JP3565185B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定領域に入賞すると、遊技者に有利となる権利が発生し、その権利中に、特定領域に入賞すると権利が消滅する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の形式として第3種のパチンコ機があり、このパチンコ機には、遊技領域に入賞装置と図柄表示器と遊技球が通過可能な作動口(検出器を付設)を備えている。
そして、作動口を通過する遊技球が検出器で検出されると、入賞装置に入賞し易い状態になり、入賞した遊技球のうち一部が判定検出器で検出され、その遊技球は振分装置で受け止められて、図柄表示器を介して図柄表示ゲームが行われる。この図柄表示ゲームは、抽選手段で当たりと外れの判定を行うと共に、前記図柄表示器の図柄を変動し、当たりのときには当たり図柄を、外れのときには外れ図柄を停止表示する。
【0003】
そして、前記受け止められた遊技球は、振分装置を介して、判定結果に基づいて、外れのときには普通領域に案内され、当たりのときには特定領域に案内されて権利が発生する。
この振分装置として、特開平6−63224号公報には、球受部の両側に、押出し部を付設の第1のゲート片と第2のゲート片を電磁ソレノイドで往復動可能に設けてある機構が開示してある。そして、当たりであるときには、第2のゲート片を作動して特定通路に案内し、外れのときには普通領域に案内する。
しかし、遊技球が特定領域に入賞して、遊技者に有利な権利が発生し、その権利中に、入賞装置に入賞した遊技球が判定検出器で検出され、抽選した結果、再度、振分装置を介して、特定領域に入賞すると、せっかく獲得した権利が消滅する。
そのため、この第3種のパチンコ機は、遊技者に、権利中における多量の賞品球を獲得する状態を楽しませると共に、特定領域に遊技球を入賞させないようにしなければならないという、興味を持たせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記第3種のパチンコ機は、当たりとなるまでは、特定領域に入賞するように遊技球を打球するが、権利が発生した後においても、残っている遊技球(入賞球)に対しても判定され、その結果、当たりになると、再度、特定領域に入賞することになって権利が消滅することになる。
又、次の入賞球が判定検出器によって検出されるときに、振分装置が作動後に残留球があると、その残留球によって、正常な入賞球に対して、判定検出器での検出が妨げられる恐れがある。
そこで、これらの形式の遊技機において、遊技者に不利となる事態を解消することが望まれているので、本発明は新たな形式の遊技機を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遊技機は、遊技球を普通領域53aと特定領域53bに案内する振分装置を備え、遊技球を受け入れる振分装置には、垂直方向に誘導路52を形成すると共に、その誘導路52の上から下に向けて、順次、阻止体60、判定検出器49、第1誘導体70及び第2誘導体80が配設してある。
前記阻止体60は、阻止体60に設けられた開口63を流下する遊技球を、判定検出器49で検出可能な第1状態、又は、遊技球が前記開口63を流下せず判定検出器49で検出不可能な第2状態に変更可能である。又、前記第1誘導体70は、前記判定検出器49で検出した遊技球を、第1誘導体70に設けられた開口73を流下可能な第1状態と受体74に載置し排出口79に案内可能な第2状態に変更可能である。又、前記第2誘導体80は、前記第1誘導体70の開口73から流下する遊技球を保持し、前記第1誘導体70の第2状態への変更によって特定領域53bに導く第1状態、又は、保持しなくて普通領域53aに案内する第2状態に変更可能である。そのため、阻止体60、第1誘導体70、第2誘導体80を第1状態又は第2状態にすることによって、遊技球を特定領域53b又は普通領域53aに案内することができる。
又、請求項2の遊技機は、誘導路52に出没自在の開口63と受体64を備える阻止体60、誘導路52に出没自在の開口73と受体74を備える第1誘導体70、及び、誘導路52に出没自在の受体84を備える第2誘導体80における第1状態と第2状態の変更は、各々スライドによって可能であるので、簡便に変更できる。
