JP3561255B2 - ディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置に係り、特に装置内に設けられた結露センサにより結露が検知された場合のディスクアクセス処理に好適なディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置の代表として、磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)が知られている。このHDDを利用するホスト(ホストシステム)の代表として、パーソナルコンピュータが知られている。近年のパーソナルコンピュータは、一般にHDDを内蔵している。このHDDを内蔵したパーソナルコンピュータ、特に可搬性の高いノート型のパーソナルコンピュータにおいては、室内環境だけでなく、屋外の環境にも対応する必要がある。
【0003】
HDDを内蔵したパーソナルコンピュータを屋外で使用する場合、例えば高温高湿環境から突然低温環境で使用しなければならない状況に遭遇することがあり得る。このような環境では、HDD内に結露による水滴が発生する可能性がある。この状態でHDDを利用すると、HDDが異常動作を起こしてしまう恐れがある。
【0004】
そこで従来は、HDD内に結露が発生した場合の対策として、例えば特開平10−320902公報に記載されている方法が提案されている。この公報記載の方法は、HDD内部に結露センサを設け、当該結露センサにより結露が検知された場合に、ディスク媒体への記録/再生を停止すると共に、アクチュエータの動作及びディスク媒体の回転を制御することで、HDDにおける異常動作の発生を防止するものである。この方法においては、結露センサにより一旦結露が検知されると、その後に結露センサにより結露が検知されなくなるまで記録/再生の停止状態が継続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の技術では、HDD内に設けられた結露センサにより一旦結露が検知されると記録/再生を停止し、その後に結露センサにより結露が検知されなくなるまで当該記録/再生の停止状態を継続することで、HDDにおける異常動作の発生を防止している。
【0006】
ところが、一度結露センサが、結露に反応するまで湿ってしまうと、その結露センサが乾燥するまでに多大な時間を要することになる。このため従来技術においては、実際はヘッドの表面は既に乾燥していて、ディスク媒体に対する記録/再生を行っても何ら問題はない場合でも、結露センサ自体が乾燥して当該センサにより結露が検知されなくなるまでは、記録/再生が止められてしまう。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、結露センサによって結露が検知された場合、ある一定時間後に、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であるか否かを、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に当該ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードと呼ぶリード動作で確認することによって、結露センサ自体が乾くまで待つことなく、速やかにディスクアクセスが行えるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法が提供される。この方法は、ディスク記憶装置内に配置された結露センサの検知結果から当該ディスク記憶装置内での結露発生の有無を判定するステップと、ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合に、予め定められた一定時間を待つステップと、この一定時間後に、ディスク記憶装置を利用するホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップと、この仮リードに成功した場合に、ホストからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のディスクアクセスを行うステップとを備えていることを特徴とする。
【0009】
このように本発明の第1の観点に係るディスクアクセス制御方法においては、結露センサによって結露が検知された結果、ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合、ある一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にヘッドを用いてディスク媒体からデータを読み出す仮リードを行い、当該仮リードに成功したことをもって、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であると、結露センサの検知結果によらずに確認するようにしている。
【0010】
したがって本発明の第1の観点に係るディスクアクセス制御方法によれば、結露センサが一度結露に反応するまで湿ってしまったために、上記一定時間が経過しても当該結露センサが乾かずに依然として当該結露センサにより結露が検知されていたとしても、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面が乾いているならば、仮リードに成功してディスクアクセスが可能であることが確認されて、ホストから要求される通常のディスクアクセスが実行される。よって、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面が乾いているにも拘わらずに、結露センサが乾いて結露が検知されなくなるまでディスクアクセスが禁止される従来技術に比べて、速やかに、しかも結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を招くことなく、ディスクアクセスを実行することができる。
【0011】
ここで、上記一定時間には、ディスク記憶装置内の温度が上昇して当該ディスク記憶装置内が乾燥するのに必要な時間を設定するとよい。また、上記一定時間の先頭でヘッドを所定のリトラクト位置、例えばディスク媒体の外周側に配置されるランプにリトラクトしてヘッドを保護し、この状態で当該一定時間の間、ディスク記憶装置内を乾燥させる処理を行うと、当該一定時間を短くすることが可能となる。このディスク記憶装置内を乾燥させる処理には、ディスク媒体を定常回転速度より高速に、例えば許容される最大速度で回転させると共に、ヘッドに書き込み電流を供給させる処理を適用するとよい。
【0012】
本発明の第2の観点に係るディスクアクセス制御方法は、上記第1の観点に係るディスクアクセス制御方法で適用されている上記各ステップに加えて、通常のディスクアクセス後に、結露センサにより結露が検知されていて、且つ結露センサにより新たに結露が検知されてからの経過時間が当該結露センサが乾くまでの時間より十分長い予め定められた基準時間を超えているかを判定するステップと、結露センサにより結露が検知されていて、且つ上記経過時間が上記基準時間を超えていると判定された場合には、更に新たな結露が発生しているものとして、上記一定時間より短い別の一定時間を待つステップと、上記別の一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップとを備えたことを特徴とする。ここでは、結露センサにより結露が検知されていないか、或いは結露は検知されているものの、上記経過時間が上記基準時間を超えていない場合には、更に新たな結露は発生していないものとして、上記通常のディスクアクセスを行うステップが実行される。この通常のディスクアクセスを行うステップは、上記別の一定時間後に行われる仮リードに成功した場合にも実行される。ここで、上記一定時間後の仮リードに失敗した場合にも、当該一定時間より短い別の一定時間を待って、当該別の一定時間後に、ディスク媒体上からの仮リードを行い、当該別の一定時間後の仮リードに成功した場合には上記通常のディスクアクセスを実行し、当該別の一定時間後の仮リードに失敗した場合には、再び当該別の一定時間を待つ構成とするとよい。
【0013】
