JP3559520B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリップ性能と燃費性能とを両立しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の高速道路網の発達、自動車の高出力化に伴い、空気入りタイヤにあってもさらなる高速耐久性能、とりわけ高速走行時のグリップ性能の向上が望まれている一方で、地球環境問題を改善するために省資源化が進められており、転がり抵抗を低減し、車両の燃費を向上させることも同時に要求されている。
【0003】
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、トレッド部に配されるトレッドゴムを、内側のベースゴム部と、その外側に配されかつトレッド面をなすキャップゴム部とを含んで構成するとともに、ベースゴム部を、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部と、この側部ベースゴム部の間に配された中間ベースゴム部とから構成しかつそれらのゴム硬さを適切に規制することにより、高いグリップ性能と低い転がり抵抗とを両立しうることを見出した。
【0004】
以上のように本発明は、転がり抵抗を低減しつつ乗り心地と操縦安定性とを両立しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層を含むトレッド補強コード層とを具えた空気入りタイヤであって、前記トレッド補強コード層の外側に配されたトレッドゴムが、内側のベースゴム部と、外側に配されかつトレッド面をなすキャップゴム部とを含み、かつ前記ベースゴム部は、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部と、この側部ベースゴム部の間に配された中間ベースゴム部とからなるとともに、前記キャップゴム部のJISデュロメータA硬さを60〜80度、かつ前記中間ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを65〜75度、しかも前記側部ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを45〜60度としたことを特徴としている。
【0006】
また請求項1に係る本発明において、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが、前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さよりも0よりも大かつ5度以下の範囲で小、
しかもキャップゴム部G2は、トレッド溝14の部分を除き一定厚さとするとともに、タイヤ赤道Cの位置において、このキャップゴム部G2の厚さt1と全トレッドゴム厚さtとの比(t1/t)が、0.95〜0.50としている。
【0007】
なお本明細書において、JISデュロメータA硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さとして定義する。
【0008】
また前記側部ベースゴム部は、そのタイヤ軸方向の長さがトレッド接地巾の8〜30%であることが好ましい。さらに前記トレッド補強コード層は、前記ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されかつ1本又は平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆した帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回することにより形成したバンド層とを含むことにより、さらに操縦安定性を向上しうる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤの右半分断面図(左半分も内部構造については対称に現れる。)を示している。図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7を含むトレッド補強コード層9とを具え、本例では扁平率が50%以下の乗用車用のものが例示されている。
【0010】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されているが、これ以外にもナイロン、レーヨンなどの有機繊維コード、さらにはスチールコードなども採用しうる。また前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。なおカーカスプライ6Aの本体部6aの内側には空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナーiが配されている。
【0011】
前記カーカスプライ6Aの折返し部6bは、その端部を、模様、突起を除くタイヤ軸方向最外側の総巾位置Mよりもタイヤ半径方向外側に位置させたいわゆるハイターンアップ構造としたものを例示する。本例の折返し部6bの外端6beは、前記ベルト層7と前記本体部6aとの間に挟まれて終端している。このような構造を採用することにより、サイドウォール部3にプライを2層に重ねて配することができ、タイヤの横剛性を高め、操縦安定性を向上しうる他、転がり抵抗の低減にも役立つ。また前記本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ例えば硬質のゴム材からなるビードエーペックス12が配されることによりビード部4が補強される。
【0012】
さらに本実施形態では、前記ビードエーペックス12と前記折返し部6bとの間に、補強層13を配したものが例示される。この補強層13は、例えば金属コード又は有機繊維コードをタイヤ半径方向に対して15〜30゜で配列したコードプライからなり、ビード部4の曲げ剛性とともに周方向剛性を高め、転がり抵抗の低減に寄与しうる。なお補強層13の内端はビードコア5の近傍に位置するとともに、外端は、タイヤ断面高さの40〜60%の高さに設定することが望ましい。
