JP3601804B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録及び静電印刷等において静電荷像を現像するためのトナーに関し、より詳細には、安定した正帯電性を有する電荷制御剤を含有する電子写真用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真の現像剤としては、二成分現像剤及び一成分現像剤(磁性一成分現像剤、圧力定着トナー)があり、二成分現像剤は、通常、トナーと、ガラスビーズ等の非磁性粒子または鉄粉等の磁性粒子のキャリヤーとが含有されている。また、一成分現像剤は、トナーにマグネタイト等の磁性体粒子が含有された磁性トナー(磁性一成分現像剤)と低融解性の圧力定着トナーがある。
【0003】
静電荷像を現像するためのトナーは、天然または合成のバインダー樹脂中に着色剤である顔料、染料等及び電荷制御剤等が分散されており、例えば、ポリスチレン等のバインダー樹脂中に、着色剤及び電荷制御剤等を加え、加熱、溶融、混練して、分散させた後、平均粒径1〜30μm程度に粉砕して微粒子粉末としたものが用いられている。
【0004】
トナーの帯電性を制御するために用いられる電荷制御剤には、負帯電用及び正帯電用がある。正帯電用電荷制御剤としては、アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物及び有機染料、特に塩基性染料とその塩等があげられる。一例として、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ニグロシン塩基、ニグロシンヒドロクロライド、サフラニンγ及びクリスタルバイオレット等があげられる。特に、ニグロシン塩基やニグロシンヒドロクロライドがよく用いられている。
【0005】
しかしながら、上記の正帯電用電荷制御剤として用いられる染料は、構造が複雑でありかつ性質が一定せず安定性に乏しい。また、溶融混練時での分解や機械的衝撃、摩擦あるいは湿度変化等による分解、変質により、帯電性能が低下するという問題がある。また、上記の正帯電用電荷制御剤を含有したトナーを複写機で用いた場合、複写回数の増大に伴い、電荷制御剤の分解や変質によるトナーの劣化の問題が生ずる。
【0006】
また、正帯電用電荷制御剤は、親水性のものが多く、溶融混練後の粉砕時に、バインダー樹脂中への分散不良によりトナー表面に露出し、高湿度下では、親水性であるために、良質な画像が得られないという欠点がある。
【0007】
さらに、正帯電用電荷制御剤は、一般に暗色のものが多く、鮮やかな有彩色の現像剤に用いることができないという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、安定した正帯電量を与え、かつ摩擦帯電量分布がシャープで均一であり、使用される現像システムに適した帯電量に制御できるトナーを提供し、また、長期の連続使用でも、帯電特性の変化がなく、温度や湿度変化の影響を受けない安定したトナーを提供し、さらに、鮮やかな有彩色を有するトナーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記問題点を解決し得る正帯電用電荷制御剤となる化合物を見出し、この化合物を正帯電用電荷制御剤として含有するトナーを得るに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記一般式<A>、一般式<B>、一般式<C>、一般式<A>の錯塩である一般式<D>、一般式<B>の錯塩である一般式<E>あるいは一般式<C>の錯塩である一般式<F>で表される化合物(以下「一般式の化合物群」と略記)を正帯電用電荷制御剤として含有することを特徴とする電子写真用トナーである。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
上記の式中、R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(C1〜C4)、アルコキシ基(C1〜C4)、ニトロ基を表す。R1、R2が複数存在してもよく、R1、R2が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく同一であってもよい。pは、1または2を表す。pが1の時、R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(C1〜C4)、アルコキシ基(C1〜C4)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基を表し、R1、R2が水素原子以外の時のみ、R3は、水素原子を表す。R3が複数存在してもよく、R3が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく同一であってもよい。pが2の時、R3は、水素原子を表す。一般式<B>及び一般式<E>において、R3は、pが1の時と同じである。m、n及びoは、1〜5の整数を表す。Mは、Zn、Cu、Ni、Co、Ca、Cr、Al、ホウ酸塩、アルミン酸塩を表す。zは、1、2または3を、z’は、2または3を、z”は、1または3を表す。
【0018】
以下、本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」について、詳細に説明する。
【0019】
R1、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(C1〜C4)、アルコキシ基(C1〜C4)、ニトロ基を表す。
【0020】
R1、R2のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子があげられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基があげられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基があげられる。
【0021】
R1、R2は、複数存在してもよく、R1、R2が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく、また同一であってもよい。m、nは、1〜5の整数を表す。
【0022】
pは、1または2を表す。pが1の時、R3は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(C1〜C4)、アルコキシ基(C1〜C4)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基を表し、R1、R2が水素原子以外の時のみ、R3は、水素原子を表す。R3が複数存在してもよく、R3が複数存在する場合、各々が異なっていてもよく、また同一であってもよい。pが2の時、R3は、水素原子を表す。一般式<B>及び一般式<E>において、R3は、pが1の時と同じである。
【0023】
R3のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子があげられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基があげられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基があげられる。oは、1〜5の整数を表す。
【0024】
Mは、Zn、Cu、Ni、Co、Ca、Cr、Al、ホウ酸塩、アルミン酸塩を表す。
【0025】
ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のアルカリ金属塩、ホウ酸アンモニウム及びホウ酸メチルアミン、ホウ酸ジメチルアミン、ホウ酸トリエチルアミン、ホウ酸テトラメチルアンモニウム等のアルキル基(C1〜C18)を持った第1〜4級アミン塩があげられる。また、アルミン酸塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルカリ金属塩があげられる。
【0026】
