JP2018127980A - 電動圧縮機 - Google Patents

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Kunihisa Matsuda
邦久 松田
宏樹 永野
Hiroki Nagano
宏樹 永野
友哉 服部
Yuya Hattori
友哉 服部
達志 森
Tatsushi Mori
達志 森
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Abstract

【課題】電動圧縮機においてベーンへの所望の背圧の供給と回転軸への所望流量での潤滑油の供給とを両立しつつ、電動圧縮機が大型化することを抑制する。【解決手段】シリンダ室20内において、複数のベーン溝132の各々とベーン140の底面との間に背圧室70が区画されており、かつ、ロータ130およびベーン140によって圧縮室が区画されている。吐出室50内において分離された潤滑油をモータ室10側に流す油通路が、吐出室50とモータ室10との間に設けられている。油通路は、シリンダ室20内において背圧室70を通過する第1油通路F1と、第1油通路F1とは異なり、シリンダ室20内において回転軸150の外周面とロータ130の内周面との間または回転軸150の内部を通過する第2油通路F2とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、電動圧縮機に関し、特に、ベーン型電動圧縮機に関する。
気体圧縮機の構成を開示した先行文献として、特開2000−199489号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された気体圧縮機は、フロント側のサイドブロックとシリンダとリア側のサイドブロックとロータとベーンと回転軸とケーシングとを備える。
気体圧縮機には、ケーシングおよびリア側のサイドブロックによって仕切られた吐出室が形成されている。気体圧縮機には、フロント側のサイドブロック、シリンダ、リア側のサイドブロック、ロータおよびベーンによって仕切られた圧縮室が形成されている。
吐出室の底部は、オイル溜りとなっている。オイル溜りの潤滑油に吐出室内の吐出圧が作用することにより、リア側のサイドブロックの油穴から回転軸の後端側の軸受に潤滑油が圧送され、この軸受の潤滑が行なわれる。
また、オイル溜りの潤滑油の一部が、リア側のサイドブロックの油穴からシリンダの油穴に分流した後、フロント側のサイドブロックの油穴を経由して回転軸の先端側の軸受に圧送されることにより、この軸受の潤滑が行なわれる。
回転軸の先端側の軸受に到達した潤滑油は、フロント側のサイドブロックのロータ側端面に設けられた溝を通じて、ベーンの底部の背圧室に供給される。回転軸の後端側の軸受に到達した潤滑油は、リア側のサイドブロックのロータ側端面に設けられた溝を通じて、ベーンの底部の背圧室に供給される。背圧室に供給される潤滑油の圧力が、ベーンをシリンダの内壁に向かって押し上げる背圧となる。
特開2000−199489号公報
特許文献1に記載の圧縮機のように、回転軸の軸受潤滑のための潤滑供給路と、背圧を供給するための背圧供給路とが、一連の流れで潤滑油を流通するように設けられている場合、ベーンへの所望の背圧の供給と、回転軸への所望流量での潤滑油の供給とを両立することが難しい。また、シリンダにおいて軸受潤滑のための潤滑供給路が圧縮室の外周側に設けられる場合、シリンダの径が大きくなるため、圧縮機の小型化の妨げとなる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ベーンへの所望の背圧の供給と回転軸への所望流量での潤滑油の供給とを両立可能な小型の電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に基づく電動圧縮機においては、ハウジング内に、回転軸を回転させるモータ部を収容するモータ室と、回転軸を介して駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機構部を収容するシリンダ室と、圧縮機構部で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出室とが、この順に並んで配置されている。圧縮機構部は、ロータとベーンとを備える。ロータは、回転軸に連結され、外周に複数のベーン溝が形成されている。ベーンは、複数のベーン溝の各々に出没可能に装着されている。シリンダ室内において、複数のベーン溝の各々とベーンの底面との間に背圧室が区画されており、かつ、ロータおよびベーンによって圧縮室が区画されている。吐出室内において分離された潤滑油をモータ室側に流す油通路が、吐出室とモータ室との間に設けられている。油通路は、シリンダ室内において背圧室を通過する第1油通路と、第1油通路とは異なり、シリンダ室内において回転軸の外周面とロータの内周面との間または回転軸の内部を通過する第2油通路とを含む。
本発明の一形態においては、シリンダ室は、シリンダと、シリンダの端部に固定されるサイドプレートにより区画されている。シリンダおよびサイドプレートの各々には、回転軸と摺接する軸孔が設けられている。回転軸は、シリンダおよびサイドプレートの各々の軸孔のうちの少なくとも一方と摺動する摺動部を有する。摺動部の外周面に、回転軸の軸方向を中心とした螺旋溝が設けられている。
本発明の一形態においては、回転軸は、ロータと嵌合している嵌合部を有している。嵌合部の外周面に、回転軸の軸方向に沿って延在して第2油通路となる溝が設けられている。
本発明の一形態においては、シリンダ室は、シリンダと、シリンダの端部に固定されるサイドプレートにより区画されている。シリンダおよびサイドプレートの各々には、回転軸と摺接する軸孔が設けられている。回転軸は、シリンダおよびサイドプレートの各々の軸孔のうちの少なくとも一方と摺動する摺動部、ロータと嵌合している嵌合部、並びに、回転軸の軸方向に沿う方向において摺動部と嵌合部との間に位置するテーパー部を含む。嵌合部の外周面に、回転軸の軸方向に沿って延在して第2油通路となる溝が設けられている。回転軸の軸方向に沿う方向において、上記溝の少なくとも一部は、ロータより長く、かつ、テーパー部と重なっている。
