JP3559161B2 - バックライト用ランプの交換時期指示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバックライト用ランプの交換時期指示方法に係わり、特に、周囲照度に応じたLCD輝度を発生するLCD表示装置におけるバックライト用ランプの交換時期指示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周囲照度に応じて液晶表示器のバックライト輝度(LCD輝度)を所定の値に変化する自動調光装置が知られている。かかる自動調光装置では、ある周囲照度に対して最も適したLCD輝度を予め決めておき、該周囲照度において該LCD輝度となるようにPWM(Pulse Width Modulation)値をリアルタイムに決定し、該PWM値に基づいてバックライト発生部を構成するCFL(Cathode Fluorescent Lamp)の駆動電圧を制御する。
図3は従来の自動調光装置の構成図であり、1はLCD(液晶)で構成されたLCDスクリーン、2は液晶表示装置のバックライトを発生するCFL(Cathode Fluorescent Lamp)で単位時間あたりの印加電圧が大きいほど明るくなる。従って、CFL駆動電圧をPWM制御することによりバックライト輝度(LCD輝度)を制御することができる。また、CFLの輝度は周囲温度により変化し、低温になる程輝度が低下する。3は周囲照度とLCD輝度の関係を示す輝度変化曲線を記憶する不揮発性メモリで、例えばE2PROMである。図4は輝度変化曲線の例であり、横軸は周囲照度A(LUX)、縦軸はLCD輝度である。
【0003】
4は操作部、5は周囲照度を検出する第1のフォトセンサ、6はフォトセンサー出力をAD変換するADコンバータ、7はCFLの輝度(LCD輝度)を検出する第2のフォトセンサー、8はフォトセンサー出力をAD変換するADコンバータ、9は周囲照度に応じたLCD輝度となるように制御するマイコンである。10はPWMデータ値をデューティ0〜100(%)のPWM波に変換するもの、11はデューティに基づいてオン/オフするスイッチ、12は自動車のバッテリー電源、13はエンジン回転数により変動する自動車のバッテリー電圧を一定の安定したDC電圧にするDC−DCコンバータ、14はDC電圧をスイッチ11によりチョッピングして前記デューティを有する矩形波信号(AC電圧)を発生するDC−ACコンバータ(いわゆるインバータ)、15はDC−ACコンバータから出力するAC電圧を数百ボルト程度まで昇圧してCFL2を駆動するトランスである。
【0004】
マイコン9は、フォトセンサー5により検出された周囲照度に応じたLCD輝度(目標輝度)をE2PROM3に記憶された輝度変化曲線より求めると共に、CFL2の輝度(LCD輝度)をフォトセンサー7よりADコンバータ8を介して取得する。ついで、マイコン9は目標輝度と実際のLCD輝度を比較し、該差が零となるようにPWM値を制御する。DC−ACコンバータ14はこのPWM値に応じたデューティでDC−AC変換するため、CFL2へ印加する電圧がデューティすなわちPWM値に応じて変化し、実際のLCD輝度が目標輝度に近づく。以後、上記フィードバック制御が行われ、実際のLCD輝度と目標輝度が等しくなる。従って、周囲温度に関係なく、設定してある輝度変化曲線に応じたLCD輝度を得ることができる。この場合、低温になる程、CFLに印加する電圧のデューティが大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CFLの特性は経年劣化し、輝度が使用時間に応じて低下する傾向を示す。このように径年劣化によりCFLの輝度が低下しても、前述のフィードバック制御によりPWM値を大きくすること、すなわちデューティを上げる事で設定輝度変化曲線に応じたLCD輝度を得ることができる。
しかし、経年劣化したCFLで発生できるLCD輝度、たとえばデューティ=100%で出せるLCD輝度は低くなり、目標輝度が大きいとデューティ=100%にしても実際のLCD輝度を目標輝度に等しくできなくなる。又、かかる場合、バッテリーの消耗が大きくなり、LCD表示装置を車載用や携帯用に用いる場合に問題が生じる。
