JP3558464B2 - 炊飯器の充電制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一次電源として商用電源を、二次電源として内蔵した蓄電池を夫々利用する炊飯器において、前記蓄電池への充電を適切に行うために設けられた充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炊飯器には、一次電源としての商用電源と、その商用電源の停電時に利用される二次電源としての蓄電池とを夫々備えたものがあり、蓄電池には、商用電源の供給時に充電が行われる。又炊飯器には、この充電時に満充電を検知して、弱充電に切り替えたり、充電を終了させたりするための充電制御装置が設けられるが、この装置としては、充電電圧検出方式、即ち充電中の蓄電池の電圧の変化を検出する電圧検出手段を備え、その電圧検出手段が満充電の電圧値を検出すると充電切替等を行うものや、電圧勾配検出方式、即ち蓄電池が満充電付近では、内部ガスの消費に伴う温度上昇を生じさせ、それに連れて電池電圧がピーク点を通り下降する特性を有することから、このピーク点を電圧検出手段で検出して充電切替を行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の充電電圧検出方式においては、電池電圧の変化は蓄電池の温度によっても左右されるため、検出電圧は検出温度に対応させて判断しなければならない。よって温度センサ等の温度検出手段を別途設ける必要が生じ、コストアップに繋がってしまう。
一方後者の電圧勾配検出方式においては、電池電圧のピーク点を検知しやすいように内部ガス消費能力の優れた蓄電池を使用する必要があり、採用する蓄電池に制約を受ける。又ここでは電池電圧が下降する満充電のポイントしか検知できず、満充電前の蓄電池の容量が把握できないため、充電が不十分な状態で炊飯等を行うと途中でバッテリー切れを起こしてしまい、使い勝手を悪化させることになる。更にこれは満充電を超えた過充電域で検知を行うため、蓄電池にストレスを与えて電池寿命に影響を与えることにもなる。
【0004】
そこで本発明は、簡単な構成で、満充電は勿論、満充電前の蓄電池の容量も正確に検知して、電池寿命を好適に維持させる炊飯器の充電制御装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前記炊飯器の任意の運転状態に応じた消費電流を記憶させた消費電流記憶手段と、前記蓄電池の充電時には、充電される電流値と充電時間とに基づいて、充電量を算出する一方、前記蓄電池の放電時には、その放電に係る運転状態に応じて前記消費電流記憶手段から選択される消費電流と運転時間とに基づいて、放電量を算出し、更に前記充電量と放電量とから蓄電池の容量を算出する蓄電池容量算出手段と、前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量に基づいて、前記充電電流を制御する充電電流切替手段と、を備えたことを特徴とするものである。
又請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、炊飯器において特に好適に充電制御を行うために、前記充電電流切替手段による充電電流の制御を、前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量が満充電未満の場合は通常充電に、満充電以上の場合は微弱充電に夫々切り替えるものとしている。
尚本発明でいう運転状態とは、炊飯や保温以外にも、例えば時計のみが作動する停止状態や、異常を報知するランプの点滅状態等、電力を消費する使用形態であれば全て含むものとする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は炊飯器の概略を示すもので、炊飯器1には、内釜2を加熱するガスバーナ3と、そのガス供給路に配置される3つの電磁弁4a〜4cとが夫々設けられており、これらの電磁弁4a〜4cはコントローラ5によって開閉制御される。このコントローラ5には、一次電源としての商用電源を得る差込プラグ6と、二次電源としての蓄電池7が夫々備えられると共に、炊飯及び保温スイッチを備えた操作部8と、炊飯中、異常時の点滅、バッテリー切れ報知等の作動状態を表示する表示部9とが接続されている。尚10,11は、コントローラ5に接続され、夫々内釜2の蓋側と釜底側の温度を検出する蓋センサ、釜底センサである。
よって上記炊飯器1においては、炊飯は操作部8の炊飯スイッチの入力操作により、コントローラ5が図示しない点火装置を作動させると共に、電磁弁4a〜4cを開弁させてガスバーナ3を点火させ、内釜2を加熱する。そして蓋センサ10、釜底センサ11から得られる温度に基づいて電磁弁4a,4bを開閉制御してガスバーナ3の燃焼を制御し、周知の炊飯シーケンスに基づいて炊飯を行うものとなる。
