JP3559869B2 - 有害生物撲滅組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は所定の場所における有害生物を撲滅する方法ならびに有害生物撲滅組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
殺虫効果を持つ1,2,4−トリアゾール化合物は公知であり、例えば米国特許第4,742,072号、米国特許第3,308,131号、米国特許第3,913,028号、米国特許第4,054,664号、米国特許4,160,839号、米国特許第4,220,790号、ヨーロッパ特許出願第0337815号、およびヨーロッパ特許出願第033868号の明細書に広く記載されている。
殺虫性ピレスロイド化合物もまた周知であり、例えば英国特許出願第1,413,491号(NRDC)、ヨーロッパ特許出願第22382(FMC)、ヨーロッパ特許出願第107,296(ICI)、英国特許出願第1,565,932号(バイエル)、英国特許出願第1,439,615(住友)、英国特許出願第1,560,303(住友)、英国特許出願第2,013,206号(住友)および英国特許出願第2,064,528(シェル)の明細書に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は1,2,4−トリアゾール化合物を用いる場合よりもすぐれた効果を示す有害生物撲滅組成物および有害生物の撲滅方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決しようとするための手段】
本発明は1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド化合物の双方を利用する新規な有害生物撲滅のための方法および組成物の発見にもとずくものである。
本発明によれば、置換された1,2,4−トアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤を含有する有害生物撲滅組成物が提供される。
また、本発明によれば、所定の場所の有害生物を撲滅する方法であって、置換された1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤をその場所に適用することからなる有害生物の撲滅方法が提供される。
【0005】
意外なことに前記のトリアゾール化合物および前記のピレスロイド殺虫剤は所定の場所の有害生物を撲滅する方法に使用すると相乗効果を発揮することが見出された。
【0006】
本発明の組成物中で1,2,4−トリアゾールの重量%はピレスロイド殺虫剤の重量%よりも多いのが好ましい。この組成物中の1,2,4−トリアゾールの重量%は同じ組成物中のピレスロイド殺虫剤の重量%の少なくとも2倍であってもよく、少なくとも4倍であるのが好ましい。
【0007】
一般に本明細書に記載した化合物の部位がアルキル基を包含する場合、このアルキル基は直鎖状または分岐鎖状であってもよく、そして1〜10個、好適には1〜6個、さらに最適には1〜4個の炭素原子を含むのが好ましい。好適な例としてはメチル、エチル、プロピルおよび第三ブチルがある。任意の基が場合により置換されていると表示された場合には、この場合により存在する置換基は有害生物撲滅化合物の開発および(または)このような化合物についてその構造/活性、持続性、透過性または他の性質に影響を与えるための変成に普通に使用される置換基である。場合により置換されたアルキルまたはアルキレン基を包含する部位に関して、これらの置換基の特定な例はハロゲン、特にふっ素、塩素または臭素原子であり、またニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ基であり、そしてアルキレン基に関してはオキソ基である。しかしながらアルキル部位は置換されていないかハロゲン置換されており、アルキレン部位は置換されていないかアルキルだけにより置換されているのが好ましい。場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基を包含する部位に関してはこの任意の置換基はハロゲン特にふっ素、塩素および臭素原子、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル(特にCF)およびC〜Cアルコキシ基を包含する。1〜3個の置換基が好適に使用される。
最適なハロゲン原子はふっ素、塩素または臭素原子である好適なアリール基はフェニルである。
【0008】
前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物はトリアゾール環上の一つの位置で一般式
【化5】
Figure 0003559869
(式中、Zは酸素またはいおう原子であり、RおよびRは独立して水素原子またはアルキル基を表わし、あるいはこれらの基は一緒になって連鎖を表わす)で示される基により置換されているのが好ましい。Zは酸素原子であるのが好ましい。なお、RおよびRはメチル基であるのがさらに好ましい。前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は下記一般式で表わされる化合物の中から選択することができる。
【化6】
Figure 0003559869
および、
【化7】
Figure 0003559869
前記式中、Dは酸素またはいおうであり、RおよびRは14個までの炭素原子を有する脂肪族基であってこれら基は一緒になってカルバモイル窒素原子と共に複素環式基を形成してもよく、RおよびRは共に14個までの炭素原子を含み、脂肪族性不飽和を持たず、以下の基すなわち水素、ハロゲン、スルホニル、メルカプト、シアノ、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ニトロヒドロカルビル、ヒドロキシカルビルオキシカルボニルヒドロカルビル、ヒドロカルビルスルホニル、ヒドロカルビルメルカプト、ニトロヒドロカルビルメルカプト、ハロヒドロカルビルメルカプト、アミノヒドロカルビルメルカプトおよびヒドロカルビルオキシヒドロカルビルの中から選ばれる。
