JP3565694B2 - 無人取引システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客が顧客端末装置を操作して契約の申込を行い、遠隔地にあるセンタ端末装置で審査を行って契約を行う無人取引システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関等においては、現金の入出金その他の処理を顧客の操作によって自動的に実行する装置が広く普及している。顧客がキャッシュカード等の所定の金融商品を利用する場合には、契約申込書等の記入や提出等の手続きが必要になる。このような手続きは、従来は金融機関の窓口で直接案内係の案内により処理されているが、近年、顧客が記入した契約申込書等の書類を読取装置で読取り、読取ったデータを本店の管理センタ(センタ端末装置)へ送って申込手続きを行う無人取引システムが登場してきた。
【0003】
この無人取引システムでは、センタに送られたイメージデータをオペレータの表示装置に表示して内容を確認し、顧客が記入した事項に誤りがなければ身分証明書等のイメージとともにファイルに保管し、顧客端末装置側で契約書を発行する。申込書や顧客が署名した契約書は、顧客端末装置内に取り込み、その写しが顧客に渡される。以上のようにして、顧客のみによる申込手続きを可能にし、金融機関の窓口の負担を軽減するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の無人取引システムにおいては身分証明書を不正に使用する等して不正に取引を行おうと試みる場合があり、これらを確実に防止する必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、顧客操作により情報を入力される顧客端末装置とこの顧客端末装置に接続されたセンタ端末装置とから構成される無人取引システムにおいて、上記顧客端末装置に具備され顧客の虹彩データを取得する虹彩データ取得部と、顧客の上記個人情報と該顧客の虹彩データとを登録するデータベースとを設け、上記顧客端末装置では顧客の本人を特定する個人情報を上記センタ端末装置へ送信すると共に、上記虹彩データ取得部で顧客の虹彩データを取得し、取得した虹彩データを上記センタ端末装置へ送信し、上記顧客端末装置から送信されてきた個人情報と同一の個人情報が上記データベースに登録されていない場合には、上記顧客端末装置から送信されてきた虹彩データが上記データベースに登録されている全ての虹彩データのいずれかと一致するか否か判断し、一致する虹彩データがある場合には取引不成立とするものである。
【0006】
上記構成を有する本発明によれば、取引を希望する顧客の個人情報と同一の個人情報がデータベースに登録されていないにもかかわらず顧客の虹彩データと一致する虹彩データがデータベースに登録されている場合には、取引不成立と判断するので、複数の人物間で1つの個人情報を利用すること、すなわち他人になりすまして取引を行おうとすることを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0008】
第1の実施の形態
図1は第1の実施の形態の無人取引システム全体を示す説明図である。
【0009】
図1において、顧客端末装置1は顧客7が操作する装置で、通信網2を介してセンタ端末装置3に接続されている。センタ端末装置3はその他の顧客端末装置1aとも通信網2を介して接続されている。顧客端末装置1を操作する顧客7は、センタ端末装置3を操作するオペレータ8から適宜ガイダンスを受けながら契約申込書等の書類の記入を行う。オペレータ8は通信網2を介して顧客端末装置1に対してガイダンスができるようになっている。センタ端末装置3にはセンタデータベース10が接続されている。このセンタデータベース10は顧客7本人を特定する個人情報と、該顧客7の眼の虹彩情報(虹彩データ)と、取引成立/不成立の結果を登録する。
【0010】
図2は第1の実施の形態の顧客端末装置の外観斜視図、図3は第1の実施の形態の顧客端末装置を示すブロック図である。図2において、顧客端末装置1の本体キャビネット11の上側にはスピーカ12、人物カメラ13、近接センサ14および手元カメラ15が並べて配設されている。スピーカ12は一連の操作案内およびオペレータ8からのガイダンス等の声を顧客7に向けて発する。人物カメラ13は顧客7の姿を映し撮るためのカメラで、その映像はセンタ端末装置3へ送られる。近接センサ14は顧客7の接近を検知し、取引作業を自動的に開始させる。手元カメラ15は顧客7が契約申込書等の書類に署名したり、取引操作を行ったりする場合に、その手元を映し出す広角カメラである。手元カメラ15の映像もセンタ端末装置3へ送られる。
【0011】
本体キャビネット11の正面部分には、表示部16、タッチパネル部17、ハンドセット18、マイク19、カード発行口22、書類投入口23、書類取り出し口25および虹彩カメラ26が設けられている。表示部16は顧客7に対するガイダンスその他を表示するためのディスプレイである。タッチパネル部17は表示部16に表示された仮想キーを押すと、その圧力を検出して所定の処理を行うものである。ハンドセット18は、顧客7がオペレータ8の呼び出し等を行うために使用される電話機である。マイク19は顧客7の声を受け入れてセンタ端末装置3へ送るのに用いられる。