【0007】
そしてコントローラ5には、商用電源供給時に前記蓄電池7へ充電を行うと共に、商用電源の停電時には蓄電池7の充電電力を放電させ、更にこれらの充放電量に基づいて充電電流値を切り替える等の充放電制御をマイコン制御により行う充電制御装置12が備えられている。図2はこの充電制御装置12の機能を表わすブロック図を示したもので、ここで13は、蓄電池容量算出回路、14は、蓄電池7の放電時間をカウントする運転時間カウント回路、15は、商用電源の供給時に行われる蓄電池7への充電時間をカウントする充電時間カウント回路、又16は、所定の運転状態とその運転状態に対応した消費電流を記憶させた消費電流記憶回路で、ここでは以下の表1の如く、運転状態が炊飯中と、停止中(この場合でも時計用等に消費される)と、炊飯器に故障が生じた場合の表示部における異常表示中との3つの運転状態と、夫々対応する消費電流のパラメータが記憶されている。
【0008】
【表1】
【0009】
更に蓄電池容量算出回路13は、後述する充放電制御で説明する通り、消費電流記憶回路16に記憶される上記パラメータと、運転時間カウント回路14によるカウント時間とに基づいて、商用電源が停電時の蓄電池7の放電量を演算すると共に、充電切替回路17によって選択された充電電流値と、充電時間カウント回路15によるカウント時間とに基づいて、充電時の蓄電池7の充電量を演算し、これらの放電量と充電量とから蓄電池7の容量の残量値を算出するもので、充電切替回路17は、算出された蓄電池7の残量値に基づいて、充電電流値を通常充電(ここでは0.1C充電)と微弱充電(ここでは0.0033C充電)の何れかに切り替えて充電を行うようになっている。
【0010】
次に上記充電制御装置12における充放電制御を図3によって説明する。まずS1の蓄電池7の容量値Aが0の状態から、S2で商用電源がONされているか否かが確認され、商用電源が供給されていれば、次のS3で蓄電池7の容量値Aが満充電以上であるか否かが判断される。ここで満充電以下であれば、充電切替回路17により、S4で0.1Cの大きさで通常充電が行われ、同時に充電時間カウント回路15によるタイマーT1 がスタートする。そして次のS5では、蓄電池容量算出回路13により、タイマーT1 による経過時間での充電量が演算され、この充電量が元の容量値Aに加えられた更新値AN が蓄電池7の新たな容量値Aとなる。即ち、
である。このS2〜S5までの制御は満充電になるまで繰り返され、容量値Aは時間の経過に従って更新される。そしてS3のチェックで容量値Aが満充電以上となれば、S6で、タイマーT1 をリセットすると共に、充電切替回路17により今度は0.0033Cの大きさで微弱充電に切り替えられる。この微弱充電は商用電源ONで満充電の間継続することになる。
【0011】
そして商用電源の停電状態(コンセントの抜けも含む)が生じると、S7以下の放電制御が行われる。この時炊飯中であれば、停電と同時にS7で運転時間カウント回路14によるタイマーT2 がスタートする。次のS8の判断で停電状態が継続中で、且つS9の判断で炊飯が終了すれば、S10では、タイマーT2 を停止させると共に、蓄電池容量算出回路13がタイマーT2 停止までの時間における放電量を、上記パラメータから得た消費電流値(300mA)を基に演算し、これを元の容量値Aから除いた残量値AR を更なる容量値Aとして得る。即ち、
として蓄電池7の容量値Aを補正するのである。一方S8のチェックで商用電源が復帰していれば、S11において、その商用電源復帰までの時間T2 で上記残量値AR を演算し、同様に補正された容量値Aを得ることになる。
こうして商用電源が復帰すると、S11から再びS2へ戻り、S3においては、停電中の運転による放電量を差し引いた残量値AR として補正された容量値Aが、満充電以上であるか否かが判断される。ここで満充電以下であればS4で通常充電を、満充電以上であればS6で微弱充電が夫々行われるのである。
【0012】
又停電時の運転状態が炊飯器の停止中の場合は、上記と同様の制御でS12〜S16のように、タイマーT3 のカウントと、消費電流記憶回路16に設定された消費電流100mAとに基づいて、放電量や、補正された容量値Aを夫々演算することになり、炊飯器が異常表示点滅中の場合は、S17〜S21のように、タイマーT4 のカウントと、消費電流記憶回路16に設定された消費電流60mAとに基づいて、放電量や、補正された容量値Aを夫々演算することになり、商用電源が復帰すると、同様にS3で満充電との比較を行い、その比較に基づいて充電電流が選択される。
尚停電中の運転状態が終了し、夫々S10,S15,S20の何れかで容量値Aを補正しても、停電状態が継続中の場合は、更に表1で設定された▲1▼〜▲3▼の何れかの運転状態に応じて、S7,S12,S17の何れかからの放電制御が行われ、再び容量値Aが補正されることになる。