【0009】
で示される化合物の群から選択することができる。
前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は、1−N,N−ジメチルカルバモイル−3(5)−アルキル−5(3)−アルキルチオアルキルチオ−1,2,4−トリアゾール化合物の中から選択することができる。前記の3(5)−置換基は、イソプロピル、第二ブチル、第三ブチルまたは場合によりメチル置換されたシクロプロピルおよび式
−S−CH(R’)−(CH)n−S−R’’
(式中、R’はHまたはメチルであり、R’’は低級C〜Cアルキルであり、nは0または1である)
で表わされる基を包含する。
【0010】
また、前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は1−ジメチルカルバモイル−3−分枝状アルキル−1,2,4−トリアゾリル−(5)−(N−置換)スルホンアミド化合物の中から選択することができる。
この置換された1,2,4−トリアゾール化合物は、1(2)−(N,N−ジ置換−カルバモイル)−3,5−置換−1,2,4−トリアゾール化合物の中からも選択することができる。この3(5)置換基はイソプロピル、第二ブチル、第三ブチルおよびS−R(ここでRはメチル、エチル、プロピル、ビニル、プロピニル−(2)、ブテニル−(2)または2−ハロアルキルである)を包含することができる。
【0011】
さらに前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は、1−N,N−ジメチルカルバモイル−3,5−置換−1,2,4−トリアゾール化合物の中から選択することができる。この3−置換基は第三ブチル、プロピル、シクロプロピル、イソプロピルおよび1−メチルプロピルを包含することができる。また、前記の5−置換基はS−R(ここでRは2−プロピニル、アリル、2−ブロモアリル、2−クロロアリル、2−メチルアリル、1−メチルアリルおよび2,3,3−トリクロロアリルを包含することができる。
前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は1−N,N−ジメチルカルバモイル−3−第三ブチル−5−メチルチオ−1,2,4−トリアゾール化合物であることができる。
【0012】
この1,2,4−トリアゾール化合物は、下記一般式で表わされる1−ジメチルカルバモイル−3−置換−5−置換−1H−1,2,4−トリアゾールおよびその生物学的に許容されている塩であることが好ましい。
【化1】
Figure 0003559869
前記式中、R21は置換されていないかまたは置換されたC〜C直鎖アルキレン基であって、置換されている場合にはシアノ、ニトロ、OR23、CO23、OCOR23、COR23、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルまたは置換されていないかまたは置換されたフェニル基の中から選択された1〜4個の同一または異った置換基を持ち、
前記置換されたフェニル基はハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基を有し、
Xは−COO−、−CO−、−COS−、−CONR24−、−SO−または−SONR24−を示し、
22は、
(i)水素、
(ii)置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキル基(ここで置換されたアルキル基の場合にはハロゲン、シアノ、ニトロ、OR23、CO23、COR23またはOCOR23の中から選ばれる置換基を有する)、
(iii)置換されていないかまたは置換されたフェニル(C〜C)アルキル基(ここで置換されたフェニルアルキル基の場合にはそのフェニル環にハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基を有する)、または
(iv)置換されていないかまたは置換されたフェニル基(ここで置換されたフェニル基の場合にはハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれた1〜3個の同一または異った置換基を持つ)
を示し、
24は水素またはC〜Cアルキルを示し、
前記R22とR24とはそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、モルホリノ、またはピペリジノ環を形成していてもよく、
Wはイソプロピル、第2ブチル、第3ブチル、第3アミルまたは2−メチルチオ−2−プロピルを示し、
23は水素、C〜Cアルキルまたはフェニル基であり、このフェニル基は場合によりハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、C〜Cアルキル、カルボキシまたはC〜Cアルコキシカルボニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基により置換されていてもよい。
【0013】
前記一般式(I)の化合物において、好ましいものを示すと以下の通りである。
21がCO23およびC〜Cアルキルの中から選択された同一または異る置換基の1〜4個を有する置換されているかまたは置換されていないC〜C直鎖状アルキレン基である。
Xが−COO−である。
22が水素またはC〜Cアルキルである。
Wが第三ブチルである。
また、前記一般式(I)の化合物において、R21が−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−または−CH(CH)−であり、Xが−COO−であり、R22が水素またはC〜Cアルキルであり、Wが第3ブチルであるのがさらに好ましい。
