JP3559875B2 - 船舶の船外機 - Google Patents
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- B63H20/24—Arrangements, apparatus and methods for handling exhaust gas in outboard drives, e.g. exhaust gas outlets
- B63H20/245—Exhaust gas outlets
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、排気系の改善を図る船舶の船外機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、船舶の船外機では、エンジンを支持するエンジン支持体の下部に、エンジンの排気通路に連通する膨張室が形成され、この膨張室は水中排気通路を介してケーシングの水中排気口と連通すると共に、膨張室は空中排気通路を介してケーシングの空中排気口と連通して、運転状況に応じた排気が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン支持体の下部に結合されたオイルパンを備えるものがあり、オイルパン及びオイルパン内の潤滑油を冷却するために、オイルパン回りに上方より冷却水を垂らして冷却するものがある。
【0004】
しかし、オイルパン回りに上方より冷却水をたらして冷却する場合、オイルパンとケーシングとの間にてアイドル膨張室を形成すると、冷却水と排気熱によりオイルパンの外壁が腐食し易くなる。特に、オイルパンの外壁の潤滑油戻し部は高温となり冷却水の飛散だけでは冷却できず、腐食が発生しオイルパンの孔あきが発生する場合がある。
【0005】
また、船外機の使用上、排気脈動の変化によるエンジン内への水入りが問題になる場合があり、通常、エンジン型式、気筒数、排気回り構造等で発生状況が異なるが、エンジン内に水入りしにくい構造を採っている。ところで、エンジンの全開域では膨張室内水位が下がっているが、アイドル域では水位が上がってくるため水入りし易くなる。
【0006】
即ち、アイドル時の排気の系路は、膨張室に位置する排気管の上方位置に形成されたアイドル排気孔から空中排気通路を介してケーシングの空中排気口から空中に排気される。このとき、アイドル排気孔は排気回り冷却水の捨水にさらされているため失火時エンジン内に水が入り易い。また、アイドル排気孔からの排気が直接オイルパンの壁に当たり、冷却水の水とによる腐食が発生し、オイルパンの壁に孔があく虞がある。
【0007】
また、アイドル時の排気の系路は、排気管の下端の水中を通ってケーシングのアイドル排気孔より空中膨張室を通って排出されるものがあるが、排気管の下端部に水があると、失火時エンジン内に水が入り易い。
【0008】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、排気回りのオイルパンの腐食を防止し、かつアイドル騒音も低減する船舶の船外機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1記載の発明は、エンジンを支持するエンジン支持体の下部にはオイルパンが配置され、このオイルパンの下方には前記エンジンの排気通路に連通する主膨張室が形成され、前記オイルパンと主膨張室はその外周がケーシングによって覆われ、前記主膨張室は、前記ケーシングに形成された水中排気口と連通するとともに、前記ケーシングに形成された空中排気口にも連通した船舶の船外機において、
前記オイルパンと前記ケーシングの間に水溜め部を形成し、この水溜め部の上方に前記主膨張室を連通するとともに、前記空中排気口にも連通する副膨張室を形成し、
前記副膨張室は、前記水溜め部より上方に形成された前段の副膨張室と、前記ケーシングの後上部に形成された後段の副膨張室とを有し、
排気は前記前段の副排気通路から排気絞り通路を通って前記後段の副膨張室を経て前記空中排気口から排出されることを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の発明の船舶の船外機は、前記エンジン支持体に、潤滑油を前記エンジンから前記オイルパンに戻すオイル戻し通路を形成し、
前記オイル戻し通路から前記オイルパンの中心方向に突出したガイドを設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明の船舶の船外機は、前記エンジンの排気通路に連通する排気管を前記主膨張室に配設し、
前記排気管の上部に、アイドル排気孔を開口し、
前記排気管の側部に、前記アイドル排気孔に対向させて、このアイドル排気孔の上方から側方を覆い、かつ、その下方を開口する邪魔板を設け、