【0013】
このように上記実施の形態によれば、商用電源の停電状態における蓄電池の放電量を演算して元の容量値から除き、その補正された容量値を満充電の値と比較して、通常充電と微弱充電との何れかの選択を行うようにしたことで、電圧検知手段や温度検知手段等を用いずに蓄電池の満充電を知ることができ、それに適応した充電制御を行うことが可能となる。よって低コストで装置が構成できる上、過充電を回避できて電池寿命の伸びも期待できる。特にこれは図4で示すように、充電電流が0.1Cであれば期待寿命が1〜2年であるが、充電電流が0.0033Cであれば期待寿命が9〜10年と考えられることから、上記充電電流の適切な選択による電池寿命伸長の効果は大いに期待できる。
又蓄電池の種類に制限を受けず、どんな蓄電池でも対応でき、更に満充電に満たない所定の運転状態終了後の蓄電池の容量も把握可能となるため、例えば炊飯前に蓄電池の残量不足を知ることができ、炊飯中にバッテリー切れを起こすような使い勝手の悪さは生じない。
更にここでは、充電制御において、S4における充電を急速充電としていない。これは一般に炊飯器における蓄電池は急速充電が必要な使用形態ではなく、あくまで商用電源が停電中の二次電源として利用され、通常充電で満充電までに時間が掛かっても、使い勝手に影響を与えることが殆ど考えられないためで、これにより、蓄電池への負担を抑えてより好適な電池寿命を維持できることにもなるのである。
【0014】
尚消費電流記憶回路に記憶される消費電流のパラメータは上記実施の形態の3種類に限定するものではなく、必要に応じて増やしても良い。このパラメータを増やすことで、一層正確に蓄電池の容量の推移を把握することができる。又通常充電と微弱充電の大きさ設定も、適宜設計変更可能で、容量値が増すごとに充電量を段階的に減らしていっても良く、更には満充電以上の場合には微弱充電でなく充電を終了させる制御を行うことも可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上請求項1に記載の発明によれば、蓄電池の容量を正確に検知し、それに合わせた充電制御が可能となるため、蓄電池への負担を抑えて電池寿命を好適に維持できる。又電圧検出手段や温度検出手段等を用いなくて済むため、装置全体を簡略化でき、コスト低減が可能となる。更に蓄電池の種類に制限を受けず、どんな蓄電池でも対応できるのに加え、満充電未満の蓄電池の容量が事前に把握可能となることで、運転中にバッテリー切れを起こすような使い勝手の悪さも生じない。
一方請求項2に記載の発明によれば、蓄電池の容量が満充電未満の場合は通常充電に、満充電以上の場合は微弱充電に夫々切り替えるものとしたことで、請求項1の効果に加えて、蓄電池の寿命を短縮させる急速充電を用いずに、炊飯器に好適な充電制御が行え、電池寿命の一層の伸長が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炊飯器の概略図である。
【図2】充電制御装置のブロック図である。
【図3】充放電制御のフローチャートである。
【図4】充電電流と期待寿命との関係を示すグラフである(点線は推定)。
【符号の説明】
1・・炊飯器、5・・コントローラ、7・・蓄電池、12・・充電制御装置、13・・蓄電池容量算出回路、14・・運転時間カウント回路、15・・充電時間カウント回路、16・・消費電流記憶回路、17・・充電切替回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、一次電源として商用電源を、二次電源として内蔵した蓄電池を夫々利用する炊飯器において、前記蓄電池への充電を適切に行うために設けられた充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
炊飯器には、一次電源としての商用電源と、その商用電源の停電時に利用される二次電源としての蓄電池とを夫々備えたものがあり、蓄電池には、商用電源の供給時に充電が行われる。又炊飯器には、この充電時に満充電を検知して、弱充電に切り替えたり、充電を終了させたりするための充電制御装置が設けられるが、この装置としては、充電電圧検出方式、即ち充電中の蓄電池の電圧の変化を検出する電圧検出手段を備え、その電圧検出手段が満充電の電圧値を検出すると充電切替等を行うものや、電圧勾配検出方式、即ち蓄電池が満充電付近では、内部ガスの消費に伴う温度上昇を生じさせ、それに連れて電池電圧がピーク点を通り下降する特性を有することから、このピーク点を電圧検出手段で検出して充電切替を行うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の充電電圧検出方式においては、電池電圧の変化は蓄電池の温度によっても左右されるため、検出電圧は検出温度に対応させて判断しなければならない。よって温度センサ等の温度検出手段を別途設ける必要が生じ、コストアップに繋がってしまう。
