JP3560742B2 - 自動原稿搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等の画像読取装置に装着された自動原稿搬送装置に関し、詳しくは、複数の原稿束から原稿を1枚ずつ分離して読取位置に向かって搬送する分離・給紙系を構成する部材の交換およびメンテナンスを容易に行なうことができる自動原稿搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等の画像読取装置にあっては、複数枚の原稿からなる原稿束を原稿載置台に載置してジョブスタートスイッチを押下すると、原稿を1枚ずつ分離して読取位置に搬送し、読取位置で画像形成装置の画像読取手段によって原稿の読取りを行ない、この読取りが終了すると、原稿を所定の排紙位置に排紙するようにした自動原稿搬送装置を備えたものがあり、例えば、実公平6−13153号公報に記載されるようなものが知られている。
【0003】
このものは、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台と、原稿載置台に載置された原稿束を給紙する呼出しコロと、搬送ローラに摺接可能に設けられ、呼出しコロによって給紙された原稿束を搬送ローラと共に挟持して原稿束から最上位の原稿を1枚ずつ分離し、分離後の原稿を反転させる反転経路を通して読取位置に向かって搬送する分離ベルトと、原稿の搬送方向に亘って所定長だけ延在し、呼出しコロによって給紙された原稿束の幅方向に摺接して原稿を反転経路に向かって案内する搬送路を構成するガイド板と、を備えている。
【0004】
そして、上述した呼出しコロ、分離ベルトおよびガイド板は駆動軸に一体的に取付けられており、呼出しコロおよび分離ベルトは給紙モータからの駆動力が駆動軸を介して伝達されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の自動原稿搬送装置にあっては、呼出しコロ、分離ベルトおよびガイド板が駆動軸に固定されているが、この駆動軸は本装置本体に固定されて容易に脱着できなかったため、これら各部材のメンテナンスや交換を行なう際に、工具等を使用して多くの工程を要して各部材を本装置本体に脱着させなければならず、各部品の交換作業やメンテナンス作業の作業性が非常に悪いものとなってしまった。
【0006】
また、ガイド板が駆動軸に一体的に設けられていないものにあっても、呼出しコロや分離ベルトを駆動軸に対して脱着自在に構成されたものはなく、呼出しコロや分離ベルトを交換する際やメンテナンスを行なう際にも、工具等を使用して多くの作業を要して交換しなければならないため、その交換作業やメンテナンス作業の作業性が非常に悪いものとなってしまった。
【0007】
そこで請求項1〜4何れかに記載の発明は、呼出しコロ、分離回転体およびガイド板が取付けられる駆動軸を本装置本体に対して着脱可能にして、これら各部品の交換およびメンテナンス作業の作業性を向上させることができる自動原稿搬送装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台と、原稿載置台に載置された原稿束を給紙する呼出しコロと、相手側部材に摺接可能に設けられ、前記呼出しコロによって給紙された原稿束を相手側部材と共に挟持して該原稿束から最上位の原稿を1枚ずつ分離し、分離後の原稿を反転させる反転経路を通して前記読取位置に向かって搬送する分離回転体と、原稿の搬送方向に亘って所定長だけ延在し、前記呼出しコロによって給紙された原稿束の幅方向に摺接して原稿を反転経路に向かって案内する搬送路を構成するガイド板と、を備え、前記分離回転体およびガイド板を駆動軸に取付けるとともに呼出しコロを駆動力伝達部材を介して前記駆動軸に取付け、該駆動軸を本装置本体に対して脱着自在にしたことを特徴としている。
【0009】
その場合、ガイド板、呼出しコロおよび分離回転体が駆動軸に取付けられてユニット化され、駆動軸が本装置本体に対して着脱されるので、ガイド板、呼出しコロおよび分離回転体の着脱作業が容易に行なわれ、これら各部材の交換およびメンテナンス作業の作業性が大幅に向上される。
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発明において、前記ガイド板を駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴としている。
【0010】
その場合、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離回転体が本装置本体から取り外された際に、ガイド板のみが駆動軸に対して脱着されるので、ガイド板の交換およびメンテナンス作業の作業性が大幅に向上される。
