JP3563571B2 - 乗客用コンベア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端ベルト状の踏板チェーンに連結された複数の踏板により乗客を搬送する乗客用コンベア、特に、枠体の高さ寸法を小さくすることのできる乗客用コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗客を乗せて移動する乗客コンベアの一種である電動道路では、1リンクピッチが60〜100mm程度で構成している踏板チェーンを使用することが多く、例えば、特開平4−358687号公報に記載された技術が知られている。
【0003】
これは、左右に設けた無端ベルト状の踏板チェーンに軸を介して複数の踏板を固定し、この踏板チェーンを二つのスプロケット間に巻き掛け、これらのスプロケットの一方に回転力を与えて踏板を移動するように構成されている。
【0004】
この他に、1リンクピッチが踏板と同じ約400mm程度の長さの大型のリンクを使用している例として、例えば、特開平2−291388号公報等に記載された技術が知られている。
【0005】
これは、左右に設けた大型リンクに前軸を配置させ、踏板の前側を前軸に支持させ、踏板の後側は後続する前軸に支持させる構成としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術のように、1リンクピッチが60〜100mm程度で構成されたチェーンを使用しているものでは、踏板チェーンに一定の間隔で組み込まれたローラを有する前軸に踏板の前側を支持させ、踏板の後側は踏板自体に設けた後ローラで支える構成となっている。
【0007】
このため、踏板が反転するターミナル部において、とくにターミナルスプロケットの径を小さくすると、踏板チェーンと固定されていない後輪が反転時に後輪を案内支持する後輪ターミナルレールと衝突して踏板に振動や音を発生させる問題があった。
【0008】
また、踏板の前側を前軸に固定させ、踏板の後側は、後続する前軸にスライド可能なように支持させる構成とした場合に、踏板チェーンは大型のものでなく、1リンクピッチが60〜100mm程度で構成された踏板チェーンを使用し、ターミナルスプロケットの直径を小さくした場合、水平状態においては踏板と踏板チェーンが安定した状態になっているが、ターミナル部で踏板が反転する際には、踏板チェーンはスプロケットのピッチ円上を辿った円弧状態となるけれども、踏板は前軸と前軸の間を真っ直ぐな弦の状態となるために、踏板チェーンに対し、踏板側にあまりが発生して、固定されていない踏板後部側が後続する踏板に干渉して構造的に成り立たない。
【0009】
また、この問題を単純に解決する方法として、踏板の前後長及び踏板チェーンのリンクを小さくすれば良いが、従来製品との共通性及び製作性の面で良い手段とは言えない。
【0010】
本発明の目的は、1リンクピッチが60〜100mm程度で構成される踏板チェーンを使用しながら従来の構造と共通性をもち、製作性の面においても劣ることが無く、更に、踏板等から不快な音や振動の発生しない乗客用コンベアを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために左右の踏板チェーンを連結している前軸および後軸を設け、両軸によって踏板の前後側を支持させたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明による乗客用コンベアの一実施例を図面により詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例による電動道路の概略を示す側面図、図2は、本発明の踏板の斜視図、図3は、本発明の踏板反転部を示す拡大図、図4は、踏板自体に後輪を設けている場合の踏板反転部を示す拡大図、図5は、踏板後部を後続する前軸に支持させた場合の踏板反転部を示す拡大図である。
【0014】
図1〜5において、1は枠体、2は主ターミナルスプロケット、3は副ターミナルスプロケット、4は踏板、5は踏板チェーン、6は前輪、7は前軸、8は後輪、9は後軸、10はレール、11は後輪ターミナルレール、12は駆動機械、13は駆動チェーン、14は欄干パネル、15は移動手すり、16は欄干カバーである。
【0015】
以下に説明する一実施例は通路上に水平に設置される乗客コンベア、すなわち電動道路であり、図1に示すように水平に設置される枠体1の長手方向の両側の一方に左右一対の主ターミナルスプロケット2が軸支され、他方に左右一対の副ターミナルスプロケット3が軸支され、これら、主ターミナルスプロケット2と副ターミナルスプロケット3との間に、主チェーンである踏板チェーン5が左右に巻き掛けられて構成されている。
【0016】
踏板チェーン5は、1リンクピッチ60〜100mm程度のもので、前軸7は6リンク毎に設けられ、その両端には前輪6を設けている。後軸9は前軸7の後方の4リンク目に設け、その両端に後輪9を設けている。
【0017】
踏板4は、前記前軸7と後軸9に組み込まれ、踏板4の前側は前軸7に固設され、踏板4の後側は後軸9にスライド可能なように支持される。
【0018】
前記主ターミナルスプロケット2は駆動機械12によって駆動チェーン13を介して駆動され、これに巻き掛けられた踏板チェーン5を回動させ、踏板チェーン5に連結されている前軸7、後軸9と共に踏板4を回動させて乗客を搬送する。
【0019】
他方、前記踏板4の移動方向に沿って、前記枠体1に支持された欄干パネル14が立設されており、この欄干パネル14の周縁に移動手すり15が移動可能に支持されている。また、前記欄干パネル14の下部はカバー16で被われている。
【0020】
従来では、全体の構造は図1と同じであるが、図4に示す如く、踏板4の前側は前軸7に固定され、踏板4の後側は踏板自体に設けた後輪8aによって支持されているため、ターミナル部で踏板4が反転する際、踏板チェーン5に固定されていない後輪8aが、後輪ターミナルレール17に衝突し、音や振動を発生させていた。
