JP3562478B2 - 窒化物半導体の成長方法及びそれを用いた素子 - Google Patents

窒化物半導体の成長方法及びそれを用いた素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、窒化物半導体の成長方法及びそれを用いた窒化物半導体素子に係り、特に窒化物半導体基板及びそれを用いた素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体を用いたレーザ素子は、主に青色〜紫色の短い波長のレーザ光を発振するものであり、光ディスク装置などその特性を活かして様々な用途が検討されている。このレーザ素子の連続発振は、近年実現され、実用化されているが、その応用において素子の特性が十分満足のいくものではなく、さらなる素子特性の向上が求められている。また、窒化物半導体素子を用いたLEDでは、紫外域〜赤色の発光色が得られ、その他にも受光素子、トランジスタなどの様々な素子にも用いることができる。
【0003】
このような窒化物半導体素子は、主に窒化物半導体と異なる材料の異種基板において、低温成長バッファ層を形成しその上に、その温度よりも高温で成長させた窒化物半導体などの下地層を介して素子構造が形成される。しかし、上記素子の中でも大電流、高出力での駆動が必要なLD、高出力タイプのLEDなどでは、結晶欠陥、特に貫通転位などの転位密度が素子特性を決定する大きな要因となっている。これは、転位密度が大きくなると、上記大電流、高出力駆動下で、素子特性が悪化し、実用に足る素子が得られ難いことにある。このため、このような窒化物半導体素子には、ELOG(Epitaxially Lateral Overgrowth)などの横方向の成長を用いて成膜される窒化物半導体層を下地層とし、その下地層の上に素子構造を形成することで、転位密度の良好な基板を用いることとなり、上記問題を解決できる。また、異種基板上に、ELOGなどの横方向成長を用いた窒化物半導体基板を形成後、異種基板を除去して、窒化物半導体の単体基板とすることもできる。このような下地層、窒化物半導体基板は、上述した他の素子にも適用できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ELOGなどの横方向成長を伴って成膜された窒化物半導体として知られた方法に、窒化物半導体の上に選択的にSiOなどのマスクを表面に形成し、マスク開口部から窒化物半導体を成長させ、マスク上部でマスクを覆うように横方向成長させて、成膜させる方法がある。しかし、この方法では、マスク材料が、窒化物半導体内部に残されることになり、素子構造によっては、マスクにより電流の流れが阻害されるものとなるため、素子構造が制限される場合がある。また、図6に示すように、横方向の成長で、隣接する各々の横方向成長の窒化物半導体同士と接合することで成膜されるが、このような方法では、接合する前までは、異なるマスク開口部から成長した各々の窒化物半導体は、分離して成長される状態にあることから、各窒化物半導体の成長速度の違いにより、図に示す接合部の位置が変化し、各々の窒化物半導体が個々に成長することからこれを制御することは困難である。このことで、図に示す接合の不良を招いたり、場所により接合されない部分が存在したり、接合位置にばらつきを発生させ、窒化物半導体基板として、取り扱いの困難なものとなる。このように分離して成長させる段階を経る窒化物半導体の成長方法では、マスク材料を用いない方法でも存在し、例えばエッチングなどにより島状若しくは、凹凸を形成した窒化物半導体から成長させる方法でも、接合するまでは、個々の窒化物半導体は、互いに干渉せずに横方向成長することから、横方向成長速度の僅かな差でも、接合位置のばらつき、接合不良を生み出す原因となる。
【0005】
従って、結晶性に優れた窒化物半導体の成長方法において、制御性に優れ、得られる窒化物半導体の結晶性にばらつきの少ない方法が、量産などにおいて、必要となる。
【0006】
さらに、図6に示すように、横方向に成長させる場合でも、膜厚方向への成長も発現し、このことから、マスク領域、若しくは隣り合う窒化物半導体の成長表面の距離、すなわち横方向成長させる距離が長くなれば、必然的に厚膜になる傾向にある。窒化物半導体の膜厚が大きくなるとコストが増大し、また、異種基板上に成長させた場合には基板が反る問題も、膜厚が大きくなるに従って、反りも大きくなるため、反りの大きな窒化物半導体は、素子構造の形成などにおいて、取り扱いを困難なものとする。このため、窒化物半導体の膜厚は、できるだけ薄く形成することが好ましいものとなる。一方で、横方向成長領域を大きくすると、横方向成長により形成された領域では、貫通転位が窒化物半導体の成長と共に進行して、膜厚方向に転位が進行しないことから、横方向成長領域では、貫通転位の少ない領域となり、LD、LEDなどではこの低転位欠陥密度領域を利得領域、電流注入領域、若しくは発光再結合領域として、利用することから、広い低転位欠陥密度領域であれば素子の特性に有利なものとなる。従って、従来の窒化物半導体の成長方法では、貫通転位などの欠陥密度が低い領域を形成しようとすると、横方向成長させる距離もしくは面積を大きくする必要があり、横方向成長領域を大きくすると、必然的に窒化物半導体の膜厚が大きくなり、窒化物半導体素子に用いるのに不利なものとなる。また、横方向成長距離が長くなると、上述した各々の窒化物半導体の成長速度の差に起因する接合不良の発生率も増大し、ついには良好な接合が困難となる。すなわち、この問題も、横方向成長時に、各窒化物半導体が分離されて、個々に成長することに起因する問題であるとも考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、特に転位密度を低減し、且つその制御に優れた窒化物半導体の成長方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(6)の構成により、課題を解決するものである。
(1)第1の窒化物半導体表面に、熱処理により、選択的に熱分解された第1の表面と、該第1の表面よりも窒化物半導体の成長速度の大きい第2の表面とを形成する工程と、該第1の窒化物半導体の第1の表面及び第2の表面に第2の窒化物半導体を成長させる工程と、を具備してなることを特徴とする窒化物半導体の成長方法。この方法により、第2の窒化物半導体層は、第1の表面、第2の表面から異なる成長速度で成長され、このことにより各表面上で異なる成長形態が実現され、結果として、第1の表面上の第2の窒化物半導体層には、貫通転位が低減された低欠陥密度領域が形成される。さらに、第1の表面、第2の表面から、窒化物半導体が成長するため、従来のように独立して成長させることがなく、互いに影響されながら窒化物半導体が成長することで、膜厚を小さくして貫通転位の低減、鏡面の表面が得られ、さらにその成長を容易に制御可能である。この時、第1の表面、第2の表面は、第1の窒化物半導体層にそれぞれ複数設けられ、好ましくは交互に設けられることで、互いに影響した成長が可能である。また、第1の表面、第2の表面の形状は、特に限定されないが、好ましくはストライプ状として、交互に形成されることで、良好な第2の窒化物半導体層の成長が可能となる。また、このように熱処理により、第1の表面、第2の表面を形成することで、容易に成長速度に差が設けられる表面が形成され、また上述した第2の窒化物半導体層に伝搬する貫通転位を低減する凹凸を呈した表面が容易に形成することができる。
(2)前記第1の表面が、第2の表面よりも大きな凹凸を有していることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の成長方法。このことにより、上述したような成長速度の差が発生し、転位欠陥密度の低減に寄与するものとなる。また、表面に凹凸を呈していることで、凹凸を有する第1の表面では、成長初期において2次元成長、3次元成長が混在した複雑な成長形態が起こると考えられ、これにより第1の窒化物半導体層から第2の窒化物
半導体層に伝搬する貫通転位の数を低減することができる。
(3)前記第1の表面及び第2の表面を形成する工程が、前記第1の窒化物半導体表面に選択的にマスクを形成して、MOCVD装置内において、少なくともキャリアガスの供給下で熱処理することで、マスクが形成されていない非マスク領域の第1の窒化物半導体を熱分解により一部を除去して第1の表面を形成し、該マスクを除去して第2の表面を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の窒化物半導体の成長方法。
(4)前記熱処理が、窒化物半導体のV族元素のソースガスを供給することを具備してなる請求項3記載の窒化物半導体の成長方法。
(5)前記第2の窒化物半導体を下地層とし、該下地層の上に、窒化物半導体を有する素子構造が設けられた窒化物半導体素子。第2の窒化物半導体層を成長基板として用いることで、結晶性に優れた素子構造が形成され、さらにその低欠陥密度領域B内に、活性層に電流が流れる電流領域を選択的に設けることで、高出力、長寿命の窒化物半導体素子が得られる。
(6)前記第2の窒化物半導体が、窒化物半導体を有する素子構造内に設けられていることを特徴とする窒化物半導体素子。本発明の第2の窒化物半導体層は、従来の横方向成長法と異なり、薄膜で良好な鏡面有する層が形成できるため、この第2の窒化物半導体層を素子構造内に設けることも可能となり、素子構造設計の自由度が大きくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる窒化物半導体は、窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板の上に窒化物半導体を形成したものを用いても良く、また、GaN、AlNなどの窒化物半導体の単体基板、若しくは後述する単体化された窒化物半導体基板を用いても良い。具体的には、第1の窒化物半導体層としては、異種基板の上に形成した窒化物半導体、他の窒化物半導体若しくは窒化物半導体基板の上に形成した窒化物半導体、を用いることができる。また、本発明における窒化物半導体の組成は、特に限定されるものではないが、具体的には、III−V族窒化ガリウム系化合物半導体として知られている材料を用いることができ、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)、さらにはB、P等を加えたInAlGaBN、InAlGaNPなどにも適用できる。好ましくは、Inを含まない、すなわちIn混晶比が0の窒化物半導体を用いることで、分解温度が低く、分解しやすく、結晶成長温度が低く制限されるInを含まないことで、良好な結晶性で成長させることができる。また、構成元素がすくない方が、良好な結晶性が得られる傾向にあり、1μmを超えるような膜厚での成長においては、3元混晶、2元混晶の窒化物半導体を用いることが良好な結晶性の窒化物半導体が得られ、なおかつ、結晶成長の制御にも有利である。このため、比較的厚膜で形成される第2の窒化物半導体には、AlN、AlGaN、GaNが好ましく用いられ、特に、AlGaNは、Alの混晶比yを、例えばy≦0.3と低く抑えることで結晶性の良好な窒化物半導体を形成でき、GaNであるとその中でも特に優れた結晶性の窒化物半導体となるため好ましい。また、このような基板となる窒化物半導体には、p型不純物、n型不純物がドープされていても良く、アンドープで形成すると結晶性に優れたものとなる。
【0010】
また、第1の窒化物半導体と第2の窒化物半導体の組成は、特に限定されず、同じ組成の窒化物半導体を用いても良く、異なる組成であってもよい。好ましくは、格子不整合が小さくなるように、両者の組成を決定することであり、このため、組成をなるべく近いものを選択するか、更に好ましくは、両者を同一の組成とすることで、格子不整合の問題が解決される。また、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層には、n型不純物、p型不純物がドープされていても良く、アンドープで成長させても良い。結晶性を良くするには、不純物濃度を1×1018/cm以下として低濃度でドープすることで、キャリアを保持して結晶性も維持された窒化物半導体となり、更に好ましくは5×1016/cm未満となるドープ量とすることで、結晶性に更に優れ、アンドープとすることで、結晶性に最も優れた窒化物半導体を成長させることが可能となる。
