JP3563596B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP3563596B2
JP3563596B2 JP14555598A JP14555598A JP3563596B2 JP 3563596 B2 JP3563596 B2 JP 3563596B2 JP 14555598 A JP14555598 A JP 14555598A JP 14555598 A JP14555598 A JP 14555598A JP 3563596 B2 JP3563596 B2 JP 3563596B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
compound
potassium
general formula
compound represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14555598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11338192A (ja
Inventor
徳明 高橋
昌子 竹内
修 安藤
和夫 三ツ橋
勝男 小泉
孝之 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP14555598A priority Critical patent/JP3563596B2/ja
Publication of JPH11338192A publication Critical patent/JPH11338192A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3563596B2 publication Critical patent/JP3563596B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。詳しくは、特定の構造と性状を有する帯電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーに関する。本発明のトナーを用いた静電荷像現像剤(以下、静電現像剤と略記することがある)は、特に一成分系静電現像剤として電子写真法、静電記録法等に使用される。
【0002】
【従来の技術】
電子複写機等で使用される現像剤は、その現像工程において例えば静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着せしめられ、次に転写工程において感光体から転写紙に転写された後、定着工程においてコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリヤーとトナーから成る二成分系現像剤及びキャリヤーを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
【0003】
このようなトナーにおいては単に結着樹脂に染料、顔料等の着色剤を分散させただけのものでは望ましい帯電量が得られないため、これに帯電制御剤が適当量添加されているのが普通である。そして、従来より帯電制御剤として、正帯電性のニグロシン系染料、第四級アンモニウム塩、負帯電性の含金属モノアゾ染料、サリチル酸金属錯体、銅フタロシアニン顔料等をトナーに含有させ用いる方法が知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の帯電制御剤は大方、有色物質であるか、樹脂との相溶性又は濡れ性に劣り、或いは昇華性であるために長期に亘って良好な帯電性能を持たない物であるか、等のため静電荷像現像用トナー、特にカラートナーには不向きである。加えて、このような従来の帯電制御剤を含有したトナーは初期には良好な現像特性を示すものの寿命が短く、連続複写で逆帯電を起こす等安定した帯電性が得られず、且つ環境安定性(高温高湿下、低温低湿下における性能安定性)が悪いといった欠点を有している。更にカラートナーにおいては透明性が劣る等の欠点もある。
本発明の目的は、帯電特性に優れた帯電制御剤を用いることにより、耐久性、環境安定性に優れた静電荷像現像用トナーを、更には透明性に優れたカラートナーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造及び性状を有する化合物を帯電制御剤として用いることにより、上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、短軸の長さ(b)対長軸の長さ(a)の比(b/a)が0.2以下であり、且つ短軸の長さ(b)が0.5μm以下である針状結晶であって、下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩を含有し、該部分カリウム塩におけるカリウム含有量が該化合物1モル当り、0.001〜0.5モルであることを特徴とする静電荷像現像用トナー
【0006】
【化3】
Figure 0003563596
【0007】
【化4】
Figure 0003563596
【0008】
、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いられる帯電制御剤は、一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩であって、特定の針状結晶を有するものである。一般式(I)又は(II)において、
【0010】
【化5】
Figure 0003563596
【0011】
R、R及びRは、置換基を有していてもよい芳香族環残基を表わし、それぞれ同一でも異っていてもよい。ここで、芳香族環とは炭素環(環状炭素−炭素共役二重結合系をいう)、複素環又は炭素環同志、複素環同志若しくは炭素環と複素環とが縮合したものを意味する。
【0012】
このような芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、カルバゾール環、フルオレン環、フルオレノン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾカルバゾール環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。更に好ましくは
【0013】
【化6】
Figure 0003563596
【0014】