【0012】
カード発行口22は、契約取引等が成立したとき、顧客7に対してキャッシュカード等を発行するものである。書類投入口23は、契約申込書や契約書等を受け入れて本体キャビネット11の図示しないポケットに取り込む。書類取り出し口25は顧客7に提供する契約書の写し等を印刷し排出する部分である。また虹彩カメラ26は、顧客7の虹彩データを取得するために顧客7の眼を撮影するカメラである。
【0013】
机面には書類記入台20が配設され、ここにセンサパネル21が設けられ、その隣にはイメージ読取り部24が設けられている。イメージ読取り部24は蓋を開けて免許証等の身分証明書(本人を特定する個人情報、例えば名前、住所、電話番号、生年月日等が記載された証明書)を載せてそのイメージを読取る装置であり、読み取ったデータは保存したり、あるいはセンタ端末装置3に送られる。
【0014】
図3において、制御部28は顧客端末装置1の動作全体を制御するもので、内部には記憶部29が設けられている。制御部28には、近接センサ14、表示部16、タッチパネル部17、カード発行部22A、プリンタ部25A、イメージ読取部24、スピーカ12、書類取込機構23Aおよびセンサパネル21が接続されている。カード発行部22Aは、必要事項を磁気記録したカードを作成する。プリンタ部25Aは、契約書等を印刷する。イメージ読取部24で読取られるイメージデータは記憶部29に記憶される。
【0015】
顧客端末装置1にはまたマルチメディア通信制御部27が設けられている。マルチメディア通信制御部27は、顧客7を撮影した撮像や顧客7の声等をセンタ端末装置3へ送る制御を行い、これには人物カメラ13、手元カメラ15、マイク19および虹彩カメラ26が接続されている。マルチメディア通信制御部27は虹彩カメラ26で撮影された撮像データ、そのうちの特に虹彩データを処理する機能を有している。なお、上記虹彩カメラ26とマルチメディア通信制御部27とで虹彩データ取得部が構成される。
【0016】
図4は第1の実施の形態のセンタ端末装置を示す正面図である。図4において、オペレータ8が操作するセンタ端末装置3には、ディスプレイ31、キーボード32、マウス33等を備えたワークステーションと、カメラ34、ヘッドセット35、マルチメディア通信装置36、プリンタ37が設けられている。カメラ34はオペレータ8の顔を顧客端末装置1に表示させるために、オペレータ8の顔を撮影する。ヘッドセット35はレシーバ35Bで顧客7の声を聞き、マイク35Aでオペレータ8の声を入力する。
【0017】
マルチメディア通信装置36は、図3に示すマルチメディア通信制御部27と同様に、音声や画像を送受信するための装置である。プリンタ37はオペレータ8が必要とする事項を印刷出力する。センタ端末装置3にはまたLAN(ローカルエリアネットワーク)によりセンタデータベース10が接続されている。
【0018】
図5は第1の実施の形態のセンタ端末装置を示すブロック図である。図5において、制御部38はセンタ端末装置3の動作全体を制御するもので、内部には記憶部39が設けられている。記憶部39には定型フォームの書類のイメージ等のデータが登録されている。制御部38は、これに接続されるディスプレイ31、キーボード32、マウス33、プリンタ37、マルチメディア通信装置36およびセンタデータベース10を制御する。
【0019】
次に第1の実施の形態の動作を図6、図7、図8、図9に示すフローチャートにしたがって説明する。図6、図7、図8、図9は第1の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。ここでは顧客7が取引を行うことができる人物であるか否かを判断し、所定のカードを発行するまでの動作について説明する。
【0020】
顧客7が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14により顧客7の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示させる。顧客7はガイダンスに従って取引希望を入力する。すると図6に示すフローチャートの処理が開始される。
【0021】
ステップS1で制御部28は申込書の記入を指示すると共に記入後の申込書をイメージ読取り部24にセットすることを表示部16に表示する。ステップS2で制御部28が申込書がセットされたことを検出するとステップS3へと進み、申込書の記載内容を読み取り、その内容をセンタ端末装置3に送信し(図示せず)、オペレータ8は記載内容に不備があるか否か確認する。不備があった場合には、顧客7に対して修正等を指示し、再度申込書をセットさせ、ステップS2に戻る。更にステップS4で身分証明書をイメージ読取り部24に載せることを表示部16に表示する。
【0022】
