JP4175349B2 - 放電灯点灯装置およびプロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、高輝度放電ランプの点灯に用いる放電灯点灯装置およびこの放電灯点灯装置を搭載したプロジェクタに関するものである。
従来から、放電ランプに矩形波交番電圧を印加して点灯させる放電灯点灯装置が知られている。とくに、プロジェクタ用の光源に用いる超高圧水銀ランプのような高輝度放電ランプ(HIDランプ)では、音響共鳴現象の発生を防止するために、比較的低周波(数百Hz程度)の矩形波交番電圧を印加する構成が広く採用されている(たとえば、特許文献1参照)。
この種の用途では点光源に近付けるために、放電ランプのアーク長をできるだけ小さくすることが要求されている。しかしながら、アーク長を小さくすると、電極上におけるアークの発生位置が電極の温度や表面の状態に依存して不安定になり、アークの起点位置が別の場所にジャンプする現象が生じやすくなる。この種の現象が生じると、放電ランプからの光出力にフリッカ(ちらつき)が生じ、プロジェクタ用の光源として用いる場合には、投影面(スクリーン)上での輝度が低下したり、明るさの変動によって映像が見にくくなるなどの問題を生じる。
ところで、放電ランプのランプ電圧が高いとランプ電流が減少し、放電ランプの電極およびバルブ内の温度が低下するものであるから、バルブ内での活性が低下する。たとえば、メタルハライドランプであれば、ハロゲンサイクルが活発に行われなくなる。通常は電極の表面に突起が形成され突起がアークの起点となることによってアークの起点が安定するのであるが、上述のようにバルブ内での活性が低下した状態では電極の表面に突起が形成されにくくアークの起点が定まらずにアークの起点が移動する現象を生じやすくなる。また、電極の表面に突起が形成されずアークの起点が安定しないと電極全体でアークによる損傷を受けるから電極の劣化が進行しやすくなる。
ところで、放電ランプLaのフリッカを軽減する技術としては、フリッカの発生の検出に従って放電ランプLaのランプ電流形状を変更する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。また、放電ランプのランプ電流の半周期において放電ランプに供給する電力の瞬時値を時間経過とともに次第に増加させる技術も提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
特開2002−352982号公報(第0009−0013段落、図1) 特表2002−532866号公報(第0013段落、図1) 特開2002−134287号公報(第0019−0020段落、図1−2)
上述した特許文献1,2に記載のものは電極の損耗を制御する技術であって、特許文献2においてはとくにフリッカの軽減に着目しているが、放電ランプのランプ電流形状を変更するためにパルス状の電流を重畳する必要があり、比較的複雑な制御が必要になる問題を有している。同様に、特許文献3に記載の技術も放電ランプに供給する電力の瞬時値を変化させ、放電ランプに印加する電圧またはランプ電流の波形を矩形波以外の波形に変更するものであるから、比較的複雑な制御が必要になるという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、簡単な制御によって放電ランプの電極やバルブ内の温度を適正な状態に保つことを可能とし、もって電極への突起の生成を促進してアークの起点の位置を安定させてフリッカの発生を抑制するとともに電極の劣化を抑制して放電ランプを長寿命化することを可能とした放電灯点灯装置を提供するとともに、この放電灯点灯装置を搭載したプロジェクタを提供することにある。
請求項1の発明は、スイッチング素子のオンオフを制御することにより高輝度放電ランプである放電ランプへの供給電力を可変とした電力変換回路と、放電ランプの安定点灯時に放電ランプに定電力が供給される定電力モードで電力変換回路のスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路と、放電ランプにおけるフリッカの発生を検出するフリッカ検出手段とを備え、制御回路は、放電ランプに定電力モードで供給する電力よりも大きい電力を電力変換回路から供給させる高電力モードを、放電ランプの点灯期間中であってフリッカ検出手段がフリッカを検出している期間に選択することを特徴とする。
