JP2009274582A - アンチロック制御装置 - Google Patents

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裕巳 稲垣
Takehiro Horiuchi
雄大 堀内
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Abstract

【課題】適切なブレーキトルクを車輪に付与する。
【解決手段】アンチロック制御装置10は、増大モードとして、第1増大モードと該第1増大モードよりも小さいブレーキトルクを付与する第2増大モードとを有し、ブレーキ装置により車輪に実際に付与されるブレーキトルクを検知または演算して取得すると共に、増大モードの実行時に目標ブレーキトルクを演算する目標トルク演算部57を備え、増大モードの実行時に目標ブレーキトルクと実際のブレーキトルクとの偏差(ブレーキトルク偏差(Tt−T))が所定値以上の場合に、第1増大モードによりブレーキトルクを増大させ、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値未満の場合に、第2増大モードによりブレーキトルクを増大させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両のアンチロック制御装置に関する。
従来、例えばブレーキ液圧を増圧させる増圧モードとして、電磁弁に所定の電流を通電する通常の増圧モードと、デューティ比制御により電流を増減させるデューティ増圧モードとを、車体加減速から算出した路面摩擦係数に応じて選択して実行する車両用アンチロック制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−196246号公報
ところで、上記従来技術に係る車両用アンチロック制御装置によれば、車体加減速から算出した路面摩擦係数に応じて増圧モードの処理内容を切り替えているだけであり、例えばスプリットμ路などにおいて各車輪毎に路面摩擦係数が異なる場合には、適切なブレーキトルクを車輪に付与することが出来ない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、適切なブレーキトルクを車輪に付与することが可能なアンチロック制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係るアンチロック制御装置は、車輪(例えば、実施の形態での左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RL)にブレーキトルクを付与するブレーキトルク付与手段(例えば、実施の形態でのバルブ制御部59,69、ブレーキ装置10a)と、車輪の状態を検知する状態検知手段(例えば、実施の形態での車輪速センサ41、ブレーキトルクセンサ42、液圧センサ61)と、前記状態検知手段により前記車輪がロック傾向であると検知された場合に、前記ブレーキトルク付与手段により前記車輪に付与される前記ブレーキトルクを減少させる減少モードと、前記ブレーキトルクを保持する保持モードと、前記ブレーキトルクを増大させる増大モードとの何れかを実行する制御手段(例えば、実施の形態でのアンチロック制御装置10)とを備えるアンチロック制御装置であって、前記制御手段は、前記増大モードとして、第1増大モードと該第1増大モードよりも小さい前記ブレーキトルクを付与する第2増大モードとを有し、前記ブレーキトルク付与手段により前記車輪に実際に付与される実ブレーキトルクを検知または演算して取得するブレーキトルク取得手段(例えば、実施の形態でのトルク偏差演算部58,68)と、前記増大モードの実行時に目標ブレーキトルクを演算する目標ブレーキトルク演算手段(例えば、実施の形態での目標トルク演算部57,67が兼ねる)とを備え、前記増大モードの実行時に前記目標ブレーキトルクと前記実ブレーキトルクとの偏差(例えば、実施の形態でのブレーキトルク偏差(Tt−T))が所定値以上の場合に、前記第1増大モードにより前記ブレーキトルクを増大させ、前記目標ブレーキトルクと前記実ブレーキトルクとの偏差が所定値未満の場合に、前記第2増大モードにより前記ブレーキトルクを増大させる。
本発明の第1態様に係るアンチロック制御装置によれば、車輪に実際に付与される実ブレーキトルクと目標ブレーキトルクとの偏差が所定値以上の場合には、車輪速変動に対する応答性を重視して、相対的に大きなブレーキトルクを付与する第1増圧モードを選択し、実ブレーキトルクと目標ブレーキトルクとの偏差が所定値未満の場合には、車輪速変動の詳細な制御により車体前後振動を低減させることを重視して、相対的に小さなブレーキトルクを付与する第2増圧モードを選択することにより、適切なブレーキトルクを各車輪に付与することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るアンチロック制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態によるアンチロック制御装置10は、例えば図1に示す車両のブレーキ装置10aを制御する。