がナフタレン環、R、R及びRがそれぞれベンゼン環又はナフタレン環である。また、該芳香族環上に有してもよい置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のC1−5 アルキル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;アミノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;フェニル基が挙げられ、好ましくはC1−5 アルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子である。更に好ましくは塩素原子及びトリフルオロメチル基である。置換数は好ましくは1〜5であり、複数の場合、置換基は互いに同一又は異なっていてもよい。
【0015】
一般式(II)において、Rは、置換基を有していてもよい二価の有機基を表わし、具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられ、好ましくは、メチレン基である。また、置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくは無置換である。
【0016】
一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩において、更にカリウムの含有量については以下の通りである。即ち、カリウムの含有量は、一般式(I)又は(II)で表わされる化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルであり、好ましくは0.001〜0.3モル、更に好ましくは0.001〜0.1モルである(本発明においては、かかるカリウム含量の塩を部分カリウム塩と称する)。カリウムの含有量が上記範囲を越えると、化合物の耐水性が悪化するので、帯電制御剤として好ましくない。また、カリウムの含有量が上記範囲より少ない場合、化合物の帯電特性が悪化する。
【0017】
これらの化合物については、特定の針状結晶であるものが用いられるが、針状結晶については、結晶の最も長い辺(長軸)の長さをa、最も短い辺(短軸)の長さをbとしたとき、b/a≦0.2で且つb≦0.5μmの場合、良好な帯電性能を持ち、環境安定性に優れ、カラートナーにおいては良好なOHP透明性を達成できる。bが0.5μmより大きいと、特にOHP透明性が劣り、また良好な帯電の安定性が得られない。b/aが0.2より大きいものは、b≦0.5μmの条件下では、aが2.5μmより小さくなることを意味し、工業的合成が煩雑になり、また平均粒径も小さくなるため取り扱いも難しくなる。
【0018】
好ましくは、b≦0.3μm、特に好ましくはb≦0.2μmであり、また、b/aに関しては、好ましくはb/a≦0.15、特に好ましくはb/a≦0.1である。
一般式(I)で表わされる化合物は、通常次のような合成法によって容易に合成することができる。例えば下記一般式(III )、(IV)
【0019】
【化7】
Figure 0003563596
【0020】
で表わされる化合物をトルエン又はクロルベンゼン等の溶媒中に三塩化リンを加え、煮沸して反応させることにより得られる。一般式(I)で表わされる化合物の部分カリウム塩であって、カリウムの含有量が、該化合物1モル当り、0.001〜0.5モルである化合物は次のような合成法により合成することができる。例えば、一般式(I)で表わされる化合物を水酸化カリウムの水/アセトン溶液に加熱溶解した後、この溶液中に、水を添加することにより、目的の化合物が晶出する。
【0021】
また、一般式(II)で表わされる化合物(Rがメチレン基)の部分カリウム塩であって、カリウムの含有量が0.001〜0.5モルである化合物はブラス.ソマー(Brass.Sommer)、ベリヒテ(Ber.),61,998(1928)に記載された方法に準じて一般式(II)で表わされる化合物のアルカリ金属塩を合成した後、下記(a)又は(b)に示す処理を行うことにより得られる。
即ち、一般式(V)及び(VI)
【0022】
【化8】
Figure 0003563596
【0023】
で表わされる化合物を、苛性ソーダの水溶液中、ホルムアルデヒドを添加して、50〜120℃で加温して反応させることにより、一般式(II)で表わされる化合物のナトリウム塩が得られる。
一般式(II)で表わされる化合物のナトリウム塩を、例えば、N−メチルピロリドン、メタノール、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン等の有機溶媒に溶解した溶液を、例えば炭酸カリウム、酢酸カリウム、塩化カリウム等のカリウム塩の水溶液中に一気に添加し高回転数で撹拌する、或いは、有機溶媒中にカリウム塩の水溶液を添加することにより得られる。
【0024】
以上の処理で使用する有機溶媒の使用量は、一般式(II)で表わされる化合物のナトリウム塩100重量部に対して、10〜500重量部が好ましい。炭酸カリウム等のカリウム塩の使用量は、一般式(II)で表わされる化合物のナトリウム塩1モルに対して、0.1〜4モルが好ましい。水の使用量は、一般式(II)で表わされる化合物のナトリウム塩100重量部に対して、10〜5000重量部が好ましい。また、処理温度は、10〜100℃が好ましい。
【0025】
以上のような条件で合成することにより、所望の性状の化合物が得られ、更に所望のカリウム含量の部分カリウム塩が得られる。一般式(II)で表わされる化合物を合成する場合は、炭酸カリウム等のカリウム塩ではなく、塩酸、酢酸等を使用する事により容易に合成できる。一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩の中で、本発明の静電荷像現像用帯電制御剤として好適なものの具体例としては、下記の表−1及び表−2に示される化合物の部分カリウム塩であって、長軸の長さをa、短軸の長さをbとしたとき、b/a≦0.2、且つ、b≦0.5μmの針状結晶であり、カリウムの含有量が、該化合物1モル当り、0.001〜0.5モルの化合物を挙げることができる。
【0026】
【表1】
Figure 0003563596
【0027】
【表2】
Figure 0003563596
【0028】