本発明の一形態においては、サイドプレートの吐出室側にはカバー体が固定されている。サイドプレートとカバー体との間に、吐出室と連通する中間圧室が形成されている。第1油通路および第2油通路の各々は、中間圧室に連通している。
本発明の一形態においては、電動圧縮機は、ロータの内部に配置されたばねをさらに備える。ベーンは、ばねによりロータの外周側に向けて付勢されている。
本発明によれば、電動圧縮機においてベーンへの所望の背圧の供給と回転軸への所望流量での潤滑油の供給とを両立しつつ、電動圧縮機が大型化することを抑制できる。
本発明の実施形態1に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。 図1の電動圧縮機をII−II線矢印方向から見た断面図である。 本発明の実施形態1に係る電動圧縮機が備える回転軸の構造を示す部分斜視図である。 本発明の実施形態1に係る電動圧縮機が備える回転軸とロータとを連結した状態を示す斜視図である。 図4のV部を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る電動圧縮機が備える回転軸およびロータの構造を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る電動圧縮機が備える回転軸およびロータの構造を示す側面図である。 本発明の実施形態5に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態5に係る電動圧縮機が備えるロータおよびベーンを拡大して示す部分断面図である。 図9の電動圧縮機をXI−XI線矢印方向から見た断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る電動圧縮機について図を参照して説明する。以下の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、電動圧縮機の各構成の配置は、説明の便宜上、各図において適宜変更して図示している。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。図2は、図1の電動圧縮機をII−II線矢印方向から見た断面図である。図1および図2に示すように、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100は、吐出ハウジング170とモータハウジング180とを含むハウジング100hを有する。
ハウジング100h内に、モータ室10と、シリンダ室20と、吐出室50とが、この順に回転軸150の軸方向X1に並んで配置されている。モータ室10は、モータハウジング180の内部に形成されている。シリンダ室20および吐出室50は、吐出ハウジング170の内部に形成されている。
モータ室10は、回転軸150を回転させるモータ部190を収容する。シリンダ室20は、圧縮機構部100cを収容する。圧縮機構部100cは、回転軸150を介して駆動されて冷媒を圧縮する。圧縮機構部100cで圧縮された冷媒は、吐出室50に吐出される。吐出室50は、圧縮機構部100cで圧縮された冷媒を外部に吐出する。
圧縮機構部100cは、ロータ130とベーン140とを備える。ロータ130は、回転軸150に連結され、外周に複数のベーン溝132が形成されている。ベーン140は、複数のベーン溝132の各々に出没可能に装着されている。
シリンダ室20内において、複数のベーン溝132の各々とベーン140の底面との間に背圧室70が区画されており、かつ、ロータ130およびベーン140によって圧縮室30が区画されている。
具体的には、シリンダ110と、シリンダ110の端部に固定されているサイドプレート120とによって、シリンダ室20が区画されている。ロータ130は、シリンダ室20に回転可能に設けられている。
回転軸150は、回転軸150の軸方向X1に延在し、モータ部190により駆動される。ロータ130は、回転軸150と同軸状となるように回転軸150に連結されている。カバー体160は、サイドプレート120のシリンダ110側とは反対側の吐出室50側に固定されている。吐出ハウジング170は、シリンダ110の一部、サイドプレート120およびカバー体160を収容する。吐出ハウジング170の形状は、有底筒状である。
シリンダ110、サイドプレート120、ロータ130およびベーン140によって圧縮室30が区画されている。サイドプレート120、カバー体160および吐出ハウジング170によって吐出室50が区画されている。シリンダ110には、回転軸150と摺接する軸孔111が設けられている。
吐出室50内において、油分離部161がカバー体160に固定されている。油分離部161は、圧縮室30と吐出室50との間の連通通路の一部を構成する。油分離部161は、圧縮室30にて圧縮された冷媒ガスから潤滑油を分離させる。
サイドプレート120には、回転軸150と摺接する軸孔121が設けられている。サイドプレート120には、軸孔121から離間した位置に、複数のベーン溝132の各々に連通してベーン140に背圧を供給する背圧供給路が設けられている。
回転軸150の軸方向X1に沿う方向においてロータ130の一端の位置からロータ130の他端の位置まで連通し、シリンダ110の軸孔111と回転軸150との間を潤滑する潤滑供給路が、回転軸150の外周面とロータ130の内周面との間または回転軸150の内部に設けられている。
以下、電動圧縮機100の各構成について詳細に説明する。