【0013】
前記トレッド補強コード層9は、本例では前記ベルト層7と、その外側に配されたバンド層8とを含むものが例示される。
【0014】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向の内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成している。なお、半径方向内のベルトプライ7Aは、外のベルトプライ7Bに比べ巾広に形成され、端部における著しい剛性段差の発生を防止している。前記ベルトコードは、本例ではスチールコードからなるが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
【0015】
前記バンド層8は、例えば図2(A)に示すように複数本の有機繊維コード10を平行に引き揃えかつこれをトッピングゴム20により被覆した例えば5〜15mm程度の小巾の帯状プライ11を、前記有機繊維コード10がタイヤ周方向に対して5度以下の角度となるようにベルト層7の上に螺旋状に巻回することにより形成される。前記帯状プライ11は、使用する有機繊維コード10の太さ、ベルト層の巾等により埋設するコード本数を適宜変更することができる他、図2(B)に示すように1本のバンドコード10をゴム被覆したものでも良い。
【0016】
本例のバンド層8は、前記ベルト層7の略全巾を覆う第1のバンドプライ8Aと、この第1のバンドプライ8Aの内側に配されかつ前記ベルト層7の端部分だけを覆う第2のバンドプライ8Bとを含んで構成されたものを示す。このようなバンド層8は、ベルト層7の半径方向の動き、とりわけ高速走行時のベルト層7の端部が遠心力により浮き上がるリフティングを抑制し、トレッド部2の変形を防止する。このようなトレッド部2の変形防止は、接地時におけるトレッド部2の路面に対する抵抗を減じ、グリップ性能の向上に役立つ他、内部発熱を抑制できるため転がり抵抗の低減にも寄与しうる。またバンド層8は、有機繊維コード10よりなるため、トレッド部2の剛性を過度に高めることがないため、乗り心地を損なわずに操縦安定性の向上に寄与しうる。なおトレッド補強コード層9は、バンド層8を省き前記ベルト層7のみから構成しうるのは言うまでもない。
【0017】
前記トレッド補強コード層9の外側に配されたトレッドゴムTGは、内側のベースゴム部G1と、その外側に配されかつトレッド面2aをなすキャップゴム部G2とを含み、本例ではトレッドゴムTGが前記ベースゴム部G1と前記キャップゴム部G2とからなる2層構造をなすとともに、その端縁に断面略三角形状のウイングゴム部G3を配したものを例示している。なおサイドウォール部3には、前記カーカス6の外面にサイドウォールゴムG4が、またビード部5にはビードゴムG5がそれぞれ配されている。
【0018】
前記キャップゴム部G2は、JISデュロメータA硬さが68〜80度のゴム材により形成されている。前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さが60度未満の場合、特に高速走行時においてトレッド面2aの剛性が不足するため、キャップゴム部G2がせり出すなどその変形が大きくなり高いグリップ性能が得られない他、内部発熱が大きくなって転がり抵抗が悪化する。逆にキャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さが80度を超える場合には、著しい乗り心地の悪化を招くため好ましくない。このような観点より、キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さは、より好ましくは68〜80度、さらに好ましくは68〜75度とすることが望ましい。
【0019】
前記ベースゴム部G1は、本例では前記キャップゴム部G2のタイヤ半径方向内側に配され、タイヤ軸方向の両端部が前記トレッド補強コード層9をタイヤ軸方向外側に越えかつ先細状をなし前記ウイングゴム部G3に接続されている。また前記ベースゴム部G1は、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部G1aと、この側部ベースゴム部G1a、G1a(図1では一方のみ図示)の間に配された中間ベースゴム部G1bとから構成される。
【0020】
そして前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さを65〜75度とし、しかも前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さを45〜60度としている。このように、前記キャップゴム部G2、中間ベースゴム部G1b、側部ベースゴム部G1aのそれぞれのJISデュロメータA硬さゴム硬さを限定することにより、高いグリップ性能を発揮しつつ必要な乗り心地を確保しうる他、ベースゴム部G1の局部的なゴム変形によるエネルギーロスを防止でき転がり抵抗を減じうる。即ち、高速走行時には、トレッド中央部のせり出し変形が生じ易いが、中間ベースゴム部G1bのゴム硬さを限定することにより、このような変形を防止し、高いグリップ性能が発揮できかつ転がり抵抗を低減しうる。
【0021】
ここで、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが65度未満の場合、該中間ベースゴム部G1bの変形が大きくなり発熱等のエネルギーロスが生じ易い他、キャップゴム部G2との界面強度が低下し、高速耐久性が悪化する。逆に中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが75度を超える場合には、該中間ベースゴム部G1bの変形が小さくなり過ぎてキャップゴム部G2の負荷が大きなため、該キャップゴム部G2の耐摩耗性能が低下するという不具合がある。このような観点より、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さは、より好ましくは68〜73度とすることが望ましい。
【0022】