ステップS5で制御部28は身分証明書がイメージ読取り部24に載せられたことを検出するとステップS6へと進み、イメージ読取り部24で申込書と身分証明書の記載内容を読み取り、ステップS7で制御部28は申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とを通信網2を介してセンタ端末装置3へと送信する。ステップS8でセンタ端末装置3の制御部38は申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とを受信し、制御部38は上記受信内容をディスプレイ31に表示する。そこでオペレータ8が申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とが一致しているか否か判断し、一致しているか否かをキーボード32からセンタ端末装置3内に入力する。その入力を受けてステップS9で一致していることが入力されたか否か判断を行い、一致していることが入力されたならばステップS10に進み、「否」ならばステップS11に進む。
【0023】
ステップS10で制御部38はセンタデータベース10に身分証明書の記載内容から読み取ることができる個人情報を登録すると共に、一致していることを通信網2を介して顧客端末装置1に送信しステップS12に進む。一方、ステップS11に進んだ場合は一致していないことを通信網2を介して顧客端末装置1に送信し、ステップS12に進む。
【0024】
ステップS12で顧客端末装置1の制御部28はセンタ端末装置3から確認情報を受信し、ステップS13で制御部28は一致していたことを受信したか否か判断を行い一致していればステップS14に進み、一方「否」ならばステップS40に進む。
【0025】
ステップS14に進んだ場合、オペレータ8が顧客7に申込書の投入を指示し、この指示に従い、顧客7は書類投入口23に申込書を投入し、虹彩カメラ26により顧客7の目の虹彩を撮影し虹彩の撮像データを取得する。取得した撮像データは図3に示すマルチメディア通信制御部27へ送信し必要な処理を行い虹彩データとする。ステップS15で制御部28は通信網2を介して虹彩データをセンタ端末装置3へと送信する。ステップS16でセンタ端末装置3は虹彩データを受信し、上記ステップS10で登録した個人情報と共にセンタデータベース10に登録する。すなわち、センタデータベース10には個人情報と虹彩データと取引成立/不成立の結果が各人毎に登録される。なお、この時点ではまだ取引成立/不成立の結果は登録されていない。
【0026】
ステップS17で制御部38は該当する個人情報を名字及び生年月日をキーとして検索する。すなわち、ステップS10で登録した個人情報と同じ個人情報が過去にセンタデータベース10に登録されているか否か探す。ステップS18で該当する個人情報があるか否か判断し、あったならばステップS19へと進み、一方「否」ならばステップS26へと進む。
【0027】
ステップS19に進んだ場合、制御部38はステップS16で登録した虹彩データと、過去に登録されている個人情報が同じである虹彩データとを照合し、ステップS20で一致するか否か判断する。一致するならばステップS21へと進み、一方「否」の場合にはステップS24へと進む。ステップS21に進んだ場合は個人情報と虹彩データの両方が一致したことになるのでオペレータ8が顧客7の審査に入る。この間しばらく時間を必要とし、顧客7は顧客端末装置1の前で待つことになる。審査が終了すると取引を行ってよいか否かの入力がオペレータ8により行われ、これを受けてステップS22に進み、取引可能、すなわち契約可能が入力されたならばステップS23に進み、一方「否」ならばステップS25に進む。ステップS23に進んだ場合、正当な取引であるとして契約書にオペレータ8側から入力すべきことがオペレータ8によりキーボード32から入力され、制御部38は該契約内容を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS29へと進む。
【0028】
一方、上記ステップS20からS24に進んだ場合には本人の身分証明書を利用していない恐れがある(不正な取引である)として制御部38は該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信しステップS29へと進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。また上記ステップS22からS25に進んだ場合にも制御部38は取引不可能であるとして該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS29へと進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0029】
一方、上記ステップS18からステップS26に進んだ場合、制御部38はステップS10で登録した虹彩データとセンタデータベース10に登録されている全ての虹彩データと照合し、ステップS27で一致する虹彩データがあるか否か判断する。一致する虹彩データがあった場合はステップS28へと進み、一方「否」の場合にはステップS21へと進む。ステップS28に進んだ場合は顧客7が本人の身分証明書を利用していない恐れがある(不正な取引である)として制御部38は該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS29へと進むと共に、センタ端末装置3側は処理を終了とする。
