JP3558845B2 - ウエブ巻取方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターレット巻取機を用いて、内巻き、外巻きを任意に変更できるようにしたウエブ自動巻き取り方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙やプラスチックフィルム等のウエブを巻き取る方法、特にウエブを所定量巻き付けたコアから新しいコアへウエブの巻取りを自動的に切り替える装置が知られている。このような装置については、例えば特開昭57−117447号公報等に記載されている。
一方、写真感光材料は、通常紙やポリエステルフィルム支持体の片面にハロゲン化銀を含む感光層が塗布されている。ロール状に仕上げられた写真感光材料は、その用途や目的によって、感光面の巻方向が内巻のものや外巻のものがある。従って、写真感光材料を製造する工程でも、巻方向を内巻や外巻に巻取ることが要求されている。
【0003】
運転状態で内巻、外巻を任意に切り替えて巻取る方法として、例えば特開平4−327451号公報に記載の方法がある。この方法によれば、ワインダー巻き取りコアーにウエブを巻き取る装置において、2本の旋回するギャップロールを有する装置によりコアーへの内巻あるいは外巻位置にウエブ端を誘導し、ウエブ端をラベリングして、運転状態で内巻、外巻を任意に切り換えて巻き取りを行うようにしたことを特徴とするウエブ巻取装置が知られている。
【0004】
しかし、上記従来技術は、ウエブを切断した後、新コアまでフリーの状態でウエブを搬送しなければならず、ウエブのカールやダブツキ等によって、精度良くウエブを新コアに巻き付けることができないという問題がある。また、巻方向を変更する間、ウエブの搬送ラインを停止させなければならず、ウエブの溜装置としてのアキュームレーターが必要である。特に高速運転の場合は、アキュムレーターの肥大化を伴う問い問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、内巻きから外巻き、あるいは外巻きから内巻きへの切換において、迅速かつ安定的に巻き方向を切り換えることができるウエブ自動巻き取り方法及びその装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、アキュムレータを必要としない、若しくはアキュムレータの肥大化を抑制することができるウエブ巻取方法及びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、2つの巻取り軸を有する旋回可能なターレット巻取機の一方の巻取り軸に装着された第1のコアに巻取られているウエブを、他方の巻取り軸に装着された第2のコアに巻取りの切り替えを行うウエブの巻取り方法において、第1のコアから第2のコアにウエブの巻取りを切り替える前に、第2のコアの巻取り方向が内巻であるか外巻であるかに合わせて、ターレット巻取機の旋回方向を選択し、該選択に従ってターレット巻取機を旋回させて、ウエブ搬送方向に対して第2のコアを第1のコアの上流側に位置させた後、ウエブ搬送方向に対して第2のコアの下流側でウエブを切断し、該ウエブの切断部を第2のコアに貼付けてウエブを巻き取ることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のウエブの巻取り方法において、ウエブ搬送方向に対して前記ターレット巻取機の上流側に、旋回可能なローラ対を有し、該ローラ対のローラ間をウエブが通過するように搬送させ、前記ターレットの巻取り機の旋回方向を変更する場合、前記ローラ対を旋回させて反転させることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、2つの巻取り軸を有する旋回可能なターレット巻取機と、ウエブ搬送方向に対して前記ターレット巻取機の上流側に位置する旋回可能な一組のローラ対と、ウエブ搬送方向に対してターレット巻取機の巻取り軸の下流側でウエブを切断する切断手段と、巻取り軸に装着されたコアにウエブを押圧し、かつ切断されたウエブ端部を前記コアに貼付けるための接着テープ貼付け手段を兼ねたニップローラとを有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるウエブ巻取方法及びその装置の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るウエブ巻取装置の概略図である。