従って、CFLが使用により経年劣化したことを速やかに検出して交換する必要がある。しかし、前記フィードバック制御機能のため、ユーザーにはCFLの劣化がわかりづらく、いつCFLを交換すべきか判断ができない場合が多い。
以上から、本発明の目的は、CFLが使用により経年劣化した場合、自動的にユーザにCFLの交換を指示できるバックライト用ランプの交換時期指示方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は本発明によれば、ランプ使用開始時における周囲温度、周囲照度、該周囲照度に応じたLCD輝度を発生するPWM値を保存しておき、使用時間が設定時間を経過してから前記保存してある周囲温度、周囲照度になったとき、該周囲照度に応じたLCD輝度を発生するPWM値を求め、該PWM値と前記保存してあるPWM値とを比較してランプ交換時期を判断してその交換を指示することにより達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のLCD表示装置の構成図である。
図中、101はLCD表示装置、102は画像をLCD表示装置に入力して表示する映像ユニットである。
LCD表示装置101において、21はLCDスクリーン、22は液晶表示装置のバックライトを発生するCFL、23は周囲照度とLCD輝度の関係を示す輝度変化曲線(図4)を記憶するE2PROM、24は操作部、25は周囲照度を検出する第1のフォトセンサ、26はフォトセンサー出力をAD変換するADコンバータ、27はCFLの輝度(LCD輝度)を検出する第2のフォトセンサー、28はフォトセンサー出力をAD変換するADコンバータ、29はCFL2の近傍の温度を検出する温度センサー、30は温度センサー出力をAD変換するADコンバータ、31はマイコンであり、▲1▼実際のLCD輝度を周囲照度に応じたLCD輝度(目標輝度)と一致するように制御すると共に、▲2▼CFLの経年劣化を検出してその交換を指示する制御を行う。32はマイコンより出力するPWM値をデューティ0〜100(%)のPWM波に変換する変換部である。マイコン31はPWM値としてデューティ(%)に比例する数値を用いる。このため、変換部32はPWM値をデューティ(%)に変換して出力する。尚、マイコン31はPWM値としてデューティ(%)を出力することもでき、かかる場合には変換部32が不要になる。
【0008】
33はデューティに基づいてオン/オフするスイッチ、34は自動車のバッテリー電源、35はエンジン回転数により変動する自動車のバッテリー電圧を一定の安定したDC電圧にするDC−DCコンバータ、36はDC電圧をスイッチ33によりチョッピングして前記デューティを有する矩形波信号(AC電圧)を発生するDC−ACコンバータいわゆるインバータ、37はDC−ACコンバータから出力するAC電圧を数百ボルト程度まで昇圧してCFL22を駆動するトランス、38は映像ユニット102から出力する1画面分の画像を記憶するビデオバッファ、39は映像ユニット102とマイコン31との間で通信を行うためのバスインタフェースである。
【0009】
マイコン31は、従来と同様に実際のLCD輝度を周囲照度に応じた目標輝度と一致するようにフィードバック制御する。すなわち、マイコン31は、フォトセンサー25により検出された周囲照度に応じたLCD輝度(目標輝度)をE2PROM23に記憶された輝度変化曲線より求めると共に、CFL22の実際の輝度(LCD輝度)をフォトセンサー27より取得する。ついで、マイコン31は目標輝度と実際のLCD輝度を比較し、差が零となるようにPWM値を決定する。DC−ACコンバータ36はこのPWM値に応じたデューティでDC−AC変換を行い、CFL22へ印加する電圧を制御し、実際のLCD輝度を目標輝度に近づける。以後、上記フィードバック制御により実際のLCD輝度と目標輝度が等しくなる。以上の制御により、周囲温度やある程度の経年劣化に関係なく設定してある輝度変化曲線に応じたLCD輝度を得ることができる。
【0010】
