントローラ42に導かれ、高インピーダンス抵抗44に繋がれている。この抵抗44の抵抗値にかかる電圧値はA/D回路46によって、バッテリ40の電圧値Ebとして測定されコンピュータ(CPU)48にデジタル値として入力される。
【0136】
実施例における液圧制御部8の具体的な制御を図1のフローチャートに示し、以下説明する。なお、液圧制御部8以外の制御については第1実施例と同様である。
【0137】
まず、ステップ400において、N−P変換部6より目標制動液圧Prを読み込む。次にステップ402において図1のコントローラ42において、バッテリ40の電圧値Ebを計算する。次のステップ404では、目標制動液圧Prと前回の推定制動液圧P(k−1)とを比較して、増圧か減圧かを判断する。
【0138】
ステップ404の判断において、増圧と判断された場合には、ステップ406において、ステップ402で計算された電圧値Ebを用いて、増圧のための弁制御時間tiを決定する液圧時定数aiの補正計算を行う。このとき、図1に示したように、電圧値Ebが低圧のときは液圧時定数aiを大きくし、弁制御時間tiを長くとり、逆に電圧値Ebが高圧のときは液圧時定数aiを小さくする。
【0139】
ステップ406の液圧時定数aiの補正計算に続いて、ステップ408において(24)式により増圧のための弁制御時間tiの計算を行い、ステップ414へ進む。
【0140】
又、ステップ404の判断で、減圧とされたときには、ステップ410において、減圧のための弁制御時間tdを決定する液圧時定数adを、ステップ402で計算された電圧値Ebを用いて補正計算し、次のステップ412において(25)式により減圧のための弁制御時間tdの計算を行いステップ414へ進む。
【0141】
ステップ414では、ステップ408、412で算出された弁制御時間ti、tdを用いて、(22)式あるいは(23)式により現在の推定制動液圧P(k)を計算する。
【0142】
本実施例によれば、液圧時定数ai、adを電圧値Ebに応じて変更することにより、電圧源の電圧値Ebの変動に応じて発生するアクチュエータの応答遅れを防止することができる。
【0143】
次に、第実施例について説明する。
【0144】
上述したように、今までの実施例では、(24)、(25)式により求めた弁制御時間ti、tdによりバルブ31a〜31d、32a〜32dを駆動し目標制動液圧Prに制御していたが、増減圧指令値としての弁制御時間ti、tdが所定制御時間(例えば3msec)より小さいものは、指令値を出力してもアクチュエータの特性により実際の制御液圧はほとんど動かず、にも拘らず推定制動液圧P(k)はその分変化するため、実際の制動液圧と推定制動液圧P(k)との差が次第に大きくなるという問題が生じる。この場合、例えば、3msec以下の指令値は出力しないようにすると、確かに実際の制動液圧と推定制動液圧P(k)との差が次第に大きくなるという問題は生じなくはなるものの、以下のような問題が生じる。
【0145】
即ち、図1に示した目標制動液圧Pr及び推定制動液圧P(k)の関係のように、3msec以下の増減圧指令値は零として出力しないようにしていると、目標制動液圧Prと推定制動液圧P(k)との液圧差が、図1のCのように3msec以上の増減圧指令を必要とするくらい大きくなって初めて増減圧指令が出力されることになる。従って、図1の目標制動液圧Prのグラフの極大点Dの付近では、推定制動液圧P(k)は目標制動液圧Prに対して長い時間誤差を生じたままとなり、この状態が結果として車輪の動きを振動的にしたりして制御能力が低下するという問題を引き起こすことになる。
【0146】
実施例は、上記問題を解決するものであり、3msec未満の指令に対してはこれを出力しないようにするのではなく、例えば1msec以上3msec未満の指令値を、3msecの指令値に繰上げて出力することにより、増減圧指令のタイミング遅れを解消するものである。
【0147】
これを、図1の油圧変化のグラフを用いて説明すると、以下のようになる。
【0148】
図1に示すように、目標制動液圧Pr及び推定制動液圧P(k)において、従来の減圧タイミングEに対して1msec以上3msec未満の指令を3msecに繰上げて出力することにより、目標制動液圧Prと推定制動液圧Pとの差が、最低でも1msecの減圧指令を出すだけあればよいことになり、従ってその分減圧タイミングは早くなり、図1のFで出力される。
【0149】
なお、このとき1msec以上3msec未満の指令を繰上げることにより、目標制動液圧Prが振動的になることが予想される。しかし、車両としては増減圧のタイミングが遅れることによって起こる車輪速度ωの振動や制御性能の低下の方が影響が大きいので、本実施例のような制御の方が好ましいと考えられる。
【0150】
以下、図1のフローチャートを用いて本第実施例の具体的な制御を説明する。
【0151】
図1のステップ500は図2の液圧制御部8において液圧モデルを用いて弁制御時間ti、tdを計算するルーチンであり、本実施例はその後に新しいロジックを追加するものである。
【0152】
即ち、次のステップ502において、ステップ500において計算された弁制御時間ti、tdの大きさを調べ、それが3msec以上であればステップ510へ進み、その値をそのままアクチュエータへ指令値として出力する。
【0153】
又、ステップ502で、弁制御時間ti、tdが3msec未満のときはステップ504で、弁制御時間ti、tdを1msecと比較し、1msec以上であればステップ506へ進み弁制御時間ti、tdをそれぞれ3msecとし、ステップ510へ進む。又、ステップ504で弁制御時間ti、tdが1msec未満のときには、ステップ508へ進み弁制御時間ti、tdをそれぞれ零にしてステップ510へ進む。
