JP3559388B2 - 磁気テープ記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁変換特性に優れ且つその保存安定性に優れた磁気テープ記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、磁気記録媒体は、テープ、ディスク、ドラム或いはシート等の形態で汎用されている。このような磁気記録媒体は、通常、ポリエステルフィルムのような非磁性支持体上に、磁性粉末及び結合剤を主成分とする磁性塗料を塗布して磁性層を形成し、更に該非磁性支持体の裏面にバックコート層を形成する等して製造されている。そして、特に近年においては、磁気記録媒体に対し、その小型化と共に記録の高密度化が要求されている。斯る要求に応えるために、例えば、磁性層と非磁性支持体との間に中間層として他の磁性層や非磁性層を設けた多層構造の磁気記録媒体が提案されている。
【0003】
しかし、上述の磁気記録媒体においては、電磁変換特性及びその保存安定性が悪いという問題があり、具体的には、保存時において電磁変換特性の低下が生じる等の問題がある。
【0004】
このような問題を解決すべく、種々の提案が開示されている。例えば、特公平4−79046号公報においては、磁性層中の磁性粉末の比表面積や該磁性層の残留溶剤量及び表面粗さを規定した磁気記録媒体が開示され、特開昭63−255814号公報においては、バックコート層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体が開示され、特開平3−288329号公報においては、磁性層及びバックコート層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体の製造方法が開示され、特開平2−87320号公報においては、磁性層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体が開示され、特開平4−229415号公報においては、磁性層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体及びその製造方法が開示され、特開平2−310821号公報においては、磁性層及び/又はバックコート層の残留溶剤量及び損失正接のピーク温度を規定した磁気記録媒体が開示され、特開平1−241019号公報においては、磁性層あるいはバックコート層等の塗布層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体が開示されている。
【0005】
また、特開平1−277325号公報においては、磁性層中の磁性粉末の比表面積やカーボンブラックの平均粒径、及び磁性層の残留溶剤量を規定した磁気記録媒体が開示され、特公平6−42285号公報においては、特定の結合剤を用い、磁性層を乾燥処理してその残留溶剤量が特定の範囲になったときカレンダー処理を施し、その後充分に乾燥させる磁気記録媒体の製造方法が開示され、特開平1−94531号公報においては、磁性塗料の溶剤組成として特定の蒸発指数を有する有機溶剤を含むものを用い、磁性層の残留溶剤量が特定の範囲の状態でカレンダー処理し、次いで充分に乾燥する磁気記録媒体の製造方法が開示され、特開昭64−86324号公報においては、少なくとも1層の磁性層を有し、結合剤の硬化成分として重合系ポリイソシアネートを含み、カレンダー処理を塗布層の残留溶剤量が特定の範囲になるように乾燥した後に行なう磁気記録媒体の製造方法が開示されている。
【0006】
しかし、これらの公報に開示された提案でも、未だ上述の問題が十分に解決されておらず、更に、電磁変換特性及び保存安定性に優れる磁気記録媒体の開発が要望されているのが現状である。
【0007】
従って、本発明の目的は、電磁変換特性に優れ、更には、保存時における電磁変換特性の低下が少ない等、保存安定性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、非磁性支持体の表面側に位置する層が特定の残留溶剤量を有し、磁性層が特定の強磁性金属粉末を有し且つ特定の厚み及び中心線表面粗さを有し、また、非磁性支持体の裏面側に位置する層が特定の残留溶剤量を有し、バックコート層が特定の中心線表面粗さを有する磁気テープ記録媒体が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、非磁性支持体と表層と裏層とからなり、該表層は、該非磁性支持体の表面側に設けられた中間層と最上層としての磁性層とを具備し、該裏層は、該非磁性支持体の裏面側に設けられたバックコート層を具備し、該磁性層は、強磁性金属粉末及びバインダを含む磁気テープ記録媒体において、
上記表層の残留溶剤量は、5〜1000ppmであり、
上記強磁性金属粉末は、鉄を主体とする強磁性金属粉末であり、ランタノイドを含む周期律表のIIIa族の元素、即ち、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びY等、からなる群より選択された一種以上をFe原子100重量部に対して0.8〜20重量部含み、
上記磁性層の厚みは、0.05〜0.6μmであり、
上記磁性層の中心線表面粗さRaは、1〜5nmであり、
上記裏層の残留溶剤量は、5〜800ppmであり、
上記バックコート層の中心線表面粗さRaは、2〜8nmである
ことを特徴とする磁気テープ記録媒体を提供するものである。
ここで、上記「残留溶剤量」は、製造直後の磁気テープ記録媒体における残留溶剤量並びに通常の使用・保存状態で使用・保存された磁気テープ記録媒体における残留溶剤量のいずれをも指し、後述の実施例における測定法に従って示される値である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気テープ記録媒体について詳細に説明する。
先ず、図1を参照して、本発明の磁気テープ記録媒体の好ましい構成を例示して説明する。
図1に示す本発明の磁気テープ記録媒体1は、非磁性支持体2と、該非磁性支持体2の表面側に設けられた中間層3と該中間層3上に設けられた最上層としての磁性層4とを具備する表層10と、該非磁性支持体2の裏面側に設けられたバックコート層5を具備する裏層20とからなる。また、該磁性層4は、強磁性金属粉末及びバインダを含む。
【0011】
尚、本発明の磁気テープ記録媒体には、上記非磁性支持体2、上記中間層3、上記磁性層4及び上記バックコート層5以外に、更に、上記表層10又は上記裏層20中に他の層を設けることができる。具体的には、非磁性支持体2と中間層3又はバックコート層5との間にプライマー層を設けたり、上記表層10中(非磁性支持体2と中間層3との間、又は中間層3と磁性層4との間)に長波長信号を使用するハードシステムに対応してサーボ信号等を記録するために設けられる他の磁性又は非磁性の層等を設けてもよい。
【0012】
而して、本発明の磁気テープ記録媒体は、上記表層の残留溶剤量は5〜1000ppmであり、上記強磁性金属粉末は、鉄を主体とする強磁性金属粉末であり、ランタノイドを含む周期律表のIIIa族の元素の一種以上をFe原子100重量部に対して0.8〜20重量部含み、上記磁性層の厚みは0.05〜0.6μmであり、上記磁性層の中心線表面粗さRaは1〜5nmであり、上記裏層の残留溶剤量は5〜800ppmであり、上記バックコート層の中心線表面粗さRaは2〜8nmであることを特徴とする。
【0013】
以下、本発明の磁気テープ記録媒体の詳細について、その構成に従って説明する。
本発明の磁気テープ記録媒体において用いられる上記非磁性支持体は、通常公知のものを特に制限されることなく用いることができるが、具体的には、高分子樹脂からなる可撓性フィルム;Cu,Al,Zn等の非磁性金属、ガラス、磁器、陶器等のセラミック等からなるフィルム等を用いることができる。
【0014】
上記可撓性フィルムを形成する上記高分子樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキシレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられ使用に際しては、単独若しくは2種以上併用して用いることができる。
【0015】
本発明の磁気テープ記録媒体において用いられる上記表層は、上記非磁性支持体の表面側に設けられた中間層と該中間層上に設けられた最上層としての磁性層とを具備する。
【0016】
上記表層は、上述したように、その残留溶剤量が5〜1000ppmであり、好ましくは5〜900ppm、更に好ましくは5〜800ppmである。即ち、上記表層が中間層と磁性層との2層のときは、この2層全体の残留溶剤量がこの範囲にあり、他の層を有する3層以上からなるときは、これら全体の残留溶剤量がこの範囲にある。該残留溶剤量を5ppm未満とするのは製造上困難であり、また該残留溶剤量が1000ppmを超えると、(1)磁気テープを巻き取った後に磁性層とテープの裏層とが粘着して磁性面が荒れ、更にその粘着が甚だしい場合には磁性面のはがれやテープ切れを生じる、更に、(2)磁気テープのカーリングが発生する、等の問題が生じる。
尚、ここでppmは、重量基準である。
【0017】
本発明の磁気テープ記録媒体において、上記非磁性支持体の表面側に設けられる上記表層の必須構成層である上記中間層は、磁性を有する層であっても、磁性を有しない層であってもよい。
上記中間層が磁性を有する層である場合には、上記中間層は、磁性粉末を含有する磁性の層(以下、「磁性中間層」という)であって、上記非磁性支持体上に該磁性粉末を含有する磁性の塗料を塗布して形成される。
また、上記中間層が磁性を有しない層である場合には、上記中間層は、磁性粉末を含有しない非磁性の層(以下、「非磁性中間層」という)であって、上記非磁性支持体上に非磁性の塗料を塗布して形成される。
尚、本発明においては、上記の磁性の塗料及び上記の非磁性の塗料の両者を総称して中間塗料ということもある。
【0018】
上記磁性中間層の形成に用いられる磁性の塗料は、磁性粉末、バインダ及び中間塗料用溶剤を主成分とする塗料を好ましく用いることができる。
【0019】
上記の磁性の塗料に用いられる磁性粉末としては、強磁性粉末が好ましく用いられ、該強磁性粉末としては、軟磁性粉末及び硬磁性粉末のいずれも好ましく用いられる。
該軟磁性粉末としては、軟磁性粉末であればその種類等は特に制限されないが、特に磁気ヘッドや電子回路等のいわゆる弱電機器に用いられるものが好ましく、例えば近角聡信著「強磁性体の物理(下)磁気特性と応用」(裳華房,1984年)368〜376頁に記載されているソフト磁性材料が使用でき、具体的には、酸化物軟磁性粉末が挙げられる。
上記酸化物軟磁性粉末としては、スピネル型フェライト粉末が好ましく用いられ、該スピネル型フェライト粉末としては、MnFe24、Fe34、CoFe24、NiFe24、MgFe24、Li0.5Fe2.54や、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Cu系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Mg−Zn系フェライト、Li−Zn系フェライト、Zn系フェライト、Mn系フェライト等を挙げることができる。また、使用に際しては、その一種を単独で使用することもできるが、その二種以上を併用することもできる。
【0020】
また、上記軟磁性粉末としては、金属軟磁性粉末等を用いることもできる。
上記金属軟磁性粉末としては、Fe−Si合金、Fe−Al合金(Alperm, Alfenol ,Alfer)、パーマロイ(Ni−Fe系二元合金、およびこれにMo、Cu、Crなどを添加した多元系合金)、センダスト(Fe−Si−Al〔9.6重量%のSi、5.4重量%のAl、残りがFeである組成〕)、Fe−Co合金等を挙げることができる。また、使用に際しては、その一種を単独で使用することもできるし、又その二種以上を併用することもできる。
【0021】
上記酸化物軟磁性粉末の保磁力は、通常0.1〜150Oeであり、飽和磁化は、通常30〜90emu/gである。また、金属軟磁性粉末の保磁力は、通常0.02〜100Oeであり、飽和磁化は、通常50〜500emu/gである。
【0022】
上記軟磁性粉末は、例えば、下記の如くして製造することができる。
即ち、金属軟磁性粉末は、気相法により製造することができる。また、酸化物軟磁性粉末は、ガラス結晶化法、共沈焼成法、カ焼法、水熱合成法、ゾルゲル法等により製造することができる。
【0023】
また、上記軟磁性粉末の形状は、特に制限されないが、具体的には、球状、板状、無定形であるのが好ましい。また、上記軟磁性粉末の大きさは、0.001〜0.2μmであるのが好ましい。
【0024】
また、上記硬磁性粉末としては、硬磁性金属粉末、硬磁性酸化物粉末、六方晶系フェライト粉末等が挙げられる。
該硬磁性金属粉末としては、金属分が50重量%以上であり、該金属分の50重量%以上がFeである鉄を主体とした硬磁性金属粉末が挙げられ、該硬磁性金属粉末の具体例としては、例えば、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Fe−Co−Ni、Fe−Ni−Al−Zn、Fe−Al−Si等が挙げられる。
また、該硬磁性酸化物粉末としては、酸化鉄〔FeOx(4/3≦x≦3/2)で表わされる酸化鉄系の強磁性粉末〕、該FeOxにCr、Mn、Co、Ni等の二価の金属が添加された酸化鉄粉末、該FeOxにCo被着させてなるCo被着FeOx、二酸化クロム、又は該二酸化クロムにNa、K、FeあるいはMn等の金属、P等の半導体若しくは該金属の酸化物が添加されてなる酸化物粉末などが挙げられる。
また、該硬磁性金属粉末及び該硬磁性酸化物粉末の形状は、針状又は紡錘状で、その長軸長が好ましくは0.05〜0.25μm、更に好ましくは0.05〜0.2μmであり、好ましい針状比が、3〜20、好ましいX線粒径が、130〜250Åであるのが望ましい。
【0025】
また、上記六方晶系フェライト粉末としては、微小平板状のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がTi、Co、Ni、Zn、V等の原子で置換された磁性粉末等が挙げられる。また、該六方晶系フェライト粉末の形状は、板径が0.02〜0.09μmで板状比が2〜7であるのが好ましい
【0026】
また、上記磁性中間層を形成する磁性の塗料における磁性粉末には、必要に応じて、希土類元素や遷移金属元素を含有せしめることもできる。
なお、本発明においては、上記磁性粉末の分散性等を向上させるために、該磁性粉末に表面処理を施してもよい。
上記表面処理は、「Characterization of Powder Surfaces 」;Academic Pressに記載されている方法等と同様の方法により行うことができ、例えば上記磁性粉末の表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げられる。この際、用いることができる上記無機質酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnO等が挙げられ、使用に際しては、単独若しくは2種以上混合して用いることができる。
上記表面処理は、上記の方法以外に、シランカップリング処理、チタンカップリング処理及びアルミニウムカップリング処理等の有機処理により行うこともできる。
【0027】
また、上記磁性中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられる上記バインダとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び反応型樹脂等が挙げられ、使用に際しては単独又は混合物として用いることができる。
上記バインダの具体例としては、塩化ビニル系の樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エポキシ樹脂等が挙げられ、その他にも、特開昭57−162128号公報の第2頁右上欄16行〜第2頁右下欄19行等に記載されている樹脂等が挙げられる。さらに、上記バインダは、分散性等向上のために極性基を含有してもよい。
上記バインダの配合割合は、上記磁性粉末100重量部に対して、5〜200重量部とするのが好ましく、5〜100重量部とするのが更に好ましい。
【0028】
また、上記磁性中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられる上記中間塗料用溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、3−ペンタノール、イソペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系の溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール〔ヘキシレングリコール〕、グリセリン等のポリオール系の溶剤;2−メトキシエタノール〔メトキシセロソルブ〕、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール〔セロソルブ〕、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール〔ブチルセロソルブ〕、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール系の溶剤;エチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系の溶剤;アセトン、メチルエチルケトン〔MEK〕、メチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン〔MIBK〕、メチル−n−ブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メシチルオキサイド、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、メチルフェノールケトン、イソホロン等のケトン系の溶剤;メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、sec−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、アミルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート等の酢酸エステル系の溶剤;塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,1,2−トリクロロエタン、四塩化炭素、パークロロエチレン、モノクロロベンゼン等の塩素化炭化水素系の溶剤;ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン等のニトロ化合物系の溶剤;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフタレン等の炭化水素系の溶剤等が挙げられ、これらのうち、バインダの溶解性の点から、ケトン系の溶剤が好ましい。また、使用に際しては単独又は混合物として用いることができる。
【0029】
上記の磁性の塗料における上記中間塗料用溶剤の配合割合は、上記磁性粉末100重量部に対して、80〜500重量部とするのが好ましく、100〜350重量部とするのが更に好ましい。
【0030】
また、上記中間塗料用溶剤としては、溶剤混合物が好ましく用いられる。該溶剤混合物は、上述の中間塗料用溶剤として例示したもののうち、沸点が130〜180℃の高沸点溶剤又は蒸発速度指数(Solvent Evaporation Rate Index)が10〜45の低揮発性溶剤を含むのが好ましい。更には、該溶剤混合物は、沸点が130〜180℃であり且つ蒸発速度指数が10〜45である高沸点・低揮発性溶剤を含むのが特に好ましい。
ここで、「蒸発速度指数」とは、n−ブチルアセテートの蒸発速度を100とした際の溶剤の蒸発速度の比であり、溶剤の蒸発性の指標となるものである。その詳細については、Tenple C. Patton著 "PAINT FLOW AND PIGMENT DISPERSION", Interscience Publishers, a division of John Wiley and Sons, New York, London, Sydney, 1964の第380頁〜第381頁及び第462頁〜第467頁に記載されている。
【0031】
ここで、好ましい上記高沸点溶剤としては、例えば、イソペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−メトキシエチルアセテート、アミルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、モノクロロベンゼン、1−ニトロプロパン、p−キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。使用に際しては、単独又は混合して用いることができる。
【0032】
また、好ましい上記低揮発性溶剤としては、例えば、n−ブタノール、メチルアミルアルコール、2−エトキシエタノール、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート等が挙げられる。使用に際しては、単独又は混合して用いることができる。
【0033】
更に、好ましい上記高沸点・低揮発性溶剤としては、上記高沸点溶剤及び上記低揮発性溶剤の何れにも例示されるもの、具体的には、メチルアミルアルコール、2−エトキシエタノール、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、ジイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート等が挙げられ、これらのうち、シクロヘキサノンが最も好ましい。使用に際しては、単独又は混合して用いることができる。
【0034】
上記溶剤混合物における上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤又は上記高沸点・低揮発性溶剤の含有量は、好ましくは5〜90重量%、更に好ましくは10〜85重量%、最も好ましくは12〜80重量%である。該含有量が5重量%未満であると、塗料を塗布後、磁場配向を施す際において、配向器を通過させる前に乾燥し、所望の配向度が得られず、また90重量%を超えると、乾燥条件を強くする必要性が生じ、生産性の点から好ましくない。
【0035】
また、上記磁性中間層を形成する上記の磁性の塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤等の通常磁気テープ記録媒体に用いられている添加剤を、必要に応じて添加することができる。上記添加剤としては、具体的には、特開昭57−162128号公報の第2頁左上欄6行〜第2頁右上欄10行及び第3頁左上欄6行〜第3頁右上欄18行等に記載されている種々の添加剤を挙げることができる。
【0036】
また、上記非磁性中間層の形成に用いられる上記の非磁性の塗料は、非磁性粉末、バインダ及び中間塗料用溶剤を主成分とする塗料を好ましく用いることができる。
【0037】
上記の非磁性の塗料に用いられる上記非磁性粉末としては、非磁性であれば特に制限されないが、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化珪素、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、非磁性の酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化珪素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末等が挙げられ、中でも、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、非磁性の酸化鉄等が好ましく用いられる。
該非磁性粉末の形状は、球状、板状、針状、無定形のいずれでもよく、また、その大きさは、球状、板状、無定形のものにおいては、5〜200nmであるのが好ましく、また、針状のものにおいては、長軸長が20〜300nmで、軸比が3〜20であるのが好ましい。
【0038】
なお、本発明においては、上記非磁性粉末の分散性等を向上させるために、該非磁性粉末に、上述の磁性中間層が含有する磁性粉末に施した表面処理と同様の表面処理を施すことができる。
【0039】
上記非磁性中間層を形成する上記の非磁性の塗料に用いられる上記バインダとしては、上記の磁性の塗料に用いられるバインダと同様のものが用いられる。
上記バインダの配合割合は、上記非磁性粉末100重量部に対して、5〜200重量部が好ましく、5〜100重量部が更に好ましい。
【0040】
上記非磁性中間層を形成する上記の非磁性の塗料に用いられる上記中間塗料用溶剤及びその配合割合は、上記の磁性の塗料の欄で説明した中間塗料用溶剤と同じである。
【0041】
また、上記の非磁性の塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤等の通常磁気テープ記録媒体に用いられている添加剤を、必要に応じて添加することができる。上記添加剤としては、具体的には、上記の磁性の塗料に用いられる添加剤と同様のものを挙げることができる。
【0042】
上記中間塗料を調製するには、例えば、上記磁性粉末又は上記非磁性粉末、及び上記バインダを上記中間塗料用溶剤の一部と共にナウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られた混合物を連続式二軸混練機等により混練し、次いで、上記中間塗料用溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更にポリイソシアネート等の硬化剤や上記中間塗料用溶剤の残りを混合する方法等を挙げることができる。
【0043】
上記中間層の厚みは、0.2〜5μmであるのが好ましく、0.5〜4μmであるのが更に好ましく、0.5〜3.5μmであるのが最も好ましい。0.2μm未満であると、得られる磁気テープ記録媒体の曲げ剛性(こしの強さ)が弱くなり、5μmを超えると、得られる磁気テープ記録媒体の曲げ剛性(こし)が強くなり過ぎたり、カッピングやカーリングを生じてヘッド当たりが低下する場合があるので上記範囲内とするのが好ましい。
【0044】
本発明の磁気テープ記録媒体において上記中間層上に設けられる上記表層の必須構成層である上記磁性層は、磁気テープ記録媒体の最上層、即ち、磁気テープ記録媒体の表面に位置する層として設けられる層であり、上記中間層上に、磁性塗料を塗布することにより形成される。
上記磁性塗料は、上述した強磁性金属粉末及びバインダを含む塗料であり、該強磁性金属粉末、バインダ及び磁性塗料用溶剤を主成分とする塗料が好ましく用いられる。
【0045】
上記強磁性金属粉末は、上述したように、鉄を主体とする強磁性金属粉末であり、ランタノイドを含む周期律表のIIIa族の元素の一種以上をFe原子100重量部に対して0.8〜20重量部、好ましくは0.8〜15重量部、更に好ましくは1.0〜10重量部含むものである。該IIIa族の元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びY等からなる群より選択された一種以上が挙げられる。
尚、上記IIIa族の元素としては、アクチノイドを用いることもでき、使用に際しては、単独若しくは上述のSc、Y等と適宜混合して用いることができる。
ここで、上記IIIa族の元素の含有量がFe原子100重量部に対して0.8重量部未満であると、上記強磁性金属粉末の合成時の融着防止性が充分でなく、磁気特性〔保磁力、SFD(Switching Field Distributuion)等〕が充分な磁気テープ記録媒体が得られにくく、また20重量部を超えると、上記強磁性金属粉末の分散性が不良となる。
【0046】
また、上記強磁性金属粉末としては、金属分が50重量%以上であり、該金属分の50重量%以上がFeであるものが好ましい。さらに、Co原子をFe原子100重量部に対して0.5〜66重量部、好ましくは5〜40重量部含むものが望ましい。
【0047】
上記強磁性金属粉末の具体例としては、例えば、Fe−Co−Y、Fe−Ni−Y、Fe−Al−Y、Fe−Ni−Al−Y、Fe−Co−Ni−Y、Fe−Ni−Al−Zn−Y、Fe−Al−Si−Y、Fe−Co−La、Fe−Ni−La、Fe−Al−La、Fe−Ni−Al−La、Fe−Co−Ni−La、Fe−Ni−Al−Zn−La、Fe−Al−Si−La、Fe−Co−Al−Y、Fe−Co−Al−La、Fe−Co−Al−Gd、Fe−Co−Nd−Al−Si、Fe−Co−Al−Nd−Y、Fe−Co−Ce−Al、Fe−Co−La−Y−Al等が挙げられる。
【0048】
また、上記強磁性金属粉末の粒子形状は、針状又は紡錘状であるのが好ましく、その長軸長は好ましくは0.03〜0.2μm、更に好ましくは0.03〜0.12μmであり、比表面積は好ましくは38〜80m2/g、更に好ましくは40〜70m2/g、更に好ましくは42〜68m2/gであるのが望ましい。また、針状比は好ましくは3〜20、更に好ましくは3〜15であり、X線粒径は好ましくは130〜250Å、更に好ましくは130〜200Å、最も好ましくは130〜180Åであるのが望ましい。尚、該強磁性金属粉末の長軸長等の粒径の範囲は、上記磁性層の中心線表面粗さが上述した特定範囲内となるように調節される。
また、上記強磁性金属粉末における含有水分量(対強磁性金属粉末)は、好ましくは0.2〜2.5重量%、更に好ましくは0.4〜2.0重量%である。
【0049】
また、上記強磁性金属粉末の保磁力は、1600〜2500Oeであるのが好ましく、1800〜2400Oeであるのが更に好ましい。上記強磁性金属粉末の保磁力が、上記の下限未満であると、減磁しやすいため短波長RF出力が低下し、また、上記の上限を超えると、ヘッド磁界が不充分となり書き込み能力が不足し、更にはオーバーライト特性が低下するので、上記範囲内とするのが好ましい。
また、上記強磁性金属粉末の飽和磁化は、100〜180emu/gであるのが好ましく、110〜160emu/gであるのが更に好ましい。上記強磁性金属粉末の飽和磁化が、上記の下限未満であると、磁気テープ記録媒体としたときの磁束密度が低下するため出力が低下し、また、上記の上限を超えると、保存時に酸化して磁束密度が低下しやすくなったり、各磁性粉末間の相互作用が大きくなるため充分な分散性が得られず結果的に、磁性粉末が凝集状態となって、所望の出力を得るのが困難となる場合があり、上記範囲内とするのが好ましい。
【0050】
従って、上記強磁性金属粉末を含有する磁性層の保磁力は、好ましくは1800〜2400Oe、更に好ましくは1800〜2300Oeである。また、上記強磁性金属粉末を含有する磁性層の飽和磁束密度は、好ましくは3000〜4500ガウス、更に好ましくは3200〜4000ガウスである。
【0051】
また、上記強磁性金属粉末には、必要に応じて、遷移金属元素を含有せしめることもできる。
なお、本発明においては、上記強磁性金属粉末の分散性等を向上させるために、該強磁性金属粉末に、上述の磁性中間層が含有する磁性粉末に施した表面処理と同様の表面処理を施すことができる。
【0052】
また、上記磁性層を形成する磁性塗料に用いられる上記バインダは、上記中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられるバインダと同様のものが挙げられる。
上記バインダの配合割合は、上記磁性粉末100重量部に対して約5〜100重量部とするのが好ましく、5〜70重量部とするのが特に好ましい。
【0053】
また、上記磁性層を形成する磁性塗料に用いられる上記磁性塗料用溶剤は、上記磁性中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられる中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様のものが挙げられる。また、使用に際しては、単独又は混合物として用いることができる。
また、上記磁性塗料用溶剤の配合割合は、上記磁性粉末100重量部に対して、80〜500重量部が好ましく、100〜350重量部が更に好ましい。
【0054】
また、上記磁性塗料用溶剤としては、上記中間塗料用溶剤と同様に、上記溶剤混合物が好ましく用いられ、該溶剤混合物は、上記高沸点溶剤又は上記低揮発性溶剤を含むのが好ましく、更には、上記高沸点・低揮発性溶剤を含むのが特に好ましい。
ここで、好ましい上記高沸点溶剤、好ましい上記低揮発性溶剤及び好ましい上記高沸点・低揮発性溶剤としては、上記中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様のものが挙げられる。
また、上記溶剤混合物における上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤又は上記高沸点・低揮発性溶剤の含有量も、上記中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様である。
【0055】
本発明においては、上記中間層は、中間塗料用溶剤混合物を含有する中間塗料から形成されており、該中間塗料用溶剤混合物の一つとして沸点が130〜180℃の高沸点溶剤を用い、且つ上記磁性層は、磁性塗料用溶剤混合物を含有する磁性塗料から形成されており、該磁性塗料用溶剤混合物の一つとして沸点が130〜180℃の高沸点溶剤を用いるか、又は、上記中間層は、中間塗料用溶剤混合物を含有する中間塗料から形成されており、該中間塗料用溶剤混合物の一つとして蒸発速度指数が10〜45の低揮発性溶剤を用い、且つ上記磁性層は、磁性塗料用溶剤混合物を含有する磁性塗料から形成されており、該磁性塗料用溶剤混合物の一つとして蒸発速度指数が10〜45の低揮発性溶剤を用いることが好ましい。
【0056】
また、上記磁性塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤等の通常磁気テープ記録媒体に用いられている添加剤を、必要に応じて添加することができる。上記添加剤としては、具体的には、上記中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられる添加剤と同様のものを挙げることができる。
【0057】
上記磁性塗料を調製するには、例えば、上記強磁性金属粉末及び上記バインダを上記磁性塗料用溶剤の一部と共にナウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られた混合物を連続式二軸混練機等により混練し、次いで、上記磁性塗料用溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更にポリイソシアネート等の硬化剤や上記磁性塗料用溶剤の残りを混合する方法等を挙げることができる。
この場合、該磁性塗料中における上記強磁性金属粉末の分散の程度(従って得られる磁性層の中心線表面粗さ等の表面性)は、使用するバインダ、分散剤等の配合物の種類、配合割合等を適当なものに選定することにより変化するのみでなく、混合分散に用いる装置の種類や、磁性塗料の固形分濃度、攪拌速度、シェアレート、滞留時間(分散時間)等の操作条件を変えることにより変化する。また、得られる磁性層の表面性は、塗布時の乾燥条件や塗布後施されるカレンダー条件等によっても変化する。従って、以上の配合物・条件等を適宜選定することにより、上記磁性層の中心線表面粗さRaを上述した特定範囲内とすることができる。
【0058】
上記磁性層の厚みは、上述したように、0.05〜0.6μmであり、好ましくは0.08〜0.5μmである。該磁性層の厚みが0.05μm未満であると、均一塗布が困難となり、耐久性も低下し、0.6μmを超えると、厚み損失が大きくなり、出力特性が低下したり、オーバーライト特性が低下する。
【0059】
また、上記磁性層の中心線表面粗さRaは、上述したように、1〜5nmであり、好ましくは1.5〜4.5nm、更に好ましくは2〜4.2nmである。上記磁性層の中心線表面粗さが1nm未満であると、摩擦係数が高くなる等の走行上の支障が生ずる。一方、5nmを超えると、スペース・ロスの増加のため出力特性が低下する。尚、上記「中心線表面粗さRa」は、後述の実施例における測定法に従って示される値である。
【0060】
また、上記磁性層の飽和磁束密度の減衰率ΔBsは、好ましくは10%以下であり、更に好ましくは8%以下であり、最も好ましくは7.5%以下である。該飽和磁束密度の減衰率ΔBsが10%を超えると、長期保存特性が劣化し、特に、出力特性やエラーレートに及ぼす影響が顕著となる傾向があるので、上記範囲内とするのが好ましい。
ここで、ΔBsは、温度60℃、相対湿度90%の環境下に30日間放置した後の飽和磁束密度Bs’の、放置前の該磁性層の飽和磁束密度Bs(初期値)に対する変化率で、ΔBs=(1−Bs’/Bs)×100で表される値であり、製造直後の磁気テープ記録媒体並びに通常の使用・保存状態で使用・保存された磁気テープ記録媒体を上記の条件に放置した場合の値である。
【0061】
上記磁性層の飽和磁束密度の減衰率ΔBsは、(1)用いる強磁性金属粉末に含まれる金属元素組成を選定したり、(2)強磁性金属粉末に表面酸化物層を設ける場合における該表面酸化物層の厚さ及び緻密さを調節したり、(3)磁性塗料の分散性を調節したり、(4)磁性塗料に用いるバインダや添加物を選定することにより、適宜調整できる。特に、上記(1)及び(2)による効果が大きく、例えば、強磁性金属粉末の製造時に添加元素としてCo等を加えることにより製造される強磁性金属粉末を用いることにより、上記ΔBsを調整することができる。
【0062】
また、上記磁性層の角型比は、好ましくは0.80〜0.95であり、更に好ましくは0.85〜0.95である。
【0063】
また、上記磁性層は、上記中間層の湿潤時に塗設・形成されていることが好ましい。
【0064】
本発明の磁気テープ記録媒体において用いられる上記裏層は、上記非磁性支持体の裏面側に設けられたバックコート層を具備する。
【0065】
上記裏層は、上述したように、その残留溶剤量が5〜800ppmであり、好ましくは5〜700ppm、更に好ましくは5〜600ppmである。即ち、上記裏層がバックコート層1層のときは、該バックコート層の残留溶剤量がこの範囲にあり、他の層を有する2層以上からなるときは、これら裏層全体の残留溶剤量がこの範囲にある。該残留溶剤量を5ppm未満とするのは製造上困難であり、また該残留溶剤量が800ppmを超えると、(1)磁気テープを巻き取った後に該テープの裏層が磁性層と粘着して磁性面が荒れ、更にその粘着が甚だしい場合には磁性面のはがれやテープ切れを生じる、(2)磁気テープのカーリングが発生する、等の問題が生じる。
尚、ここでppmは、重量基準である。
【0066】
本発明の磁気テープ記録媒体において、上記非磁性支持体の裏面側に設けられる上記裏層の必須構成層である上記バックコート層は、一般に、上記非磁性支持体の裏面上に、バックコート塗料を塗布することにより形成される。そして、かかるバックコート塗料は、一般に、非磁性の粉体、バインダ及びバックコート塗料用溶剤を主成分としてなるバックコート塗料が好ましく用いられる。
【0067】
上記バックコート塗料に用いられる各成分について説明すると、上記非磁性の粉体としては、非磁性であれば特に制限されないが、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化珪素、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、非磁性の酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化珪素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉体等が挙げられ、中でも、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミナ、非磁性の酸化鉄等が好ましく用いられる。これらの粒径は、上記バックコート層の中心線表面粗さが上述した特定範囲内となるように調節される。
【0068】
上記非磁性の粉体としては、平均粒子サイズ0.01〜0.03μmの微粒子カーボンブラックと、平均粒子サイズ0.05〜0.1μmの粗粒子カーボンブラックとを含むものが好ましく、また、該微粒子カーボンブラックと該粗粒子カーボンブラックとの配合比(重量)は97:3〜90:10とするのが好ましい。かかる非磁性の粉体を含有するバックコート層を用いることにより、磁気テープ記録媒体の出力を一層向上させつつ、磁気テープ記録媒体の保存中におけるバックコート層の表面凹凸形状が磁性層の表面に転写することが防止され、その結果、保存中における記録再生特性の劣化が一層低減されるので好ましい。かかるバックコート層を形成するためには、上記バックコート塗料に、上記微粒子カーボンブラックと上記粗粒子カーボンブラックとを、上記配合比で以て配合させればよい。
【0069】
次に、上記バックコート塗料において用いられる上記バインダ及び上記溶剤について説明する。
上記バインダとしては、磁気テープ記録媒体に通常用いられているものを特に制限無く用いることができ、例えば、上記中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられるバインダと同様のものが挙げられるが、それらには限定されない。使用に際しては単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、上記バインダの配合割合は、上記非磁性の粉体100重量部に対して、好ましくは15〜250重量部、更に好ましくは50〜200重量部、最も好ましくは70〜150重量部である。
【0070】
また、上記バックコート塗料用溶剤としては、磁気テープ記録媒体に通常用いられているものを特に制限無く用いることができるが、上記磁性中間層を形成する上記の磁性の塗料に用いられる中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様のものが好ましく用いられる。また、使用に際しては単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、上記バックコート塗料用溶剤の配合割合は、上記非磁性の粉体及びバインダ等の不揮発分100重量部に対して100〜900重量部とすることが好ましく、120〜750重量部とすることが更に好ましい。
【0071】
また、上記バックコート塗料用溶剤としては、上記中間塗料用溶剤と同様に、上記溶剤混合物が好ましく用いられ、該溶剤混合物は、上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤又は上記高沸点・低揮発性溶剤を含んでもよい。
ここで、上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤及び上記高沸点・低揮発性溶剤としては、上記中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様のものが挙げられる。
また、上記溶剤混合物に上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤又は上記高沸点・低揮発性溶剤を含む場合、該溶剤混合物における上記高沸点溶剤、上記低揮発性溶剤又は上記高沸点・低揮発性溶剤の含有量も、上記中間塗料用溶剤の欄で説明したものと同様である。
【0072】
上記バックコート塗料を調製するには、例えば、上記非磁性の粉体及び上記バインダを上記バックコート塗料用溶剤の一部と共にナウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られた混合物を連続式二軸混練機等により混練し、次いで、上記バックコート塗料用溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処理した後、添加剤を混合して、濾過し、更にポリイソシアネート等の硬化剤や上記バックコート塗料用溶剤の残りを混合する方法等を挙げることができる。 この場合、該バックコート塗料中における上記非磁性の粉体の分散の程度(従って得られるバックコート層の中心線表面粗さ等の表面性)は、使用するバインダ、分散剤等の配合物の種類、配合割合等を適当なものを選定することにより変化するのみでなく、混合分散に用いる装置の種類や、バックコート塗料の固形分濃度、攪拌速度、シェアレート、滞留時間(分散時間)等の操作条件を変えることにより変化する。また、得られるバックコート層の表面性は、塗布時の乾燥条件や、塗布・乾燥後必要により施されるカレンダー条件等によっても変化する。従って、以上の配合物・条件等を適宜選定することにより、上記バックコート層の中心線表面粗さを上述した特定範囲内に制御することができる。
【0073】
上記各成分が配合されてなる上記バックコート塗料を公知の塗布手段を用いて上記非磁性支持体上に塗布し、塗膜を乾燥させることにより上記バックコート層が形成される。このようにして形成されたバックコート層の厚みは、カーリング等の点から0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.4〜1.0μmであることが更に好ましく、0.5〜0.8μmであることが最も好ましい。
【0074】
また、上記バックコート層の中心線表面粗さRaは、上述したように、2〜8nmであり、好ましくは2〜7nm、更に好ましくは2.5〜6nmである。該中心線表面粗さが2nmに満たないと、摩擦係数の増大により走行性不良となり、8nmを超えると、磁気テープ記録媒体の保存中におけるバックコート層の表面凹凸形状が磁性層表面に転写し、記録再生特性の劣化の原因となる。
【0075】
本発明の磁気テープ記録媒体の厚み(全体、即ち、図1における非磁性支持体2の厚みと表層10の厚みと裏層20の厚みとの総和)は、好ましくは3〜10μmであり、更に好ましくは4〜9.5μm、更に好ましくは4〜9μmである。本発明の磁気テープ記録媒体の厚みが3μm未満であると、磁気テープ記録媒体の曲げ剛性が低下し、良好なヘッド当たりを得るのが困難になったり、磁気テープ記録媒体が張力により伸びたまま(残留伸びが大きく)、元に戻らない場合があり、10μmを超えると、同じ体積のカセットに巻き込める量が減少する(即ち、単位体積当たりの記録容量が減少する)ので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0076】
また、本発明の磁気テープ記録媒体の曲げ剛性は、好ましくは7×10-4〜4.2×10-3N・mm2であり、更に好ましくは7.5×10-4〜3×10-3N・mm2である。本発明の磁気テープ記録媒体の曲げ剛性が7×10-4N・mm2未満の場合又は4.2×10-3N・mm2を超える場合には、ヘッド当たりが不良となるおそれがある。
尚、上記「曲げ剛性」は、3.81mm幅のテープ状にした際に測定したものをいい、後述の実施例における測定法に従って示される値である。
【0077】
また、本発明の磁気テープ記録媒体のヤング率Eは、好ましくは5〜15kN/mm2であり、更に好ましくは7〜14kN/mm2である。本発明の磁気テープ記録媒体のヤング率Eが5kN/mm2未満の場合又は15kN/mm2を超える場合には、曲げ剛性が適正でなく、ヘッド当たりが不良となるおそれがある。
尚、上記ヤング率Eは、後述の実施例における測定法に従って示される値である。
【0078】
本発明においては、特に、上記磁性層の飽和磁束密度の減衰率ΔBsが10%以下であり、且つ磁気テープ記録媒体の厚みが3〜10μmで、曲げ剛性が7×10-4〜4.2×10-3N・mm2である磁気テープ記録媒体が好ましい。
【0079】
本発明の磁気テープ記録媒体は、8mmビデオテープやDATテープ等の磁気テープとして好適である。
【0080】
次に、本発明の磁気テープ記録媒体を製造する方法の概略を述べる。尚、以下の説明においては、本発明の磁気テープ記録媒体として、表層が中間層及び磁性層からなり、裏層がバックコート層からなる磁気テープ記録媒体を具体例として挙げ、この磁気テープ記録媒体を製造する方法の概略を述べる。
【0081】
まず、上記非磁性支持体上に、上記中間層を形成する中間塗料(磁性又は非磁性の塗料)と上記磁性層を形成する磁性塗料とを、中間層及び磁性層の乾燥厚みが前記の厚みとなるようにウエット・オン・ウエット方式により同時重層塗布を行い、中間層及び磁性層の塗膜を形成する。即ち、上記磁性層は、上記中間層の湿潤時に塗設・形成されているのが好ましい。
次いで、該塗膜に対して、磁場配向処理を行った後、乾燥処理し、カレンダー処理を行った後、更に上記非磁性支持体の裏面に上記バックコート塗料を塗布して、バックコート層を形成し、乾燥処理を行う。次いで、必要に応じて、例えば、磁気テープを得る場合には、40〜70℃下にて、6〜72時間エージング処理し、所望の幅にスリットする。
【0082】
上記同時重層塗布方法は、特開平5−73883号公報の第42欄31行〜第43欄31行等に記載されており、上記中間層を形成する上記中間塗料が乾燥する前に上記磁性層を形成する上記磁性塗料を塗布する方法であって、上記中間層と上記磁性層との境界面が滑らかになると共に上記磁性層の表面性も良好になるため、ドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき且つ塗膜(中間層及び磁性層)の耐久性にも優れた磁気テープ記録媒体が得られる。
【0083】
また、上記磁場配向処理は、上記中間塗料及び上記磁性塗料が乾燥する前に行われ、例えば、本発明の磁気テープの場合には、上記磁性塗料の塗布面に対して平行方向に約500Oe以上、好ましくは約1000〜10000Oeの磁界を印加する方法や、上記中間塗料及び上記磁性塗料が湿潤状態のうちに1000〜10000Oeのソレノイド磁石等の中を通過させる方法等により行うことができる。
【0084】
また、上記カレンダー処理は、メタルロール及びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタルロール及びメタルロール等の2本のロールの間を通すスーパーカレンダー法等により行うことができる。
【0085】
また、上記中間塗料、上記磁性塗料及び上記バックコート塗料の塗膜の乾燥処理は、例えば、加熱された気体(熱風)の供給により行うことができ、この際、該熱風の温度とその供給量(風速)を制御することにより塗膜の乾燥程度を制御することができる。
【0086】
尚、本発明の磁気テープ記録媒体の製造に際しては、必要に応じ、磁性層表面の研磨やクリーニング工程等の仕上げ工程を施すこともできる。また、上記中間塗料及び磁性塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗布方法により行うこともできる。
【0087】
本発明の磁気テープ記録媒体は、上記磁性層が上記の特定の強磁性金属粉末を含み、上記表層及び上記裏層の残留溶剤量、上記磁性層の厚み、並びに上記磁性層及び上記バックコート層の中心線表面粗さが上述した範囲内にあれば何等制限されないが、該残留溶剤量及び該中心線表面粗さは、下記の如くして上述の範囲内に調節することができる。
【0088】
上記表層及び上記裏層の残留溶剤量を上記の範囲とするには、それぞれの層を形成する塗料における溶剤組成、該塗料の塗工速度、乾燥条件(風速、温度等)等を適宜選定して調節することにより行うことができる。
ここで、上記溶剤組成は、少なくとも一種以上のシクロヘキサノン等の上記高沸点溶剤又は上記低揮発性溶剤を含む組成とするのが好ましい。
また、上記塗工速度は、50〜800m/minとするのが好ましい。
また、上記乾燥条件は、熱風の温度を40〜120℃、風速を5〜35m/secとし、乾燥時間を1〜60秒間とするのが好ましい。
【0089】
また、上記磁性層及び上記バックコート層の中心線表面粗さを上記の範囲とするには、それぞれ磁性塗料及びバックコート塗料における強磁性金属粉末又は非磁性の粉体の粒径や分散の程度の他、これらの塗料における溶剤組成、これらの塗料の乾燥条件(風速、温度等)、カレンダー条件(速度、圧力、ロール表面温度等)等を適宜選定して調節することにより行うことができる。
ここで、上記溶剤組成は、少なくとも一種以上のシクロヘキサノン等の上記高沸点溶剤又は上記低揮発性溶剤を含む組成とするのが好ましい。
また、上記乾燥条件は、熱風の温度を40〜120℃、風速を5〜35m/secとし、乾燥時間を1〜60秒間とするのが好ましい。
また、上記カレンダー条件は、カレンダー速度を50〜300m/minとし、圧力を50〜450kg/cmとし、ロール温度を60〜120℃とするのが好ましい。
【0090】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0091】
〔実施例1〕
下記配合の磁性塗料Aと、下記配合の磁性の塗料(イ)とを用い、またバックコート塗料として下記配合のバックコート塗料(i)を用い、下記〔磁気テープ記録媒体の製造方法〕に準じて磁気テープの製造を行って、表層として、該中間塗料(イ)により中間層が形成され、該磁性塗料Aにより磁性層が形成され、且つ裏層として、該バックコート塗料(i)によりバックコート層が形成されてなる磁気記録媒体としての磁気テープを得た。
尚、磁性塗料Aを用いて形成した磁性層の保磁力及び飽和磁束密度を後述の〔測定法〕に準じて測定したところ、保磁力は、1880Oeであり、飽和磁束密度は、3760ガウスであった。
【0092】
磁性塗料A
・鉄を主体とする針状の強磁性金属粉末 100重量部
Fe:Al:Y:Co:Ca=85:4:2:8:1(重量比)
保磁力;1820Oe、
飽和磁化;136emu/g
平均長軸長;0.11μm、比表面積;58m2/g、
X線粒径;150Å、
含有水分量;1.1wt%(対金属粉末)
〔上記比表面積及び上記含有水分量は、後述の〔測定法〕に準じて測定した値を示す(以下、同じ)。〕
・アルミナ(平均粒径0.3μm) 8重量部
・カーボンブラック(平均一次粒子径20nm) 2重量部
・「MR−110」 10重量部
〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕
・「UR−8700」 23重量部
〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕
・2−エチルヘキシルステアレート 2重量部
・パルミチン酸 2重量部
・「コロネートL」 4重量部
〔商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕
・メチルエチルケトン 120重量部
・トルエン 80重量部
・シクロヘキサノン 40重量部
【0093】
磁性の塗料(イ)
・Mn−Znフェライト粉末 100重量部
〔飽和磁化62emu/g,保磁力64Oe,平均粒径0.04μm,比表面積45m2/g,含有水分量0.6wt%(対Mn−Znフェライト粉末)〕
・カーボンブラック(平均一次粒子径20nm) 2重量部
・「MR110」 10重量部
〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕
・「UR8700」 23重量部
〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕
・2−エチルヘキシルステアレート 2重量部
・パルミチン酸 1重量部
・「コロネートL」 4重量部
(商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕
・メチルエチルケトン 84重量部
・トルエン 56重量部
・シクロヘキサノン 28重量部
【0094】
Figure 0003559388
【0095】
〔磁気テープ記録媒体の製造〕
厚さ4.5μmのアラミドフィルムの表面上に、上記磁性塗料Aの乾燥、カレンダー処理後の厚みが0.2μm、上記の磁性の塗料(イ)の乾燥、カレンダー処理後の厚みが1.3μmとなるようにライン速度100m/分で同時重層塗布方式で該磁性塗料A及び該磁性の塗料(イ)を塗布し、表層としての磁性層及び中間層の塗膜を形成した。次いで、塗膜が湿潤状態のうちに5000Oeのソレノイド磁石中を通過させて磁場配向処理を行い、温度90℃の熱風が風速15m/secで供給される乾燥炉中にて30秒間乾燥した。次いで、90℃、350kg/cmの条件でカレンダー処理を行い磁性層及び中間層を形成した後、上記非磁性支持体の裏面上にバックコート塗料(i)を乾燥厚さが0.5μmになるよう塗布し、90℃にて乾燥して裏層としてのバックコート層を形成した後、巻き取った。この後、直ちに3.81mm幅に裁断し、表層及び裏層ともに不織布にてクリーニング処理を施して磁気テープを得、得られた磁気テープの長さ120m分をDDS−2(データ記録用のDATテープ)のカセットケースに装填して評価用のカセットを作製した。尚、上記塗布及びカレンダー処理は、同一ライン(インライン方式)とした。
【0096】
得られた磁気テープについて、下記〔測定法〕に示す如く、角型比、飽和磁束密度の減衰率ΔBs、ヤング率E、曲げ剛性、残留溶剤量、中心線表面粗さRa、C/N特性及び耐久性(エラーレート変化率)について評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0097】
〔測定法〕
◎粉末の比表面積
(株)島津製作所製の流動式比表面積自動測定装置「マイクロメリティックス フロソーブ 2300形」を用いて、粉末のサンプル量を0.1〜0.5gとし、脱気条件を105℃、30分とし、供給ガスを窒素/ヘリウム=70/30(モル比)の混合ガスとするBET一点法により測定した。
◎粉末の含有水分量
自動水分気化装置を付与したカールフィッシャー法による微量水分測定装置を用いて測定した。
【0098】
◎保磁力、飽和磁束密度、及び角型比
磁気テープにおける中間層が非磁性中間層の場合は、そのまま所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得、得られたサンプル片について、振動式磁力計(VSM)を使用し、印加磁場10kOeにて、保磁力、飽和磁化、及び角型比をそれぞれ測定した。また、磁気テープにおける中間層が磁性中間層の場合は、粘着テープを用いて磁性層のみを剥離させ、該磁性層を所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得るか、これが困難なときは、上記磁気テープにおける非磁性支持体と同様の非磁性支持体を用いて、上記磁気テープと同様の条件で磁性塗料のみを塗布し、カレンダー処理を施して、磁性層のみ設けられた磁気テープ記録媒体を形成し、これを上記磁気テープとして所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得、得られたサンプル片について、上記中間層が非磁性中間層の場合と同様に保磁力、飽和磁化、及び角型比をそれぞれ測定した。また、磁性層の厚みは、磁気テープをダイヤモンドカッターで約0.1μmの幅に切り出して切片を得、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1万倍〜10万倍の倍率で該切片の写真を撮り、該写真から測定した。この磁性層の厚み、上記サンプル片の面積、及び上記サンプル片の飽和磁化の測定値より、飽和磁束密度を求めた。
【0099】
◎飽和磁束密度の減衰率ΔBs
磁気テープにおける中間層が非磁性中間層の場合は、そのまま所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得、得られたサンプル片について、振動式磁力計を使用して、印加磁場10kOeにて、飽和磁化(Ms)を測定した。また、磁気テープにおける中間層が磁性中間層の場合は、粘着テープを用いて磁性層のみを剥離させ、該磁性層を所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得るか、これが困難なときは、上記磁気テープにおける非磁性支持体と同様の非磁性支持体を用いて、上記磁気テープと同様の条件で磁性塗料のみを塗布し、カレンダー処理を施して、磁性層のみ設けられた磁気テープ記録媒体を形成し、これを上記磁気テープとして所定寸法形状に打抜いてサンプル片を得、得られたサンプル片について、上記中間層が非磁性中間層の場合と同様に飽和磁化(Ms)を測定した。次いで、該サンプル片を温度60℃、相対湿度90%の環境下に30日間放置した後、再度飽和磁化(Ms’)を測定した。磁性層の飽和磁束密度の減衰率ΔBsは、Bs’/Bs=Ms’/Msとして、ΔBs=(1−Bs’/Bs)×100から求めた。
【0100】
◎ヤング率E
得られた磁気テープから長さ180mmのテスト片を作成し、該テスト片を100mmの間隔でクランプし、5mm/minの引張速度で引張試験を行い、負荷0.5〜1.5N(負荷変化量ΔF)の間の伸び率をΔL/L(伸び量/クランプ間隔)とした際、次式より与えられるEの値をヤング率とした。
E=ΔF/(WT・ΔL/L)
〔式中、W;テスト片の幅=3.81(mm)、T;テスト片の厚み(mm)〕
【0101】
◎曲げ剛性
Standard ECMA-198 (2nd Ed. Jun, 1995) 〔3.81mm、Wide Magnetic Tape Cartridge for Information Interchenge-Helical Scan Recording-DDS-2 Format using 120m Length Tapes〕の7.12節で定義される次式より、上記ヤング率Eの結果を基にして得られる「Flexural Rigidity」の値を曲げ剛性とした。
(Flexural Rigidity )=E・WT3/12
〔式中、E;ヤング率、W;テスト片の幅=3.81(mm)、T;テスト片の厚み(mm)〕
【0102】
◎残留溶剤量
上記裁断直後の磁気テープについて、その表層(中間層及び磁性層)及び裏層(バックコート層)の残留溶剤量を次のようにして求めた。即ち、表層の残留溶剤量を測定する場合には、粘着テープを用いるか、アセトンを含浸させた綿棒でこすり取ることにより該磁気テープから裏層のみを除去し、また裏層の残留溶剤量を測定する場合には、粘着テープを用いるか、アセトンを含浸させた綿棒でこすり取ることにより該磁気テープから表層のみを除去して得られた、表層のみ形成されたテープ又は裏層のみ形成されたテープを、ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーのサンプル管に充填し、ガスクロマトグラフ分析を行い、溶剤濃度を測定した。この際、剥離した磁性層の面積は約30cm2とした。尚、表層のみの重量は上記表層のみ形成されたテープの重量から支持体の重量を差し引くことにより求め、また裏層のみの重量は上記裏層のみ形成されたテープの重量から支持体の重量を差し引くことにより求めた。
尚、ガスクロマトグラフィーの条件は次の通りであった。
・サンプル温度;140℃
・ニードル温度;165℃
・注入時間;30秒
・カラム:J&W社製、「DB−1」(商品名)〔内径0.25mm、長さ30m、固定相0.25μm〕
・カラム温度;60〜70℃
・検出器;FID法
・検出器温度;220℃
・キャリアーガス;He,14psi
得られたクロマトグラムは、標準溶液の測定結果により較正し、残留溶剤量を求めた。メチルエチルケトン、トルエン及びシクロヘキサノンについての合計の残留溶剤量をもって、残留溶剤量とした。
【0103】
◎中心線表面粗さRa
得られた磁気テープを適当なサイズに切って測定用試料片を作成し、該試料片を顕微鏡用スライドグラス上にしわの発生しないように粘着テープで固定した。次いで、この固定した試料片について、Zygo製 商品名「Laser Interferometric Microscope Maxim 3D Model 5700」により、Maxim Advanced Texture Applicationを用い、Fizeauレンズを40倍とし、Cutoff Frequency=4.236 1/mm、Cutoff Wavelength =0.236mm、Removedをcylinder、Trimmedを0として、下記式より、磁気テープの磁性層及びバックコート層それぞれの中心線表面粗さRaを算出した(保存前)。なお、下記式中、yiはサンプリング長さをN分割した際のi番目の中心線からの偏差の絶対値である。
【0104】
【数1】
Figure 0003559388
【0105】
また、温度60℃、相対湿度90%の保存条件で30日間カセットの状態で保存した後の中心線表面粗さRaも求めた(保存後)。
【0106】
◎C/N特性
得られた評価用カセットについて、DDS−2ドライブ(データ記録用のDATドライブ)を用いて、4.7MHzの単一波を記録し、再生出力(C)をスペクトラムアナライザーで観測し、ノイズレベルを3.7MHzノイズレベル(N)としてC/Nを表わした(保存前)。次いで、カセット状態のまま温度60℃、相対湿度90%の保存条件で30日間保存した後のC/Nも求めた(保存後)。尚、比較例1(保存前)を基準とした。
【0107】
◎保存安定性(エラーレート変化率)
得られた評価用カセットについて、DDS−2ドライブを用い、信号をテープ全長に記録し、再生してエラーレートを測定し、その平均値(全長の平均値)を求め、これを保存前のエラーレートとした。また、温度60℃、相対湿度90%の保存条件で30日間保存した後のエラーレートを同様に測定し、その平均値を求め、これを保存後のエラーレートとした。そして、(保存後のエラーレート)/(保存前のエラーレート)をエラーレート変化率として求め、これにより保存安定性を評価した。尚、上昇の少ない方が保存安定性が良好であることを表す。
【0108】
以下、他の実施例及び比較例について説明する。
尚、以下の実施例及び比較例においては、熱風の温度、風速及び乾燥時間を適宜調節することにより、上記表層の残留溶剤量及び上記裏層の残留溶剤量が下記〔表1〕に示す値となるように制御した。
【0109】
〔実施例2〕
磁性の塗料(イ)に代えて下記の磁性の塗料(ロ)を塗布して中間層(磁性中間層)を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0110】
磁性の塗料(ロ)
・Co被着FeOx粉末(4/3≦X<3/2) 100重量部
〔飽和磁化81emu/g,保磁力910Oe,平均長軸長0.2μm,
針状比10,比表面積38m2/g,含有水分量0.4wt%(対Co被着FeOx粉末)〕
・カーボンブラック(平均一次粒子径20nm) 2重量部
・「MR110」 10重量部
〔商品名、日本ゼオン(株)製、スルホン酸基含有塩化ビニル系重合体〕
・「UR8700」 23重量部
〔商品名、東洋紡績(株)製、スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂〕
・2−エチルヘキシルステアレート 2重量部
・パルミチン酸 1重量部
・「コロネートL」 4重量部
〔商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物〕
・メチルエチルケトン 90重量部
・トルエン 60重量部
・シクロヘキサノン 30重量部
【0111】
〔実施例3〕
磁性塗料Aを乾燥厚が0.15μmとなるように塗布して磁性層を形成し、磁性の塗料(イ)に代えて下記の磁性の塗料(ハ)を乾燥厚が1.35μmとなるように塗布して中間層(磁性中間層)を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0112】
磁性の塗料(ハ)
・六方晶フェライト粉末 50重量部
〔六角状のバリウムフェライト粉末、保磁力;1680Oe、
飽和磁化;57emu/g、平均板径;0.04μm、板状比;3、比表面積39m2/g、含有水分量1.2wt%(対六角状バリウムフェライト粉末)〕
・針状のα−Fe23粉末 50重量部
〔長軸長;0.15μm、軸比;8、比表面積;52m2/g,含有水分量0.6wt%(対針状のα−Fe23粉末)〕
・アルミナ(平均粒径0.3μm) 7重量部
・カーボンブラック(平均一次粒子径20nm) 2重量部
・塩ビ共重合体(MR−110、商品名、日本ゼオン(株)製) 11重量部
・ポリウレタン樹脂 13重量部
(UR−8200、商品名、東洋紡績(株)製)
・「コロネートHX」 3重量部
(商品名、日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物)
・ブチルステアレート 2重量部
・ミリスチン酸 2重量部
・メチルエチルケトン 84重量部
・トルエン 56重量部
・シクロヘキサノン 28重量部
【0113】
〔実施例4〕
磁性塗料Aを乾燥厚が0.1μmとなるように塗布して磁性層を形成し、磁性の塗料(イ)に代えて下記の非磁性の塗料(ニ)を乾燥厚が1.4μmとなるように塗布して中間層(非磁性中間層)を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
非磁性の塗料(ニ)
Mn−Znフェライト粉末に代えて、TiO2粉末〔石原産業製、商品名「TTO−55B」、比表面積37m2/g,含有水分量0.5wt%(対TiO2粉末)〕を用いた以外は、前記の磁性の塗料(イ)と同様。
【0114】
〔実施例5〕
磁性の塗料(イ)に代えて下記の非磁性の塗料(ホ)を塗布して中間層(非磁性中間層)を形成した以外は、上記の実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
非磁性の塗料(ホ)
Mn−Znフェライト粉末に代えて、針状のα−Fe23粉末〔戸田工業(株)製、商品名「DPN−250BX」、長軸長0.15μm、短軸長0.023μm、比表面積53m2/g,含有水分量0.8wt%(対針状のα−Fe23粉末)〕を用いた以外は、前記の磁性の塗料(イ)と同様。
【0115】
〔実施例6〕
磁性塗料Aに代えて下記磁性塗料Bを塗布して磁性層を形成し、磁性の塗料(イ)に代えて上記の非磁性の塗料(ホ)を塗布して中間層(非磁性中間層)を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
尚、磁性塗料Bを用いて形成した磁性層の保磁力及び飽和磁束密度を上記の実施例1における〔測定法〕に準じて測定したところ、保磁力は、2320Oeであり、飽和磁束密度は、3840ガウスであった。
【0116】
磁性塗料B
前記磁性塗料Aで用いた強磁性金属粉末に代えて、下記の強磁性金属粉末を用いた以外は、前記磁性塗料Aと同様。
・鉄を主体とする紡錘状の強磁性金属粉末
Fe:Al:La:Co:Ba=74:4.5:2.5:17:2(重量比) 保磁力;2240Oe、
飽和磁化;141emu/g、
平均長軸長;0.065μm、比表面積;63m2/g、
X線粒径;142Å、
含有水分量;0.85wt%(対金属粉末)
【0117】
〔実施例7〕
表層としての磁性層及び中間層並びに裏層としてのバックコート層を実施例6に準じて形成した磁気テープの表層及び裏層を、更に、熱風温度80℃、風速15m/secで45秒間乾燥して磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0118】
〔実施例8〕
実施例7に準じて更に乾燥し作成した磁気テープの表層及び裏層を、更にまた、熱風温度90℃、風速15m/secで45秒間乾燥し、磁気テープ作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0119】
〔実施例9〕
磁性塗料Bに代えて下記磁性塗料Cを塗布して磁性層を形成した以外は、実施例8に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成した。この磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様に試験を行い評価した。その結果を〔表1〕に示す。
尚、磁性塗料Cを用いて形成した磁性層の保磁力及び飽和磁束密度を上記の実施例1における〔測定法〕に準じて測定したところ、保磁力は、2310Oeであり、飽和磁束密度は、3670ガウスであった。
【0120】
磁性塗料C
前記磁性塗料Aで用いた強磁性金属粉末に代えて、下記の強磁性金属粉末を用いた以外は、前記磁性塗料Aと同様。
・鉄を主体とする針状の強磁性金属粉末
Fe:Al:Y:Co:Nd:Ba=69:4:5:20:1:1(重量比) 保磁力;2230Oe、
飽和磁化;132emu/g、
平均長軸長;0.065μm、比表面積;61m2/g、
X線粒径;145Å、
含有水分量;0.8wt%(対金属粉末)
【0121】
〔比較例1〕
磁性塗料Aに代えて下記磁性塗料Dを塗布して磁性層を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
尚、磁性塗料Dを用いて形成した磁性層の保磁力及び飽和磁束密度を上記の実施例1における〔測定法〕に準じて測定したところ、保磁力は、1890Oeであり、飽和磁束密度は、3960ガウスであった。
【0122】
磁性塗料D
前記磁性塗料Aで用いた強磁性金属粉末に代えて、下記の強磁性金属粉末を用いた以外は、前記磁性塗料Aと同様。
・鉄を主体とする紡錘状の強磁性金属粉末
Fe:Al:Si:Co:Ba=74:4:2:17:2(重量比)
保磁力;1830Oe、
飽和磁化;148emu/g、
平均長軸長;0.13μm、比表面積;49m2/g、
X線粒径;165Å、
含有水分量;0.95wt%(対金属粉末)
【0123】
〔比較例2〕
磁性塗料Aに代えて上記磁性塗料Dを塗布して磁性層を形成し、磁性の塗料(イ)に代えて前記の非磁性の塗料(ニ)を塗布して中間層(非磁性中間層)を形成した以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0124】
〔比較例3〕
磁性塗料Aを乾燥厚が1.5μmとなるように塗布して磁性層を形成し、中間層を形成せず、該磁性層のみの単層構造とした以外は、実施例1に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0125】
〔比較例4〕
カレンダー処理の温度を80℃として磁気テープを製造した以外は、実施例2に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0126】
〔比較例5〕
バックコート塗料(i)に代えて下記バックコート塗料(ii)を塗布してバックコート層を形成した以外は、実施例3に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
バックコート塗料(ii)
微粒子カーボンブラックの配合量を32重量部とし、粗粒子カーボンブラックの配合量を8重量部とした以外は、前記バックコート塗料(i)と同様。
【0127】
〔比較例6〕
表層の残留溶剤量が1200ppmとなるように磁気テープを製造した以外は、実施例5に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0128】
〔比較例7〕
裏層の残留溶剤量が900ppmとなるように磁気テープを製造した以外は、実施例6に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0129】
〔比較例8〕
表層の残留溶剤量が1200ppm、裏層の残留溶剤量が900ppmとなるように磁気テープを製造した以外は、実施例5に準じて磁気テープを作成した。また、得られた磁気テープを用いて実施例1に準じて評価用カセットも作成し、該磁気テープ及び評価用カセットについて実施例1と同様の試験を行い評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0130】
【表1】
Figure 0003559388
【0131】
【表2】
Figure 0003559388
【0131】
〔表1〕及び〔表2〕に示す結果から明らかなように、本発明の磁気テープ記録媒体は、表層が前記範囲の残留溶剤量を有し、磁性層が前記の特定の強磁性金属粉末を有し且つ前記範囲の厚み及び中心線表面粗さを有し、また、裏層が前記範囲の残留溶剤量を有し、バックコート層が前記範囲の中心線表面粗さを有するので、電磁変換特性が優れ、且つ保存時(原反状態での保存時、スリットして作成したパンケーキ状態での保存時及びカセット状態での保存時の何れも含む)における電磁変換特性の低下が少ないことが判る。
【0132】
【発明の効果】
本発明の磁気テープ記録媒体は、電磁変換特性が優れ、且つ保存時における電磁変換特性の低下が少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の磁気テープ記録媒体の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ記録媒体
2 非磁性支持体
3 中間層
4 磁性層
5 バックコート層
10 表層
20 裏層

Claims (1)

  1. 非磁性支持体と表層と裏層とからなり、該表層は、該非磁性支持体の表面側に設けられた中間層と最上層としての磁性層とを具備し、該裏層は、該非磁性支持体の裏面側に設けられたバックコート層を具備し、該磁性層は、強磁性金属粉末及びバインダを含む磁気テープ記録媒体において、
    上記表層の残留溶剤量は、5〜1000ppmであり、
    上記強磁性金属粉末は、鉄を主体とする強磁性金属粉末であり、ランタノイドを含む周期律表のIIIa族の元素の一種以上をFe原子100重量部に対して0.8〜20重量部含み、
    上記磁性層の厚みは、0.05〜0.6μmであり、
    上記磁性層の中心線表面粗さRaは、1〜5nmであり、
    上記裏層の残留溶剤量は、5〜800ppmであり、
    上記バックコート層の中心線表面粗さRaは、2〜8nmであることを特徴とする
    磁気テープ記録媒体。
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