モータハウジング180は、略円板状の底部、および、底部の外周部と繋がっている筒状部を含む。底部と筒状部とは、一体で構成されている。モータハウジング180の筒状部の端部は、シリンダ110を内包して、吐出ハウジング170と連結されている。モータハウジング180は、シリンダ110とともに、モータ部190を収容するモータ室10を区画する。
モータハウジング180の筒状部には、モータ室10と外部とを連通する吸入口181が設けられている。モータ室10は、吸入室として機能する。吸入口181には、図示しない蒸発器が接続される。モータハウジング180の底部の中央部には、軸支部182が設けられている。軸支部182に、軸受189が設けられている。軸受189の内周に、回転軸150の軸方向X1における回転軸150の一端部が挿入されて支持されている。
モータ部190は、モータ室10に設けられている。モータ部190は、ステータ191およびモータロータ192を有する。ステータ191は、モータハウジング180の筒状部に固定されている。ステータ191には、クラスタブロック193を通じて給電される。モータロータ192は、ステータ191の内側に、回転可能に設けられている。モータロータ192は、回転軸150と連結されている。
吐出ハウジング170は、略円板状の底部、および、底部の外周部と繋がっている筒状部を含む。底部と筒状部とは、一体で構成されている。吐出ハウジング170の筒状部の端部は、モータハウジング180の筒状部の端部と連結されている。吐出ハウジング170の筒状部には、吐出室50と外部とを連通する吐出口171が設けられている。吐出口171には、図示しない凝縮器に接続される。
シリンダ110は、略円筒状のシリンダ部と、シリンダ部に接続された円板状の底部とを含む。シリンダ110の回転軸150の軸方向X1の一端側の外周に、フランジ部が設けられている。なお、シリンダ110は、シリンダ部の両端が開口するように形成され、吐出室50側の開口端と同様に、モータ室10側の開口端を別体のサイドプレートにより閉塞するように構成されていてもよい。
シリンダ110の回転軸150の軸方向X1の一端側の中央部には、回転軸150と摺接する軸孔111が設けられている。軸孔111の表面には、耐摩耗性を有するめっき膜が設けられていることが好ましい。
シリンダ110には、回転軸150の軸方向X1の他端側に開口する凹部112が設けられ、内部にシリンダ室20が形成されている。凹部112の内周面は略円状の断面形状を有し、凹部112の中心は回転軸150の中心軸上の位置に対して偏心している。凹部112の底面に、軸孔111の外周を取り囲む環状溝113が設けられている。シリンダ室20内には、圧縮機構部を構成するロータ130およびベーン140が収容されている。
シリンダ110には、吐出ハウジング170の内周面とともに吐出空間40を区画する切り欠き部117、吐出空間40とシリンダ室20とを連通させる吐出ポート116、回転軸150の軸方向X1に沿う方向の一端側に開口した吸入通路114、および、吸入通路114の内部とシリンダ室20とを連通させる吸入ポート115が設けられている。吸入通路114および吸入ポート115によって、モータ室10とシリンダ室20とが互いに連通している。
図2に示すように、吐出空間40には、リード弁41、リテーナ42およびボルト43が配置されている。ボルト43は、リード弁41およびリテーナ42をシリンダ110に固定している。リード弁41は、吐出ポート116を開閉する。
サイドプレート120は、略円板状の形状を有している。サイドプレート120の外周面は、吐出ハウジング170の内周面と対向している。サイドプレート120の外周面と吐出ハウジング170の内周面との間は、Oリングによって封止されている。
サイドプレート120の中央部には、回転軸150と摺接する軸孔121が設けられている。軸孔121の表面には、耐摩耗性を有するめっき膜が設けられていることが好ましい。サイドプレート120における回転軸150の軸方向X1の一端側に、軸孔121の外周を取り囲む環状溝123が設けられている。サイドプレート120の環状溝123は、シリンダ110の環状溝113と対向している。サイドプレート120における回転軸150の軸方向X1の他端側に、軸孔121と同心円状に突出した突出部125が設けられている。
サイドプレート120には、吐出空間40と連通する連通孔122が設けられている。サイドプレート120には、環状溝123の内部と連通した貫通孔124が設けられている。環状溝123および貫通孔124によって、背圧供給路の一部が構成されている。サイドプレート120とシリンダ110とは、ボルト129によって互いに固定されている。
図2に示すように、ロータ130の外周面は、略円形状の断面形状を有する。ロータ130の中央部には、回転軸150が挿入されて固定される軸孔131が設けられている。ロータ130には、外周から軸孔131に向かう深さ方向を有する複数のベーン溝132が、互いに周方向に間隔をあけて設けられている。
複数のベーン溝132の各々に、ベーン140が装着されている。複数のベーン溝132の各々とベーン140の底面との間に背圧室70が区画されている。図1に示すように、背圧室70は、シリンダ110の環状溝113の内部、および、サイドプレート120の環状溝123の内部に、連通している。
ベーン140は、ベーン溝132の内壁と摺接して、ベーン溝132に対して出没可能に設けられている。具体的には、ロータ130が矢印R1方向に回転した際に受ける遠心力および背圧室70から受ける背圧によって、ベーン140はベーン溝132から突出する方向に力を受ける。ベーン140の先端は、シリンダ室20の内周面と摺接する。そのため、ロータ130が矢印R1方向に回転して、シリンダ室20の内周面とロータ130の外周面とが近接するときには、ベーン140はシリンダ室20の内周面からベーン溝132に没入する方向に力を受ける。この相反する方向に作用する力を受けることによって、ベーン140はロータ130の回転に伴ってベーン溝132から繰り返し出没する。
