JP3565028B2 - 転写用の金属ペーストおよびバンプ形成方法 - Google Patents

転写用の金属ペーストおよびバンプ形成方法 Download PDF

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    • H01L2224/11Manufacturing methods

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  • Conductive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品などの接合用として転写により塗布される転写用の金属ペーストおよびこの金属ペーストを用いたバンプ形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品などの接合用として、金属ペーストを用いる方法が知られている。この方法は、半田接合性を向上させるために用いられるフラックス中に、導電性で半田濡れ性の良い金属粉末を含有させたものである。金属粉末として金、銀や銅などを用いたものは、半田バンプや半田ボールなど被接合部が半田である場合に用いられ、また金属粉末として半田を用いたものは、被接合部が半田の場合はもちろん、それ以外の金、銀や銅などの金属である場合にも用いられる。
【0003】
本来半田接合性を向上させる目的で塗布されるフラックス中に金属粉末を含有させることにより、接合部に導電体である金属を供給することとなり、接合部の体積を増強して接合強度を補強するとともに、十分な導通断面を確保して良好な導電性を得ることができるという効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接合部に上記金属ペーストを供給する方法として、金属ペーストを転写により塗布する方法が広く用いられている。例えば半田ボールを電極に移載して半田バンプを形成する例では、半田ボールに金属ペーストを転写した後に、この半田ボールをワークの電極上に移載する。この方法によれば、ワークの電極に予め金属ペーストを印刷する方法と比較して、工程を簡略化できるという利点がある。
【0005】
しかしながら、従来の金属ペーストには、転写によって塗布する場合の転写体積を十分に確保することが困難であり、その結果十分な接合が行われず接合不良の発生頻度が高いという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、転写体積を十分に確保することができ、接合不良を減少させることができる転写用の金属ペーストおよびバンプ形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の転写用の金属ペーストは、導電性で半田濡れ性が良く溶融した半田を半田接合される電極の表面へ導くための金属粉末をフラックスに含有させて成り、接合部に転写により供給される転写用の金属ペーストであって、前記金属粉末に箔状の粉末を含む
【0009】
請求項記載のバンプ形成方法は、半田ボールに請求項1記載の転写用の金属ペーストを転写により塗布する工程と、前記金属ペーストが塗布された半田ボールをワークの電極上に移載する工程と、前記半田ボールが移載されたワークを加熱することにより、前記半田ボールを溶融し、前記金属粉末で溶融した半田を前記電極の表面へ導き到達させてこの半田ボールを前記電極に接合するようにした。
【0010】
請求項記載のバンプ形成方法は、ワークの電極に請求項1記載の転写用の金属ペーストを転写により塗布する工程と、この金属ペーストが塗布された電極上に半田ボールを移載する工程と、前記半田ボールが移載されたワークを加熱することにより、前記半田ボールを溶融し、前記金属粉末で溶融した半田を前記電極の表面へ導き到達させてこの半田ボールを前記電極に接合するようにした。
【0011】
各請求項記載の発明によれば、転写時の転写体積を十分に確保して、接合不良を減少させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の半田ボールの移載装置の転写部の部分断面図、図2(a),(b)は同半田ボールの移載装置の転写部の拡大断面図、図3(a),(b),(c)は同基板の部分断面図、図4(a),(b)、図5(a),(b),(c),(d),(e)は、同ピン転写による半田バンプ形成の工程説明図、図6(a)は同金属含有量と金属ペーストの粘度との関係を示すグラフ、図6(b)は同金属含有量と転写体積との関係を示すグラフ、図6(c)は同金属含有量と接合不良発生率との関係を示すグラフである。
【0013】
まず、図1、図2を参照して半田ボールに金属ペーストを転写により塗布する方法について説明する。図1に示す半田ボールの移載装置の金属ペーストの転写部6は、容器13とスキージユニット9より構成される。容器13は水平の平らな底面を有しており、この底面上に金属ペースト14を貯溜する。スキージユニット9は2つのスキージ7を上下動させる2つのシリンダ8を備えている。2つのスキージ7は図1に示すようにそれぞれ異る方向に傾斜しており、シリンダ8のロッドが下降した状態では、スキージ7の下端部と容器13の底面との隙間は所定隙間dに保たれる。この状態でスキージユニット9が水平往復動することにより、2つのスキージ7は容器13内に貯留される金属ペースト14を、容器13の底面上に前述の隙間dに等しい所定厚さdで塗布する。
