JP3563978B2 - 光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 - Google Patents
光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3563978B2 JP3563978B2 JP29788098A JP29788098A JP3563978B2 JP 3563978 B2 JP3563978 B2 JP 3563978B2 JP 29788098 A JP29788098 A JP 29788098A JP 29788098 A JP29788098 A JP 29788098A JP 3563978 B2 JP3563978 B2 JP 3563978B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- deflecting mirror
- light beam
- mirror
- lens
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近時、面記録密度が10Gビット/(インチ)2を越える光磁気ディスク装置の開発が進んでいる。この装置では、光磁気ディスクのトラックと交差する方向に例えば回動する粗動用アームの先端部に設けた対物光学系に対するレーザ光束の入射角をガルバノミラー等の偏向手段により微調整して、微動トラッキングを例えば0.34μmと狭いトラックピッチレベルで正確に行うようなことが考えられている。
【0003】
しかし、上記のような構成により微動トラッキングを行う場合、偏向ミラーの回転角度が大きくなると(すなわち、光束の入射角・反射角が大きくなると)光学的な性能が落ちるという問題がある。このため、偏向ミラーを回転させて微動トラッキングを行う場合には、例えば光検出により、偏向ミラーの基準位置からの回転量を検出して、回転量が所定範囲を超えないよう制御する必要がある。しかし偏向ミラーの回転軸に倒れがあると、その検出精度が保証されないという問題があり、精度良く偏向ミラーの回転量を検出する装置の出現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述のような背景に鑑みてなされたものであり、請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置は、レーザ光源から出射された光束を平行光束とした後、偏向ミラーを介して対物光学系に入射させて光ディスクに集光させる光情報記録再生装置に関するものである。
【0005】
請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置によると、偏向ミラーの回転位置を検出するための光束であって、該偏向ミラー上において該偏向ミラーの回転軸と直交する方向に延びる線状の検出用光束を投射する検出光射出手段と、該偏向ミラーにより反射され、少なくとも該偏向ミラーの回転軸と平行な方向に収束される検出用光束を受光する受光手段と、を備え、該偏向ミラーの回転軸と平行な方向において該偏向ミラー上と該受光手段上とが共役となるよう該偏向ミラーと該受光手段とを配置したことを特徴としている。
【0006】
ここで、前記光情報記録再生装置は、前記光ディスクに導かれる光束を射出する記録再生用光源を有し、前記検出用光束射出手段は前記記録再生用光源とは別の検出光射出用光源を有する構成とすることができる。
【0007】
さらに、前記検出光射出用光源と前記偏向ミラーとの間に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、前記検出用光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において収束するようにしてもよい。
【0008】
この時、前記検出光射出用光源として発散光を射出する光束を用い、前記第1のレンズとしてアナモフィックレンズを用いることができる。この場合、前記第1のレンズは、前記発散光を、前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向において平行光に変換するのが好ましい。
【0009】
前記検出光射出用光源としては、例えば発光ダイオードを用いることができる。
【0010】
また、前記光情報記録再生装置が有する、前記光ディスクに導かれる光束を射出するための記録再生用光源から射出された光束を、前記光ディスクに導かれる第1の光束と、前記検出用光束として用いられる第2の光束とに分割する光束分割手段を備える構成としても良い。
【0011】
この場合、前記光束分割手段と前記偏向ミラーとの間の前記第2の光束の光路中に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、前記第2の光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において、収束することが好ましい。
【0012】
一般に前記記録再生用光源が射出する光束は平行光であり、この時前記第1のレンズはシリンドリカルレンズにより構成することができる。
【0013】
前記受光手段は、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向に沿って配置された2つの受光領域を有する受光素子と、前記受光手段と前記偏向ミラーとの間に配置され、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第2のレンズと、を有する構成とすることができる。
【0014】
そして、前記2つの受光領域の受光光量に基づいて前記偏向ミラーの回転量を求める検出手段を更に有する構成とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、近年のコンピューターにまつわるハード、ソフトの進歩に伴う外部記憶装置への要求、特に大記憶容量への要求の高まりに対して提案されたニア・フィールド記録(NFR:near field recording) 技術と呼ばれる記録再生方式を用いた光磁気ディスク記録再生装置の概要を図1から図5を参照して説明する。
【0016】
図1はその光ディスク装置の全体概要図である。ディスクドライブ装置1には光ディスク2が図示しないスピンドルモータの回転軸に装着されている。一方、光ディスク2の情報を再生または記録するために回動(粗動)アーム3が光ディスク2の記録面に対して平行になるように取り付けられている。この回動アーム3はボイスコイルモーター4によって回転軸5を回転中心として回動可能となっている。この回動アーム3の光ディスク2に対向する先端には、光学素子を搭載した浮上型光学ヘッド6が搭載されている。また、回動アーム3の回転軸5近傍には光源ユニットおよび受光ユニットを備えた光源モジュール7が配設され、回動アーム3と一体となって駆動する構成となっている。
【0017】
図2、図3は回動アーム3の先端部を説明するものであり、特に浮上型光学ヘッド6を詳細に示す図である。浮上型光学ユニット6はフレクシャービーム8に取り付けられており(図3)、光ディスク2に対向して配置されている。また、フレクシャービーム8は他端で回動アーム3に固着されており、フレクシャービーム8の弾性力により先端部の浮上光学ユニット6は光ディスク2に接触する方向(図3においては下方向)に付勢されている。
【0018】
浮上型光学ユニット6は浮上スライダー9、対物レンズ10、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)11、磁気コイル12から構成されており、光源モジュール7から出射された平行光束であるレーザー光束13を光ディスク2上に収束させる働きをする。また、回動アーム3の先端部には前記レーザー光束13を浮上型光学ユニット6に導くための立ち上げミラー31が固着されている。立ち上げミラー31により反射されて対物レンズ10に入射したレーザー光束13は、対物レンズ10の屈折作用により収束される。この集光点近傍にはソリッドイマージョンレンズ(SIL)11が配置されており、前記収束光は更に微細なエバネッセント光15としてSIL11から射出され、光ディスク2に照射される。
【0019】
また、光ディスク2に面したソリッドイマージョンレンズ(SIL)11の周囲には、光磁気記録方式で記録するための磁気コイル12が形成されており、記録時には必要な磁界を光ディスク2の記録面上に印加出来るようになっている。このエバネッセント光15と磁気コイル12とにより、光ディスク2への高密度な記録および再生が可能となる。なお、浮上型光学ユニット6は光ディスク2の回転による空気流により微小量浮上するものであり、光ディスク2の面振れ等に追従する。このため従来の光ディスク装置では必要であった対物レンズの焦点制御(フォーカスサーボ)が本装置では不要となっている。
【0020】
以下、図4、図5を用いて回動アーム3上に搭載された光源モジュール7および浮上型光学ユニット6へ導かれる光束に関し詳細に説明する。回動アーム3は先端部に浮上型光学ユニット6を搭載し、他端にはボイスコイルモーター4を駆動するための駆動コイル16が固着されている。駆動コイル16は扁平状のコイルであり、図示せぬ磁気回路内に空隙をおいて挿入配置されている。回転軸5と回動アーム3はベアリング17により回動自在に締結されており、駆動コイル16に電流を印加することにより、駆動コイル16と磁気回路との間の電磁作用により、回転軸5を回転中心として回動アーム3を回動させることができる。
【0021】
回動アーム3上に搭載された光源モジュール7には半導体レーザー18、レーザー駆動回路19、コリメートレンズ20、複合プリズムアッセイ21、レーザーパワーモニターセンサー22、反射プリズム23、データ検出センサー24、およびトラッキング検出センサー25が配置されている。半導体レーザー18から射出された発散光束状態のレーザー光束は、コリメートレンズ20によって平行光束に変換される。この平行光束の断面形状は半導体レーザー18の特性から長円状である。光ビームを光ディスク2上に微小に絞り込むには長円状の断面では都合が悪いため、コリメートレンズ20から射出されたビームの断面を略円形断面に変換する必要がある。このためコリメートレンズ20から射出された断面長円状の平行光束を、複合プリズムアッセイ21に入射させることにより平行光束の断面形状を整形する。