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項1または2記載の発明において、前記呼出しコロを駆動力伝達部材と共に呼出しコロホルダーで保持し、呼出しコロホルダーを駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴としている。
【0011】
その場合、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離回転体が本装置本体から取り外された際に、呼出しコロが駆動力伝達部材と共に駆動軸に対して脱着されるので、呼出しコロの交換およびメンテナンス作業の作業性が大幅に向上される。
請求項4記載の発明は、上記課題を解決するために、請求項3記載の発明において、前記分離回転体を、駆動軸に固定された駆動コロと、該駆動コロに対して近接離隔可能に設けられた従動コロと、該従動コロと駆動コロの間に張設された分離ベルトと、前記従動コロを駆動コロから離隔する方向に付勢することにより分離ベルトに張力を付与する付勢部材と、から構成し、前記従動コロを駆動コロ側に近接または離隔させることにより、分離ベルトの張力を付与または解除して分離ベルトを駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴としている。
【0012】
その場合、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離ベルトが本装置本体から取り外された際に、分離ベルトが駆動軸に対して脱着されるので、分離ベルトの交換およびメンテナンス作業の作業性が大幅に向上される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜8は本発明に係る自動原稿搬送装置の一実施形態を示す図であり、自動原稿搬送装置を画像読取装置に装着した例を示している。なお、画像読取装置としては、複写機、ファクシミリ装置、スキャナー装置等に適用することができる。
【0016】
まず、構成を説明する。図1において、1は画像読取装置であり、この画像読取装置1の上面にはスリットガラス2とコンタクトガラス3が設けられている。このスリットガラス2とコンタクトガラス3の下方には露光ランプ4と第1ミラー5等が設けられており、この露光ランプ4と第1ミラー5は、コンタクトガラス3に載置された原稿を読取る際には、コンタクトガラス3の下方で図1中、左右方向に移動し、また、スリットガラス2上で原稿を読取る際には、スリットガラス2の下方で停止し、露光ランプ4によって原稿面を読取った後、この反射光を公知のように第1ミラー5および図示しないレンズを介してCCD等の結像素子に結像するようになっている。
【0017】
また、画像読取装置1の上部には自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)6が装着されており、このADF6の下面にはコンタクトガラス3に載置された原稿をコンタクトガラス3に押圧するとともに原稿の読取時の白基準となる反射板7が設けられている。また、このADF6は、図2に示すようにヒンジ8を介して画像読取装置1に連結されており、画像読取装置1に対して開閉自在となっている。
【0018】
また、ADF6の上部には原稿載置台9が設けられており、この原稿載置台9には複数の原稿からなる原稿束Pが載置されるようになっている。この原稿載置台9に載置された原稿束Pはこの原稿束Pに当接・離隔可能な呼出しコロ10によって給紙された後、分離ベルト11および分離阻止コロ(相手側部材)12によって分離されるようになっており、分離ベルト11は分離阻止コロ12に任意の角度θで加圧・接触している。
【0019】
また、呼出しコロ10の原稿搬送方向下流にはストッパ部材13が設けられており、原稿載置台9に載置された原稿束Pはストッパ部材13に衝止されて分離ベルト11側に進入することを禁止されている。
呼出しコロ10の下方には加圧板14が設けられており、この加圧板14は図示しないソレノイドによって呼出しコロ10に対して当接離隔するようになっている。すなわち、この加圧板14はコピースタートスイッチが押下されると、ソレノイドによって実線で示す呼出しコロ10に対して離隔する位置から仮想線で示す呼出しコロ10に当接する位置に移動して、原稿を呼出しコロ10に加圧して呼出しコロ10によって原稿を給紙させるようになっている。
【0020】
また、分離ベルト11は駆動コロ15と従動コロ16に橋架されており、駆動コロ15はケース(呼出しコロホルダー)17に駆動軸15aを介して連結されている。このケース17は駆動軸15aを中心に回動自在になっており、このケース17には呼出しコロ10が取付けられている。このため、ケース17が駆動軸15aを支点に回動すると、呼出しコロ10が原稿束Pから離隔する。また、この状態で従動コロ16を駆動軸15aを中心に回動させると分離ベルト11が分離阻止コロ12から離隔する。また、このケース17はADF6本体のフレームに駆動軸15aを介して連結されている。また、ADF6本体の側方には給紙部ケース18が設けられており、この給紙部ケース18はADF6本体に設けられた軸からなる支点19を介してADF6本体に回動自在に取付けられ、開放時に給紙部を露出するようになっている。