図3は、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機が備える回転軸の構造を示す部分斜視図である。図4は、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機が備える回転軸とロータとを連結した状態を示す斜視図である。図5は、図4のV部を拡大して示す斜視図である。
図1〜図5に示すように、回転軸150は、シリンダ110の軸孔111と摺動する第1摺動部151、サイドプレート120の軸孔121と摺動する第2摺動部152、および、ロータ130の軸孔131と嵌合している嵌合部153を有する。回転軸150は、回転軸150の軸方向X1に沿う方向において第1摺動部151と嵌合部153との間に位置し、嵌合部153に近づくに従って漸次縮径する第1テーパー部154、および、回転軸150の軸方向X1に沿う方向において第2摺動部152と嵌合部153との間に位置し、嵌合部153から遠ざかるに従って漸次縮径する第2テーパー部155をさらに有する。第1摺動部151の径は、第2摺動部152の径より大きい。第1テーパー部154上の潤滑油および第2テーパー部155上の潤滑油は、遠心力によりテーパー形状に沿って外周側へ流されるため、モータ室10に向かう潤滑油の流れが促進される。回転軸150には、第2テーパー部155と第2摺動部152との間に、くびれ部157が設けられている。
本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100が備える回転軸150においては、嵌合部153の外周面に、回転軸150の軸方向X1に沿って延在して油通路となる溝156が設けられている。回転軸150の軸方向X1に沿う方向において、図3に示す溝156の長さL1は、図4に示すロータ130の長さL2より長く、溝156の両端部は、ロータ130によって閉塞されずに開口している。溝156の少なくとも一部は、第1テーパー部154および第2テーパー部155と重なっている。すなわち、回転軸150の軸方向X1に沿う方向における溝156の一端が、第1テーパー部154が設けられている領域に到達しており、回転軸150の軸方向X1に沿う方向における溝156の他端が、第2テーパー部155が設けられている領域に到達している。なお、溝156は、第1テーパー部154を超えて第1摺動部151まで到達していてもよく、第2テーパー部155を超えて第2摺動部152まで到達していてもよい。溝156のモータ室10側の端部の開口から流出した潤滑油が、第1テーパー部154に沿って外周側に送出されることにより、第1摺動部151への潤滑油の流れが促進される。
図2に示すように、シリンダ室20内に、シリンダ110の凹部112の内周面および底面と、ロータ130の外周面と、ロータ130の周方向において互いに隣接するベーン140と、サイドプレート120とによって、圧縮室30が区画されている。
図1に示すように、カバー体160は、ボルト169によってサイドプレート120に固定されている。カバー体160の外周面と吐出ハウジング170の内周面との間には、隙間が設けられている。
サイドプレート120とカバー体160との間には、ガスケットが設けられている。カバー体160の回転軸150の軸方向X1の一端側に、サイドプレート120の突出部125に沿う形状を有しつつ、サイドプレート120を互いの間に挟んでシリンダ110の凹部112と対向する凹部167が設けられている。凹部167の中心は回転軸150の中心軸の位置に対して、凹部112と同様に偏心している。
サイドプレート120と、カバー体160と、サイドプレート120およびカバー体160に挟まれているガスケットと、回転軸150とによって、中間圧室60が区画されている。中間圧室60は、サイドプレート120の貫通孔124および環状溝123を通じて背圧室70と連通している。
カバー体160の回転軸150の軸方向X1に沿う方向の他端側に、油分離部161が設けられている。油分離部161は、油分離室162および油分離室162内に設けられた筒部材163を含む。油分離室162の一端に、開口が設けられ、当該開口に筒部材163が固定されており、油分離室162の他端に、排油口165が設けられている。
筒部材163は、大径部および小径部を含む。筒部材163の大径部が、油分離室162の開口に圧入されている。筒部材163の小径部は、油分離室162の内壁と隙間をあけて油分離室162の内部に位置している。
カバー体160には、サイドプレート120の連通孔122と連通する連通孔164が設けられている。連通孔122と連通孔164とによって、吐出空間40と油分離室162とを連通する吐出通路が構成されている。吐出空間40から油分離室162内に流入した冷媒ガスは、筒部材163の小径部の外周と油分離室162の内壁との間を旋回しつつ移動する際に、潤滑油が遠心分離される。
油分離室162内で分離された潤滑油は、排油口165から吐出室50に流出する。潤滑油を分離された冷媒ガスは、筒部材163の内側を通過して大径部の開口から吐出口171に向けて流出する。
カバー体160の外表面には、リブ168が設けられている。リブ168は、吐出室50内の冷媒と衝突することにより、冷媒から潤滑油を分離する機能を有している。カバー体160には、吐出室50の底部と中間圧室60とを連通させる連通路166が設けられている。すなわち、サイドプレート120とカバー体160との間に、吐出室50と連通する中間圧室60が形成されている。
本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100においては、モータ部190が駆動することにより、回転軸150が回転する。これにより、ロータ130がシリンダ室20内で回転し、圧縮室30内の容積が拡大と縮小とを繰り返す。容積が拡大している圧縮室30には、モータ室10から吸入通路114および吸入ポート115を通過した低圧の冷媒が流入する。