【0022】
複合プリズムアッセイ21の、光束が入射する面21aは入射光線に対して所定の傾きを持つ斜面を形成しており、入射光を屈折させることにより平行光束の断面形状を長円形状から略円形形状に整形することが出来る。整形されたレーザー光束は複合プリズムアッセイ21内を進み第1のハーフミラー面21bに入射する。第1のハーフミラー面21bは光ディスク2から得られた情報を、データ検出センサー24、およびトラッキング検出センサー25に導くために設けられているが、光束の往路においては半導体レーザー18から出射されたレーザーの出力パワーを検出するためのレーザーパワーモニターセンサー22への光束を分離する役目を果たす。
【0023】
レーザーパワーモニターセンサー22は受光した光の強度に比例した電流を出力するため、図示せぬレーザーパワーコントロール回路にレーザーパワーモニターセンサー22の出力を帰還させることにより、半導体レーザー18の出力を安定化させることが出来る。複合プリズムアッセイ21から出射された略円形断面形状をもったレーザー光束13は偏向ミラー26に照射され、その進行方向が変えられる。この偏向ミラー26は図4の紙面に垂直な軸を回動中心とするガルバノモーター27に取り付けられており、レーザー光束13を紙面に平行な方向に微小角度振る(偏向させる)ことが出来るようになっている。
【0024】
偏向ミラー26で反射されたレーザー光束13は、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ(イメージングレンズ)30を経て、立ち上げミラー31で反射された後、浮上型光学ユニット6に至る。この第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30は、偏向ミラー26の反射面近傍と浮上型光学ユニット6に配置されている対物レンズ10の瞳面(主平面)との関係が共役関係になるようにするもので、リレーレンズ光学系を形成する。
【0025】
光ディスク2上の集光ビームが所定のトラックから僅かにずれた場合、偏向ミラー26を僅かに回転させることにより対物レンズ10に入射させるレーザー光束13を傾かせ、光ディスク2上の焦点を移動させてトラッキング補正すを行う。しかし、この方式で焦点位置の補正を行う時、偏向ミラー26と対物レンズ10の光学的距離が長い場合は、対物レンズ10へ入射するレーザー光束13の移動量が大きくなり、対物レンズ10に入射しなくなる場合がある。
【0026】
この様な現象を回避するため、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30によって、偏向ミラー26の反射面と対物レンズ10の瞳面との関係を共役関係になるように設定し、偏向ミラー26が回動しても対物レンズ10に入射するレーザー光束13の入射位置は移動せず、傾きだけが変化するようにして、正確なトラッキング制御が可能となるようにしている。なお、基本的には光ディスク2の内周/外周に渡るアクセス動作は、ボイスコイルモーター4により回動アーム3を回動させて行い、極微小なトラッキング制御のみ偏向ミラー26を回動させて行う。
【0027】
光ディスク2から反射されて戻ってきた復路のレーザー光束13は、往路と逆に進み偏向ミラー26により反射されて複合プリズムアッセイ21に入射する。その後第1のハーフミラー面21bで反射され、第2のハーフミラー面21cに向かう。第2のハーフミラー面21cは、入射光束をトラッキング検出センサー25へ向かう透過光と、データ検出センサー24へ向かう反射光とに分離する。第2のハーフミラー面21cを透過したレーザー光束はトラッキング検出センサー25へ照射され、トラッキング検出センサー25は入射光束に基づいてトラッキング誤差信号を出力する。
【0028】
一方、第2のハーフミラー面21cで反射されたレーザー光束はウォラストンプリズム32により偏光分離され、かつ集光レンズ33によって収束光に変換後、反射プリズム23で反射されてデータ検出センサー24に照射される。データ検出センサー24は2つの受光領域をもっており、ウォラストンプリズム32により偏光分離された2つの偏光ビームをそれぞれ受光することにより、光ディスク2に記録されているデータ情報を読みとりデータ信号を出力する。なお、正確には前記トラッキング誤差信号およびデータ信号は図示せぬヘッドアンプ回路によって生成され、制御回路または情報処理回路に送られるものである。
【0029】
次に、偏向ミラー26の回転位置検出装置100について図6から図9を参照して説明する。
前述のように、トラッキングの微調整は偏向ミラー26を微少回動させることにより行っている。しかし、偏向ミラー26がある範囲を超えて回転すると光学的な性能が落ちるという問題もある。そのため、偏向ミラー26の回転量を検出する機構(回転位置検出装置100)を同じ回動アーム3内に持ち、常に、偏向ミラー5の角度位置を検出して、偏向ミラー26が所定の範囲を越えて回動しないよう制御している。
【0030】
なお、簡単のために、図6では立ち上げミラー31、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)11は図示を省略し、光路を展開して示している。
【0031】
回転位置検出装置100は、図6に示すように、偏向ミラー26の反射面に、外部に設けられたLED光源101の光を第1のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)102で集光し、偏向ミラー26の回動軸01と直交する方向に延びる線状の光スポットを偏向ミラー26の反射面上に投影する。そして、偏向ミラー26により反射された線状の光スポットを第1のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)102と同様の第2のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)103により元の断面形状に戻した後、偏向方向に沿って分割された2つの受光領域を有するフォトディテクター104で受光し、両受光領域における受光量の差に基づいてガルバノミラーの偏向角度を検出するものである。
【0032】
第1のアナモフィックレンズ102は、偏向ミラー26の回動方向(図6においてはX−Y平面上)についてはLED光源101から射出された発散光束を略平行光にすると。また、第1のアナモフィックレンズ102は、偏向ミラー26の軸01と平行な方向については、光束を偏向ミラー26の反射面上に収束させる。
【0033】
図6に示す直交座標におけるX−Y平面上での光束を図7(A)に示し、Z軸方向での光束を図7(B)に示す。なお、図7(A)、(B)は、光路を展開して示している。
上述のように、X−Y平面上(およびこれと平行な平面上)では、第1のアナモフィックレンズ102は、LED光源101から射出された光束をほぼ平行光に変換する。平行光は偏向ミラー26に入射し、反射されて第2のアナモフィックレンズ103に入射する。フォトディテクター104は第2のアナモフィックレンズ103のX−Y平面上(およびこれと平行な平面上)でのほぼ焦点の位置に位置しており、X−Y平面上(およびこれと平行な平面上)では平行光はフォトディテクター104上で収束する。
【0034】
一方、Z軸方向(偏向ミラー26の軸方向)においては、LED光源101から射出された光束は第1のアナモフィックレンズ102のZ軸方向のパワーにより偏向ミラー26上に収束し、さらに偏向ミラー26で反射された光束は第2のアナモフィックレンズ103のZ軸方向のパワーによりフォトディテクター104上で収束する。
【0035】
従って、図8に示すように、このLED光束は偏向ミラー26の回動方向(偏向ミラー26の回動軸と直交する方向)に延びる略線状のスポットAとして偏向ミラー26面に投射される。したがって、LED光束は偏向ミラー26の回転角度に対しては十分な検出感度を持つが、偏向ミラー26の回動軸01と直交する方向においては、光束が収束されているため、偏向ミラー26の傾きや回転に対して、ほとんど感度がない。なお、図中Lは、記録再生用の光束により偏向ミラー26上に形成されるスポットを示す。
【0036】
偏向ミラー26で反射された光束は、2分割されたフォトディテクター104の受光面105Aおよび105B(図9参照)上でスポットを形成する。このスポット位置は偏向ミラー26の回転角度に比例して動き、偏向ミラー26の回転角度量を検出することができる。
【0037】
フォトディテクター104は図9に示すように偏向ミラー26の回転方向に対して左右に2分割された受光面105Aおよび105Bを有している。偏向ミラー26が中立位置に位置決めされている場合に、図中右領域105Aと左領域105Bの受光光量が等しくなる位置にLED光源の光スポット像(SP1)が位置するように、受光面105Aおよび105Bが配置される。偏向ミラー26により反射された光束は、各領域で光電変換され、各領域からは、照射されている光量に応じた信号が出力される。偏向ミラー26が中立位置から回動されると、フォトディテクター104上に形成される光スポット像は、例えば図9のSP2で示される位置に形成される。この場合には、受光領域105Bの受光光量の方が領域105Aの受光光量より大きくなっている。両領域の出力信号の差から偏向ミラー26の回動量および方向を知ることができる。
【0038】
領域105Aは差動アンプ106の非反転入力端子(+)に接続され、領域105Bは差動アンプ106の反転入力端子(−)に接続されている。差動アンプ106は、左右領域105A、105Bから出力される信号の差動出力を出力する。この差動出力に基づいて偏向ミラー26の回転位置が検出される。
【0039】
前述のように、第1のアナモフィックレンズ102によって線状に集光する方向は、偏向ミラー26の回動軸01に直行する方向である。従って、偏向ミラー26の回動方向においてはミラーの回転角度成分を検出することができ、しかも偏向ミラー26の回動軸方向においては偏向ミラー26が傾いていてもフォトディテクター104上での光スポットはほとんど位置ずれを起こさない。従って、上記の構成により、偏向ミラー26の回転成分のみを検出することが可能である。