この構成によれば、放電ランプに供給する電力を変化させるだけの簡単な制御によって放電ランプの電極やバルブ内の温度を適正な状態に保つことを可能とし、結果的に電極への突起の生成を促進しアークの起点の位置を安定させることを可能としてフリッカの発生を抑制し、さらに電極の劣化を抑制して放電ランプを長寿命化することができる。しかも、フリッカが発生している期間に放電ランプに供給する電力を増加させるから、フリッカが発生したときに電極やバルブ内の温度を上昇させてフリッカを抑制することが可能になる。また、フリッカが生じていない期間には供給電力を増加させないから、放電ランプに不必要に大きな電力を供給することがなく、放電ランプへのストレスが比較的少なく電力消費の増加も抑制することができる。
請求項2の発明は、スイッチング素子のオンオフを制御することにより高輝度放電ランプである放電ランプへの供給電力を可変とした電力変換回路と、放電ランプの安定点灯時に放電ランプに定電力が供給される定電力モードで電力変換回路のスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路と、放電ランプにおけるフリッカの発生を検出するフリッカ検出手段とを備え、制御回路は、放電ランプに定電力モードで供給する電力よりも大きい電力を電力変換回路から供給させる高電力モードを、放電ランプの点灯期間中であってフリッカ検出手段がフリッカを検出した時点から所定期間において選択することを特徴とする。
この構成によれば、放電ランプに供給する電力を変化させるだけの簡単な制御によって放電ランプの電極やバルブ内の温度を適正な状態に保つことを可能とし、結果的に電極への突起の生成を促進しアークの起点の位置を安定させることを可能としてフリッカの発生を抑制し、さらに電極の劣化を抑制して放電ランプを長寿命化することができる。しかも、フリッカを検出した時点から所定期間において放電ランプに供給する電力を増加させるから、フリッカが発生したときに電極やバルブ内の温度を上昇させてフリッカを抑制することが可能になる。また、フリッカが生じて供給電力を増加させることによってフリッカがすぐに停止したとしても所定期間は供給電力を増加させているから、電極やバルブ内の温度を十分に上昇させることができ、逆にフリッカが生じて供給電力を増加させてもフリッカが停止しないときに不必要に長時間に亘って供給電力を増加させることによる無駄な電力消費を抑制することができる。つまり、電極やバルブ内の温度低下ではない原因でのフリッカの発生に対しては、大きな電力の供給を打ち切ることによって無駄な電力消費を抑制することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記フリッカ検出手段が、前記放電ランプに印加する電圧と放電ランプに流れる電流と放電ランプの光出力との少なくとも1要素を検出要素に用いてフリッカの発生を検出することを特徴とする。
この構成は、フリッカを検出するために用いる情報の種類を規定するものである。ランプに印加する電圧とランプ電流と実際の光出力とのうちのいずれかを用いることによってフリッカの発生を判断することができ、また複数の要素を複合して用いることによりフリッカの発生を誤認なく検出可能になる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記フリッカ検出手段が、前記検出要素の単位時間内の変化量が規定値以上であるとフリッカの発生として検出することを特徴とする。
この構成によれば、検出要素の変化率が大きくなったときにフリッカが発生したと判断するからフリッカを遅滞なく検出することができる。
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記フリッカ検出手段が、前記検出要素の単位時間内の変化量が規定値以上である回数を規定した判定期間毎に求め、求めた回数が規定した閾値以上であるとフリッカの発生として検出することを特徴とする。
この構成によれば、検出要素の変化率が大きくなる状態が比較的長い期間(一定期間)に亘って生じているときにフリッカの発生として検出するから、人がフリッカ(ちらつき)を認識する状態と同様の状態を認識して、フリッカの発生を正確に検出することが可能になる。
請求項6の発明は、プロジェクタであって、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置を搭載したことを特徴とする。