一方後者の電圧勾配検出方式においては、電池電圧のピーク点を検知しやすいように内部ガス消費能力の優れた蓄電池を使用する必要があり、採用する蓄電池に制約を受ける。又ここでは電池電圧が下降する満充電のポイントしか検知できず、満充電前の蓄電池の容量が把握できないため、充電が不十分な状態で炊飯等を行うと途中でバッテリー切れを起こしてしまい、使い勝手を悪化させることになる。更にこれは満充電を超えた過充電域で検知を行うため、蓄電池にストレスを与えて電池寿命に影響を与えることにもなる。
【0004】
そこで本発明は、簡単な構成で、満充電は勿論、満充電前の蓄電池の容量も正確に検知して、電池寿命を好適に維持させる炊飯器の充電制御装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前記炊飯器の任意の運転状態に応じた消費電流を記憶させた消費電流記憶手段と、前記蓄電池の充電時には、充電される電流値と充電時間とに基づいて、充電量を算出する一方、前記蓄電池の放電時には、その放電に係る運転状態に応じて前記消費電流記憶手段から選択される消費電流と運転時間とに基づいて、放電量を算出し、更に前記充電量と放電量とから蓄電池の容量を算出する蓄電池容量算出手段と、前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量に基づいて、前記充電電流を制御する充電電流切替手段と、を備えたことを特徴とするものである。
又請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、炊飯器において特に好適に充電制御を行うために、前記充電電流切替手段による充電電流の制御を、前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量が満充電未満の場合は通常充電に、満充電以上の場合は微弱充電に夫々切り替えるものとしている。
尚本発明でいう運転状態とは、炊飯や保温以外にも、例えば時計のみが作動する停止状態や、異常を報知するランプの点滅状態等、電力を消費する使用形態であれば全て含むものとする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は炊飯器の概略を示すもので、炊飯器1には、内釜2を加熱するガスバーナ3と、そのガス供給路に配置される3つの電磁弁4a〜4cとが夫々設けられており、これらの電磁弁4a〜4cはコントローラ5によって開閉制御される。このコントローラ5には、一次電源としての商用電源を得る差込プラグ6と、二次電源としての蓄電池7が夫々備えられると共に、炊飯及び保温スイッチを備えた操作部8と、炊飯中、異常時の点滅、バッテリー切れ報知等の作動状態を表示する表示部9とが接続されている。尚10,11は、コントローラ5に接続され、夫々内釜2の蓋側と釜底側の温度を検出する蓋センサ、釜底センサである。
よって上記炊飯器1においては、炊飯は操作部8の炊飯スイッチの入力操作により、コントローラ5が図示しない点火装置を作動させると共に、電磁弁4a〜4cを開弁させてガスバーナ3を点火させ、内釜2を加熱する。そして蓋センサ10、釜底センサ11から得られる温度に基づいて電磁弁4a,4bを開閉制御してガスバーナ3の燃焼を制御し、周知の炊飯シーケンスに基づいて炊飯を行うものとなる。
【0007】
そしてコントローラ5には、商用電源供給時に前記蓄電池7へ充電を行うと共に、商用電源の停電時には蓄電池7の充電電力を放電させ、更にこれらの充放電量に基づいて充電電流値を切り替える等の充放電制御をマイコン制御により行う充電制御装置12が備えられている。図2はこの充電制御装置12の機能を表わすブロック図を示したもので、ここで13は、蓄電池容量算出回路、14は、蓄電池7の放電時間をカウントする運転時間カウント回路、15は、商用電源の供給時に行われる蓄電池7への充電時間をカウントする充電時間カウント回路、又16は、所定の運転状態とその運転状態に対応した消費電流を記憶させた消費電流記憶回路で、ここでは以下の表1の如く、運転状態が炊飯中と、停止中(この場合でも時計用等に消費される)と、炊飯器に故障が生じた場合の表示部における異常表示中との3つの運転状態と、夫々対応する消費電流のパラメータが記憶されている。
【0008】
【表1】
【0009】