本発明の第2の観点に係るディスクアクセス制御方法によれば、一旦、結露センサにより結露が検知されても、ある一定時間後に仮リードを行ってエラーが発生しなかった場合には、その後しばらくの間(経過時間が基準時間を超えない間)は、結露センサによる結露検知結果に無関係に、ディスク記憶装置内は乾燥しているものとして、通常のディスクアクセスが速やかに行われる。その後、経過時間が基準時間を超えた後に結露センサにより結露が検知されたならば、ディスク記憶装置内が一旦乾燥された後に新たな結露が発生したものとして通常のディスクアクセスが禁止される。これにより、結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を防止できる。そして、通常のディスクアクセスの禁止状態が、ある一定時間経過したならば、仮リードが行われて、再びディスクアクセスが可能な状態となったか否かが確認される。したがって、ここでも結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を招くことなく、速やかにディスクアクセスを実行することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)の構成を示すブロック図である。
図1において、ディスク(磁気ディスク媒体)11は上側と下側の2つのディスク面を有している。ディスク11の2つのディスク面の少なくとも一方のディスク面、例えば両方のディスク面は、データが磁気記録される記録面をなしている。ディスク11の各記録面に対応してそれぞれヘッド(磁気ヘッド)12が配置されている。ヘッド12は、HDDの動作状態においてディスク11の回転により当該ディスク11上を浮上して、当該ディスク11へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク11からのデータ読み出し(データ再生)に用いられる。なお、図1の構成では、単一枚のディスク11を備えたHDDを想定しているが、ディスク11が複数枚積層配置されたHDDであっても構わない。
【0016】
ディスク11の各記録面には、ユーザ(ホスト)から利用可能なユーザ領域111と、システム管理に必要な情報(システム管理情報)等を保存するシステム領域112とがそれぞれ割り当てられている。システム領域112は、システムのみが使用する、つまりユーザからは見えない非ユーザ領域である。またディスク11の各記録面には、複数のサーボ領域110がディスク11の半径方向に放射状に且つディスク11の円周方向に等間隔で離散的に配置されている。各サーボ領域110には、ヘッド12を目標トラック内に位置付けるのに必要な位置情報を含むサーボデータが記録されている。隣接するサーボ領域110の間は、ユーザデータ領域となっており、当該データ領域にはデータセクタが複数個配置されている。
【0017】
ディスク11はスピンドルモータ(以下、SPMと称する)13により高速に回転する。ヘッド12はヘッド移動機構としてのアクチュエータ(キャリッジ)14に取り付けられている。更に具体的に述べるならば、ヘッド12はアクチュエータ14のアーム141から延出したサスペンション142に取り付けられている。ヘッド12は、アクチュエータ14の回動に従ってディスク11の半径方向に移動する。アクチュエータ14は、当該アクチュエータ14の駆動源となるボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)15を有しており、当該VCM15により駆動される。
【0018】
ディスク11の外周側には、HDDが非動作状態(記録/再生停止状態)に移行する際に、ヘッド12をリトラクトさせておくためのランプ10が配置されている。ここでランプ10上には、実際にはヘッド12ではなくて、当該ヘッド12を支持するアクチュエータ14の先端部に形成されたタブ(図示せず)が位置するが、煩雑な表現を避けるため、ヘッド12がランプ16にリトラクト(アンロード、パーキング)されると表現する。
【0019】
SPM13及びVCM15は、ドライバIC(Integrated Circuit)16からそれぞれ供給される駆動電流により駆動される。ドライバIC16は1チップ化されたモータドライバであり、SPMドライバ及びVCMドライバを構成する。ドライバIC16からSPM13及びVCM15にそれぞれ供給される駆動電流を決定するための値(制御量)は、CPU20により決定される。
【0020】
ヘッド12はフレキシブルプリント回路基板(FPC)に実装されたヘッドIC17と接続されている。ヘッドIC17は、ヘッド12により読み出されたリード信号を増幅するリードアンプ、及びライトデータをライト電流に変換するライトアンプを含む、1チップ化されたヘッドアンプ回路である。
【0021】
ヘッドIC17は、リード/ライトチャネル(以下、R/Wチャネルと称する)18と接続されている。R/Wチャネル18は、ヘッドIC17から出力される増幅されたリード信号(アナログ信号)に対するA/D(アナログ/デジタル)変換処理、ライトデータの符号化処理及びリードデータの復号化処理、A/D変換処理で2値化されたリード信号からゲートアレイ19により生成されるタイミング信号(ゲート信号)に従ってサーボデータを抽出するサーボデータ検出処理等の各種の信号処理を実行する。
【0022】
R/Wチャネル18はゲートアレイ19及びHDC(ディスクコントローラ)25と接続されている。ゲートアレイ19は、R/Wチャネル18により検出されたサーボデータから位置情報を抽出して、CPU20から読み込み可能なように保持する。またゲートアレイ19は、HDDにおけるデータの読み出し/書き込み、R/Wチャネル18でのサーボデータの検出等に必要な各種のタイミング信号を生成する。ゲートアレイ19は、制御用のレジスタ群(図示せず)を有している。この制御用レジスタ群はCPU20のメモリ領域の一部に割り当てられており、CPU20がこの領域に対して読み出し及び書き込みを行うことでゲートアレイ19及びHDC25を制御する。
【0023】
CPU20は、制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、例えばROM(Read Only Memory)21と、当該CPU20のワーク領域等を提供するRAM(Random Access Memory)22と接続されている。CPU20は、HDDの主コントローラであり、ROM21に格納されている制御プログラムに従ってHDD内各部を制御する。例えばCPU20は、ゲートアレイ19により抽出される位置情報に基づいてヘッド12を目標トラック内に位置付ける制御を行う。CPU20はまた、後述する結露センサ24により結露が検知された場合に、ある一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にシステム領域112上の所定セクタをリードする仮リードと呼ぶ動作を行って、その仮リードの結果から、ディスクアクセスが可能であるか否かを判定する。
【0024】
CPU20はA/D変換器(ADC)23を内蔵している。このA/D変換器23の入力にはHDD内に結露が発生したことを検知する結露センサ24の出力が接続されている。CPU20は、結露センサ24の出力のディジタル変換値をA/D変換器23から読み込むことで、結露センサ24により結露が検知されたか否かを判定する。この結露センサ24には、例えば特開平10−320902公報に記載されている結露センサが用いられる。本実施形態において、結露センサ24はディスク11またはヘッド12の近傍に配置されるように、、ヘッドIC17が実装されるフレキシブルプリント回路基板(FPC)上に実装されている。なお、結露センサ24がゲートアレイ19に接続され、当該結露センサ24の結露検知結果がゲートアレイ19を介してCPU20に読み込まれる構成であっても構わない。
【0025】
ディスクコントローラ(以下、HDCと称する)25は、R/Wチャネル18によって復号化されたリードデータからホストに転送すべきデータを生成する。またHDC25は、ホストから転送されたライトデータを符号化してR/Wチャネル18に転送する。
【0026】
次に、本実施形態の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、図1に示すHDDの電源がONされたものとする。なお、このHDDが例えばノート型のパーソナルコンピュータに内蔵されている場合には、当該パーソナルコンピュータの電源がONされることにより、HDDの電源がONされる。
【0027】