本発明の構成によれば、放電ランプに供給する電力を変化させるだけの簡単な制御によって放電ランプの電極やバルブ内の温度を適正な状態に保つことを可能とし、結果的に電極への突起の生成を促進しアークの起点の位置を安定させることを可能としてフリッカの発生を抑制し、さらに電極の劣化を抑制して放電ランプを長寿命化することができるという利点がある。しかも、フリッカ検出手段でフリッカを検出するから、フリッカが発生したときに電極やバルブ内の温度を上昇させてフリッカを抑制することが可能になる。また、放電ランプへの供給電力を不必要に増加させることがなく、無駄な電力消費を抑制することができる。
(実施形態1)
本実施形態は、図1に示すように、直流電源Eを電源とするDC−DC変換回路1と、DC−DC変換回路1から出力される直流電圧を矩形波交番電圧に変換して放電ランプLaに印加する極性反転回路2とからなる電力変換回路を有し、電力変換回路に設けたスイッチング素子Q1〜Q5のオンオフを制御する制御回路3を有する。スイッチング素子Q1〜Q5としては、パワートランジスタ、MOSFET、IGBTから選択する。また、放電ランプLaとしては、高輝度放電ランプ、たとえば120〜300Wの超高圧水銀放電ランプを用いる。なお、放電ランプLaを始動するための高電圧を発生させるイグナイタは図示していない。
DC−DC変換回路1は、図示例では降圧形のチョッパ回路であって、直流電源E(交流電源を整流して得た直流電源でもよい)の両端間にスイッチング素子Q1とダイオードD1との直列回路を挿入し、さらにDC−DC変換回路1の出力端間に接続される平滑コンデンサC1とインダクタL1との直列回路をダイオードD1に並列接続した構成を有する。ダイオードD1のカソードは、スイッチング素子Q1とインダクタL1との接続点に接続され、ダイオードD1のアノードは平滑コンデンサC1の負極に接続される。このチョッパ回路は、周知のように、スイッチング素子Q1のオン期間において、インダクタL1を通して直流電源Eから平滑コンデンサC1に充電電流を流し、スイッチング素子Q1のオフ期間に平滑コンデンサC1とダイオードD1とを通る経路でインダクタL1のエネルギを放出させるものである。直流電源Eの負極とダイオードD1のアノードとの間には入力電流検出用の抵抗R1が挿入され、平滑コンデンサC1と抵抗R1との直列回路には2個の抵抗R2,R3の直列回路である分圧回路4が並列接続される。ここでは、直流電源Eとして放電ランプLaの点灯電圧よりも高電圧のものを想定しているから、降圧形のチョッパ回路を用いているが、直流電源Eと放電ランプLaとの関係に応じて他の構成のDC−DC変換回路を用いることも可能である。
極性反転回路2は、4個のスイッチング素子Q2〜Q5をブリッジ接続したフルブリッジ形のインバータ回路であって、各一対のスイッチング素子Q2〜Q5の直列回路からなる一対のアームが並列接続され、各アームは平滑コンデンサC1の両端間に接続される。ただし、放電ランプLaのランプ電流を検出するために平滑コンデンサC1の負極とスイッチング素子Q3との間に抵抗R4を挿入するとともに、抵抗R4の両端電圧を検出する電流検出部8を設け、さらに放電ランプLaの光出力を検出する光出力検出部9を設けている。光出力検出部9としては、たとえば放電ランプLaの近傍に配置したフォトダイオードなどの受光素子を用いる。
また、各アームを構成する各一対のスイッチング素子Q2〜Q5の接続点間にはインダクタL2とコンデンサC2との直列回路が挿入され、コンデンサC2の両端間に放電ランプLaが接続される。ただし、極性反転回路2は必須ではなく、DC−DC変換回路1の出力によって放電ランプLaを安定に点灯させることができる点灯回路であれば、図示する構成のほかのどのような構成のものを用いてもよい。たとえば、放電ランプLaに交番電圧を印加する代わりに交番しない直流電圧を印加してもよい。
制御回路3は、抵抗R1,R3の各両端電圧を監視することによって、直流電源Eからの供給電流とDC−DC変換回路1の出力電圧とを監視し、スイッチング素子Q1〜Q5のオンオフを制御するための制御信号を出力する。極性反転回路2に設けたスイッチング素子Q2〜Q5のオンオフは、制御回路3からの指示によってフルブリッジ制御部5で生成される2相の制御信号によって制御される。フルブリッジ制御部5はドライブ回路(たとえば、IR社製のIR2111を用いる)6a,6bを介してスイッチング素子Q2〜Q5に制御信号を与える。抵抗R3の両端電圧はDC−DC変換回路1の出力電圧(平滑コンデンサC1の両端電圧)に比例する電圧であって、放電ランプLaの両端電圧(以下、ランプ電圧という)を反映した電圧になる。