一般式<D>におけるzは、1、2または3を表す。pが2でかつMが2価(Zn、Cu、Ni、Co、Ca等)の時、zは1となる。pが1でかつMが2価の時、zは2となる。pが1でかつMが3価(Cr、Al、ホウ酸塩、アルミン酸塩等)の時、あるいはpが2でかつMが3価の時にMの2原子に対し、zは3となる。
【0027】
一般式<E>におけるz’は、2または3を表す。Mが2価の時、z’は2となる。Mが3価の時、z’は3となる。
【0028】
一般式<F>におけるz”は、1または3を表す。Mが2価の時、z”は1となる。Mが3価の時にMの2原子に対し、z”は3となる。
【0029】
本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」は、以下に示す方法により合成される。
【0030】
(合成法1)
「一般式の化合物群」の内、一般式<A>の化合物であってpが1の時、及び一般式<B>の化合物は、下記に示すように、ベンジル類、芳香族アルデヒド及び酢酸アンモニウムを、氷酢酸中で2〜5時間還流することにより得られるが、他の合成方法でも可能である。
【0031】
【化13】
【0032】
(合成法2)
「一般式の化合物群」の内、一般式<A>の化合物であってpが2の時、及び一般式<C>の化合物は、下記に示すように、ベンジル類、フタルアルデヒド及び酢酸アンモニウムを、氷酢酸中で2〜5時間還流することにより得られるが、他の合成方法でも可能である。
【0033】
【化14】
【0034】
(合成法3)
「一般式の化合物群」の内、一般式<A>の錯塩である一般式<D>の化合物であってpが1の時、及び一般式<B>の錯塩である一般式<E>の化合物は、下記に示すように、(合成法1)で得られた化合物を、メタノール、エタノール等のアルコール系水混和性溶媒やベンゼン、トルエン等の芳香族系高沸点溶媒に溶解し、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、カルシウム、クロムまたはアルミニウムの金属塩類を混合した後、必要に応じて前記以外の高沸点溶媒を加え、2〜20時間還流することにより得られる。
【0035】
また、ホウ酸塩及びアルミン酸塩の化合物を得る場合は、(合成法1)で得られた化合物を、メタノール、エタノール等のアルコール系水混和性溶媒に溶解し、ホウ酸塩溶液または調整直後のアルミン酸塩溶液を加えることにより得られる。
【0036】
【化15】
【0037】
(合成法4)
「一般式の化合物群」の内、一般式<A>の錯塩である一般式<D>の化合物であってpが2の時、及び一般式<C>の錯塩である一般式<F>の化合物は、下記に示すように、(合成法2)で得られた化合物を用いて、(合成法3)と同様して得られる。
【0038】
【化16】
【0039】
化15及び化16の式中、Xはハロゲン原子を、wは1〜3の整数を表す。
【0040】
本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」の一例を、以下に示す。
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
本発明のトナーは、バインダー樹脂及び着色剤である顔料及び染料等に、前述した正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」を配合することにより得られる。正帯電用電荷制御剤の配合形態としては、バインダー樹脂及び着色剤等と共にトナー内に均一あるいはカプセルで内包させる、いわゆる内添形態と、予めバインダー樹脂及び着色剤等により作製された微粒子粉末に、混合、付着させる外添形態とがある。
【0050】
内添形態の場合、本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」の含有量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて添加される添加剤の有無、分散方法を含めたトナーの製造方法によって決定され、一般的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0051】
また、外添形態の場合、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部である。
【0052】
なお、本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」は、必要に応じて、従来公知の電荷制御剤と組合わせて用いることもできる。
【0053】
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィンあるいはパラフィンワックス等があげられ、単独あるいは混合して用いられる。
【0054】
また、本発明に用いられる低融解性の圧力定着トナーに好適なバインダー樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、ポリ4フッ化エチレン等のポリオレフィン、エポキシ樹脂、酸価10以下のポリエステル樹脂、スチレンモノマー:ブタジエンモノマー比が5〜30:95〜70のスチレン−ブタジェン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂のオレフィン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂あるいはフェノール変性テルペン樹脂があげられ、単独または混合して用いられる。
【0055】
本発明に用いられる着色剤としては、公知の顔料や染料があげられる。一例として、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザーイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクドリン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系あるいはジスアゾ系染顔料があげられ、単独または混合し、必要に応じて任意に用いられる。
【0056】
また、本発明のトナーは、バインダー樹脂、着色剤、正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」の他に、磁性材料を含有させることにより、一成分現像剤の磁性トナーとしても使用できる。
【0057】
磁性材料としては、マグネタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属あるいはアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の合金及びその混合物があげられる。トナーに含有される磁性材料の平均粒径は、0.1〜2μm程度で、その含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して約20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部である。
【0058】
さらに、本発明のトナーには、必要に応じて上記以外の添加剤が添加される。上記以外の添加剤としては、例えば、テフロン、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、コロダイルシリカ、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、ケーキング防止剤、カーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤あるいは低分子量ポリエチレン等の定着助剤等があげられる。
【0059】
本発明のトナーは、バインダー樹脂に、着色剤及び正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」、さらに必要に応じて磁性材料、添加剤等を加え、ボールミル等の混合機で混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の加熱混練機を用いて溶融、混練して、分散または溶解させる。ついで、冷却、固化した後、粉砕、分級して、平均粒径5〜20μmの微粒子粉末とすることにより得られる。
【0060】