【0040】
図16は、トラッキングを行うための制御系のブロック図である。差動アンプ106の出力信号は、A/Dコンバータ406によりデジタル信号に変換された後にCPU450に入力される。CPU450は入力された信号に基づいて偏向ミラー26の回転位置を検出する。
【0041】
次に、CPU450は、検出された偏向ミラー26の回転位置と、トラッキング検出センサー25から出力されるトラッキング誤差信号とに基づいて、偏向ミラー26のみを回転させてトラッキングを完了した場合の(光スポットをトラック上に位置させた場合の)偏向ミラー26の回転位置を計算する。
【0042】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー26の位置が、偏向ミラー26の許容回動範囲内の位置であれば、CPU450は、ドライバ427Dを制御してガルバノモータ27を駆動し、偏向ミラー26を回転させて光スポットをトラック上に位置させる。
【0043】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー26の位置が上記許容回動範囲外であれば、CPU450は、トラッキングのための偏向ミラー26の回動量を回動アーム3の回動量に変換する。そして、ドライバ404Dを制御して、ボイスコイルモータ4を駆動し、偏向ミラー26ではなく、回動アーム3を回転させることにより、光スポットをトラック上に位置させる。なお、この時の回動アーム3の回動量は偏向ミラー26を中立位置に位置させた時の回動アーム3の回動量として計算する。従って、回動アーム3を回動させることによりトラッキングを完了した時点では、偏向ミラー26は中立位置に戻されている。なお、上記許容回動範囲は偏向ミラー26の中立位置を中心として正逆の回動方向に対し同一の回動量となるよう定められている。
【0044】
上記のようにしてトラッキングを行った後、必要があれば、さらに偏向ミラー26を回動させて微動トラッキングを行うようにしても良い。
【0045】
以上のように、図6の実施形態によれば、偏向ミラー26の回転角度を検出する光学系に、光束を偏向ミラー26の回転軸と平行な方向において収束させる作用を持つレンズ系を用いて、偏向ミラー26上で線状のスポットを形成することにより、偏向ミラー26の回転軸方向の傾きに起因する検出誤差等を避けることができ、従って偏向ミラー26の回転角度を正確に検出することができる。
【0046】
次に、第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態の光学系200の概略構成を示す斜視図である。光学系200は、固定ユニット201と可動ユニット202を有する。固定ユニット201には、半導体レーザ111、コリメートレンズ112、光束分割ユニット120、偏向ミラーユニット130が設けられている。
【0047】
可動ユニット202には、反射プリズム150および対物レンズ160が設けられている。なお、可動ユニット202は図示しない駆動機構により、図中矢印で示す、光ディスク170の半径方向に移動されるよう構成されている。
【0048】
図11は、図10に示す光学系の上面図であり、図12は光束分割ユニット120、偏向ミラーユニット130およびフォトディテクター140を拡大して示す斜視図である。
【0049】
図10、11に示すように、半導体レーザ111からコリメートレンズ112に向けてレーザ光束が射出される。半導体レーザ111から射出されるレーザ光束は発散光であり、かつ楕円状の断面を有している。
【0050】
半導体レーザ111から射出されたレーザ光束は、コリメートレンズ112により平行光束Pに変換され、光束分割ユニット120に入射する。光束分割ユニットは、光束分割プリズム121、ウォラストンプリズム125、集光レンズ126を有する。
【0051】
光束分割プリズム121の、コリメートレンズ112からの光束Pが入射する面は図11に示すように入射光束に対し所定量傾いており、また、半導体レーザ111は、射出する光束の断面(楕円形状)の短軸が図11の紙面と平行となるよう配置されている。この構成により、光束分割プリズム121に入射した断面楕円形状の光束Pは、入射する光束分割プリズム121の端面により断面形状が短径方向において拡大され、ほぼ円形の断面に整形される。
【0052】
光束分割プリズム121に入射した光束は、偏向ミラー131を介して光ディスク170へ向かう第1の光束Lと、偏向ミラー131の回転量を検出するための第2の光束Aとに分割される。
【0053】
図12に示すように、光束分割プリズム121の、光束Pが入射する面122aは、光束透過コートが施された透過領域122bと反射コートが施された反射領域122cを有する。コリーメートレンズ112から射出された光束は、透過領域122bに入射する。
【0054】
光束分割プリズム121には、ハーフミラー面124が形成されており、透過領域122bに入射した光束の一部はハーフミラー面124を透過し、偏向ミラー131に向けて、光束分割プリズム121より射出される(第1の光束L)。光束Lは、偏向ミラー131により反射され、反射プリズム150により反射されて対物レンズ60に入射し、光ディスク170の情報記録面上で収束する。
【0055】
光ディスク170で反射された第1の光束L’は対物レンズ160、反射プリズム150を介して偏向ミラー131に導かれ、光束分割プリズム121に入射する。この反射光束L’は、ハーフミラー面124で反射され、ウォラストンプリズム125によりサーボ制御用の光束とデータ検出用の光束とに分離され、集光レンズ126を介してフォトセンサ180に入射する。
【0056】
フォトセンサ180ではサーボ制御用の光束およびデータ検出用の光束がそれぞれ光電変換され、サーボ信号及びデータ信号として出力される。サーボ信号には、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とが有り、それぞれ目標位置に対するエラー信号が生成されている。フォーカスエラー信号に基づいて対物レンズ160の駆動装置(図示せず)を駆動することにより、第1の光束Lの光ディスク170の情報記録面上における合焦状態が制御される。また、一般に光ディスクのピットまたはトラック溝から得られるトラッキングエラー信号に基づいて偏向ミラーユニット130の偏向ミラー131を駆動することにより、第1の光束Lの光ディスク170の記録面上における半径方向の位置が微調整される。
【0057】
本実施形態において、偏向ミラー131は光ディスク170の平面と平行な軸αを中心として回転する。従って、偏向ミラー31の回転に応じて偏向ミラー131から反射プリズム150に導かれる光束Lは、光ディスク170の平面に直交する方向に偏向し、反射プリズム150から光ディスク170に向かう光束は、光ディスク170の半径方向に偏向される。
【0058】
一方、コリメートレンズ112から射出され、光束分離プリズム121に入射した光束のうちハーフミラー面124で反射された光束はさらに反射領域122cで反射され、図11、12に示すように、シリンドリカルレンズ161を介して偏向ミラー131に入射する。シリンドリカルレンズ161は偏向ミラー131の回転軸αと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の光束Aの入射位置近傍となるように配置されている。従って、光束Aは、回転軸αと平行な方向においては、反射面上で収束する。このため、第2の光束Aは、偏向ミラー131の反射面上で、回転軸αと直交する方向に延びる線状の像を形成する。
【0059】
図11に示すように、第1の光束Lと第2の光束Aとは偏向ミラー131に異なる入射角度で入射する。本実施形態においては、第2の光束の偏向ミラー131への入射角度は、第1の光束Lの入射角度より小さくなっている。従って、第2の光束Aは、偏向ミラー131で反射された後(図中Bで示す光束)は、対物レンズ160へは向かわず、図11に示すように、シリンドリカルレンズ162を介してフォトディテクター140に入射する。
【0060】
シリンドリカルレンズ162も、偏向ミラー131の回転軸αと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の光束Aの入射位置近傍となるよう配置されている。
【0061】
上記の構成により、フォトディテクター140には、断面がほぼ円形状の平行光束が入射する。
【0062】
図13は、フォトディテクター140の構成と位置検出装置145およびAPC(自動出力制御装置)の関係を示す図である。
フォトディテクター140は、フォトダイオード141と差動アンプ142および加算器143を有する。
フォトダイオード141は、偏向ミラーの回転軸αと直交する方向に配列された2つの受光領域141aと141bとを有する。偏向ミラー131が中立位置に位置している時、フォトダイオード141に入射する光束Bの中心が2つの受光領域141aと141bの中間に位置するようになっている。すなわち、偏向ミラー131が中立位置にあるとき、受光領域141aと141bは同一光量の光を受光することになる。
【0063】
光束Bはフォトダイオード141により光電変換され、受光領域141aと141bそれぞれから、受光光量に対応した信号が出力される。受光領域141aおよび141bは、それぞれ差動アンプ142および加算器143に接続されている。
【0064】
差動アンプ142からは、受光領域141aと141bでの受光光量の差に対応した信号が出力される。この差動アンプ142からの出力信号は位置検出装置145に入力され、ここで、偏向ミラー131の回転位置が演算され検出される。
【0065】
上記のようにして求められた偏向ミラー131の回転位置と、トラッキングエラー信号に基づいて、第1の実施形態の場合と同様のトラッキング処理が実行される。