更に蓄電池容量算出回路13は、後述する充放電制御で説明する通り、消費電流記憶回路16に記憶される上記パラメータと、運転時間カウント回路14によるカウント時間とに基づいて、商用電源が停電時の蓄電池7の放電量を演算すると共に、充電切替回路17によって選択された充電電流値と、充電時間カウント回路15によるカウント時間とに基づいて、充電時の蓄電池7の充電量を演算し、これらの放電量と充電量とから蓄電池7の容量の残量値を算出するもので、充電切替回路17は、算出された蓄電池7の残量値に基づいて、充電電流値を通常充電(ここでは0.1C充電)と微弱充電(ここでは0.0033C充電)の何れかに切り替えて充電を行うようになっている。
【0010】
次に上記充電制御装置12における充放電制御を図3によって説明する。まずS1の蓄電池7の容量値Aが0の状態から、S2で商用電源がONされているか否かが確認され、商用電源が供給されていれば、次のS3で蓄電池7の容量値Aが満充電以上であるか否かが判断される。ここで満充電以下であれば、充電切替回路17により、S4で0.1Cの大きさで通常充電が行われ、同時に充電時間カウント回路15によるタイマーT1 がスタートする。そして次のS5では、蓄電池容量算出回路13により、タイマーT1 による経過時間での充電量が演算され、この充電量が元の容量値Aに加えられた更新値AN が蓄電池7の新たな容量値Aとなる。即ち、
である。このS2〜S5までの制御は満充電になるまで繰り返され、容量値Aは時間の経過に従って更新される。そしてS3のチェックで容量値Aが満充電以上となれば、S6で、タイマーT1 をリセットすると共に、充電切替回路17により今度は0.0033Cの大きさで微弱充電に切り替えられる。この微弱充電は商用電源ONで満充電の間継続することになる。
【0011】
そして商用電源の停電状態(コンセントの抜けも含む)が生じると、S7以下の放電制御が行われる。この時炊飯中であれば、停電と同時にS7で運転時間カウント回路14によるタイマーT2 がスタートする。次のS8の判断で停電状態が継続中で、且つS9の判断で炊飯が終了すれば、S10では、タイマーT2 を停止させると共に、蓄電池容量算出回路13がタイマーT2 停止までの時間における放電量を、上記パラメータから得た消費電流値(300mA)を基に演算し、これを元の容量値Aから除いた残量値AR を更なる容量値Aとして得る。即ち、
として蓄電池7の容量値Aを補正するのである。一方S8のチェックで商用電源が復帰していれば、S11において、その商用電源復帰までの時間T2 で上記残量値AR を演算し、同様に補正された容量値Aを得ることになる。
こうして商用電源が復帰すると、S11から再びS2へ戻り、S3においては、停電中の運転による放電量を差し引いた残量値AR として補正された容量値Aが、満充電以上であるか否かが判断される。ここで満充電以下であればS4で通常充電を、満充電以上であればS6で微弱充電が夫々行われるのである。
【0012】
又停電時の運転状態が炊飯器の停止中の場合は、上記と同様の制御でS12〜S16のように、タイマーT3 のカウントと、消費電流記憶回路16に設定された消費電流100mAとに基づいて、放電量や、補正された容量値Aを夫々演算することになり、炊飯器が異常表示点滅中の場合は、S17〜S21のように、タイマーT4 のカウントと、消費電流記憶回路16に設定された消費電流60mAとに基づいて、放電量や、補正された容量値Aを夫々演算することになり、商用電源が復帰すると、同様にS3で満充電との比較を行い、その比較に基づいて充電電流が選択される。
尚停電中の運転状態が終了し、夫々S10,S15,S20の何れかで容量値Aを補正しても、停電状態が継続中の場合は、更に表1で設定された▲1▼〜▲3▼の何れかの運転状態に応じて、S7,S12,S17の何れかからの放電制御が行われ、再び容量値Aが補正されることになる。
【0013】
このように上記実施の形態によれば、商用電源の停電状態における蓄電池の放電量を演算して元の容量値から除き、その補正された容量値を満充電の値と比較して、通常充電と微弱充電との何れかの選択を行うようにしたことで、電圧検知手段や温度検知手段等を用いずに蓄電池の満充電を知ることができ、それに適応した充電制御を行うことが可能となる。よって低コストで装置が構成できる上、過充電を回避できて電池寿命の伸びも期待できる。特にこれは図4で示すように、充電電流が0.1Cであれば期待寿命が1〜2年であるが、充電電流が0.0033Cであれば期待寿命が9〜10年と考えられることから、上記充電電流の適切な選択による電池寿命伸長の効果は大いに期待できる。
又蓄電池の種類に制限を受けず、どんな蓄電池でも対応でき、更に満充電に満たない所定の運転状態終了後の蓄電池の容量も把握可能となるため、例えば炊飯前に蓄電池の残量不足を知ることができ、炊飯中にバッテリー切れを起こすような使い勝手の悪さは生じない。