【0021】
また、従動コロ16はスプリング20によって付勢されており、このスプリング20によって分離ベルト11には一定の張力が付与されている。また、駆動コロ15と駆動軸15aの間にはワンウェイクラッチ21が設けられており、駆動コロ15はこのクラッチ21によって図1中、時計方向に回転する。また、分離阻止コロ12は図1中、時計方向に回転するようになっており、分離ベルト11と分離阻止コロ12の間に給紙された原稿束Pから最上位に位置する原稿が分離される。
【0022】
この分離ベルト11および分離阻止コロ12によって分離された原稿は駆動側である第1搬送コロ23および従動コロ24によって反転経路25に沿って反転されてスリットガラス2に向かって搬送されるようになっている。
また、図3に示すように呼出しコロ10と反転経路25の間にはガイド板51が設けられており、このガイド板51は図4に示すように駆動軸15aに揺動自在に取付けられている。このガイド板51は原稿の搬送方向に亘って所定長だけ延在しており、呼出しコロ10によって給紙された原稿束の幅方向に摺接して原稿を反転経路25に向かって案内する搬送路を構成し、このガイド板51は原稿両端部で原稿の幅方向に摺接することにより、原稿幅の端部が浮き上がるのを防止している。
【0023】
従動コロ24は支点19を中心に回動自在に取付けられたレバー26に取付けられており、このレバー26を押圧するスプリング27によって第1搬送コロ23に加圧されている。
この第1搬送コロ23および従動コロ24は分離された原稿を挟持して反転ガイド28を通してスリットガラス2に搬送した後、反転排紙ガイド29によって排紙経路30にすくい上げるようにして搬送するようになっている。また、スリットガラス2上には反射ガイド板31が設けられており、この反射ガイド板31は読取時の白基準を構成している。
【0024】
そして、排紙経路30に搬送された原稿は駆動側である第2搬送コロ32および従動コロ33に挟持されて搬送された後、駆動側である排紙コロ34および従動コロ35に挟持されて排紙経路30から外部に排紙され、除電ブラシ36によって除電された後、外装カバー37上に排紙される。
一方、コンタクトガラス3上を覆う反射板7は加圧板38の下面に設けられており、この加圧板38はコンタクトガラス3上に載置された原稿をこのガラス3に加圧するようになっている。
【0025】
この加圧板38は支点39を介してメインフレーム40に回動自在に取付けられており、このメインフレーム40は従動コロ35の軸に端部が取付けられ、ADF6本体に固定されている。
また、メインフレーム40はコンタクトガラス3を覆う面積を有しており、上面に外装カバー37が取付けられ、外装カバー37と共に原稿排紙台を構成している。また、加圧板38はリンク41を介して補助フレーム42に連結されており(図1中にはリンク41の一方のみを示している)、この補助フレーム42はメインフレーム40の外周部を挟持するように略コの字状に形成され、支点43を介してメインフレーム40に回動自在に連結されている。
【0026】
また、メインフレーム40にはマグネット44が設けられており、このマグネット44は補助フレーム42を吸引している。なお、補助フレーム42は全体的に金属で構成しても良く、また、全体的にプラスチック等の弾性部材で形成してマグネット42に吸引される部分のみを金属で形成しても良い。なお、この吸引手段は マグネットに限らず、補助フレーム42をメインフレーム40に吸引する部材であれば如何なる部材でも構わない。
【0027】
また、補助フレーム42の先端部(図1中、左端部)には排紙経路30の一部を構成するガイド板42aが設けられており、このガイド板42aには従動コロ33が回転自在に設けられている。また、このガイド板42aにはスタンプユニット45が設けられており、このスタンプユニット45は図示しないソレノイドによってスタンプをガイド板42aに対して出没させることでスリットガラス2を通過した原稿の搬送方向下流側の所定位置に済みスタンプSを押印するようになっている。なお、スタンプはスタンプユニット45に対して脱着自在に設けられており、所定回数の押印作業(例えば3000回以上)が終了すると交換されるようになっている。
【0028】