すなわち、検出された偏向ミラー131の回転位置と、フォトセンサ180から出力されるトラッキングエラー信号とに基づいて、偏向ミラー131のみを回転させてトラッキング完了時の(光スポットをトラック上に位置させた場合の)偏向ミラー131の回転位置を計算する。そして、もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー131の位置が所定の許容回動範囲内の位置であれば、偏向ミラー131を回転させてトラッキングを行う(光スポットをトラック上に位置させる)。
【0066】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー131の位置が上記所定の許容回動範囲外であれば、偏向ミラー131ではなく、可動ユニット202を移動させることにより、トラッキングを行う。
【0067】
また、加算器143からは、受光領域141aと141bの受光光量の和に対応する信号が出力される。この加算器143の出力信号は、APC回路146に入力される。APC回路は、加算器143から入力された信号、すなわちフォトディテクター140に入射する光量の総和に基づいて、半導体レーザ111から射出されるレーザ光束の強度を制御する。
【0068】
図14は、第3の実施形態の光学系300の構成を示す斜視図である。第2の実施形態と同一の部材にには同一の符号を付してある。本実施形態においては、対物レンズ160、反射プリズム150と偏向ミラーユニット130、光束分割プリズム121などはすべて可動アーム301上に設けられている。可動アーム301は、図14に示すように、光ディスク170の面と直交する軸301Xを中心に回動可能に構成され、対物レンズ160はほぼ光ディスク170の半径方向に移動するようになっている。
【0069】
本実施形態においては、偏向ミラー131は光ディスク170の平面と直交する軸βを中心として回動するよう構成されている。従って、偏向ミラー131の回転に応じて、偏向ミラー131から反射プリズム150に導かれる光束Lは、光ディスク170の平面と平行な方向に変更し、反射プリズム170から対物レンズ160に向かう光束は光ディスクの径方向に偏向される。
【0070】
第3の実施形態においては、第2の実施形態におけるシリンドリカルレンズ161、162に代えてシリンドリカルレンズ163および164が設けられている。
【0071】
図14、15に示すように、コリメートレンズ112から射出され、光束分離プリズム121に入射した光束のうちハーフミラー面124で反射された光束はさらに反射領域122cで反射され、シリンドリカルレンズ163を介して偏向ミラー131に入射する。シリンドリカルレンズ163は偏向ミラー131の回転軸βと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の反射面上での光束Aの入射位置近傍となるように配置されている。従って、光束Aは、回転軸βと平行な方向においては、反射面上で収束する。このため、第2の光束Aは、偏向ミラー131の反射面上で、回転軸βと直交する方向に延びる線状の像を形成する。
【0072】
図15に示すように、第1の光束Lと第2の光束Aとは偏向ミラー131に異なる入射角度で入射する。本実施形態においては、第2の光束の偏向ミラー131への入射角度は、第1の光束Lの入射角度より小さくなっている。従って、第2の光束Aは、偏向ミラー131で反射された後(図中Bで示す光束)は、対物レンズ160へは向かわず、図15に示すように、シリンドリカルレンズ164を介してフォトディテクター140に入射する。
【0073】
シリンドリカルレンズ164も、偏向ミラー131の回転軸βと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の反射面上での光束Aの入射位置近傍となるよう配置されている。
【0074】
上記の構成により、フォトディテクター140には、断面がほぼ円形状の平行光束が入射する。
【0075】
第3の実施形態においても、フォトディテクター140は図13に示す第2の実施形態のものと同一の構成であるが、フォトダイオード141の受講領域141aと141bは、偏向ミラー131の回転軸βと直交する方向に配列されている。
【0076】
以上のように、本発明によれば、偏向ミラーの回転角度を検出する光学系に、偏向ミラー上で、光束を偏向ミラーの回転軸方向において収束させる作用を持つレンズ系を用いることにより、偏向ミラーの回転軸方向の傾きに起因する検出誤差等を避けることができ、偏向ミラーの回転角度を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の光磁気ディスク装置の基本構成を示す図である。
【図2】回動アームの先端部を示す図である。
【図3】浮上型光学ユニットを示す断面図である。
【図4】偏向ミラーと浮上型光学ユニットを示す平面図である。
【図5】回動アームの側断面図である。
【図6】回転検出装置の構成を示す図である。
【図7】回転検出装置の光学系の作用を模式的に示す図である。
【図8】偏向ミラー上での回転検出用の光束の形状を示す図である。
【図9】受光素子の受光領域を示す図である。
【図10】第2の実施形態の光学系を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態の光学系の上面図である。
【図12】光束分離プリズムの拡大斜視図である。
【図13】受光素子の受光領域を示す図である。
【図14】第3の実施形態の光学系を示す斜視図である。
【図15】第3の実施形態で使用される光束分離プリズムの斜視図である。
【図16】第1の実施形態と共に用いられる、トラッキングを行うための制御系のブロック図である。
【符号の説明】
2 光ディスク
3 回動アーム
6 浮上型光学ユニット
8 フレクシャー
26 偏向ミラー
101 LED
102 第1のアナモフィックレンズ
103 第2のアナモフィックレンズ
104 受光素子
105A、105B 受光領域
106 差動増幅器
131 偏向ミラー
161 シリンドリカルレンズ
162 シリンドリカルレンズ
163 シリンドリカルレンズ
164 シリンドリカルレンズ
【発明の属する技術分野】
この発明は、光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近時、面記録密度が10Gビット/(インチ)2を越える光磁気ディスク装置の開発が進んでいる。この装置では、光磁気ディスクのトラックと交差する方向に例えば回動する粗動用アームの先端部に設けた対物光学系に対するレーザ光束の入射角をガルバノミラー等の偏向手段により微調整して、微動トラッキングを例えば0.34μmと狭いトラックピッチレベルで正確に行うようなことが考えられている。
【0003】
しかし、上記のような構成により微動トラッキングを行う場合、偏向ミラーの回転角度が大きくなると(すなわち、光束の入射角・反射角が大きくなると)光学的な性能が落ちるという問題がある。このため、偏向ミラーを回転させて微動トラッキングを行う場合には、例えば光検出により、偏向ミラーの基準位置からの回転量を検出して、回転量が所定範囲を超えないよう制御する必要がある。しかし偏向ミラーの回転軸に倒れがあると、その検出精度が保証されないという問題があり、精度良く偏向ミラーの回転量を検出する装置の出現が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述のような背景に鑑みてなされたものであり、請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置は、レーザ光源から出射された光束を平行光束とした後、偏向ミラーを介して対物光学系に入射させて光ディスクに集光させる光情報記録再生装置に関するものである。
【0005】
請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置によると、偏向ミラーの回転位置を検出するための光束であって、該偏向ミラー上において該偏向ミラーの回転軸と直交する方向に延びる線状の検出用光束を投射する検出光射出手段と、該偏向ミラーにより反射され、少なくとも該偏向ミラーの回転軸と平行な方向に収束される検出用光束を受光する受光手段と、を備え、該偏向ミラーの回転軸と平行な方向において該偏向ミラー上と該受光手段上とが共役となるよう該偏向ミラーと該受光手段とを配置したことを特徴としている。
【0006】
ここで、前記光情報記録再生装置は、前記光ディスクに導かれる光束を射出する記録再生用光源を有し、前記検出用光束射出手段は前記記録再生用光源とは別の検出光射出用光源を有する構成とすることができる。
【0007】
さらに、前記検出光射出用光源と前記偏向ミラーとの間に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、前記検出用光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において収束するようにしてもよい。
【0008】
この時、前記検出光射出用光源として発散光を射出する光束を用い、前記第1のレンズとしてアナモフィックレンズを用いることができる。この場合、前記第1のレンズは、前記発散光を、前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向において平行光に変換するのが好ましい。
【0009】
前記検出光射出用光源としては、例えば発光ダイオードを用いることができる。
【0010】
また、前記光情報記録再生装置が有する、前記光ディスクに導かれる光束を射出するための記録再生用光源から射出された光束を、前記光ディスクに導かれる第1の光束と、前記検出用光束として用いられる第2の光束とに分割する光束分割手段を備える構成としても良い。
【0011】
この場合、前記光束分割手段と前記偏向ミラーとの間の前記第2の光束の光路中に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、前記第2の光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において、収束することが好ましい。
【0012】
一般に前記記録再生用光源が射出する光束は平行光であり、この時前記第1のレンズはシリンドリカルレンズにより構成することができる。
【0013】