【0014】
次に、ここで用いられる金属ペースト14について説明する。金属ペースト14は、半田接合性向上の目的で用いられるフラックスに、金や銀、銅などの導電性でかつ半田濡れ性の良い金属粉末を含有させたものであり、接合部に転写により供給される。金属ペースト14中の金属粉末の含有量は、金属ペースト14に対する体積比で10〜40%の範囲内に設定される。金属粉末の含有量をこのように設定することの意義については後述する。また金属粉末の形状として、薄い箔状のものなどの非球状の粉末を含ませることにより、容器13の底面上に金属ペースト14を塗布した際に、フラックス中で金属粉末が沈降分離しにくくなり、転写時に安定した量の金属粉末を転写できるという効果を得ることができる。
【0015】
ここで、金属ペースト14の金属粉末の種類と、被接合部の材質との関係について説明する。本実施の形態では、金属粉末として金や銀などの金属を用いているが、これは後述するように導電性ボールとして半田ボールを用いることによるものである。
【0016】
次に半田ボールへの金属ペースト14の塗布について説明する。図1に示すように、半田ボール5を吸着孔10aに真空吸着した吸着ツール10を金属ペースト14が塗布された容器13上に位置させる。次いで図2(a)に示すように、吸着ツール10の下面を容器13の底面上から高さhの位置まで下降させる。高さhは、半田ボール5の下端部が容器13の底面に当接しない高さであり、半田ボール5の下面に適量の金属ペースト14が転写されるような高さとして、実際の試行により決定されるものである。なお、dが半田ボール5の直径以下であれば、半田ボール5を容器13の底面に当接させても良い。
【0017】
次いで、この状態から吸着ツール10を上昇させる。すると、容器13の底面に所定厚さdで塗布された金属ペースト14は半田ボール5の下面に転写されて付着したまま上昇する。このようにして図2(b)に示すように、半田ボール5の下面には金属ペースト14が転写により塗布される。
【0018】
次に半田ボール5の基板上への移載について説明する。図3(a)に示すように、ワークとしての基板11の下面には電極12が形成されており、この電極12上面に貫通孔11aを介して半田バンプが形成される。この基板11上に半田ボール5を吸着した吸着ツール10を移動させ、次いで吸着ツール10を貫通孔11a上に下降させる。次いで半田ボール5の真空吸着を解除して吸着ツール10が上昇することにより、半田ボール5は基板11の貫通孔11aの位置に移載される。このとき、図3(b)に示すように、貫通孔11a上の半田ボール5の下端部は、基板11の厚みにより電極12の上面に接触しないが、半田ボール5の下面に塗布された金属ペースト14は電極12の表面に接触した状態にある。
【0019】
次に、半田ボール5が移載された基板11をリフロー装置に送り、加熱する。これにより半田ボール5は溶融状態となるが、このとき金属ペースト14中には半田ぬれ性の良い金属粉末が含まれているので、溶融半田はこれら金属粉末に導かれて金属粉末の間を浸潤しながら下方へ移動する。そして溶融半田は電極12の表面に到達した後、冷却固化することにより電極12の表面に接合される。
【0020】
このとき金属ペースト14中のフラックス成分により、電極12や半田ボール5の表面の酸化膜が除去されて良好な半田接合が行われ、図3(c)に示すように電極12上に貫通孔11aを介して半田バンプ5’が形成される。また、金属ペースト14に混合されていた金属粉末は半田バンプ5’中に含有されるが、これらの金属粉末は導電性のものであるため電極12と半田バンプ5’との導通を阻害することはない。
【0021】
また、上記実施の形態では、バンプが形成される電極として、本実施の形態では基板の貫通孔の底部に位置する電極を対象とした例を示しているが、これに限定されず基板の表面に露呈された電極であってもよい。
【0022】
さらに、上記実施の形態では、半田ボール5に予め金属ペースト14を転写し、金属ペースト14が塗布された半田ボール5を電極12上に移載する例を示しているが、本発明はこれに限定されず、予め電極上12にピン転写によって金属ペースト14を塗布しておき、この後に半田ボール5を金属ペースト14が塗布された電極12上に移載するようにしてもよい。図4、図5はピン転写による半田バンプの形成方法の工程を示すものである。容器13上にスキージユニットで所定の膜圧で供給された金属ペースト14に、ピン20を下降上昇させてピン20の下端部に金属ペースト14を転写する(図4(a)、(b))。
【0023】
次に、このピン20を基板11の電極12に下降上昇させてピン20に転写された金属ペースト14を電極12に塗布する(図5(a)、(b)、(c))。この後、導電性ボール5を転写により塗布された金属ペースト14上に搭載し、加熱してバンプ5‘を形成する(図5(d)、(e))。
【0024】