また、ガイド板42a近傍の補助フレーム42部分には取っ手46が設けられており、この取っ手46はユーザによって把持可能である。また、メインフレーム40にはストッパー47が設けられており、このストッパー47は補助フレーム42の基端部(図1中、右端部)に当接し、補助フレーム42が支点43を中心に反時計方向に所定量以上回動するのを禁止するようになっている。なお、図1中、48は分離ベルト11に摺接する従動コロである。
【0029】
一方、図6に示すように、ガイド板51は駆動軸15aに揺動自在に取付けられており、所定箇所に形成された切欠き部51aが駆動軸15aに対して係合・脱合することにより、駆動軸15aに対して脱着されるようになっている。
また、駆動コロ15はワンウェイクラッチ21を介して駆動軸15aに取付けられており、この駆動コロ15の両端部には一対のベルトホルダー52が設けられている。このベルトホルダー52は図5に示すように中央部から駆動コロ15から離隔する方向に亘って切欠き部52aを有しており、この切欠き部52aにはそれぞれスプリング(付勢部材)20が取付けられている。
【0030】
また、切欠き部52a内には従動コロ16の軸部が収納されており、従動コロ16は切欠き部52a内を摺動することにより、駆動コロ15に対して近接離隔可能になっている。また、スプリング20は従動コロ16を駆動コロ15から離隔する方向に付勢しており、このように従動コロ16を付勢することによって分離ベルト11に張力を付与している。
【0031】
また、従動コロ16をスプリング20の付勢力に抗して駆動コロ15側に近接させることにより、分離ベルト11に付与される張力を解除して分離ベルト11を駆動軸15aに対して脱着可能にしている。なお、分離ベルト11が駆動軸から取り外されたときには、駆動ローラ16が切欠き部52aから抜け出るようになっており、ベルトホルダー52から取り外されるようになっている。なお、本実施形態では、分離ベルト11、駆動コロ15、従動コロ16およびスプリング20が分離回転体を構成している。
【0032】
また、呼出しコロ10はケース17に回転自在に支持されており、このケース17は図6、7に示すように所定箇所に形成された切欠き部17aが駆動軸15aに対して係合・脱合することにより、駆動軸15aに対して脱着されるようになっている。また、駆動軸15aには駆動ギヤ55が固定されており、この駆動ギヤは図示しないギヤを介して給紙モータからの駆動力が伝達されるようになっている。この駆動ギヤ55はケース17に回転自在に取付けられたアイドラギヤ56を介してベルトギヤ57に噛合しており、このベルトギヤ57はベルト59を介してベルトギヤ58に連結されている。これらベルトギヤ57、58はケース17に回転自在に設けられており、駆動ギヤ55が回転すると、すなわち、駆動軸15aが回転するとこの回転がアイドルギヤ56、ベルト59を介して呼出しコロ10に伝達されるようになっている。なお、本実施形態では、アイドラギヤ56、ベルトギヤ57、58およびベルト59が駆動力伝達部材を構成している。
【0033】
また、駆動軸15aの一端部にはスプリング60が設けられており、このスプリング60は一端部が駆動軸15aの一端部に摺動自在に設けられた筒状部材63に当接され、他端部が駆動軸15aの端部側に係止されたリング61に当接されている。また、駆動軸15aの他端部には係合部材62が設けられており、この係合部材62はADF6本体フレームに形成された係合溝に係合されるようになっている。
【0034】
また、駆動軸15aの一端部もADF6本体フレームに形成された係合溝に係合されるようになっており、筒状部材63をフレームの係合溝に係合して筒状部材63をスプリング60の付勢力に抗して駆動軸15aに沿って駆動軸15aの他端部側に移動させた後、係合部材62をフレームの係合溝に係合させると、スプリング60によって筒状部材63が駆動軸15aの一端部側に付勢されフレームに支持される。
【0035】
また、係合部材62をフレームの係合溝から取り外した後、リンク61側を係合溝から取り外すことにより、スプリング60による付勢力を解除して駆動軸15aがフレームから取り外される。すなわち、本実施形態の駆動軸15aはADF6本体に対して脱着自在になっている。
次に、作用を説明する。
【0036】
原稿載置台9に原稿面が上面になるように原稿束Pを載置してスタートスイッチを押下すると、加圧板14が呼出しコロ10に原稿束Pを押圧することにより、呼出しコロ10によって原稿束が分離ベルト11に向かって搬送される。
このとき、給紙モータから駆動ギヤ55、アイドルギヤ56、ベルト59を介して呼出しコロ10に伝達されるようになっているため、呼出しコロ10および駆動コロ15が回転される。
【0037】