【0010】
ウエブ巻取装置10は、主に2つの巻取軸1、11を有する両方向に旋回可能なターレット巻取機2と、ウエブ3の搬送方向に対して上記ターレット巻取機2の上流側に設けられた旋回可能な一組のローラ対4と、ウエブ3の搬送方向に対して上記ターレット巻取機2の巻取軸1の下流側でウエブ3を切断するための切断手段5と、接着テープ貼り付け手段を兼ねたニップローラ9から構成されている。切断手段5とニップローラ9は左右両方に配置されている。
【0011】
上記ターレット巻取機2は、ターレット巻取台6とターレット盤7とターレット盤7の回転軸16を挟んで対向位置に設けられた2つの巻取軸1、11とこれら巻取軸1、11を結ぶ線を中心にしてその両端に対称的に2個ずつ配置されたガイドローラー21、22、23、24から構成され、巻取軸1、11のそれぞれに新コア11aと旧コア1aとが着脱可能である。ターレット盤7は、ターレット巻取台6の上部に設けられた回転軸16を中心に回転可能となるようにターレット巻取台6に取り付けられている。巻取軸1、11及びガイドローラー21、22、23、24は、それらの両側の配置されたターレット盤7で保持されている。
【0012】
ウエブの切断及びコアへの貼り付け工程を図2を用いて説明する。図1において、旧コア1aに所定量のウエブを巻き取った後、ウエブ巻き取りコアを旧コア1aから新コア11aに交換する際、図2に示すようにウエブ3をニップロール9と新コア11aとの間に挟み込み、切断手段5(例えばサークルカッター)をウエブ3の幅方向に走行させてウエブ3を切断する。ニップロール9の外周には、予め粘着テープ12がその粘着面を外向きにして空気の吸引力により吸着されている。そこで、ニップロール9を図中の矢印で示すように反時計方向に回転させ、ウエブ3の先端部を逆行させてニップロール9上に吸着された粘着テープ12の約半分を切断されたウエブ3の先端に貼り付け、粘着テープ12の残り半分を新コアに貼り付けて、ウエブ3の先端を新コア11aに位置決めする。このウエブ3の先端の新コア11aへの位置決めは、ニップロール9を所定の角度だけ反時計方向に回転させることにより自動的に行われるように、ニップロール9による粘着テープ12の吸着位置と、切断手段5によるウエブ切断位置が予め設定されている。
【0013】
上記ローラ対4は、ウエブの巻き取り方向を変更したときに、ウエブを正常な状態で搬送できるようにするもので、ローラ対4は図示しないターレット盤の両端に取り付けられ、ターレット盤の長さ方向の中心点を中心に180度旋回させることにより、ローラ対4の上下位置が逆転するようになっている。
【0014】
次にウエブ巻取方法について説明する。ウエブの塗布面が内巻き、又は外巻きに選択されてコアに巻き取られているウエブは、コアに所定の長さを巻き取られた後に枠替えをする必要がある。この場合、所定の巻き取り量を巻き取ったコア1aはターレット盤を回転させることによりターレット巻取装置の下方部に送られ、予めコア11aが装着されたもう一方の巻き取り軸11が上方部(ウエブ搬送方向に対してコア1aの上流側)に配置される。次にニップロール9と新コア11aでウエブ3を挟み込み、切断手段5でウエブ3をカットする。この間、前工程から送り出されてくるウエブ3は、一般に図示しないアキュムレータに一旦溜められている。従って、枠替え時に全ラインの運転を停止することなく、ウエブ3の巻き取りを一時停止して、コアの取り替え及びウエブ3の巻き換えが可能となる。ウエブ3を切断手段5により切断した後、ニップロール9を図2の矢印で示す方向に回転させ、予めサクション機能を有するニップロール9上に準備された粘着テープを、切断されたウエブ3の先端に貼り付け、ウエブ3の先端は新コア11aに貼り付けられる。
【0015】
ウエブ3の先端を新コア11aに貼り付ける作業が行われた後、ニップロール9切断手段5は新コア11aから退避する。なお、切断されたウエブ3の先端のコアへの貼り付けは、上記方法に限られるものではなく、当業界で一般に用いられている方法を用いてもよい。例えば、両面粘着テープを予めコアに貼り付けておく方法等であってもよく、適宜設計変更可能である。