本発明の最適な態様においては、前記一般式(I)の化合物において、R21がメチレン−CH−であり、Xが−COO−であり、R22がエチル基であり、Wが第三ブチルである。
この後者の化合物はトリアザメートの一般名で公知である。
【0014】
前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物は本明細書の従来の技術の項に記載された文献の記載に従って製造することができる。
【0015】
本発明の有害生物撲滅組成物に使用される商業的なピレスロイド殺虫剤の例としては、以下のものを挙げることができる。
5−ベンジル−3−フリルメチル(E)−(1R)−シス−2,2−ジメチル−3−〔2−オキソチオラニリデン−(3)−メチル〕シクロプロパンカルボキシレート、パーメスリンすなわち(3−フェノキシベンジル(1RS)−シス−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロピンカルボキシレート、フエンプロパスリンすなわち(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、エスフェンバレレートすなわち(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(S)−2(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、フェンバレレートすなわち(RS)−シアノ−3−フェノキシベンジル(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、シフルスリンすなわち(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS)−シス−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、β−シフルスリン(比率約1:2のエナンシオマー対からなる反応混合物)すなわち(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1S)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートならびに(S)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび(R)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1S)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、λ−シハロスリンすなわち(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1R)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1S)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの等量からなる反応混合物、シハロスリンすなわち(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(Z)−(1RS)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、Δ−メスリンすなわち(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、シパメスリンすなわち(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS)−シス−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−1,1−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、およびα−シパメスリンすなわち(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートおよび(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1S)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを包含するラセミ体等。
【0016】
前記の組成物に使用されるピレスロイド殺虫剤、下記一般式で示されるものが好ましい。
【化2】
Figure 0003559869
前記式中、AおよびBは独立してそれぞれハロゲン原子またはメチル基であり、Xは0、1または2であり、yは0、1または2である。
また、R10は下記一般式で表わされる基である。
【化3】
Figure 0003559869
(式中、R11およびR12は独立して水素原子またはハロゲン原子であるかあるいは場合により置換されたC〜Cアルキル基である)
【化4】
Figure 0003559869
(式中、R13はフェニル基であって、この基は場合によりハロゲン原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシ、ニトロおよびメチレンジオキシ基の中から選択される置換基の1個またはそれ以上により置換されていてもよい)
【0017】
Aはハロゲン原子であるのが好ましい。好適なハロゲン原子はふっ素または塩素原子であるがふっ素原子が特に好ましい。
Bはハロンゲ原子であるのが好ましい。好適なハロゲン原子はふっ素または塩素原子である。
Xは0または1であるのが好ましい。Xが1の場合には、前記の原子または基のAは一般式(II)の化合物においてシアノメチル基に対して4−位置で置換されているのが好ましい。
yは0であるのが好ましい。
【0018】