また前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さが45度未満の場合、該側部ベースゴム部G1aの動きが大きくなり、該側部ベースゴム部G1aとキャップゴム部G2との界面強度が低下するという不具合があり、逆にJISデュロメータA硬さが60度を超える場合、乗り心地が大巾に悪化するという不具合がある。このような観点より、前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さは、より好ましくは50〜55度とすることが望ましいものである。
【0023】
なお前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さは、該中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが、前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さよりも0よりも大かつ5度以下の範囲で小とする。
【0024】
また前記キャップゴム部G2は、本例ではトレッド面2aから該トレッド面2aを凹設したトレッド溝14の溝底よりもタイヤ半径方向内側までを占めるものを例示している。またキャップゴム部G2は、トレッド面2aではトレッド接地端Eをタイヤ軸方向外側に超え前記ウイングゴム部G3に接続されている。さらにキャップゴム部G2は、トレッド溝14の部分を除き一定厚さとしている。なお一定厚さとは図1に示す程度の略一定厚さを含む。またタイヤ赤道Cの位置において、このキャップゴム部G2の厚さt1と全トレッドゴム厚さtとの比(t1/t)が、例えば0.95〜0.50、より好ましくは0.90〜0.70程度に設定される。前記比(t1/t)が0.50未満であると、タイヤの摩耗が進行すると、キャップゴム部G2が比較的早期に消失してしまいタイヤ走行性能が変化するという不具合があり、逆に前記比(t1/t)が0.95を超えると、高速走行時のグリップ性能が悪化し易いという問題がある。
【0025】
また前記側部ベースゴム部G1aのタイヤ軸方向の長さGWが過度に小さすぎると、乗り心地が悪化したり、上述の転がり抵抗の向上効果が十分に得られない傾向があり、逆に前記長さGWが過度に大きい場合には、中間ベースゴム部G1bの占める領域が減じられるため、グリップ性能が低下する傾向がある。このような観点より、前記側部ベースゴム部G1aのタイヤ軸方向の長さGWは、トレッド接地巾TWの例えば8〜40%、より好ましくは10〜30%。さらに好ましくは15〜25%とし、前記トレッド補強コード層9の端部9eを覆うことが望ましい。
【0026】
なお前記トレッド接地巾TWとは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を作用させた状態の接地端E、E間のタイヤ軸方向の距離とする。また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば ”Design Rim” 、或いはETRTOであれば ”Measuring Rim”とし、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATIONPRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば ”INFLATION PRESSURE” であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば ”LOAD CAPACITY”とする。
【0027】
また上述のようなトレッドゴムTGは、多層式ヘッドを具えた押出機により、例えば図3に示す如く、前記キャップゴム部G2と、そのタイヤ半径方向内側に配された側部ベースゴム部G1a、中間ベースゴム部G1bと、ウイングゴム部G4と、前記ベースゴム部G1の内側に小厚さで配されたトレッド補強コード層9との接着性向上用のアンダーゴムGuとを連続してかつ一体に押し出した一体押出し品Uを成形し、かつこの一体押出し品UをトレッドゴムTGとして用いてタイヤの生カバーを成形することにより、生産性の低下を損なわずに能率良く生産しうる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズが225/50R16でありかつ図1、表1に示す乗用車用空気入りラジアルタイヤを試作し(比較例、実施例)、転がり抵抗、乗り心地、操縦安定性について次のような条件でテストを行った。なお比較例1のタイヤは、トレッドゴムを1層構造とした単一のゴムから構成されたものである。
【0029】
<転がり抵抗>
ドラム(外径:1706.6mm、軸方向の巾:500mm)を有する転がり抵抗試験機を用い、各供試タイヤを5.5J×14の正規リムに装着し、内圧200kPaで速度80km/h、荷重400kNで転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤを100とする指数で表示した。指数は小さい方が良好である。
【0030】
<乗り心地、グリップ性能>
供試タイヤをリム(7J×16)にリム組みして内圧250kPaを充填し国産乗用車(2500ccのFR車)の4輪に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースを高速直進、高速旋回走行を行い、ドライバーのフィーリングにてトレッド面の路面に対するグリップ感と乗り心地とを、それぞれ比較例1を「6」とする10点法により評価を行った。数値が大きいほど良好である。
【0031】
<H/Sレベル>
リム(5.5JJ×14)にリム組みしかつ内圧200kPaを充填するとともに、ドラム試験機を用いてECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ステップスピード方式により実施した。テストは、逐次走行速度を上昇させるとともに、タイヤが破壊したときの速度を測定した。評価は比較例1を100とする指数で表示しており、数値が大きい程、良好である。