【0011】
また、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層の膜厚は、本発明において、特に限定されず、第2の窒化物半導体層は、平坦な表面が形成される膜厚で形成する。第1の窒化物半導体層の膜厚は、第1の表面、第2の表面が形成される膜厚であればよい。
【0012】
本発明の窒化物半導体の成長に用いる異種基板としては、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA1)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si、及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板等、窒化物半導体を成長させることが可能で従来から知られており、窒化物半導体と異なる基板材料を用いることができる。好ましい異種基板としては、サファイア、スピネルが挙げられる。また、異種基板は、オフアングルしていてもよく、この場合ステップ状にオフアングルした基板を用いると窒化ガリウムからなる下地層の成長が結晶性よく成長する傾向にあるため好ましい。この時、オフ角としては、0.1°〜0.5°、好ましくは0.1°〜0.2°とすることで、良好な窒化物半導体の結晶成長が可能となる。例えば、サファイアC面の基板で、上記範囲内にオフアングルした基板を用いることができる。また、以上に加えて、本発明では、窒化物半導体の単体基板を用いることもできる。単体基板を得るには、上述した異種基板の上に、厚膜の窒化物半導体(第3の窒化物半導体層)を成長させ、異種基板を除去する方法がある。この場合、窒化物半導体の膜厚として、具体的には50μm以上で形成し、異種基板を除去することができ、好ましくは100μm以上とすることで、異種基板の除去を効率的にできる。また、前記異種基板上に、低温成長バッファ層を介して、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を形成した後、第3の窒化物半導体層を成長させる場合には、基板との格子不整合、熱膨張係数差により基板に反りが発生するが、この素子を低く抑えるには、80μm以上120μm以下の範囲とすることが好ましい。この単体基板を第1の窒化物半導体層としても良く、単体基板上に成長させた窒化物半導体層を第1の窒化物半導体層としても良い。
【0013】
本発明の第1の窒化物半導体は、上述したように、異種基板上に形成しても良く、窒化物半導体基板の上に形成しても良い。異種基板の上に、第1の窒化物半導体を形成する場合には、異種基板と第1の窒化物半導体との間に、下地層を設けると良い。この時、異種基板と第1の窒化物半導体との間に設けられる下地層としては、好ましくはAlGaN、GaNを用いることで、良好な結晶性の第1の窒化物半導体を形成することができる。更に好ましくは、Al混晶比が0.3以下のAlGaN若しくはGaNを用いることで良好な結晶性でもって、第1の窒化物半導体を形成できる。下地層(基板)として具体的には、アンドープ(不純物をドープしない状態、undope)、Si、Ge、及びS等のn型不純物をドープしたAlGaN、GaNを用いることができ、好ましくはアンドープのものを用いることで、その他の組成の窒化物半導体を用いた場合に比べて、良好な結晶性を有し、成長基板として優れた表面モフォロジーを形成できる。窒化物半導体基板と、第1の窒化物半導体との間に下地層を設ける場合にもこれと同様な下地層を用いることができる。
【0014】
さらに、この下地層、第1の窒化物半導体層を形成する場合において、それよりも低温で成長させたバッファ層を、異種基板若しくは窒化物半導体基板と、下地層との間に設けることで、好ましい窒化物半導体の成長、すなわち良好な下地層の形成を実現できる。このバッファ層とは、上述した下地層、第1の窒化物半導体層の成長温度よりも低温で成長させた低温成長バッファ層であり、具体的にはAlN、GaN、AlGaN、InGaN等のInAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)が用いられ、300℃以上900℃以下の温度で、膜厚0.5μm以下10Å(オングストローム)以上で形成される。この時、好ましい組成としては、AlGa1−xN(0<x≦1)とすることで、良好なバッファ層として機能し、更にはAl混晶比xを0.5以下としたAlGaN、GaNが好ましいバッファ層として用いることができる。このバッファ層には、不純物がドープされていても、アンドープであってもどちらでも良い。特にこのようなバッファ層を異種基板上に接して形成することで、優れたバッファの機能を利用することができ、その上に上記下地層若しくは、第1の窒化物半導体層を形成することで良好な結晶性で、異種基板上に窒化物半導体を成長させることが可能となる。すなわち、異種基板上に、第1の窒化物半導体層を形成する場合には、第1の窒化物半導体層と異種基板との間に少なくとも上記低温成長バッファ層を設けることで、第1の窒化物半導体層の結晶性を良好なものとでき、これに加えて、第1の窒化物半導体層と低温成長バッファ層との間に下地層を設けることで、更に結晶性を良好なものとできる。この時、下地層、第1の窒化物半導体層の成長温度は、低温成長バッファ層よりも高温で、具体的には800℃以上1200℃以下の温度範囲で成長させる。
【0015】
本発明の窒化物半導体の成長方法において、窒化物半導体を成長させる方法としては、特に限定されないが、MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等、窒化物半導体を成長させるのに知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚が50μm以下ではMOCVD法を用いると成長速度の制御が容易である。また膜厚が50μm以下ではHVPEでは成長速度が速くてコントロールが難しい傾向にあるが、50μm以上の膜厚では、成長速度の大きなHVPEを用いることが好ましい。
【0016】
本発明の第1の窒化物半導体層の表面には、第1の表面と第2の表面を形成する。第1の表面は、第2の表面よりも第2の窒化物半導体の成長速度が小さい表面を有している。具体的には、図2(a)に矢印の長さで、成長速度の大きさを示すように、第1の窒化物半導体表面に、成長速度の小さい領域を第1の表面とし、第1の表面よりも成長速度の大きい領域を第2の表面とを有する。ここで、図2(a)中の矢印は、矢印が長いほど、窒化物半導体の成長速度が大きいことを示すものであり、図2(b)〜(d)は、第2の窒化物半導体層が成長する様子を模式的に示す断面図である。本発明の製造方法では、このように、第1の窒化物半導体層11表面に、第1の表面1と、第1の表面1より窒化物半導体の成長速度の大きい第2の表面2を設けて(図2(a))、第1の窒化物半導体層表面に第2の窒化物半導体層を成長させる(図2(b)〜(d))ものである。このように、本発明では、成長速度の異なる第1の窒化物半導体層11表面に、第2の窒化物半導体層12を成長させることで、第2の表面からの窒化物半導体は、膜厚方向への成長と、図2に示すように、それとは異なる方向への成長、横方向への成長(図2(b)中の矢印方向)が実現されていると考えられる。このため、第1の表面1から成長した窒化物半導体は、その成長が妨げられ、第1の表面1から窒化物半導体の膜厚方向への成長と伴に延びてきた貫通転位は、それが膜厚方向へ伝播するのを妨げると考えられ、結果として第1の表面1上部の第2の窒化物半導体層12表面には、転位欠陥密度の低い領域Bが形成されると思われる。以下、そのことについて詳しく述べる。
<第2の窒化物半導体の成長形態>
本発明の第2の窒化物半導体12は、図6に示す従来の横方向成長させる方法に比べて、横方向に成長させる領域にも、膜厚方向に成長する窒化物半導体が存在することにある。従来の代表的な横方向成長方法は、図6の模式断面図にしめすように、下地層412の窒化物半導体層表面にマスク418を設けて(図6(a))、マスク418開口部から窒化物半導体413aを成長させ(図6(b))、マスク418上部で横方向の成長をさせ、そして、それぞれのマスク開口部から成長した窒化物半導体413aがマスク418上部で接合して(図6(c))、成膜される。また、別の方法では、図6(x)〜(z)に示すように、窒化物半導体の下地層412に凹凸を設けるか、若しくは島状に異種基板410上に点在させて、凸部若しくは島部の窒化物半導体412から選択的に成長させることで、図6(y)の矢印に示すように横方向への成長をさせて、それらが、接合することで成膜されるものとなる。いずれの方法でも、面内で、選択的に窒化物半導体を成長させる領域と、成長させない領域とを設けて、窒化物半導体を成長させる領域から窒化物半導体が、個々に成長させることとなる。また、横方向に成長した領域では貫通転位が低減できるため、横方向成長領域を大きくすること、図6において、マスク418の幅を大きくすること、隣り合う凸部若しくは島部の間隔を大きくすることが好ましいが、横方向への成長を長くすると接合不良を招いたり、異常成長、接合位置のばらつき、膜厚方向への成長もあることから窒化物半導体膜が厚くなる。
【0017】
本発明の第2の窒化物半導体12は、図2に示すように、異なる成長速度で成長する表面を有する第1の窒化物半導体層11上に成長させることで、従来の問題が解決される。これは、選択的に設けられた第1の表面1と第2の表面2とから窒化物半導体を成長させると、図2(b)に示すように、成長途中では、第1の窒化物半導体表面には、膜厚の異なる第2の窒化物半導体層12が形成される。この状態から更に成長が進むと、図2(b)の点線と矢印で示すように、第2の表面2から成長した窒化物半導体は、凸部を形成し、膜厚方向への成長と共に、横方向への成長も始まると考えられる。そのため、図2(c)に示すように、第2の表面2から成長した窒化物半導体が、第1の表面1を覆うような成長が加わるため、次の段階では、第2の窒化物半導体12は、点線部から実線部に成長し、第1の表面1からの成長は、第2の表面2からの成長によりじゃまされる形態となると考えられる。このようになることで、第1の表面1からの成長は、その面積が収縮する傾向となり、一方で、第2の表面2からの成長は、その面積が拡大する傾向となる。すなわち、第2の表面2からの窒化物半導体の成長が、第1の表面からの窒化物半導体の成長に優先される形態をとると考えられる。
【0018】
最後に、更に第2の窒化物半導体12の成長が進むことで、第1の表面1からの成長はそのほとんどが遮断され、第2の表面2から成長した窒化物半導体が、第2の窒化物半導体12の成長の殆どを担う形態をとると考えられる。このような成長形態で形成された第2の窒化物半導体12は、第2の表面2の上部の領域Aでは、第2の表面2からの膜厚方向への成長で形成されるものとなり、一方で、第1の表面1の上部の領域Bでは、第1の表面1からの膜厚方向への成長と、その上を覆うような第2の表面2からの横方向成長により形成されるものと考えられる。結果として、第2の窒化物半導体12の表面では、領域Aでは、その成長形態の殆どが、膜厚方向への成長となり貫通転位密度の大きい領域(高欠陥密度領域)となり、領域Bでは横方向成長が成長途中に含まれると思われるため、転位密度の小さい領域(低欠陥密度領域)となる。このため、本発明では、第2の窒化物半導体層の成長により、第1の表面上の貫通転位を低減させ、選択的に第2の表面上に貫通転位を分布させることができる。
【0019】