容積が縮小している圧縮室30では、冷媒が圧縮される。圧縮された高圧の冷媒は、リード弁41を押し退けて吐出ポート116を通過して吐出空間40に流入する。吐出空間40から連通孔122および連通孔164を通過して油分離室162において潤滑油が分離された冷媒ガスは、吐出室50に流入する。
吐出室50と吸入室としてのモータ室10との間には、吐出室50内の潤滑油をモータ室10側に流す油通路が設けられている。吐出室50の底部に溜まった潤滑油は、吐出室50内に流入した冷媒ガスの圧力によって、連通路166を通過して中間圧室60に流入する。このときの圧力損失によって、中間圧室60の内部の圧力は、吐出室50の内部の圧力より低くなる。なお、中間圧室60の内部の圧力は、吸入室であるモータ室10の内部の圧力より高い。
中間圧室60に流入した潤滑油は、シリンダ室20内において2つの経路に分かれて流動する。一方の油通路は、背圧室70を通過する第1油通路F1であり、他方の油通路は、第1油通路F1とは異なり、回転軸150の外周面とロータ130の内周面との間を通過する第2油通路F2である。すなわち、第1油通路F1および第2油通路F2の各々は、中間圧室60に連通している。
具体的には、中間圧室60に流入した潤滑油の一部は、サイドプレート120の軸孔121と回転軸150の第2摺動部152との間を通過した後、第2テーパー部155に沿って溝156の内部に流入する。溝156の内部を通過した潤滑油は、第1テーパー部154に沿ってシリンダ110の軸孔111と回転軸150の第1摺動部151との間に流入する。シリンダ110の軸孔111と回転軸150の第1摺動部151との間を通過した潤滑油は、モータ室10内に流入する。このように、回転軸150の軸受を潤滑する潤滑供給路が構成されている。
中間圧室60に流入した潤滑油の他の一部は、サイドプレート120の貫通孔124および環状溝123を通過して背圧室70に流入する。背圧室70に流入した潤滑油の一部は、ベーン140とベーン溝132との間のクリアランスを通過して圧縮室30に流入する。背圧室70に流入した潤滑油の一部は、環状溝113,123を経由して、より低圧の他の背圧室70に流入する。背圧室70に流入した潤滑油の一部は、ロータ130とシリンダ110との間のクリアランスを通過して回転軸150とシリンダ110との間の第1摺動部151に達し、第1摺動部151からモータ室10内に流入する。
このように、油通路は、中間圧室60から分岐しており、シリンダ室20内において第1油通路F1と第2油通路F2とを含む。第1油通路F1は、主に背圧供給路の一部を構成する。第2油通路F2は、主に潤滑供給路の一部を構成する。
油通路により、吐出室50から遠い位置にあるモータ室10側の回転軸150まで、十分に潤滑油を流すことができ、かつ、ベーン140の背圧室70にも、適量の潤滑油を供給することができる。そのため、潤滑供給路に流れる潤滑油の流量と、背圧供給路に流入した潤滑油の圧力とを別々に設定することができる。具体的には、サイドプレート120の軸孔121と回転軸150の第2摺動部152との間のクリアランス、溝156の幅および深さ、並びに、シリンダ110の軸孔111と回転軸150の第1摺動部151との間のクリアランスを変更することにより、潤滑供給路を流れる潤滑油の流量を変更することができる。また、サイドプレート120の貫通孔124の径を変更することにより、貫通孔124を潤滑油が通過した際の圧力損失量が変わるため、背圧供給路に流入した潤滑油の圧力である背圧を変更することができる。
従って、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100は、ベーン140への所望の背圧の供給と回転軸150への所望流量での潤滑油の供給とを両立することができる。その結果、回転軸150およびベーン140の摩耗を抑制しつつ、ベーン140の挙動を安定させることにより、電動圧縮機100の圧縮性能を安定させることができる。
特に、モータ室10側の第1摺動部151は、吐出室50とはシリンダ室20を挟んだ反対側に位置して吐出室50から離れており、吐出室50からの潤滑油を供給しにくい位置であるが、第1油通路F1とは異なる第2油通路F2が設けられているため、モータ室10側にある第1摺動部151にも所望流量の潤滑油を供給することができる。
本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100においては、回転軸150の嵌合部153に溝156を設けているため、回転軸150の嵌合部153とロータ130との間に作用する圧縮応力が、溝156の開口端に集中する。その結果、回転軸150に対するロータ130の回り止めの効果を得ることができる。
また、回転軸150の軸受を潤滑する潤滑供給路を回転軸150の外周面とロータ130の内周面との間に設けているため、シリンダ110の径が大きくなることがなく、電動圧縮機100が大型化することを抑制できる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る電動圧縮機について図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態2に係る電動圧縮機は、回転軸の軸受を潤滑する潤滑供給路を構成する溝がロータの内周面に設けられている点が主に、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と異なるため、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図6は、本発明の実施形態2に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る電動圧縮機は、ロータ230を備える。図6に示すように、本発明の実施形態2に係る電動圧縮機においては、ロータ230の内周面に、回転軸150の軸方向X1に沿って延在して第2油通路F2となる溝233が設けられている。なお、回転軸150には、溝156は設けられていない。
本発明の実施形態2に係る電動圧縮機においては、中間圧室60に流入した潤滑油の一部は、サイドプレート120の軸孔121と回転軸150の第2摺動部152との間を通過した後、溝233の内部に流入する。溝233の内部を通過した潤滑油は、シリンダ110の軸孔111と回転軸150の第1摺動部151との間に流入する。シリンダ110の軸孔111と回転軸150の第1摺動部151との間を通過した潤滑油は、モータ室10内に流入する。このように、回転軸150の軸受を潤滑する潤滑供給路が構成されている。
本発明の実施形態2に係る電動圧縮機においても、ベーン140への所望の背圧の供給と回転軸150への所望流量での潤滑油の供給とを両立することができる。また、ロータ230の内周面に溝233を設けているため、回転軸150の嵌合部153とロータ230との間に作用する圧縮応力が、溝233の開口端に集中する。その結果、回転軸150に対するロータ230の回り止めの効果を得ることができる。さらに、回転軸150の軸受を潤滑する潤滑供給路を回転軸150の外周面とロータ230の内周面との間に設けているため、シリンダ110の径が大きくなることがなく、電動圧縮機が大型化することを抑制できる。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係る電動圧縮機について図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態3に係る電動圧縮機は、回転軸の軸受を潤滑する潤滑供給路を構成する孔が回転軸の内部に設けられている点が主に、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と異なるため、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図7は、本発明の実施形態3に係る電動圧縮機が備える回転軸およびロータの構造を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る電動圧縮機は、回転軸350を備える。図7に示すように、本発明の実施形態3に係る電動圧縮機においては、回転軸350の内部に、回転軸350の軸方向X1に延在して第2油通路F2となる孔351が設けられている。孔351における回転軸350の軸方向X1の端部には、蓋部材359が挿入されている。
回転軸350には、回転軸350の軸方向X1に沿う方向においてロータ130の一端の外側の位置に、回転軸350の径方向に延在して孔351と連通している孔352が設けられている。回転軸350には、回転軸350の軸方向X1に沿う方向においてロータ130の他端の外側の位置に、回転軸350の径方向に延在して孔351と連通している孔353が設けられている。
本発明の実施形態3に係る電動圧縮機においては、中間圧室60に流入した潤滑油の一部は、サイドプレート120の軸孔121と回転軸350の第2摺動部152との間を通過した後、孔353から孔351の内部に流入する。孔351の内部を通過した潤滑油は、孔352から回転軸350の外側に流出し、シリンダ110の軸孔111と回転軸350の第1摺動部151との間に流入する。シリンダ110の軸孔111と回転軸350の第1摺動部151との間を通過した潤滑油は、モータ室10内に流入する。このように、回転軸350の軸受を潤滑する潤滑供給路が構成されている。
本発明の実施形態3に係る電動圧縮機においても、ベーン140への所望の背圧の供給と回転軸350への所望流量での潤滑油の供給とを両立することができる。また、回転軸350の軸受を潤滑する潤滑供給路を回転軸350の内部に設けているため、シリンダ110の径が大きくなることがなく、電動圧縮機が大型化することを抑制できる。
(実施形態4)
以下、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機について図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機は、回転軸の摺動部の外周面に螺旋溝が設けられている点が主に、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と異なるため、本発明の実施形態1に係る電動圧縮機100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図8は、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機が備える回転軸およびロータの構造を示す側面図である。本発明の実施形態4に係る電動圧縮機は、回転軸450を備える。図8に示すように、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機が備える回転軸450には、第1摺動部151の外周面に、回転軸450の軸方向X1を中心とした第1螺旋溝451が設けられている。回転軸450には、第2摺動部152の外周面に、回転軸450の軸方向X1を中心とした第2螺旋溝452が設けられている。
第1螺旋溝451は、回転軸450の軸方向X1に沿う方向における第1摺動部151の一端から他端まで連続して設けられている。第1螺旋溝451は、回転軸450の回転により、シリンダ110の軸孔111と回転軸450の第1摺動部151との間に潤滑油を吸い込むように螺旋状に設けられている。
第2螺旋溝452は、回転軸450の軸方向X1に沿う方向における第2摺動部152の一端から他端まで連続して設けられている。第2螺旋溝452は、回転軸450の回転により、サイドプレート120の軸孔121と回転軸450の第2摺動部152との間に潤滑油を吸い込むように螺旋状に設けられている。
本発明の実施形態4に係る電動圧縮機においても、ベーン140への所望の背圧の供給と回転軸450への所望流量での潤滑油の供給とを両立することができる。また、シリンダ110の軸孔111と回転軸450の第1摺動部151との間のクリアランス、および、サイドプレート120の軸孔121と回転軸450の第2摺動部152との間のクリアランスを小さくすることができる。これにより、シリンダ110の軸孔111、回転軸450の第1摺動部151、サイドプレート120の軸孔121、および、回転軸450の第2摺動部152において、フレッティング摩耗が発生することをより抑制できる。また、螺旋状に溝を設けることで、回転軸450の全周に亘って容易に溝を設けることができるとともに、潤滑油を回転軸450の軸受の全周に行き渡らせて、潤滑性を向上することができる。
(実施形態5)
以下、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機について図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機は、ベーンがばねにより付勢されている点が主に、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機と異なるため、本発明の実施形態4に係る電動圧縮機と同様である構成については説明を繰り返さない。
図9は、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機の構成を示す断面図である。図10は、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機が備えるロータおよびベーンを拡大して示す部分断面図である。図11は、図9の電動圧縮機をXI−XI線矢印方向から見た断面図である。
図9〜図11に示すように、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機500は、ロータ530と回転軸550とを備える。本発明の実施形態5に係る電動圧縮機500は、ロータ530の内部に配置されたばね590、および、伝達ピン540をさらに備える。
圧縮機構部500cは、ロータ530とベーン140とを備える。ベーン140は、ばね590によりロータ530の外周側に向けて付勢されている。ばね590は、圧縮コイルばねである。ばね590は、常に圧縮された状態となるように取り付けられている。
具体的には、電動圧縮機500は、回転軸550の軸方向X1に対して互いに線対称に位置するようにベーン140を備えている。ベーン140の底部には、2つの凹部141が設けられている。2つの凹部141は、回転軸550の軸方向X1に沿う方向において互いに間隔をあけて位置している。
各々の凹部141には、伝達ピン540が僅かなクリアランスをもって嵌合している。伝達ピン540は、略円柱状の形状を有する。伝達ピン540は、ベーン140の凹部141に嵌合する嵌合部541、フランジ部542、および、ばね590の内周側に挿入される軸部543を有する。フランジ部542は、嵌合部541と軸部543との間に設けられている。フランジ部542の嵌合部541側の面は、ベーン140の底面と接触し、フランジ部542の軸部543側の面は、ばね590の端面と接触する。
ロータ530には、ロータ530の径方向に延在してベーン溝132の底面から軸孔131まで到達している連通孔538が設けられている。各ベーン溝132に対して2つの連通孔538が、回転軸550の軸方向X1に沿う方向において互いに間隔をあけて位置している。各々の連通孔538には、伝達ピン540の軸部543およびばね590が挿入される。
回転軸550の嵌合部153には、回転軸550の径方向に延在する2つの貫通孔558が設けられている。2つの貫通孔558は、ロータ530の径方向に延在する2つの連通孔538と1対1で対応して連通している。ロータ530の径方向に延在する2つの連通孔538のうちの、一方が一方の貫通孔558に接続し、他方が他方の貫通孔558に接続している。
その結果、ロータ530の径方向の一端側に位置する背圧室70と、ロータ530の径方向の他端側に位置する背圧室70とは、連通孔538および貫通孔558によって、互いに連通している。すなわち、連通孔538および貫通孔558は、背圧供給路の一部を構成している。なお、図11に示すように、回転軸550の嵌合部153の溝156の内部は、貫通孔558とは連通していない。
なお、回転軸550は、実施形態4の回転軸450とは、2つの貫通孔558がさらに設けられている点のみ異なる。よって、回転軸550の第1摺動部151の外周面には、回転軸550の軸方向X1を中心とした第1螺旋溝451が設けられている。回転軸550の第2摺動部152の外周面には、回転軸550の軸方向X1を中心とした第2螺旋溝452が設けられている。
サイドプレート520には、環状溝123の内部と連通した貫通孔526が設けられている。環状溝123および貫通孔526によって、背圧供給路の一部が構成されている。吐出室50は、サイドプレート520の貫通孔526および環状溝123を通じて背圧室70と連通している。貫通孔526は、中間圧室60とは連通していない。このように、本実施形態においては、回転軸550の軸受を潤滑する潤滑供給路と背圧供給路とは、吐出室50から分岐して設けられている。
本発明の実施形態5に係る電動圧縮機500においても、ベーン140への所望の背圧の供給と回転軸550への所望流量での潤滑油の供給とを両立することができる。また、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機500においては、ベーン140に背圧およびばね590の付勢力を作用させることにより、背圧が低くなっているモータ部190の駆動開始直後から、ベーン140をシリンダ110の凹部112の内周面に安定して接触させることができる。その結果、モータ部190の駆動開始直後から、電動圧縮機500の圧縮性能を安定させることができる。