10が一般式(III)の基を表わす場合には、R11およびR12は独立してハロゲン原子または場合により置換されたCアルキル基であってもよい。R11およびR12は独立して臭素または塩素原子を表わすかあるいはトリフルオロメチル基であるのが好ましい。R11およびR12のそれぞれがハロゲン原子を表わす場合には、R11およびR12は同一のハロゲン原子を表わすのが好ましい。R11がトリフルオロメチル基を表わす場合には、R12は塩素原子であるのが好ましい。
10が一般式(IV)の基を表わす場合には、R13は場合により1個またはそれ以上のハロゲン原子によって置換されたフェニル基を表わすのが好ましい。好適なハロゲン原子はふっ素または塩素原子である。R13は4−置換されたフェニル基であるのが好ましいが塩素原子により置換されたフェニル基であるのがさらに好ましい。最適のR13は4−クロロフェニル基である。
のピレスロイド殺虫剤としてはα−シパメスリンであるのが好ましい。
このピレスロイド殺虫剤は、例えば本明細書の従来の技術の項で記載された文献に記載された公知の方法を使用して製造することができる。
【0019】
本発明の有害成分撲滅組成物はさらに担体を含有するのが好ましい。本発明の組成物中の担体は活性成分を調合して処理される所定場所に適用するのを容易にするかあるいは貯蔵、輸送または処理を容易にする任意の材料である。担体は固体または液体であってもよく、通常ガス状であるが圧縮することで液体となる材料も包含する。また殺生物剤を調合するのに普通に使用される任意の担体を使用することができる。本発明の組成物は前記のトリアゾール化合物およびピレスロイドを0.5〜95重量%含有するのが好ましい。
【0020】
好適な固体担体は天然または合成の粘土およびけい酸塩、例えばけい藻土のような天然シリカ、タルクのようなけい酸マグネシウム、アタップルガイトおよびバミキュライトのようなアルミノけい酸マグネシウム、カオリン石、モンモリロナイトおよび雲母のようなけい酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、合成含水酸化けい素、合成のカルシウムまたはアルミニウムのシリケート、炭素またはいおうのような元素、クマロン樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン重合体および共重合体、固体のポリクロロフェノール、歴青、ワックスのような天然および合成の樹脂ならびに固体肥料例えばスーパーりん酸塩を包含する。
好適な液体担体は水;例えばイソプロパノールおよびグリコール類のようなアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンのようなケトン;エーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族または脂肪族炭化水素;ケロセンおよび軽鉱油のような石油留分;四塩化炭素、パークロルエチレンおよびトリクロロエタンのような塩素化された炭化水素を包含する。異った種類の液体の混合物もまた好適である。
【0021】
本発明の組成物はしばしば濃縮された形態で調合、輸送され、次いでこの濃縮物は適用前に使用者により希釈される。表面活性剤のような担体の少量の存在はこの希釈方法を容易にする。従って、本発明の組成物の少なくとも一種の担体は表面活性剤であるのが好ましい。例えば本発明の組成物は少なくとも2種の担体を含有していてもよく、その内の一種は表面活性剤である。
表面活性剤は乳化剤、分散剤または湿潤剤であってもよく、これは非イオン性またはイオン性であってもよい。好適な表面活性剤の例にはポリアクリル酸およびリグニンスルホン酸のナトリウム塩またはカルシウム塩;分子中に少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸、脂肪族アミンまたは脂肪族アミドと、エチレンオキサイドおよび(または)プロピレンオキサイドとの縮合物;グリセン、ソルビタン、庶糖またはペンタエリスリトールの脂肪酸エステル;これらエステルとエチレンオキサイドおよび(または)プロピレンオキサイドとの縮合物;脂肪アルコールまたはアルキルフェノール(例えばb−オクチルフェノールまたはb−オクチルクレゾール)とエチレンオキサイドおよび(または)プロピレンオキサイドとの縮合物;これら縮合生成物の硫酸塩またはスルホン酸塩;分子中に少なくとも10個の炭素原子を有する硫酸またはスルホン酸のエステルのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、第二アルキル硫酸ナトリウム);スルホン化されたひまし油のナトリウム塩やドデンルベンゼンスルホネートのようなアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩;ならびにエチレンオキサイドの重合体およびエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体が包含される。
【0022】
本発明の組成物は例えば湿潤性粉末、粉剤、粒剤、溶液、乳化濃縮物、乳濁液、乳濁濃縮物、けん濁濃縮液およびエアゾールとして調合することができる。湿潤性粉末は通常25%、50%または75%(重量)の活性成分を含有し、そして固体不活性担体に加えて3〜10%(重量)の分散剤および必要に応じて0〜10%(重量)の安定剤および(または)浸透剤または粘着剤のような他の添加剤を通常含有する。粉剤は通常湿潤性粉末の場合と同様な組成を持つ粉末濃縮物として調合されるが分散剤を含まない。粉剤は野外において別の固体担体で希釈され、通常活性成分0.5〜10%(重量)を含有する組成とする。粒剤は通常10〜100BSメッシュ(1.676から0.152mm)の寸法を持つように調製され、集塊技法または含浸技法によって製造される。一般に粒剤は0.5〜75%(重量)の活性成分と安定剤、表面活性剤、遅延放出変成剤および結合剤のような添加剤の0〜10%(重量)とを含有することになろう。いわゆる「乾式流動粉末」は比較的高濃度の活性成分を持つ比較的小さな粒子からなる。