JP3561479B2 - 有害ガスあるいは有害蒸気を除去する除去材及びその製造方法 - Google Patents

有害ガスあるいは有害蒸気を除去する除去材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性炭にクロムを添着せずに青酸ガス、シアノゲンガスの他、クロルピクリンガスのような有機ガス、塩素ガスのようなハロゲンガス、塩化水素ガス、及び亜硫酸ガスを除去する除去材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有害ガスあるいは有害蒸気を除去するため、活性炭を使用することは良く知られている。また、活性炭では除去できない青酸ガスおよび有害蒸気を除去するため、活性炭にその青酸ガスおよび有害蒸気を有効に除去できる物質として、銅とクロムとを添着した添着炭を使用することも知られている。
【0003】
このため、現在存在する青酸ガス除去材は、そのほとんどが重金属である銅とクロムを含むことになるが、このクロムは、6価であるため人体に健康障害を起こす可能性がある。従って、6価のクロムを含む青酸ガス除去材を使用すると、その使用者は6価のクロムにより健康に重大な悪影響を受ける虞がある。
また、クロムを含む青酸ガス除去材は使用後に廃棄すると、環境を汚染する可能性がある。
【0004】
しかし、クロムは、青酸ガスを除去する過程において発生するシアノゲン(ジシアン)ガスを有効に除去する働きがあるため、クロムを含む青酸ガス除去材からクロムを除くと、有害なクロムが除かれるものの、逆に、青酸ガスを除去する過程で発生するシアノゲンガスの除去ができなくなる。そして、このシアノゲンガスは青酸ガスと同程度に有害である。
【0005】
そこで、クロムを使用することなく青酸ガス、及び青酸ガスを除去する過程で発生するシアノゲンガスを除去できる青酸ガス除去材として、銅を添着した活性炭層とアルカリ性の活性炭層とを交互に組み合わせて配置した青酸ガス除去材がすでに本発明者等で開発されている(特開平11−179199号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この青酸ガス除去材は、銅を添着した活性炭層とアルカリ性の活性炭層との組合せであるため、青酸ガスを効率的に除去し、また発生するシアノゲンガスを抑制するには、各活性炭層の組合せがほぼ均質になるように組合わせる必要があるため、操作が煩雑になると言う問題があった。
【0007】
更に、この青酸ガス除去材は、銅を添着した活性炭とアルカリ性活性炭とをそれぞれ別々に製造しなくてはならず、一連の工程で製造ができないと言う問題もあった。本発明は、このような問題を解決したクロムを使用しないで青酸ガス、シアノゲンガスの他、クロルピクリンガスのような有機ガス、塩素ガスのようなハロゲンガス、塩化水素ガス、及び亜硫酸ガスを除去できる除去材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明者等は、鋭意研究したところ、銅を添着した活性炭に水酸化カリウムを添着することにより上記の問題を解決できることを見出し本発明を開発した。具体的には、本発明に係る除去材は、銅を添着した活性炭に、活性炭1g当り水酸化カリウムを1.0〜4.0mmol添着したことを特徴とする。また本発明に係る除去材は、比表面積が1000〜2200m/gである活性炭に銅を添着した後、活性炭1g当り水酸化カリウムを1.0〜4.0mmol添着したことを特徴とする。更に、本発明に係る除去材の製造方法は、活性炭に銅を含む化合物を添着した後、加熱処理して、前記銅を添着した活性炭を形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する活性炭は、市販されている通常の活性炭(例えば,クラレGG10/20,クラレケミカル社)を使用することができる。また、活性炭の比表面積は、銅、水酸化カリウムの添着量と青酸ガス、有害蒸気との接触頻度とを考慮して適宜設定できるが、比表面積が1000〜2200m/gであることが好ましい。
【0010】
銅を添着した活性炭としては、活性炭に硝酸第2銅水和物、酢酸銅、炭酸銅を添着した後熱処理した活性炭を用いる。活性炭への銅の添着は、例えば、硝酸第2銅3水和物、酢酸銅、炭酸銅等の銅含有化合物を溶解した水溶液を、活性炭に撹拌しながら添加し、活性炭内部に充分含浸させた後、乾燥する工程を数回繰り返し、全ての水溶液を活性炭に添加した後、活性炭を乾燥させ加熱処理することで行う。
【0011】
銅を添着した活性炭への水酸化カリウムの添着は、水酸化カリウム水溶液に銅を添着した活性炭を浸積処理することで行う。活性炭内部への水酸化カリウムの添着を促進するため、浸積処理過程で振とう処理することも可能である。水酸化カリウムの添着は、銅を添着した添着炭に原炭1g当り1.0〜4.0mmolが好ましい。本発明に係る除去材は、青酸ガス、シアノゲンガスの他、クロルピクリンガスのような有機ガス、塩素ガスのようなハロゲンガス、塩化水素ガス、及び亜硫酸ガス等を効率的に除去できる。
【0012】
次に、本発明の実施の形態を、実験結果と共に説明する。
実施例1
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1028m/gの活性炭25gに撹枠しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り1mmo1の水酸化カリウムを添着する。
【0013】
実施例2
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1028m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り2mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0014】
実施例3
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10m1を、比表面積1028m/gの活性炭25gに撹枠しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り3mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0015】
実施例4
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1278m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り1mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0016】
実施例5
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1278m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り2mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0017】
実施例6
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1278m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り3mmo1の水酸化カリウムを添着する。
【0018】
実施例7
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1278m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り4mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0019】
実施例8
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積2072m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り1mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0020】
実施例9
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積2072m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り2mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0021】
実施例10
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積2072m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り3mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0022】
実施例11
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積2072m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1g当り4mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0023】
実施例1乃至実施例11の効果を確認するため、以下の参考例1乃至参考例3を実施した。
参考例1
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10mlを、比表面積1028m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。
【0024】
参考例2
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10m1を、比表面積1278m/gの活性炭25gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。
【0025】
参考例3
硝酸第2銅3水和物15gを水22.5gに溶かした水溶液10m1を、比表面積2072m/gの活性炭25gに撹拝しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2鋼水溶液を活性炭に添着した後、空気中115℃で30分、200℃で30分加熱処理する。
【0026】
実施例1乃至11、参考例1乃至3で調製した各除去材の青酸ガス除去性能を確認するため、各除去材を、それぞれ内径20mmの試料充填管に層高2.5cmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、青酸ガス濃度5000ppmの空気を1.571/minで試料充填管を通過させた。試料充填管の下流側に、通過した空気中の青酸ガスを感知する検知紙を設置し、この検知紙の変色により青酸ガスの漏れを検出して青酸ガス除去性能を決定した。
【0027】
この検知紙は、O−トリジン(JIS K 8668)0.4gと氷酢酸4gを水70mlに溶かした溶液と、酢酸銅(JIS K 8370)0.1gとグリセリン5gを水100mlに溶かした溶液とを等量混合した溶液を、細長く切ったろ紙(JIS P 3801)にしみ込ませたものである。試験結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003561479
【0029】
青酸ガス除去性能試験中に充填試料から発生するシアノゲンガスは、充填試料を通過した空気を、水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフにより分析することにより検知できる。このときのガスクロマトグラフの設定条件は、カラム温度100℃、ディテクター温度120℃、インジェクション温度120℃、キャリアガス(窒素ガス)流量40ml/minであり、カラムはporapack QS50/80mesh 2m×1/8inchを使用する。図1乃至3に時間経過に伴う試料通過後のシアノゲンガス濃度を示す。
【0030】
表1より、銅のみの添着炭より、銅のみの添着炭に水酸化カリウムを添着した除去材の方が青酸ガス除去性能はよいことがわかる。また、表1より、比表面積の異なるどの活性炭を用いた吸着材でも活性炭1g当たり水酸化カリウムを3mmolまで添着する場合、水酸化カリウムを添着するほど青酸ガス除去性能がのびていることがわかる。
【0031】
また、図1及至同3より、比表面積1028m/gの活性炭および比表面積1278m/gの活性炭を用いた除去材は、活性炭1g当たり水酸化カリウムを3mmolまで添着する場合、水酸化カリウムを添着するほど青酸ガス除去時のシアノゲンガス発生の抑制効果は高く、比表面積2072m/gの活性炭を用いた除去材は、水酸化カリウムを添着するほど青酸ガス除去時のシアノゲンガス発生の抑制効果は高くなる。この効果は除去材を作る元になる活性炭(原炭)の比表面積が大きいほどよいことがわかる。
【0032】
実施例12
硝酸第2銅3水和物120gを水180gに溶かした水溶液150gを、比表面積1381m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmo1の水酸化カリウムを添着する。
【0033】
実施例13
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積1381m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0034】
実施例14
硝酸第2銅3水和物60gを水90gに溶かした水溶液を、比表面積1381m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0035】
実施例15
硝酸第2銅3水和物120gを水180gに溶かした水溶液150gを、比表面積2220m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0036】
実施例16
硝酸第2銅3水和物120gを水180gに溶かした水溶液150gを、比表面積1818m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0037】
実施例17
硝酸第2銅3水和物60gを水90gに溶かした水溶液を、比表面積1818m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0038】
実施例18
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この鋼のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0039】
実施例19
硝酸第2銅3水和物60gを水90gに溶かした水溶液を、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着する。
【0040】
実施例12及至19で調製した各除去材の青酸ガス除去性能を確認するため、調製した各除去材を、それぞれ内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、青酸ガス濃度5000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。試料充填管の下流側に、通過した空気中に青酸ガスを感知する検知紙を設置し、この検知紙の変色により青酸ガスの漏れを検出して、充填試料の青酸ガス除去性能を決定した。
【0041】
この検知紙は、O−トリジン(JIS K 8668)0.4gと氷酢酸4gを水70mlに溶かした溶液と、酢酸銅(JIS K 8370)0.1gとグリセリン5gを水100mlに溶かした溶液とを等量混合した溶液を、細長く切ったろ紙(JIS P 3801)にしみ込ませたものである。試験結果を表2に示す。
【0042】
また、実施例12及至19で調製した除去材のクロルピクリンガス除去性能を確認するため、調製した各除去材を、それぞれ内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度25℃、相対湿度50%、クロルピクリンガス濃度5000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。除去材を通過した空気を水素炎イオン化検出器(FID)付ガスクロマトグラフで分析し5ppmのクロピクリンガスを検知した時間をクロルピクリンガス除去性能とした。試験結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003561479
【0044】
青酸ガス除去性能試験中に充填試料から発生するシアノゲンガスは、充填試料を通過した空気を、水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフにより分析することにより検知できる。このときのガスクロマトグラフの設定条件は、カラム温度100℃、ディテクター温度120℃、インジェクション温度120℃、キャリアガス(窒素ガス)流量40ml/minであり、カラムはporapack QS50/80mesh 2m×1/8inchを使用する。
図4に時間経過に伴う試料通過後のシアノゲンガス濃度を示す。
【0045】
表2より、硝酸第2銅3水和物の添着量が増えるに従い青酸ガス除去性能が高くなり、クロルピクリンガス除去性能が低くなる傾向があることがわかる。また、図4より、実施例による除去材は、青酸ガス除去時にシアノゲンガスの発生を効果的に抑制していることがわかる。
【0046】
実施例20
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着して除去材を製作する。
【0047】
実施例20で調製した除去材の塩素ガス除去性能を確認するため調製した除去材を内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、塩素ガス濃度5000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。試料充填管の下流で塩素ガス濃度を測定し、通過した空気中の塩素ガス濃度が1ppmに達した時間を塩素ガス除去性能とした。試験結果を表3に示す。
【0048】
実施例21
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレーダで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着して除去材を製作する。
【0049】
実施例21で調製した除去材の塩水素ガス除去性能を確認するため調製した除去材を内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、塩水素ガス濃度1000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。試料充填管の下流で塩水素ガス濃度を測定し、通過した空気中の塩水素ガス濃度が5ppmに達した時間を塩水素ガス除去性能とした。試験結果を表3に示す。
【0050】
実施例22
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリウムを添着して除去材を製作する。
【0051】
実施例22で調製した除去材の亜硫酸ガス除去性能を確認するため、調製した除去材を内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、亜硫酸ガス濃度1000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。試料充填管の下流で亜硫酸ガス濃度を測定し、通過した空気中の亜硫酸ガス濃度が5ppmに達した時間を亜硫酸ガス除去性能とした。試験結果を表3に示す。
【0052】
実施例23
硝酸第2銅3水和物90gを水135gに溶かした水溶液112.5gを、比表面積2178m/gの活性炭300gに撹拌しながら加え10分放置後エバポレータで47℃25分乾燥という操作を繰返しながら、すべての硝酸第2銅水溶液を活性炭に添着した後、空気中100℃で3時間乾燥する。その後、260℃で加熱処理する。この銅のみを添着した添着炭に原炭1cc当り0.9mmolの水酸化カリムを添着して除去材を製作する。
【0053】
実施例23で調製した除去材の硫化水素ガス除去性能を確認するため調製した除去材を内径95mmの試料充填管に層高20mmになるように充填した。そして、温度20℃、相対湿度50%、硫化水素ガス濃度3000ppmの空気を30l/minで除去材を充填した試料充填管に流した。試料充填管の下流で硫化水素ガス濃度を測定し、通過した空気中の硫化水素ガス濃度が10ppmに達した時間を硫化水素ガス除去性能とした。試験結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 0003561479
【0055】
表3により、実施例20乃至23の除去材は、塩素ガス、塩化水素ガス、亜硫酸ガス、硫化水素ガスを有効に除去できることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の除去材によれば、青酸ガスを効率よく除去でき、しかも、人体に有害なクロムを使用することなく、シアノゲンガスを除去することが可能である。また、本発明の除去材は、クロルピクリンガスのような有機ガス、塩素ガスのようなハロゲンガス、更に塩化水素ガス、及び亜硫酸ガス等を効率よく除去できる。
【0057】
また、本発明によれば、活性炭には青酸ガスを除去する機能と青酸ガス除去過程で発生したアノゲンガスを除去する機能とを持ち合わせているため、単に本発明に係る除去材をランダムに充填するだけの簡単な操作で両機能を有する青酸ガス除去機を得ることができる。
また、活性炭への銅の添着と、水酸カリウムの添着とを連続した一連の過程でできるため、生産性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及至実施例3、参考例1の青酸ガス除去試験時の経過時間と除去材から発生するシアノゲンガス濃度の関係を表したグラフ。
【図2】実施例4及至実施例7、参考例2の青酸ガス除去試験時の経過時間と除去材から発生するシアノゲンガス濃度の関係を表したグラフ。
【図3】実施例8及至実施例11、参考例3の青酸ガス除去試験時の経過時間と除去材から発生するシアノゲンガス濃度の関係を表したグラフ。
【図4】実施例12、同15、同16の青酸ガス除去試験時の経過時間と除去材から発生するシアノゲンガス濃度の関係を表したグラフ。

Claims (3)

  1. 銅を添着した活性炭に、活性炭1g当り水酸化カリウムを1.0〜4.0mmol添着したことを特徴とする青酸ガス、シアノゲンガス、クロルピクリンガス、ハロゲンガス、塩化水素ガス及び亜硫酸ガスを除去する除去材。
  2. 比表面積が1000〜2200m/gである活性炭に銅を添着した後、活性炭1g当り水酸化カリウムを1.0〜4.0mmol添着したことを特徴とする青酸ガス、シアノゲンガス、クロルピクリンガス、ハロゲンガス、塩化水素ガス及び亜硫酸ガスを除去する除去材。
  3. 活性炭に銅を含む化合物を添着した後、加熱処理して、前記銅を添着した活性炭を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された青酸ガス、シアノゲンガス、クロルピクリンガス、ハロゲンガス、塩化水素ガス及び亜硫酸ガスを除去する除去材の製造方法。
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