前記排気管の前記アイドル排気孔に対向する位置に前記オイルパンの側壁が配置され、前記アイドル排気孔と前記オイルパンの側壁との間に前記邪魔板が配置されることを特徴としている。
【0014】
【作用】
請求項1記載の発明では、副膨張室をオイルパンとケーシングの間の水溜め部より上方に形成したので、水溜め部によりオイルパンを冷却しつつ、ケーシングの幅方向を膨らますことなく、副膨張室の容量を大きくできる。
【0015】
請求項2記載の発明では、エンジン支持体に形成したオイル通路からオイルパンの中心方向に突出したガイドを設けたことでオイル戻し通路から戻りたての熱いオイルをオイルパンの壁面から離反して落下させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明では、排気管の上部にアイドル排気孔を開口したので、高水位の時もアイドル排気口から排気を排出できる。
また、アイドル排気孔を覆う邪魔板を設けたので、通常航走中はもちろんのこと、高水位のアイドル運転中、あるいは燃焼失火時でもアイドル排気孔からエンジン内に水入りすることを防止できる。
また、アイドル排気孔とオイルパンの側壁との間に邪魔板を設けたので、アイドル排気孔からの排気は邪魔板に当たり、直接オイルパンに当たらない。
【0019】
【実施例】
以下、この発明の船舶の船外機の実施例を図面に基づいて説明する。図1は推進機の側面図、図2は推進機の上部を外した状態の一部断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のエプロン無しのIV矢視図、図5は図2のV−V線に沿う断面図、図6は推進機の上部の一部の断面図、図7は図2の平面図、図8は図2のVIII−VIII線に沿う断面図、図9は図2のIX−IX線に沿う断面図、図10は図7のX−X線に沿う断面図である。
【0020】
船外機1は前部にスイベルブラケット2及びクランプブラケット3が設けられている。クランプブラケット3は船舶の船体4の船尾板5に取付け、クランプブラケット3にスイベルブラケット2が上下揺動自在に取り付けられ、スイベルブラケット2に船外機1が操舵自在に取付けられている。
【0021】
船外機1は、エンジン支持体6の上部にエンジン7が載置され、またエンジン支持体6の下部にアッパーケース8が取り付けられ、このアッパーケース8にはロアケース9が連結されている。エンジン7は4サイクル4気筒エンジンが用いられ、このエンジン7は上部カウリング10で覆われ、エンジン7の下部からアッパーケース8の中央部にかけては下部カウリング11とエプロン110で覆われている。
【0022】
エンジン7は、クランク軸12を上下方向へ向けると共に4個の気筒13を上下に並べかつそれぞれ前後方向ヘ向けて形成され、クランク軸12を前側に位置づけてエンジン支持体6上に載置されている。エンジン7のクランク軸12にはドライブ軸14が連結され、ドライブ軸14の下端部に設けられたシフト機構15を介してエンジン7の動力がプロペラ軸16からプロペラ17に伝えられて回転するように構成されている。
【0023】
エンジン支持体6の下部にはオイルパン18が取付けられ、オイルパン18の下部に略筒状のマフラー20が取付ボルト21によって取付けられている。
【0024】
エンジン支持体6にはエンジン7から戻されるオイル戻し通路22や、オイルパン18からエンジン7に潤滑油を供給する潤滑油供給通路が形成されている。また、エンジン支持体6には、これらの潤滑油通路の他に、後記する排気通路、冷却水通路等が形成されている。
【0025】
エンジン支持体6には、オイル戻し通路22の位置に、図7及び図10に示すように、潤滑油をオイルパン18の壁面18aから離して落下させるためのガイド22aを設けている。ガイド22aは、オイル戻し通路22の内側に突出して設けられ、ガイド22aには上方から下方へ向けて傾斜するテーパ面22bが形成され、ガイド22aはオイルパン18の壁面18aより内側へ距離D1だけ突出している。ガイド22aは、オイル戻し通路22から潤滑油をオイルパン18の壁面から離して落下させて戻し、オイルパン18の外壁温度の低減及び外壁の腐食を防止する。
【0026】
潤滑油供給通路は、オイルストレーナ23に連通されたオイル上がり通路24と、このオイル上がり通路24の上部開口に連通されかつエンジン支持体6の後側凹部6a上にエンジン7のヘッドシリンダ下側に取付けられたオイルポンプ25から潤滑油が圧送されてこの潤滑油をエンジン支持体6の下面側へ導く高圧油通路26と、この高圧油通路26の下部開口から突出する潤滑油をオイル供給通路27に導く下部通路28とから構成されている。下部通路28は、エンジン支持体6の下面に形成された凹溝をリリーフ弁装置29で塞ぐことによって形成されている。
【0027】
リリーフ弁装置29は、オイルパン18の潤滑油室A内に配置されてそのフランジ部分がエンジン支持体6の下面に取付ボルト30によりねじ止めされており、下部通路28内の潤滑油の一部をオイルパン18に排出させ、油圧を設定値に低下させるように構成されている。