前記受光手段は、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向に沿って配置された2つの受光領域を有する受光素子と、前記受光手段と前記偏向ミラーとの間に配置され、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第2のレンズと、を有する構成とすることができる。
【0014】
そして、前記2つの受光領域の受光光量に基づいて前記偏向ミラーの回転量を求める検出手段を更に有する構成とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、近年のコンピューターにまつわるハード、ソフトの進歩に伴う外部記憶装置への要求、特に大記憶容量への要求の高まりに対して提案されたニア・フィールド記録(NFR:near field recording) 技術と呼ばれる記録再生方式を用いた光磁気ディスク記録再生装置の概要を図1から図5を参照して説明する。
【0016】
図1はその光ディスク装置の全体概要図である。ディスクドライブ装置1には光ディスク2が図示しないスピンドルモータの回転軸に装着されている。一方、光ディスク2の情報を再生または記録するために回動(粗動)アーム3が光ディスク2の記録面に対して平行になるように取り付けられている。この回動アーム3はボイスコイルモーター4によって回転軸5を回転中心として回動可能となっている。この回動アーム3の光ディスク2に対向する先端には、光学素子を搭載した浮上型光学ヘッド6が搭載されている。また、回動アーム3の回転軸5近傍には光源ユニットおよび受光ユニットを備えた光源モジュール7が配設され、回動アーム3と一体となって駆動する構成となっている。
【0017】
図2、図3は回動アーム3の先端部を説明するものであり、特に浮上型光学ヘッド6を詳細に示す図である。浮上型光学ユニット6はフレクシャービーム8に取り付けられており(図3)、光ディスク2に対向して配置されている。また、フレクシャービーム8は他端で回動アーム3に固着されており、フレクシャービーム8の弾性力により先端部の浮上光学ユニット6は光ディスク2に接触する方向(図3においては下方向)に付勢されている。
【0018】
浮上型光学ユニット6は浮上スライダー9、対物レンズ10、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)11、磁気コイル12から構成されており、光源モジュール7から出射された平行光束であるレーザー光束13を光ディスク2上に収束させる働きをする。また、回動アーム3の先端部には前記レーザー光束13を浮上型光学ユニット6に導くための立ち上げミラー31が固着されている。立ち上げミラー31により反射されて対物レンズ10に入射したレーザー光束13は、対物レンズ10の屈折作用により収束される。この集光点近傍にはソリッドイマージョンレンズ(SIL)11が配置されており、前記収束光は更に微細なエバネッセント光15としてSIL11から射出され、光ディスク2に照射される。
【0019】
また、光ディスク2に面したソリッドイマージョンレンズ(SIL)11の周囲には、光磁気記録方式で記録するための磁気コイル12が形成されており、記録時には必要な磁界を光ディスク2の記録面上に印加出来るようになっている。このエバネッセント光15と磁気コイル12とにより、光ディスク2への高密度な記録および再生が可能となる。なお、浮上型光学ユニット6は光ディスク2の回転による空気流により微小量浮上するものであり、光ディスク2の面振れ等に追従する。このため従来の光ディスク装置では必要であった対物レンズの焦点制御(フォーカスサーボ)が本装置では不要となっている。
【0020】
以下、図4、図5を用いて回動アーム3上に搭載された光源モジュール7および浮上型光学ユニット6へ導かれる光束に関し詳細に説明する。回動アーム3は先端部に浮上型光学ユニット6を搭載し、他端にはボイスコイルモーター4を駆動するための駆動コイル16が固着されている。駆動コイル16は扁平状のコイルであり、図示せぬ磁気回路内に空隙をおいて挿入配置されている。回転軸5と回動アーム3はベアリング17により回動自在に締結されており、駆動コイル16に電流を印加することにより、駆動コイル16と磁気回路との間の電磁作用により、回転軸5を回転中心として回動アーム3を回動させることができる。
【0021】
回動アーム3上に搭載された光源モジュール7には半導体レーザー18、レーザー駆動回路19、コリメートレンズ20、複合プリズムアッセイ21、レーザーパワーモニターセンサー22、反射プリズム23、データ検出センサー24、およびトラッキング検出センサー25が配置されている。半導体レーザー18から射出された発散光束状態のレーザー光束は、コリメートレンズ20によって平行光束に変換される。この平行光束の断面形状は半導体レーザー18の特性から長円状である。光ビームを光ディスク2上に微小に絞り込むには長円状の断面では都合が悪いため、コリメートレンズ20から射出されたビームの断面を略円形断面に変換する必要がある。このためコリメートレンズ20から射出された断面長円状の平行光束を、複合プリズムアッセイ21に入射させることにより平行光束の断面形状を整形する。
【0022】
複合プリズムアッセイ21の、光束が入射する面21aは入射光線に対して所定の傾きを持つ斜面を形成しており、入射光を屈折させることにより平行光束の断面形状を長円形状から略円形形状に整形することが出来る。整形されたレーザー光束は複合プリズムアッセイ21内を進み第1のハーフミラー面21bに入射する。第1のハーフミラー面21bは光ディスク2から得られた情報を、データ検出センサー24、およびトラッキング検出センサー25に導くために設けられているが、光束の往路においては半導体レーザー18から出射されたレーザーの出力パワーを検出するためのレーザーパワーモニターセンサー22への光束を分離する役目を果たす。
【0023】
レーザーパワーモニターセンサー22は受光した光の強度に比例した電流を出力するため、図示せぬレーザーパワーコントロール回路にレーザーパワーモニターセンサー22の出力を帰還させることにより、半導体レーザー18の出力を安定化させることが出来る。複合プリズムアッセイ21から出射された略円形断面形状をもったレーザー光束13は偏向ミラー26に照射され、その進行方向が変えられる。この偏向ミラー26は図4の紙面に垂直な軸を回動中心とするガルバノモーター27に取り付けられており、レーザー光束13を紙面に平行な方向に微小角度振る(偏向させる)ことが出来るようになっている。
【0024】
偏向ミラー26で反射されたレーザー光束13は、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ(イメージングレンズ)30を経て、立ち上げミラー31で反射された後、浮上型光学ユニット6に至る。この第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30は、偏向ミラー26の反射面近傍と浮上型光学ユニット6に配置されている対物レンズ10の瞳面(主平面)との関係が共役関係になるようにするもので、リレーレンズ光学系を形成する。
【0025】
光ディスク2上の集光ビームが所定のトラックから僅かにずれた場合、偏向ミラー26を僅かに回転させることにより対物レンズ10に入射させるレーザー光束13を傾かせ、光ディスク2上の焦点を移動させてトラッキング補正すを行う。しかし、この方式で焦点位置の補正を行う時、偏向ミラー26と対物レンズ10の光学的距離が長い場合は、対物レンズ10へ入射するレーザー光束13の移動量が大きくなり、対物レンズ10に入射しなくなる場合がある。
【0026】
この様な現象を回避するため、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30によって、偏向ミラー26の反射面と対物レンズ10の瞳面との関係を共役関係になるように設定し、偏向ミラー26が回動しても対物レンズ10に入射するレーザー光束13の入射位置は移動せず、傾きだけが変化するようにして、正確なトラッキング制御が可能となるようにしている。なお、基本的には光ディスク2の内周/外周に渡るアクセス動作は、ボイスコイルモーター4により回動アーム3を回動させて行い、極微小なトラッキング制御のみ偏向ミラー26を回動させて行う。
【0027】
光ディスク2から反射されて戻ってきた復路のレーザー光束13は、往路と逆に進み偏向ミラー26により反射されて複合プリズムアッセイ21に入射する。その後第1のハーフミラー面21bで反射され、第2のハーフミラー面21cに向かう。第2のハーフミラー面21cは、入射光束をトラッキング検出センサー25へ向かう透過光と、データ検出センサー24へ向かう反射光とに分離する。第2のハーフミラー面21cを透過したレーザー光束はトラッキング検出センサー25へ照射され、トラッキング検出センサー25は入射光束に基づいてトラッキング誤差信号を出力する。
【0028】
一方、第2のハーフミラー面21cで反射されたレーザー光束はウォラストンプリズム32により偏光分離され、かつ集光レンズ33によって収束光に変換後、反射プリズム23で反射されてデータ検出センサー24に照射される。データ検出センサー24は2つの受光領域をもっており、ウォラストンプリズム32により偏光分離された2つの偏光ビームをそれぞれ受光することにより、光ディスク2に記録されているデータ情報を読みとりデータ信号を出力する。なお、正確には前記トラッキング誤差信号およびデータ信号は図示せぬヘッドアンプ回路によって生成され、制御回路または情報処理回路に送られるものである。
【0029】
次に、偏向ミラー26の回転位置検出装置100について図6から図9を参照して説明する。
前述のように、トラッキングの微調整は偏向ミラー26を微少回動させることにより行っている。しかし、偏向ミラー26がある範囲を超えて回転すると光学的な性能が落ちるという問題もある。そのため、偏向ミラー26の回転量を検出する機構(回転位置検出装置100)を同じ回動アーム3内に持ち、常に、偏向ミラー5の角度位置を検出して、偏向ミラー26が所定の範囲を越えて回動しないよう制御している。
【0030】
なお、簡単のために、図6では立ち上げミラー31、ソリッドイマージョンレンズ(SIL)11は図示を省略し、光路を展開して示している。