【0154】
なお、本実施例では、1msec未満は0msecとして扱っているが、0〜1msecも3msecに繰上げて扱うようにしてもよい。
【0155】
本実施例によれば、アクチュエータが液圧を制御できない所定時間以下の制御時間が算出された場合に、制御可能な最短制御時間として取り扱うので、制御タイミングの遅れを防止することができる。
【0156】
次に、第実施例について説明する。
【0157】
実施例は、制動制御において、各バルブ31a〜31d、32a〜32dへ増圧、減圧、保持信号を出力してから、実際に液圧が動き出すまでには液圧の遅れのために、通常所定時間(例えば5msec程度)遅れるので、この遅れを解消するために1演算周期前の推定制動液圧P(k−1)を現在の推定制動液圧P(k)として出力するようにしたものである。
【0158】
即ち、上に述べた遅れを考慮しないで、液圧モデルを用いて制御すると、目標制動液圧Prと推定制動液圧P(k)との偏差が次第に大きくなり、制御装置の期待する必要な制動力が実現できず、車両を目標スリップ率Srに制御できなくなるという問題があるため、上記遅れを解消する必要がある。
【0159】
この遅れを解消する方法を図1を用いて説明する。
【0160】
図1において、実際の制動液圧Pa(k)が推定制動液圧P(k)と同じ値をとるまでに5msecのずれが存在する。従って、ある時刻t1での推定制動液圧P(k=t1)をP1とすると、実際の制動液圧Pa(k=t1)はP2となり、P1とP2の間には液圧差C1(=P1−P2)が存在する。
【0161】
この液圧差C1を解消するために、時刻t1における推定制動液圧P(k=t1)として、それより5msec前の時刻t0において演算した推定制動液圧P(k−1=t0)での値P3を使おうというものである。これより液圧差C1が解消される。
【0162】
実施例の具体的な制御を図1のフローチャートを用いて以下説明する。
【0163】
実施例は、図2の液圧制御部8において、推定制動液圧P(k)の演算に関するものであり、これ以外の制御については第1実施例と同様である。
【0164】
図1のステップ602において目標制動液圧PrをN−P変換部6より入力し、ステップ604において(24)、(25)式により弁制御時間ti、tdを計算する。次のステップ606において(22)、(23)式により推定制動液圧P(k)を算出する。
【0165】
次のステップ608において、演算周期が5msecと油圧の遅れと一致しているので、従来推定制動液圧としてP(k)を出力していたところを、1演算周期5msec前の推定制動液圧P(k−1)で出力する。これにより推定制動液圧が5msec遅れて出力されることとなり、実際の制動液圧Pa(k)と一致する。
【0166】
なお、上の説明で明らかなように、もし液圧回路での遅れが例えば6msecであるような場合は、5msec前の推定制動液圧P(k−1)と、更に5msec前の推定制動液圧P(k−2)から補間して求めればよい。
【0167】
本実施例によれば、液圧制御部8における液圧モデル上で制御信号(推定制動液圧P(k))対するアクチュエータの遅れを補償することができる。
【0168】
次に、第実施例について説明する。
【0169】
実施例は、液圧制御において、演算上の推定制動液圧P(演算)が大気圧まで落ちると、ブレーキディスクとパッドのクリアランス、液圧の剛性特性の影響等により次に立ち上がるときの液圧の遅れが所定時間(例えば、50msec)発生することになり、この遅れを考慮しないと目標制御液圧Prと推定制動液圧P(k)との間に誤差が発生するため、演算上の推定制動液圧P(演算)が大気圧相当の所定液圧Pth以下となったときは、該演算上の推定制動液圧P(演算)が、この所定液圧Pth以上に回復し、更に回復後所定時間(50msec)が経過するまでは、出力としての推定制動液圧P(出力)をこの所定液圧Pthに維持するようにするものである。
【0170】
ここで、アンチスキッド制御中に、大気圧相当まで減圧される状態とは、例えば車両が高μ路から低μ路に入って急に減圧され、大気圧相当まで減圧されたような場合である。
【0171】
具体的に、図1を用いて演算上の推定制動液圧P(演算)が大気圧相当以下にまで落ちた後の処理を説明する。
【0172】
図1において、今推定制動液圧P(演算)が図の一点鎖線のように計算によって求められたとする。しかしながらこの場合、たとえその値が大気圧相当の所定値Pthを下廻っていたとしても実際に車輪Whに現にかけられている制動液圧Paは大気圧(=Pth)以下には下がらないため、出力としての推定制動液圧P(出力)は該所定値Pthを維持するようにしないと推定制動液圧P(出力)が実際の制動液圧Paと異なるようになってしまうため制御に不具合が発生する。従って推定制動液圧Pはたとえ演算上の値P(演算)が所定値Pth以下となったとしても実際に制御に用いる出力としての推定制動液圧P(出力)は、所定値Pthを維持するようにする(破線参照)。
【0173】
一方、算出された推定制動液圧P(演算)が時刻t5において所定値Pth以下の状態から以上の状態に回復したとしても、前述したように実際の制動液圧Paが所定値Pth以上に立ち上がるには約50msecの時間がかかるため、この計算上回復した時期t5から50msecだけ遅らせた時刻t6で出力するようにしないと、推定制動液圧P(出力)と実際の制動液圧Paとが一致しないことになる。そのため出力としての推定制動液圧P(出力)は図1の時刻t5から50msec遅れた時刻t6の時点から立ち上げるようにする。その結果実際の制動液圧Paと推定制動液圧P(出力)との差を小さく抑えることができるようになる。