又、マイコン31はCFLの経年劣化を検出してその交換を指示する制御を行う。図2はかかるランプ交換時期指示処理のフローである。
まず、新品のCFLを最初に使用した時の周囲温度x(0C)、周囲照度y(LUX)、実際のLCD輝度を周囲照度に応じた目標輝度と一致させた時のPWM値zを測定し(ステップ201)、これらx,y,zをE2PROM23に記憶する(ステップ202)。
ついで、マイコン31はCFL22が使用された時間を積算し、該積算時間が設定時間、例えば1万時間を越えたかチェックし(ステップ203)、設定時間以上になれば、周囲温度T及び周囲照度Aを検出し、これらが保存してあるCFLの初期使用時における周囲温度x、周囲照度yに等しくなったかチェックする(ステップ204)。尚、幅Δx,Δyを持たせ、T=x±Δx,A=y±Δyであれば一致したものとみなす。
【0011】
初期使用時と同じ周囲温度、周囲照度の環境になれば、該環境において周囲照度(目標輝度)に応じたLCD輝度が得られたときのPWM値Pを求め(ステップ205)、該PWM値Pと保存してあるPWM値zとを比較してランプ交換時期を判断する。すなわち、
P/zと設定値a(例えばa=2)と比較し(ステップ206)、P/z<aであれば、まだ交換時期でないとみなして使用を継続すると共に、ステップ204以降の処理を行う。
一方、ステップ206において、P/z≧aであれば、すなわち、CFLが50%以上劣化していればCFLを交換すべきであるとみなして映像ユニット102に「CFLの交換を促す映像」を要求し、該映像を受信してLCDスクリーン21に表示する(ステップ 207)。これにより、ユーザはCFLの交換時期を認識して交換することになる。尚、CFLの交換指示方法としては以上のほかに、▲1▼交換を指示するLEDの点灯、あるいは、▲2▼警報の鳴動、あるいは、▲3▼CFL輝度をある周期で大幅に変化させるなど適宜の方法を採用することができる。 以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0012】
【発明の効果】
以上本発明によれば、ランプ使用開始時における周囲温度、周囲照度、該周囲照度に応じた目標輝度を発生するPWM値を保存しておき、使用時間が設定時間を経過してから前記保存してある周囲温度、周囲照度になったとき、該周囲照度に応じた目標輝度を発生するPWM値を求め、該PWM値と前記保存してあるPWM値とを比較してランプ交換時期を判断してその交換を指示するようにしたから、CFLが使用により経年劣化した場合、自動的にユーザに速やかにCFLの交換を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLCD表示装置の構成図である。
【図2】本発明のランプ交換時期指示処理のフロー図である。
【図3】従来の自動調光装置の構成図である。
【図4】輝度変化特性図である。
【符号の説明】
101・・LCD表示装置
102・・映像ユニット
21・・LCDスクリーン
22・・CFL
23・・E2PROM
25,27・・フォトセンサー
29・・温度センサー
31・・マイコン
36・・DC−ACコンバータ
37・・トランス
38・・ビデオバッファ
Claims (1)
- 周囲照度と輝度の対応を示す輝度変化曲線を記憶しておき、LCD表示装置のバックライト用ランプに印加する電圧をPWMにより制御し、バックライト輝度を検出し、該バックライト輝度が輝度変化曲線より求まる周囲照度に応じた輝度に等しくなるようにPWM値を変えてランプ印加電圧を制御するバックライト用ランプの交換時期指示方法において、
ランプ使用開始時における周囲温度、周囲照度、該周囲照度に応じた輝度を発生するPWM値を保存しておき、
使用時間が設定時間を経過してから前記保存してある周囲温度、周囲照度になったとき、該周囲照度に応じた輝度を発生するPWM値を求め、該PWM値と前記保存してあるPWM値とを比較してランプ交換時期を判断してその交換を指示することを特徴とするバックライト用ランプの交換時期指示方法。
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