乳化性濃縮物は通常溶剤に加えて必要に応じて共溶剤を含み、10〜50W/V%の活性成分、2〜20W/V%の乳化剤および0〜20W/V%の安定剤、浸透剤および腐蝕防止剤のような添加剤を含有する。乳濁濃縮液は普通水を基材とし、通常溶剤に加えて必要ならば共溶剤および10〜50W/V%の活性成分、1〜20W/V%の乳化剤および(または)乳化安定剤、0.002〜20W/V%の他の添加剤例えば不凍剤、浸透剤、緩衝材、静菌剤、腐蝕防止剤および着色剤を含有する。けん濁濃縮物は通常安定で非沈降性で流動性の生成物を与えるように混合され、通常10〜75重量%の活性成分、0.5〜15重量%の分散剤、0.1〜10重量%のけん濁剤例えば保護コロイドおよびチクソトロピー剤、0〜10重量%の他の添加剤例えば消泡剤、腐食防止剤、安定剤、浸漬剤および粘着剤、活性成分が実質的に不溶性の水または有機溶剤を含有する。ある種の有機質固体または無機塩を溶解させて調製物に存在させて沈積を防止するか水に対して不凍性にすることができる。
水性分散液および乳濁液、例えば本発明により湿潤性粉末または濃縮物を水で希釈して得られる組成物も本発明の範囲に包含される。このような組成物は油中水型または水中油型であることができ、濃厚なマヨネーズ状のコンシステンシーを有していてもよい。
【0023】
本発明の組成物はさらに他の成分を含んでいてもよい。例えば、除草性、殺虫性または殺かび性を有する他の化合物を含有していてもよい。
本発明は所定の個所での有害生物を撲滅する方法にも関し、この方法は所定の個所に置換された1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤を適用することから成る。
前記の置換された1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤は明細書に記載された任意のものである。
前記の方法は所定の個所で昆虫を撲滅する方法であるのが好ましい。前記の方法はアグラムシ例えば穀物アリマキ(Sitobion avenae)を所定個所で撲滅する方法であるのが特に好ましい。
本発明はまた所定の個所での有害生物を撲滅するため置換された1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤の使用にも関する。
本発明組成物は、農薬組成物、殺虫組成物等として好適のものである。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例を参照してさらに詳細に説明する。
以下に示した実施例において示した略語は下記の意味を有する。
AZTEC…トリアザメートに対する商品名、すなわちエチル(3−第三ブチル−1−ジメチルカルバモイル−1H−1,2,4−トリアゾリル−(5)−チオ)アセテート
FASTAC…α−シパメスリンに対する商品名、特に(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1R)−シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを包含するラセミ体
「ai」は活性成分の略語である。
「DAT」は「処理後の日数」を意味する。
【0025】
実施例1
小麦の種子(var Axona)を約50cm四方の小さなプロットに栽培して12個の「草むら」プロットとした。3個のプロットを3種の比較化学処理に使用し、3個のプロットを未処理の比較対照に使用した。植物が「開花」段階に到達したので、植物を規則的に観察して穀物アリマキ(Sitobion avenae)の繁殖の第一の微候を調べた。この時点で4プロットの3群にしたプロットは連続的に番号を付け3種の処理および未処理の対照を無差別に各群のプロットに割当てた。
表1に記載した活性成分の用量を与えるのに必要な濃度でAZTECおよびFASTACの溶液を調製した。この適用は400リットル/ヘクタールの容量適用比率であった。次いでこれらの溶液を単一のノズルを持つ長尺棒でコーンノズルを付けた背負い式スプレー装置を用いて適当なプロットに適用した。
処理の直前および処理後の記載された間隔で各プロットの10個の穂を肉眼で検査してアリマキの数を評価した。表1にその結果を示す。
各処理の効果を次のヘンダーソン−ティルトン(Henderson−Tilton)の式を用いて計算した。
効力(%)=(1−Ta/Ca・Cb/Tb)×100
(式中、Tbは適用前処理するプロットでの蔓延を示し、Taは適用後の処理するプロットでの蔓延を示し、Cbは適用前の比較対照プロットでの蔓延を示し、Caは適用後の比較対照プロットでの蔓延を示す)
効力の結果を表2に示す。
【0026】
実施例2
各プロットがそれぞれ3m×10mの四つのプロット4群合計16プロットを小麦(Var thesee)生育地に指定した。これらプロットを連続して番号付けし、三つの比較化学処理区と未処理比較対照区とを不規則に各群内のプロットに割当てた。
穀物アリマキ Sitobian avenaeの蔓延の最初の徴候を見るため前記プロットは規則的に監視し、次いで平担なファルノズルを備えた3mのブームを持つ加圧背負式精密スプレー装置を用いて表3に記載した活性成分の用量を与えるよう調製されたFASTACおよびAZTECの溶液で処理した。この適用は300リットル/haの容量適用比率であった。
処理前および処理後の記載された間隔で処理したプロットおよび比較対照プロットの双方におけるアリマキの数を秤価した。各プロットで25個の穂を肉眼で検査してこの穂の上のアリマキの数を数えた。
各処理の効力は下記のabottの式を用いて計算した。
Figure 0003559869
(式中、Caは適用後の比較対照プロットにおける蔓延を示し、Taは適用後の処理したプロットにおける蔓延を示す)
効力の結果を表4に示す。
各プロットからの穀粒を小型プロットコンバインハーベスターを用いて収獲し、湿分を補正した収穫量を計算した。穀物収穫量の結果を表5に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003559869
【0028】
【表2】
Figure 0003559869
【0029】
【表3】
Figure 0003559869
【0030】
【表4】
Figure 0003559869
【0031】
【表5】
Figure 0003559869

Claims (7)

  1. 置換された1,2,4−トリアゾール化合物およびピレスロイド殺虫剤を含有する殺虫剤組成物において、前記の1,2,4−トリアゾール化合物が下記一般式で表わされる1−ジメチルカルバモイル−3−置換−5−置換−1H−1,2,4−トリアゾール又はその生物学的に許容される塩であり、
    Figure 0003559869
    〔式中、R21は置換されていないかまたは置換されたC〜C直鎖アルキレン基であって、置換されている場合にはシアノ、ニトロ、OR23、CO23、OCOR23、COR23、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルキルまたは置換されていないかまたは置換されたフェニル基の中から選択された1〜4個の同一または異った置換基を持ち、
    前記置換されたフェニル基はハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基を有し、
    Xは−COO−、−CO−、−COS−、−CONR24−、−SO−または−SONR24−を示し、
    22は、
    (i)水素、
    (ii)置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキル基(ここで置換されたアルキル基の場合には、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR23、CO23、COR23またはOCOR23の中から選ばれる置換基を有する)、
    (iii)置換されていないかまたは置換されたフェニル(C〜C)アルキル基(ここで置換されたフェニルアルキル基の場合にはそのフェニル環にハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基を有する)、または
    (iv)置換されていないかまたは置換されたフェニル基(ここで置換されたフェニル基の場合にはハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、テトラフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、CO23、COR23、OCOR23、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルケニルの中から選ばれた1〜3個の同一または異った置換基を持つ)
    を示し、
    24は水素またはC〜Cアルキルを示し、
    前記R22とR24とはそれらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、モルホリノ、またはピペリジノ環を形成していてもよく、
    Wはイソプロピル、第2ブチル、第3ブチル、第3アミルまたは2−メチルチオ−2−プロピルを示し、
    23は水素、C〜Cアルキルまたはフェニル基であり、このフェニル基はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロエトキシ、トリフルオロチオメトキシ、テトラフルオロチオエトキシ、C〜Cアルキル、カルボキシまたはC〜Cアルコキシカルボニルの中から選ばれる1〜3個の同一または異った置換基により置換されていてもよい〕
    前記のピレスロイド殺虫剤が一般式
    Figure 0003559869
    〔式中、AおよびBは独立してそれぞれハロゲン原子またはメチル基であり、Xは0、1または2であり、yは0、1または2であり、R10は一般式
    Figure 0003559869
    (式中、R11およびR12は独立して水素原子またはハロゲン原子であるかあるいは場合により置換されたC〜Cアルキル基である)
    で表わされる基であるか、あるいは一般式
    Figure 0003559869
    (式中、R13はフェニル基であって、ハロゲン原子、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシ、ニトロおよびメチレンジオキシ基の中から選ばれる置換基の1個またはそれ以上により置換されていてもよい)
    で表わされる基である〕
    で表される化合物であることを特徴とする殺虫剤組成物
  2. 21が−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−または−CH(CH)−であり、Xが−COO−であり、R22が水素またはC〜Cアルキルであり、Wが第3ブチルである請求項1記載の組成物。
  3. 21がメチレン(−CH−)であり、Xが−COO−であり、R22がエチル基であり、Wが第3ブチルである請求項1または2記載の組成物。
  4. 前記のピレスロイド殺虫剤がα−シパメスリンである前記請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 所定の場所の有害昆虫を撲滅する方法であって、請求項1に記載の置換された1,2,4−トリアゾール化合物および請求項1に記載のピレスロイド殺虫剤をその場所に適用することからなる有害昆虫の撲滅方法。
  6. 所定の場所の有害昆虫を撲滅する方法であって、前記請求項1〜4のいずれかの組成物をその場所に適用することからなる有害昆虫の撲滅方法。
  7. アブラムシ科有害生物を撲滅する請求項5または6記載の方法。
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