HDD内のCPU20は、当該HDDの電源がONされると、当該HDDを初期化する処理(初期化処理)を行う。この初期化処理は、HDDの非動作状態においてランプ10上にパーキングしているヘッド12をディスク11上に移動(ロード)させるヘッドロード制御と、ディスク11上にロードされたヘッド12を当該ディスク11上の所定のシリンダ位置に移動させるファーストシーク制御とを含む。CPU20はまた上記初期化処理の後に、結露センサ24の出力(結露検知結果)をA/D変換器23を介して読み込むことで、HDD内に結露が発生しているか否か、つまり結露の有無を判定する(ステップS1)。
【0028】
もし、結露が無いならば、CPU20はホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0029】
これに対して結露が有るならば、CPU20は、ドライバIC16を介してアクチュエータ14を駆動させて、ディスク11上のヘッド12をランプ10にリトラクト(アンロード)させ、この状態で予め定められた時間t1が経過するのを待つ(ステップS2)。この時間t1は、HDD内の温度が上昇して当該HDD内が乾燥するのに必要な時間である。CPU20は上記ステップS2において、時間t1の期間、HDD内をより早く乾燥させるために、ドライバIC16を介してSPM13を定常回転速度より速い速度、例えば許容される最大速度(最大の回転速度)で回転させる。またCPU20はステップS2において、ヘッド12の表面をより早く乾燥させるために、ゲートアレイ19を制御してヘッドIC17からヘッド12に書き込み電流を供給させる。通常HDDには、ヘッド12をディスク11からランプ10にリトラクトした際に、当該ヘッド12がランプ10外に飛び出さないようにアクチュエータ14の動作を規制するラッチ機構(図示せず)が設けられている。したがって、アクチュエータ14が当該ラッチ機構に押し付けられる方向に、VCM15に電流(VCM電流)を供給するならば、ヘッド12をランプ10から移動することなく、アクチュエータ14の近傍の温度を上げてHDD内の乾燥を促進することも可能である。
【0030】
なお、本実施形態では、ステップS2の処理内容を後述するステップS5,S10に合わせるために(但し、待ち時間は異なる)、ステップS1をヘッドロード後(初期化処理後)に行うようにしている。しかし、ステップS1を初期化処理の中でヘッドロード前に行うようにしても構わない。このようにすると、ステップS1の実行時には、ヘッド12はランプ10上にパーキングしていることから、ステップS1で結露有りと判定された場合に、ステップS2でヘッド12をアンロードする必要がない。この場合、ディスク11上に水滴が存在していても、その水滴がヘッド12に付着する恐れはない。
【0031】
さてCPU20は、結露有りが判定されてから時間t1の期間、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させると、ステップS2からステップS3に進む。CPU20はステップS3において、ヘッド12をランプ10からディスク11上にロードさせ、しかる後に当該ヘッド12をディスク11上の予め定められた領域、例えばシステム領域112上の所定トラックに移動させる。そしてCPU20は、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に、上記所定トラック中の1つの所定セクタからデータを読み出す仮リードを実行する。
【0032】
次にCPU20は、ステップS3での仮リードでエラーが発生したか否かを判定する(ステップS4)。もし、エラーが発生しなかった場合には、CPU20は、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は結露センサ24での結露検知結果に無関係に既に乾燥しているものと判断する。この場合、CPU20はホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0033】
このように本実施形態においては、HDDの電源ON直後に、一度結露センサ24により結露が検知された場合、時間t1の期間、HDD内を乾燥させるためにSPM13を定常回転速度より速い速度で回転させると共にヘッド12に書き込み電流を供給している。そして時間t1の後、HDD内が乾燥してディスクアクセスが可能であるか否かを、結露センサ24の結露検知結果ではなくて、仮リードの結果で確認するようしている。このため本実施形態においては、結露センサ24自体が乾くまで待つ必要がなくなり、少なくともディスク11及びヘッド12の表面が乾いた時点で速やかに通常のリード/ライト動作が行える。
【0034】
一方、ステップS3での仮リードでエラーが発生した場合には、CPU20はステップS2の実行によっても、HDD内はまだ乾燥していないものと判断し、ディスク11上のヘッド12をヘッド12にリトラクト(アンロード)させ、この状態で予め定められた時間t3が経過するのを待つ(ステップS5)。なお、仮リードでのエラーには、ヘッド12を仮リードの対象となるシステム領域112上の所定トラックに正しく移動できないシークエラーも含まれる。
【0035】
本実施形態において、ステップS5での待ち時間t3は、ステップS2での待ち時間t1より小さな値に設定されている。つまりHDDの電源がONされた後の最初の結露有り判定時の処理ステップS2での待ち時間t1と、2回目以降の結露有り判定時の処理ステップS5での待ち時間t3とは、t1>t3となるように予め定められている。CPU20はステップS5において、時間t3の期間、上記ステップ2と同様にHDD内をより早く乾燥させるために、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させる。
【0036】
CPU20は、ステップS5で時間t3の期間、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させると、ステップS6に進む。CPU20はステップS6において、先のステップS3と同様に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にシステム領域112上の所定トラック中の所定セクタからデータを読み出す仮リードを実行する。
【0037】
次にCPU20は、ステップS6での仮リードでエラー発生したか否か、つまり仮リードに成功したか否かを判定する(ステップS7)。もし、仮リードでエラーが発生しなかった場合には、CPU20は、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は既に乾燥しているものと判断し、ホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0038】
これに対し、ステップS6での仮リードでエラーが発生した場合には、CPU20はステップS5の実行によっても、HDD内はまだ乾燥していないものと判断し、再度当該ステップS5を実行する。つまりCPU20は、ステップS6での仮リードでエラーが発生しなくなるまで、ステップS5を繰り返し実行して、HDD内の各部、特にディスク11とヘッド12の表面を乾燥させる。
【0039】
さてCPU20は、ステップS8で通常のリード/ライトを実行すると、現在結露センサ24により結露が検知されていて、且つ結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0からの経過時間txが予め定められた時間taを超えているか否かを判定する(ステップS9)。ここでtaは、結露センサ24が新たに結露を検知してから、当該結露センサ24が乾くまでの時間より十分長い時間、例えば1時間に設定される。したがって、現在結露センサ24により結露が検知されていて、且つ結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0からの経過時間txがtaを超えているということは、以下の状態を意味する。つまり、時点t0が前回の結露検知時点となり、その後時間taが経過するまでの間に一旦結露が無くなったことをも意味する。更に、一旦結露が無くなった後、現在時点t0+txに至るまでの間に新たな結露が発生し、現在時点t0+txで当該新たな結露が検知されたこと、つまり現在時点t0+txが、新たな結露検知時点t0となることを意味する。明らかなように、結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0は、ステップS1またはS9でYESと判定された時点である。
【0040】