【0030】
一方、ステップS27からステップS21に進んだ場合は新規の顧客7と判断された場合である。
【0031】
ステップS29で顧客端末装置1の制御部28は確認結果を受信する。ステップS30で制御部28は受信した確認結果が取引続行を承認しているもの、すなわち契約書の印刷を指示しているものであるか否か判断を行い、契約書の印刷を指示しているものであればステップS31へと進み、一方「否」ならばステップS40へと進む。
【0032】
ステップS31に進んだ場合、制御部28は予め決められた契約書の形式に受信した内容を加えてプリンタ部25Aで印刷して書類取り出し口25から排出する。ステップS32で制御部28は顧客7に対して契約書の内容を確認し、必要事項を記入し、イメージ読取り部24に契約書を載せることを表示部16に表示する。
【0033】
ステップS33で制御部28は契約書がイメージ読取り部24に載せられたことを検出するとステップS34へと進み、イメージ読取り部24で契約書の記載内容を読み取り、その内容をセンタ端末装置3に送信し(図示せず)、オペレータ8は記載内容に不備があるか否か確認する。不備があった場合には顧客7に対して修正等を指示し、再度契約書をセットさせステップS33に戻る。不備がなければ書類投入口23に契約書を投入することを表示する。
【0034】
ステップS35で制御部28は契約書の記載内容を通信網2を介してセンタ端末装置3へと送信する。ステップS36でセンタ端末装置3の制御部38は契約書の記載内容を受信し、該受信内容をディスプレイ31に表示してオペレータ8に知らせる。
【0035】
ステップS37で制御部38は顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引成立であることをセンタデータベース10に登録すると共にカード発行を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS38に進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0036】
ステップS38で顧客端末装置1の制御部28はカード発行指示を受信する。この受信を受けて、ステップS39で制御部28はカードを発行するために必要な処理を行いカードを発行して処理を終了とする。
【0037】
なお、上記ステップS13からステップS40に進んだ場合、ステップS40で制御部28は表示部16に取引ができないことを表示すると共に処理を終了とする。
【0038】
なお、正当な取引であって、個人情報と共に虹彩データも登録されてる場合には、過去に取引のある顧客7が、契約内容を変更したり、カードの再発行を希望する等して申込書を新たに記入し直した場合である。
【0039】
以上第1の実施の形態においては、センタデータベース10に登録されている個人情報の中に今回の取引で登録された個人情報と一致するものがあった場合、個人情報と共にセンタデータベース10に登録されている虹彩データが今回の取引で取得された虹彩データと一致しなければ取引不成立となるので、またセンタデータベース10に今回の取引で取得された個人情報と同一の個人情報が登録されていないにも拘らず一致する虹彩データが登録されていれば取引不成立となるので、1つの身分証明書を複数の人物間で利用すること、すなわち他人になりすまして取引を行おうとすることを防止することができる。その結果、不正取引を防止することができる。
【0040】
なお、上記第1の実施の形態においては、センタ端末装置3にセンタデータベース10を設け、虹彩データ等を登録する形態で説明したが、これに限らず、複数のセンタ端末装置3が接続されている共同センタに虹彩データ等を登録するようにしてもよい。また、上記共同センタは1つの金融機関のみで利用するものであってもよいし、またいくつかの金融機関で共有するものであってもよい。すなわち、上記虹彩データ等を複数の金融機関で利用するようにしてもよい。
【0041】
また、申込書の読み取りと身分証明書の読み取りと虹彩取得とを同時に行ってもよい。
【0042】
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様な部分には同一符号を付してその説明は省略する。この実施の形態においては本人確認を行う前と、正当な取引であると判断されてカードを発行する前の2度虹彩データを取得する。
【0043】
なお、構成は上記第1の実施の形態と同様であるので説明は省略し、動作についてのみ図10、図11、図12、図13に示すフローチャートにしたがって説明する。図10、図11、図12、図13は第2の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。ここでは顧客7が取引を行うことができる人物であるか否かを判断し、所定のカードを発行するまでの動作について説明する。
【0044】
顧客7が顧客端末装置1に接近すると、近接センサ14により顧客7の接近が検出され、制御部28は表示部16にガイダンスを表示させる。顧客7はガイダンスに従って取引希望を入力する。すると図10に示すフローチャートの処理が開始される。
【0045】