【0028】
エンジン支持体6の前後方向中央部であって左側となる部位には、エンジン7の排気口31に連通される排気通路32が形成されている。また、エンジン支持体6の排気通路32に隣接する部位にはエンジン7を冷却し終えた冷却水が排出される排水通路33が形成され、オイル供給通路27に隣接する部位には冷却水をエンジン7へ導くための上がり水通路34が形成されている。これらの通路32,33および34は何れもエンジン支持体6を上下に貫通するように形成されている。上がり水通路34の上部開口は、エンジン支持体6の上面を部分的に凹ませてなる水溜め部35に連通され、この水溜め部35はオイル供給通路27の周囲に形成されている。
【0029】
エンジン7の冷却水流入口は、エンジン支持体6の下面に取付けられたウォーターチューブ36に上がり水通路34を介して連通されている。ウォーターチューブ36はオイルパン18の前側を通ってアッパーケース8内を下方ヘ延ばされ、ウォーターポンプ37に接続されている。ウォーターポンプ37はドライブ軸14によって駆動されて冷却水をロアケース9側から吸い込み、ウォーターチューブ36に吐出する。このため、エンジン7が運転されているときには、海水がウォーターチューブ36から水上がり通路34を介してエンジン7に供給される。このとき、水上がり通路34に供給された冷却水は水溜め部35へも流れ込むので、オイル供給通路27を流れる潤滑油を冷却することができる。
【0030】
一方、エンジン7に供給された冷却水は、エンジン7内の各部の冷却水通路を介してエンジン上部のサーモスタット弁装置(図示せず)に流され、このサーモスタット弁装置からエンジン支持体6の排水通路33に排出される。サーモスタット弁装置は、エンジン7内を流れる冷却水の温度が予め定めた温度より低いときには冷却水をエンジン7内で循環させ、冷却水温度が設定温度を上回ったときに冷却水を排水通路33側へ流し、排水通路33に排出される冷却水はエンジン7によって加温された状態になる。
【0031】
オイルパン18は、アルミニウム合金によって一体成形され、潤滑油室Aが下向きコ字状に形成されると共に、下部に略筒状のマフラー20が取付けられ、オイルストレーナ23が潤滑油室Aの前側部分に配置されている。オイルパン18の上側中央部には、下向きコ字状となる部分の中央開口を塞ぐように通路形成部38が一体形成されている。通路形成部38には、エンジン支持体6の排気通路32に連通される排気通路39が中央に開口されると共に、排水通路33に連通される凹溝からなる冷却水分配路40が排気通路39の左右及び後方を囲むように形成されている。通路形成部38の下面には排気管41のフランジ41aが取付ボルト19によって固定されている。取付ボルト19はエンジン支持体6に螺着され、オイルパン18をエンジン支持体6に固定する機能も有している。
【0032】
マフラー20は、アッパーケース8内をロアケース9の近傍まで下方へ延ばされており、上端がオイルパン18の下面に全周にわたって密着した状態で固定されると共に、下端の排気口20aを形成する小径部がアッパーケース8の隔壁43にシール部材44を介して支持されている。マフラー20内は、オイルパン18の潤滑油室Aの中央部に位置する内方空間と一連になって、主膨張室42が形成される。
【0033】
アッパーケース8内は隔壁43によって上下二室に区画され、隔壁43より上側にオイルパン18及びマフラー20が配置されている。隔壁43より下側となる部分に排気通路47が形成されると共に、後側に冷却水主排出室48が形成されている。排気通路47はロアケース9内及びプロペラ内排気通路17aを介して水中排気口17bから船外機外の水中に連通されている。また、冷却水主排出室48は、その上部が開口48aを介してマフラー20の排水通路に連通されると共に、下部がロアケース9の側部に開口する排水口48bを介して船外機外に連通されている。船外機1がアイドリングから低速域では、海水がロアケース9からアッパーケース8内の下部まで浸入する。海水はマフラー20の排気口20aを通ってマフラー20内にも浸入する。このときのアッパーケース8内の液面を図2中に符号Lで示す。
【0034】
排気管41は、オイルパン18の内方空間を通ってマフラー20内を液面Lの直上となる位置まで延設されている。このため、排気管41から排出される排気はマフラー20内における液面Lより上方の主膨張室42の空間で膨張し、排気圧力が高いときにはマフラー20内の海水を押し出すようにして排気口20a、排気通路47及びプロペラ内排気通路17aを通って水中排気口17bから水中に放出される。
【0035】