図3は、図2の一部を拡大して示すもので、第2の窒化物半導体12の成長形態を点線で示し、貫通転位14が伝搬する様子を示すものである。これからわかるように、本発明では、第1の窒化物半導体11の表面から第2の窒化物半導体12を成長させることで、貫通転位を低減させることができる。すなわち、成長が進むに従って、第1の表面1から延びる貫通転位は、成長途中で止まり、一方でその情報には、第2の表面2から成長した横方向への成長により、第1の表面1を覆うように、横方向に貫通転位が延びている。本発明は、従来の方法とは異なり、横方向成長がなされている領域でも、窒化物半導体が成長しているため、その成長を制御しやすく、また隣接する第1の表面1、第2の表面2から共に成長することから、第2の窒化物半導体12は、従来の膜厚方向だけの成長方法と同様に、表面全体に成膜されることから、従来の成長方法と同様に制御が容易となる。さらに、第1の表面1と第2の表面2とから同時に第2の窒化物半導体12が成長することから、平坦な表面が得られるための膜厚も、従来の横方向成長法より薄くなる。具体的には、図6(a)〜(c)に示す方法では、マスクパターンにもよるが、少なくとも5μm以上の選択成長領域(横方向成長領域)413aの膜厚が必要であり、マスク幅を広げて横方向への成長領域を大きくすると10μm以上の膜厚が必要となるが、本発明の方法では、第1の表面1、第2の表面2の面積、形状、パターンにより異なるが、従来の方法よりも、膜厚が薄くても、良好な表面が得られる傾向にある。具体的には、後述の実施例1及び比較例1を比べて明らかなように、第1の表面、第2の表面のピッチと比較例1におけるマスクのピッチとを同じ条件とした場合に、実施例1では平坦な表面が約5μmの膜厚で得られ、比較例1では約10μmの膜厚で成長させることで平坦な表面が得られることから、本発明の方法では、従来の1/3〜1/2の膜厚で、欠陥密度の低減が可能となる。また、実施例4で示すように、第2の窒化物半導体層表面を良好な鏡面として、窒化物半導体層の良好な成長が可能となる表面モフォロジーを得るために、更に3μmの膜厚で成長させる。このように、本発明の第2の窒化物半導体層を成長させて平坦な表面が得られた後、更に成長させることで下地層の効果が得られ、表面モフォロジーを良好なものとし、鏡面の表面を得る。
【0020】
本発明の窒化物半導体に用いるn型不純物としては、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族、若しくはVI族元素を用いることができ、好ましくはSi、Ge、Snを、さらに最も好ましくはSiを用いることで、良好なキャリアを生成することができる。また、p型不純物としては、特に限定されないが、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Caなどが挙げられ、好ましくはMgが用いられる。
<第1の窒化物半導体層の第1の表面、第2の表面>
本発明の第1の窒化物半導体層には、第1の表面と第2の表面が選択的に形成される。これら第1の表面、第2の表面の形状、パターンとしては、特に限定されないが、ストライプ状、島状、格子状、また窒化物半導体の結晶方位に合わせた六角形状のパターン、ハニカム状として、形成しても良い。この時、このような第1の表面、第2の表面のパターンは、規則的なもの、周期的なものとしても良く、不規則的なもの、周期性を持たないものとしても良い。また、第1の表面、第2の表面のパターンは、これらの中から、成長を制御が容易な方法を適宜選択することができる。この中で好ましくは、ストライプ状とすることであり、なぜなら、他のパターンに比べて、比較的窒化物半導体の成長の制御が容易であり、製造工程も簡略化される傾向にあるためである。ストライプ状に、第1の表面、第2の表面を形成するには、別の表面を間に儲けて様々な周期で形成しても良いが、好ましくはそれぞれの表面を交互に設けることで、上述したように互いに成長が影響されながら成長することができ、好ましい。すなわち、どのようなパターンの第1の表面、第2の表面を形成する場合においても、第1の表面と第2の表面が隣接して設けられるようにすることで、互いに影響を及ぼし合うような、例えば図2に示すような、第2の窒化物半導体の成長が可能となるため好ましく、さらには、第1の表面、第2の表面が交互に、また周期的に繰り返されて設けられるようにすることで、このような成長形態を最大限に利用することが可能となる。
【0021】
第1の窒化物半導体層表面に、第1の表面、第2の表面をストライプ状に形成する場合に、その周期、ピッチなどは特に限定されず、第2の窒化物半導体の組成、成長条件により適宜選択すればよい。具体的には、上述したように第1の表面上方の第2の窒化物半導体領域Bに低欠陥密度の領域が形成されるため、第1の表面を大きくすることで、第2の窒化物半導体層表面全体に占める低欠陥密度領域Bが増すため好ましい。例えば第1の表面の幅を1μm以上20μm以下、好ましくは1以上10μm以下であり、第2の表面の幅を3μm以上20μm以下、好ましくは10μm以上19μm以下であるものを形成することで、第2の窒化物半導体の良好な結晶成長が実現され、好ましい。更に、この条件下であると、第2の窒化物半導体層は、膜厚10μm以下で平坦な表面を有する膜が形成され、更に上記好ましい条件でストライプ状の第1の表面、第2の表面を形成すると、5μm以下での成膜が可能となる。これは、図6に示す従来の成長方法に比べて、本発明の方法では、図2に示すように第1の表面、第2の表面から同時に成長されて、個々の成長は互いに影響を及ぼしあいながら成長することで、小さい膜厚での成膜が可能となると考えられる。
【0022】
また、第1の窒化物半導体層表面に、第1の表面、第2の表面をストライプ状に形成する場合には、C面を主面とするサファイア、A面を主面とするサファイア、又は(111)面を主面とするスピネルを異種基板の成長基板として用いることが好ましい。以下、それぞれの異種基板を用いる場合について説明すると、C面を主面とするサファイアであるとき、第1、2の表面のストライプが、そのサファイアのA面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していることが好ましく、また、主面がサファイアC面からオフアングルしている場合にはオフ角を0.1°以上0.5°以下の範囲、好ましくは0.1°以上0.2°以下の範囲とする。また、ここで、主面がサファイアC面である場合には、A面に垂直な方向から僅かにθだけ傾けた方向をストライプ方向としても良く、この時θとしては、0.1〜0.4°の範囲とすることが好ましい。また、第1、2の表面をストライプ状に形成する場合には、A面を主面とするサファイアであるとき、第1、2の表面のストライプが、そのサファイアのR面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していることが好ましく、また(111)面を主面とするスピネルであるとき、第1、2の表面のストライプが、そのスピネル(MgAl)の(110)面に対してほぼ垂直な方向にストライプ方向を有していること、若しくは図5(a)に示すように、これらの垂直な方向からθだけ傾いた方向とすること、が好ましい。なぜなら、異種基板と第1、2の表面のストライプ方向が上記組み合わせであると、基板面内(異種基板の第1の主面に平行な面内)において、窒化物半導体の成長が異方性を有し、選択成長層の横方向の成長(ストライプ方向に垂直な方向)が窒化物半導体の成長容易な方向となり、好ましい横方向成長が実現される傾向にあるからである。以上は、異種基板を成長基板として、第1の窒化物半導体層を成長させることについて述べたが、同様に異種基板上に成長させた窒化物半導体を、異種基板を除去して得られた単体基板にも適用できる。この場合には、窒化物半導体基板形成時の各異種基板の方向に対応して、ストライプ方向を決定する。
【0023】
本発明における第1の表面、第2の表面は、上述したように、第1の表面の窒化物半導体の成長速度が、第2の表面より小さくなるような表面である。以下、これら第1の表面、第2の表面について説明する。第2の表面は、通常の窒化物半導体が成長可能な表面を有していれば良く、第1の窒化物半導体の成長表面をそのまま用いることができる。第1の表面は、第2の表面よりも成長速度が小さくなるような表面処理を施す必要がある。また、第1の表面、第2の表面ともに、その表面に何らかの処理を施すことも可能であるが、第1の表面だけに表面処理を施す方が、製造工程が短縮され好ましい。
【0024】
通常の窒化物半導体表面よりも、成長速度の小さい窒化物半導体表面を形成するには、様々な方法があるものと考えられる。例えば、窒化物半導体表面を熱分解させる方法、エッチングによる方法、不純物イオンを注入する方法、結晶性の悪い表面を形成させる方法、等様々な方法でもって、結晶表面に損傷を加えるか、変質させることで実現可能である。エッチングにより結晶表面に損傷を加えるには、ドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンビームエッチング(RIBE)、電子サイクロトロンエッチング(ECR)、イオンビームエッチングなどにより、結晶に損傷が加えられた表面を形成すると良い。この時、エッチングガスは、従来知られている窒化物半導体のエッチングガスを適宜選択すると良い。不純物をイオン注入する方法では、上述のn型不純物、p型不純物、B、Alなどを注入することで、結晶表面に損傷を加えると良い。また、これら不純物を高濃度でドープした窒化物半導体層を成長させた表面も、結晶が損傷しているため利用可能である。これらの方法のいずれでも、選択的に、マスクを形成して、マスク開口部、すなわち窓部にこれらの表面処理を施すことで、第1の表面、第2の表面を選択的に形成することとなる。
【0025】
以上の方法の中で、最も好ましくは、熱分解を利用することであり、それにより、簡略な製造工程でもって第1の表面、第2の表面を形成でき、第2の窒化物半導体の成長を再現性良く、また容易に制御でき、貫通転位を低減することが可能となる。以下、熱分解により、第1の表面を形成する方法について、図1を基に説明する。
【0026】
図1に示すように、第1の窒化物半導体層11表面に、選択的にマスク20を形成し、熱処理、加熱することで、図1(b)に示すように、マスク20開口部に、表面の一部が熱分解された第1の表面を、第1の窒化物半導体層に形成する。続いて、マスク20を除去して(図1(c))、第2の窒化物半導体層を成長させる(図2(d))。上述したような成長形態でもって、第2の窒化物半導体層が成長されると、図2(d)に示すように、低欠陥密度の領域Bの表面12bと、高欠陥密度の領域Aの表面12aを有する第2の窒化物半導体基板が形成される。この低欠陥密度領域は、転位密度が1×1010/cm以下であり、好ましくは1×10/cm以下となるものである。また、高欠陥密度領域では、転位密度が1×1010/cm以上となり、欠陥が多い場合には1×1013/cm以上となるものである。また、図4に示すように、第1、2の窒化物半導体層の成長工程、を2回以上繰り返す、若しくは図5に示すように、1回目の第1、2の窒化物半導体層の成長工程の後、第3の窒化物半導体層の成長工程(厚膜化工程)を経て、2回目の第1、2の窒化物半導体層の成長工程を実施、更に第1、2の窒化物半導体層の成長工程、厚膜化工程を繰り返すことにより、低欠陥密度領域Bの転位密度をさらに低減化することも可能となり、10のオーダーの第2の窒化物半導体層表面を得ることが可能となる。
<マスク材料>
本発明で、第1の窒化物半導体層表面にマスクを形成して、選択的に、マスク開口部の表面を熱分解させて、第1の表面を形成する場合に、マスク材料は、熱処理時に、マスクで覆われた領域の第1の窒化物半導体層表面を保護できれば良い。具体的には、熱処理条件、マスク材料などにより、マスクで覆われた第1の窒化物半導体層表面に、影響が及ぼされる場合があっても、第2の表面が第1の表面の成長速度より大きくなるような表面が形成されればよいため、そのような保護機能を果たす保護膜材料を適宜選択する。すなわち、第2の表面を覆うマスクでもって、マスク開口部の第1の表面よりも、熱分解されないようなマスク材料を選択するものであり、好ましくは、マスクで覆われた第2の表面が、熱分解の殆どない面となるようなマスクとすることである。具体的なマスク材料としては、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)等の酸化物、窒化物、またこれらの多層膜、金属、合金等を用いることができる。金属、合金材料としては、Cu、Au、Cr等を挙げることができ、他の金属材料である場合には第1の表面が形成されるように、ミクロンオーダーのマスクパターン形成が可能な材料を選択する。このような材料を用いることで、熱処理時に窒化物半導体を保護し、また窒化物半導体内部へマスク材料が拡散されることがない。これらの保護膜を形成する方法としては、従来知られている蒸着、スパッタ、CVD等の気相成膜技術を用いることができる。