あるいは、バインダー樹脂溶液中に、着色剤等及び正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」を分散した後、噴霧乾燥したり、バインダー樹脂を構成すべき単量体に、着色剤等及び正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」を混合して乳化懸濁液とした後、重合させることにより得られる。
【0061】
さらに、前述したように、予め正帯電用制御剤である「一般式の化合物群」の全部または一部を除いて、バインダー樹脂及び着色剤により作製した微粒子粉末に、正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」を外添することによっても得られる。
【0062】
上記のようにして作製された本発明のトナーは、従来公知の手段を用いる電子写真、静電記録及び静電印刷等における静電荷像の現像剤として、全てに用いることができる。
【0063】
本発明のトナーは、トナー粒子間やトナーとキャリヤー間の摩擦帯電特性が安定し、かつ摩擦帯電量分布がシャープで均一になり、画像へのカブリやトナーの飛散のない、使用する現像システムに適した帯電量に制御できる現像剤を得ることができる。
【0064】
また、長期の連続使用でも、トナーが凝集することなく、帯電特性も変化せず、また湿度、温度変化の影響を受けない安定した画像を得ることができる。
【0065】
さらに、前記の正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」は、色調障害もないので、優れた有彩色の画像を得ることができ、カラー電子写真用トナーとして好適であり、加えて、高速現像用トナーにも適用できる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を、合成例及び実施例に基き説明する。本発明はこれらの合成例及び実施例により何ら限定されない。なお、合成例及び実施例中の「部」は、重量部を表す。
【0067】
合成例1
ベンジル21.0部、p−トルアルデヒド12.0部、酢酸アンモニウム77.1部、氷酢酸600部を仕込み、還流下で4時間反応させた後、氷水に投入し、アンモニア水でアルカリ性にして析出結晶をろ取した。ついで水洗、乾燥して白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物1」;4,5−ジフェニル−2−(4−メチルフェニル)イミダゾールであった。
【0068】
元素分析の結果は、C:84.98%(85.12%)、H:5.91%(5.84%)、N:8.98%(9.03%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0069】
合成例2
合成例1において、ベンジル及びp−トルアルデヒドの代りに、アニシル27.0部及び4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド14.9部を用いた以外は、合成例1と同様にして、白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物6」;4,5−ジ(4−メトキシフェニル)−2−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)イミダゾールであった。
【0070】
元素分析の結果は、C:75.18%(75.35%)、H:6.14%(6.07%)、N:10.32%(10.54%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0071】
合成例3
合成例1において、ベンジル及びp−トルアルデヒドの代りに、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサメトキシベンジル39.0部及びp−アニスアルデヒド15.2部を用いた以外は、合成例1と同様にして、白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物10」;4,5−ジ(3,4,5−メトキシフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)イミダゾールであった。
【0072】
元素分析の結果は、C:65.01%(65.35%)、H:7.40 %(7.44%)、N:5.39%(5.44%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0073】
合成例4
合成例1において、p−トルアルデヒドの代りにテレフタルアルデヒド6.7部を用いた以外は、合成例1と同様にして、白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物16」;1,4−ビス(4,5−ジフェニルイミダゾリル−2)ベンゼンであった。
【0074】
元素分析の結果は、C:83.97%(84.02%)、H:5.15%(5.09%)、N:10.72%(10.89%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0075】
合成例5
合成例1において、ベンジル及びp−トルアルデヒドの代りに、アニシル27.0部及びテレフタルアルデヒド6.7部を用いた以外は、合成例1と同様にして、白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物17」;4−ビス[4,5−ジ(4−メトキシフェニル)イミダゾリル−2]ベンゼンであった。
【0076】
元素分析の結果は、C:84.03%(84.18%)、H:6.12%(6.00%)、N:9.74%(9.81%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0077】
合成例6
合成例1で得られた「化合物1」29.6部をジメチルホルムアミドに溶解した後、塩化亜鉛6.81部の水溶液を加え攪拌しながら、7時間還流した後、水に投入し、析出した結晶をろ取した。ついで水洗、乾燥して白色結晶性粉末を得た。得られた粉末は、1H,13C−NMRにより、「化合物31」であった。
【0078】
元素分析の結果は、C:77.16%(77.25%)、H:5.11%(5.01%)、N:8.10%(8.19%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0079】
合成例7
合成例3で得た「化合物10」69.5部をエタノール還流下で溶解した後、ホウ酸3.1部及び水酸化カリウム2.0部の混合水溶液を加え攪拌しながら、2時間還流した後、冷却し、析出した結晶をろ取、乾燥して白色結晶を得た。得られた結晶は、1H,13C−NMRにより、「化合物34」であった。
【0080】
元素分析の結果は、C:63.85%(64.04%)、H:5.62%(5.56%)、N:5.28%(5.33%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0081】
合成例8
合成例4で得た「化合物16」65.2部をジメチルホルムアミドに溶解した後、酢酸亜鉛2水和物21.9部の水溶液を加え攪拌しながら、3時間還流した後、冷却し、冷水に投入し、析出した結晶をろ取した。ついで水洗、乾燥して白色結晶を得た。得られた結晶は、1H,13C−NMRにより、「化合物35」であった。
【0082】
元素分析の結果は、C:63.06%(63.17%)、H:3.16%(3.09%)、N:8.10%(8.17%)であった。かっこ内は理論値を示す。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
実施例1
スチレン系樹脂(SBM−600、三洋化成工業(株)製)100部に、着色剤としてカーボンブラック10部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物1」2部を配合し、熱ロールを用いて加熱、混練し、放冷した後、ハンマーミル(不二パウダル(株)社製)を用いて粗粉砕し、さらにジェツトミル((株)セイシン企業製)で微粉砕して、平均粒径12μmの黒色トナーを得た。得られたトナー4部とフェライトキャリヤー(平均粒径100μm)100部とを混合、攪拌して、二成分現像剤を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0085】