排気管41の上部、すなわち、高水位時にも排気が水中を通らない位置にアイドル排気孔41bを形成し、このアイドル排気孔41bに対向させてオイルパン18が配置され、アイドル排気孔41bとオイルパン18との間に邪魔板41cを配置している。邪魔板41cは、排気管41の側部に下方から側方を覆い下方を開口してアイドル排気孔41bを囲むように形成され、アイドル排気孔41bからの排気の流れを下方に向けるように構成されている。このため、アイドリング運転時などのように排気圧力が小さいときには、アイドル排気孔41bから排気が排出されるが、このとき邪魔板41cによって排気の流れが変化し、直接オイルパン18の外壁に排気が当たらないため、オイルパン18の外壁の腐食を防止する。
【0036】
オイルパン18の外周をアッパーケース8のケーシングによって覆いオイルパン18とアッパーケース8のケーシングの間に水溜め部70を形成している。オイルパン18には、主膨張室42と水溜め部70とを区画する区画壁18dを有し、この区画壁18dに排気絞り孔18eが形成され、水溜め部70の水位より上部に副膨張室71を形成している。
【0037】
このため、主膨張室42からオイルパン18の上部の排気絞り孔18eを通って絞られつつオイルパン18とアッパーケース8との間の前段の副膨張室71に排出される。この前段の副膨張室71はオイルパン18の周囲に形成されているため、排気は排気絞り通路72を通ってアッパーケース8の後上部に形成された後段の副膨張室49に入る。さらに、排気は、後段の副膨張室49から空中排気通路73を介して空中排気口74に導かれ、この空中排気口74を通って船外機後方へ排出される。
【0038】
空中排気通路73は、図4及び図5に示すように、排気ガイド90により形成され、後方の下側開口部73aから排気が上方に導かれ、上方部73bで下方へ曲げられて中央部73cから後方へ排出され、空中排気口74に導かれる。この空中排気通路73により排気通路長さを確保している。後段の副膨張室49の最下部には、後段の副膨張室49内に排気と共に侵入した水を排出するための水抜き孔75が形成されている。
【0039】
オイルパン18の冷却水が流入する冷却水分配路40は、底部に穿設された4つの水落とし孔50を介して主膨張室42に連通され、水落とし孔50はオイルパン18の通路形成部38を貫通するように形成されている。冷却水分配路40の左側に隣接する部位には堰51を介して冷却水排出用凹部52が形成され、この冷却水排出用凹部52には、オイルパン18とアッパーケース8との間の水溜め部70に冷却水を排出するための冷却水主排出孔53が穿設されている。
【0040】
冷却水分配路40に流入した冷却水は、その一部が水落とし穴50を通って主膨張室42に排出され、残りが堰51を越えて凹部52に流入し、冷却水主排出孔53を通って水溜め部70に排出される。主膨張室42に排出された冷却水は排気管41を伝うようにしてマフラー20内を流下し、マフラー20内に侵入している海水に合流する。一方、水溜め部70に排出された冷却水は、水溜め部70の下部が隔壁43及びマフラー20によって閉塞されている関係から、水溜め部70内に溜められる。
【0041】
水溜め部70に溜められた冷却水は、オイルパン18の右側部に形成された主排水通路54を介して排出され、主排水通路54はオイルパン18の上部となる部位に開口し、オイルパン18の側壁に沿って下方へ延在されている。そして、下端部がオイルパン18とマフラー20とで形成される水平通路55に連通されている。
【0042】
水平通路55は、オイルパン18の下面を上方へ凹ませてなる凹溝55aと、マフラー20の上面を下方ヘ凹ませてなる凹溝55bとから形成されており、オイルパン18の右側から後側へ延設されている。凹溝55bにおけるオイルパン18の後側となる部位にはマフラー20の後部に下方へ延びるよう一体形成された配水管56が開口している。この配水管56はシール部材46が螺着され、このシール部材46及び隔壁43の開口48aを介して冷却水主排出室48に連通されている。
【0043】
水溜め部70に溜められた冷却水は、主排水通路54を形成する隔壁54aの上縁より液面が上回ったときに主排水通路54へ溢れるようにして流れ込み、ここから水平通路55、配水管56、シール部材46及び開口48aを通って冷却水主排出室48に排出されてその内部の海水に合流することになる。水溜め部70に溜められる冷却水の液面を符号L1で示す。
【0044】
オイルパン18にはオイルドレンプラグ61が設けられ、オイルドレンプラグ61は、水溜め部70の最後部であって最も低くなる部位に、後下がりに傾斜されて取付けられている。オイルドレンプラグ61の周囲には、オイルパン18の周囲に溜められた冷却水がアッパーケース8のプラグ抜き孔からケース外に漏れるのを防ぐためのガイドシール62が装着されている。このガイドシール62には、潤滑油が垂れるのを防止するガイド部62aが形成され、このガイド部62aはアッパーケース8からエプロン110を貫通して後方に突出している。
【0045】