ステップS51で制御部28は申込書の記入を指示すると共に記入後の申込書をイメージ読取り部24にセットすることを表示部16に表示する。ステップS52で制御部28が申込書がセットされたことを検出するとステップS53へと進み、申込書の記載内容を読み取り、その内容をセンタ端末装置3に送信し(図示せず)、オペレータ8は記載内容に不備があるか否か確認する。不備があった場合には顧客7に対して修正等を指示し、再度申込書をセットさせステップS52に戻る。更にステップS54で身分証明書をイメージ読取り部24に載せることを表示部16に表示する。
【0046】
ステップS55で制御部28は身分証明書がイメージ読取り部24に載せられたことを検出するとステップS56へと進み、イメージ読取り部24で申込書と身分証明書の記載内容を読み取り、ステップS57で制御部28は申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とを通信網2を介してセンタ端末装置3へと送信する。ステップS58でセンタ端末装置3の制御部38は申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とを受信し、制御部38は上記受信内容をディスプレイ31に表示する。そこでオペレータ8が申込書の記載内容と身分証明書の記載内容とが一致しているか否か判断し、一致しているか否かをキーボード32からセンタ端末装置3内に入力する。その入力を受けてステップS59で一致していることが入力されたか否か判断を行い、一致していることが入力されたならばステップS60に進み、「否」ならばステップS61に進む。
【0047】
ステップS60で制御部38は記憶部であるセンタデータベース10に身分証明書の記載内容から読み取ることができる個人情報を登録すると共に、一致していることを通信網2を介して顧客端末装置1に送信しステップS62に進む。一方、ステップS61に進んだ場合は一致していないことを通信網2を介して顧客端末装置1に送信し、ステップS62に進む。
【0048】
ステップS62で顧客端末装置1の制御部28はセンタ端末装置3から確認情報を受信し、ステップS63で制御部28は一致していたことを受信したか否か判断を行い一致していればステップS64に進み、一方「否」ならばステップS99に進む。ステップS64で制御部28は表示部16に虹彩の取得を表示すると共に同意してくれるか否か表示する。ステップS65で取得してもよいことが入力されたと判断したならばステップS66に進み、一方「否」ならばステップS99に進む。
【0049】
ステップS66に進んだ場合、オペレータ8が顧客7に申込書の投入を指示し、この指示に従い、顧客7は書類投入口23に申込書を投入し、虹彩カメラ26により顧客7の目の虹彩を撮影し虹彩の撮像データを取得する。取得した撮像データは図3に示すマルチメディア通信制御部27へ送信し必要な処理を行い虹彩データとする。ステップS67で制御部28は通信網2を介して虹彩データをセンタ端末装置3へと送信する。ステップS68でセンタ端末装置3は虹彩データを受信し、上記ステップS60で登録した個人情報と共にセンタデータベース10に登録する。すなわち、センタデータベース10には個人情報と虹彩データと取引成立/不成立の結果が各人毎に登録される。なお、この時点ではまだ取引成立/不成立の結果は登録されていない。
【0050】
ステップS69で制御部38は該当する個人情報を名字及び生年月日をキーとして検索する。すなわち、ステップS60で登録した個人情報と同じ個人情報が過去にセンタデータベース10に登録されているか否か探す。ステップS70で該当する個人情報があるか否か判断し、あったならばステップS71へと進み、一方「否」ならばステップS78へと進む。
【0051】
ステップS71に進んだ場合、制御部38はステップS68で登録した虹彩データと、過去に登録されている個人情報が同じである虹彩データとを照合し、ステップS72で一致するか否か判断する。一致するならばステップS73へと進み、一方「否」の場合にはステップS76へと進む。ステップS73に進んだ場合は個人情報と虹彩データの両方が一致したことになるのでオペレータ8が顧客7の審査に入る。この間しばらく時間を必要とし、顧客7は顧客端末装置1の前で待つことになる。審査が終了すると取引を行ってよいか否かの入力がオペレータ8により行われ、これを受けてステップS74に進み、取引可能、すなわち契約可能が入力されたならばステップS75に進み、一方「否」ならばステップS77に進む。ステップS75に進んだ場合、正当な取引であるとして取引が許可され契約書にオペレータ8側から入力すべきことがオペレータ8によりキーボード32から入力され、制御部38は該契約内容を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS81へと進む。
【0052】
一方、上記ステップS72からS76に進んだ場合には本人の身分証明書を利用していない恐れがある(不正な取引である)として制御部38は該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信しステップS81へと進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0053】