制御回路3には、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と呼ぶ。たとえば、三菱社製のM37540を用いる)10が含まれ、マイコン10には抵抗R3の両端電圧がA/D変換器13を介して入力される。すなわち、ランプ電圧に相当する抵抗R3の両端電圧と、ランプ電流に相当する電流検出部8の出力と、光出力を反映した光出力検出部9の出力とが、それぞれA/D変換器13〜15を通してマイコン10に入力される。ここに、抵抗R3の両端電圧は平滑コンデンサC1により平滑された電圧であってA/D変換器13のサンプリング周期内では一定と考えてよいからA/D変換器13に直接入力しているが、抵抗R4の両端電圧は極性反転回路2におけるスイッチング素子Q2〜Q5のスイッチングによって変動ししかも抵抗R4は小抵抗であって両端電圧が低電圧であるからフィルタおよび増幅の機能を備えた電流検出回路8を通してA/D変換器14に入力する。上述のように、抵抗R3の両端電圧は極性反転回路2の電源電圧に比例しているから、放電ランプLaの印加電圧(つまり、ランプ電圧)を反映している。マイコン10は、フリッカ検出手段としてのチラツキ検出部11と、後述する時限動作用のタイマ12とを備える。
チラツキ検出部11は、放電ランプLaにおけるフリッカの発生を検出するものであって、A/D変換器13から出力されるランプ電圧に相当するデジタル値と、A/D変換器14から出力されるランプ電流に相当するデジタル値と、A/D変換器15から出力される放電ランプLaの光出力に相当するデジタル値との少なくとも1要素を検出要素に用いてフリッカの発生を検出する。
ところで、プロジェクタや自動車の前照灯に用いる高輝度放電ランプは、光出力の立ち上がり時間を短縮するために、始動直後の所定期間においては比較的大きな定電流(定格電流よりも大きい電流)を流す電流制御を行って水銀蒸気圧を上昇させ、水銀蒸気圧の上昇によって光出力が上昇した後の定常点灯状態においては光出力を安定に保つように定電力を供給する電力制御を行うのが一般的である。このような制御は、A/D変換器13の出力を監視してマイコン10が行っている。電流制御を行う期間と電力制御を行う期間とはDC−DC変換回路1の出力電圧の変化を監視することによってマイコン10が決定する。つまり、放電ランプLaの始動直後においては放電ランプLaの両端電圧は低電圧であるから、抵抗R3の両端電圧が、規定電圧(安定点灯時の電圧を基準にして規定した電圧)よりも低電圧である期間を始動期間として電流制御を行い、規定電圧以上になると安定点灯であるものとして電力制御を行う。
電流制御の際の電流の目標値および電力制御(以下、定電力モードという)の際の電力の目標値はマイコン10において設定されている。定電力モードの動作時においてA/D変換器13から出力されるランプ電圧に相当する電圧はデータテーブルによって電力制御データにあらかじめ対応付けられており、データテーブルを用いることによってA/D変換器13の出力値を電力制御データに変換する。この電力制御データと上述した電力の目標値との差に相当する供給電力の補正量がPWM制御回路7に与えられる。PWM制御回路7では、抵抗R1の両端電圧として検出された供給電流とマイコン10から与えられた電力の補正量とを用いてDC−DC変換回路1の出力電圧の補正量を求め、電圧の補正量に応じたパルス幅の制御信号を生成してスイッチング素子Q1のオンオフを制御する。抵抗R1の両端電圧は直流電源Eからの供給電流に相当するから、消費電流を反映している。なお、PWM制御回路7では所定周波数の三角波または鋸歯状波を生成しており、電力の補正量を入力電流で除算することにより求めた電圧の補正量に応じたレベルを閾値とし、三角波または鋸歯状波のうち閾値以上の区間がオンになるパルスを生成することによって、スイッチング素子Q1をオンオフさせるパルス状の制御信号を生成する。