また、本発明の巻取方法はアキュームレーターを用いずに連続運転状態でコアの切替えを行うことが可能である。つまり、コアに予め両面粘着テープを貼り付けておき、ウエブのニップと切断をほぼ同時に行うことによって、巻き取りを停止することなくコアの切替えを行うことができる。
【0016】
図3(a)〜(c)は巻き方向を変えずに旧コアから新コアに巻替える通常の枠換えの場合、図4(a)〜(c)は巻方向を変更し、ウエブの搬送経路を新コアに対して左側から右側に変更する場合の実施の形態を示す模式図である。
【0017】
図3(a)では、コア14にウエブを巻き始めた状態を示している。ターレット巻取装置の下方部にあるウエブが所定量巻き取られたコア13は、所定の動作により巻き取り軸から取り外され、次工程へ搬送される。図3(b)では、図3(a)においてコア14に巻き始められたウエブ3が巻き取り量が多くなるにつれてターレット盤を図示のように反時計方向に旋回させ、コア14をターレット巻取装置の下方部に移動された状態を示すものである。ターレット盤7の上記旋回により、ローラ対4でガイドされたウエブ3は、さらにガイドローラ21、22によりガイドされてコアに至る。図3(b)に示す位置でウエブ巻き取り量が所定量となった場合、図2に示す操作でウエブ3がカットされ、カットされたウエブの先端がコア15に貼り付けられ、図3(c)に示すように新コア15に巻き始められる。コアへのウエブの巻き付け方向が同一の場合は、図3の動作が繰り返される。
【0018】
図4(a)では、コア14にウエブ3を巻き始めた状態を示している。ターレット巻取装置の下方部にあるウエブが所定量巻き取られたコア13は、所定の動作により巻き取り軸から取り外され、次工程へ搬送される。巻き取り方向を変更する場合、図示のようにローラ対4を時計方向に180゜旋回させる。ローラ対4を時計方向に旋回させることにより、次のコアにおいて巻き方向を変更するためにターレット巻取機を逆方向に旋回させた場合に、ウエブに必要なテンションを与えることができる。
【0019】
前記したように、巻取り方向を変更する場合、ターレット巻取機の旋回方向を反対方向に変更するが、この際ローラ対4を180゜旋回させる。ローラ対4の旋回は、ターレット巻取機を旋回させる以前あるいはターレット巻取機を旋回させるのと同時に行うのが好ましい。ローラ対4はフリーローラであっても、駆動ローラであってもよい。特にフリーローラの場合は、ウエブの搬送中にローラ対4を旋回させると、ウエブとローラがスリップしてウエブに傷をつける危険性があるので、ウエブの搬送が停止している状態、即ちコア14にウエブ切断部を貼付ける工程中、またはコア14がウエブの巻取りを開始する前にローラ対4を旋回させておくことが好ましい。ローラ対4が駆動ローラの場合は、ウエブとローラがスリップすることはないので、ウエブの搬送中に旋回してもよく、ターレット巻取機が旋回する以前またはターレット巻取機が旋回するときの任意の時期にローラ対4を旋回させることができる。
【0020】
図4(b)では、図4(a)においてコア14に巻き始められたウエブの巻き取り量が多くなるにつれて、ターレット盤7を図に示すように時計方向(図3(a)とは反対方向)に旋回させ、コア14がターレット巻取装置の下方部に移動された状態を示すものである。ターレット盤7の上記旋回によりガイドローラ21、22、23、24もターレット盤7とともに回転軸16(図1参照)を中心に旋回し、ローラ対4でガイドされたウエブ3がさらにガイドローラ23、24の順にガイドされてコア14に至る。図4(b)の位置でウエブ巻き取り量が所定量となった場合、ウエブ3の搬送経路の右側に配置されているウエブ切断手段5とニップローラ9(図1参照)を用いて、ウエブ3の切断及びコア15への貼り付けを行い、図4(c)に示すようにコア15にこれまでと逆向きに巻き始められる。
【0021】
本発明は、以上に述べたように、ウエブの巻き取り方向を切り換えるに際し、ウエブの巻取りを実施しているコア(旧コア)から新コアにウエブの巻取りを切り替える前に、ローラー対を巻回されているウエブから離れる方向に180゜旋回させることにより、ウエブ搬送経路を切り換えようとする巻き取り方向に適した経路に切り替えることができ、その後ターレット盤を180゜旋回させることにより巻き方向を切り換えることができ、全ラインの運転を停止することなく、内巻又は外巻を任意に切り替えて巻取ることができる。本発明はまた、内巻きと外巻きの相互間の切換を迅速に行うことを可能にして、アキュムレーターの肥大化を防止することができる。
