JP3559410B2 - 気体圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコンシステムなどに用いられる気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の気体圧縮機は、図3に示すように、ケーシング1の開口端をフロントヘッド2で塞ぎ、そのケーシング1内に電磁クラッチ3に連結された圧縮機本体4が収納されている。
【0003】
圧縮機本体4はフロントサイドブロック5とリアサイドブロック6間に内周略楕円筒状のシリンダ7を有し、この両サイドブロック5,6とシリンダ7によって形成されるシリンダ室8内にはロータ9が回転可能に横架され、ロータ9の軸部10はフロントサイドブロック5のF軸受11とリアサイドブロック6のR軸受12により支持されている。
【0004】
ロータ9には、径方向に放射状に延びるスリット状の図示しないベーン溝が複数形成され、このベーン溝にはベーン13,13…が進退自在に装着されており、ベーン13,13…は、ロータ9の回転時には遠心力とベーン溝底部の油圧とによりシリンダ7の内壁側に付勢される。
【0005】
フロントおよびリアサイドブロック5,6、シリンダ7、ロータ9、ベーン13,13…により仕切られたシリンダ室8の小室は、圧縮室14,14…と称され、ロータ9の回転により容量の大小変化を繰り返す。
【0006】
このような圧縮機本体4においては、ロータ9が回転して圧縮室14,14…の容量が変化すると、その容量変化により吸入室15の冷媒ガスを吸気し圧縮する。この際、吸入室15の冷媒ガスは、ケーシング1外部の図示しないエアコンシステム側より吸入口16を介して導入される。
【0007】
圧縮後の圧縮冷媒ガスBは、圧縮室14,14…からシリンダ7の図示しない吐出孔、リアサイドブロック6の吐出連絡路、油分離器17、吐出室18を順次通過し、吐出口19よりケーシング1外部のエアコンシステム側に至る。このとき、油分離器17では圧縮冷媒ガスBから潤滑油Aを分離し、分離された潤滑油Aは吐出室18下の油貯溜室20に溜る。
【0008】
油貯溜室20に貯溜された潤滑油Aは、オイル通路21を介してF軸受11およびR軸受12などの摺動部に圧送供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記提案の如き気体圧縮機では、圧縮室14内の圧縮冷媒ガスBの圧力が高くなると、当該圧力により、シリンダ7の内壁が押し広げられ、ロータ9とシリンダ7との隙間が増大する。このため、当該隙間からの圧縮冷媒ガスBのリーク量が増大し、気体圧縮機の圧縮効率が低下するという問題点がある。特に、気温が高くなると、冷媒ガスの吸入圧が高くなり、ひいては圧縮室14内の圧縮冷媒ガスBが高圧力になることから、シリンダ7の内壁が大きく押し広げられ、圧縮冷媒ガスBのリーク量が増大するため、気体圧縮機の圧縮効率が著しく低下するという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ロータとシリンダとのクリアランスを常時適性に保つことで、圧縮冷媒ガスのリーク量の増大を防止し、圧縮効率の低下を防止することができる気体圧縮機を提供することにある。
【0011】
本発明の上記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、一対のサイドブロック間に設けられた内周略楕円筒状のシリンダと、上記一対のサイドブロックおよび上記シリンダによって形成されるシリンダ室内に回転自在に横架されたロータと、上記ロータに形成されたベーン溝に摺動可能に装着されたベーンとを備え、上記ロータの回転により冷媒ガスを上記シリンダ室内に吸い込み圧縮し、圧縮後の圧縮冷媒ガスを吐出室に吐出する気体圧縮機において、上記ロータの周面に伸縮性部材が固着されると共に、一端が上記ロータの周面に開口され、上記吐出室内の上記圧縮冷媒ガスの吐出圧を上記伸縮性部材に導入する導入路が上記ロータに形成され、上記圧縮冷媒ガスの吐出圧により上記伸縮性部材を伸縮させることを特徴とするものであり、上記伸縮性部材は、リン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールからなることを特徴とし、上記伸縮性部材は、上記ロータの周面に溶接により固着されたことを特徴としている。
【0013】
従って、本発明は、ロータの周面に伸縮性部材が固着され、吐出室内の圧縮冷媒ガスの吐出圧を伸縮性部材に導入する導入路を設け、圧縮冷媒ガスの吐出圧により伸縮性部材を伸縮させることで、圧縮冷媒ガスの圧力がシリンダの内壁を押し広げても、圧縮冷媒ガスの吐出圧により伸縮性部材が伸長し、ロータとシリンダとのクリアランスが常時適性に保たれる。よって、圧縮冷媒ガスのリーク量の増大が防止される。また、伸縮性部材にリン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールを用いることで、伸縮性部材は所定形状に容易に加工されると共に、溶接によりロータの周面に容易かつ強固に固着される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の一実施の形態を示す気体圧縮機のロータの径方向断面図、図2は、本発明の一実施の形態を示す気体圧縮機のロータの軸方向断面図である。
【0015】
なお、本実施の形態の気体圧縮機の基本構成、すなわち圧縮機本体4、油貯溜室20、オイル通路21、油分離器17、電磁クラッチ3を有し、圧縮機本体4は吸入室15の冷媒ガスを吸収し圧縮するための圧縮室14を備え、油貯溜室20は圧縮機本体4の摺動部に供給される潤滑油Aを貯溜すること、ロータ9が回転して圧縮室14,14…の容量が変化すると、その容量変化により吸入室15の冷媒ガスを吸気圧縮し、このとき、吸入室15の冷媒ガスは、ケーシング1外部のエアコンシステム側より吸入口16を介して導入され、圧縮後の圧縮冷媒ガスBは、圧縮室14,14…から吐出室18に吐出され、吐出口19よりケーシング1外部のエアコンシステム側に至り、油分離器17では圧縮冷媒ガスBから潤滑油Aを分離し、分離された潤滑油Aは吐出室18下の油貯溜室20に溜り、油貯溜室20に貯溜された潤滑油Aは、オイル通路21を介して圧縮機本体4の摺動部に圧送供給されることは従来例と同様なため、これと同一機能を奏するものは同じ符号を付し、その詳細説明を割愛する。
【0016】
本実施の形態の気体圧縮機は、図1および図2に示すように、ロータ9の周面の複数のベーン溝22を除く部分にリン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールなどからなる伸縮性部材23の周縁部がビーム溶接されている。すなわち、伸縮性部材23はロータ9の周面にあってベーン溝22によって区画された複数の領域にそれぞれ固着され、複数の伸縮性部材部23aに分割されている。
【0017】
ロータ9には、吐出室18内の圧縮冷媒ガスBの圧力を導入する導入路24が形成されている。導入路24は、ロータ9の軸部10の軸方向に形成された第1導入分路24aとロータ9の径方向に放射状に形成された複数の第2導入分路24bとからなり、第1導入分路24aと第2導入分路24bはロータ9の中央部で接続されている。複数の第2導入分路24bの一端は、伸縮性部材部23a下に個別に開口され、第1導入分路24aの一端は、吐出室18内に臨み、吐出室18内の圧縮冷媒ガスBの吐出圧がロータ9の周面と伸縮性部材部23aとの間に導入されるようになっている。
【0018】
気体圧縮機は、以上の如く構成されているので、気体圧縮機の運転を開始すると、冷媒ガスがケーシング1外部のエアコンシステム側より吸入口16を介して吸入室15に導入される。その後、ロータ9が回転して圧縮室14,14…の容量が変化すると、その容量変化により吸入室15の冷媒ガスが圧縮室14,14…に吸入圧縮される。
【0019】
この場合、圧縮室14内の圧縮冷媒ガスBの圧力が高くなると、この圧力により、シリンダ7の内壁が拡径するが、このとき同時に、吐出室18内の圧縮冷媒ガスBの吐出圧が第1導入分路24a、複数の第2導入分路24bを順次介してロータ9の周面と伸縮性部材部23aとの間に導入され、伸縮性部材部23aは、圧縮冷媒ガスBの吐出圧により伸長し、ロータ9の外径が大きくなる。また、圧縮冷媒ガスBの圧力が低下すれば、シリンダ7の内壁は縮径し、吐出圧も低下するので、伸縮性部材部23aは縮小し、ロータ9の外径が小さくなる。これにより、ロータ9とシリンダ7とのクリアランスが常時適性に保持され、圧縮冷媒ガスBのリーク量の増大が防止される。よって、気体圧縮機の圧縮効率の低下が防止され、エアコンシステムの冷房効果を向上させることができる。
【0020】
このように、本実施の形態の気体圧縮機によれば、圧縮冷媒ガスBの吐出圧に応じて伸縮性部材23を適度に伸縮させることで、ロータ9とシリンダ7とのクリアランスが常時適性に保たれるようにしたので、圧縮冷媒ガスBのリーク量が減少され、気体圧縮機の圧縮効率の低下を防止することができ、エアコンシステムの冷房効果を向上させることができる。特に、本実施の形態の気体圧縮機は、気温が高く、圧縮冷媒ガスBの吐出圧が高くなる場合に特に有効であり、この場合、エアコンシステムの冷房効果の著しい向上が期待できる。
【0021】
また、伸縮性部材23の材料として、リン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールを用いたことで、伸縮性部材23は所定形状に容易に加工することができる。さらに、伸縮性部材23の固着手段として、ビーム溶接を用いたので、伸縮性部材23はロータ9の周面に容易かつ強固に固着することができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態の気体圧縮機について詳述したが、本発明は、上記実施の形態記載の気体圧縮機に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
【0023】
たとえば、上記本実施の形態の気体圧縮機は、伸縮性部材23のロータ9の周面への固着手段として、ビーム溶接を用いたが、これ以外の溶接手段を用いても同様の効果が期待できる。また、上記本実施の形態の気体圧縮機では、伸縮性部材23をベーン溝22を除くロータ9の周面全域に亘って設けたが、ロータ9の周面の必要部分のみに選択的に設けても同様の効果が期待できる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の気体圧縮機は、ロータの周面に伸縮性部材が固着され、吐出室内の圧縮冷媒ガスの吐出圧を伸縮性部材に導入する導入路を設けたので、圧縮冷媒ガスの吐出圧により伸縮性部材が伸縮し、ロータとシリンダとのクリアランスが適性に保たれる。従って、圧縮冷媒ガスのリーク量の増大が防止され、圧縮効率の低下を防止することができるので、エアコンシステムの冷房効果を向上させることができる。また、伸縮性部材をリン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールにより形成することで、伸縮性部材は容易に所定形状に加工することができる。さらに、伸縮性部材は溶接によりロータの周面に容易かつ強固に固着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す気体圧縮機のロータの径方向断面図。
【図2】本発明の一実施の形態を示す気体圧縮機のロータの軸方向断面図。
【図3】従来の気体圧縮機の断面図。
【符号の説明】
1 ケーシング
4 圧縮機本体
7 シリンダ
8 シリンダ室
9 ロータ
10 軸部
13 ベーン
14 圧縮室
17 油分離器
18 吐出室
20 油貯溜室
21 オイル通路
22 ベーン溝
23 伸縮性部材
23a 伸縮性部材部
24 導入路
24a 第1導入分路
24b 第2導入分路
A 潤滑油
B 圧縮冷媒ガス
Claims (3)
- 一対のサイドブロック間に設けられた内周略楕円筒状のシリンダと、上記一対のサイドブロックおよび上記シリンダによって形成されるシリンダ室内に回転自在に横架されたロータと、上記ロータに形成されたベーン溝に摺動可能に装着されたベーンとを備え、上記ロータの回転により冷媒ガスを上記シリンダ室内に吸い込み圧縮し、圧縮後の圧縮冷媒ガスを吐出室に吐出する気体圧縮機において、
上記ロータの周面に伸縮性部材が固着されると共に、上記ロータに一端が上記ロータの周面に開口され、上記吐出室内の上記圧縮冷媒ガスの吐出圧を上記伸縮性部材に導入する導入路が形成され、上記圧縮冷媒ガスの吐出圧により上記伸縮性部材を伸縮させることを特徴とする気体圧縮機。 - 上記伸縮性部材は、リン青銅、ベリリウム銅またはステンレススチールからなることを特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
- 上記伸縮性部材は、上記ロータの周面に溶接により固着されたことを特徴とする請求項2記載の気体圧縮機。
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---|---|---|---|
JP35014696A JP3559410B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 気体圧縮機 |
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JP35014696A JP3559410B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 気体圧縮機 |
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JPH10184574A JPH10184574A (ja) | 1998-07-14 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP35014696A Expired - Fee Related JP3559410B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 気体圧縮機 |
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1996
- 1996-12-27 JP JP35014696A patent/JP3559410B2/ja not_active Expired - Fee Related
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