更にここでは、充電制御において、S4における充電を急速充電としていない。これは一般に炊飯器における蓄電池は急速充電が必要な使用形態ではなく、あくまで商用電源が停電中の二次電源として利用され、通常充電で満充電までに時間が掛かっても、使い勝手に影響を与えることが殆ど考えられないためで、これにより、蓄電池への負担を抑えてより好適な電池寿命を維持できることにもなるのである。
【0014】
尚消費電流記憶回路に記憶される消費電流のパラメータは上記実施の形態の3種類に限定するものではなく、必要に応じて増やしても良い。このパラメータを増やすことで、一層正確に蓄電池の容量の推移を把握することができる。又通常充電と微弱充電の大きさ設定も、適宜設計変更可能で、容量値が増すごとに充電量を段階的に減らしていっても良く、更には満充電以上の場合には微弱充電でなく充電を終了させる制御を行うことも可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上請求項1に記載の発明によれば、蓄電池の容量を正確に検知し、それに合わせた充電制御が可能となるため、蓄電池への負担を抑えて電池寿命を好適に維持できる。又電圧検出手段や温度検出手段等を用いなくて済むため、装置全体を簡略化でき、コスト低減が可能となる。更に蓄電池の種類に制限を受けず、どんな蓄電池でも対応できるのに加え、満充電未満の蓄電池の容量が事前に把握可能となることで、運転中にバッテリー切れを起こすような使い勝手の悪さも生じない。
一方請求項2に記載の発明によれば、蓄電池の容量が満充電未満の場合は通常充電に、満充電以上の場合は微弱充電に夫々切り替えるものとしたことで、請求項1の効果に加えて、蓄電池の寿命を短縮させる急速充電を用いずに、炊飯器に好適な充電制御が行え、電池寿命の一層の伸長が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炊飯器の概略図である。
【図2】充電制御装置のブロック図である。
【図3】充放電制御のフローチャートである。
【図4】充電電流と期待寿命との関係を示すグラフである(点線は推定)。
【符号の説明】
1・・炊飯器、5・・コントローラ、7・・蓄電池、12・・充電制御装置、13・・蓄電池容量算出回路、14・・運転時間カウント回路、15・・充電時間カウント回路、16・・消費電流記憶回路、17・・充電切替回路。
Claims (2)
- 一次電源として商用電源を、二次電源として内蔵した蓄電池を夫々利用する炊飯器に設けられ、前記商用電源の供給時には、前記蓄電池へ充電を行なう炊飯器の充電制御装置であって、
前記炊飯器の任意の運転状態に応じた消費電流を記憶させた消費電流記憶手段と、
前記蓄電池の充電時には、充電される電流値と充電時間とに基づいて、充電量を算出する一方、前記蓄電池の放電時には、その放電に係る運転状態に応じて前記消費電流記憶手段から選択される消費電流と運転時間とに基づいて、放電量を算出し、更に前記充電量と放電量とから蓄電池の容量を算出する蓄電池容量算出手段と、
前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量に基づいて、前記充電電流を制御する充電電流切替手段と、
を備えたことを特徴とする炊飯器の充電制御装置。 - 前記充電電流切替手段による充電電流の制御を、前記蓄電池容量算出手段において算出される蓄電池の容量が満充電未満の場合は通常充電に、満充電以上の場合は微弱充電に夫々切り替えるものとした請求項1に記載の炊飯器の充電制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24517196A JP3558464B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 炊飯器の充電制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24517196A JP3558464B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | 炊飯器の充電制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085126A JPH1085126A (ja) | 1998-04-07 |
JP3558464B2 true JP3558464B2 (ja) | 2004-08-25 |
Family
ID=17129670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1996
- 1996-09-17 JP JP24517196A patent/JP3558464B2/ja not_active Expired - Fee Related
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