図11及び図12は船舶の船外機の他の実施例を説明する。図11は船外機のエンジンを外した状態の平面図、図12は図11のXXII−XXII線に沿うエンジン支持体、アッパーケース及びオイルパンの断面図である。
【0046】
この実施例では、エンジン支持体6のオイル戻し通路22が形成された位置に、ガイド80を取付ボルト81に取り付けている。ガイド80はオイル戻し通路22内からオイルパン18の内部にまで突出しており、ガイド80は潤滑油をオイルパン18の壁面から距離D2だけ離して落下させ、オイルパン18の外壁温度の低減及び外壁の腐食を防止する。
【0047】
【発明の効果】
前記したように、請求項1記載の発明は、副膨張室をオイルパンとケーシングの間の水溜め部より上方に形成したから、水溜め部によりオイルパンを冷却しつつ、ケーシングの幅方向を膨らますことなく、副膨張室の容量を大きくでき、オイルパン壁の腐食を防ぐとともに、アイドル回転域から低速航走域で水位が上がっている時でも、容量の大きな副膨張室でアイドル排気騒音を効果的に低減できる。
【0048】
請求項2記載の発明は、エンジン支持体に形成したオイル通路からオイルパンの中心方向に突出したガイドを設けたから、オイル戻し通路から戻りたての熱いオイルをオイルパンの壁面から離反して落下させることができ、オイルパンの外壁温度は高くならず、外壁の腐食を防止できる。
【0049】
請求項3記載の発明は、排気管の上部にアイドル排気孔を開口したから、高水位の時もアイドル排気口から排気を排出できる。
また、アイドル排気孔を覆う邪魔板を設けたから、通常航走中はもちろんのこと、高水位のアイドル運転中、あるいは燃焼失火時でもアイドル排気孔からエンジン内に水入りすることを防止できる。
また、アイドル排気孔とオイルパンの側壁との間に邪魔板を設けたから、アイドル排気孔からの排気は邪魔板に当たり、直接オイルパンに当たらないため、オイルパンの側壁が排気により腐食することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推進機の側面図である。
【図2】推進機の上部を外した状態の一部断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のエプロン無しのIV矢視図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】推進機の上部の一部の断面図である。
【図7】図2の平面図である。
【図8】図2のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図2のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図7のX−X線に沿う断面図である。
【図11】船外機のエンジンを外した状態の平面図である。
【図12】図11のXXII−XXII線に沿うエンジン支持体、アッパーケース及びオイルパンの断面図である。
【符号の説明】
6 エンジン支持体
7 エンジン
17b 水中排気口
18 オイルパン
22a,80 ガイド
41b アイドル排気口
41c 邪魔板
42 主膨張室
70 水溜め部
71 副膨張室
74 空中排気口
Claims (3)
- エンジンを支持するエンジン支持体の下部にはオイルパンが配置され、このオイルパンの下方には前記エンジンの排気通路に連通する主膨張室が形成され、前記オイルパンと主膨張室はその外周がケーシングによって覆われ、前記主膨張室は、前記ケーシングに形成された水中排気口と連通するとともに、前記ケーシングに形成された空中排気口にも連通した船舶の船外機において、 前記オイルパンと前記ケーシングの間に水溜め部を形成し、この水溜め部の上方に前記主膨張室を連通するとともに、前記空中排気口にも連通する副膨張室を形成し、
前記副膨張室は、前記水溜め部より上方に形成された前段の副膨張室と、前記ケーシングの後上部に形成された後段の副膨張室とを有し、
排気は前記前段の副排気通路から排気絞り通路を通って前記後段の副膨張室を経て前記空中排気口から排出されることを特徴とする船舶の船外機。 - 前記エンジン支持体に、潤滑油を前記エンジンから前記オイルパンに戻すオイル戻し通路を形成し、
前記オイル戻し通路から前記オイルパンの中心方向に突出したガイドを設けたことを特徴とする請求項1記載の船舶の船外機。 - 前記エンジンの排気通路に連通する排気管を前記主膨張室に配設し、
前記排気管の上部に、アイドル排気孔を開口し、
前記排気管の側部に、前記アイドル排気孔に対向させて、このアイドル排気孔の上方から側方を覆い、かつ、その下方を開口する邪魔板を設け、
前記排気管の前記アイドル排気孔に対向する位置に前記オイルパンの側壁が配置され、前記アイドル排気孔と前記オイルパンの側壁との間に前記邪魔板が配置されることを特徴とする請求項1記載の船舶の船外機。
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