本発明の帯電制御剤をトナーに使用する場合、該トナーには少なくとも樹脂及び着色剤を用いる。トナーに含有せしめる樹脂としては公知のものを含む広い範囲から選択できる。例えばポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体及びスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和若しくは不飽和ポリエステル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂並びにポリビニルブチラール樹脂等があるが、本発明に用いるに特に好ましい樹脂としてはスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、飽和若しくは不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、上記樹脂は単独で使用するに限らず二種以上併用することもできる。
【0029】
本発明トナーに含有せしめる着色剤としては、公知のものを含む広い範囲から選択でき、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、クロムイエロー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系又はジスアゾ系染顔料等を挙げることができる。
【0030】
本発明の帯電制御剤として用いられる上記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩は、淡黄色であり、例えばフルカラー現像に用いられる、青、赤、黄等のカラートナーに含有せしめてもよく、この場合は相当する色調を有する染顔料からなる着色剤を用いる。着色剤の含有率は、樹脂100重量部に対して3〜20重量部とするのが好ましい。
【0031】
本発明のトナーに一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩、更にその他の帯電制御剤を含有させる方法としては、トナー中に樹脂と共に添加混合する内添方法、トナー粒子に添加混合する外添方法等が可能であるが、内添方法がより一般的で好ましい。トナー中の一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩の含有率は、樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.5〜7重量部である。一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩の含有率が少なすぎると帯電性の向上効果が改善されず、また過剰であるとトナーの品質が低下するので好ましくない。
【0032】
本発明のトナーには、一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩とは別に、公知のものを含めて他の帯電制御剤、即ち、例えば、ニグロシン系染料、第四級アンモニウム塩、含金属錯化合物等を含有せしめてもよい。更に本発明のトナーには、その他の公知の添加剤、例えば、固体電解質、高分子電解質、電荷移動錯体、酸化スズ等の金属酸化物等の導電体、半導体或いは強誘電体、磁性体等を添加しトナーの電気的性質を制御することができる。
【0033】
この他、トナーの中には熱特性、物理特性等を調整する目的で低分子量オレフィン重合体等の各種可塑剤、離型剤等の助剤を添加することも可能である。更にトナー粒子にTiO、Al、SiO、ステアリン酸Zn等の微粉末を添加し、これらでトナー粒子表面を被覆せしめることによってトナーの流動性、耐凝集性の向上を図ることができる。
【0034】
本発明の帯電制御剤は特に負帯電性トナーに用いることが好ましい。
トナーの製造法としては、上記の各成分をニーダー等で混練し冷却後、粉砕し分級すればよい。または、カプセル化トナーや重合トナーを採用してもよい。本発明のトナーは二成分系現像剤の他に、マグネタイト含有トナー等のいわゆる一成分系現像剤(磁性トナー又は非磁性トナー)にも適用することができる。トナーの平均粒径は5〜20μmが好適である。
【0035】
本発明のトナーと混合して現像剤を形成するキャリヤーとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリヤー等の磁性物質又はそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリヤーを用いることができる。樹脂コーティングキャリヤーの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるがこれらに限定されるものではない。キャリヤーの平均粒径は特に制限はないが10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらキャリヤーは、トナー1重量部に対して、5〜100重量部使用することが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記実施例中、単に「部」とあるのはいずれも「重量部」を意味するものとする。また、例示化合物番号は表−1又は表−2の化合物番号に対応する。また、カリウムの分析には蛍光X線分析(XRF)を用いた。
【0037】
合成例1(例示化合物1の合成)
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸(東京化成工業製)12.6gを、p−クロルアニリン(東京化成工業製)8.5g、ジメチルホルムアミド2ml、トルエン200ml中に、懸濁させ、そこにチオニルクロライド8.36gを添加し、系を還流させながら約5時間反応させた。反応後、放冷し、アルカリで中和した後、結晶が析出した。この後、水洗、メタノール洗の後乾燥し、10gの白色の微粉末を得た。
【0038】
合成例2(例示化合物1の部分カリウム塩の合成)
合成例1で得られた例示化合物1、10gをアセトン30ml、水酸化カリウム2.22gを水20mlに溶解した溶液を添加し、溶解する。その溶解液を水280mlに室温で滴下し、2時間撹拌した後濾過した。得られた白色結晶を乾燥し、例示化合物1を7gを得た。カリウムの含有量は例示化合物1モル当り、0.006モルであった。
【0039】
合成例3(例示化合物8のナトリウム塩の合成)