CPU20は、ステップS9の判定がNOの場合には、新たな結露は発生しておらず、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は結露センサ24での結露検知結果に無関係に既に乾燥しており、したがってディスクアクセス(ディスク11に対するリード/ライト)が可能であるとして、ステップS8に戻る。これに対し、ステップS9の判定がYESの場合には、CPU20は、新たな結露が発生しており、したがって最も最近に行われたステップS3またはS6での仮リードでエラーが発生しなかったことは参考にならないと判断する。この場合、CPU20は、予め定められた時間t2が経過するのを待つ(ステップS10)。本実施形態において、ステップS10での待ち時間t2は、ステップS2での待ち時間t1より小さく、ステップS5での待ち時間t3より大きな値、つまりt1>t2>t3を満たすように予め定められている。ここで、t1,t2,t3は、例えばt1=20分、t2=10分、t3=5分である。
【0041】
CPU20はステップS10において、時間t2の期間、上記ステップ2またはS5と同様にHDD内をより早く乾燥させるために、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させる。CPU20はステップS10を実行すると、上記ステップS5を実行した場合と同様に、ステップS6に進んで仮リードを行う。なお、ステップS3またはステップS6の仮リードでエラーが発生した場合、ステップS5ではなくて、図2中の矢印Aの流れに沿って、ステップS10を行うようにしても構わない。
【0042】
このように本実施形態においては、一旦、結露センサ24により結露が検知されても、ある一定時間(t1またはt2またはt3)だけHDD内を乾燥させた後に仮リードを行ってエラーが発生しなかった場合には、しばらくの間、つまり結露が検知されてから時間taの間は、結露センサ24による結露検知結果に無関係に、HDD内は乾燥しているものとして、通常のリード/ライトが行われる。その後、つまり時間taの経過後に、結露センサ24により結露が検知されたならば、HDD内が一旦乾燥された後に新たな結露が発生したものとして通常のリード/ライトが禁止され、ある一定時間(t2)だけHDD内を乾燥させた後に仮リードが行われる。
【0043】
上記実施形態では、仮リードの対象となるセクタが1つであった。しかし、複数の所定セクタを仮リードの対象とすることも可能である。この場合、例えば複数の所定セクタを予め定められた順にリードするようにし、いずれか1つのセクタで正常にデータが読み取ることができた時点でリード動作を中止して、仮リードに成功したものとして、通常リード/ライト動作(ステップS8)に進むようにするとよい。このようにすると、結露以外の要因でリードエラーが発生しても、誤って結露に起因する仮リード失敗であると判定されるのを防止できる。ここでは、複数の所定セクタの全てで正常にデータを読み取れなかった場合だけ、仮リードに失敗したとして、ある一定時間の乾燥処理(ステップS5またはS10)が行われる。なお、仮リードに成功したと判定される、正常に読み取れたセクタの数は1つである必要はない。また、仮リードの対象となる所定セクタの数が、一定数を上限としてユーザによりホストから任意に設定可能な構成としてもよい。また、仮リードに成功したと判定される、正常に読み取れたセクタの数についても、任意に設定可能な構成としてもよい。
【0044】
以上、本発明をHDDに適用した実施形態について説明した。しかし本発明は、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置であれば、光磁気ディスク装置など、HDD以外のディスク記憶装置にも同様に適用できる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、結露センサによって結露が検知された場合、ある一定時間後に、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であるか否かを、結露センサの結露検知結果によらずに仮リードと呼ぶリード動作で確認するようにしたので、結露センサ自体が乾くまで待つことなく、速やかにディスクアクセスが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
10…ランプ
11…ディスク(ディスク媒体)
12…ヘッド
13…SPM(スピンドルモータ)
14…アクチュエータ
15…VCM(ボイスコイルモータ)
16…ドライバIC
17…ヘッドIC
20…CPU
24…結露センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置に係り、特に装置内に設けられた結露センサにより結露が検知された場合のディスクアクセス処理に好適なディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置の代表として、磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)が知られている。このHDDを利用するホスト(ホストシステム)の代表として、パーソナルコンピュータが知られている。近年のパーソナルコンピュータは、一般にHDDを内蔵している。このHDDを内蔵したパーソナルコンピュータ、特に可搬性の高いノート型のパーソナルコンピュータにおいては、室内環境だけでなく、屋外の環境にも対応する必要がある。
【0003】
HDDを内蔵したパーソナルコンピュータを屋外で使用する場合、例えば高温高湿環境から突然低温環境で使用しなければならない状況に遭遇することがあり得る。このような環境では、HDD内に結露による水滴が発生する可能性がある。この状態でHDDを利用すると、HDDが異常動作を起こしてしまう恐れがある。
【0004】
そこで従来は、HDD内に結露が発生した場合の対策として、例えば特開平10−320902公報に記載されている方法が提案されている。この公報記載の方法は、HDD内部に結露センサを設け、当該結露センサにより結露が検知された場合に、ディスク媒体への記録/再生を停止すると共に、アクチュエータの動作及びディスク媒体の回転を制御することで、HDDにおける異常動作の発生を防止するものである。この方法においては、結露センサにより一旦結露が検知されると、その後に結露センサにより結露が検知されなくなるまで記録/再生の停止状態が継続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の技術では、HDD内に設けられた結露センサにより一旦結露が検知されると記録/再生を停止し、その後に結露センサにより結露が検知されなくなるまで当該記録/再生の停止状態を継続することで、HDDにおける異常動作の発生を防止している。
【0006】
ところが、一度結露センサが、結露に反応するまで湿ってしまうと、その結露センサが乾燥するまでに多大な時間を要することになる。このため従来技術においては、実際はヘッドの表面は既に乾燥していて、ディスク媒体に対する記録/再生を行っても何ら問題はない場合でも、結露センサ自体が乾燥して当該センサにより結露が検知されなくなるまでは、記録/再生が止められてしまう。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、結露センサによって結露が検知された場合、ある一定時間後に、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であるか否かを、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に当該ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードと呼ぶリード動作で確認することによって、結露センサ自体が乾くまで待つことなく、速やかにディスクアクセスが行えるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法が提供される。この方法は、ディスク記憶装置内に配置された結露センサの検知結果から当該ディスク記憶装置内での結露発生の有無を判定するステップと、ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合に、予め定められた一定時間を待つステップと、この一定時間後に、ディスク記憶装置を利用するホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップと、この仮リードに成功した場合に、ホストからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のディスクアクセスを行うステップとを備えていることを特徴とする。