テストの結果などを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
テストの結果、実施例のものは転がり抵抗とグリップ性能とを両立していることが確認できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤは、高速走行時のグリップ性能を向上できかつ転がり抵抗をも低減しうる。
【0035】
また請求項2記載の発明のように、前記側部ベースゴム部のタイヤ軸方向の長さをトレッド接地巾に対して規制したときには、グリップ性能と低転がり抵抗とをさらにバランス良く向上しうる。また請求項3記載の発明の如く、前記トレッド補強コード層を、ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されかつ1本又は平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆した帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回することにより形成したバンド層とを含むことにより、乗り心地を損なわずかつ高速走行時のトレッド部の変形を最小限に抑えることによりグリップ性能を増し、内部摩擦と接地抵抗を減じてさらに転がり抵抗を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の空気入りタイヤを例示する右半分断面図である。
【図2】(A)、(B)は帯状プライを例示する斜視図である。
【図3】生トレッドゴムを例示する右半分断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a カーカスプライの本体部
6b カーカスプライの折返し部
7 ベルト層
8 バンド層
9 トレッド補強コード層
TG トレッドゴム
G1 ベースゴム部
G1a 側部ベースゴム部
G1b 中間ベースゴム部
G2 キャップゴム部
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリップ性能と燃費性能とを両立しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の高速道路網の発達、自動車の高出力化に伴い、空気入りタイヤにあってもさらなる高速耐久性能、とりわけ高速走行時のグリップ性能の向上が望まれている一方で、地球環境問題を改善するために省資源化が進められており、転がり抵抗を低減し、車両の燃費を向上させることも同時に要求されている。
【0003】
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、トレッド部に配されるトレッドゴムを、内側のベースゴム部と、その外側に配されかつトレッド面をなすキャップゴム部とを含んで構成するとともに、ベースゴム部を、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部と、この側部ベースゴム部の間に配された中間ベースゴム部とから構成しかつそれらのゴム硬さを適切に規制することにより、高いグリップ性能と低い転がり抵抗とを両立しうることを見出した。
【0004】
以上のように本発明は、転がり抵抗を低減しつつ乗り心地と操縦安定性とを両立しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層を含むトレッド補強コード層とを具えた空気入りタイヤであって、前記トレッド補強コード層の外側に配されたトレッドゴムが、内側のベースゴム部と、外側に配されかつトレッド面をなすキャップゴム部とを含み、かつ前記ベースゴム部は、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部と、この側部ベースゴム部の間に配された中間ベースゴム部とからなるとともに、前記キャップゴム部のJISデュロメータA硬さを60〜80度、かつ前記中間ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを65〜75度、しかも前記側部ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを45〜60度としたことを特徴としている。
【0006】
また請求項1に係る本発明において、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが、前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さよりも0よりも大かつ5度以下の範囲で小、
しかもキャップゴム部G2は、トレッド溝14の部分を除き一定厚さとするとともに、タイヤ赤道Cの位置において、このキャップゴム部G2の厚さt1と全トレッドゴム厚さtとの比(t1/t)が、0.95〜0.50としている。
【0007】
なお本明細書において、JISデュロメータA硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さとして定義する。
【0008】
また前記側部ベースゴム部は、そのタイヤ軸方向の長さがトレッド接地巾の8〜30%であることが好ましい。さらに前記トレッド補強コード層は、前記ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されかつ1本又は平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆した帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回することにより形成したバンド層とを含むことにより、さらに操縦安定性を向上しうる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤの右半分断面図(左半分も内部構造については対称に現れる。)を示している。図において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7を含むトレッド補強コード層9とを具え、本例では扁平率が50%以下の乗用車用のものが例示されている。
【0010】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されているが、これ以外にもナイロン、レーヨンなどの有機繊維コード、さらにはスチールコードなども採用しうる。また前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。なおカーカスプライ6Aの本体部6aの内側には空気を透過しにくいゴムからなるインナーライナーiが配されている。
【0011】
前記カーカスプライ6Aの折返し部6bは、その端部を、模様、突起を除くタイヤ軸方向最外側の総巾位置Mよりもタイヤ半径方向外側に位置させたいわゆるハイターンアップ構造としたものを例示する。本例の折返し部6bの外端6beは、前記ベルト層7と前記本体部6aとの間に挟まれて終端している。このような構造を採用することにより、サイドウォール部3にプライを2層に重ねて配することができ、タイヤの横剛性を高め、操縦安定性を向上しうる他、転がり抵抗の低減にも役立つ。また前記本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ例えば硬質のゴム材からなるビードエーペックス12が配されることによりビード部4が補強される。
【0012】
さらに本実施形態では、前記ビードエーペックス12と前記折返し部6bとの間に、補強層13を配したものが例示される。この補強層13は、例えば金属コード又は有機繊維コードをタイヤ半径方向に対して15〜30゜で配列したコードプライからなり、ビード部4の曲げ剛性とともに周方向剛性を高め、転がり抵抗の低減に寄与しうる。なお補強層13の内端はビードコア5の近傍に位置するとともに、外端は、タイヤ断面高さの40〜60%の高さに設定することが望ましい。
【0013】
前記トレッド補強コード層9は、本例では前記ベルト層7と、その外側に配されたバンド層8とを含むものが例示される。
【0014】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向の内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成している。なお、半径方向内のベルトプライ7Aは、外のベルトプライ7Bに比べ巾広に形成され、端部における著しい剛性段差の発生を防止している。前記ベルトコードは、本例ではスチールコードからなるが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
【0015】
前記バンド層8は、例えば図2(A)に示すように複数本の有機繊維コード10を平行に引き揃えかつこれをトッピングゴム20により被覆した例えば5〜15mm程度の小巾の帯状プライ11を、前記有機繊維コード10がタイヤ周方向に対して5度以下の角度となるようにベルト層7の上に螺旋状に巻回することにより形成される。前記帯状プライ11は、使用する有機繊維コード10の太さ、ベルト層の巾等により埋設するコード本数を適宜変更することができる他、図2(B)に示すように1本のバンドコード10をゴム被覆したものでも良い。
【0016】
本例のバンド層8は、前記ベルト層7の略全巾を覆う第1のバンドプライ8Aと、この第1のバンドプライ8Aの内側に配されかつ前記ベルト層7の端部分だけを覆う第2のバンドプライ8Bとを含んで構成されたものを示す。このようなバンド層8は、ベルト層7の半径方向の動き、とりわけ高速走行時のベルト層7の端部が遠心力により浮き上がるリフティングを抑制し、トレッド部2の変形を防止する。このようなトレッド部2の変形防止は、接地時におけるトレッド部2の路面に対する抵抗を減じ、グリップ性能の向上に役立つ他、内部発熱を抑制できるため転がり抵抗の低減にも寄与しうる。またバンド層8は、有機繊維コード10よりなるため、トレッド部2の剛性を過度に高めることがないため、乗り心地を損なわずに操縦安定性の向上に寄与しうる。なおトレッド補強コード層9は、バンド層8を省き前記ベルト層7のみから構成しうるのは言うまでもない。
【0017】
前記トレッド補強コード層9の外側に配されたトレッドゴムTGは、内側のベースゴム部G1と、その外側に配されかつトレッド面2aをなすキャップゴム部G2とを含み、本例ではトレッドゴムTGが前記ベースゴム部G1と前記キャップゴム部G2とからなる2層構造をなすとともに、その端縁に断面略三角形状のウイングゴム部G3を配したものを例示している。なおサイドウォール部3には、前記カーカス6の外面にサイドウォールゴムG4が、またビード部5にはビードゴムG5がそれぞれ配されている。
【0018】
前記キャップゴム部G2は、JISデュロメータA硬さが68〜80度のゴム材により形成されている。前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さが60度未満の場合、特に高速走行時においてトレッド面2aの剛性が不足するため、キャップゴム部G2がせり出すなどその変形が大きくなり高いグリップ性能が得られない他、内部発熱が大きくなって転がり抵抗が悪化する。逆にキャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さが80度を超える場合には、著しい乗り心地の悪化を招くため好ましくない。このような観点より、キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さは、より好ましくは68〜80度、さらに好ましくは68〜75度とすることが望ましい。
【0019】
前記ベースゴム部G1は、本例では前記キャップゴム部G2のタイヤ半径方向内側に配され、タイヤ軸方向の両端部が前記トレッド補強コード層9をタイヤ軸方向外側に越えかつ先細状をなし前記ウイングゴム部G3に接続されている。また前記ベースゴム部G1は、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部G1aと、この側部ベースゴム部G1a、G1a(図1では一方のみ図示)の間に配された中間ベースゴム部G1bとから構成される。