請求項3の遊技機は、阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、遊技球が判定検出器49で検出されたことによる抽選結果が当たりのときには、第2誘導体80を第1状態に維持すると共に第1誘導体70を第2状態にすることによって遊技球を特定領域53bに案内可能である。一方、外れのときには第1誘導体70を第1状態で維持すると共に第2誘導体80を第2状態にすることによって遊技球を普通領域53aに案内可能である。
請求項4の遊技機は、阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、遊技球Yaが阻止体60の開口63を流下して判定検出器49で遊技球Yaを検出した後に、前記阻止体60を第2状態にすることによって、次の遊技球Ybを排出口69から排出可能である。そのため、遊技球Ybは判定検出器49で検出されないので、当たりを連続して生起することを防止できる。
請求項5の遊技機は、阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、阻止体60に設けられた開口63を連続して流下する遊技球Ya、Ybは判定検出器49を流下して第2誘導体80で受け止められる。そして、前記最初の遊技球Yaが前記判定検出器49で検出されることに基づく抽選結果が当たりであると、第1誘導体70を第2状態に変更することで、前記最初の遊技球Yaは第1誘導体70の下部に形成の特定領域53bに案内され、次の遊技球Ybは第1誘導体70の受体74に載置して排出口79から排出されるので、連続する遊技球Ya、Ybに対して、当たりを連続して生起することを防止できる。 請求項6の遊技機は、阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、阻止体60に設けられた開口63を連続して流下する遊技球Ya、Ybは判定検出器49を流下し第2誘導体80で受け止められる。そして、最初の遊技球Yaが前記判定検出器49で検出されることに基づく抽選結果が外れであると、第2誘導体80を第2状態に変更することで、前記連続する遊技球Ya、Ybは第1誘導体70の下部に形成の普通領域53aに案内されるので、連続する遊技球Ya、Ybを円滑に普通領域53aに案内できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態をよく知られた構成の遊技機としてパチンコ機を取り上げて説明する。図1は遊技機の正面図、図2(A)は入賞装置20の正面図(尚、振分装置50は正面カバーを取り外した図)、図2(B)はA〜A断面図、図3(A)(B)は開閉爪21の正面図と側断面図、図4(A)(B)は振分回転体30の正面図と側断面図、図5は振分装置50の斜視図、図6(A)(B)(C)は振分装置50の構成部品図である。
【0007】
遊技機の遊技領域10のほぼ中央には、後記で詳述する入賞装置20が遊技盤8に穿設された孔に固定してあり、その入賞装置20の左下部には作動口7が配置してある。そして、前記入賞装置20には、一対の開閉爪21、振分回転体30、振分装置50を備えている。
【0008】
又、入賞装置20の上部には、「当たり図柄」と「外れ図柄」を表示する図柄表示器(2個の7セグメント表示器)11が設置してあり、入賞装置20の右部には、始動口(図示略)に入賞可能な球受け部95aを形成の入賞回転体95が配置してあり、その下部には開閉扉90aを有する大入賞口90が設置してある。そして、後述する権利中に、入賞回転体95を介して始動口(図示略)に入賞すると、大入賞口90は開成して、多量の賞品球を払出すことを可能にする。
尚、この遊技機には、球供給皿2、その下に球貯留皿3、発射ハンドル4等を備え、遊技球を遊技領域に打球してゲームを行い、入賞すると賞品球が払い出され、入賞しない球はアウト口5から排出される。
【0009】
次に、前記入賞装置20について図2〜図5を参照して説明すると、入賞装置20の頂部に設けてある開閉爪21は、遊技盤8の表面から前方に突出した位置に設けてあり、遊技球が前記作動口7に入賞すると、例えば、2秒間、開成状態を維持する。この開閉爪21は、図3(A)(B)に示すように、電磁ソレノイド22のプランジャー22aの往復動によって、固定回動軸23において回動するレバー24a、開閉爪21に連結の連結棒24bを介して、固定回動軸21aにおいて開閉動作をする。即ち、電磁ソレノイド22が「OFF(非励磁)」のときには、バネ22bの反発力によって、プランジャー22aが往動状態を維持し、レバー24a、連結棒24bを介して、開閉爪21は閉状態を維持する(図3(A))。