【0174】
次に、第実施例の具体的制御を図19のフローチャートを用いて説明する。
【0175】
この実施例の制御は、図2の液圧制御部8において、弁制御時間ti、tdの計算、推定制動液圧Pの計算に続いて行われる。
【0176】
まず、ステップ702において推定制動液圧P(演算)と、大気圧相当の所定値Pthとを比較し、推定制動液圧P(演算)の方が所定値Pthより小さいときはステップ704へ進み、遅れ補償制御中を示すフラッグP−flagがONか否かを判断する。
【0177】
P−flagがONでなければ、今初めて大気圧相当以上から大気相当圧以下に下がったことになるので、ステップ706において、P−flagをONにして、推定制動液圧P(出力)を1気圧(あるいは所定値Pth、以下同様)にする。又、P−flagがONの場合には、遅れ補償制御中であり、ステップ707において推定制動液圧P(出力)を1気圧に維持する。
【0178】
一方、ステップ702の判定で推定制動液圧P(演算)がPthより大きいときは、ステップ708へ進み、P−flagがONか否かを判断する。P−flagがONのときは、推定制動液圧P(演算)が大気圧以下から大気圧以上に回復した状態ということになるので、次のステップ710で、回復後50msecの補償制御中か否か判定する。
【0179】
具体的には、この実施例では、1演算周期が5msecであることから、演算周期のカウント回数iが9以下のときは、50msec補償制御中であると判定する。即ち、ステップ712において推定制動液圧P(出力)を1気圧に維持し、演算周期のカウントを1インクリメントする。
【0180】
又、ステップ710の判定においてiが9より大となったら、推定制動液圧P(演算)が所定値Pth以上に回復してから50msec経ったことになるので、ステップ714においてiを0とし、P−flagをOFFにして、推定制動液圧P(出力)は10周期前に算出された推定制動液圧P(k−10:演算)を用いるようにする。
【0181】
又、ステップ708の判定でP−flagがONでないときは、もともと遅れ補償制御中でなく、大気圧以下に下がったこともないので、このまま処理を終了する。
【0182】
なお、この遅れは通常時間の経過と共に解消してゆくため、例えば所定の周期毎に推定制動液圧P(k:出力)を、10周期前の推定制動液圧P(k−10:演算)→9周期前の推定制動液圧P(k−9:演算)→8周期前の・・・というように次第に変更してゆき、最終的には、前述した図1の実施例のように、定常的な遅れに相当する1周期前の推定制動液圧P(k−1:演算)に収束されるようにする。
【0183】
本実施例によれば、アンチスキッド制御中、液圧が大気圧相当の所定液圧まで減圧された場合に、推定制動液圧P(k)の値を所定値Pthに所定時間維持するので、大気圧相当の減圧から再び増圧に戻る際に発生するアクチュエータの特異な液圧遅れを防止することができる。
【0184】
なお、以上の実施例ではアンチスキッド制御を対象として説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、目標スリップ率と実スリップ率から車輪速度が目標スリップ率となるように制動力を制御して、車両運転時における車両安定性、操舵性を向上させるものに適用するものならば同一のことが言えるのは明らかである。
【0185】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、目標制動液圧を直接計算するのではなく、車両運動に対応するように目標制動トルクを求め、これを目標制動液圧に変換するようにしているため、実際の車両の運動に即した制御量を算出することができ、車両全体の制動力配分を考慮した油圧制御を行うことができ、アンチスキッド制御や加速スリップ制御のほか車両安定性、操舵性の向上等の幅広い総合的な車両挙動制御を良好にできるようになるという効果が得られる。
特に上記請求項1の構成によれば、制動装置は後輪側の液圧配管にプロポーショニングバルブを備えたものであり、後輪側の推定制動液圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記液圧モデルの液圧時定数をPバルブの液圧折れ点の前後で変更するので、算出する推定液圧の誤差をより小さくすることができる。
また上記請求項2の構成によれば、算出された制御量が液圧制御装置で制御できない程に微小な値であったときに、該制御量を制御可能な制御量にまで増大補正するので、液圧制御装置の制御タイミングの遅れを防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、推定制動液圧算出手段は、制動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相当の所定液圧以下となったときは、所定の期間推定制動液圧を所定液圧に維持することにより、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の遅れを補償する遅れ補償手段を備え、前記所定の期間は、算出された推定制動液圧が、前記所定液圧以上に回復し、更に回復後所定時間が経過するまでの期間であるので、推定制動液圧と実際の制動液圧との差が大きくなるのを防止できると共に、大気圧相当の液圧状態から再び増圧に戻るときに発生する特異な液圧上昇遅れの影響を考慮した制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示す概念図
【図2】本発明の第1実施例の概略構成を示すブロック線図
【図3】同じく第1実施例の制御回路を示すブロック線図
【図4】車輪に働く力を示す説明図
【図5】路面反力とスリップ率の関係を示す線図
【図6】第1実施例における液圧制御部の働きを示す説明図
【図7】第1実施例の制御を示すフローチャート
【図】後輪側推定制動液圧の変化を示す線図
【図】本発明の第実施例の時定数の演算を示すフローチャート
【図1】バッテリ電圧と液圧時定数の関係を示す線図
【図1】本発明の第実施例におけるバッテリ電圧監視回路を示す回路図
【図1】本発明の第実施例の制御を示すフローチャート
【図1】実制動液圧と推定制動液圧の関係を示す線図
【図1】本発明による第実施例の制御を示す線図
【図1】第実施例の制御を示すフローチャート
【図1】本発明の第実施例の制御を示す線図
【図1】第実施例の制御を示すフローチャート
【図1】本発明の第実施例の制御を示す線図
【図19】第実施例の制御を示すフローチャート
【符号の説明】
2…車両
4…スリップ率制御部
6…N−P変換部
8…液圧制御部

Claims (3)

  1. 制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、
    車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、
    予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、
    前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、
    前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、
    を備えた車両の制動力制御装置において、
    前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、
    前記制動装置は、後輪側の液圧配管にプロポーショニングバルブを備えたものであり、
    前記推定制動液圧算出手段で後輪側の推定制動液圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記液圧モデルの液圧時定数を、プロポーショニングバルブの液圧折れ点の前後で変更する後輪液圧時定数変更手段を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、
    車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、
    予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、
    前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧 モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、
    前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、
    を備えた車両の制動力制御装置において、
    前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、
    前記制御量算出手段は、算出された制御量が、液圧制御装置で制御できない程に微小な値であったときは、該制御量を制御可能な制御量にまで補正する制御量補正手段を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  3. 制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置であって、
    車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実スリップ率算出手段と、
    予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリップ率から、実スリップ率が目標スリップ率になるように目標制動液圧を求める手段と、
    前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手段と、
    前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算出手段と、
    を備えた車両の制動力制御装置において、
    前記目標制動液圧を求める手段は、実スリップ率が目標スリップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動液圧変換手段とを備え、
    前記推定制動液圧算出手段は、制動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相当の所定液圧以下となったときは、所定の期間推定制動液圧を前記所定液圧に維持することにより、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の遅れを補償する遅れ補償手段を備え、
    前記所定の期間は、算出された推定制動液圧が、前記所定液圧以上に回復し、更に回復後所定時間が経過するまでの期間であることを特徴とする車両の制動力制御装置。
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