【0009】
このように本発明の第1の観点に係るディスクアクセス制御方法においては、結露センサによって結露が検知された結果、ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合、ある一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にヘッドを用いてディスク媒体からデータを読み出す仮リードを行い、当該仮リードに成功したことをもって、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であると、結露センサの検知結果によらずに確認するようにしている。
【0010】
したがって本発明の第1の観点に係るディスクアクセス制御方法によれば、結露センサが一度結露に反応するまで湿ってしまったために、上記一定時間が経過しても当該結露センサが乾かずに依然として当該結露センサにより結露が検知されていたとしても、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面が乾いているならば、仮リードに成功してディスクアクセスが可能であることが確認されて、ホストから要求される通常のディスクアクセスが実行される。よって、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面が乾いているにも拘わらずに、結露センサが乾いて結露が検知されなくなるまでディスクアクセスが禁止される従来技術に比べて、速やかに、しかも結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を招くことなく、ディスクアクセスを実行することができる。
【0011】
ここで、上記一定時間には、ディスク記憶装置内の温度が上昇して当該ディスク記憶装置内が乾燥するのに必要な時間を設定するとよい。また、上記一定時間の先頭でヘッドを所定のリトラクト位置、例えばディスク媒体の外周側に配置されるランプにリトラクトしてヘッドを保護し、この状態で当該一定時間の間、ディスク記憶装置内を乾燥させる処理を行うと、当該一定時間を短くすることが可能となる。このディスク記憶装置内を乾燥させる処理には、ディスク媒体を定常回転速度より高速に、例えば許容される最大速度で回転させると共に、ヘッドに書き込み電流を供給させる処理を適用するとよい。
【0012】
本発明の第2の観点に係るディスクアクセス制御方法は、上記第1の観点に係るディスクアクセス制御方法で適用されている上記各ステップに加えて、通常のディスクアクセス後に、結露センサにより結露が検知されていて、且つ結露センサにより新たに結露が検知されてからの経過時間が当該結露センサが乾くまでの時間より十分長い予め定められた基準時間を超えているかを判定するステップと、結露センサにより結露が検知されていて、且つ上記経過時間が上記基準時間を超えていると判定された場合には、更に新たな結露が発生しているものとして、上記一定時間より短い別の一定時間を待つステップと、上記別の一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップとを備えたことを特徴とする。ここでは、結露センサにより結露が検知されていないか、或いは結露は検知されているものの、上記経過時間が上記基準時間を超えていない場合には、更に新たな結露は発生していないものとして、上記通常のディスクアクセスを行うステップが実行される。この通常のディスクアクセスを行うステップは、上記別の一定時間後に行われる仮リードに成功した場合にも実行される。ここで、上記一定時間後の仮リードに失敗した場合にも、当該一定時間より短い別の一定時間を待って、当該別の一定時間後に、ディスク媒体上からの仮リードを行い、当該別の一定時間後の仮リードに成功した場合には上記通常のディスクアクセスを実行し、当該別の一定時間後の仮リードに失敗した場合には、再び当該別の一定時間を待つ構成とするとよい。
【0013】
本発明の第2の観点に係るディスクアクセス制御方法によれば、一旦、結露センサにより結露が検知されても、ある一定時間後に仮リードを行ってエラーが発生しなかった場合には、その後しばらくの間(経過時間が基準時間を超えない間)は、結露センサによる結露検知結果に無関係に、ディスク記憶装置内は乾燥しているものとして、通常のディスクアクセスが速やかに行われる。その後、経過時間が基準時間を超えた後に結露センサにより結露が検知されたならば、ディスク記憶装置内が一旦乾燥された後に新たな結露が発生したものとして通常のディスクアクセスが禁止される。これにより、結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を防止できる。そして、通常のディスクアクセスの禁止状態が、ある一定時間経過したならば、仮リードが行われて、再びディスクアクセスが可能な状態となったか否かが確認される。したがって、ここでも結露に起因するディスク記憶装置の異常動作を招くことなく、速やかにディスクアクセスを実行することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を磁気ディスク装置に適用した実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置(HDD)の構成を示すブロック図である。
図1において、ディスク(磁気ディスク媒体)11は上側と下側の2つのディスク面を有している。ディスク11の2つのディスク面の少なくとも一方のディスク面、例えば両方のディスク面は、データが磁気記録される記録面をなしている。ディスク11の各記録面に対応してそれぞれヘッド(磁気ヘッド)12が配置されている。ヘッド12は、HDDの動作状態においてディスク11の回転により当該ディスク11上を浮上して、当該ディスク11へのデータ書き込み(データ記録)及びディスク11からのデータ読み出し(データ再生)に用いられる。なお、図1の構成では、単一枚のディスク11を備えたHDDを想定しているが、ディスク11が複数枚積層配置されたHDDであっても構わない。
【0016】
ディスク11の各記録面には、ユーザ(ホスト)から利用可能なユーザ領域111と、システム管理に必要な情報(システム管理情報)等を保存するシステム領域112とがそれぞれ割り当てられている。システム領域112は、システムのみが使用する、つまりユーザからは見えない非ユーザ領域である。またディスク11の各記録面には、複数のサーボ領域110がディスク11の半径方向に放射状に且つディスク11の円周方向に等間隔で離散的に配置されている。各サーボ領域110には、ヘッド12を目標トラック内に位置付けるのに必要な位置情報を含むサーボデータが記録されている。隣接するサーボ領域110の間は、ユーザデータ領域となっており、当該データ領域にはデータセクタが複数個配置されている。
【0017】
ディスク11はスピンドルモータ(以下、SPMと称する)13により高速に回転する。ヘッド12はヘッド移動機構としてのアクチュエータ(キャリッジ)14に取り付けられている。更に具体的に述べるならば、ヘッド12はアクチュエータ14のアーム141から延出したサスペンション142に取り付けられている。ヘッド12は、アクチュエータ14の回動に従ってディスク11の半径方向に移動する。アクチュエータ14は、当該アクチュエータ14の駆動源となるボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)15を有しており、当該VCM15により駆動される。
【0018】
ディスク11の外周側には、HDDが非動作状態(記録/再生停止状態)に移行する際に、ヘッド12をリトラクトさせておくためのランプ10が配置されている。ここでランプ10上には、実際にはヘッド12ではなくて、当該ヘッド12を支持するアクチュエータ14の先端部に形成されたタブ(図示せず)が位置するが、煩雑な表現を避けるため、ヘッド12がランプ16にリトラクト(アンロード、パーキング)されると表現する。
【0019】