【0021】
また、図5の如く、1リンクピッチが60〜100mm程度の踏板チェーン5を使用し、踏板4の前側を前軸7aに固定し、踏板の後側を後続する前軸7aに支持させた場合、踏板4と踏板チェーン5が水平状態の時に比べ、ターミナル部で踏板4が反転する際、踏板チェーン5は主ターミナルスプロケット2のピッチ円上を辿るが、踏板4は真っ直ぐなままの為、踏板チェーン5に対し踏板4側にあまりが発生して、後続する踏板4aと干渉してしまう問題があった。
【0022】
この問題を解決するために、本発明では図2に示す如く、踏板4の前側は前軸7に固定し、踏板4の後側は後軸9にスライド可能なように支持することにより、図3の如く、ターミナル部において、踏板4が反転するときでも踏板相互の干渉も無く回転できる。
【0023】
本発明により、従来構造との共通性を損なわず、製作性の面でも劣ることがなく、更に不快な振動、騒音も低減できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1リンクピッチが60〜100mm程度の踏板チェーンを使用する小型化した乗客コンベアにおいても、従来構造との共通性を損なわず、製作性の面でも劣ることのない、静かで不快な振動、騒音が無い快適な乗客コンベアを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による電動道路の概略を示す側面図である。
【図2】本発明の踏板の斜視図である。
【図3】本発明の踏板反転部を示す拡大図である。
【図4】踏板自体に後輪を設けている場合の踏板反転部を示す拡大図である。
【図5】踏板後部を後続する前軸に支持させた場合の踏板反転部を示す拡大図である。
【符号の説明】
1…枠体、2…主ターミナルスプロケット、3…副ターミナルスプロケット、4…踏板、5…踏板チェーン、6…前輪、7…前軸、8…後輪、9…後軸、10…レール、11…後輪ターミナルレール、12…駆動機械、13…駆動チェーン、14…欄干パネル、15…移動手すり、16…欄干カバー。
Claims (4)
- 多数のリンクがリンクピンにより無端ベルト状に連結された踏板チェーンを左右にそれぞれ回動可能に配置し、両端部にローラを設けた前軸および後軸を所定の間隔をおいて前記踏板チェーンに連結し、前記前軸および後軸によって踏板を支持するとともに、一方の軸を前記踏板へ固定させて前記踏板の進行方向に移動できないようにし、他方の軸を、進行方向に延びるとともに外方端が開放した溝内に支持させることによって、前記踏板の進行方向に対して相対的に移動可能とし、前記左右の踏板チェーンに連結された前記踏板をそれぞれ共通の案内レールに沿って移動可能にしたことを特徴とする乗客用コンベア。
- 請求項1において、前記踏板チェーンは、1リンクピッチがほぼ60〜100mmのものをリンクピンによって無端ベルト状に連結している乗客用コンベア。
- 請求項1において、前記後軸は、6リンク毎に組み込まれた前記前軸の後方の4リンク目に設けた乗客用コンベア。
- 多数のリンクがリンクピンにより無端ベルト状に連結された踏板チェーンを左右にそれぞれ回動可能に配置し、両端部にローラを設けた前軸および後軸を所定の間隔をおいて前記踏板チェーンに連結し、前記前軸および後軸によって踏板を支持するとともに、前記前軸は前記踏板へ固定させることによって前記踏板の進行方向に移動できないように、前記後軸は、進行方向に延び外方端が開放した溝内に支持させることによって前記踏板の進行方向に対して相対的に摺動可能とし、前記左右の踏板チェーンに連結された前記踏板をそれぞれ共通の案内レールに沿って移動可能にしたことを特徴とする乗客用コンベア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22526397A JP3563571B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 乗客用コンベア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22526397A JP3563571B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 乗客用コンベア |
Publications (2)
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JPH1160127A JPH1160127A (ja) | 1999-03-02 |
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JP22526397A Expired - Fee Related JP3563571B2 (ja) | 1997-08-21 | 1997-08-21 | 乗客用コンベア |
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Families Citing this family (1)
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CN110255456A (zh) * | 2019-07-24 | 2019-09-20 | 黄山鼎奇链传动有限公司 | 一种可爬坡和转弯的代步机 |
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1997
- 1997-08-21 JP JP22526397A patent/JP3563571B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1160127A (ja) | 1999-03-02 |
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