【0022】
なお、図示した旋回可能なローラ対、ウエブカット装置、ターレット巻取機はあくまでも例示であり、これらの形状に限られたものではなく、適宜設計変更可能である。
【0023】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、2つの巻取り軸を有する旋回可能なターレット巻取機の一方の巻取り軸に装着された第1のコアに巻取られているウエブを、他方の巻取り軸に装着された第2のコアに巻取りの切り替えを行うウエブの巻取り方法において、第1のコアから第2のコアにウエブの巻取りを切り替える前に、第2のコアの巻取り方向が内巻であるか外巻であるかに合わせて、ターレット巻取機の旋回方向を選択し、該選択に従ってターレット巻取機を旋回させて、ウエブ搬送方向に対して第2のコアを第1のコアの上流側に位置させた後、ウエブ搬送方向に対して第2のコアの下流側でウエブを切断し、該ウエブの切断部を第2のコアに貼付けてウエブを巻き取るようにしたため、カット前にウエブ先端の位置決めをし、新コアの下流側でカットするので、枠替え時間の短縮を図ることができ、紙の種類や厚みにかかわらず、精度よくウエブ巻取りを行うことができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のウエブの巻取り方法において、ウエブ搬送方向に対して前記ターレット巻取機の上流側に、旋回可能なローラ対を有し、該ローラ対のローラ間をウエブが通過するように搬送させ、前記ターレットの巻取り機の旋回方向を変更する場合、前記ローラ対を旋回させて反転させるようにしたため、ウエブの内巻き、外巻きそれぞれの巻き方向に応じて、ウエブに適度なテンションを与え、ウエブの巻取りをスムーズに行うことができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、2つの巻取り軸を有する旋回可能なターレット巻取機と、ウエブ搬送方向に対して前記ターレット巻取機の上流側に位置する旋回可能な一組のローラ対と、ウエブ搬送方向に対してターレット巻取機の巻取り軸に下流側でウエブを切断する切断手段と、巻取り軸に装着されたコアにウエブを押圧し、かつ切断されたウエブ端部を前記コアに貼付けるための接着テープ貼付け手段を兼ねたニップローラとを有するようにしたため、ウエブの内巻き、外巻きを運転状態で任意に選択することができるとともに、カット前にウエブ先端の位置決めをし、新コアの下流側でカットするようにしたため、枠替え時間の短縮を図ることができ、紙の種類や厚みにかかわらず、精度よくウエブ巻取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるウエブ巻取装置の実施の形態の全体構成を示す模式図である。
【図2】同上実施の形態中のウエブの切断、貼り付けを示す模式図である。
【図3】本発明において、巻き方向を変えずにウエブを旧コアから新コアに巻き替える例を示す模式図である。
【図4】本発明において、巻き方向を変更し、ウエブを旧コアから新コアに巻き替える例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 巻取軸
2 ターレット巻取機
3 ウエブ
4 ローラ対
5 ウエブ切断手段
10 ウエブ巻取装置
11 巻取軸
Claims (1)
- 2つの巻取り軸を有する旋回可能なターレット巻取機の一方の巻取り軸に装着された第1のコアに巻取られているウェブを、他方の巻取り軸に装着された第2のコアに巻取りの切り替えを行うウェブの巻取り方法において、第1のコアから第2のコアにウェブの巻取りを切り替える前に、第2のコアの巻取り方向が内巻であるか外巻であるかに合わせて、ターレット巻取機の旋回方向を選択し、該選択に従ってターレット巻取機を旋回させて、ウェブ搬送方向に対して第2のコアを第1のコアの上流側に位置させた後、ウェブ搬送方向に対して第2のコアの下流側でウェブを切断し、該切断されたウェブの端部と第2のコアに、接着テープ貼付け手段を兼ねたニップローラにより接着テープを貼付けてウェブを巻き取ることを特徴とするウェブ巻取り方法。
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