【0027】
本発明において、第1の窒化物半導体層を熱処理により、熱分解させて、第1の表面を形成する方法としては、第1の窒化物半導体が熱分解可能な温度、温度領域で、熱処理することで、熱分解でき、図1に示すように、凹凸を呈した表面が形成される。以下その方法について、一実施形態を説明する。
【0028】
第1の窒化物半導体層を形成後、その表面に選択的にマスクを形成し、続いて、上述した窒化物半導体を成長するのに知られた成長装置の反応容器内に入れる。ここでは、MOCVD装置の反応容器内に、第1の窒化物半導体を形成したウエハをセットする。続いて、反応容器内を窒化物半導体の成長温度域として、キャリアガスなどを供給しながら、一定時間保持する。このようにして、図2(c)に示すように、マスク開口部を熱分解させる。この時、熱処理温度としては、上述したように、第1の窒化物半導体が選択的に熱分解されるような温度とすることであり、またヒーター・反応容器などの形状、位置にもよるが、具体的には基板温度300℃〜1300℃の範囲、好ましくは800〜1200℃の範囲とすることである。
【0029】
また、反応容器内にガスを供給することで、マスク開口部が選択的に熱分解される効果もあることから、そのような作用に適したガスを適宜選択するほうが良い。これは、マスク開口部において、反応容器内の雰囲気ガス、フローガスが開口部で露出した第1の窒化物半導体層に直接接することによる熱分解作用が働くことにある。この時、反応容器内の雰囲気温度は特に限定されないが、具体的には700℃以上900℃以下の範囲に設定することで熱処理が可能で、好ましくは750℃以上850℃の範囲とすることで、マスク下の窒化物半導体層が熱分解されずに、マスク開口部だけが選択的に熱処理される熱処理形態を実現できる。また、反応容器内の雰囲気ガス、フローガスとして具体的には、III族元素、V族元素などのソースガス、導電型不純物のソースガスは、反応容器内に供給せずに、キャリアガスなどの雰囲気ガスを用いる方が好ましい。これは、窒化物半導体の原料となるソースガスを供給すると、上述したような第1の表面に適した熱分解が得られにくい傾向にあるためである。また、III族のソースガスを用いると、III族元素のGa,Al等は、メタルドロップとして第1の窒化物半導体層に付着する傾向にあるため、反応容器内に供給しない方が好ましい。このため、好ましくはV族のソースガスとキャリアガスとすることで、成長速度を低くする第1の表面が形成される。ソースガスとキャリアガスとを組み合わせる場合には、上記キャリアガスとアンモニアガスとを組み合わせて用いることで好ましい熱処理が実現される。更に好ましくは、ソースガスを供給せずに、キャリアガスだけを供給することで、成長速度をより低くさせる第1の表面が得られ、またV族元素のソースガスのNHを供給する場合と供給しない場合とで比較すると、供給しない方が低い温度での熱処理で熱分解が実現され好ましい。この時、キャリアガスは、特に限定されないが、Nなどの不活性ガス、Hなどを用いることができる。ここでは、MOCVD装置を用いた熱処理方法について述べたが、反応装置に応じて、キャリアガス(雰囲気)、ソースガスなどを適宜選択することは言うまでもない。また、このように、反応容器内にガスを供給する場合には、これらのガスにも耐えうるマスク材料を選択する。また、反応容器内の気圧については、特にその違いによる熱処理の変化はみられないため、減圧下、大気圧下(常圧下)、加圧下のいずれでも良い。
【0030】
この時、上述したガスを用いた熱処理により、第1の窒化物半導体層中の窒素原子が、主に熱分解され、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)からなる第1の窒化物半導体層を用いた場合には、熱処理により、Al、In、Gaなどが、分解されずに第1の表面に付着することとなる。この場合、マスク除去時に、残留したAl、In、Gaを溶解除去若しくは洗浄できるような溶液を用いて、除去すればよい。熱処理により第1の窒化物半導体層表面に、第1の表面、第2の表面を形成する場合には、GaNを用いることで、第2の窒化物半導体層の成長に優れた第1の表面を形成することができる。これは、Alを含む窒化物半導体、例えばAlGa1−xN(0<x≦1)、を第1の窒化物半導体層に用いると、熱処理温度がAlを含まない場合に比べて、高くなるため、マスク材料が熱分解され易くなり、利用できるマスク材料が限定され、またマスクで覆われた第2の表面にも熱分解が発生するため、熱処理の制御が困難な傾向にある。その結果、得られる第1の表面と第2の表面との成長速度差が小さくなり、上述した第2の窒化物半導体層の成長形態が得られにくくなる。また、Inを含む窒化物半導体、例えばInGa1−yN(0<y≦1)、を第1の窒化物半導体層に用いると、Inが熱分解しやすいために、マスクで覆われた第2の表面にも熱処理の影響が及び、選択的に第1の表面を形成し、それを制御することが困難な傾向にある。
【0031】
また、本発明の第1の表面を上述した熱処理により形成すると、図3に示すように、第1の表面1上に成長した第2の窒化物半導体層12に、第1の窒化物半導体層11から伝搬する貫通転位の数を低減させる効果がある。これは、詳しいことは不明であるが、熱処理による適度な凹凸の形成が原因でないかと考えられる。さらに、上述したように、熱処理時に、反応容器内にガスを供給して熱処理することで貫通転位の低減効果が選られやすく、更にキャリアがだけを用いた場合に、その低減効果が最も得られ易い傾向にある。
<本発明の窒化物半導体基板の応用>
また、本発明では、第2の窒化物半導体層を複数形成することも可能である。具体的には、図4に示すように、第2の窒化物半導体層12を成長させた後、第2の窒化物半導体に第1の表面12a、第2の表面12bを形成して、別の窒化物半導体層13を形成することもできる。このように、2回以上第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体を成長させることもできる。この時、1回目で形成された第2の窒化物半導体層12には、第1の表面1上に形成された低欠陥密度領域12aと、第2の表面2上に形成された高欠陥密度12bが形成されるため、この高欠陥密度領域12bの貫通転位を減らすように、次の層13を成長させる。このようにすることで、表面のほぼ全面が低欠陥密度の窒化物半導体層を形成することができる。図4を用いて説明すると、1回目の第2の窒化物半導体層12を成長させた後、図4(a)、(b)に示すように、選択的に熱分解させて凹凸を設けて、2回目の第1の表面1(12b)、第2の表面2(12a)を形成する。このように、1回目の成長時の第1の表面1の上に、2回目の成長の第2の表面12aを、1回目の第2の表面2の上に2回目の成長の第1の表面12bが設けられるようにする。この時、1回目の第2の表面2を覆うように、2回目の第2の表面12aを形成することで、図3に示すように、1回目の第2の表面2から延びた貫通転位を2回目の成長時に、低減することが可能となるからである。続いて、2回目の第2の窒化物半導体層となる窒化物半導体層13を成長させることで、窒化物半導体層13の表面には、領域A、領域Bとも欠陥が低減された窒化物半導体が得られる。これとは逆に、2回目の成長において、1回目の成長により形成された低欠陥密度領域Bの欠陥密度を更に低減化させるように、2回目の第1の表面、第2の表面を図とは逆のパターンとし、1回目の第1の表面上に、2回目の第1の表面を形成して、低欠陥密度領域Bのさらなる低欠陥化を図ることもできる。
【0032】
また、本発明の第2の窒化物半導体は、図7に示すように、素子構造104〜112と基板101との間に設けて、下地層として利用することができ、また図8に示すように、素子構造の内部にも設けることができる。
【0033】
また、図5(a)に示すように、第2の窒化物半導体層12の上に、成長させた窒化物半導体層は、図中でハッチングを施して示すように、低欠陥密度領域12a、高欠陥密度領域12aは、その上に成長させた窒化物半導体にもそのような欠陥密度の分布は、領域A、Bとして引き継がれる傾向にある。第2の窒化物半導体層12の上に、厚膜の第3の窒化物半導体層15を積層して、下地層となる第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12、第3の窒化物半導体層15の一部を除去して、窒化物半導体の単体結晶とすることもできる。これは、図5(a)、(c)に示すように、除去領域Cの矢印で示すように、異種基板10側から除去するものであり、少なくとも、異種基板と、第1の窒化物半導体層11との間を除去すること、すなわち、少なくとも第1の窒化物半導体層11を除去することで、窒化物半導体の単体化を実現する。これにより、第1の表面1、第2の表面2を有する第1の窒化物半導体層が除去されることで、結晶性の低い領域が除かれた単体基板となり、裏面からの電極形成が良好な基板となる。更に好ましくは、第2の窒化物半導体層を除去することで、上述した第2の窒化物半導体の成長形態は横方向の成長を伴って形成されることから、それを残した単体基板では、反りの原因となり、また図3に示すように、第2の窒化物半導体層中には多くの欠陥が設けられることから、欠陥の伝播の原因となる。更に好ましくは、図5(b)の除去領域Cとして示すように、第3の窒化物半導体層の一部が除去されるように、単体基板を形成することであり、これにより、結晶性に優れ、反りの低減された単体基板となる。
【0034】
単体基板を得る場合、上述したように、厚膜の第3の窒化物半導体層15の膜厚若しくは、異種基板上に成長させた窒化物半導体の総膜厚を、少なくとも50μm以上とすることで、単体基板とでき、好ましくは100μm以上で、単体基板を取り出す際の取り扱いが容易となり、単体基板の取り出しの歩留まりも向上する。また、除去する前の基板の反りを考慮すると、上述したように、80μm以上120μm以下の範囲とすることが好ましい。このような厚膜の第3の窒化物半導体層15を形成するには、成長速度の大きいHVPEが好ましく用いられるが、厚膜の第3の窒化物半導体層15をHVPEで形成すると、生成された核から核成長したドメインが膜厚方向に成長するに伴って各ドメインが結合して成膜される3次元の成長形態となる傾向にあり、このような場合には、核成長に伴って貫通転位も伝搬するため、貫通転位が分散される傾向にある。例えば、図5(a)に示すように、低欠陥密度領域12b、高欠陥密度領域12aの上に、第3の窒化物半導体層15成長させると、貫通転位が分散されて、第2の窒化物半導体の各領域に対応する領域A、Bで、欠陥密度差が小さくなったり、平均化されて一様な分布を示すものとなる。このような成長形態は、HVPEの成長速度を大きくすることで、得られる傾向にあり、具体的には、10μm/hr以上の成長速度で成長させると、この貫通転位の分散が確認される傾向にある。また、第2の窒化物半導体層12を厚膜化して、第3の窒化物半導体層としてもよいことは言うまでもない。
【0035】