得られた現像剤の常温、常湿下(25℃、60%RH)での帯電量をブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を用いて測定した結果、20μC/gであった。試験結果を表4に示す。
【0086】
また、得られた現像剤を用いて、有機光導電体の感光体を用いる市販乾式複写機で、高温、高湿度下(40〜45℃、85〜90%RH)で画出し試験を行ったところ、白地への汚れであるカブリのない高濃度の画像が得られた。3万枚の画出し後もカブリもなく良好な画像が得られ、高温、高湿下での耐久性に優れていた。また、高温、高湿下(40〜45℃、85〜90%RH)での帯電量をブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて測定したところ、18μC/gであり、湿度に対する摩擦帯電特性の変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0087】
実施例2
実施例1において、正帯電用電荷調整剤として「化合物1」の代りに「化合物6」1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量22μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0088】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、19μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0089】
実施例3
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物10」2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量18μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0090】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、17μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0091】
実施例4
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物16」10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量23μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0092】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、20μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0093】
実施例5
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物17」1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量22μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0094】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、20μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0095】
実施例6
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物31」2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量24μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0096】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、21μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0097】
実施例7
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物34」10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0098】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0099】
実施例8
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「化合物35」1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量23μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0100】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、21μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0101】
実施例9
実施例1において、ポリエステル系樹脂(ポリエスターHP−301、日本合成化学(株)登録商標)100部、カーボンブラック10部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物1」2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量19μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0102】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、17μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0103】
実施例10
実施例1において、ポリエスターHP−301;100部、カーボンブラック10部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物6」2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0104】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0105】
実施例11
実施例1において、スチレン−アクリル系樹脂(ハイマーTB1000、三洋化成工業(株)登録商標)100部、着色剤としてC.Iピグメントブルー15;4部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物1」3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、シアントナーを得た。ついで、実施例1同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0106】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0107】
実施例12
実施例1において、ハイマーTB1000;100部、C.Iピグメントブルー15;4部及び電荷制御剤として「化合物17」3部を用いた以外は、実施例1と同様にして、シアントナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量17μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0108】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、16μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0109】