【0010】
一方、電磁ソレノイド22が「ON(励磁)」のときには、バネ22bを圧縮し、プランジャー22aが復状態を維持し、レバー24a、連結棒24bを介して、開閉爪21は開状態となる(図3(B))。
尚、開閉爪21の下部には、遊技球を検出する特定入賞検出器(近接スイッチ式等)25が流下路26に設置してあり遊技球を検出する。そして、その遊技球は、流下路26を落球して振分回転体30に案内される。
【0011】
前記開閉爪21の下部には、図4((A)(正面図)、(B)(側断面図))に示すように、6個の凹状の受入部31を形成し、常時、ステッピングモータ32によって回転する円盤状の振分回転体30が配置してある。
そして、その受入部31のうち、1個の受入部(V受入部31a)は、排出孔33から排出できない深さの凹部であり、V受入部31aに入った遊技球は後述する振分装置50に案内されるが、他の5個の受入部31bに入った遊技球は、振分回転体30の裏面側に形成の排出孔33から排出されて、入賞球(所定数の賞品球の払出を行う)として取り扱う。従って、振分回転体30を経て振分装置50に案内される遊技球は、確率1/6である。
尚、前記振分回転体30は時計方向に、所定時間をかけて1回転し、この回転する振分回転体30が円盤状であるので、回転中であっても、遊技球を噛むことなく円滑に受入部31に受け入れることができる。
【0012】
前記振分回転体30の下部には、振分回転体30からの遊技球を案内路38を介して受け入れる振分装置50が設置してあり、この振分装置50は、ケース体51に、上から阻止体60、第1誘導体70及び第2誘導体80を装着して構成してある。
尚、入賞装置20に設けてある開閉爪21と振分回転体30は、遊技盤8の表面から前方に突出した状態で形成してあるが、ケース体51の前面は遊技盤8の表面と同じ高さに形成してある。そして、この振分装置50の前面に空間58を形成し、遊技球が転動可能に、下部において前傾斜部59を形成して、振分装置50の前面の有効利用を図っている。
【0013】
ケース体51は合成樹脂等で製作の箱状であり、このケース体51の中央には、前記振分回転体30から案内路38を介して落球する遊技球を受け入れる誘導路52が垂直方向に形成してあると共に、この誘導路52に臨むことが可能に、水平方向に、上から阻止体60、第1誘導体70、第2誘導体80の誘導片62、72、82を装着可能なスライド孔60a、70a、80aが形成してあり、このケース体51には表蓋51aが取り付けてある。
又、前記阻止体60の下部には、前記誘導路52を流下する遊技球が通過すると検出する判定検出器(近接スイッチ形式)49が取り付けてあると共に、第1誘導体70及び第2誘導体80の下部には、前記誘導路52に対応する位置に設けてある普通領域53aに普通検出器58aが、その普通領域53aの右側に形成の特定領域53bには特定検出器58bが取り付けてある。
【0014】
阻止体60は、バネ65とストッパー片66と誘導片62で構成してあり、この誘導片62は電磁ソレノイド61のプランジャーと連結して往復動可能で、常時は、バネ65によってストッパー片66がケース体51に当接する位置にセットされる。また、このストッパー片66には、ガイド体66aが垂設してあり、ガイド溝66bに挿入してある。
又、この誘導片62には、前記誘導路52に対応したとき、遊技球を下に落球可能な開口63が周囲にガイド片67a、67bを介して形成してあると共に、その開口63の右側に位置し、その開口63に向けて下り傾斜の受体64が設けてある。
【0015】
又、前記誘導片62と一対で往復動する排出案内体68(図9参照)が設けてあり、この排出案内体68は、前記受体64が前記誘導路52に対応したとき、前記誘導路52の左側で、且つ、誘導片62の下部に設けてある排出口69と導通し、その受体64で受け止めた遊技球が開口63に向けて転動して、前記排出口69から排出する。
又、ケース体51に取り付けの表蓋51aには、前記電磁ソレノイド61が故障したときに備えて、プランジャーに対応する長さの点検操作孔68aが穿設してあり、この点検操作孔68aを介して電磁ソレノイド61のプランジャーを操作できる。
尚、常時は、電磁ソレノイド61が「OFF(非励磁)」であるので、阻止体60の開口63は、前記誘導路52に対応し、振分回転体30からの遊技球を流下させて、判定検出器49で検出可能である(第1状態)。
【0016】
第1誘導体70は、バネ75とストッパー片76と誘導片72で構成してあり、この誘導片72は電磁ソレノイド71のプランジャーと連結して往復動可能で、常時は、バネ75によってストッパー片76がケース体51に当接する位置にセットされる。また、このストッパー片76には、ガイド体76aが垂設してあり、ガイド溝76bに挿入してある。
この誘導片72には開口73が形成してあり、この開口73は前記誘導路52に対応して遊技球を受け入れたとき、その遊技球を落球可能に形成してある。又、その開口73の左側には、ケース体51の後ろ側に形成の排出口79に向けて下り傾斜の受体74が形成してあり、この受体74が前記誘導路52に対応して遊技球を受け止めたとき、その遊技球を排出口79に排出する。
【0017】
又、ケース体51に取り付けの表蓋51aには、前記電磁ソレノイド71が故障したときに備えて、プランジャーに対応する長さの点検操作孔78が穿設してあり、この点検操作孔78を介して電磁ソレノイド71のプランジャーを操作できる。
尚、常時は、電磁ソレノイド71が「OFF(非励磁)」であるので、第1誘導体70の開口73は前記誘導路52に対応していて、前記阻止体60の開口63からの遊技球は後述の第2誘導体80の受体84によって停留する(第1状態)と共に、前記排出口79は閉状態である。
【0018】
又、第2誘導体80は、バネ85とストッパー片86と誘導片82で構成してあり、この誘導片82は電磁ソレノイド81のプランジャーと連結して往復動可能で、常時は、バネ85によってストッパー片86がケース体51に当接する位置にセットされ、この誘導片82は前記誘導路52に対応したとき、遊技球を受け止めるコ字状の受体84が形成してある。また、前記ストッパー片86には、ガイド体86aが垂設してあり、ガイド溝86bに挿入してある。
又、ケース体51に取り付けの表蓋51aには、前記電磁ソレノイド81が故障したときに備えて、プランジャーに対応する長さの点検操作孔88が穿設してあり、この点検操作孔88を介して電磁ソレノイド81のプランジャーを操作できる。
尚、常時は、電磁ソレノイド81が「OFF(非励磁)」であるので、第2誘導体80の受体84は第1誘導体70の開口73に遊技球を停留可能に保持状態である(第1状態)。
【0019】
次に、前記構成の遊技機において、遊技者に不利にならない構成について、図7、図8の概念を示す制御フローを参照して説明する。
先ず、遊技球が作動口7に入賞したか否かを判断し(S10)、入賞していないときにはこの処理を終了する。
一方、遊技球が作動口7に入賞したときには、タイマtを初期化し(S11)、計数する(S11、S12)。このタイマtは、電磁ソレノイド22を介して、開閉爪21を開成している時間であり、例えば、2秒以上経過したときには、ステップ19に進んで、開閉爪21を閉成する(S13)。
【0020】
次に、開閉爪21を開成すると共に(S14)、カウンタcの初期化を行う(S15)。そして、遊技球が入賞して特定入賞検出器25で検出したか否かを検出し(S16)、この特定入賞検出器25によって検出する遊技球は計数され(S17)、4個になると、開閉爪21の開成状態が2秒間に到らないにも拘らず、開閉爪21を閉成する(S18、S19)。
【0021】
前記開閉爪21が開成中の遊技球は、振分回転体30の受入部31(31a、31b)に入り、V受入部31aに入った遊技球のみが、振分装置50に案内される。
尚、遊技者は、通常時において、遊技球を作動口7に入賞させることを試みると共に、開成中の開閉爪21に、多くの遊技球を入賞させようとするので、振分回転体30のV受入部31aに入った遊技球は、判定検出器49に案内され、「当たり」か否かの抽選回数が増加する。
そこで、これらの全ての遊技球に対して、抽選を実施すると、当たりとなった後に、再度、当たりとなることが生じ、権利が発生した後の僅かな時間後に、遊技球が特定領域に案内されて権利が消滅する。