本発明ではまた、図5に示すように、第2の窒化物半導体層12、若しくはその上に成長させた第3の窒化物半導体層15を形成した後、成長基板とした異種基板、第1の表面を有する第1の窒化物半導体層を除去するなどして、図5(b)に示すように、窒化物半導体単体基板とした後、更に、成長表面、除去面に、別の窒化物半導体層16a、16bを成長させることもできる。この方法を用いると、異種基板の上に第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を成長させて、さらに第3の窒化物半導体層を厚膜化すると異種基板と窒化物半導体との格子不整合による基板の反りが大きくなるため、異種基板を除去した第3の窒化物半導体単体基板15aとした後、単体基板に第4の窒化物半導体層16を成長させて厚膜化することで基板の反りも軽減できる。この時、単体基板の上に、成長させる窒化物半導体層の膜厚として具体的には、100μm以上400μm以下とすることで反りが軽減され好ましい。また、単体基板の上に、窒化物半導体を成長させる際にHVPEを用いると、上述した貫通転位の分散化が進み、貫通転位密度の分布がなくなる傾向にある。第3の窒化物半導体の窒化物半導体の組成は、上述したInAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)で表される組成の窒化物半導体を用いることができ、好ましくはInを含まないAlGa1−xN(0≦x≦1)を用いることで結晶性の良好な厚膜を形成することができる。さらに、第3の窒化物半導体層の下地層となる第2の窒化物半導体層と、同一組成とすることで、格子不整合のない結晶成長が可能となり好ましい。また、第3の窒化物半導体層の形成にHVPEを用いて成長させる場合には、Inを含まない窒化物半導体層とすることで良好な成長が可能であり、さらにAlGaNで表される3元混晶よりも、AlN、GaNの2元混晶とすることで良好な結晶成長がなされるため、好ましい。
【0036】
このように、本発明は、単体基板の形成にも用いることができ、異種基板上に、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を形成して貫通転位を低減する第1の工程、第1の工程後、厚膜の第3の窒化物半導体層を成長するなどして厚膜化する第2の工程、第2の工程後、成長に用いた異種基板、第1の窒化物半導体層、及び第2の窒化物半導体層の一部若しくは全部、さらには第3の窒化物半導体層の一部を除去して窒化物半導体の単体基板を得る第3の工程を経て、単体基板を形成することができる。更にまた、第3の工程後に、単体基板を第1の窒化物半導体層、若しくは単体基板の上に第1の窒化物半導体層を形成して、第2の窒化物半導体層を形成する2回目の第1の工程を具備して、更に第2の工程を経て、厚膜化しても良い。さらに、2回目の第1の工程、若しくは2回目の第2の工程の後、第3の工程で、窒化物半導体基板の一部を除去して、膜厚を小さく調整することもでき、この時に基板の反りを緩和させると良い。また、第1の工程、第2の工程の後、素子構造を積層する積層工程を経て、第3の工程を具備しても良い。すなわち、第2の工程で、単体基板を取り出せる厚膜の窒化物半導体を形成して、その上に素子構造を形成して、その後異種基板を除去すること(第3の工程)で、チップの取り出しに窒化物半導体の劈開でもって、ウエハを分割することができる。さらにまた、別の形態として、上述したように、第1、2、3の工程の後、2回目の第2の工程で、第4の窒化物半導体層16を成長させて単体基板を更に厚膜化でき、こうすることで上述したように基板の反りが軽減される。2回以上第2の工程による厚膜化を実施するには、少なくとも、1回目の第2の工程後、第3の工程を経て、異種基板を取り除いて窒化物半導体を単体化する必要があり、こうすることで、厚膜化の際の基板の割れを防ぐことができる。従って、第1、2、3の工程を経た後、第1の工程と第2の工程とを様々に組み合わせて、第1の工程での貫通転位の低減、第2の工程での厚膜化及び反り軽減を、繰り返し実施することが可能であるが、2回以上の第2の工程では、基板表面に、大きな段差が形成されるなど表面モフォロジーが悪化する傾向が観られる。このため、第1、2、3の工程を経た後、得られた窒化物半導体単体基板は、1度だけの厚膜化工程(2回目の第2の工程)で留めておくことが好ましく、これにより表面モフォロジーに優れ、貫通転位及び反りの軽減された窒化物半導体単体基板が得られる。
【0037】
また、本発明の第2の窒化物半導体層を窒化物半導体素子に用いる形態としては、図7に示すように素子構造103〜112と基板101との間に設けて、下地層として用いても良く、また図8に示すように、素子構造中に第2の窒化物半導体層12を設けても良い。また、第2の窒化物半導体層12には、第1の表面上に低欠陥密度領域と、第1の表面上に高欠陥密度領域と、が形成されることから、これを利用して素子構造を形成しても良い。具体的には、図7に示すように、第2の窒化物半導体層12に設けられた低欠陥密度領域12bの上に、レーザ素子のストライプ状の導波路領域が形成されるように、リッジを設けたり、さらにそれを応用して、図9に示すように、複数の導波路領域を低欠陥密度領域12b上に設けたレーザ素子を形成するほか、図10に示すように、低欠陥密度領域12b上に、選択的に電流が流れる構造として、発光素子とすることができる。このような構造の窒化物半導体素子では、いずれにも共通して、第2の窒化物半導体層12に設けられた低欠陥密度領域12b上の活性層に電流が流れる構造となっている。このような構造とすることで、図9,10中でハッチングを施して低欠陥密度領域が素子構造内にも引き継がれるため、活性層中の低欠陥密度領域に電流が選択的に流されて、高出力の窒化物半導体素子が得られる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0039】
[実施例1]
窒化物半導体を成長させる異種基板として、厚さが425μm、2インチφ、主面がC面、オリエンテーションフラット面(以下、オリフラ面と記す)がA面のサファイア基板を用意し、MOCVDの反応容器内にそのウエハをセットする。次に、第1の窒化物半導体層を成長させる下地層として、温度を510℃にして、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板上にGaNよりなる低温成長バッファ層を約200Å(オングストローム)の膜厚で成長させ、さらに温度を1050℃とし、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなる下地層を2.5μmの膜厚で成長させる。この下地層を、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を形成する。図1に示すように、第1の窒化物半導体層11の上に、サファイア基板のオリフラ面(A面)に垂直な方向からθ=0.3°だけ傾けたストライプ状のSiOからなるマスク20を、幅14μm、間隔(開口部の幅)6μmの条件で、形成する。続いて、ウエハをMOCVD反応容器内に移し、反応容器内の温度を760℃とし、H、Nをそれぞれ5l(リットル)/min供給しながら20分保持した。この熱処理により図1(b)に示すように、マスク20開口部が熱分解され、表面があれた第1の表面が形成される。続いて、バッファードフッ酸に浸漬して、ストライプを除去することで、熱処理により析出された第1の表面上のGaも同時に洗浄除去される。この時、マスク20を除去する方法として、熱処理後に反応容器内を急冷して、マスク20と第1の窒化物半導体層11との熱膨張係数差を利用して剥離し、反応容器からウエハを取り出すことなくマスク20を除去して、次の第2の窒化物半導体12を成長させることもできる。
【0040】
熱処理したことで、第1の窒化物半導体層11には、マスク領域の第2の表面2と、熱分解された第1の表面1が形成され、この上に第2の窒化物半導体層として、アンドープGaNを5μmの膜厚で形成する。この第2の窒化物半導体層12を成長させることで、図1(c)に示すように、第1の表面1から成長した凹凸を呈した成長領域は収縮して、第2の表面2から成長した窒化物半導体が広がり、成長する。得られる第2の窒化物半導体層12は、第1の表面1上に低欠陥密度領域B、第2の表面2上に高欠陥密度領域A、が表面に形成される。これは、第1の表面1から成長した窒化物半導体は、図3に示すように、第1の窒化物半導体層11に内在する貫通転位を大幅に減少させる一方で、第2の表面2からの成長領域が広がり、第1の表面1からの成長領域が狭まるようにして、第2の窒化物半導体層12が成長することで、第1の表面1からの貫通転位が更に減少し、また、第2の表面2の第1の表面1近傍の領域の貫通転位も減少する。ここで、第2の窒化物半導体層12を5μmの膜厚で成長させたが、実施例4でも示すように、5μmの膜厚で成長させることでは表面が平坦化されるにとどまるため、更に結晶性、表面モフォロジーを向上させる下地層の効果を引き出すために、さらに3μmの膜厚で、合計8μmで成長させた後、素子構造を形成すると良い。
【0041】
このようにして第2の窒化物半導体層12は、素子構造の形成に好適な窒化物半導体基板となる。図1に示すように、成長させた第2の窒化物半導体層12には、低欠陥密度領域B(12b)と高欠陥密度領域A(12a)が第1の表面に第2の表面に対応してストライプ状に形成され、それぞれ、幅約6μm、14μmで、欠陥密度約10、1010/cmである。
【0042】
[実施例2]
実施例1において、熱処理時に、反応容器内に供給するガスを、Hのみとした他は、実施例1と同様にして、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を形成する。得られる第2の窒化物半導体層は、実施例1と同様に、欠陥密度がストライプ状に分布し、第1の表面上部では、大幅に貫通転位が減少した窒化物半導体となる。更に、熱処理条件を、NとNHとした場合には、実施例1に比べて、第1の表面上に成長した第2の窒化物半導体層に多くの貫通転位が発生する傾向にあり、このため、キャリアガスだけを熱処理に用いた場合に比べて、貫通転位の低減が小さなものとなる。
【0043】
[実施例3]
実施例1の熱処理条件において、反応容器内の温度を800℃として、熱分解させると、マスクで保護された第2の表面でも、表面の一部で熱分解が観察され、マスク開口部の第1の表面に比べて僅かな表面の凹凸を呈するものである。続いて、実施例1と同様に第2の窒化物半導体層を成長させると、実施例1ほど、第1の表面、第2の表面との成長速度差が観られず、第1の表面からの成長領域が狭まり、第2の表面からの成長領域が広がる傾向が弱まり、第1の表面からの貫通転位が表面に到達するものがある一方で、第2の表面の一部にも熱分解が施されていることから、第2の表面上の貫通転位が減少する傾向にある。これにより、実施例1と比べて、第2の窒化物半導体層は、欠陥密度差が小さくなり、ストライプ状の欠陥密度の分布が弱まり、貫通転位が分散された表面となるものの、表面全体では、貫通転位の減少された窒化物半導体となる。しかし、一方で、第1の表面と第2の表面との間で、成長速度差が小さくなるため、第2の表面から成長した窒化物半導体の横方向成長が減少し、そのために第1の表面上の第2の窒化物半導体層表面の領域では、実施例1に比べて、貫通転位の低減効果が小さいものとなり、選択的に形成された低欠陥密度領域を素子構造に利用する場合には、実施例1よりも欠陥が多いものとなる。
【0044】
[実施例4]
以下、実施例4として図7に示す模式断面図のレーザ素子構造について、順を追って説明する。
【0045】
実施例1と同様にして、サファイアの基板101上に、低温成長バッファ層102、第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12を形成した後、第2の窒化物半導体層の上にバッファ層103として、Al混晶比が0.01のアンドープAlGaNからなるバッファ層103を形成する。この時、第2の窒化物半導体層12は、実施例1で示したように、8μmの膜厚で成長させ、また図に示すように、第1の表面上部の低欠陥密度領域12bと、第2の表面上部の低欠陥密度領域12aとが形成されている。このバッファ層103は省略可能であるが、第2の窒化物半導体層がGaNである場合に、それよりも熱膨張係数の小さい窒化物半導体、AlGa1−aN(0<a≦1)からなるバッファ層103を用いることで、ピットを低減させることができるため、第2の窒化物半導体層の上にバッファ層103を形成することが好ましい。このバッファ層103は、第2の窒化物半導体層12のように、膜厚方向の成長と横方向成長とを伴って成膜された窒化物半導体層に、ピットが発生しやすい傾向があるが、それを防ぐ効果がある。