この原稿束Pは分離ベルト11および分離阻止コロ12によって最上位に位置する原稿が分離された後、第1搬送コロ23および従動コロ24によって反転経路25に沿ってスリットガラス2上に搬送された後、スリットガラス2で露光ランプ4および第1ミラー5等によって原稿面が読取られる。読取りが終了した原稿は第2搬送コロ32および従動コロ33によって搬送経路30上を搬送された後、排紙コロ34および従動コロ35によって外装カバー37上に排紙される。また、スリットガラス2を通過した原稿の後端部にはスタンプユニット45のスタンプ50によって読取り済みスタンプSが押印されるようになっている。
【0038】
一方、分離・給紙系の一部を構成する呼出しコロ10、給紙ベルト11およびガイド板51の交換やメンテナンスを行なう際には、給紙部ケース18を開放した後、駆動軸15aをADF6本体のフレームから取り外す。このとき、呼出しコロ10、給紙ベルト11およびガイド板51は駆動軸15aに一体的に取付けられてユニット化されるので、駆動軸15aと共に一体的に取り外される。
【0039】
ここで、ガイド板51の交換またはメンテナンスを行なう場合には、ガイド板51は切欠き部51aが駆動軸15aに係合しているため、ガイド板51を所定方向に引張ることにより、駆動軸15aから容易に取り外される。
また、呼出しコロ10の交換またはメンテナンスを行なう場合には、切欠き部17aが駆動軸15aに対して係合しているため、ケース17を所定方向に引張ることにより図6に示すように駆動軸15aから容易に取り外される。
【0040】
また、分離ベルト11の交換またはメンテナンスを行なう場合には、図8に示すようにケース17およびガイド板51を駆動軸15aから取り外した状態で、従動ローラ16をスプリング20の付勢力に抗して切欠き部52内で駆動ローラ15側に向かって近接させることにより、分離ベルト11の張力を解除する。この状態で、分離ベルト11を駆動軸15aに沿って移動させることにより、駆動軸15aから取り外す。
【0041】
そして、上記各部材の交換またはメンテナンスが終了した場合には、分離ベルト11を駆動軸15aに挿通して駆動軸15aに沿って駆動ローラ15側に移動させた後、従動ローラ16をスプリング20の付勢力に抗して切欠き部52内で駆動ローラ15側に向かって近接させ、次いで、スプリング20の付勢力によって切欠き部52内で駆動ローラ15から離隔させて分離ベルト11の張力を付与することにより、分離ベルト11を取付ける。
【0042】
また、呼出しコロ10を取付ける際には、切欠き部17aを駆動軸15aに係合させてく駆動ギヤ55をアイドラギヤ56に噛合させる。また、ガイド板51を取付ける際には切欠き部51aを駆動軸15aに係合させる。このとき、呼出しコロ10、分離ベルト11およびガイド板51が駆動軸15aと共にユニット化されるので、駆動軸15aをADF6本体のフレームの係合溝に係合させることにより、上記ユニットがフレームに取付けられる。
【0043】
このように本実施形態では、分離ベルト11およびガイド板51を駆動軸15aに取付けるとともに呼出しコロ10を駆動ギヤ55、アイドラギヤ56、ベルトギヤ57、58およびベルト59からなる駆動力伝達部材を介して駆動軸15aに取付け、この駆動軸15aをADF6本体に対して脱着自在にしたため、ガイド板51、呼出しコロ10および分離ベルト11を駆動軸15aと共にユニット化することができ、ガイド板51、呼出しコロ10および分離ベルト11の着脱作業を容易に行なうことができる。この結果、これら各部材の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、ガイド板51を駆動軸15aに対して脱着自在にしたため、ユニット化されたガイド板51、呼出しコロ10および分離ベルト11をADF6本体から取り外した際に、ガイド板51のみを駆動軸15aに対して脱着することができ、ガイド板51の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
また、呼出しコロ10を駆動力伝達部材と共にケース17で保持し、ケース17を駆動軸15aに対して脱着自在にしたため、ユニット化されたガイド板51、呼出しコロ10および分離ベルト11をADF6本体から取り外した際に、呼出しコロ10および駆動力伝達部材を共に駆動軸15aに対して脱着することができ、呼出しコロ10の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0045】