SPM13及びVCM15は、ドライバIC(Integrated Circuit)16からそれぞれ供給される駆動電流により駆動される。ドライバIC16は1チップ化されたモータドライバであり、SPMドライバ及びVCMドライバを構成する。ドライバIC16からSPM13及びVCM15にそれぞれ供給される駆動電流を決定するための値(制御量)は、CPU20により決定される。
【0020】
ヘッド12はフレキシブルプリント回路基板(FPC)に実装されたヘッドIC17と接続されている。ヘッドIC17は、ヘッド12により読み出されたリード信号を増幅するリードアンプ、及びライトデータをライト電流に変換するライトアンプを含む、1チップ化されたヘッドアンプ回路である。
【0021】
ヘッドIC17は、リード/ライトチャネル(以下、R/Wチャネルと称する)18と接続されている。R/Wチャネル18は、ヘッドIC17から出力される増幅されたリード信号(アナログ信号)に対するA/D(アナログ/デジタル)変換処理、ライトデータの符号化処理及びリードデータの復号化処理、A/D変換処理で2値化されたリード信号からゲートアレイ19により生成されるタイミング信号(ゲート信号)に従ってサーボデータを抽出するサーボデータ検出処理等の各種の信号処理を実行する。
【0022】
R/Wチャネル18はゲートアレイ19及びHDC(ディスクコントローラ)25と接続されている。ゲートアレイ19は、R/Wチャネル18により検出されたサーボデータから位置情報を抽出して、CPU20から読み込み可能なように保持する。またゲートアレイ19は、HDDにおけるデータの読み出し/書き込み、R/Wチャネル18でのサーボデータの検出等に必要な各種のタイミング信号を生成する。ゲートアレイ19は、制御用のレジスタ群(図示せず)を有している。この制御用レジスタ群はCPU20のメモリ領域の一部に割り当てられており、CPU20がこの領域に対して読み出し及び書き込みを行うことでゲートアレイ19及びHDC25を制御する。
【0023】
CPU20は、制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、例えばROM(Read Only Memory)21と、当該CPU20のワーク領域等を提供するRAM(Random Access Memory)22と接続されている。CPU20は、HDDの主コントローラであり、ROM21に格納されている制御プログラムに従ってHDD内各部を制御する。例えばCPU20は、ゲートアレイ19により抽出される位置情報に基づいてヘッド12を目標トラック内に位置付ける制御を行う。CPU20はまた、後述する結露センサ24により結露が検知された場合に、ある一定時間後に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にシステム領域112上の所定セクタをリードする仮リードと呼ぶ動作を行って、その仮リードの結果から、ディスクアクセスが可能であるか否かを判定する。
【0024】
CPU20はA/D変換器(ADC)23を内蔵している。このA/D変換器23の入力にはHDD内に結露が発生したことを検知する結露センサ24の出力が接続されている。CPU20は、結露センサ24の出力のディジタル変換値をA/D変換器23から読み込むことで、結露センサ24により結露が検知されたか否かを判定する。この結露センサ24には、例えば特開平10−320902公報に記載されている結露センサが用いられる。本実施形態において、結露センサ24はディスク11またはヘッド12の近傍に配置されるように、、ヘッドIC17が実装されるフレキシブルプリント回路基板(FPC)上に実装されている。なお、結露センサ24がゲートアレイ19に接続され、当該結露センサ24の結露検知結果がゲートアレイ19を介してCPU20に読み込まれる構成であっても構わない。
【0025】
ディスクコントローラ(以下、HDCと称する)25は、R/Wチャネル18によって復号化されたリードデータからホストに転送すべきデータを生成する。またHDC25は、ホストから転送されたライトデータを符号化してR/Wチャネル18に転送する。
【0026】
次に、本実施形態の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、図1に示すHDDの電源がONされたものとする。なお、このHDDが例えばノート型のパーソナルコンピュータに内蔵されている場合には、当該パーソナルコンピュータの電源がONされることにより、HDDの電源がONされる。
【0027】
HDD内のCPU20は、当該HDDの電源がONされると、当該HDDを初期化する処理(初期化処理)を行う。この初期化処理は、HDDの非動作状態においてランプ10上にパーキングしているヘッド12をディスク11上に移動(ロード)させるヘッドロード制御と、ディスク11上にロードされたヘッド12を当該ディスク11上の所定のシリンダ位置に移動させるファーストシーク制御とを含む。CPU20はまた上記初期化処理の後に、結露センサ24の出力(結露検知結果)をA/D変換器23を介して読み込むことで、HDD内に結露が発生しているか否か、つまり結露の有無を判定する(ステップS1)。
【0028】
もし、結露が無いならば、CPU20はホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0029】
これに対して結露が有るならば、CPU20は、ドライバIC16を介してアクチュエータ14を駆動させて、ディスク11上のヘッド12をランプ10にリトラクト(アンロード)させ、この状態で予め定められた時間t1が経過するのを待つ(ステップS2)。この時間t1は、HDD内の温度が上昇して当該HDD内が乾燥するのに必要な時間である。CPU20は上記ステップS2において、時間t1の期間、HDD内をより早く乾燥させるために、ドライバIC16を介してSPM13を定常回転速度より速い速度、例えば許容される最大速度(最大の回転速度)で回転させる。またCPU20はステップS2において、ヘッド12の表面をより早く乾燥させるために、ゲートアレイ19を制御してヘッドIC17からヘッド12に書き込み電流を供給させる。通常HDDには、ヘッド12をディスク11からランプ10にリトラクトした際に、当該ヘッド12がランプ10外に飛び出さないようにアクチュエータ14の動作を規制するラッチ機構(図示せず)が設けられている。したがって、アクチュエータ14が当該ラッチ機構に押し付けられる方向に、VCM15に電流(VCM電流)を供給するならば、ヘッド12をランプ10から移動することなく、アクチュエータ14の近傍の温度を上げてHDD内の乾燥を促進することも可能である。
【0030】
なお、本実施形態では、ステップS2の処理内容を後述するステップS5,S10に合わせるために(但し、待ち時間は異なる)、ステップS1をヘッドロード後(初期化処理後)に行うようにしている。しかし、ステップS1を初期化処理の中でヘッドロード前に行うようにしても構わない。このようにすると、ステップS1の実行時には、ヘッド12はランプ10上にパーキングしていることから、ステップS1で結露有りと判定された場合に、ステップS2でヘッド12をアンロードする必要がない。この場合、ディスク11上に水滴が存在していても、その水滴がヘッド12に付着する恐れはない。
【0031】
さてCPU20は、結露有りが判定されてから時間t1の期間、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させると、ステップS2からステップS3に進む。CPU20はステップS3において、ヘッド12をランプ10からディスク11上にロードさせ、しかる後に当該ヘッド12をディスク11上の予め定められた領域、例えばシステム領域112上の所定トラックに移動させる。そしてCPU20は、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に、上記所定トラック中の1つの所定セクタからデータを読み出す仮リードを実行する。
【0032】
次にCPU20は、ステップS3での仮リードでエラーが発生したか否かを判定する(ステップS4)。もし、エラーが発生しなかった場合には、CPU20は、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は結露センサ24での結露検知結果に無関係に既に乾燥しているものと判断する。この場合、CPU20はホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0033】