【0046】
更にバッファ層103のAl混晶比aが、0<a<0.3であると、結晶性を良好なものとしてバッファ層を形成することができる。このバッファ層をn側コンタクト層として形成しても良く、バッファ層103を形成した後、前記バッファ層の組成式で表されるn側コンタクト層を形成して、バッファ層103とその上のn側コンタクト層104にもバッファ効果を持たせる形態でも良い。すなわち、このバッファ層103は、第2の窒化物半導体層と素子構造との間、又は素子構造中の活性層と第2の窒化物半導体層との間に設けること、さらに好ましくは素子構造中の基板側、下部クラッド層と第2の窒化物半導体層との間に、少なくとも1層以上設けることで、ピットを低減し、素子特性を向上させることができる。また、n側コンタクト層をバッファ層とする場合には、電極との良好なオーミックコンタクトが得られるように、n側コンタクト層のAl混晶比aを0.1以下とすることが好ましい。この第2の窒化物半導体層の上に設けるバッファ層は、上述した異種基板上に設けるバッファ層と同様に300℃以上900℃以下の低温で成長させても良く、800℃以上1200℃以下の温度で成長させても良く、好ましくは800℃以上1200℃以下の温度で単結晶成長させると、上述したピット低減効果が得られる傾向にある。このバッファ層は、n型、p型不純物をドープしても良く、アンドープでも良いが、結晶性を良好なものとするためにはアンドープで形成することが好ましい。2層以上のバッファ層を設ける場合には、n型、p型不純物濃度、Al混晶比を変化させて設けることができる。
【0047】
AlGaNからなるバッファ層103の上に、以下の素子構造を形成する。
【0048】
n側コンタクト層104:膜厚4μm、Siを3×1018/cmドープしたGaN若しくはAl0.01Ga0.99
クラック防止層105:膜厚0.15μmのIn0.06Ga0.94N(省略してもよい)
n側クラッド層106:総膜厚1.2μmの超格子構造 膜厚25ÅのアンドープAl0.05 16Ga0.95Nと、膜厚25Å、Siを1×1019/cmドープしたGaNと、を交互に積層する。
【0049】
n側光ガイド層107:膜厚0.15μmのアンドープGaN
活性層108:総膜厚550Åの多重量子井戸構造 Siを5×1018/cmドープした膜厚140ÅのSiドープIn0.05Ga0.95Nよりなる障壁層(B)と、膜厚50ÅのアンドープIn0.13Ga0.87Nよりなる井戸層(W)とを、(B)−(W)−(B)−(W)−(B)の順に積層する。
【0050】
p側電子閉込め層109:膜厚100Å、Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.3Ga0.7
p側光ガイド層110:膜厚0.15μmのMgを1×1018/cmドープしたp型GaN
p側クラッド層111:総膜厚0.45μmの超格子構造 膜厚25ÅのアンドープAl0.05Ga0.95Nと、膜厚25ÅでMgを1×1020/cmドープしたp型GaNと、を交互に積層する。
【0051】
p側コンタクト層112:膜厚150Å、Mgを2×1020/cmドープしたp型GaN
素子構造を形成した後、MOCVD装置からウエハを取り出し、次に、積層した半導体層を、エッチングにより微細加工し、レーザ素子としての共振器構造を形成する。図7に示すように、取り出したウエハ表面(p側コンタクト層112表面)に所望のパターン状のSiO膜をフォトリソグラフィー技術により形成し、前記n側コンタクト層104が露出するまでエッチングして、n電極形成面を設ける。次に、以下のようにして、n側コンタクト層103を露出させなかった領域に、図7に示すリッジストライプを形成する。先ず、p側コンタクト層112表面に、SiOよりなるマスクを形成し、フォトリソグラフィー技術により幅1.8μmのストライプ状のSiOよりなるマスクとする。SiClガスを用いてRIEにより、p側コンタクト層112、およびp側クラッド層111、p側光ガイド層110の一部をエッチングして除去し、リッジストライプを形成後、さらにPVD装置にウエハを搬送してSiOからなるマスクの上から形成したリッジストライプの露出した表面にかけて、Zr(主としてZrO)よりなる保護膜162(埋込層)を0.5μm厚さで形成し、ウエハをフッ酸に浸漬し、SiOのマスクをリフトオフ法により除去する。このようにして、図7に示すようなストライプ状の導波路領域として、幅1.8μmのリッジストライプが形成され、この時リッジストライプはp側光ガイド層が0.1μmの膜厚となる深さまで形成されている。この時、埋込層は、Zrの酸化物に限らず、Ti、V、Nb、Hf、Ta、Zrよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlNの少なくとも一種、若しくはそれらを組み合わせたもの、上部クラッド層111と逆導電型のn型、半絶縁性、i型の窒化物半導体(InAlGa1−x−yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1))を用いることができる。また、図7に示すように、リッジストライプは、第2の窒化物半導体層12の低欠陥密度領域12b内に設けられるように、その上方に配置にする。
【0052】
最後に、前記エッチングにより露出したn側コンタクト層104、p側コンタクト層112表面にそれぞれTi/Alよりなるn電極121、Ni/Auよりなるp電極120(図7に示すようにリッジストライプ表面に設けられた保護膜162にわたって形成される)を形成する。次に、SiOとTiOよりなる誘電体多層膜の反射膜164を設けた後、p,n電極上にNi−Ti−Au(1000Å−1000Å−8000Å)よりなる取り出し(パット)電極122,123をそれぞれ設けた。共振器反射面とするエッチング端面側から約600μmの長さで、各電極に電気的に接合する取り出し電極122,123を絶縁膜である反射膜164を介して形成する。この時、活性層108の幅は、200μmの幅(共振器方向に垂直な方向の幅)であり、n側コンタクト層104露出時に設けられたエッチング端面(活性層端面を含む)にもSiOとTiOよりなる誘電体多層膜164が設けられ、共振器面とした場合に反射膜となる。n電極とp電極とを形成した後、ストライプ状の電極に垂直な方向で、窒化物半導体のM面(六方晶系のM面、{1 1− 0 0})でバー状に分割して、更にバー状のウエハを分割してレーザ素子を得る。この時、共振器長は、650μmである。この時、バー状にする際に、エッチング端面に挟まれた導波路領域内で劈開して、得られた劈開面を共振器面としても良く、導波路領域の外で劈開してエッチング端面を共振器面としても良く、一方をエッチング端面、他方を劈開面とした1対の共振器面を形成しても良い。また、上記エッチング端面の共振面には誘電体多層膜からなる反射膜が設けられるが、劈開面の共振器面にも、劈開後に反射膜を設けても良い。この時、反射膜としては、SiO、TiO、ZrO、ZnO、Al、MgO、ポリイミドからなる群の少なくとも一種用いることであり、λ/4n(λは波長、nは材料の屈折率)の膜厚で積層した多層膜としても良く、1層だけ用いても良く、反射膜と同時に共振器端面の露出を防ぐ表面保護膜としても機能させても良い。また、窒化物半導体の劈開面は、上記M面の他に、六方晶系に近似したA面{1 1 2− 0}を用いることができる。
【0053】
得られるレーザ素子は、室温で閾値電流密度2.5kA/cm、閾値電圧4.5Vで、発振波長405nm、30mWの連続発振で、1000時間を超える長寿命、高出力のレーザ素子が得られる。ここで、本実施例では、上述したように、第2の窒化物半導体層12に形成された低欠陥密度領域12bと高欠陥密度領域12aとに対応させて素子構造を形成することで、高出力の窒化物半導体発光素子を得ることができる。具体的には、第2の窒化物半導体層12の低欠陥密度領域12bの上方に、リッジストライプを配置して、その領域でも低欠陥密度領域が形成されているため、低欠陥密度領域12b内の活性層に電流が主に流れるようにすることで、高出力化、長寿命化が可能となる。
【0054】
[実施例5]
実施例4と同様に、サファイアからなる基板101上に、低温成長バッファ層102、第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12を形成し、図8に示すように、この第2の窒化物半導体層12を、Siドープで形成してn側コンタクト層104とし、続いて、実施例4と同様に、クラック防止層105〜p側コンタクト層112を積層して、その他も実施例4と同様にしてレーザ素子を得る。この時、n側コンタクト層104とクラック防止層105との間に、実施例1と同様にバッファ層103を設けると、ピットが低減するため好ましい。得られるレーザ素子は、実施例4とほぼ同等な高出力、長寿命のレーザ素子となる。
【0055】
[実施例6]
実施例5において、第2の窒化物半導体層12を、SiドープAlGaN(Al混晶比0.01)とする他は、実施例5と同様にしてレーザ素子を得る。得られるレーザ素子は、実施例5とほぼ同等な高出力、長寿命のレーザ素子となる。この実施例では、第1の窒化物半導体層11と第2の窒化物半導体層12との組成を、GaNとAlGaNとして、異なるようにしたが、得られる第2の窒化物半導体層の結晶性に大きな変化は現れない。
【0056】
[実施例7]
実施例1において、サファイアからなる基板の上に、低温成長バッファ層、第1の窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を形成した後、続いて、図5に示すように、第2の窒化物半導体層12の上に、厚膜の第3の窒化物半導体層15を形成して厚膜化工程を経た後、図4に示すように、2回目の第2の窒化物半導体層13を成長させる。この時、2回目の第1の窒化物半導体層14、第2の窒化物半導体層13は、1回目と同一組成のアンドープGaNを用い、2回目の第2の窒化物半導体層13の形成は、厚膜の第3の窒化物半導体層15の上に、2回目の第1の窒化物半導体層14を1回目と同一条件で形成し、熱処理して、第1の表面、第2の表面を形成する。その第3の窒化物半導体層15は、HVPEを用いて100μmの膜厚でアンドープGaNを成長させることで、第3の窒化物半導体層15の表面は、ほぼ全面が10/cmとなる。さらに2回目の第2の窒化物半導体層を、1回目と同じ条件で形成することで、2回目の第2の窒化物半導体層の表面には、欠陥密度5×10/cmの低欠陥密度領域と、欠陥密度10/cmの高欠陥密度領域と、がそれぞれ幅6μm、14μmでストライプ状に形成される。
【0057】
このようにして得られた2回目の第2の窒化物半導体層13を、成長基板として、実施例1と同様に図7に示すレーザ素子を作製する。この時、図5に示すように、2回目の第2の窒化物半導体層13の下地である、サファイアからなる異種基板、低温成長バッファ層、1回目の第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12、厚膜の第3の窒化物半導体層15の一部は、研磨などによる除去工程により除去した窒化物半導体基板の単体化を実施するが、この除去工程は、素子構造形成後、リッジストライプ形成後、電極形成後のいずれの段階でも、また素子構造形成前に単体化しても良い。ここでは、電極形成後に除去工程を実施して単体化する。
【0058】