また、従動コロ16をスプリング20の付勢力に抗して駆動コロ15側に近接または離隔させることにより、分離ベルト11の張力を付与または解除して分離ベルト11を駆動軸15aに対して脱着自在にしたため、ユニット化されたガイド板51、呼出しコロ10および分離ベルト11をADF6本体から取り外した際に、分離ベルト11を駆動軸15aに対して脱着することができ、分離ベルト11の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態では、ガイド板51を駆動軸15aに対して脱着自在にしたものを示しているが、ガイド板51を駆動軸15aとは別の支持手段で支持するようにしても良い。この場合には、少なくとも呼出しコロ10を有するケース17および上述した構成を有する分離ベルト11を駆動軸15aに脱着自在にすれば良い。このようにしても、ユニット化された呼出しコロ10および分離ベルト11をADF6本体から取り外した際に、呼出しコロ10および駆動力伝達部材、または分離ベルト11をそれぞれ独立して駆動軸15aに対して脱着することができ、呼出しコロ10または分離ベルト11の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ガイド板、呼出しコロおよび分離回転体の着脱作業を容易に行なうことができ、これら各部材の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離回転体を本装置本体から取り外した際に、ガイド板のみを駆動軸に対して脱着することができ、ガイド板の交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離回転体を本装置本体から取り外した際に、呼出しコロを駆動力伝達部材と共に駆動軸に対して脱着することができ、呼出しコロの交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、ユニット化されたガイド板、呼出しコロおよび分離ベルトを本装置本体から取り外した際に、分離ベルトを駆動軸に対して脱着することができ、分離ベルトの交換およびメンテナンス作業の作業性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動原稿搬送装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】一実施形態の自動原稿搬送装置を画像読取装置から開放した状態を示す図である。
【図3】一実施形態の給紙・分離系の要部構成図である。
【図4】一実施形態のガイド板、呼出しコロを有するケース、分離ベルトおよび駆動軸の斜視図である。
【図5】一実施形態のベルトホルダーの側面図である。
【図6】一実施形態の駆動軸からケースを取り外した状態を示す図である。
【図7】一実施形態のケース、呼出しコロおよび駆動力伝達部材の構成図である。
【図8】一実施形態のガイド板および呼出しコロを有するケースが駆動軸から取り外された後、分離回転体のみが駆動軸が取付けられた状態を示す図である。
【符号の説明】
2 スリットガラス(読取位置)
6 ADF(自動原稿搬送装置)
9 原稿載置台
10 呼出しコロ
11 分離ベルト(分離回転体)
12 分離阻止コロ(相手側部材)
15 駆動コロ(分離回転体)
15a 駆動軸
16 従動コロ(分離回転体)
17 ケース(呼出しコロホルダー)
20 スプリング(付勢部材、分離回転体)
25 反転経路
51 ガイド板
Claims (4)
- 複数の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台と、
原稿載置台に載置された原稿束を給紙する呼出しコロと、
相手側部材に摺接可能に設けられ、前記呼出しコロによって給紙された原稿束を相手側部材と共に挟持して該原稿束から最上位の原稿を1枚ずつ分離し、分離後の原稿を反転させる反転経路を通して前記読取位置に向かって搬送する分離回転体と、
原稿の搬送方向に亘って所定長だけ延在し、前記呼出しコロによって給紙された原稿束の幅方向に摺接して原稿を反転経路に向かって案内する搬送路を構成するガイド板と、を備え、
前記分離回転体およびガイド板を駆動軸に取付けるとともに呼出しコロを駆動力伝達部材を介して前記駆動軸に取付け、該駆動軸を本装置本体に対して脱着自在にしたことを特徴とする自動原稿搬送装置。 - 前記ガイド板を駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴とする請求項1記載の自動原稿搬送装置。
- 前記呼出しコロを駆動力伝達部材と共に呼出しコロホルダーで保持し、呼出しコロホルダーを駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴とする請求項1または2記載の自動原稿搬送装置。
- 前記分離回転体を、駆動軸に固定された駆動コロと、該駆動コロに対して近接離隔可能に設けられた従動コロと、該従動コロと駆動コロの間に張設された分離ベルトと、前記従動コロを駆動コロから離隔する方向に付勢することにより分離ベルトに張力を付与する付勢部材と、から構成し、前記従動コロを駆動コロ側に近接または離隔させることにより、分離ベルトの張力を付与または解除して分離ベルトを駆動軸に対して脱着自在にしたことを特徴とする請求項3記載の自動原稿搬送装置。
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