JP3561758B2 - 昇降装置 - Google Patents
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降装置に関し、さらに詳細には、昇降動作をほぼ連続的に行わせるようにした昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、たとえば、高橋脚や高層塔等の各種高層構造体を構築する場合、この高層構造体の回りに作業用の足場を組み上げ、この足場において諸作業を行うようにしている。
ところで、このような足場においては、高層構造体の施工の進行に伴って順次上方へ組み上げていく必要があるが、高所での作業であることから安全性の面で好ましくなく、また、足場の組み上げに要する時間が工期に加算されて、工期の長期化を招いてしまうといった不具合もある。
【0003】
このような不具合を解消するための一手段として、作業用足場に昇降装置を組み付けておき、この昇降装置を、高層構造体に沿って設置されたガイドロッドに装着して昇降させて前記作業用足場を昇降させることにより、高所における作業用足場の組み付け作業を省略することが試みられている。
そして、本出願人はこのような昇降装置を特開平6ー117088号公報において提案している。
この昇降装置は、ガイドロッドに上下に間隔をおいて係脱可能に装着される一対のチャック機構と、これらの間に介装されたジャッキ機構とによって構成され、前記チャック機構の一つに作業用足場を装着しておき、前記一対のチャック機構におけるガイドロッドに対するロック操作とその解除操作とを交互に行わせるとともに、前記ジャッキ機構の伸縮動作を交互に行わせることにより、間欠的に前記足場を昇降させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の先の昇降装置においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
すなわち、作業用足場の昇降操作が間欠的に行われることにより、作業用足場が装着されていないチャック機構の昇降の間、作業用足場の昇降が停止状態となり、これによって、昇降に要する時間が長くなり昇降速度が遅くなるといった問題点である。
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、昇降動作をほぼ連続的に行うことができる昇降装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる昇降装置は前述した課題を解決するため、上下に延在するガイドロッドと、前記ガイドロッドの延在方向に間隔をおいて挿通され、それぞれガイドロッドへの係脱を可能とした、最も上方に位置する第1のチャック機構と、その下方に位置する第2のチャック機構と、最も下方に位置する第3のチャック機構との3組のチャック機構と、前記第1のチャック機構と第3のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第3のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第1のジャッキ機構と、前記第1のチャック機構と第2のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第2のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第2のジャッキ機構とを備えていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記第1、第2、第3のチャック機構が、それぞれ前記ガイドロッドが挿通される貫通孔が形成されたチャックケースと、前記貫通孔内に装着されたクランプ片と、前記クランプ片をガイドロッドに係合させる方向に付勢するばねと、クランプ片によるガイドロッドの係合を解除する解除手段により構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1、第2のジャッキ機構がそれぞれ2本の油圧シリンダにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダと、第2のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダが、平面視した場合に、それぞれガイドロッドを中心とした矩形の対角線上に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ガイドロッドが構造物に沿って立設され、前記第1のチャック機構に作業用足場が支持されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、第1、第2、第3のチャック機構のうちの少なくとも一つのチャック機構をガイドロッドに係合させることで昇降装置が停止される。
また、第2、第3のチャック機構をガイドロッドへ係脱させ、第1、第2のジャッキ機構により第1、第2、第3のチャック機構を昇降させることで、第1のチャック機構の昇降が連続して行なわれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1中、符号2は、本実施形態に係わる昇降装置を示し、この昇降装置2は、ガイドロッド4と、このガイドロッド4が挿通される3組のチャック機構6、8、10と、2組のジャッキ機構12、14等を備えている。