2回目の第2の窒化物半導体層13の上に、実施例4と同様に、バッファ層103〜p側コンタクト層112の素子構造を積層し、リッジストライプ、電極を形成する。続いて、図5(c)に示すように、サファイアの異種基板10、低温成長バッファ層(図示せず)、1回目の第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12、及び厚膜の第3の窒化物半導体層15の一部を、研磨により除去して(図中の除去領域C)、窒化物半導体の劈開により、チップを得る。この時、図7に示すレーザ素子が得られるが、実施例4と異なり、基板101は、除去工程により一部が除去されて膜厚80μmとした第3の窒化物半導体層13からなる単体基板であり、バッファ層102は形成されずに、第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12は、共に2回目に形成されたものとなる。また、ウエハを分割してチップを取り出す際には、実施例4と同じ方法であっても良いが、窒化物半導体のM面でバー状に劈開して、共振器面の一方を劈開端面とし、基板101に窒化物半導体単体基板を用いているため、バー状のウエハを更に窒化物半導体のA面(六方晶系に近似した場合の{1 1 2− 0}面)で共振器方向にほぼ垂直に劈開して、チップを取り出す。このように、窒化物半導体の単体基板を用いると、チップ切断時に、窒化物半導体の劈開面、劈開容易面を利用することができる。
【0059】
得られるレーザ素子は、実施例4に比べて、低欠陥密度領域の欠陥密度が低減されたため、出力、素子寿命とも向上する。
【0060】
[実施例8]
図11に示す対向電極構造のレーザ素子を作製する。実施例7と同様にして、図4に示すように、サファイアからなる基板10上に、低温成長バッファ層、1回目の第1の窒化物半導体層11,第2の窒化物半導体層12、厚膜の第3の窒化物半導体層15、2回目の第1の窒化物半導体層14、第2の窒化物半導体層13を形成するが、実施例7と異なり、第3の窒化物半導体層15(一部が単体基板201)、2回目の第1の窒化物半導体層14、第2の窒化物半導体層13に、それぞれ、n型不純物をドープし、n導電型とし、ここではSiをドープする。続いて、2回目の第2の窒化物半導体層13の上に、実施例4と同様に、バッファ層203,その上に素子構造として、クラック防止層205、n側クラッド層206、n側光ガイド層207、活性層208、p側電子閉込め層209、p側光ガイド層210、p側クラッド層211、p側コンタクト層212を積層する。実施例1と異なり、n側コンタクト層は形成せず、第3の窒化物半導体層を基板201とすると同時に、n側コンタクト層とし、バッファ層203にもn型不純物としてSiをドープする。続いて、実施例7と同様に、リッジストライプ、埋込層262、p電極220を形成して、図4に除去領域Cとして示すように、基板10、1回目の第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12、第3の窒化物半導体層15の一部を除去して、約80μmの第3の窒化物半導体層15を単体基板として、基板201に用いる。続いて、窒化物半導体基板201の裏面側、素子構造が積層された面と対向する面側、に図11に示すように、n電極221を形成し、その後、実施例4と同様に、窒化物半導体のM面で劈開して、リッジストライプ方向にほぼ垂直な劈開でバー状とし、更にその劈開面に垂直な窒化物半導体のA面で劈開してチップを得る。この後、実施例4と同様に、反射膜、絶縁膜などを活性層の側面(導波路に垂直でない面)、導波路に垂直な活性層端面に、形成し、更に、p電極、n電極に電気的に接続する取り出し電極を設けて、レーザ素子を得る。
【0061】
このようにして得られるレーザ素子は、電極が対向配置され、また、下地層である第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12には、従来の横方向成長のようにマスク材料を含有しないので、電流の流れが阻害されず、良好な電流注入を実現する。このため、対向配置された電極構造を有するLD、LEDなどにおいても、本発明の第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12を用いて、欠陥密度の低減が可能となる。特に、本実施例のように、転位欠陥を有する窒化物半導体単体基板を用いる場合に有効である。
【0062】
[実施例9]
実施例7と同様にして、バッファ層103と同じバッファ層203、n側層230としてn側コンタクト層104〜n側ガイド層107、活性層208、p側層231として電子閉込め層109〜p側コンタクト層112、とを積層して素子構造を積層してレーザ素子を作製するが、ストライプ状の導波路を図9に示すように、複数設けたレーザ素子とする。図中で、ハッチングを施した領域は、第1の窒化物半導体層11の第1の表面1上に形成された低欠陥密度領域Bを示すものである。ここで、図9(a)は、素子構造を示す模式断面図であり、図9(b)は上面から、電極配置、p側層、リッジストライプの配置を示す模式図である。低欠陥密度領域Bの幅は約6μmで、素子構造の最上層であるp側コンタクト層まで、領域Bは形成される。そのため、ストライプ状に形成された第1の表面1のほぼ中央部にリッジストライプ240を形成し、各リッジストライプ240は、1つの第1の表面1に対して1つのリッジストライプ240を配置し、図に示すように各リッジストライプ240は、それぞれ1つの第2の表面を挟んで、配置する。複数のリッジストライプを形成して、複数の導波路領域を形成する方法は、これに限らず、例えば、1つの第1の表面上の低欠陥密度領域B内に、複数の導波路領域が形成されるように、複数のリッジストライプを配置しても良く、隣接するリッジストライプの間に、2つ以上の第2の表面2上部の高欠陥密度領域A(図中でハッチングを施していない領域)を設けても良い。従って、少なくとも1つの素子中に、複数の低欠陥密度領域Bが設けられ、複数の導波路領域が設けられるように、低欠陥密度領域Bの一部、好ましくは全部に重なるようにリッジストライプが複数形成された構造とすることである。好ましくは、1つの低欠陥密度領域Bに1つの導波路領域が設けられるように、領域B内に1つのリッジストライプを形成することである。このようにすることで、活性層及びその上部のp側層231に電流が流れる領域(電流領域)の少なくとも一部、好ましくは全部が、低欠陥密度領域Bに重なって配置され、活性層の結晶欠陥の少ない場所に選択的に電流が流れて素子が駆動することから、出力の向上、素子寿命の向上が図れる。また、本実施例のように、複数の導波路を設けたアレイ構造のレーザ素子とすることで、高出力化と共に、選択的に低欠陥密度領域Bに導波路領域を複数配置することで、更に高出力化、長寿命化が可能となる。
【0063】
図9に示すように、3つのリッジストライプ240を、第2の表面2上部を介してストライプ状に配置された低欠陥密度領域Bのほぼ中央部にそれぞれ配置し、n電極221は、リッジストライプ240の外側、両側に、リッジストライプとほぼ平行なストライプ状の電極として配置し、p電極220は各リッジストライプ240の上部に形成される。また、埋込層は、実施例7と同様に、リッジストライプ側面、リッジストライプが形成されている露出面に形成する。また、複数のp電極220、複数のn電極221は、互いに電気的に絶縁され独立して配置されても良く、電気的に接続されコモン電極としても良い。コモン電極とするには、例えば、図9(b)に示すように、n電極221が形成されるn側コンタクト層204の露出面(ハッチングの施されていない領域)を、p側層231を含む凸部領域を囲むように形成して、n電極222を、活性層端面(共振器端面)の外側を囲むように、図中では「コ」の字型、導波路領域にほぼ平行で活性層の両側に配置したストライプ状ののn電極222を延在して形成する。この時、n電極は、活性層端面の四方を囲むように配置しても良いが、出射端面側に、n側コンタクト層203露出面を形成すると、出射光を遮る場合があるので、それを回避できる大きさでn側コンタクト層203露出面を形成すると良い。この時、n側コンタクト層203とオーミック接続するオーミック電極を、ストライプ状とし、導波路とほぼ平行に、活性層の外側に、電極を形成して、その上に形成した取り出し電極(パッド電極)で、各電極を電気的に接続しても良く、オーミック電極間をメタル配線して電気的に接続しても良い。p電極220をコモン電極にするには、リッジストライプの側面、及びそれに連続したp側層231の露出面に設ける埋込層をまたがり、各リッジストライプに設けられたp電極220と電気的に接続する取り出し電極を設けることで可能である。また、n電極222と同様に、リッジストライプの少なくとも一方の端部で、各リッジを接合する凸部をリッジストライプ形成時に設けて、そのp側コンタクト層表面に各リッジと共通のp電極を設けることも、例えば図10(c)に示すp側層331とp電極310のようにすることも、可能である。ここでは、各リッジストライプ表面のp側コンタクト層表面に、ストライプ状のp電極を形成して、それらと電気的に接続し、埋込層表面にまたがって取り出し電極を形成する。
【0064】
このようにして得られるアレイレーザ素子は、図9に示すように、図中でハッチングを施した低欠陥密度領域B内に、選択的に各リッジストライプが設けられ、このことにより、低欠陥密度領域B内にストライプ状の導波路領域、特に低欠陥密度領域B内の活性層に選択的に電流が流れることで、大電流での駆動に適し、また高出力での発光、レーザ発振が可能となる。
【0065】
[実施例10]
実施例1と同様にして、サファイアからなる基板301上に、低温成長バッファ層302、第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12を形成し、第2の窒化物半導体層312上に、図7(a)に示すように、以下のLED素子構造を形成する。
n側コンタクト層304:Siを4.5×1018/cmドープしたGaN 2.25μm
n側第1多層膜層305:アンドープGaN 200nm/Siを4.5×1018/cmドープしたGaN 30nm/アンドープGaN 5nmを積層した多層膜
n側第2多層膜層306:アンドープGaN、4nmの第1の層とアンドープIn0.13Ga0.87N、2nmの第2の層とを、1対として、交互に10層ずつ、10対積層して、最後に第1の層を積層した多層膜
活性層307:アンドープGaN、膜厚20nmよりなる障壁層(B)と、アンドープIn0.4Ga0.6N、膜厚3nmよりなる井戸層(W)を交互に、(B)/(W)/(B)・・・(B)の順で積層して、障壁層5層、井戸層4層からなる多重量子井戸構造の活性層
p側クラッド層308:Mgを1×1020/cmドープしたp型Al0.2Ga0.8N、膜厚4nmの第3の層、Mgを1×1020/cmドープしたIn0.03Ga0.97N、膜厚2.5nmの第4の層とを、1対として、交互に5層ずつ、5対積層して、最後に第3の層を積層した超格子構造の多層膜
p側コンタクト層309:Mgを1×1020/cmドープしたp型GaN
以上の素子構造を積層した後、窒素雰囲気中、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。続いて、n側コンタクト層304が露出するまで一部をエッチングし、最上層にあるp側コンタクト層309のほぼ全面に膜厚20nmのNiとAuを含む透光性のp電極310、p電極310の上に部分的にボンディング用のAuよりなるpパッド電極311を0.5μmの膜厚で形成し、n側コンタクト層4の表面にはWとAlを含むn電極12を形成してLED素子とする。このLED素子は順方向電流20mAにおいて、520nmの純緑色発光を示す。また、このLED素子は、従来の第1の窒化物半導体層11、第2の窒化物半導体層12を用いずに、1.5μmのアンドープGaN層を下地層として形成したLED素子に比べて、出力が20mWで飽和していたものが、その出力よりも向上する。これは、活性層面内で、第2の窒化物半導体層12b上の低欠陥密度領域Bが導入されたことにより、発光効率が向上したものによるものと考えられる。
【0066】
[実施例11]