2−〔N−(p−クロロフェニル)カルバモイル〕−3−ヒドロキシナフタリン(例示化合物1)282gをメタノール400ml、水酸化ナトリウム113.4g及び水1440mlに溶解し、80℃に昇温した。この中に35%ホルムアルデヒド水溶液66gを添加し9時間反応させた。
反応液を50℃に冷却し、濾過したところ黄色の結晶が得られた。この結晶を乾燥して例示化合物8のナトリウム塩の微粉末261gを得た。なお、ナトリウムの含有量は、例示化合物8の1モル当り0.98モルであった。
【0040】
合成例4(例示化合物8の部分カリウム塩の合成)
合成例3で得られたナトリウム塩120gをN−メチルピロリドン(キシダ化学製、一級)167mlに溶解した液を、炭酸カリウム27gを水2.4リットルに溶解し、60℃に加熱し、高回転数(約700rpm)で撹拌している溶液中に一気に添加した。得られた、混合液を2時間加熱し、濾過したところ淡黄色の結晶が得られた。この結晶を乾燥して110gの微粉末を得た。なお、カリウム量は、例示化合物8の1モル当り0.031モルであった。また、ナトリウムは殆んど検出されなかった。
【0041】
合成例5(例示化合物8の部分カリウム塩の合成)
合成例3で得られたナトリウム塩120gをN−メチルピロリドン167mlに溶解し、60℃に加熱した液に炭酸カリウム54gを水2.4リットルに溶解し、60℃に加熱した溶液を約30分で添加した。60℃で7時間加熱撹拌し、濾過、乾燥して115gの淡黄色の微粉末を得た。
なお、カリウムの含有量は例示化合物8の1モル当り0.034であった。
【0042】
合成例6(例示化合物8の部分カリウム塩の合成)
合成例3で得られたナトリウム塩を120g使用し、炭酸カリウムを使用する代わりに酢酸カリウム37.5gを使用し、反応温度を60℃の代わりに50℃にする以外は合成例5と同様に反応操作を行い、110gの淡黄色の微粉末を得た。なお、カリウムの含有量は例示化合物8の1モル当り0.030モルであった。
【0043】
合成例7(例示化合物8の部分カリウム塩でb/a>0.2で且つb>0.5μmの化合物)
合成例3で得られたナトリウム塩130gをN−メチルピロリドン182mlに溶解し、60℃に加熱した溶液を炭酸カリウム29.4gを水2.6リットルに溶解し60℃に加熱、低回転数(250rpm)で撹拌している溶液中に約1時間かけて添加した。混合液を1時間加熱し、濾過、乾燥したところ120gの淡黄色の微粉末を得た。なお、カリウムの含有量は例示化合物8の1モル当り0.033モルであった。
【0044】
合成例8(例示化合物8 カリウムを含まない化合物)
合成例3で得られた例示化合物8のナトリウム塩10gをN−メチルピロリドン15mlに溶解し、35%塩酸2gを含む水100mlに添加した。60℃1時間撹拌した後、濾過、乾燥を行って9.5gの淡黄色の微粉末を得た。
なお、カリウムの含有量は例示化合物8の1モル当り0.0001モル以下であった。
【0045】
実施例1〜3及び比較例1
ポリエステル樹脂(酸成分としてフタル酸、ジオール成分として
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とエチレングリコ
ールを用いて合成。Mw:32000) 100部
ピグメントブルー15:3(KET BLUE 111) 4部
合成例4の化合物 6部
上記材料を配合混練りし、粉砕分級して平均粒子径8.9μmのシアントナーを得た。このトナー100部に、疎水化処理されたシリカを0.8重量%添加してテスト用トナーを得た。このテスト用トナーを非磁性一成分用の現像槽(ソニーテクトロニクス社製,Phaser540用ゴムローラー,ウレタン製ブレード)に投入し、ローラーを一定回転させた後、ローラー上のトナー帯電量を測定した。またOHP透明性についてもOHPシートに画像を印字し、透過率を測定した。(結果を表−3に示す)また、更にこのテスト用トナーをフルカラープリンター(ソニーテクトロニクス社製,非磁性一成分用)で実写を行ったところ、かぶりの少ない鮮明な画像が得られ、8000枚複写を重ねた後も画像の品質は低下しなかった。
表−3に示す合成例4の化合物を使用する以外は実施例1と同様にトナーを調製し、帯電量、透過率を測定した。結果を表−3に示した。
また、比較例として、合成例7の化合物も同様にトナーに調製し、帯電量、透過率を測定し、表−3に示した。
【0046】
【表3】
Figure 0003563596
【0047】
上表に示されるように、比較例に示す、長軸の長さ(a)、短軸の長さ(b)としたときのb/a>0.2、b>0.5μmとなった合成例7で作った化合物ではOHP透明性が実施例1、2、3に比べてかなり劣っている。
この結果より、本発明の特定性状の化合物が帯電制御剤として優れていることが明らかである。
【0048】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーは、十分な帯電レベル、及び長期に亘る連続複写においても帯電安定性を有し、透明性に優れたカラートナーを提供しうる。

Claims (3)

  1. 短軸の長さ(b)対長軸の長さ(a)の比(b/a)が0.2以下であり、且つ短軸の長さ(b)が0.5μm以下である針状結晶であって、下記一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩を含有し、該部分カリウム塩におけるカリウム含有量が該化合物1モル当り、0.001〜0.5モルであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 0003563596
    Figure 0003563596
  2. 一般式(II)のR3 がメチレン基であることを特徴とする請求項に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 一般式(I)又は(II)で表わされる化合物の部分カリウム塩が、一般式(I)又は(II)で表わされる化合物のアルカリ金属塩化合物を溶解した有機溶媒中に水又は別のアルカリ金属塩水溶液を添加することにより得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