【0022】
そこで、本発明は、係る事態をできるだけ避けるために、阻止体60、第1誘導体70及び第2誘導体80で構成の振分装置50が設けてある。
これらの阻止体60の電磁ソレノイド61、第1誘導体70の電磁ソレノイド71及び第2誘導体80の電磁ソレノイド81は、常時は「OFF」であるので(全てが第1状態)、前記振分回転体30のV受入部31aに入った遊技球Yaは、阻止体60の開口63を流下して、判定検出器49で検出すると共に第2誘導体80の受体84で保持されて第1誘導体70の開口73に停留される(図9(A))。
【0023】
前記判定検出器49が遊技球Yaを検出すると、阻止体60の電磁ソレノイド61が「ON(励磁)」に替り(S27)、受体64が誘導路52に対応して、その後の振分回転体30のV受入部31aに入った遊技球Ybは受体64で受け止めて、ケース体51の後部に形成の排出口69から排出する(第2状態)(図9(B))。
従って、判定検出器49が、遊技球Yaを検出した後に、即座に、次の遊技球Ybを検出することを防止する。
そして、前記判定検出器49が遊技球を検出したことに伴って抽選を行う(S28)。
【0024】
この抽選手段は、よく知られているように、例えば、0〜9の循環カウンタ(2ms毎に1加算する)をソフトウエアで作成し、前記判定検出器49で遊技球が検出されたとき、その循環カウンタの値が、例えば、「7(確率1/10)」であるとき、当たりとする。
そして、当たりか否かの判定を実施した後に、図柄表示器11には、数字0〜9の図柄を変動表示した後に確定表示する。例えば、当たりの確定表示が「7、7」であるときには、先ず、左の桁に、所定時間後に「7」を、その後、右桁に「7」を停止表示する(S29)。尚、外れのときには、図柄表示器11には左右が異なる図柄が表示される。
【0025】
そして、前記抽選によって、当たりであるときには、第1誘導体70の電磁ソレノイド71を「ON(励磁)」にすることによって、受体84で保持され開口73に停留の遊技球Yaは、特定領域53b側に案内され(第2状態)、特定検出器58bで検出されて「権利」が発生する(S31、S32)(図9(C))。その後、第1誘導体70の電磁ソレノイド71を「OFF」にして、元の状態に戻す(第1状態)。尚、前記権利が発生し、その後、この権利が消滅するまで、入賞装置20の右部に設置の球受け部95aを介して始動口(図示略)に入賞すると、大入賞口90が所定時間或いは所定の入賞個数になるまで開成することを、予め設定回数繰返して多量の賞品球の払出を可能にする。
反対に、当たりでないときには、第2誘導体80の電磁ソレノイド81を「ON(励磁)」にして、第2誘導体80の受体84を左に移動させて遊技球Yaの保持を止めて(第2状態)、遊技球Yaは普通領域53aに案内して、普通検出器58aで検出することによって「入賞球」として扱う(S33、S34)(図9(D))。その後、第2誘導体80の電磁ソレノイド81を「OFF」にして、元の状態に戻す(第1状態)。
尚、前記検出器58a、58bで遊技球を検出すると、阻止体60の電磁ソレノイド61を「OFF」にして、元の状態に戻す(第1状態)。
【0026】
以上のように、振分回転体30のV受入部31aに入った遊技球は、判定検出器49で検出されると共に、阻止体60によって、それ以後の遊技球を判定検出器49に案内しないで排出口69に案内し、当たりの判定結果によって、第1誘導体70及び第2誘導体80を介して、普通領域53a又は特定領域53bに案内する。
【0027】
次に、阻止部材60は判定検出器49で遊技球を検出すると、図9(B)に示すように、阻止体60の電磁ソレノイド61が「ON」に替るが、この電磁ソレノイド61が故障したとき、或いは作動が遅れたとには、図10(A)に示すように、連続した遊技球Ya、Ybが、第2誘導体80の受体84で受け止められる状態となり、この場合の処置について説明する。
判定検出器49が遊技球Yaを検出すると、抽選が実行され、当たりであるときには、第1誘導体70の電磁ソレノイド71を「ON」にすることによって、受体84で保持され開口73に停留の遊技球Yaは、特定領域53b側に案内され、特定検出器58bで検出されて「権利」が発生する。
【0028】