本発明は、放電ランプLaの安定点灯時の期間において、制御回路3でDC−DC変換回路1の出力電力を定電力モードよりも大きくする高電力モードを選択可能としている点が特徴であって、高電力モードでは電力の目標値が引き上げられる。高電力モードは、定格点灯と調光点灯とのどちらに対しても選択可能であり、また高電力モードにおいて1段階だけではなく2段階以上の電力を選択する構成としてもよい。たとえば、図2に示す例では定電力モードでの電力P(P′)に対して、高電力モードでは2段階の電力P1,P2(P1′,P2′)を選択可能としている。ここに、括弧内は調光点灯の際の電力を表している。また、図2における電圧範囲D1は始動期間の電圧範囲であり、電圧範囲D2は放電ランプLaの定格電圧V0の前後に設定した使用電圧範囲(放電ランプLaの始動期間を除く点灯時に使用される電圧の範囲)である。図示例では調光点灯は1段階のみ示しているが、調光点灯を複数段階に設定してもよい。調光段階を複数段階とする場合に、調光段階ごとに高電力モードの段階を設定するのが望ましい。
本実施形態では、チラツキ検出部11が放電ランプLaのフリッカの発生を検出したことを条件として制御回路3が高電力モードを選択する。フリッカの発生が検出されている期間あるいはフリッカが検出された時点から所定期間(一定期間)において高電力モードが選択される。フリッカが検出された時点から所定期間を時限するためにマイコン10にはタイマ12が内蔵される。
フリッカが検出されている期間に高電力モードを選択するのは、フリッカの原因が電極やバルブ内の温度低下によるとみなしているからであって、フリッカが発生したときに電極やバルブ内の温度を上昇させることによってフリッカを抑制することが可能になる。さらに、フリッカが検出された時点から所定期間において高電力モードを選択する構成によって、フリッカが生じて供給電力を増加させた後にフリッカがすぐに停止したとしても所定期間は高電力モードで動作することによって、電極やバルブ内の温度を十分に上昇させることができる。また、逆にフリッカが生じて供給電力を増加させてもフリッカが停止しないような場合でも、高電力モードは所定時間で終了するから、不必要に長時間に亘って供給電力を増加させることによる無駄な電力消費を抑制することができる。
チラツキ検出部11においてフリッカの発生の有無を検出する技術としては、上述したランプ電圧、ランプ電流、光出力の検出要素の少なくとも1種類を用い、検出要素の値の単位時間内の変化量を求め、変化量が規定値以上であるとフリッカが発生していると判断する技術、あるいは、上述した検出要素の少なくとも1種類を用い、検出要素の値の単位時間内の変化量が規定値以上である回数を一定期間毎に求め、求めた回数が規定した閾値以上であるとフリッカが発生していると判断する技術を用いる。
すなわち、図3に示すように、単位時間Δtにおける検出要素の値を読み込み(S1)、単位時間Δtにおける検出要素の値の変化量を求める(S2)。変化量は、単位時間Δtにおける最大値と最小値との差の絶対値であって、変化量を規定値と比較することにより(S3)、フリッカが生じているか否かを判断することができる。つまり、変化量が規定値以上であるとフリッカが生じていると判断する(S4)。検出要素の値の変化と単位時間Δtとの関係を図4(a)に示す。
上述したように、検出要素の値の単位時間Δt内における変化量は単位時間Δt内の最大値と最小値との差の絶対値として求めるのであって、たとえば検出要素としてランプ電圧を用いるものとし、図4(b)のように、単位時間Δt内においてランプ電圧がVla1,Vlamin(最小値),……Vlamax(最大値),……,Vla2と変化したとすれば、Vlamax−Vlaminを変化量に用いる。また、変化量として、単位時間Δtごとにサンプリングした測定値について隣接する各2個の測定値の差の絶対値を用いるようにしてもよい。たとえば、図4(b)の例を用いるとすれば、|Vla2−Vla1|を変化量に用いてもよい。変化量をこのようにして求めると、サンプリング回数が少なく処理も簡単になるが、変化量を精度よく求める必要があれば最大値と最小値との差を求めるのが望ましい。ここに、検出要素としてランプ電圧を例示したが、ランプ電流、光出力のいずれかであってもよく、また3者のうちの2種類以上を組合せて用いてもよい。2種類以上の検出要素を組み合わせる場合には、2種類以上の検出要素についてフリッカが生じていると判断されたときにフリッカと判断したり、いずれか1種類の検出要素でフリッカが生じていると判断されたときにフリッカと判断すればよい。