JP14555598A 1998-05-27 1998-05-27 静電荷像現像用トナー Expired - Fee Related JP3563596B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14555598A JP3563596B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 静電荷像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14555598A JP3563596B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 静電荷像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11338192A JPH11338192A (ja) 1999-12-10
JP3563596B2 true JP3563596B2 (ja) 2004-09-08

Family

ID=15387882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14555598A Expired - Fee Related JP3563596B2 (ja) 1998-05-27 1998-05-27 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3563596B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6811941B2 (en) * 2000-11-07 2004-11-02 Konica Corporation Electrostatic image developing toner and image forming method
JP3945167B2 (ja) * 2001-01-18 2007-07-18 コニカミノルタホールディングス株式会社 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法ならびに画像形成方法
JP2007334163A (ja) 2006-06-16 2007-12-27 Sharp Corp 電子写真用トナーおよび電子写真用トナーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11338192A (ja) 1999-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4532579B2 (ja) ジルコニウム化合物、該化合物を含有する電荷制御剤および該化合物の製造方法
WO2012035996A1 (ja) 電荷制御剤及びそれを用いたトナー
JP3809654B2 (ja) 電子写真用トナー
US5246810A (en) Guanidine type compound, toner for developing electrostatic images, developer for developing electrostatic images
JPH08137138A (ja) 荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー
JP3534534B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
US5721084A (en) Charge controlling agent for electrostatic image development, and toner and charge-imparting material employing it
JP3563596B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
EP0548772B1 (en) Toner for the development of electrostatic images
JP2930263B2 (ja) 電子写真用トナー
EP0725320B1 (en) Charge controlling agent for electrostatic image development, and toner and charge-imparting material employing it
JP2000112180A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH02239254A (ja) グアニジン二量化物およびグアニジン二量化物を含有する静電荷像現像用トナー
JP3533905B2 (ja) 静電荷像現像用帯電制御剤およびそれを用いたトナー
JP3582199B2 (ja) 静電荷像現像用帯電制御剤及びそれを用いたトナー
JP3646440B2 (ja) 静電荷像現像用帯電制御剤、並びに、それを用いたトナーおよび電荷付与材
JP4135048B2 (ja) 電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー
JPH11327214A (ja) 静電荷像現像剤
JPH11338193A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3601804B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2801755B2 (ja) 正帯電性電子写真用トナー
JPH11338194A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2000003078A (ja) 静電荷像現像用現像剤
JPH0973193A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH04211691A (ja) 安息香酸亜鉛塩化合物およびこれを用いた電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031219

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20031219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20031222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100611

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees