JP3559256B2 - 枚葉ワークの異物除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枚葉ワークの異物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7に示すように、枚葉ワーク51から空気の吸入により塵rを吸入除去(洗浄)する場合、必ず枚葉ワーク51が除塵装置52に吸着されないように、枚葉ワーク51を固定するための装置として、真空ポンプ57が接続された吸着テーブル54などのクランプ機構が必要であった。また、これらの装置に枚葉ワーク51を受け渡し・受け取りを行うローダ55、アンローダ56の付帯設備も搬送ローラ53…の途中に設置されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の除塵装置の構成では、設備の構造・機器の動作が複雑であり、除塵装置の設置において付帯設備にコストがかかり、また、付帯設備の設置に大きなスペースを必要とし、既存のラインの大幅な改造等が必要となるという問題点がある。
【0004】
そこで本発明は、低コストで、枚葉ワークの両面から塵を確実にかつ製品に傷を付けることなく除去できる枚葉ワークの異物除去装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は、走行する枚葉ワークに付着した塵を取り除く異物除去装置に於て、上記枚葉ワークの下上両面側に下部除塵ヘッド及び上部除塵ヘッドを備え、該下部除塵ヘッド及び上部除塵ヘッドが、夫々空気・塵を吸入する上流側塵吸入口と下流側塵吸入口と、該上流側塵吸入口と下流側塵吸入口との間に設けられると共に超音波エアを噴出する噴出ノズルと、を上記各塵吸入口が下上略対称となるよう配設し、上記下部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口と上下流方向同じ位置に、上記枚葉ワークを該上下流側塵吸入口に接触させないよう支持する上流側支持回転体、下流側支持回転体を備え、上記下部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口側の吸入負圧の絶対値が、上記上部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口側の吸入負圧の絶対値よりも大きくなるよう設定したものである。
【0006】
た、上記下部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口が夫々上下流方向に分離した2本の吸入口から形成され、夫々上下流側の最内側吸入口を、上記上部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口と下上対称となるよう配設したものである。
【0007】
また、上記上下流側支持回転体の上下流方向突設幅が、上記下部除塵ヘッドの上下流側塵吸入口の上下流方向設置幅より大きくなるよう構成したものである。また、上記下部除塵ヘッドの上流側塵吸入口と下流側塵吸入口とを、枚葉ワークの走行方向に直角な幅方向の複数のスリットから構成させ、該上流側塵吸入口と下流側塵吸入口とが、上記幅方向に千鳥状に配設して、上記枚葉ワークの全幅に渡って該上流側塵吸入口と下流側塵吸入口の少なくともいずれかに対応しつつ通過させるよう配設したものである。
【0008】
また、複数の搬送ローラ上を走行する枚葉ワークに付着した塵を取り除く異物除去装置に於て、既設の該搬送ローラを適数本はずして上記下部除塵ヘッドを設置するよう構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0010】
図1は、本発明に係る除塵装置の実施の一形態の断面側面図であり、図2は、除塵装置の要部を拡大した断面側面図を示す。この装置は、走行するガラス基盤等の平面の薄膜矩形板状の枚葉ワーク1(基材)に付着した塵Rを取り除く(洗浄する)ものであり、枚葉ワーク1が搬送ローラ46…に載置され送られてくる搬送手段45の走行路に交差するよう設置される。
【0011】
枚葉ワーク1は、特にLCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)業界で使用されるガラス基盤であり、そのガラス基盤の厚さは、0.5 mm〜3.0mm である。この他に、絶縁板のプリント基盤や、コンピューター内部のボードとなる基盤、紙、フィルム、アルミ箔等の薄板状の各枚のシート体である。
【0012】
この除塵装置は、図1と図2に示すように、枚葉ワーク1の下上両面側に下部除塵ヘッド2と上部除塵ヘッド2′を備え、図示省略のブロワーユニットを備える。下部除塵ヘッド2は、上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4と、その上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4の間に設けられると共に超音波エアEを噴出する噴出ノズル5と、を有し、上部除塵ヘッド2′は、上流側塵吸入口3′と下流側塵吸入口4′と、その上流側塵吸入口3′と下流側塵吸入口4′の間に設けられると共に超音波エアEを噴出する噴出ノズル5′と、を有する。また、下部上部除塵ヘッド2,2′を、枚葉ワーク1の下上両面側に、各塵吸入口3,3′,4,4′と上記噴出ノズル5,5′が、後で詳説するが略対称となるように配設する。
【0013】
具体的には、下部(上部)除塵ヘッド2(2′)は、夫々、枚葉ワーク1の走行方向に直交する方向に配設されるケーシング6(6′)と、そのケーシング6(6′)内に設けられる超音波発生器と、を備える。ケーシング6(6′)は、横断面形状に於て、仕切壁7,7(7′,7′)にて区画される上流側と下流側の2つの負圧室8,8(8′,8′)及び2つの負圧室8,8(8′,8′)の間に位置する正圧室9(9′)を有する押出型材から成る角筒状部10(10′)と、その両端部を施蓋して固着する図示省略の両端キャップ部と、から成る。上記超音波発生器は、夫々角筒状部10(10′)の正圧室9(9′)内に、除塵ヘッド2(2′)の長手方向全体にわたるように配設される。
【0014】
また、下部除塵ヘッド2の負圧室8には、その負圧室8からエア(空気)を吸い出す図示省略のエア吸引路が連通連結され、正圧室9には、その正圧室9内に正圧エアを供給する図示省略のエア供給路が連通連結される。そして、ブロワーユニットからエア供給路を介して正圧室9にエアが供給され、噴出ノズル5から超音波エアEを噴出し、エア・塵Rを上下流側塵吸入口3,4から吸入し、負圧室8内のエア・塵Rがエア吸引路及び除塵用のフィルタ等を介してブロワーユニットに戻るように構成されている。また、上部除塵ヘッド2′に関しても同様の構成を有し同様の作用を得る。
【0015】
図3は、下部除塵ヘッド2の平面図を示す。図1と図2と図3に示すように、下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4が(分岐部Bを有して)夫々上下流方向に分離して、並列状の2本の吸入口から形成されている。そして、図2に示すように、夫々上下流側の最内側吸入口31,41を、上部除塵ヘッド2′の上下流側塵吸入口3′,4′と下上対称となるよう配設している。即ち、下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4の両外側吸入口32,42は、上部除塵ヘッド2′の上下流側塵吸入口3′,4′よりも、夫々、上流入口側、下流出口側に配設されるものである。
【0016】
図1と図2と図3に示すように、下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4と、上下流方向(枚葉ワーク1の送り方向)同じ位置に、枚葉ワーク1を下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4に接触させないよう支持する上流側支持回転体11、下流側支持回転体12を備えている。即ち、上流側塵吸入口3と上流側支持回転体11は、枚葉ワーク1の幅方向の略同一線上にかつ、上流側塵吸入口3と並んで配置されている。そして、下流側塵吸入口4と下流側支持回転体12は、枚葉ワーク1の幅方向の略同一線上にかつ、下流側塵吸入口4と並んで配置されている。また、吸入口3,4は、支持回転体11,12の中心近傍に配設するのが好ましい。
【0017】
つまり、上流側支持回転体11と下流側支持回転体12は、下部除塵ヘッド2の吸入口3,4の上面側より突設高さHを有して、下部除塵ヘッド2にアーム部材16,16を介して回転自在に枢着されており、夫々突設部17,18により枚葉ワーク1と下部除塵ヘッド2とは、隙間G を有することができる。
【0018】
そして、上部除塵ヘッド2′の吸入口3′,4′は、枚葉ワーク1の上部に枚葉ワーク1と隙間G を有する位置に配置されている。また、上部除塵ヘッド2′と下部除塵ヘッド2とも、吸入口の開口位置(高さ)と噴出口の開口位置(高さ)とを夫々に於て略同一水平面上に配設している。
【0019】
また、下部除塵ヘッド2の上下流側部(側面視両側部)には、上流側副支持回転体13と下流側副支持回転体14を備える。これらは、図2に示すように、下部除塵ヘッド2のケーシング6に回転軸を備え回転自在としてもよく、また、図3に示すように、ケーシング6の外側に保持具を介して回転自在に枢着させてもよい。これら副支持回転体13,14の高さ方向設置位置は、枚葉ワーク1との接触が可能でかつ、その接触点(線)が、支持回転体11,12の枚葉ワーク1との接触点(線)と、同じ高さとなるよう配設される。即ち、枚葉ワーク1は、支持回転体11,12と副支持回転体13,14とに載置された状態で、(水平)同一面状となるよう設定されたものである。副支持回転体13,14の幅方向設置位置は、図3に示すように、上流側支持回転体11乃至下流側支持回転体12の配置と対応するよう設定されている。
【0020】
図3の平面図に示すように、下部除塵ヘッド2の上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4とを、枚葉ワーク1の走行方向に直角な幅方向の複数のスリットから構成させている。そして、上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4とが、幅方向に千鳥状に配設して、枚葉ワーク1をこの除塵装置に通過させる際、枚葉ワーク1の全幅に渡って、上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4の少なくともいずれかに対応しつつ通過させるよう配設したものである。即ち、枚葉ワーク1は、全幅に渡って、必ず上流側塵吸入口3及び/乃至下流側塵吸入口4を通過するものである。また、スリット状の噴出ノズル5,5′は、正圧室9,9′の枚葉ワーク1側に、角筒状部10,10′の長手方向全長にわたって開設される。
【0021】
しかして、各除塵ヘッド2,2′の噴出ノズル5,5′から超音波エアE,Eを噴出させると共に、塵吸入口3,3′,4,4′から負圧室8…内にエアを吸入する。また、一般に、物体の表面をエアが高速で流れると境界層が生じるが、この装置によれば、超音波エアE,Eが枚葉ワーク1の表裏面に当たるので境界層は超音波によって破壊され、枚葉ワーク1の表裏面に高速なエアが直接当たり、いわゆるエアナイフの効果により塵Rがワーク1表面から剥離する。その剥離した塵Rは、エア流に載って塵吸入口3,3′,4,4′から負圧室8…内に吸入され、さらに、図示省略のエア吸引路を通ってフィルタ等の集塵部に溜められる。これにより、枚葉ワーク1の表裏両面から塵Rを確実に除去できる。
【0022】
次に、除去装置に於て塵Rの除去作業が行われる枚葉ワーク1の状態について説明する。図4(a)に示すように、(図1に示した)搬送ローラ46により上流側から矢印A方向に送られる枚葉ワーク1は、先ず、上流側副支持回転体13に、下部(上部)除塵ヘッド2(2′)の角部に接触して傷が付かないよう載置・ガイドされ、下部上部除塵ヘッド2,2′間に挿入される。
【0023】
その後、図4(b)に示すように、枚葉ワーク1の先端部1aが、上流側塵吸入口3の外側吸入口32の上方位置まで送られると、枚葉ワーク1は、外側吸入口32の吸入圧による吸引力で上流側副支持回転体13側に押さえつけられるように保持される。即ち、枚葉ワーク1と上部除塵ヘッド2′及び下部除塵ヘッド2とは、夫々間隔G 及びG を保って配置・搬送される。この状態では、上部除塵ヘッド2′側の上流側塵吸入口3′による上方への吸引力は枚葉ワーク1には働いていない。
【0024】
この際、枚葉ワーク1は非常に薄いため、この下方への吸引力により先端部1aが下方へ湾曲する。しかし、図2に示すように、上流側支持回転体11の上下流方向突設幅Wが、下部除塵ヘッド2の上流側塵吸入口3の上下流方向設置幅Uより大きくなるよう構成しているため、下方に湾曲した先端部1aは、上流側塵吸入口3に接触する前に、上流側支持回転体11の突設部17にガイドされるため、先端部1aが吸入口3(外側吸入口32)に接触することなく、支持回転体11が回転することで滑らかに枚葉ワーク1を下流側へ搬送するものである。
【0025】
ここで、上流側支持回転体11の上下流方向突設幅Wとは、吸入口3上面から上方へ突出するよう配設された支持回転体11の、(除塵ヘッド2の)側面視可視部分である円弧形状の部位、即ち突設部17の上下流方向の寸法である。また、上流側塵吸入口3の上下流方向設置幅Uとは、上流側塵吸入口3の2本の開口部の最上流端から最下流端まで、即ち、外側吸入口32の上流端から最内側吸入口31の下流端までの上下流方向配設幅のことである。
【0026】
そして、図4(c)に示すように、枚葉ワーク1の先端部1aが、対面する下流・上流側塵吸入口3,3′間を通過すると、塵Rは枚葉ワーク1から剥がれて負圧室8,8′内へ引き込まれる。この際、枚葉ワーク1は、上部除塵ヘッド2′の上流側塵吸入口3′の吸入圧により上方へ吸引力を受けるが、下部除塵ヘッド2の上流側塵吸入口3(負圧室8)側の吸入負圧P の絶対値が、上部除塵ヘッド2′の上流側塵吸入口3′(負圧室8′)側の吸入負圧P の絶対値よりも大きくなるよう設定しているため、枚葉ワーク1は、必ず、下部除塵ヘッド2側に所定隙間G 及び上部除塵ヘッド2′側に所定隙間G を保って、上流側支持回転体11に押さえつけられるよう搬送されて、枚葉ワーク1が上下にばたつくこと(上下振動)がなくエアの噴出・吸入も安定して行われる。
【0027】
次に、除去装置から離れていく枚葉ワーク1の搬送状態について説明する。図5(a)に示すように、上流側より矢印A方向に送られている枚葉ワーク1は、下流側支持回転体12と下流側副支持回転体14に載置・ガイドされ、噴出ノズル5,5′間を通過する。この際、枚葉ワーク1は、上部除塵ヘッド2′の下流側塵吸入口4′の吸入圧により、上方へ吸引力を受けるが、下部除塵ヘッド2の下流側塵吸入口4(負圧室8)側の吸入負圧P の絶対値が、上部除塵ヘッド2′の下流側塵吸入口4′(負圧室8′)側の吸入負圧P の絶対値よりも大きくなるよう設定しているため、枚葉ワーク1は、必ず、下部除塵ヘッド2側に所定隙間G 及び上部除塵ヘッド2′側に所定間隔G を保って、下流側支持回転体12に押さえつけられるよう搬送され続けており、枚葉ワーク1が上下にばたつくこと(上下振動)がなくエアの噴出・吸入も安定して行われる。
【0028】
その後、図5(b)に示すように、枚葉ワーク1の後端部1bが、下流側塵吸入口4の外側吸入口42の上方位置まで送られると、枚葉ワーク1は、上部除塵ヘッド2′側の下流側塵吸入口4′からの上方への吸引力は枚葉ワーク1には働いていないため、下部除塵ヘッド2の外側吸入口42の吸引力で下流側副支持回転体14側に押さえつけられるように保持される。
【0029】
この際、枚葉ワーク1は非常に薄いため、この下方への吸引力により後端部1bが下方へ湾曲する。しかし、図2に示すように、下流側支持回転体12の上下流方向突設幅Wが、下部除塵ヘッド2の下流側塵吸入口4の上下流方向設置幅Uより大きくなるよう構成しているため、下方に湾曲する後端部1bは、下流側塵吸入口4に接触する前に、下流側支持回転体12の突設部18にガイドされるため、後端部1bが吸入口4(外側吸入口42)に接触することなく、下流側支持回転体12が回転することで滑らかに枚葉ワーク1を下流側へ搬送するものである。
【0030】
そして、図5(c)に示すように、塵Rが両面とも除去された枚葉ワーク1の後端部1bが、下流側副支持回転体14に、枚葉ワーク1が下部(上部)除塵ヘッド2(2′)の角部に接触して傷が付かないよう載置・ガイドされ、下部上部除塵ヘッド2,2′間から離間する。そして搬送ローラ46により下流側へ送られる。
【0031】
図6に示すように、既設の搬送手段45を形成する搬送ローラ46…のうちの適数本を製作ラインからはずして、そのスペースに下部除塵ヘッド2を設置して、これに対応するように搬送ローラ46の上方に上部除塵ヘッド2′を配置してもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0033】
(請求項1によれば)枚葉ワーク1を下部除塵ヘッド2に接触させることなく、枚葉ワーク1と塵吸入口3,4とに所定の隙間G をあけて、かつ、その隙間G を常に一定に保って除塵作業が行え、確実に枚葉ワーク1の両面から塵Rを除去することが可能である。かつ、枚葉ワーク1に傷を付けることも防止できる。
【0034】
さらに、枚葉ワーク1を保持する吸着装置等を別途設けることなく、枚葉ワーク1が上流及び下流側支持回転体11,12に押さえつけられた状態となるため、常に下部除塵ヘッド側に枚葉ワーク1を隙間G2 をあけて配置させることが可能であり、簡単な構成により安定した両面の除塵作業が可能となる。
【0035】
(請求項によれば)枚葉ワーク1が上部下部除塵ヘッド2′,2の上流側塵吸入口3,3′に近づいた際、また、枚葉ワーク1が下流側塵吸入口4,4′から離れる際、枚葉ワークが下部除塵ヘッド2側に押さえつけられた状態で接近・離間するため、薄い枚葉ワーク1が上下吸引力により上下振動することなく、確実に常に下部除塵ヘッド側に枚葉ワーク1を隙間G2 をあけて配置させることが可能であり、安定した除塵作業が可能となり、製品に傷を付けることがない。
【0036】
(請求項によれば)枚葉ワーク1が下部上部除塵ヘッド2,2′の上流側塵吸入口3,3′に近づいた際、及び、枚葉ワーク1が下流側塵吸入口4,4′から離れる際、枚葉ワーク1を下部除塵ヘッド2に接触させることなく、所定の枚葉ワーク1と塵吸入口3,4とに隙間G2 をあけて滑らかに下流側へ搬送することを容易にして、除塵作業が行え、製品に傷を付けることなく確実に枚葉ワーク1から塵Rを除去することが可能である。
【0037】
(請求項によれば)(上下流側支持回転体11,12を、上下流側塵吸入口3,4と上下流方向同じ位置に配置しても)枚葉ワーク1全幅に渡って、塵Rの除去作業が可能であり、枚葉ワーク1全面で塵Rの除去を確実に行うことができる。
【0038】
(請求項によれば)下部上部除塵ヘッド2,2′以外の枚葉ワーク1を受け渡しする付帯設備等を必要とせずして、既存の製造ラインに設置可能であり、狭いスペースにでも簡単に設置することができるため、コンパクトな設備とし、設備投資のコストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異物除去装置の実施の一形態を示す側部断面図である。
【図2】異物除去装置の拡大側部断面図である。
【図3】下部除塵ヘッドの平面図である。
【図4】塵を取り除く作業を説明する側部断面図である。
【図5】塵を取り除く作業を説明する側部断面図である。
【図6】本発明の異物除去装置の他の実施の一形態を示す側部断面図である。
【図7】従来の異物除去装置の例を示す側部断面図である。
【符号の説明】
1 枚葉ワーク
2 下部除塵ヘッド
2′ 上部除塵ヘッド
3 上流側塵吸入口
3′ 上流側塵吸入口
4 下流側塵吸入口
4′ 下流側塵吸入口
5 噴出ノズル
5′ 噴出ノズル
11 上流側支持回転体
12 下流側支持回転体
31 最内側吸入口
41 最内側吸入口
46 搬送ローラ
E 超音波エア
吸入負圧
吸入負圧
U 設置幅
R 塵
W 突設幅

Claims (5)

  1. 走行する枚葉ワーク1に付着した塵Rを取り除く異物除去装置に於て、上記枚葉ワーク1の下上両面側に下部除塵ヘッド2及び上部除塵ヘッド2′を備え、該下部除塵ヘッド2及び上部除塵ヘッド2′が、夫々空気・塵Rを吸入する上流側塵吸入口3,3′と下流側塵吸入口4,4′と、該上流側塵吸入口3,3′と下流側塵吸入口4,4′との間に設けられると共に超音波エアEを噴出する噴出ノズル5,5′と、を上記各塵吸入口3,3′,4,4′が下上略対称となるよう配設し、上記下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4と上下流方向同じ位置に、上記枚葉ワーク1を該上下流側塵吸入口3,4に接触させないよう支持する上流側支持回転体11、下流側支持回転体12を備え、上記下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4側の吸入負圧P 1 の絶対値が、上記上部除塵ヘッド2′の上下流側塵吸入口3′,4′側の吸入負圧P 2 の絶対値よりも大きくなるよう設定したことを特徴とする枚葉ワークの異物除去装置。
  2. 上記下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4が夫々上下流方向に分離した2本の吸入口から形成され、夫々上下流側の最内側吸入口 31 41 を、上記上部除塵ヘッド2′の上下流側塵吸入口3′,4′と下上対称となるよう配設した請求項1記載の枚葉ワークの異物除去装置。
  3. 上記上下流側支持回転体 11 12 の上下流方向突設幅Wが、上記下部除塵ヘッド2の上下流側塵吸入口3,4の上下流方向設置幅Uより大きくなるよう構成した請求項1又は2記載の枚葉ワークの異物除去装置。
  4. 上記下部除塵ヘッド2の上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4とを、枚葉ワーク1の走行方向に直角な幅方向の複数のスリットから構成させ、該上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4とが、上記幅方向に千鳥状に配設して、上記枚葉ワーク1の全幅に渡って該上流側塵吸入口3と下流側塵吸入口4の少なくともいずれかに対応しつつ通過させるよう配設した請求項1,2又は3記載の枚葉ワークの異物除去装置。
  5. 複数の搬送ローラ 46 …上を走行する枚葉ワーク1に付着した塵Rを取り除く異物除去装置に於て、既設の該搬送ローラ 46 を適数本はずして上記下部除塵ヘッド2を設置するよう構成した請求項1,2,3又は4記載の枚葉ワークの異物除去装置。
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