ここで、金属ペースト14中の金属粉末の含有量を前記範囲内に設定することの意義を図4を参照して説明する。図6(a)に示すように、金属ペースト14の粘度は金属粉末の含有量の増加に伴って増大し、特に体積比で40%を越えると急激に増大する。図6(b)は、金属含有量と、被転写対象物(導電性ボール5やピン20)に転写される金属ペースト14の転写体積との関係を示している。図6(b)から判るように、転写体積は含有量の増加に伴って減少し、特に含有量が40%を越え、金属ペースト14の粘度の増大につれて急激に減少することを示している。
【0025】
すなわち、金属粉末の含有量が増加して金属ペースト14の粘度が増大すると、金属ペースト14が粘性によって転写対象物の表面に沿って這い上る量が少なくなるとともに、金属粉末を粘性によって転写対象物の表面に付着した状態で保持することができなくなることを示している。これに対し、金属粉末の含有量が10〜40%の範囲では、転写体積は含有量の増加とともに幾分減少するが、含有量自体の増加と合わせて考えると転写される金属粉末そのものの量はある所定範囲内に保たれていると考えてよい。
【0026】
この結果、図6(c)に示すように、金属粉末の含有量が40%を越えると、接合部に供給される金属粉末の全体量が減少することにより、接合不良の発生率が急激に高くなっている。金属含有量が10%に満たない場合にも同様に接合不良の発生率が高くなっているが、これは金属含有量が少ない場合には、金属ペースト14そのものの転写量としては十分な量が確保されるものの、その中に含有される金属粉末の量自体が少ないことによるものである。これに対し、含有量が10〜40%の範囲では、金属粉末が必要十分な量だけ供給されるため、接合不良の発生率をきわめて低く保つことができる。
【0027】
上記説明したように、フラックス中に金属粉末を含有させて成る金属ペーストにおいて、金属含有量を体積比で10〜40%の範囲内に設定することにより、転写時の転写体積を確保することができ、接合不良を減少させることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、転写時の転写体積を確保することができる。したがって接合部には十分な量の金属粉末が供給され、接合部を有効に補強するとともに十分な導通を確保して接合不良を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の半田ボールの移載装置の転写部の部分断面図
【図2】(a)本発明の一実施の形態の半田ボールの移載装置の転写部の拡大断面図
(b)本発明の一実施の形態の半田ボールの移載装置の転写部の拡大断面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態の基板の部分断面図
(b)本発明の一実施の形態の基板の部分断面図
(c)本発明の一実施の形態の基板の部分断面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
(b)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
【図5】(a)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
(b)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
(c)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
(d)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
(e)本発明の一実施の形態のピン転写による半田バンプ形成の工程説明図
【図6】(a)本発明の一実施の形態の金属含有量と金属ペーストの粘度との関係を示すグラフ
(b)本発明の一実施の形態の金属含有量と転写体積との関係を示すグラフ
(c)本発明の一実施の形態の金属含有量と接合不良発生率との関係を示すグラフ
【符号の説明】
5 半田ボール
5’ 半田バンプ
6 転写部
11 基板
12 電極
14 金属ペースト

Claims (3)

  1. 導電性で半田濡れ性が良く溶融した半田を半田接合される電極の表面へ導くための金属粉末をフラックスに含有させて成り、接合部に転写により供給される転写用の金属ペーストであって、前記金属粉末に箔状の粉末を含むことを特徴とする転写用の金属ペースト。
  2. 半田ボールに請求項1記載の転写用の金属ペーストを転写により塗布する工程と、前記金属ペーストが塗布された半田ボールをワークの電極上に移載する工程と、前記半田ボールが移載されたワークを加熱することにより、前記半田ボールを溶融し、前記金属粉末で溶融した半田を前記電極の表面へ導き到達させてこの半田ボールを前記電極に接合することを特徴とするバンプ形成方法。
  3. ワークの電極に請求項1記載の転写用の金属ペーストを転写により塗布する工程と、この金属ペーストが塗布された電極上に半田ボールを移載する工程と、前記半田ボールが移載されたワークを加熱することにより、前記半田ボールを溶融し、前記金属粉末で溶融した半田を前記電極の表面へ導き到達させてこの半田ボールを前記電極に接合することを特徴とするバンプ形成方法。
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