また上記ステップS74からS77に進んだ場合にも制御部38は取引不可能であるとして該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS81へと進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0054】
一方、上記ステップS70からステップS78に進んだ場合、制御部38はステップS60で登録した虹彩データとセンタデータベース10に登録されている全ての虹彩データと照合し、ステップS79で一致する虹彩データがあるか否か判断する。一致する虹彩データがあった場合はステップS80へと進み、一方「否」の場合にはステップS73へと進む。ステップS80に進んだ場合は顧客7が本人の身分証明書を利用していない恐れがある(不正な取引である)として制御部38は該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録すると共に取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS81へと進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0055】
一方、ステップS79からステップS73に進んだ場合は新規の顧客7と判断された場合である。
【0056】
ステップS81で顧客端末装置1の制御部28は確認結果を受信する。ステップS82で制御部28は受信した確認結果が取引続行を承認しているもの、すなわち契約書の印刷を指示しているものであるか否か判断を行い、契約書の印刷を指示しているものであればステップS83へと進み、一方「否」ならばステップS99へと進む。
【0057】
ステップS83に進んだ場合、制御部28は予め決められた契約書の形式に受信した内容を加えてプリンタ部25Aで印刷して書類取り出し口25から排出する。ステップS84で制御部28は顧客7に対して契約書の内容を確認し、必要事項を記入し、イメージ読取り部24に契約書を載せることを表示部16に表示する。
【0058】
ステップS85で制御部28は契約書がイメージ読取り部24に載せられたことを検出するとステップS86へと進み、イメージ読取り部24で契約書の記載内容を読み取り、その内容をセンタ端末装置3に送信し(図示せず)、オペレータ8は記載内容に不備があるか否か確認する。不備があった場合には顧客7に対して修正等を指示し、再度契約書をセットさせステップS85に戻る。不備がなければ書類投入口23に契約書を投入することを表示する。
【0059】
ステップS87で制御部28は契約書の記載内容を通信網2を介してセンタ端末装置3へと送信する。ステップS88でセンタ端末装置3の制御部38は契約書の記載内容を受信し、該受信内容をディスプレイ31に表示してオペレータ8に知らせる。
【0060】
また制御部28はステップS87で契約書の内容を送信するとステップS89へと進み、制御部28は虹彩カメラ26により顧客7の虹彩を撮影して虹彩データを取得し、ステップS90で制御部28は虹彩データを通信網2を介してセンタ端末装置3に送信する。ステップS91でセンタ端末装置3の制御部38は虹彩データを受信し、ステップS92で制御部38はステップS91で受信した虹彩データとステップS68でセンタデータベース10に登録した虹彩データとを照合し、ステップS93で一致するか否か判断する。一致する場合にはステップS94へと進み、一方「否」の場合にはステップS95へと進む。ステップS94に進んだ場合、制御部38は身分証明書をセットした顧客7と契約書の記載を行った顧客7とは同一人物であるとして該顧客7の個人情報、虹彩データと共に取引成立であることをセンタデータベース10に登録すると共にカード発行を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS96に進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0061】
一方、ステップS95に進んだ場合は顧客7が途中で入れ替わったりした等の恐れがあるとして制御部38はステップS60とステップS68で登録された顧客7の個人情報、虹彩データにステップS91で受信した虹彩データを加えて登録すると共に取引不成立であることをセンタデータベース10に登録する。また取引中断を顧客端末装置1に通信網2を介して送信し、ステップS96に進む。そしてセンタ端末装置3の処理は終了となる。
【0062】
ステップS96で顧客端末装置1の制御部28は確認結果を受信する。ステップS97で制御部28は受信した確認結果がカード発行であるか否か判断を行い、カード発行であればステップS98へと進み、一方「否」ならばステップS99へと進む。ステップS98に進んだ場合、制御部28は次回取引から利用できる、顧客を識別する情報が記憶されたカードを発行するために必要な処理を行いカード発行口22からカードを発行して処理を終了とし、一方ステップS99に進んだ場合、表示部16に取引ができないことを表示すると共に処理を終了とする。
【0063】