3組のチャック機構6、8、10のうち最も上方に位置する第1のチャック機構6と最も下方に位置する第3のチャック機構10との間に第1のジャッキ機構12が設けられ、第1のチャック機構6と中間に位置する第2のチャック機構8との間に第2のジャッキ機構14が設けられ、これら3組のチャック機構6、8、10が互いに接近離間する方向に移動できるように構成されている。
【0009】
前記ガイドロッド4は、円柱状あるいは円筒状の鋼管によって構成され、例えば、施工すべき構造体に沿って設置される。
前記各チャック機構6、8、10は、前記ガイドロッド4が挿通される貫通孔16が中央に形成されたチャックケース18と、前記貫通孔16内に、その長さ方向に沿って移動可能に装着された複数のクランプ片20と、前記貫通孔16の下部を覆って前記チャックケース18に固定された環状のばね受け板22と、このばね受け板22と前記各クランプ片20との間に介装され、これらのクランプ片20を上方に付勢する圧縮ばね24と、前記チャックケース18の上面に設けられ前記クランプ片20を下方に移動させるロック解除手段26とによって構成されている。
【0010】
クランプ片20は圧縮ばね24により上方に付勢され、貫通孔16の上部に形成されているテーパ面1602によりガイドロッド4の中心側に移動され、これにより、クランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面に係合し、楔作用によりロック状態が形成される。
【0011】
前記ロック解除手段26は、前記各クランプ片20の上端部に当接させられる環状のロック解除部材28と、前記チャックケース18の上面に取り付けられたブラケット30に支持されるとともに、前記ロック解除部材28に連結された油圧シリンダー等からなるアクチュエータ32とによって構成されている。
そして、アクチュエータ32の作動によりロック解除部材28を介してクランプ片20を押し下げ、これによりクランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面から離れ、ロック状態が解除される。
【0012】
第1と第3のチャック機構6、10のチャックケース18には、図2に示すように、矩形状のフランジ1802が形成され、また、第2のチャック機構8のフランジ18には、図3に示すように、矩形の一対の対角部分に切り欠き1804が形成されている。
第1のジャッキ機構12は油圧シリンダ等のアクチュエータが2本用いて構成され、第1のジャッキ機構12は、第2のチャック機構8の各切り欠き1804を通り、それぞれのシリンダ本体1202が前記第1のチャック機構6のフランジ1802の角部にナット34によって一体に固定され、また、それぞれのシリンダロッド1204が、第3のチャック機構10のフランジ1802の角部にナット36によって一体に固定されている。
【0013】
第2のジャッキ機構14は、前記第1のジャッキ機構12と同様に油圧シリンダ等のアクチュエータが2本用いて構成され、前記第1のジャッキ機構12が設けられている対角位置と別の対角位置に配置され、それぞれのシリンダ本体1402が前記第1のチャック機構6のフランジ1802の角部にナット38によって一体に固定され、また、それぞれのシリンダロッド1404が第2のチャック機構8のフランジ1802の角部にナット40によって一体に固定されている。なお、図1において符号42は、前記ばね受け板22をチャックケース18に固定するためのボルトを示す。
【0014】
次に、作用について説明する。
なお、以下の説明において作業用足場は、第1のチャック機構6に装着されているものとして説明する。
まず、昇降を停止して作業用足場上で諸作業を行う場合について説明する。
前記各チャック機構6、8、10のロック解除手段26の作動が停止され、これらのチャック機構6、8、10のクランプ片20が圧縮ばね24によって貫通孔16のテーパ面1602へ向けて付勢される。
そして、クランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面に係合し、楔作用によって、各チャック機構6、8、10によるガイドロッド4のロックが行われる(図1参照)。
これによって、強固なロックが行われて作業用足場がガイドロッド4に安定して固定され、また、異なる対角線上に配設された2組のジャッキ機構12、14によって、第1のチャック機構6の4隅が支持され、この点からも安定した支持が行われる。
【0015】
次に、作業用足場を上昇させる場合について説明する。
まず、第1のチャック機構6および第3のチャック機構10のロック解除手段26が作動され、それぞれのロック解除部材28が下降され、チャック機構6、10によるロックが解除される(図4参照)。
次いで、第2のジャッキ機構14が伸び方向に作動されるとともに、第1のジャッキ機構12が縮み方向に作動される。
これにより、図5に示すように、固定状態にある第2のジャッキ機構8を支持体として、第1のチャック機構6および第3のチャック機構10が上昇され、第1のチャック機構6が第2のチャック機構8から離れ、第3のチャック機構10が前記第2のチャック機構8へ近づく。
【0016】