実施例10と同様にして、n側層330となるn側コンタクト層304〜n側第2のコンタクト層306、活性層307、p側層331となるp側クラッド層308〜p側コンタクト層309、とを積層して素子構造を形成した後、エッチングによりn側コンタクト層304を露出する際に、図10(b)に示すように、第1の表面1上に形成された低欠陥密度領域Bにp側層を残すようにする。具体的には、低欠陥密度領域B内のp側層331、活性層307に選択的に電流が流れるように、低欠陥密度領域Bの一部、好ましくは全部と、p側層に電流が流れる電流領域とを重ねることである。この時、低欠陥密度領域B内の電流領域は、素子内に複数設けるものであり、ここでは図10(b)に示すように、3つ設ける。
【0067】
すなわち、実施例9のレーザアレイ素子と同様に、低欠陥密度領域B内の活性層に選択的に電流が流れる構造とし、高欠陥密度領域A(図10(b)中でハッチングを施していない領域)の活性層を除去した構造とする。ここでは、n側コンタクト層304が露出する深さで、p側層331領域内に、溝を設けてn電極を形成しているが、このほかにも、図9のレーザアレイ素子と同様に、活性層307に達しない深さで高欠陥密度領域Aを除くように溝を設けて、選択的に複数の電流領域を低欠陥密度領域B内に配置した構造とすることもできる。また、n側層330が露出する深さで溝を形成し、n電極を設けない構造とすることもできる。ここでは、図10(b)に示すように、低欠陥密度領域Bに挟まれた1つ若しくは複数の高欠陥密度領域A内のp側層、活性層、及びn側層の一部となる深さで除去し、各低欠陥密度領域B内で突出したp側層331との間に溝が形成され、この溝内にn電極を形成する。この時、n側コンタクト層304上に設けられるp側層331を含む突出部は、図10(c)に示すように、櫛形とし、すなわち、低欠陥密度領域B内に設けられたストライプ状の各電流領域、すなわちp側層の各突出部が、少なくとも一方の端部で接合された凸部形状であり、逆にいうと、突出部形成時の溝が、各ストライプ状のp側層の突出部を離間・分離しないように形成されている。このようにp側層331の各凸部が、離間されずに接合されることで、その表面のp側コンタクト層309にp電極310のコモン電極を形成でき、ワイヤボンディングに有利な電極構造が形成される。更に、n電極312も図10(c)に示すように、コモン電極とすることで同様な効果が得られる電極構造となる。このn電極312は、少なくとも、突出したp側層331を間に挟むように、対向配置されたn電極、図中では最も外側で、ストライプ状のp側層の凸部にほぼ平行な1対のn電極、を設けることで、各電流領域への電流の注入が良好なものとなり、さらにまた、その1対のn電極をコモン電極となるように、各電極を接合するように延在されたn電極を形成する。ここでは、p側層331の突出部の三方を囲むようにn電極が形成されているが、このように、突出部のp側層の周囲を一部が欠けたn電極で囲む構造でも良く、周囲をほぼ完全に囲むn電極を形成しても良い。また、これら外側のn電極の他に、p側層331の各突出部の間に、n電極を形成しても良く、こうすることで各突出部に良好に電流が注入され好ましい。ここでは、図10(c)に示すように、p側層331の突出部の外側に、その突出部のストライプ方向にほぼ平行で、対向して配置された外側のn電極と、p側層331の各突出部の間に、同じくほぼ平行に配置された内側のn電極と、をコモン電極となるように、櫛形に形成しp側層331の突出部の櫛形とn電極の櫛形とを、凹凸が嵌合するように、対向して配置された電極構造とする。
【0068】
このようにして得られる発光素子は、実施例10に比べて、さらに高出力の発光が得られる。これは、低欠陥密度領域B内に選択的に電流領域を配置した構造とすることで、低欠陥密度領域Bを有効に利用でき、出力の飽和を抑えた発光素子となるからである。
【0069】
ここで、実施例9及び11は、図11(実施例8)に示すように、p電極、n電極とを、基板201を挟んで対向は位置した構造とすることも可能である。この場合には、基板201の裏面に形成するn電極は、p電極の形状に対応して、同様な形状で電極を形成しても良く、すなわち、p電極の形状を基板201裏面に投影した形状のn電極として、正負一対の電極間を効率的に電流が流れるようにしても良く、低欠陥密度領域Bの形状とほぼ同じとして、低欠陥密度領域B内に一部、好ましくは全部が重なるように形成しても良く、複数設けられた電流領域の一部、好ましくはほぼ全てを覆うようにn電極を形成して、電流を効率的に注入することが好ましい。
【0070】
[比較例1]
図6に示すように、異種基板410として、厚さが425μm、2インチφ、主面がC面、オリエンテーションフラット面(以下、オリフラ面と記す)がA面のサファイア基板を用意し、MOCVDの反応容器内にそのウエハをセットする。次に、温度を510℃にして、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、サファイア基板410上にGaNよりなるバッファ層(図示されていない)を約200Å(オングストローム)の膜厚で成長させ、さらに温度を1050℃とし、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなる下地層412を2.5μmの膜厚で成長させる。
【0071】
下地層102形成後に、その上に、さらに窒化ガリウムからなる選択成長層413aを形成して、これも窒化ガリウムからなる下地層とする。選択成長層としては図6(a)〜(c)に示す順序に沿って形成する。下地層413aを形成後、ウエハを反応容器から取り出し、CVD装置に載置して、下地層413aの上に選択成長させるためマスク領域として保護膜418を形成する(図12(a))。この時、マスク領域となる保護膜418は、サファイア基板のオリフラ面(A面)に垂直なストライプ状のSiO膜を、幅6μm、間隔(開口部の幅)14μmで、ウエハのほぼ全面の前記下地層413a上に形成する。続いて、ウエハをMOCVD反応容器内に戻し、温度1050℃、原料ガスTMG、アンモニアを用いて、保護膜418の設けられていない非マスク領域表面、すなわち前記下地層413aが露出している表面に、アンドープのGaNを15μmの膜厚で成長させ(図6(b),(c))、平坦な表面有する窒化物半導体基板413aとする(図6(c))。この窒化物半導体基板の成長は、初期段階において、選択的に前記非マスク領域だけに窒化物半導体が成長するが、ある程度の膜厚で成長すると、厚さ方向への成長に加えて、マスク領域の保護膜418に向かう横方向(基板面内)に成長して、マスク領域の上部が横方向成長した窒化物半導体によりふさがれた結果、下地層413aの上に膜厚15μmの窒化物半導体基板413aが形成される。この時、実施例1に比較して、横方向の成長が成される選択成長層413aが、接合されるために約10μmの膜厚を必要とし、これにより平坦化され、良好な鏡面を得るためにさらに成長させて、約15μmの膜厚となる。このようにして得られた選択成長層413aは、マスク418上部での接合位置にばらつきがあり、接合不良が発生するものもある。すなわち、実施例1に比較して、厚膜の成長が必要とされ、さらにその成長も制御が困難なものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明の製造方法による窒化物半導体の成長では、従来と異なり、第1の表面、第二の表面上の異なる成長領域が、表面に分布されて、成長させることで、各成長領域が互いに影響されながら成長することから、その成長を制御することが容易で、且つ、従来よりも薄い膜厚で、表面モフォロジーに優れた窒化物半導体表面が得られる。また、そのようにして得られた窒化物半導体層を、素子構造の成長基板、若しくは、素子構造中に用いることで、優れた特性の窒化物半導体素子が得られる。また、本発明の第2の窒化物半導体層、及びその上に積層した素子構造には、低欠陥密度領域Bと高欠陥密度領域Aとが分布したものとなり、その低欠陥密度領域Bに、電流領域、導波路領域、活性層領域を選択的に配置することで、優れた素子特性の窒化物半導体素子が得られる。
【0073】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る成長方法を説明する模式断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る成長方法を説明する模式断面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体を説明する模式断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る成長方法を説明する模式断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る成長方法を説明する模式断面図。
【図6】従来の成長方法を説明する模式断面図。
【図7】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体素子を説明する模式断面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体素子を説明する模式断面図。
【図9】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体素子を説明する模式断面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体素子を説明する模式断面図。
【図11】本発明の一実施形態に係る窒化物半導体素子を説明する模式断面図。
【符号の説明】
1・・・第1の表面、2・・・第2の表面、10・・・異種基板、11・・・第1の窒化物半導体層、12・・・第2の窒化物半導体層、13、14・・・窒化物半導体層、15・・・第3の窒化物半導体層層、100・・・結晶欠陥、101,201,301・・・基板、102・・・窒化物半導体基板、103,203,303・・・バッファ層、104,304・・・n型コンタクト層、105,205・・・クラック防止層、106,206・・・n型クラッド層、107,207・・・n型光ガイド層、108,208,308・・・活性層、109,209・・・p型電子閉込め層、110,210・・・p型光ガイド層、111,211・・・p型クラッド層、112,212・・・p型コンタクト層、120,220,310・・・p電極、121,222,312・・・n電極、122,311・・・pパッド電極、123・・・nパッド電極、162,262・・・第2の保護膜(埋込層)、164・・・絶縁膜、230,330・・・n側層、231,331・・・p側層

Claims (6)

  1. 第1の窒化物半導体表面に、熱処理により、選択的に熱分解された第1の表面と、該第1の表面よりも窒化物半導体の成長速度の大きい第2の表面とを形成する工程と、
    該第1の窒化物半導体の第1の表面及び第2の表面に第2の窒化物半導体を成長させる工程と、
    を具備してなることを特徴とする窒化物半導体の成長方法。
  2. 前記第1の表面が、第2の表面よりも大きな凹凸を有していることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の成長方法。
  3. 前記第1の表面及び第2の表面を形成する工程が、前記第1の窒化物半導体表面に選択的にマスクを形成して、MOCVD装置内において、少なくともキャリアガスの供給下で熱処理することで、マスクが形成されていない非マスク領域の第1の窒化物半導体を熱分解により一部を除去して第1の表面を形成し、該マスクを除去して第2の表面を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の窒化物半導体の成長方法。
  4. 前記熱処理が、窒化物半導体のV族元素のソースガスを供給することを具備してなる請求項3記載の窒化物半導体の成長方法。
  5. 請求項1乃至4記載の前記第2の窒化物半導体を下地層とし、該下地層の上に、窒化物半導体を有する素子構造が設けられた窒化物半導体素子。
  6. 請求項1乃至4記載の前記第2の窒化物半導体が、窒化物半導体を有する素子構造内に設けられていることを特徴とする窒化物半導体素子。
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