特に、実施形態5に係る電動圧縮機500においては、背圧供給路の一部である貫通孔558が回転軸550の内部に設けられるため、回転軸550の軸受を潤滑する潤滑供給路を回転軸550に設ける位置に制約を受けるが、第2油通路F2となる溝156を回転軸550の外周面に設けることで、シリンダ室20内で、背圧供給路と潤滑供給路とが連通しないように構成することができる。
なお、本発明の実施形態5に係る電動圧縮機500においては、背圧供給路が中間圧室60と連通していないため、第1螺旋溝451および第2螺旋溝452の各々を深くしたことにより中間圧室60内の圧力が低くなった場合においても、ベーン140に供給される背圧を維持することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 モータ室、20 シリンダ室、30 圧縮室、40 吐出空間、41 リード弁、42 リテーナ、43,129,169 ボルト、50 吐出室、60 中間圧室、70 背圧室、100,500 電動圧縮機、100c,500c 圧縮機構部、100h ハウジング、110 シリンダ、111,121,131 軸孔、112,141,167 凹部、113,123 環状溝、114 吸入通路、115 吸入ポート、116 吐出ポート、117 切り欠き部、120,520 サイドプレート、122,164,538 連通孔、124,526,558 貫通孔、125 突出部、130,230,530 ロータ、132 ベーン溝、140 ベーン、150,350,450,550 回転軸、151 第1摺動部、152 第2摺動部、153,541 嵌合部、154 第1テーパー部、155 第2テーパー部、156,233 溝、157 くびれ部、160 カバー体、161 油分離部、162 油分離室、163 筒部材、165 排油口、166 連通路、168 リブ、170 ハウジング、171 吐出口、180 モータハウジング、181 吸入口、182 軸支部、189 軸受、190 モータ部、191 ステータ、192 モータロータ、193 クラスタブロック、351,352,353 孔、359 蓋部材、451 第1螺旋溝、452 第2螺旋溝、540 伝達ピン、542 フランジ部、543 軸部、590 ばね、F1 第1油通路、F2 第2油通路、X1 回転軸の軸方向。

Claims (6)

  1. ハウジング内に、回転軸を回転させるモータ部を収容するモータ室と、前記回転軸を介して駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機構部を収容するシリンダ室と、前記圧縮機構部で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出室とが、この順に並んで配置されており、
    前記圧縮機構部は、
    前記回転軸に連結され、外周に複数のベーン溝が形成されたロータと、
    前記複数のベーン溝の各々に出没可能に装着されたベーンとを備え、
    前記シリンダ室内において、前記複数のベーン溝の各々と前記ベーンの底面との間に背圧室が区画されており、かつ、前記ロータおよび前記ベーンによって圧縮室が区画されており、
    前記吐出室内において分離された潤滑油を前記モータ室側に流す油通路が、前記吐出室と前記モータ室との間に設けられており、
    前記油通路は、
    前記シリンダ室内において前記背圧室を通過する第1油通路と、
    前記第1油通路とは異なり、前記シリンダ室内において前記回転軸の外周面と前記ロータの内周面との間または前記回転軸の内部を通過する第2油通路とを含む、電動圧縮機。
  2. 前記シリンダ室は、シリンダと、該シリンダの端部に固定されるサイドプレートにより区画されており、
    前記シリンダおよび前記サイドプレートの各々には、前記回転軸と摺接する軸孔が設けられており、
    前記回転軸は、前記シリンダおよび前記サイドプレートの各々の前記軸孔のうちの少なくとも一方と摺動する摺動部を有し、
    前記摺動部の外周面に、前記回転軸の軸方向を中心とした螺旋溝が設けられている、請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記回転軸は、前記ロータと嵌合している嵌合部を有し、
    前記嵌合部の外周面に、前記回転軸の軸方向に沿って延在して前記第2油通路となる溝が設けられている、請求項1または請求項2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記シリンダ室は、シリンダと、該シリンダの端部に固定されるサイドプレートにより区画されており、
    前記シリンダおよび前記サイドプレートの各々には、前記回転軸と摺接する軸孔が設けられており、
    前記回転軸は、前記シリンダおよび前記サイドプレートの各々の前記軸孔のうちの少なくとも一方と摺動する摺動部、前記ロータと嵌合している嵌合部、並びに、前記回転軸の軸方向に沿う方向において前記摺動部と前記嵌合部との間に位置するテーパー部を含み、
    前記嵌合部の外周面に、前記回転軸の軸方向に沿って延在して前記第2油通路となる溝が設けられており、
    前記回転軸の前記軸方向に沿う方向において、前記溝の少なくとも一部は、前記ロータより長く、かつ、前記テーパー部と重なっている、請求項1に記載の電動圧縮機。
  5. 前記サイドプレートの前記吐出室側にはカバー体が固定されており、
    前記サイドプレートと前記カバー体との間に、前記吐出室と連通する中間圧室が形成されており、
    前記第1油通路および前記第2油通路の各々は、前記中間圧室に連通している、請求項2または請求項4に記載の電動圧縮機。
  6. 前記ロータの内部に配置されたばねをさらに備え、
    前記ベーンは、前記ばねにより前記ロータの外周側に向けて付勢されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動圧縮機。
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