次いで、第3のチャック機構10のロック解除手段26の作動が停止され、第3のチャック機構10のクランプ片20が圧縮ばね24によってチャックケース18のテーパ面1602へ向けて押圧され、第3のチャック機構10によるガイドロッド4のロックが行われる。
また、第2のチャック機構8のロック解除手段26が作動され、第2のチャック機構8によるガイドロッド4のロックが解除される。
このような第3のチャック機構10におけるロック動作と第2のチャック機構8におけるロック解除動作の完了と同時に、第1のジャッキ機構12が伸び方向に作動され、第2のジャッキ機構14が縮み方向に作動される。
これによって、図6に示すように、固定状態にある第3のチャック機構10を支持体として、第1のチャック機構6および第2のチャック機構8が上昇され、第2のチャック機構8が第1のチャック機構6に近づき、第2のジャッキ機構8が第3のチャック機構10から離れる。
【0017】
このような操作が繰り返し行われることにより、第2のチャック機構8と第3のチャック機構10とを交互に支持体として、第1のチャック機構6が連続的に上昇される。
したがって、この第1のチャック機構6に装着されている作業用足場が連続的に上昇されることになる。
【0018】
一方、下降時においては、前述した上昇操作とほぼ逆の操作が行われるが、一方のジャッキ機構12(14)が縮み方向に動作させられている間、他方のジャッキ機構14(12)が伸び方向に動作させられることによって行われる。
【0019】
なお、上記の実施形態において、第2のチャック機構8と第3のチャック機構10とのロック状態の切り替え操作の間、前記第1のチャック機構6の上昇の動作が停止させられるが、その期間はきわめて短く、昇降速度に殆ど影響しない程度に抑えられる。
また、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記実施形態においては、各チャック機構6、8、10をクランプ片20と圧縮ばね24、および、テーパ面1602とによって構成した例について示したが、これに代えて、ガイドロッド4に金属リングを圧入しておき、この圧入状態においてロック状態とし、また、前記金属リングを油圧等によって拡径させることによってロックを解除するような構成とすることも可能であり、また、リンク機構を用いた把持構造とすることも可能である。
さらに、ジャッキ機構12、14を油圧や空気圧等の流体圧アクチュエータに代えて、ラック、アンド、ピニオンやボルト、ナットを用いた機械的な機構とすることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明に係わる昇降装置は、上下に延在するガイドロッドと、前記ガイドロッドの延在方向に間隔をおいて挿通され、それぞれガイドロッドへの係脱を可能とした、最も上方に位置する第1のチャック機構と、その下方に位置する第2のチャック機構と、最も下方に位置する第3のチャック機構との3組のチャック機構と、前記第1のチャック機構と第3のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第3のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第1のジャッキ機構と、前記第1のチャック機構と第2のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第2のチャック機構とを接近離間する方向に移動させるた第2のジャッキ機構とを備える構成とした。
そのため、第2、第3のチャック機構をガイドロッドに交互に係合させ、第1、第2のジャッキ機構を作動させることによって第1のチャック機構のほぼ連続した昇降動作を行なえ、これにより昇降装置の昇降速度に起因した作業の効率の低下を最小限に抑え、昇降装置で昇降させる作業用足場を用いた構築工事等における工期の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第1、第3のチャック機構のチャックケースの平面図である。
【図3】第2のチャック機構のチャックケースの平面図である。
【図4】昇降装置の昇降動作を停止した状態の縦断面図である。
【図5】昇降装置の昇降動作の途中の状態の縦断面図である。
【図6】昇降装置の昇降動作の途中の状態の縦断面図である。
【符号の説明】
2 昇降装置
4 ガイドロッド
6 第1のチャック機構
8 第2のチャック機構
10 第3のチャック機構
12 第1のジャッキ機構
14 第2のジャッキ機構
18 チャックケース
20 クランプ片
24 圧縮ばね
26 ロック解除手段
【発明の属する技術分野】
本発明は昇降装置に関し、さらに詳細には、昇降動作をほぼ連続的に行わせるようにした昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、たとえば、高橋脚や高層塔等の各種高層構造体を構築する場合、この高層構造体の回りに作業用の足場を組み上げ、この足場において諸作業を行うようにしている。
ところで、このような足場においては、高層構造体の施工の進行に伴って順次上方へ組み上げていく必要があるが、高所での作業であることから安全性の面で好ましくなく、また、足場の組み上げに要する時間が工期に加算されて、工期の長期化を招いてしまうといった不具合もある。
【0003】
このような不具合を解消するための一手段として、作業用足場に昇降装置を組み付けておき、この昇降装置を、高層構造体に沿って設置されたガイドロッドに装着して昇降させて前記作業用足場を昇降させることにより、高所における作業用足場の組み付け作業を省略することが試みられている。
そして、本出願人はこのような昇降装置を特開平6ー117088号公報において提案している。
この昇降装置は、ガイドロッドに上下に間隔をおいて係脱可能に装着される一対のチャック機構と、これらの間に介装されたジャッキ機構とによって構成され、前記チャック機構の一つに作業用足場を装着しておき、前記一対のチャック機構におけるガイドロッドに対するロック操作とその解除操作とを交互に行わせるとともに、前記ジャッキ機構の伸縮動作を交互に行わせることにより、間欠的に前記足場を昇降させるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の先の昇降装置においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
すなわち、作業用足場の昇降操作が間欠的に行われることにより、作業用足場が装着されていないチャック機構の昇降の間、作業用足場の昇降が停止状態となり、これによって、昇降に要する時間が長くなり昇降速度が遅くなるといった問題点である。
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、昇降動作をほぼ連続的に行うことができる昇降装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる昇降装置は前述した課題を解決するため、上下に延在するガイドロッドと、前記ガイドロッドの延在方向に間隔をおいて挿通され、それぞれガイドロッドへの係脱を可能とした、最も上方に位置する第1のチャック機構と、その下方に位置する第2のチャック機構と、最も下方に位置する第3のチャック機構との3組のチャック機構と、前記第1のチャック機構と第3のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第3のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第1のジャッキ機構と、前記第1のチャック機構と第2のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第2のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第2のジャッキ機構とを備えていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記第1、第2、第3のチャック機構が、それぞれ前記ガイドロッドが挿通される貫通孔が形成されたチャックケースと、前記貫通孔内に装着されたクランプ片と、前記クランプ片をガイドロッドに係合させる方向に付勢するばねと、クランプ片によるガイドロッドの係合を解除する解除手段により構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1、第2のジャッキ機構がそれぞれ2本の油圧シリンダにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダと、第2のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダが、平面視した場合に、それぞれガイドロッドを中心とした矩形の対角線上に配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ガイドロッドが構造物に沿って立設され、前記第1のチャック機構に作業用足場が支持されることを特徴とする。
【0007】
本発明では、第1、第2、第3のチャック機構のうちの少なくとも一つのチャック機構をガイドロッドに係合させることで昇降装置が停止される。
また、第2、第3のチャック機構をガイドロッドへ係脱させ、第1、第2のジャッキ機構により第1、第2、第3のチャック機構を昇降させることで、第1のチャック機構の昇降が連続して行なわれる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1中、符号2は、本実施形態に係わる昇降装置を示し、この昇降装置2は、ガイドロッド4と、このガイドロッド4が挿通される3組のチャック機構6、8、10と、2組のジャッキ機構12、14等を備えている。
3組のチャック機構6、8、10のうち最も上方に位置する第1のチャック機構6と最も下方に位置する第3のチャック機構10との間に第1のジャッキ機構12が設けられ、第1のチャック機構6と中間に位置する第2のチャック機構8との間に第2のジャッキ機構14が設けられ、これら3組のチャック機構6、8、10が互いに接近離間する方向に移動できるように構成されている。
【0009】
前記ガイドロッド4は、円柱状あるいは円筒状の鋼管によって構成され、例えば、施工すべき構造体に沿って設置される。
前記各チャック機構6、8、10は、前記ガイドロッド4が挿通される貫通孔16が中央に形成されたチャックケース18と、前記貫通孔16内に、その長さ方向に沿って移動可能に装着された複数のクランプ片20と、前記貫通孔16の下部を覆って前記チャックケース18に固定された環状のばね受け板22と、このばね受け板22と前記各クランプ片20との間に介装され、これらのクランプ片20を上方に付勢する圧縮ばね24と、前記チャックケース18の上面に設けられ前記クランプ片20を下方に移動させるロック解除手段26とによって構成されている。