【0020】
そして前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さを65〜75度とし、しかも前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さを45〜60度としている。このように、前記キャップゴム部G2、中間ベースゴム部G1b、側部ベースゴム部G1aのそれぞれのJISデュロメータA硬さゴム硬さを限定することにより、高いグリップ性能を発揮しつつ必要な乗り心地を確保しうる他、ベースゴム部G1の局部的なゴム変形によるエネルギーロスを防止でき転がり抵抗を減じうる。即ち、高速走行時には、トレッド中央部のせり出し変形が生じ易いが、中間ベースゴム部G1bのゴム硬さを限定することにより、このような変形を防止し、高いグリップ性能が発揮できかつ転がり抵抗を低減しうる。
【0021】
ここで、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが65度未満の場合、該中間ベースゴム部G1bの変形が大きくなり発熱等のエネルギーロスが生じ易い他、キャップゴム部G2との界面強度が低下し、高速耐久性が悪化する。逆に中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが75度を超える場合には、該中間ベースゴム部G1bの変形が小さくなり過ぎてキャップゴム部G2の負荷が大きなため、該キャップゴム部G2の耐摩耗性能が低下するという不具合がある。このような観点より、前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さは、より好ましくは68〜73度とすることが望ましい。
【0022】
また前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さが45度未満の場合、該側部ベースゴム部G1aの動きが大きくなり、該側部ベースゴム部G1aとキャップゴム部G2との界面強度が低下するという不具合があり、逆にJISデュロメータA硬さが60度を超える場合、乗り心地が大巾に悪化するという不具合がある。このような観点より、前記側部ベースゴム部G1aのJISデュロメータA硬さは、より好ましくは50〜55度とすることが望ましいものである。
【0023】
なお前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さは、該中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが、前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さよりも0よりも大かつ5度以下の範囲で小とする。
【0024】
また前記キャップゴム部G2は、本例ではトレッド面2aから該トレッド面2aを凹設したトレッド溝14の溝底よりもタイヤ半径方向内側までを占めるものを例示している。またキャップゴム部G2は、トレッド面2aではトレッド接地端Eをタイヤ軸方向外側に超え前記ウイングゴム部G3に接続されている。さらにキャップゴム部G2は、トレッド溝14の部分を除き一定厚さとしている。なお一定厚さとは図1に示す程度の略一定厚さを含む。またタイヤ赤道Cの位置において、このキャップゴム部G2の厚さt1と全トレッドゴム厚さtとの比(t1/t)が、例えば0.95〜0.50、より好ましくは0.90〜0.70程度に設定される。前記比(t1/t)が0.50未満であると、タイヤの摩耗が進行すると、キャップゴム部G2が比較的早期に消失してしまいタイヤ走行性能が変化するという不具合があり、逆に前記比(t1/t)が0.95を超えると、高速走行時のグリップ性能が悪化し易いという問題がある。
【0025】
また前記側部ベースゴム部G1aのタイヤ軸方向の長さGWが過度に小さすぎると、乗り心地が悪化したり、上述の転がり抵抗の向上効果が十分に得られない傾向があり、逆に前記長さGWが過度に大きい場合には、中間ベースゴム部G1bの占める領域が減じられるため、グリップ性能が低下する傾向がある。このような観点より、前記側部ベースゴム部G1aのタイヤ軸方向の長さGWは、トレッド接地巾TWの例えば8〜40%、より好ましくは10〜30%。さらに好ましくは15〜25%とし、前記トレッド補強コード層9の端部9eを覆うことが望ましい。
【0026】
なお前記トレッド接地巾TWとは、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を作用させた状態の接地端E、E間のタイヤ軸方向の距離とする。また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば ”Design Rim” 、或いはETRTOであれば ”Measuring Rim”とし、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 ”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATIONPRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば ”INFLATION PRESSURE” であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば ”LOAD CAPACITY”とする。
【0027】
また上述のようなトレッドゴムTGは、多層式ヘッドを具えた押出機により、例えば図3に示す如く、前記キャップゴム部G2と、そのタイヤ半径方向内側に配された側部ベースゴム部G1a、中間ベースゴム部G1bと、ウイングゴム部G4と、前記ベースゴム部G1の内側に小厚さで配されたトレッド補強コード層9との接着性向上用のアンダーゴムGuとを連続してかつ一体に押し出した一体押出し品Uを成形し、かつこの一体押出し品UをトレッドゴムTGとして用いてタイヤの生カバーを成形することにより、生産性の低下を損なわずに能率良く生産しうる。
【0028】
【実施例】
タイヤサイズが225/50R16でありかつ図1、表1に示す乗用車用空気入りラジアルタイヤを試作し(比較例、実施例)、転がり抵抗、乗り心地、操縦安定性について次のような条件でテストを行った。なお比較例1のタイヤは、トレッドゴムを1層構造とした単一のゴムから構成されたものである。
【0029】
<転がり抵抗>
ドラム(外径:1706.6mm、軸方向の巾:500mm)を有する転がり抵抗試験機を用い、各供試タイヤを5.5J×14の正規リムに装着し、内圧200kPaで速度80km/h、荷重400kNで転がり抵抗を測定し、比較例1のタイヤを100とする指数で表示した。指数は小さい方が良好である。
【0030】
<乗り心地、グリップ性能>
供試タイヤをリム(7J×16)にリム組みして内圧250kPaを充填し国産乗用車(2500ccのFR車)の4輪に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースを高速直進、高速旋回走行を行い、ドライバーのフィーリングにてトレッド面の路面に対するグリップ感と乗り心地とを、それぞれ比較例1を「6」とする10点法により評価を行った。数値が大きいほど良好である。
【0031】
<H/Sレベル>
リム(5.5JJ×14)にリム組みしかつ内圧200kPaを充填するとともに、ドラム試験機を用いてECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠して、ステップスピード方式により実施した。テストは、逐次走行速度を上昇させるとともに、タイヤが破壊したときの速度を測定した。評価は比較例1を100とする指数で表示しており、数値が大きい程、良好である。
テストの結果などを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
テストの結果、実施例のものは転がり抵抗とグリップ性能とを両立していることが確認できる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤは、高速走行時のグリップ性能を向上できかつ転がり抵抗をも低減しうる。
【0035】
また請求項2記載の発明のように、前記側部ベースゴム部のタイヤ軸方向の長さをトレッド接地巾に対して規制したときには、グリップ性能と低転がり抵抗とをさらにバランス良く向上しうる。また請求項3記載の発明の如く、前記トレッド補強コード層を、ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されかつ1本又は平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆した帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回することにより形成したバンド層とを含むことにより、乗り心地を損なわずかつ高速走行時のトレッド部の変形を最小限に抑えることによりグリップ性能を増し、内部摩擦と接地抵抗を減じてさらに転がり抵抗を低減しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の空気入りタイヤを例示する右半分断面図である。
【図2】(A)、(B)は帯状プライを例示する斜視図である。
【図3】生トレッドゴムを例示する右半分断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a カーカスプライの本体部
6b カーカスプライの折返し部
7 ベルト層
8 バンド層
9 トレッド補強コード層
TG トレッドゴム
G1 ベースゴム部
G1a 側部ベースゴム部
G1b 中間ベースゴム部
G2 キャップゴム部
Claims (3)
- トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層を含むトレッド補強コード層とを具えた空気入りタイヤであって、
前記トレッド補強コード層の外側に配されたトレッドゴムが、内側のベースゴム部と、外側に配されかつトレッド面をなすキャップゴム部とを含み、
かつ前記ベースゴム部は、タイヤ軸方向の両外側に配された側部ベースゴム部と、この側部ベースゴム部の間に配された中間ベースゴム部とからなるとともに、
前記キャップゴム部のJISデュロメータA硬さを68〜80度、かつ前記中間ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを65〜75度、しかも前記側部ベースゴム部のJISデュロメータA硬さを45〜60度とし、
かつ前記中間ベースゴム部G1bのJISデュロメータA硬さが、前記キャップゴム部G2のJISデュロメータA硬さよりも0よりも大かつ5度以下の範囲で小、
しかもキャップゴム部G2は、トレッド溝14の部分を除き一定厚さとするとともに、タイヤ赤道Cの位置において、このキャップゴム部G2の厚さt1と全トレッドゴム厚さtとの比(t1/t)が、0.95〜0.50としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記側部ベースゴム部は、そのタイヤ軸方向の長さがトレッド接地巾の8〜30%であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド補強コード層は、前記ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向外側に配されかつ1本又は平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆した帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回することにより形成したバンド層とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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