このように本実施形態においては、HDDの電源ON直後に、一度結露センサ24により結露が検知された場合、時間t1の期間、HDD内を乾燥させるためにSPM13を定常回転速度より速い速度で回転させると共にヘッド12に書き込み電流を供給している。そして時間t1の後、HDD内が乾燥してディスクアクセスが可能であるか否かを、結露センサ24の結露検知結果ではなくて、仮リードの結果で確認するようしている。このため本実施形態においては、結露センサ24自体が乾くまで待つ必要がなくなり、少なくともディスク11及びヘッド12の表面が乾いた時点で速やかに通常のリード/ライト動作が行える。
【0034】
一方、ステップS3での仮リードでエラーが発生した場合には、CPU20はステップS2の実行によっても、HDD内はまだ乾燥していないものと判断し、ディスク11上のヘッド12をヘッド12にリトラクト(アンロード)させ、この状態で予め定められた時間t3が経過するのを待つ(ステップS5)。なお、仮リードでのエラーには、ヘッド12を仮リードの対象となるシステム領域112上の所定トラックに正しく移動できないシークエラーも含まれる。
【0035】
本実施形態において、ステップS5での待ち時間t3は、ステップS2での待ち時間t1より小さな値に設定されている。つまりHDDの電源がONされた後の最初の結露有り判定時の処理ステップS2での待ち時間t1と、2回目以降の結露有り判定時の処理ステップS5での待ち時間t3とは、t1>t3となるように予め定められている。CPU20はステップS5において、時間t3の期間、上記ステップ2と同様にHDD内をより早く乾燥させるために、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させる。
【0036】
CPU20は、ステップS5で時間t3の期間、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させると、ステップS6に進む。CPU20はステップS6において、先のステップS3と同様に、ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係にシステム領域112上の所定トラック中の所定セクタからデータを読み出す仮リードを実行する。
【0037】
次にCPU20は、ステップS6での仮リードでエラー発生したか否か、つまり仮リードに成功したか否かを判定する(ステップS7)。もし、仮リードでエラーが発生しなかった場合には、CPU20は、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は既に乾燥しているものと判断し、ホストコンピュータからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のリード/ライト(ディスクアクセス)を実行する(ステップS8)。
【0038】
これに対し、ステップS6での仮リードでエラーが発生した場合には、CPU20はステップS5の実行によっても、HDD内はまだ乾燥していないものと判断し、再度当該ステップS5を実行する。つまりCPU20は、ステップS6での仮リードでエラーが発生しなくなるまで、ステップS5を繰り返し実行して、HDD内の各部、特にディスク11とヘッド12の表面を乾燥させる。
【0039】
さてCPU20は、ステップS8で通常のリード/ライトを実行すると、現在結露センサ24により結露が検知されていて、且つ結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0からの経過時間txが予め定められた時間taを超えているか否かを判定する(ステップS9)。ここでtaは、結露センサ24が新たに結露を検知してから、当該結露センサ24が乾くまでの時間より十分長い時間、例えば1時間に設定される。したがって、現在結露センサ24により結露が検知されていて、且つ結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0からの経過時間txがtaを超えているということは、以下の状態を意味する。つまり、時点t0が前回の結露検知時点となり、その後時間taが経過するまでの間に一旦結露が無くなったことをも意味する。更に、一旦結露が無くなった後、現在時点t0+txに至るまでの間に新たな結露が発生し、現在時点t0+txで当該新たな結露が検知されたこと、つまり現在時点t0+txが、新たな結露検知時点t0となることを意味する。明らかなように、結露センサ24により新たに結露が検知された時点t0は、ステップS1またはS9でYESと判定された時点である。
【0040】
CPU20は、ステップS9の判定がNOの場合には、新たな結露は発生しておらず、HDD内の少なくともディスク11及びヘッド12の表面は結露センサ24での結露検知結果に無関係に既に乾燥しており、したがってディスクアクセス(ディスク11に対するリード/ライト)が可能であるとして、ステップS8に戻る。これに対し、ステップS9の判定がYESの場合には、CPU20は、新たな結露が発生しており、したがって最も最近に行われたステップS3またはS6での仮リードでエラーが発生しなかったことは参考にならないと判断する。この場合、CPU20は、予め定められた時間t2が経過するのを待つ(ステップS10)。本実施形態において、ステップS10での待ち時間t2は、ステップS2での待ち時間t1より小さく、ステップS5での待ち時間t3より大きな値、つまりt1>t2>t3を満たすように予め定められている。ここで、t1,t2,t3は、例えばt1=20分、t2=10分、t3=5分である。
【0041】
CPU20はステップS10において、時間t2の期間、上記ステップ2またはS5と同様にHDD内をより早く乾燥させるために、SPM13を最大速度で回転させると共に、ヘッド12に書き込み電流を供給させる。CPU20はステップS10を実行すると、上記ステップS5を実行した場合と同様に、ステップS6に進んで仮リードを行う。なお、ステップS3またはステップS6の仮リードでエラーが発生した場合、ステップS5ではなくて、図2中の矢印Aの流れに沿って、ステップS10を行うようにしても構わない。
【0042】
このように本実施形態においては、一旦、結露センサ24により結露が検知されても、ある一定時間(t1またはt2またはt3)だけHDD内を乾燥させた後に仮リードを行ってエラーが発生しなかった場合には、しばらくの間、つまり結露が検知されてから時間taの間は、結露センサ24による結露検知結果に無関係に、HDD内は乾燥しているものとして、通常のリード/ライトが行われる。その後、つまり時間taの経過後に、結露センサ24により結露が検知されたならば、HDD内が一旦乾燥された後に新たな結露が発生したものとして通常のリード/ライトが禁止され、ある一定時間(t2)だけHDD内を乾燥させた後に仮リードが行われる。
【0043】
上記実施形態では、仮リードの対象となるセクタが1つであった。しかし、複数の所定セクタを仮リードの対象とすることも可能である。この場合、例えば複数の所定セクタを予め定められた順にリードするようにし、いずれか1つのセクタで正常にデータが読み取ることができた時点でリード動作を中止して、仮リードに成功したものとして、通常リード/ライト動作(ステップS8)に進むようにするとよい。このようにすると、結露以外の要因でリードエラーが発生しても、誤って結露に起因する仮リード失敗であると判定されるのを防止できる。ここでは、複数の所定セクタの全てで正常にデータを読み取れなかった場合だけ、仮リードに失敗したとして、ある一定時間の乾燥処理(ステップS5またはS10)が行われる。なお、仮リードに成功したと判定される、正常に読み取れたセクタの数は1つである必要はない。また、仮リードの対象となる所定セクタの数が、一定数を上限としてユーザによりホストから任意に設定可能な構成としてもよい。また、仮リードに成功したと判定される、正常に読み取れたセクタの数についても、任意に設定可能な構成としてもよい。
【0044】
以上、本発明をHDDに適用した実施形態について説明した。しかし本発明は、ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置であれば、光磁気ディスク装置など、HDD以外のディスク記憶装置にも同様に適用できる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、結露センサによって結露が検知された場合、ある一定時間後に、少なくともヘッド及びディスク媒体の表面は既に乾いていてディスクアクセスが可能であるか否かを、結露センサの結露検知結果によらずに仮リードと呼ぶリード動作で確認するようにしたので、結露センサ自体が乾くまで待つことなく、速やかにディスクアクセスが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
10…ランプ
11…ディスク(ディスク媒体)
12…ヘッド
13…SPM(スピンドルモータ)
14…アクチュエータ
15…VCM(ボイスコイルモータ)
16…ドライバIC
17…ヘッドIC
20…CPU
24…結露センサ
Claims (10)
- ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法であって、
前記ディスク記憶装置内に配置された結露センサの検知結果から前記ディスク記憶装置内での結露発生の有無を判定するステップと、
前記ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合に、予め定められた一定時間を待つステップと、
前記一定時間後に、前記ディスク記憶装置を利用するホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップと、
前記仮リードに成功した場合に、前記ホストからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のディスクアクセスを行うステップと、
を具備することを特徴とするディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。 - 前記一定時間は、前記ディスク記憶装置内の温度が上昇して当該ディスク記憶装置内が乾燥するのに必要な時間であることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。
- 前記一定時間を待つステップでは、前記一定時間の先頭で前記ヘッドを所定のリトラクト位置にリトラクトし、しかる後に、前記一定時間の間、前記ディスク記憶装置内を乾燥させることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。
- 前記一定時間を待つステップでは、前記一定時間の間、前記ディスク媒体を定常回転速度より高速に回転させると共に、前記ヘッドに書き込み電流を供給させることにより前記ディスク記憶装置内を乾燥させることを特徴とする請求項3記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。
- 前記結露発生の有無を判定するステップは前記ディスク記憶装置の電源がオンされた直後に実行されることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。
- 前記通常のディスクアクセス後に、前記結露センサにより結露が検知されていて、且つ前記結露センサにより新たに結露が検知されてからの経過時間が当該結露センサが乾くまでの時間より十分長い予め定められた基準時間を超えているかを判定するステップと、
前記結露センサにより結露が検知されていて、且つ前記経過時間が前記基準時間を超えていると判定された場合には、更に新たな結露が発生しているものとして、前記一定時間より短い別の一定時間を待つステップと、
前記別の一定時間後に、前記ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップと
を更に具備し、
前記通常のディスクアクセスを行うステップは、前記結露センサにより結露が検知されていないか、或いは結露は検知されているものの、前記経過時間が前記基準時間を超えていないと判定された場合には、更に新たな結露は発生していないものとして実行され、前記別の一定時間後に行われる前記仮リードに成功した場合にも実行される
ことを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。 - 前記一定時間後の仮リードに失敗した場合、前記一定時間より短い別の一定時間を待つステップと、
前記別の一定時間後に、前記ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行うステップと
を更に具備し、
前記通常のディスクアクセスを行うステップは、前記別の一定時間後の仮リードに成功した場合にも実行され、
前記別の一定時間を待つステップは、前記別の一定時間後の仮リードに失敗した場合にも実行される
ことを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。 - 前記仮リードを行うステップでは、前記仮リードが予め定められた複数のセクタを対象に実行され、当該複数のセクタのうちの少なくとも1つのセクタでデータが正常に読めた場合には前記仮リードに成功したとされ、当該複数のセクタの全てでエラーが発生した場合には前記仮リードに失敗したとされることを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。
- ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法であって、
前記ディスク記憶装置の電源がオンされた後に、前記ディスク記憶装置内に配置された結露センサの検知結果から前記ディスク記憶装置内での結露発生の有無を判定するステップと、
前記ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合に、第1の時間を待つステップと、
前記第1の時間後に、前記ディスク記憶装置を利用するホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す第1の仮リードを行うステップと、
前記第1の仮リードに成功した場合に、前記ホストからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のディスクアクセスを行うステップと、
前記通常のディスクアクセス後に、前記結露センサにより結露が検知されていて、且つ前記結露センサにより新たに結露が検知されてからの経過時間が当該結露センサが乾くまでの時間より十分長い予め定められた基準時間を超えているかを判定するステップと、
前記結露センサにより結露が検知されていて、且つ前記経過時間が前記基準時間を超えていると判定された場合には、更に新たな結露が発生しているものとして、前記第1の時間より短い第2の時間を待つステップと、
前記第2の時間後に、前記ホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す第2の仮リードを行うステップと、
前記第1及び第2の仮リードのいずれか一方に失敗した場合に、前記第2の時間より短い第3の時間を待つステップと
を具備し、
前記第2の仮リードを行うステップは、前記第3の時間後にも実行され、
前記通常のディスクアクセスを行うステップは、前記結露センサにより結露が検知されていないか、或いは結露は検知されているものの、前記経過時間が前記基準時間を超えていないと判定された場合には、更に新たな結露は発生していないものとして実行され、前記第2の仮リードに成功した場合にも実行される
ことを特徴とするディスク記憶装置における結露検知時のディスクアクセス制御方法。 - ディスク媒体に記録された情報がヘッドにより読み出されるディスク記憶装置において、
前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向に移動可能に支持するアクチュエータと、
前記ディスク記憶装置内の結露を検知する結露センサと、
前記結露センサの検知結果から前記ディスク記憶装置内での結露発生の有無を判定する手段と、
前記判定手段により前記ディスク記憶装置内で結露が発生したと判定された場合に、予め定められた一定時間を待つ手段と、
前記一定時間後に、前記ディスク記憶装置を利用するホストからのリード/ライトコマンドの有無とは無関係に前記ディスク媒体上からデータを読み出す仮リードを行う仮リード手段と、
前記仮リード手段による仮リードに成功した場合に、前記ホストからリード/ライトコマンドが与えられるのを待って、当該コマンドの指定する通常のディスクアクセスを行うディスクアクセス手段と
を具備することを特徴とするディスク記憶装置。
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