【0010】
クランプ片20は圧縮ばね24により上方に付勢され、貫通孔16の上部に形成されているテーパ面1602によりガイドロッド4の中心側に移動され、これにより、クランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面に係合し、楔作用によりロック状態が形成される。
【0011】
前記ロック解除手段26は、前記各クランプ片20の上端部に当接させられる環状のロック解除部材28と、前記チャックケース18の上面に取り付けられたブラケット30に支持されるとともに、前記ロック解除部材28に連結された油圧シリンダー等からなるアクチュエータ32とによって構成されている。
そして、アクチュエータ32の作動によりロック解除部材28を介してクランプ片20を押し下げ、これによりクランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面から離れ、ロック状態が解除される。
【0012】
第1と第3のチャック機構6、10のチャックケース18には、図2に示すように、矩形状のフランジ1802が形成され、また、第2のチャック機構8のフランジ18には、図3に示すように、矩形の一対の対角部分に切り欠き1804が形成されている。
第1のジャッキ機構12は油圧シリンダ等のアクチュエータが2本用いて構成され、第1のジャッキ機構12は、第2のチャック機構8の各切り欠き1804を通り、それぞれのシリンダ本体1202が前記第1のチャック機構6のフランジ1802の角部にナット34によって一体に固定され、また、それぞれのシリンダロッド1204が、第3のチャック機構10のフランジ1802の角部にナット36によって一体に固定されている。
【0013】
第2のジャッキ機構14は、前記第1のジャッキ機構12と同様に油圧シリンダ等のアクチュエータが2本用いて構成され、前記第1のジャッキ機構12が設けられている対角位置と別の対角位置に配置され、それぞれのシリンダ本体1402が前記第1のチャック機構6のフランジ1802の角部にナット38によって一体に固定され、また、それぞれのシリンダロッド1404が第2のチャック機構8のフランジ1802の角部にナット40によって一体に固定されている。なお、図1において符号42は、前記ばね受け板22をチャックケース18に固定するためのボルトを示す。
【0014】
次に、作用について説明する。
なお、以下の説明において作業用足場は、第1のチャック機構6に装着されているものとして説明する。
まず、昇降を停止して作業用足場上で諸作業を行う場合について説明する。
前記各チャック機構6、8、10のロック解除手段26の作動が停止され、これらのチャック機構6、8、10のクランプ片20が圧縮ばね24によって貫通孔16のテーパ面1602へ向けて付勢される。
そして、クランプ片20の内端の係合部2002がガイドロッド4の外周面に係合し、楔作用によって、各チャック機構6、8、10によるガイドロッド4のロックが行われる(図1参照)。
これによって、強固なロックが行われて作業用足場がガイドロッド4に安定して固定され、また、異なる対角線上に配設された2組のジャッキ機構12、14によって、第1のチャック機構6の4隅が支持され、この点からも安定した支持が行われる。
【0015】
次に、作業用足場を上昇させる場合について説明する。
まず、第1のチャック機構6および第3のチャック機構10のロック解除手段26が作動され、それぞれのロック解除部材28が下降され、チャック機構6、10によるロックが解除される(図4参照)。
次いで、第2のジャッキ機構14が伸び方向に作動されるとともに、第1のジャッキ機構12が縮み方向に作動される。
これにより、図5に示すように、固定状態にある第2のジャッキ機構8を支持体として、第1のチャック機構6および第3のチャック機構10が上昇され、第1のチャック機構6が第2のチャック機構8から離れ、第3のチャック機構10が前記第2のチャック機構8へ近づく。
【0016】
次いで、第3のチャック機構10のロック解除手段26の作動が停止され、第3のチャック機構10のクランプ片20が圧縮ばね24によってチャックケース18のテーパ面1602へ向けて押圧され、第3のチャック機構10によるガイドロッド4のロックが行われる。
また、第2のチャック機構8のロック解除手段26が作動され、第2のチャック機構8によるガイドロッド4のロックが解除される。
このような第3のチャック機構10におけるロック動作と第2のチャック機構8におけるロック解除動作の完了と同時に、第1のジャッキ機構12が伸び方向に作動され、第2のジャッキ機構14が縮み方向に作動される。
これによって、図6に示すように、固定状態にある第3のチャック機構10を支持体として、第1のチャック機構6および第2のチャック機構8が上昇され、第2のチャック機構8が第1のチャック機構6に近づき、第2のジャッキ機構8が第3のチャック機構10から離れる。
【0017】
このような操作が繰り返し行われることにより、第2のチャック機構8と第3のチャック機構10とを交互に支持体として、第1のチャック機構6が連続的に上昇される。
したがって、この第1のチャック機構6に装着されている作業用足場が連続的に上昇されることになる。
【0018】
一方、下降時においては、前述した上昇操作とほぼ逆の操作が行われるが、一方のジャッキ機構12(14)が縮み方向に動作させられている間、他方のジャッキ機構14(12)が伸び方向に動作させられることによって行われる。
【0019】
なお、上記の実施形態において、第2のチャック機構8と第3のチャック機構10とのロック状態の切り替え操作の間、前記第1のチャック機構6の上昇の動作が停止させられるが、その期間はきわめて短く、昇降速度に殆ど影響しない程度に抑えられる。
また、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記実施形態においては、各チャック機構6、8、10をクランプ片20と圧縮ばね24、および、テーパ面1602とによって構成した例について示したが、これに代えて、ガイドロッド4に金属リングを圧入しておき、この圧入状態においてロック状態とし、また、前記金属リングを油圧等によって拡径させることによってロックを解除するような構成とすることも可能であり、また、リンク機構を用いた把持構造とすることも可能である。
さらに、ジャッキ機構12、14を油圧や空気圧等の流体圧アクチュエータに代えて、ラック、アンド、ピニオンやボルト、ナットを用いた機械的な機構とすることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明に係わる昇降装置は、上下に延在するガイドロッドと、前記ガイドロッドの延在方向に間隔をおいて挿通され、それぞれガイドロッドへの係脱を可能とした、最も上方に位置する第1のチャック機構と、その下方に位置する第2のチャック機構と、最も下方に位置する第3のチャック機構との3組のチャック機構と、前記第1のチャック機構と第3のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第3のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第1のジャッキ機構と、前記第1のチャック機構と第2のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第2のチャック機構とを接近離間する方向に移動させるた第2のジャッキ機構とを備える構成とした。
そのため、第2、第3のチャック機構をガイドロッドに交互に係合させ、第1、第2のジャッキ機構を作動させることによって第1のチャック機構のほぼ連続した昇降動作を行なえ、これにより昇降装置の昇降速度に起因した作業の効率の低下を最小限に抑え、昇降装置で昇降させる作業用足場を用いた構築工事等における工期の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第1、第3のチャック機構のチャックケースの平面図である。
【図3】第2のチャック機構のチャックケースの平面図である。
【図4】昇降装置の昇降動作を停止した状態の縦断面図である。
【図5】昇降装置の昇降動作の途中の状態の縦断面図である。
【図6】昇降装置の昇降動作の途中の状態の縦断面図である。
【符号の説明】
2 昇降装置
4 ガイドロッド
6 第1のチャック機構
8 第2のチャック機構
10 第3のチャック機構
12 第1のジャッキ機構
14 第2のジャッキ機構
18 チャックケース
20 クランプ片
24 圧縮ばね
26 ロック解除手段
Claims (5)
- 上下に延在するガイドロッドと、
前記ガイドロッドの延在方向に間隔をおいて挿通され、それぞれガイドロッドへの係脱を可能とした、最も上方に位置する第1のチャック機構と、その下方に位置する第2のチャック機構と、最も下方に位置する第3のチャック機構との3組のチャック機構と、
前記第1のチャック機構と第3のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第3のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第1のジャッキ機構と、
前記第1のチャック機構と第2のチャック機構との間に設けられ、前記ガイドロッドの延在方向に沿って第1のチャック機構と第2のチャック機構とを接近離間する方向に移動させる第2のジャッキ機構と、
を備えていることを特徴とする昇降装置。 - 前記第1、第2、第3のチャック機構は、それぞれ前記ガイドロッドが挿通される貫通孔が形成されたチャックケースと、前記貫通孔内に装着されたクランプ片と、前記クランプ片をガイドロッドに係合させる方向に付勢するばねと、クランプ片によるガイドロッドの係合を解除する解除手段により構成されている請求項1記載の昇降装置。
- 前記第1、第2のジャッキ機構はそれぞれ2本の油圧シリンダにより構成されている請求項1記載の昇降装置。
- 前記第1のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダと、第2のジャッキ機構を構成する2本の油圧シリンダは、平面視した場合に、それぞれガイドロッドを中心とした矩形の対角線上に配置されている請求項3記載の昇降装置。
- 前記ガイドロッドは構造物に沿って立設され、前記第1のチャック機構に作業用足場が支持される請求項1記載の昇降装置。
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