以上第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に加えて更に、本人確認を行う前(審査前)と、正当な取引であると判断されてカードを発行する前(審査後)の2度、顧客7の虹彩を撮影し、それぞれの虹彩データが一致するか否か判断し、一致した場合のみ取引成立とするので、審査中等途中で顧客7が入れ替わったりした場合には取引不成立となり、不正取引を防止することができる。
【0064】
また、ステップS53の申込書の読み取りと、ステップS56の身分証明書の読み取りと、ステップS66の虹彩取得とを同時に行ってもよい。更に、ステップS86の契約書の読み取りと、ステップS89の虹彩取得とを同時に行ってもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、顧客端末装置に具備され顧客の虹彩データを取得する虹彩データ取得部と、顧客の上記個人情報と該顧客の虹彩データとを登録するデータベースとを設け、上記顧客端末装置では顧客の本人を特定する個人情報を上記センタ端末装置へ送信すると共に、上記虹彩データ取得部で顧客の虹彩データを取得し、取得した虹彩データを上記センタ端末装置へ送信し、上記顧客端末装置から送信されてきた個人情報と同一の個人情報が上記データベースに登録されていない場合には、上記顧客端末装置から送信されてきた虹彩データが上記データベースに登録されている全ての虹彩データのいずれかと一致するか否か判断し、一致する虹彩データがある場合には取引不成立とするので、1つの個人情報を複数の人物間で利用すること、すなわち他人になりすまして取引を行おうとすることを防止することができる。その結果、不正取引を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の無人取引システムを示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態の顧客端末装置の外観斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の顧客端末装置を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態のセンタ端末装置を示す正面図である。
【図5】第1の実施の形態のセンタ端末装置を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態の顧客端末装置とセンタ端末装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 顧客端末装置
3 センタ端末装置
10 センタデータベース
26 虹彩カメラ
28 制御部
38 制御部
Claims (3)
- 顧客操作により情報を入力される顧客端末装置とこの顧客端末装置に接続されたセンタ端末装置とから構成される無人取引システムにおいて、
上記顧客端末装置に具備され顧客の虹彩データを取得する虹彩データ取得部と、
顧客の上記個人情報と該顧客の虹彩データとを登録するデータベースとを設け、
上記顧客端末装置では顧客の本人を特定する個人情報を上記センタ端末装置へ送信すると共に、上記虹彩データ取得部で顧客の虹彩データを取得し、取得した虹彩データを上記センタ端末装置へ送信し、
上記顧客端末装置から送信されてきた個人情報と同一の個人情報が上記データベースに登録されていない場合には、上記顧客端末装置から送信されてきた虹彩データが上記データベースに登録されている全ての虹彩データのいずれかと一致するか否か判断し、一致する虹彩データがある場合には取引不成立とすることを特徴とする無人取引システム。 - 上記顧客端末装置は、上記取引不成立とされた場合に取引ができないことを表示する表示部を有する請求項1記載の無人取引システム。
- 顧客操作により情報を入力される顧客端末装置とこの顧客端末装置に接続されたセンタ端末装置とから構成される無人取引システムにおいて、
上記顧客端末装置に具備され顧客の虹彩データを取得する虹彩データ取得部と、
顧客の上記個人情報と該顧客の虹彩データとを登録するデータベースとを設け、
上記顧客端末装置では顧客の本人を特定する個人情報を上記センタ端末装置へ送信すると共に、上記虹彩データ取得部で顧客の虹彩データを取得し、取得した虹彩データを上記センタ端末装置へ送信し、
該センタ端末装置では上記データベースに登録されている個人情報の中に、上記顧客端末装置から送信されてきた個人情報と同一の個人情報があるか否か判断し、同一の個人情報がある場合には、上記顧客端末装置から送信されてきた虹彩データが、同一の個人情報と共に上記データベースに登録されている虹彩データと一致するか否か判断し、一致しない場合には取引不成立とし、
上記顧客端末装置から送信されてきた個人情報と同一の個人情報が上記データベースに登録されていない場合には、上記顧客端末装置から送信されてきた虹彩データが上記データベースに登録されている全ての虹彩データのいずれかと一致するか否か判断し、一致する虹彩データがある場合には取引不成立とすることを特徴とする無人取引システム。
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