このブレーキ装置10aは、運転者によるブレーキペダル1の操作によりブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生器としてマスタシリンダ2を備え、このマスタシリンダ2は、例えば左側前輪FLおよび右側後輪RRの各ホイールシリンダ3a,3bに接続される出力ポート4と、右側前輪FRおよび左側後輪RLの各ホイールシリンダ3c,3dに接続される出力ポート5とを備えている。
マスタシリンダ2の出力ポート4と、左側前輪FLおよび右側後輪RRの各ホイールシリンダ3a,3bとは、接続路11によって接続され、この接続路11には、各ホイールシリンダ3a,3b毎に並列に常開型電磁弁12,12が介挿されている。
また、各ホイールシリンダ3a,3bと、各ホイールシリンダ3a,3b内のブレーキ液圧を解放するリザーバ13とは解放路14によって接続され、解放路14には各ホイールシリンダ3a,3b毎に並列に常閉型電磁弁15,15が介挿されている。
リザーバ13には各ホイールシリンダ3a,3bから送られるブレーキ液が蓄えられ、このブレーキ液は、ポンプ16およびポンプ16の上流に設けられたポンプ脈動を吸収するダンパー室17が介挿された戻り路18を介してマスタシリンダ2側へ戻されるようになっている。
また、各ホイールシリンダ3a,3bからマスタシリンダ2側へブレーキ液が流れるのを許容するチェック弁19が常開型電磁弁12と並列に設けられ、各ホイールシリンダ3a,3bからマスタシリンダ2側へブレーキ液が流れるのを許容するチェック弁20,21がポンプ16の上流側および下流側に直列に設けられている。
マスタシリンダ2の出力ポート5と、右側前輪FRおよび左側後輪RLの各ホイールシリンダ3c,3dとは、接続路31によって接続され、この接続路31には、各ホイールシリンダ3c,3d毎に並列に常開型電磁弁32,32が介挿されている。
また、各ホイールシリンダ3c,3dと、各ホイールシリンダ3c,3d内のブレーキ液圧を解放するリザーバ33とは解放路34によって接続され、解放路34には各ホイールシリンダ3c,3d毎に並列に常閉型電磁弁35,35が介挿されている。
リザーバ33には各ホイールシリンダ3c,3dから送られるブレーキ液が蓄えられ、このブレーキ液は、ポンプ36およびポンプ36の上流に設けられたポンプ脈動を吸収するダンパー室37が介挿された戻り路38を介してマスタシリンダ2側へ戻されるようになっている。
また、各ホイールシリンダ3c,3dからマスタシリンダ2側へブレーキ液が流れるのを許容するチェック弁39が常開型電磁弁32と並列に設けられ、各ホイールシリンダ3c,3dからマスタシリンダ2側へブレーキ液が流れるのを許容するチェック弁40,41がポンプ36の上流側および下流側に直列に設けられている。
常開型電磁弁12,32は、各ソレノイド12a,32aに通電のない状態では各リターンスプリング12b,32bの弾性力によって連通状態となり、マスタシリンダ2のブレーキ液圧はホイールシリンダ圧を増圧する。
また、各ソレノイド12a,32aに通電があると、各リターンスプリング12b,32bの弾性力に抗して遮断状態となり、ホイールシリンダ圧は保持される。
常閉型電磁弁15,35は、各ソレノイド15a,35aに通電のない状態では、各リターンスプリング15b,35bの弾性力によって遮断状態となる。また、各ソレノイド15a,35aに通電があると、各リターンスプリング15b,35bの弾性力に抗して連通状態となり、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dからブレーキ液が逃げてホイールシリンダ圧は減圧されるようになっている。
なお、常開型電磁弁12,32は通電のないノーマル位置で常時開状態、通電による切換え位置で閉状態に移行し、常閉型電磁弁15,35は通電のないノーマル位置で常時閉状態、通電による切換え位置で開状態に移行するようになっているのは、異常時の作動補償、いわゆるフェールセーフの関係からである。
また、常開型電磁弁12,32では、マスタシリンダ2側から接続路11,31を介してブレーキ液圧が働くとき、このブレーキ液圧はリターンスプリング12b,32bの付勢方向と同方向、つまり開状態へ至る方向へ作用するようになっている。
そして、常開型電磁弁12,32と、常閉型電磁弁15,35と、ポンプ16,36を駆動するモータ(図示略)とはアンチロック制御装置10によって制御される。