【0031】
回転位置検出装置100は、図6に示すように、偏向ミラー26の反射面に、外部に設けられたLED光源101の光を第1のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)102で集光し、偏向ミラー26の回動軸01と直交する方向に延びる線状の光スポットを偏向ミラー26の反射面上に投影する。そして、偏向ミラー26により反射された線状の光スポットを第1のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)102と同様の第2のアナモフィックレンズ(トーリックレンズ)103により元の断面形状に戻した後、偏向方向に沿って分割された2つの受光領域を有するフォトディテクター104で受光し、両受光領域における受光量の差に基づいてガルバノミラーの偏向角度を検出するものである。
【0032】
第1のアナモフィックレンズ102は、偏向ミラー26の回動方向(図6においてはX−Y平面上)についてはLED光源101から射出された発散光束を略平行光にすると。また、第1のアナモフィックレンズ102は、偏向ミラー26の軸01と平行な方向については、光束を偏向ミラー26の反射面上に収束させる。
【0033】
図6に示す直交座標におけるX−Y平面上での光束を図7(A)に示し、Z軸方向での光束を図7(B)に示す。なお、図7(A)、(B)は、光路を展開して示している。
上述のように、X−Y平面上(およびこれと平行な平面上)では、第1のアナモフィックレンズ102は、LED光源101から射出された光束をほぼ平行光に変換する。平行光は偏向ミラー26に入射し、反射されて第2のアナモフィックレンズ103に入射する。フォトディテクター104は第2のアナモフィックレンズ103のX−Y平面上(およびこれと平行な平面上)でのほぼ焦点の位置に位置しており、X−Y平面上(およびこれと平行な平面上)では平行光はフォトディテクター104上で収束する。
【0034】
一方、Z軸方向(偏向ミラー26の軸方向)においては、LED光源101から射出された光束は第1のアナモフィックレンズ102のZ軸方向のパワーにより偏向ミラー26上に収束し、さらに偏向ミラー26で反射された光束は第2のアナモフィックレンズ103のZ軸方向のパワーによりフォトディテクター104上で収束する。
【0035】
従って、図8に示すように、このLED光束は偏向ミラー26の回動方向(偏向ミラー26の回動軸と直交する方向)に延びる略線状のスポットAとして偏向ミラー26面に投射される。したがって、LED光束は偏向ミラー26の回転角度に対しては十分な検出感度を持つが、偏向ミラー26の回動軸01と直交する方向においては、光束が収束されているため、偏向ミラー26の傾きや回転に対して、ほとんど感度がない。なお、図中Lは、記録再生用の光束により偏向ミラー26上に形成されるスポットを示す。
【0036】
偏向ミラー26で反射された光束は、2分割されたフォトディテクター104の受光面105Aおよび105B(図9参照)上でスポットを形成する。このスポット位置は偏向ミラー26の回転角度に比例して動き、偏向ミラー26の回転角度量を検出することができる。
【0037】
フォトディテクター104は図9に示すように偏向ミラー26の回転方向に対して左右に2分割された受光面105Aおよび105Bを有している。偏向ミラー26が中立位置に位置決めされている場合に、図中右領域105Aと左領域105Bの受光光量が等しくなる位置にLED光源の光スポット像(SP1)が位置するように、受光面105Aおよび105Bが配置される。偏向ミラー26により反射された光束は、各領域で光電変換され、各領域からは、照射されている光量に応じた信号が出力される。偏向ミラー26が中立位置から回動されると、フォトディテクター104上に形成される光スポット像は、例えば図9のSP2で示される位置に形成される。この場合には、受光領域105Bの受光光量の方が領域105Aの受光光量より大きくなっている。両領域の出力信号の差から偏向ミラー26の回動量および方向を知ることができる。
【0038】
領域105Aは差動アンプ106の非反転入力端子(+)に接続され、領域105Bは差動アンプ106の反転入力端子(−)に接続されている。差動アンプ106は、左右領域105A、105Bから出力される信号の差動出力を出力する。この差動出力に基づいて偏向ミラー26の回転位置が検出される。
【0039】
前述のように、第1のアナモフィックレンズ102によって線状に集光する方向は、偏向ミラー26の回動軸01に直行する方向である。従って、偏向ミラー26の回動方向においてはミラーの回転角度成分を検出することができ、しかも偏向ミラー26の回動軸方向においては偏向ミラー26が傾いていてもフォトディテクター104上での光スポットはほとんど位置ずれを起こさない。従って、上記の構成により、偏向ミラー26の回転成分のみを検出することが可能である。
【0040】
図16は、トラッキングを行うための制御系のブロック図である。差動アンプ106の出力信号は、A/Dコンバータ406によりデジタル信号に変換された後にCPU450に入力される。CPU450は入力された信号に基づいて偏向ミラー26の回転位置を検出する。
【0041】
次に、CPU450は、検出された偏向ミラー26の回転位置と、トラッキング検出センサー25から出力されるトラッキング誤差信号とに基づいて、偏向ミラー26のみを回転させてトラッキングを完了した場合の(光スポットをトラック上に位置させた場合の)偏向ミラー26の回転位置を計算する。
【0042】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー26の位置が、偏向ミラー26の許容回動範囲内の位置であれば、CPU450は、ドライバ427Dを制御してガルバノモータ27を駆動し、偏向ミラー26を回転させて光スポットをトラック上に位置させる。
【0043】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー26の位置が上記許容回動範囲外であれば、CPU450は、トラッキングのための偏向ミラー26の回動量を回動アーム3の回動量に変換する。そして、ドライバ404Dを制御して、ボイスコイルモータ4を駆動し、偏向ミラー26ではなく、回動アーム3を回転させることにより、光スポットをトラック上に位置させる。なお、この時の回動アーム3の回動量は偏向ミラー26を中立位置に位置させた時の回動アーム3の回動量として計算する。従って、回動アーム3を回動させることによりトラッキングを完了した時点では、偏向ミラー26は中立位置に戻されている。なお、上記許容回動範囲は偏向ミラー26の中立位置を中心として正逆の回動方向に対し同一の回動量となるよう定められている。
【0044】
上記のようにしてトラッキングを行った後、必要があれば、さらに偏向ミラー26を回動させて微動トラッキングを行うようにしても良い。
【0045】
以上のように、図6の実施形態によれば、偏向ミラー26の回転角度を検出する光学系に、光束を偏向ミラー26の回転軸と平行な方向において収束させる作用を持つレンズ系を用いて、偏向ミラー26上で線状のスポットを形成することにより、偏向ミラー26の回転軸方向の傾きに起因する検出誤差等を避けることができ、従って偏向ミラー26の回転角度を正確に検出することができる。
【0046】
次に、第2の実施形態について説明する。図10は、第2の実施形態の光学系200の概略構成を示す斜視図である。光学系200は、固定ユニット201と可動ユニット202を有する。固定ユニット201には、半導体レーザ111、コリメートレンズ112、光束分割ユニット120、偏向ミラーユニット130が設けられている。
【0047】
可動ユニット202には、反射プリズム150および対物レンズ160が設けられている。なお、可動ユニット202は図示しない駆動機構により、図中矢印で示す、光ディスク170の半径方向に移動されるよう構成されている。
【0048】
図11は、図10に示す光学系の上面図であり、図12は光束分割ユニット120、偏向ミラーユニット130およびフォトディテクター140を拡大して示す斜視図である。
【0049】
図10、11に示すように、半導体レーザ111からコリメートレンズ112に向けてレーザ光束が射出される。半導体レーザ111から射出されるレーザ光束は発散光であり、かつ楕円状の断面を有している。
【0050】
半導体レーザ111から射出されたレーザ光束は、コリメートレンズ112により平行光束Pに変換され、光束分割ユニット120に入射する。光束分割ユニットは、光束分割プリズム121、ウォラストンプリズム125、集光レンズ126を有する。
【0051】
光束分割プリズム121の、コリメートレンズ112からの光束Pが入射する面は図11に示すように入射光束に対し所定量傾いており、また、半導体レーザ111は、射出する光束の断面(楕円形状)の短軸が図11の紙面と平行となるよう配置されている。この構成により、光束分割プリズム121に入射した断面楕円形状の光束Pは、入射する光束分割プリズム121の端面により断面形状が短径方向において拡大され、ほぼ円形の断面に整形される。
【0052】
光束分割プリズム121に入射した光束は、偏向ミラー131を介して光ディスク170へ向かう第1の光束Lと、偏向ミラー131の回転量を検出するための第2の光束Aとに分割される。
【0053】
図12に示すように、光束分割プリズム121の、光束Pが入射する面122aは、光束透過コートが施された透過領域122bと反射コートが施された反射領域122cを有する。コリーメートレンズ112から射出された光束は、透過領域122bに入射する。
【0054】
光束分割プリズム121には、ハーフミラー面124が形成されており、透過領域122bに入射した光束の一部はハーフミラー面124を透過し、偏向ミラー131に向けて、光束分割プリズム121より射出される(第1の光束L)。光束Lは、偏向ミラー131により反射され、反射プリズム150により反射されて対物レンズ60に入射し、光ディスク170の情報記録面上で収束する。
【0055】