実施例13
実施例1において、ポリエステル系樹脂(ポリエスターHP−301)100部、着色剤としてC.Iソルベントレッド49;5部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物1」5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、マゼンタトナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0110】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0111】
実施例14
実施例1において、ポリエスターHP−301;100部、C.Iソルベントレッド49;5部及び正帯電用電荷制御剤として「化合物31」5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、マゼンタトナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量18μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0112】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、16μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0113】
実施例15
実施例1において、SBM−600;100部、着色剤としてC.Iピグメントイエロー17;10部及び電荷制御剤として「化合物1」10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、イエロートナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0114】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0115】
実施例16
実施例1において、SBM−600;100部、C.Iピグメントイエロー17;10部及び電荷制御剤として「化合物35」10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、イエロートナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤(常温、常湿下での帯電量17μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0116】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、16μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0117】
実施例17
実施例1において、SBM−600;100部、カーボンブラック10部、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」2部及び磁性材料としてマグネタイト(平均粒径0.5μm)70部を用いた以外は、実施例1と同様にして、一成分現像剤の磁性トナー(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0118】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0119】
実施例18
実施例1において、SBM−600;100部、カーボンブラック10部、正帯電用電荷制御剤として「化合物16」2部及びマグネタイト70部を用いた以外は、実施例1と同様にして、一成分現像剤の磁性トナー(常温、常湿下での帯電量18μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0120】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、16μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0121】
実施例19
実施例1において、SBM−600;100部、カーボンブラック10部及びマグネタイト70部を用いた以外は、実施例1と同様にして、平均粒径12μmの微粒子粉末を得た後、さらに、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」1部(平均粒径0.1μm以下)を添加、混合して、一成分現像剤の磁性トナー(常温、常湿下での帯電量20μC/g)を得た。トナーの組成を表2に示す。
【0122】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、カブリのない高濃度の画像が得られた。さらに3万枚後も良好な画像が得られ、高温、高湿下でも耐久性に優れていた。また、高温、高湿下での帯電量は、18μC/gで、湿度に対する摩擦帯電特性変化が小さかった。試験結果を表4に示す。
【0123】
比較例1
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに市販の第4級アンモニウム塩(ボントロンP−51、オリエント化学(株)登録商標、以下「市販品A」と略記)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、3μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0124】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0125】
比較例2
実施例1において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに市販のニグロシンベースEX(オリエント化学(株)製、以下「市販品B」と略記)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして、黒色トナーを得た。ついで、実施例1と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、7μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0126】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、4μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0127】
比較例3
実施例9において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品A」10部を用いた以外は、実施例9と同様にして黒色トナーを得た。ついで、実施例9と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、3μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0128】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0129】
比較例4
実施例9において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品B」10部を用いた以外は、実施例9と同様にして黒トナーを得た。ついで、実施例9と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、6μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0130】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、4μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0131】
比較例5
実施例11において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品A」10部を用いた以外は、実施例11と同様にしてシアントナーを得た。ついで、実施例11と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、5μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0132】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、3μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0133】
比較例6
実施例11において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに市販品B」10部を用いた以外は、実施例11と同様にしてシアントナーを得た。ついで、実施例11と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、6μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0134】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0135】
比較例7
実施例13において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品A」10部を用いた以外は、実施例13と同様にしてマゼンタトナーを得た。ついで、実施例13と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、3μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0136】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0137】
比較例8
実施例13において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品B」10部を用いた以外は、実施例13と同様にしてマゼンタトナーを得た。ついで、実施例13と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、6μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0138】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、4μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0139】
比較例9
実施例15において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品A」10部を用いた以外は、実施例15と同様にしてイエロートナーを得た。ついで、実施例15と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、4μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0140】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0141】
比較例10
実施例15において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品B」10部を用いた以外は、実施例15と同様にしてイエロートナーを得た。ついで、実施例15と同様にして、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の常温、常湿下での帯電量は、6μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0142】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、3μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0143】
比較例11
実施例17において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品A」10部を用いた以外は、実施例17と同様にして、一成分現像剤の磁性トナーを得た。得られた磁性トナーの常温、常湿下での帯電量は、4μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0144】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、2μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0145】
比較例12
実施例41において、正帯電用電荷制御剤として「化合物1」の代りに「市販品B」10部を用いた以外は、実施例17と同様にして、一成分現像剤の磁性トナーを得た。得られた磁性トナーの常温、常湿下での帯電量は、6μC/gと低かった。トナーの組成を表3に示す。
【0146】
得られた現像剤を用いて、実施例1と同様に行った画出し試験では、途中からトナーの飛散や画像へのカブリがひどくなったため、5千枚で中止した。また、高温、高湿下での帯電量は、4μC/gに低下した。試験結果を表5に示す。
【0147】
【表2】
【0148】
【表3】
【0149】
以下に示した実施例及び比較例の試験結果の表4、5中、○は良好、△はやや不良、×は不良を表す。
【0150】
【表4】
【0151】
【表5】
【0152】
【発明の効果】
正帯電用電荷制御剤として「一般式の化合物群」を含有する本発明のトナーは、トナー粒子間やトナーとキャリヤー間の摩擦帯電特性が安定し、かつ摩擦帯電量分布がシャープで均一になり、画像へのカブリやトナーの飛散のない、使用する現像システムに適した帯電量に制御できる現像剤を得ることができる。
【0153】
また、本発明のトナーは、長期の連続使用しても、トナーが凝集することなく、帯電特性も変化せず、また湿度、温度変化の影響を受けない安定した画像を得ることができる。
【0154】
さらに、本発明に用いられる正帯電用電荷制御剤である「一般式の化合物群」は、色調障害もないので、優れた有彩色の画像を得ることができ、本発明のトナーは、カラー電子写真用トナーとして好適である。また、本発明のトナーは、高速現像用トナーにも適用できる。
Claims (9)
- 下記一般式<A>で表される化合物を正帯電用電荷制御剤として含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 下記一般式<B>で表される化合物を正帯電用電荷制御剤として含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 一般式<A>の錯塩である、下記一般式<D>で表される化合物を正帯電用電荷制御剤として含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 一般式<B>の錯塩である、下記一般式<E>で表される化合物を正帯電用電荷制御剤として含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- 内添形態での正帯電用電荷制御剤の含有量が、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜40重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
- 内添形態での正帯電用電荷制御剤の含有量が、バインダー樹脂100重量部に対して1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
- 外添形態での正帯電用電荷制御剤の含有量が、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
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