アンチロック制御装置10は、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を検出する各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づいて、各輪FR,FL,RR,RLがロック傾向であるか否かを検知し、この検知結果に応じて、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧を、各常開型電磁弁12,32を閉弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を開弁する減圧モードと、各常開型電磁弁12,32を閉弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を閉弁する保持モードと、各常開型電磁弁12,32を開弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を閉弁する増圧モードとの何れかのモード(ABS制御モード)により制御するようになっている。
アンチロック制御装置10は、例えば図2に示すように、接地点μ演算部51と、車体減速度演算部52と、車体速演算部53と、ピークμ判定部54と、目標車輪速演算部55と、車輪速偏差演算部56と、目標トルク演算部57と、トルク偏差演算部58と、バルブ制御部59とを備えて構成されている。
接地点μ演算部51は、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を検出する各車輪速センサ41から出力される検出信号と、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLに作用するブレーキトルクT(T(j);j=1,…,4)を検出する各ブレーキトルクセンサ42から出力される検出信号とに基づいて、例えば図3に示す各物理量(つまり、ブレーキトルクTと、車輪慣性モーメントIと、車輪半径RWと、車輪回転速度ωの時間微分(dω/dt)と、各輪荷重W)による下記数式(1)から、各車輪の接地点μ(各車輪の接地点での摩擦係数)を算出する。
なお、ブレーキトルクセンサ42は、例えばブレーキキャリパーにブレーキトルクが作用したときに生じる歪みを検出する歪みゲージなどから構成されている。
Figure 2009274582
上記数式(1)において、各輪荷重Wは、左右の前輪FR,FLに対して下記数式(2)により記述されるフロント輪荷重MF、または、左右の後輪RR,RLに対して下記数式(3)により記述されるリア輪荷重MRとされている。
Figure 2009274582
Figure 2009274582
さらに、上記数式(2),(3)において、前後荷重移動量ΔMxは、車両重量Mと、前後方向加速度XGと、重心高さHCGと、ホイールベースLWBとにより、下記数式(4)に示すように記述されている。
Figure 2009274582
上記数式(4)において、車両重量Mは、例えば図4に示すように予め設定された左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの全体でのブレーキトルク(4輪ブレーキトルク)と各車輪速VW(j);(j=1,…,4)の平均値(車輪速)と車両重両M(例えば、M1>M2>M3)との所定の対応関係に基づき推定される。
つまり、アンチロック制御が作動しない程度の低減速の制動において、4輪ブレーキトルクは各ブレーキトルクセンサ42から出力される検出信号に基づき算出され、各車輪速VW(j);(j=1,…,4)の平均値は各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づき算出される。そして、4輪ブレーキトルクと各車輪速VW(j);(j=1,…,4)の平均値との間には、4輪ブレーキトルクが増大することに伴い、各車輪速VW(j);(j=1,…,4)の平均値が減少傾向に変化する対応関係があり、さらに、車両重量Mが小さいほど(M1>M2>M3)、4輪ブレーキトルクの増大に伴う各車輪速VW(j);(j=1,…,4)の平均値の減少度合いは、大きくなる。
また、上記数式(2),(3)において、重量配分比Rは、例えば図5に示すように予め設定された従動輪(例えば、左右の後輪RR,RL)の全体でのブレーキトルクと、従動輪の各車輪速VW(j);(j=3,4)の平均値(車輪速)と重量配分比R(例えば、R1>R2>R3)との所定の対応関係に基づき推定される。