光ディスク170で反射された第1の光束L’は対物レンズ160、反射プリズム150を介して偏向ミラー131に導かれ、光束分割プリズム121に入射する。この反射光束L’は、ハーフミラー面124で反射され、ウォラストンプリズム125によりサーボ制御用の光束とデータ検出用の光束とに分離され、集光レンズ126を介してフォトセンサ180に入射する。
【0056】
フォトセンサ180ではサーボ制御用の光束およびデータ検出用の光束がそれぞれ光電変換され、サーボ信号及びデータ信号として出力される。サーボ信号には、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とが有り、それぞれ目標位置に対するエラー信号が生成されている。フォーカスエラー信号に基づいて対物レンズ160の駆動装置(図示せず)を駆動することにより、第1の光束Lの光ディスク170の情報記録面上における合焦状態が制御される。また、一般に光ディスクのピットまたはトラック溝から得られるトラッキングエラー信号に基づいて偏向ミラーユニット130の偏向ミラー131を駆動することにより、第1の光束Lの光ディスク170の記録面上における半径方向の位置が微調整される。
【0057】
本実施形態において、偏向ミラー131は光ディスク170の平面と平行な軸αを中心として回転する。従って、偏向ミラー31の回転に応じて偏向ミラー131から反射プリズム150に導かれる光束Lは、光ディスク170の平面に直交する方向に偏向し、反射プリズム150から光ディスク170に向かう光束は、光ディスク170の半径方向に偏向される。
【0058】
一方、コリメートレンズ112から射出され、光束分離プリズム121に入射した光束のうちハーフミラー面124で反射された光束はさらに反射領域122cで反射され、図11、12に示すように、シリンドリカルレンズ161を介して偏向ミラー131に入射する。シリンドリカルレンズ161は偏向ミラー131の回転軸αと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の光束Aの入射位置近傍となるように配置されている。従って、光束Aは、回転軸αと平行な方向においては、反射面上で収束する。このため、第2の光束Aは、偏向ミラー131の反射面上で、回転軸αと直交する方向に延びる線状の像を形成する。
【0059】
図11に示すように、第1の光束Lと第2の光束Aとは偏向ミラー131に異なる入射角度で入射する。本実施形態においては、第2の光束の偏向ミラー131への入射角度は、第1の光束Lの入射角度より小さくなっている。従って、第2の光束Aは、偏向ミラー131で反射された後(図中Bで示す光束)は、対物レンズ160へは向かわず、図11に示すように、シリンドリカルレンズ162を介してフォトディテクター140に入射する。
【0060】
シリンドリカルレンズ162も、偏向ミラー131の回転軸αと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の光束Aの入射位置近傍となるよう配置されている。
【0061】
上記の構成により、フォトディテクター140には、断面がほぼ円形状の平行光束が入射する。
【0062】
図13は、フォトディテクター140の構成と位置検出装置145およびAPC(自動出力制御装置)の関係を示す図である。
フォトディテクター140は、フォトダイオード141と差動アンプ142および加算器143を有する。
フォトダイオード141は、偏向ミラーの回転軸αと直交する方向に配列された2つの受光領域141aと141bとを有する。偏向ミラー131が中立位置に位置している時、フォトダイオード141に入射する光束Bの中心が2つの受光領域141aと141bの中間に位置するようになっている。すなわち、偏向ミラー131が中立位置にあるとき、受光領域141aと141bは同一光量の光を受光することになる。
【0063】
光束Bはフォトダイオード141により光電変換され、受光領域141aと141bそれぞれから、受光光量に対応した信号が出力される。受光領域141aおよび141bは、それぞれ差動アンプ142および加算器143に接続されている。
【0064】
差動アンプ142からは、受光領域141aと141bでの受光光量の差に対応した信号が出力される。この差動アンプ142からの出力信号は位置検出装置145に入力され、ここで、偏向ミラー131の回転位置が演算され検出される。
【0065】
上記のようにして求められた偏向ミラー131の回転位置と、トラッキングエラー信号に基づいて、第1の実施形態の場合と同様のトラッキング処理が実行される。
すなわち、検出された偏向ミラー131の回転位置と、フォトセンサ180から出力されるトラッキングエラー信号とに基づいて、偏向ミラー131のみを回転させてトラッキング完了時の(光スポットをトラック上に位置させた場合の)偏向ミラー131の回転位置を計算する。そして、もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー131の位置が所定の許容回動範囲内の位置であれば、偏向ミラー131を回転させてトラッキングを行う(光スポットをトラック上に位置させる)。
【0066】
もしも上記トラッキング完了時の偏向ミラー131の位置が上記所定の許容回動範囲外であれば、偏向ミラー131ではなく、可動ユニット202を移動させることにより、トラッキングを行う。
【0067】
また、加算器143からは、受光領域141aと141bの受光光量の和に対応する信号が出力される。この加算器143の出力信号は、APC回路146に入力される。APC回路は、加算器143から入力された信号、すなわちフォトディテクター140に入射する光量の総和に基づいて、半導体レーザ111から射出されるレーザ光束の強度を制御する。
【0068】
図14は、第3の実施形態の光学系300の構成を示す斜視図である。第2の実施形態と同一の部材にには同一の符号を付してある。本実施形態においては、対物レンズ160、反射プリズム150と偏向ミラーユニット130、光束分割プリズム121などはすべて可動アーム301上に設けられている。可動アーム301は、図14に示すように、光ディスク170の面と直交する軸301Xを中心に回動可能に構成され、対物レンズ160はほぼ光ディスク170の半径方向に移動するようになっている。
【0069】
本実施形態においては、偏向ミラー131は光ディスク170の平面と直交する軸βを中心として回動するよう構成されている。従って、偏向ミラー131の回転に応じて、偏向ミラー131から反射プリズム150に導かれる光束Lは、光ディスク170の平面と平行な方向に変更し、反射プリズム170から対物レンズ160に向かう光束は光ディスクの径方向に偏向される。
【0070】
第3の実施形態においては、第2の実施形態におけるシリンドリカルレンズ161、162に代えてシリンドリカルレンズ163および164が設けられている。
【0071】
図14、15に示すように、コリメートレンズ112から射出され、光束分離プリズム121に入射した光束のうちハーフミラー面124で反射された光束はさらに反射領域122cで反射され、シリンドリカルレンズ163を介して偏向ミラー131に入射する。シリンドリカルレンズ163は偏向ミラー131の回転軸βと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の反射面上での光束Aの入射位置近傍となるように配置されている。従って、光束Aは、回転軸βと平行な方向においては、反射面上で収束する。このため、第2の光束Aは、偏向ミラー131の反射面上で、回転軸βと直交する方向に延びる線状の像を形成する。
【0072】
図15に示すように、第1の光束Lと第2の光束Aとは偏向ミラー131に異なる入射角度で入射する。本実施形態においては、第2の光束の偏向ミラー131への入射角度は、第1の光束Lの入射角度より小さくなっている。従って、第2の光束Aは、偏向ミラー131で反射された後(図中Bで示す光束)は、対物レンズ160へは向かわず、図15に示すように、シリンドリカルレンズ164を介してフォトディテクター140に入射する。
【0073】
シリンドリカルレンズ164も、偏向ミラー131の回転軸βと平行な方向にのみ正のパワーを有し、焦点が偏向ミラー131の反射面上での光束Aの入射位置近傍となるよう配置されている。
【0074】
上記の構成により、フォトディテクター140には、断面がほぼ円形状の平行光束が入射する。
【0075】
第3の実施形態においても、フォトディテクター140は図13に示す第2の実施形態のものと同一の構成であるが、フォトダイオード141の受講領域141aと141bは、偏向ミラー131の回転軸βと直交する方向に配列されている。
【0076】
以上のように、本発明によれば、偏向ミラーの回転角度を検出する光学系に、偏向ミラー上で、光束を偏向ミラーの回転軸方向において収束させる作用を持つレンズ系を用いることにより、偏向ミラーの回転軸方向の傾きに起因する検出誤差等を避けることができ、偏向ミラーの回転角度を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の光磁気ディスク装置の基本構成を示す図である。
【図2】回動アームの先端部を示す図である。
【図3】浮上型光学ユニットを示す断面図である。
【図4】偏向ミラーと浮上型光学ユニットを示す平面図である。
【図5】回動アームの側断面図である。
【図6】回転検出装置の構成を示す図である。
【図7】回転検出装置の光学系の作用を模式的に示す図である。
【図8】偏向ミラー上での回転検出用の光束の形状を示す図である。
【図9】受光素子の受光領域を示す図である。
【図10】第2の実施形態の光学系を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態の光学系の上面図である。
【図12】光束分離プリズムの拡大斜視図である。
【図13】受光素子の受光領域を示す図である。
【図14】第3の実施形態の光学系を示す斜視図である。
【図15】第3の実施形態で使用される光束分離プリズムの斜視図である。
【図16】第1の実施形態と共に用いられる、トラッキングを行うための制御系のブロック図である。
【符号の説明】
2 光ディスク
3 回動アーム
6 浮上型光学ユニット
8 フレクシャー
26 偏向ミラー
101 LED