一方、遊技球Ybは、前記第1誘導体70のスライドに伴って、受体74で保持され、排出口79から排出される(図10(B))。即ち、遊技球Ybは、受体74を介して排出口79から排出されるので、普通領域58aを介して排出する必要がないので、第2誘導体80を作動させることなく処理できる。
その結果、次の遊技球Ybが判定検出器49で検出されるが、抽選を実施することがないようにソフトウエアを作成してある。従って、権利が発生した後、短時間に、再度、特定領域に入賞させることを防止することができる。
又、この第1誘導体70の電磁ソレノイド71が「ON」を維持し、「OFF」にならない等の故障が生じたときには、次の遊技球は受体74を介して排出口79から排出されるので支障がない。
【0029】
又、抽選結果が、外れであるときには、第2誘導体80の電磁ソレノイド81を「ON」にすることによって、第2誘導体80の受体84は左に移動して、受け止めていた遊技球Ya、Ybは普通領域53aに案内されて、普通検出器58aで検出することによって「入賞球」として扱う(図10(C))。
以上のように、連続した遊技球Ya、Ybが、第2誘導体80の受体84で受け止められた場合であっても、抽選結果が当たりのときには、第1誘導体70の電磁ソレノイド71を「ON」に、外れのときには第2誘導体80の電磁ソレノイド81を「ON」にすることによって、連続して特定領域53bに入賞することを防止できる。
【0030】
尚、前記構成の遊技機は、権利中に、判定検出器49によって遊技球が検出され、抽選の結果、当たりとなり、特定領域53bに入賞すると、「権利」が消滅するが、多くの遊技者は、権利が成立したときには、入賞回転体95を狙って打球するので不利益を被らないと推定できる。
しかし、係る不利益に対する対策として、権利中(特定検出器58bで遊技球を検出して権利が発生してから、権利が消滅する迄)においては、抽選を行わないように構成したり(例えば、ステップ26で判定検出器49が検出してもリターンに進む)、抽選は行うが「当たり」を発生しないように構成したり、或いは、例え、抽選を行って当たりが生じたとしても、必ず、第2誘導体80の電磁ソレノイド81を「ON」にして、遊技球を普通領域53aに案内するように構成したり(ステップ30において、必ず、ステップ33を実行する)。
更には、権利中においては、所定時間が経過するまで、遊技球を判定検出器49で検出不可とする構成にして、早期に権利消滅するのを防止する構成を付加してもよい。
又、この遊技機に付設の入賞装置や、それを構成する部品等は、適宜選定して他の形式の遊技機に適用できることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の遊技機は、阻止体、判定検出器、第1誘導体及び第2誘導体を介して、遊技球を特定領域53b又は普通領域53aに案内することができる。
又、請求項2の遊技機は、第1誘導体70と第2誘導体80を第1状態と第2状態に変更するのに、スライドによって可能であるので、簡便に変更できる。
請求項3の遊技機は、当たりのときには第1誘導体70によって遊技球を特定領域53bに、外れのときには第2誘導体80を第2状態にすることによって遊技球を普通領域53aに、容易に案内することができる。
請求項4の遊技機は、判定検出器49で最初の遊技球Yaを検出すると、阻止体60を第2状態にすることによって、次の遊技球Ybを判定検出器49に案内しないで、排出口69から排出可能であるので、当たりを連続して生起することを防止できる。
請求項5の遊技機は、連続する遊技球Ya、Ybに対して、抽選結果が当たりであっても、次の遊技球Ybは排出口79から排出されるので、当たりを連続して生起することを防止できる。
請求項6の遊技機は、連続する遊技球Ya、Ybに対して、抽選結果が外れであるときには、第2誘導体80を第2状態に変更することで、何れも普通領域53aに円滑に案内できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】(A)は入賞装置の正面図、(B)はA〜A断面図である。
【図3】(A)は開閉爪が閉成時の正面図と側断面図、(B)は開閉爪が開成時の正面図と側断面図である。
【図4】(A)(B)は振分回転体の正面図と側断面図である。
【図5】振分け装置の斜視図である。
【図6】(A)は阻止体、(B)は第1誘導体、(C)は第2誘導体の図である。
【図7】制御フロー図である。
【図8】制御フロー図である。
【図9】(A)(B)(C)(D)は振分装置の作用を説明する図である。
【図10】(A)(B)(C)は振分装置の作用を説明する図である。
【符号の説明】
7 作動口
8 遊技盤
20 入賞装置
30 振分回転体
49 判定検出器
50 振分装置
53a 普通領域
53b 特定領域
60 阻止体
70 第1誘導体
80 第2誘導体

Claims (6)

  1. 遊技球を普通領域と特定領域に案内する振分装置を備える遊技機であって、
    遊技球を受け入れる振分装置には、垂直方向に誘導路52を形成すると共に、その誘導路52の上から下に向けて、順次、阻止体60、判定検出器49、第1誘導体70及び第2誘導体80を配設し、
    前記阻止体60は、阻止体60に設けられた開口63を流下する遊技球を、判定検出器49で検出可能な第1状態、又は、遊技球が前記開口63を流下せず判定検出器49で検出不可能な第2状態に変更可能であり、
    前記第1誘導体70は、前記判定検出器49で検出した遊技球を、第1誘導体70に設けられた開口73を流下可能な第1状態と、受体74に載置し排出口79に案内可能な第2状態に変更可能であり、
    前記第2誘導体80は、前記第1誘導体70の開口73から流下する遊技球を保持し、前記第1誘導体70の第2状態への変更によって特定領域53bに導く第1状態、又は、保持しなくて普通領域53aに案内する第2状態に変更可能であることを特徴とする遊技機。
  2. 誘導路52に出没自在の開口63と受体64を備える阻止体60、誘導路52に出没自在の開口73と受体74を備える第1誘導体70、及び、誘導路52に出没自在の受体84を備える第2誘導体80における第1状態と第2状態の変更は、各々スライドによって可能であることを特徴とする請求項1の遊技機。
  3. 阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、遊技球が判定検出器49で検出されたことによる抽選結果が当たりのときには、第2誘導体80を第1状態に維持すると共に第1誘導体70を第2状態にすることによって遊技球を特定領域53bに案内可能であり、
    外れのときには第1誘導体70を第1状態で維持すると共に第2誘導体80を第2状態にすることによって遊技球を普通領域53aに案内可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊技機。
  4. 阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、遊技球Yaが阻止体60の開口63を流下して判定検出器49で遊技球Yaを検出した後に、前記阻止体60を第2状態にすることによって、次の遊技球Ybを排出口69から排出可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊技機。
  5. 阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、阻止体60に設けられた開口63を連続して流下する遊技球Ya、Ybは判定検出器49を流下して第2誘導体80で受け止められ、
    前記最初の遊技球Yaが前記判定検出器49で検出されることに基づく抽選結果が当たりであると、第1誘導体70を第2状態に変更することで、前記最初の遊技球Yaは第1誘導体70の下部に形成の特定領域53bに案内され、次の遊技球Ybは第1誘導体70の受体74に載置して排出口79から排出されることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊技機。
  6. 阻止体60と第1誘導体70と第2誘導体80が第1状態であり、阻止体60に設けられた開口63を連続して流下する遊技球Ya、Ybは判定検出器49を流下し第2誘導体80で受け止められ、
    最初の遊技球Yaが前記判定検出器49で検出されることに基づく抽選結果が外れであると、第2誘導体80を第2状態に変更することで、前記連続する遊技球Ya、Ybは第1誘導体70の下部に形成の普通領域53aに案内されることを特徴とする請求項1又は請求項2の遊技機。
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