つまり、駆動力の影響が無い従動輪のブレーキトルクは各ブレーキトルクセンサ42から出力される検出信号に基づき算出され、従動輪の各車輪速VW(j);(j=3,4)の平均値は各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づき算出される。そして、従動輪のブレーキトルクと各車輪速VW(j);(j=3,4)の平均値との間には、ブレーキトルクが増大することに伴い、各車輪速VW(j);(j=3,4)の平均値が減少傾向に変化する対応関係があり、さらに、重量配分比Rが小さいほど(R1>R2>R3)、ブレーキトルクの増大に伴う各車輪速VW(j);(j=3,4)の平均値の減少度合いは、大きくなる。
なお、上記数式(2),(3)においては、さらに、下記数式(5)に示すように左右方向加速度YGとトレッドLTRDとに基づき記述される左右荷重移動量ΔMyを採用することによって、左右の車輪に対する輪荷重を算出することができる。
つまり、前後荷重移動量ΔMxに加えて左右荷重移動量ΔMyを用いることで、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各車輪毎の輪荷重の算出精度を向上させることができる。
Figure 2009274582
車体減速度演算部52は、接地点μ演算部51から出力される各車輪の接地点μと、所定定数GR0FSとに基づき、例えば下記数式(6)に示すように記述される車体減速度GRDAT(つまり、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RL毎の各接地点μに基づき算出される各車体減速度GRDAT(j);j=1,…,4)を算出する。
Figure 2009274582
車体速演算部53は、例えば下記数式(7)に示すように記載される減速度ΔV、つまり車体減速度演算部52から出力される各車体減速度GRDAT(j)(j=1,…,4)のうちの最小値を、前回の演算処理にて算出した車体速VR0(k−1)に加算することによって、例えば下記数式(8)に示すように、今回の演算処理での車体速VR0(k)を算出する。なお、下記数式(8)は任意の自然数kにより記述されている。
Figure 2009274582
Figure 2009274582
ピークμ判定部54は、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を検出する各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づき、各車輪の接地点μ(各車輪の接地点での摩擦係数)の最大値を検知し、この最大値をピークμとして出力する。
目標車輪速演算部55は、車体速演算部53から出力される車体速VR0(つまり、今回の演算処理での車体速VR0(k))と、ピークμ判定部54から出力されるピークμと、所定定数aとに基づき、下記数式(9)に示すように記述される目標車輪速VWtを算出する。
Figure 2009274582
車輪速偏差演算部56は、各車輪速センサ41から出力される各車輪速VW(つまり左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各車輪速VW(j);j=1,…,4)の検出信号と、目標車輪速演算部55から出力される目標車輪速VWtとの偏差(VWt−VW)を算出する。
目標トルク演算部57は、車輪速偏差演算部56から出力される各車輪の偏差(VWt−VW)と、各ブレーキトルクセンサ42から出力される各車輪のブレーキトルクTの検出信号と、所定の変換係数αと、所定の車輪慣性モーメントIとに基づき、下記数式(10)に示すように記述される各車輪の目標ブレーキトルクTtを算出する。
Figure 2009274582
トルク偏差演算部58は、目標トルク演算部57から出力される各車輪の目標ブレーキトルクTtと、各ブレーキトルクセンサ42から出力される各車輪のブレーキトルクTの検出信号とのブレーキトルク偏差(Tt−T)を算出する。
バルブ制御部59は、アンチロック制御装置10によって減圧モードおよび保持モードおよび増圧モードのうちの何れかのモードの実行が選択された場合に、選択されたモードに対応する各電磁弁12,15,32,35の開閉を制御する。
さらに、バルブ制御部59は、トルク偏差演算部58から出力される各車輪のブレーキトルク偏差(Tt−T)に基づき、例えばブレーキトルク偏差(Tt−T)をゼロとするようにして、各電磁弁12,15,32,35の開閉により各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧を制御する。
特に、バルブ制御部59は、各常開型電磁弁12,32を開弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を閉弁する増圧モードとして、第1増大モードと該第1増大モードよりも小さいブレーキトルクTを付与する第2増大モードとを有し、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値以上の場合には、車輪速変動に対する応答性を重視して、相対的に大きなブレーキトルクTを付与する第1増圧モードを選択し、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値未満の場合には、車輪速変動の詳細な制御により車体前後振動を低減させることを重視して、相対的に小さなブレーキトルクTを付与する第2増圧モードを選択することにより、適切なブレーキトルクTを各車輪に付与するようになっている。
ここで、第1増大モードは、例えば、各常開型電磁弁12,32の開弁および各常閉型電磁弁15,35の閉弁を指示するモードであり、第2増大モードは、例えば、各常閉型電磁弁15,35の閉弁を指示すると共に、各常開型電磁弁12,32の開閉をPWM(Pulse Width Modulation)制御によってデューティ比制御するデューティ増圧である。
本実施の形態によるアンチロック制御装置10は上記構成を備えており、次に、このアンチロック制御装置10の動作について説明する。
先ず、例えば図6に示すステップS01においては、各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づき、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を取得する。
次に、ステップS02においては、各車輪のスリップ率を算出する。
次に、ステップS03においては、各輪FR,FL,RR,RLがロック傾向であるか否かを検知し、この検知結果に応じて、各常開型電磁弁12,32を閉弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を開弁する減圧モードと、各常開型電磁弁12,32を閉弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を閉弁する保持モードと、各常開型電磁弁12,32を開弁するとともに各常閉型電磁弁15,35を閉弁する増圧モードとの何れかのモード(ABS制御モード)を選択する。
次に、ステップS04においては、各輪FR,FL,RR,RLの目標ブレーキトルクTtを算出する。
次に、ステップS05においては、各輪FR,FL,RR,RLの実際のブレーキトルクTを取得する。
次に、ステップS06においては、各輪FR,FL,RR,RLのブレーキトルク偏差(Tt−T)を算出する。
次に、ステップS07においては、選択されたABS制御モードが増圧モードであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS11に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
ステップS08においては、各輪FR,FL,RR,RLのブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値以上であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進み、このステップS09においては、増圧モードとして第1増圧モードを設定して、ステップS11に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、このステップS10においては、増圧モードとして第2増圧モードを設定して、ステップS11に進む。
ステップS11においては、各輪FR,FL,RR,RL毎に、選択されたABS制御モードとブレーキトルク偏差(Tt−T)とに応じて、各電磁弁12,15,32,35の開閉により各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧を制御し、リターンに進む。
上述したように、本実施の形態によるアンチロック制御装置10によれば、各車輪に実際に付与されるブレーキトルクTと目標ブレーキトルクTtとのブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値以上の場合には、車輪速変動に対する応答性を重視して、相対的に大きなブレーキトルクTを付与する第1増圧モードを選択し、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値未満の場合には、車輪速変動の詳細な制御により車体前後振動を低減させることを重視して、相対的に小さなブレーキトルクTを付与する第2増圧モードを選択することにより、適切なブレーキトルクTを各車輪毎に付与することができる。
例えば各車輪の接地点での摩擦係数が相対的に低い低μ路などでは、目標ブレーキトルクTtが小さく、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が小さくなり、第2増圧モードが選択されることで、デューティ比制御が行われ、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧が詳細に制御されることになり、車体振動低減重視の制御が可能となる。
一方、例えば各車輪の接地点での摩擦係数が相対的に高いドライ路などでは、目標ブレーキトルクTtが大きく、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が大きくなり、第1増圧モードが選択されることで、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧の増圧および減圧が応答よく制御され、高減速度および大きな車輪速変動に対して応答性重視の制御が可能となる。
なお、上述した実施の形態において、各ブレーキトルクセンサ42から出力される検出信号に基づき各車輪の接地点μ(各車輪の接地点での摩擦係数)を算出する接地点μ演算部51を備えると共に、目標トルク演算部57は、各ブレーキトルクセンサ42から出力される各車輪のブレーキトルクTの検出信号に基づき、各車輪の目標ブレーキトルクTtを算出するとしたが、これに限定されず、例えば図7に示す上述した実施の形態の変形例のように、各ブレーキトルクセンサ42は省略されてもよい。
この変形例に係るアンチロック制御装置10は、例えば車体減速度演算部62と、車体速演算部63と、理想スリップ率判定部64と、目標車輪速演算部65と、車輪速偏差演算部66と、目標トルク演算部67と、トルク偏差演算部68と、バルブ制御部69とを備えて構成されている。
そして、アンチロック制御装置10には、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧を検出する各液圧センサ61から出力される検出信号が入力されている。
車体減速度演算部62は、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を検出する各車輪速センサ41から出力される検出信号と、所定定数GR0FSとに基づき、例えば下記数式(11)に示すように記述される車体減速度GRDAT(つまり、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RL毎の各車体減速度GRDAT(j);j=1,…,4)を算出する。
Figure 2009274582
なお、例えば図8に示すように、上記数式(11)において、最大速GRV0は、増圧モードにおいて車輪加速度ACLがゼロとなった時点(例えば、図9に示す時刻t0)での、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)と、各車輪速VW(j)(j=1,…,4)から算出した車体速(各車体速VR0(j);j=1,…,4)とのうちの最大値である。
また、最小速GRV1は、増圧モードにおいて最大速GRV0が設定された後に車輪加速度ACLがゼロとなった時点(例えば、図9に示す時刻t1)での、車輪速VWと車体速VR0とのうちの最小値である。
また、時間幅ΔTは、増圧モードにおいて車輪加速度ACLがゼロとなる時刻間(例えば、図9に示す時刻t0と時刻t1との間)の時間であって、車輪加速度ACLがゼロ以下かつABS制御モードとして増圧モードが実行されていることを示すGRフラグ(F_GRFLAG)のフラグ値が「0」から「1」に切り替わる時刻間の時間となる。
車体速演算部63は、例えば上記数式(7)および上記数式(8)に基づき、車体速VR0(k)を算出する。
理想スリップ率判定部64は、例えば図9に示すように、左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各速度(各車輪速VW(j);j=1,…,4)を検出する各車輪速センサ41から出力される検出信号に基づき算出されるスリップ率と、各車輪の接地点での摩擦係数とに対して予め設定された所定の対応関係から、例えばスリップ率が増大する所定範囲内(例えば、5〜10%の範囲内)での摩擦係数をピークμとして出力する。
目標車輪速演算部65は、車体速演算部63から出力される車体速VR0(つまり、今回の演算処理での車体速VR0(k))と、理想スリップ率判定部64から出力されるピークμと、所定定数aとに基づき、上記数式(9)に示すように記述される目標車輪速VWtを算出する。
車輪速偏差演算部66は、各車輪速センサ41から出力される各車輪速VW(つまり左右の前輪FR,FLおよび後輪RR,RLの各車輪速VW(j);j=1,…,4)の検出信号と、目標車輪速演算部65から出力される目標車輪速VWtとの偏差(VWt−VW)を算出する。
目標トルク演算部67は、車輪速偏差演算部66から出力される各車輪の偏差(VWt−VW)と、所定の変換係数αと、所定の車輪慣性モーメントIとに基づき、上記数式(10)に示すように記述される各車輪の目標ブレーキトルクTtを算出する。
トルク偏差演算部68は、各液圧センサ61から出力される各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧Pfの検出信号と、各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキシリンダ径Raと、各ブレーキパッド摩擦係数Pμと、ディスク有効径Rbとに基づき、下記数式(12)に示すように記述される各車輪のブレーキトルクTを算出する。そして、目標トルク演算部67から出力される各車輪の目標ブレーキトルクTtとブレーキトルクTとのブレーキトルク偏差(Tt−T)を算出する。
Figure 2009274582
バルブ制御部69は、アンチロック制御装置10によって選択されたモードに対応する各電磁弁12,15,32,35の開閉を制御する。
さらに、バルブ制御部69は、トルク偏差演算部68から出力される各車輪のブレーキトルク偏差(Tt−T)に基づき、例えばブレーキトルク偏差(Tt−T)をゼロとするようにして、各電磁弁12,15,32,35の開閉により各ホイールシリンダ3a,3b,3c,3dのブレーキ液圧を制御する。
特に、バルブ制御部69は、増圧モードにおいて、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値以上の場合には第1増圧モードを選択し、ブレーキトルク偏差(Tt−T)が所定値未満の場合には、第2増圧モードを選択する。
本発明の実施の形態に係るアンチロック制御装置に係るブレーキ装置の構成図である。 本実施の形態によるアンチロック制御装置の構成図である。 本実施の形態によるアンチロック制御装置に係る各物理量を示す図である。 本実施の形態によるアンチロック制御装置に係る4輪ブレーキトルクと車輪速と車両重量との対応関係の一例を示す図である。 本実施の形態によるアンチロック制御装置に係る従動輪ブレーキトルクと車輪速と重量配分比との対応関係の一例を示す図である。 本実施の形態によるアンチロック制御装置の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態の変形例に係るアンチロック制御装置の構成図である。 本実施の形態の変形例に係るアンチロック制御装置での各速度、車輪加速度、ABS制御モード、GRフラグの時間変化の一例を示すグラフ図である。 本実施の形態の変形例に係るアンチロック制御装置でのスリップ率と摩擦係数との対応関係の一例を示すグラフ図である。
符号の説明
10 アンチロック制御装置(制御手段)
10a ブレーキ装置(ブレーキトルク付与手段)
41 車輪速センサ(状態検知手段)
42 ブレーキトルクセンサ(状態検知手段)
57,67 目標トルク演算部(目標ブレーキトルク演算手段)
58,68 トルク偏差演算部(ブレーキトルク取得手段)
59,69 バルブ制御部(ブレーキトルク付与手段)
61 液圧センサ(状態検知手段)

Claims (1)

  1. 車輪にブレーキトルクを付与するブレーキトルク付与手段と、
    車輪の状態を検知する状態検知手段と、
    前記状態検知手段により前記車輪がロック傾向であると検知された場合に、前記ブレーキトルク付与手段により前記車輪に付与される前記ブレーキトルクを減少させる減少モードと、前記ブレーキトルクを保持する保持モードと、前記ブレーキトルクを増大させる増大モードとの何れかを実行する制御手段とを備えるアンチロック制御装置であって、
    前記制御手段は、前記増大モードとして、第1増大モードと該第1増大モードよりも小さい前記ブレーキトルクを付与する第2増大モードとを有し、
    前記ブレーキトルク付与手段により前記車輪に実際に付与される実ブレーキトルクを検知または演算して取得するブレーキトルク取得手段と、
    前記増大モードの実行時に目標ブレーキトルクを演算する目標ブレーキトルク演算手段とを備え、
    前記増大モードの実行時に前記目標ブレーキトルクと前記実ブレーキトルクとの偏差が所定値以上の場合に、前記第1増大モードにより前記ブレーキトルクを増大させ、前記目標ブレーキトルクと前記実ブレーキトルクとの偏差が所定値未満の場合に、前記第2増大モードにより前記ブレーキトルクを増大させることを特徴とするアンチロック制御装置。
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