ところで、放電ランプLaに矩形波電圧を印加して点灯させる場合に、印加電圧の極性が反転した直後には、図5のように、オーバーシュートなどによって検出要素の値が変動する(たとえば、ランプ電圧の波形が乱れる)期間が生じる。この期間において検出要素からフリッカの発生の有無を判断すると誤認する可能性がある。そこで、フリッカの発生の有無を判断するために検出要素の値を検出する期間としては、ランプ電圧の極性反転の直後の期間を除外するのが望ましい。たとえば、図5に示すように、極性反転から所定時間後に検出要素の値を検出する期間Tsを設ける。図示例においてランプ電流は放電ランプLaの通過電流であり、ランプ電圧は抵抗R3の両端電圧である。
また、極性反転毎に極性反転から次の極性反転までの期間における後半部分において検出要素の値を検出し、極性反転毎に検出した検出要素の値を用いて(つまり、単位時間Δtが極性反転の半周期に相当する)フリッカの発生の有無を判断するようにしてもよい。あるいはまた、極性反転の1周期毎に検出要素の値を検出し、検出した検出要素の値を複数周期において平均した平均値を用い、フリッカの発生の有無の判定に用いてもよい。
上述したように、チラツキ検出部11において、図6に示すように、検出要素の値の単位時間Δt内の変化量が規定値以上である回数を一定期間毎に求め、求めた回数が規定した閾値以上であるとフリッカの発生と判断してもよい。すなわち、チラツキ検出部11では回数を計数するのであって、フリッカの発生の有無を判断するときには、まず計数値をリセットする(S1)。次に、単位時間Δtにおける検出要素の値を読み込み(S2)、単位時間Δtにおける検出要素の値の変化量を求める(S3)。さらに、変化量を規定値と比較し(S4)、変化量が規定値以上であると計数値をインクリメントした後(S5)、計数値を閾値と比較する(S6)。ここで、計数値が閾値以上であるときにはフリッカが生じていると判断する(S7)。一方、変化量が規定値未満であるか計数値が閾値未満であるときには、一定期間である判定期間Td内か否かを判断し(S8)、判定期間Td内であればステップS2に戻り、検出要素の次の値を読み込む。判定期間Tdは、単位時間Δtの整数倍の期間であって、判定期間Td内においてステップS6の条件(計数値が閾値以上)が満たされなければ、ステップS1に戻って計数値がリセットされる。なお、単位時間Δt、規定値、変化量については図3に示した処理と同様に規定すればよい。
図6に示した処理手順でフリッカの発生の有無を判定する例を図7に示す。図示例では単位時間Δtにおける変化量が規定値以上の場合を○で表し、規定値未満の場合を×で表している。チラツキ検出部11では、判定期間Tdにおいて○の個数が閾値以上になるとフリッカが発生していると判断するのである。一般に、光出力の変化する周波数が3〜15Hzとなると人の目でチラツキを感じて不快感を生じるから、判定期間Tdを1秒間とし、閾値を3〜15回の範囲で設定するのが望ましい。
上述した各実施形態において説明した放電ランプLaは、照明用に用いるとフリッカが少なく不快感の生じない照明が可能になり、液晶プロジェクタなどのプロジェクタの光源として用いると点光源に近い光源を用いながらもフリッカが少なく安定した光出力を得ることが可能になる。
(実施形態2)
本実施形態は、上述した放電灯点灯装置により点灯するランプLaをプロジェクタの光源に用いる例であって、ここでは、DMD(デジタルマイクロミラー)素子を用いるDLP(登録商標)方式のプロジェクタに用いる場合を例示する。ランプLaおよび放電灯点灯装置をDMD素子やファンなどとともに収納した筐体17の外観を図9に示す。筐体17の一部には投影用のレンズ18が突出する。この種のプロジェクタは、光源の前方に図8に示すような円板形のカラーフィルタ16を有し、カラーフィルタ16を透過した光をDMD素子で反射させるように構成されている。カラーフィルタ16は、赤(R)、緑(G)、青(B)、無色(W)の領域に分割されており、図8の矢印Xの向きに一定周期で回転する。したがって、カラーフィルタ16の透過色は、時間経過に伴って、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)のように変化する。
光源として用いる放電ランプLaへの印加電圧の極性を切り換えるタイミングは、カラーフィルタ16における各色の領域の境界に一致させてある。放電ランプLaに印加する電圧の極性を切り換えるタイミングを上述のように設定することにより、カラーフィルタ16の各色の領域を通る光は、極性の切換時点で光出力の低下した状態の光にならず、放電ランプLaから放射された光を効率よく利用することができる。ただし、カラーフィルタ16の各色の領域のうち赤の領域は他の領域よりも面積が大きく、赤の領域に放電ランプLaからの光を透過させる期間は他の領域に光を透過させる期間よりも長くなっているから、赤の領域に光を透過させる期間においては極性の切換を行っている。また、カラーフィルタ16としては、無色(W)の領域を含まないものを用いてもよい。他の構成および動作は実施形態1と同様である。また、本実施形態の構成に限らず、実施形態1の放電灯点灯装置は種々のプロジェクタに用いることができる。
実施形態1の回路図である。 同上の動作説明図である。 同上におけるチラツキ検出部の動作例を示す動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 同上におけるチラツキ検出部の他の動作例を示す動作説明図である。 同上の動作説明図である。 実施形態2に用いるカラーフィルタの構成例を示す正面図である。 同上を用いたプロジェクタの外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 DC−DC変換回路
2 インバータ回路
3 制御回路
4 分圧回路
5 フルブリッジ制御部
6a,6b ドライブ回路
7 PWM制御回路
8 電流検出回路
9 光出力検出部
10 マイコン
11 チラツキ検出部
12 タイマ
13 A/D変換器
14 A/D変換器
15 A/D変換部
16 カラーフィルタ
La 放電ランプ
Q1 スイッチング素子
Q2〜Q5 スイッチング素子

Claims (6)

  1. スイッチング素子のオンオフを制御することにより高輝度放電ランプである放電ランプへの供給電力を可変とした電力変換回路と、放電ランプの安定点灯時に放電ランプに定電力が供給される定電力モードで電力変換回路のスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路と、放電ランプにおけるフリッカの発生を検出するフリッカ検出手段とを備え、制御回路は、放電ランプに定電力モードで供給する電力よりも大きい電力を電力変換回路から供給させる高電力モードを、放電ランプの点灯期間中であってフリッカ検出手段がフリッカを検出している期間に選択することを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. スイッチング素子のオンオフを制御することにより高輝度放電ランプである放電ランプへの供給電力を可変とした電力変換回路と、放電ランプの安定点灯時に放電ランプに定電力が供給される定電力モードで電力変換回路のスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路と、放電ランプにおけるフリッカの発生を検出するフリッカ検出手段とを備え、制御回路は、放電ランプに定電力モードで供給する電力よりも大きい電力を電力変換回路から供給させる高電力モードを、放電ランプの点灯期間中であってフリッカ検出手段がフリッカを検出した時点から所定期間において選択することを特徴とする放電灯点灯装置。
  3. 前記フリッカ検出手段は、前記放電ランプに印加する電圧と放電ランプに流れる電流と放電ランプの光出力との少なくとも1要素を検出要素に用いてフリッカの発生を検出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記フリッカ検出手段は、前記検出要素の単位時間内の変化量が規定値以上であるとフリッカの発生として検出することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記フリッカ検出手段は、前記検出要素の単位時間内の変化量が規定値以上である回数を規定した判定期間毎に求め、求めた回数が規定した閾値以上であるとフリッカの発生として検出することを特徴とする請求項3記載の放電灯点灯装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置を搭載したことを特徴とするプロジェクタ。
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