102 第1のアナモフィックレンズ
103 第2のアナモフィックレンズ
104 受光素子
105A、105B 受光領域
106 差動増幅器
131 偏向ミラー
161 シリンドリカルレンズ
162 シリンドリカルレンズ
163 シリンドリカルレンズ
164 シリンドリカルレンズ
Claims (11)
- レーザ光源から出射された光束を平行光束とした後、偏向ミラーを介して対物光学系に入射させて光ディスクに集光させる光情報記録再生装置において、
前記偏向ミラーの回転位置を検出するための光束であって、該偏向ミラー上において該偏向ミラーの回転軸と直交する方向に延びる線状の検出用光束を投射する検出光射出手段と、
前記偏向ミラーにより反射され、少なくとも該偏向ミラーの回転軸と平行な方向に収束される前記検出用光束を受光する受光手段と、を備え、
前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において該偏向ミラー上と該受光手段上とが共役となるよう該偏向ミラーと該受光手段とを配置したことを特徴とする光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記光情報記録再生装置は前記光ディスクに導かれる光束を射出する記録再生用光源を有し、
前記検出用光束射出手段は、前記記録再生用光源とは別の検出光射出用光源を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記検出光射出用光源と前記偏向ミラーとの間に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、
前記検出用光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において収束することを特徴とする、請求項2に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記検出光射出用光源が射出する光束は発散光であり、
前記第1のレンズはアナモフィックレンズであることを特徴とする請求項3に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記第1のレンズは、前記発散光を、前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向において平行光に変換すること、を特徴とする請求項4に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。
- 前記検出光射出用光源は発光ダイオードであることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。
- 前記光情報記録再生装置は前記光ディスクに導かれる光束を射出する記録再生用光源を有し、
前記検出光射出手段は、前記記録再生用光源から射出された光束を、前記光ディスクに導かれる第1の光束と、前記検出用光束として用いられる第2の光束とに分割する光束分割手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記光束分割手段と前記偏向ミラーとの間の前記第2の光束の光路中に、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第1のレンズを有し、
前記第2の光束は前記偏向ミラーの反射面上で、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において、収束することを特徴とする、請求項7に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記記録再生用光源が射出する光束は平行光であり、
前記第1のレンズはシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項8に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記受光手段は、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と直交する方向に沿って配置された2つの受光領域を有する受光素子と、
前記受光手段と前記偏向ミラーとの間に配置され、少なくとも前記偏向ミラーの回転軸と平行な方向において正のパワーを有する第2のレンズと、を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。 - 前記2つの受光領域の受光光量に基づいて前記偏向ミラーの回転量を求める検出手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29788098A JP3563978B2 (ja) | 1997-10-24 | 1998-10-20 | 光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30985897 | 1997-10-24 | ||
JP9-309858 | 1997-10-24 | ||
JP29788098A JP3563978B2 (ja) | 1997-10-24 | 1998-10-20 | 光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11195236A JPH11195236A (ja) | 1999-07-21 |
JP3563978B2 true JP3563978B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=26561282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29788098A Expired - Fee Related JP3563978B2 (ja) | 1997-10-24 | 1998-10-20 | 光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3563978B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002156570A (ja) * | 2000-11-21 | 2002-05-31 | Olympus Optical Co Ltd | 光学素子支持装置 |
JP2002162595A (ja) * | 2000-11-24 | 2002-06-07 | Olympus Optical Co Ltd | ガルバノミラー |
-
1998
- 1998-10-20 JP JP29788098A patent/JP3563978B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11195236A (ja) | 1999-07-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6341106B1 (en) | Optical disc drive | |
JP3563978B2 (ja) | 光情報記録再生装置における偏向ミラーの回転位置検出装置 | |
JPH11144273A (ja) | ガルバノミラーの偏向角検出装置 | |
US6404485B1 (en) | Rotation amount detecting system of deflection mirror for optical disc drive | |
JPH11144274A (ja) | ガルバノミラーの偏向角検出装置 | |
JP3684053B2 (ja) | 光情報記録再生装置におけるトラッキング方法 | |
JP3689232B2 (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JP3548439B2 (ja) | 光センサの位置調整方法および装置 | |
JP3939873B2 (ja) | トラッキングセンサの位置調整装置 | |
JP3766526B2 (ja) | 光情報記録再生装置における光センサの位置調整方法 | |
JP3694159B2 (ja) | 光情報記録再生装置におけるシーク方法 | |
JP4036958B2 (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11144278A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11134684A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JP3766524B2 (ja) | 光情報記録再生ヘッドの光学系 | |
JPH11259888A (ja) | 偏向装置および光情報記録再生ヘッド | |
JP3961648B2 (ja) | 光情報記録再生ヘッドの光学系 | |
JPH11149660A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11134682A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11142774A (ja) | ガルバノミラー | |
JPH11134681A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11134685A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11134680A (ja) | 光情報記録再生ヘッド | |
JPH11126355A (ja) | 光情報記録再生ヘッドのアーム構造 | |
JPH11250474A (ja) | 光情報記録再生ヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040525 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040604 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |