JP3557517B2 - 多機能端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークプリンタ機能、ネットワークスキャナ機能、ネットワークファクシミリ機能等を持つ多機能端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置には、スキャナ部、プリンタ部及び通信制御部等が設けられている。スキャナ部は、送信原稿を読み取り、イメージデータを取得する機能を持つ。プリンタ部は、イメージデータを印刷する機能を持つ。通信制御部は、イメージデータを電話回線を介して送受信する機能を持つ。ファクシミリプリンタ複合装置は、これらの機能を、ネットワークを通じてそれぞれ独立に利用することを実現した装置である。即ち、スキャナ部はネットワークスキャナとして動作し、プリンタ部はネットワークプリンタとして動作する。通信制御部はネットワークファクシミリとして動作する。ファクシミリプリンタ複合装置に限らず、こうした様々な機能を複合した情報処理装置が存在する。本発明では、これらを多機能端末装置と呼び、以下の説明を進める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
上記のシステムにおいて、ネットワークを通じてスキャナ部を動作させたい場合には、ネットワークとスキャナ部とをネットワークインタフェースカードにより接続する。また、プリンタ部を動作させたい場合には、ネットワークとプリンタ部とを印刷制御用ネットワークインタフェースカードにより接続する。以上のように、多機能端末装置のスキャナ部、プリンタ部、その他の各機能部をネットワークを通じて動作させたい場合、それぞれの機能に応じた制御を行うネットワークインタフェースカードを用意し、個別にネットワークと接続することが必要であった。従って、装置の小型化や接続部の簡素化を妨げ、コストアップの原因になるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
第1のタグコードと符号化されたイメージデータとから成るファイルと、送信元で上記ファイルに付加された印刷制御情報を含む第2のタグコードとを、ネットワークを通じて受信して、上記第1のタグコードに基づいて符号化されたイメージデータを復号化して印刷用イメージデータを生成し、上記第2のタグコードにより上記印刷制御情報で指定された条件で印刷を実行するように制御する印刷制御部を備えたことを特徴とする多機能端末装置。
【0005】
〈構成2〉
第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルに対して、ファクシミリ転送先の電子メールアドレスを含む第2のタグコードを付加するファクシミリ制御部と、上記第2のタグコードに基づいて電子メールを生成し、その電子メールの添付ファイルとして、上記第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルを、該当するファクシミリ転送先に転送するネットワークインタフェース部を備えたことを特徴とする多機能端末装置。
【0007】
〈構成
第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルに対して、宛て先情報を含む第2のタグコードを付加したものを受信するネットワークインタフェース部と、上記第1のタグコードと符号化されたイメージデータによりファクシミリ送信用データを生成し、上記宛て先情報を含む第2のタグコードから宛て先情報を抽出するファクシミリ制御部と、上記宛て先情報の示す宛て先にダイヤルして、上記ファクシミリ制御部から転送を受けたファクシミリ送信用データを送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする多機能端末装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
〈具体例1〉
図1に、具体例1の多機能端末装置ブロック図を示す。
この多機能端末装置10は、ネットワーク1に接続されている。ネットワーク1には、他の端末装置(PC)2が接続されている。このネットワーク1には、この他にも多数の端末装置やその他の機材が接続することができるが、ここでは図示を省略した。
【0009】
多機能端末装置10には、内部バス11を介して接続されたMPU(マイクロプロセッシングユニット)12、通信制御部13、ネットワークインタフェース部14、モデム15、記憶部16、NCU(ネットワーク制御ユニット)17、スキャナ部18、プリンタ部19、符号化復号化部20及びインタフェースコントロール部21が設けられている。インタフェースコントロール部21には、TIFF−F解析部22及び印刷制御部23が設けられている。
【0010】
この具体例1の多機能端末装置10は、ネットワーク1を通じて他の端末装置2から印刷依頼を受け、印刷を実行するネットワークプリンタとして動作する。多機能端末装置10のMPU12は、この装置全体の動作を制御するプロセッサにより構成される。このMPU12は、スキャナ部18の原稿読み取り動作やプリンタ部19の印刷動作あるいは通信制御部13のファクシミリ送受信動作等を制御する機能も持つ。
【0011】
通信制御部13は、所定のファクシミリ通信プロトコルを実行し、ファクシミリ通信を制御する部分である。モデム15は、電話回線9に接続されてファクシミリ通信のための変調や復調を行う部分である。NCU17はネットワーク1との間の通信プロトコルを制御する部分である。記憶部16には、ファクシミリ送信用原稿やスキャナにより読み取られたイメージデータ等が格納される。
【0012】
スキャナ部18は、図示しない原稿を光学的にスキャンし、電気信号に変換してイメージデータを取り込むための処理を行う部分である。プリンタ部19は、図示しない用紙に指定されたイメージデータを印刷する部分である。符号化復号化部20は、ファクシミリ送信の際にイメージデータを符号化し、あるいは受信した符号化データを復号化する処理を行う部分である。
【0013】
インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22は、TIFF−F形式のファイルを解析し、その中からイメージデータを取り出すといった処理を行う部分である。印刷制御部23は、プリンタ部19に対し必要なプリンタ制御コマンドを送り込み、イメージデータの印刷を制御する部分である。なお、ここではTIFF−F形式としたが、他の形式例えばTIFF−J形式であってもよい。
【0014】
この具体例では、端末装置2が多機能端末装置10に対し印刷を依頼する場合に、TIFF−F形式のファイル3と印刷制御情報を含むタグコード6を送信する。TIFF−F形式のファイル3は、タグコード4とイメージデータ5によって構成されている。TIFF−F形式のファイルは、従来よりイメージデータを取り扱うための標準化されたファイルとして広く知られている。このファイルによれば、多数のイメージデータをページ情報やその他の情報を含めて1つのファイルに一体化することができる。
【0015】
しかしながら、このファイルには、印刷制御のための情報、例えば印刷部数やプリンタのトレーの選択情報、記録紙のサイズ情報といった情報を含めることができない。そこで、図に示すように、端末装置2において、印刷処理情報を含むタグコード6を別途生成して、このファイルに付加する。ファイル3がタグコードを集合した形式のファイルであるため、この印刷制御情報を含むタグコード6は、そのままファイル3に付加し、ネットワークインタフェース部14を通じて多機能端末装置10に転送できる。
【0016】
図2には、このようなファイルに付加されるタグコードの具体例説明図を示す。
図に示すように、例えばタグ名が部数である場合、その処理概要は、タグ中の数値を表示した部分を参照して、その数に相当する複数部の印刷をするというものになる。また、タグ名がトレー選択である場合、このタグの指示に従ってプリンタの印刷用紙供給トレーを選択するものになる。タグ名が記録紙サイズ選択である場合、このタグの指示に従ったサイズの記録紙を選択して印刷するというものになる。
【0017】
図3には、印刷制御タグコードの具体例を示す。
TIFF−F形式のファイルは、この図に示すようなフォーマットのタグコードを集合して成る。そのタグコードと同一の形式の印刷制御タグコードが、この図に示すように生成される。図のオフセット(Offset)は、ファイルの先頭から何バイト目にこの情報が存在するかを示す位置情報である。この図には具体的な数値は示されていないが、図1に示すファイル3の最後の部分のオフセットに合わせて、その位置情報の内容が算定される。
【0018】
表示内容(description)は、図2を用いて説明した通りの、部数(number ofcopy)、トレー選択(select tray)、記録紙サイズ選択(select paper size)の3種類である。タグコード(tag code)は、タグコードデータの表現方法を示し、ここでは、それぞれ、例えば4つの数字を組み合わせたものにしている。タイプ(type)は、このタグコードが1バイト形式か2バイト形式かといった情報を示す。ショート(short)は、1バイト形式のタグであるという意味である。
【0019】
データ値(values in TIFF−F)は、この図に示すように、部数の場合は1〜255まで、トレー選択の場合は3種類、記録紙サイズ選択の場合は4種類である。ミニマム(minimum)は、付加されたタグコード6に最低いくつのコードが含まれるかを示すもので、これらは全て“1”になっている。即ち、全て必ず1個含まれることになる。その実例(coding sample)は、この図中に示されている。TIFF−F方式のファイルは、このようなフォーマットの様々なタグコードと、ファクシミリと同一のITU−T勧告T.4、T.6のMH、MR、MMRの符号化方式に従って符号化されたイメージデータを含む。
【0020】
次に、図1に示した多機能端末装置10の動作を説明する。
まず、他の端末装置2が、ネットワーク1を通じて多機能端末装置10に対しネットワークプリンタとしての機能を要求する。このとき、端末装置2は、TIFF−F形式のファイル3を生成する。このファイル3は、タグコード4とイメージデータ5とからなる。これに印刷制御情報を含むタグコード6を付加する。これがネットワークインタフェース部14に入力する(ステップS1)。
【0021】
ネットワークインタフェース部14は、ファイル3とタグコード6をインタフェースコントロール部21に渡す(ステップS2)。インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22は、ファイル3の解析を行う。そして、符号化されたイメージデータ5は符号化復号化部20に転送され、復号化が行われる(ステップS3)。TIFF−F方式では、符号化された画像のサイズ等の詳細情報をタグコードで表す。この情報は、印刷制御部23により解析され、プリンタ制御コマンドとしてプリンタ部19に送られる(ステップS4)。こうして、プリンタ部19は、復号化されたイメージデータを図示しない用紙に印刷する。
【0022】
〈具体例1の効果〉
以上のように、タグコードとイメージデータとから成る標準化されたファイルを用いて、ネットワークプリンタに対し印刷を要求するので、ネットワークプリンタとして機能する多機能端末装置側では、標準化された符号化復号化機能を用いて、印刷用のイメージデータを容易に取得することができる。また、ファイルと同形式のタグコードを付加し、そのタグコードに印刷制御情報を含めるようにすれば、標準化されたTIFF−Fファイルの解析によって、その印刷制御情報を抽出し、印刷制御に必要なコマンドを生成できる。なお、上記印刷制御部23は、タグコードと符号化されたイメージデータを復号化して印刷用イメージデータを生成し、印刷制御情報を含むタグコードにより指定された条件で印刷を実行するように制御すればよく、実際にイメージデータを生成したり、印刷制御情報を抽出したりする処理はどこで行ってもよい。
【0023】
以下の具体例に示すように、いずれも同形式のTIFF−Fファイルを用いて、ネットワークスキャナ、ネットワークファクシミリといった多機能を実現することが可能になる。
しかも、ネットワークインタフェース部14は、標準的なインタフェース機能を持つもので共通化でき、ネットワークプリンタ、ネットワークスキャナ、ネットワークファクシミリのいずれの場合も、1つのネットワークインタフェース部14を共用できる。従って、この具体例を含む以下のいずれの装置も、ネットワークとの接続を簡素化できるという効果がある。
【0024】
〈具体例2〉
この具体例では、多機能端末装置をネットワークファクシミリ装置として機能させる。
図4に、具体例2の多機能端末装置ブロック図を示す。
図の多機能端末装置10は、具体例1の装置の構成に加えて、操作部25を追加している。これは本来ファクシミリ装置として動作する多機能端末装置10に備え付けられているものを明らかにしただけであり、具体例1の装置にはこれが無いというわけではない。また、インタフェースコントロール部21には、具体例1と同様の機能を持つTIFF−F解析部22の他にファクシミリ制御部24を設ける。
【0025】
ネットワーク1には、この例では、メールサーバ30を接続した。更に、ネットワーク1にゲートウェイ35を介して別のネットワーク36を接続している。このネットワーク36には端末37とインターネットファクシミリ装置38とが接続されている。
【0026】
まず、多機能端末装置10がインターネットファクシミリの送信機として動作する例を説明する。この場合、スキャナ部18が図示しない送信原稿を読み取り、イメージデータを得る。このイメージデータに対して、符号化復号化部20の処理により、ファクシミリの標準的な符号化処理が行われる。こうして符号化されたイメージデータは、インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22に送られ、ここでTIFF−F形式に変換される。通常のファクシミリ送信を行う際は、通信制御部13がモデム15を通じて電話回線9に対しファクシミリデータを送信する。
【0027】
インターネットファクシミリでは、ファクシミリ送信すべきイメージデータをEメールの添付ファイルとして送信する。インタフェースコントロール部21に設けられたファクシミリ制御部24は、このために、図に示すように、TIFF−Fファイル3にEメールアドレス31を含むタグコードを付加して、そのデータをネットワークインタフェース部14に送る。このEメールアドレス31は、TIFF−Fファイルのタグコードと同様の形式のタグコードにより構成される。
【0028】
図5に、ファクシミリ制御タグコードの具体例(その1)を示す。
図に示すように、Eメールアドレスは、例えばそのタグコードが“2000”とされ、ショートタイプで構成される。このようなデータがネットワークインタフェース部14に入力すると、ネットワークインタフェース部14はEメールアドレス31の部分を切り出して、TIFF−Fファイル3をEメール33の添付ファイル34としてメールサーバ30に送信する。
【0029】
このEメールはMIME(multiple internet mail extention)形式とする。また、プロトコルはSMTP(simple mail transfer protocol)とする。メールサーバ30は、このEメールを受信すると、該当するアドレスにそのEメールを送信する。例えば、該当するアドレスがインターネットファクシミリ装置38である場合、インターネットファクシミリ装置38はこれを受信し、図示しないプリンタで印刷する。また、端末装置37が受信した場合には、ファイル3は、標準のTIFF−F形式であるから、これをそのままビューアで表示したり、プリントアウトすることができる。
【0030】
次に、上記多機能端末装置10がインターネットファクシミリの受信機として動作する場合の説明を行う。この場合、メールサーバ30からPOP3プロトコルによってEメールを受信する。MIME形式のEメールの添付ファイルであるTIFF−F形式のファイル3は、ネットワークインタフェース部14を通じてインタフェースコントロール部21に入力する。
【0031】
インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22は、このファイルを解析して、イメージデータを符号化復号化部20に転送する。復号化後のイメージデータはプリンタ部19に転送され印刷される。なお、Eメールアドレス31はネットワークインタフェース部14からインタフェースコントロール部21に送り込まれ、受信記録簿等に記載するためのデータとして利用される。
【0032】
〈具体例2の効果〉
以上のように、標準化されたTIFF−F形式のファイルを用いれば、Eメールの添付ファイルとしてファクシミリデータが送信できる。更に、そのファクシミリデータを上記のような多機能端末装置で受信すれば、通常のファクシミリと同様の操作によってその内容を受信し、印刷することができる。
【0033】
また、Eメールの添付ファイルであるから、通常のパーソナルコンピュータのような端末装置で受信することもできる。この場合、共通化されたTIFF−F形式のファイルであるから、ファクシミリ手順を使用することなく、そのまま内容を表示し印刷することができる。しかも、いずれの場合においても、標準化されたファイルのため、解析処理や転送処理の負荷が極めて軽くなるという効果がある。この部分は具体例1と同様の効果である。
【0034】
〈具体例3〉
この具体例では、多機能端末装置がスキャナとして動作する。
図6に、具体例3の多機能端末装置ブロック図を示す。
この例の場合、インタフェースコントロール部21にTIFF−F解析部22の他にスキャナ制御部26を設ける。更に記憶部16にはメールボックス40を設ける。ここにスキャナで読み取ったTIFF−F形式のファイル3が記憶されるように構成する。
【0035】
次に、図6の装置の動作を説明する。
多機能端末装置10がスキャナとして動作する場合、まずスキャナ部18を用いて要求される原稿を読み取る。この原稿のイメージデータは符号化復号化部20において符号化される。そして、インタフェースコントロール部21に転送される。TIFF−F解析部22は、この符号化イメージデータからTIFF−F形式のファイルを生成し、これを記憶部16のメールボックス40に転送し格納する。これで多機能端末装置10としてのスキャナ処理は終了する。
【0036】
即ち、この具体例では、特にスキャナで読み取ったイメージデータに何らかの情報を含めるためのタグコードは追加しない。標準のTIFF−F形式のファイル3のみをメールボックス40に格納して処理を終了する。このような原稿の読み取りは、端末装置2からの依頼によるものとする。この場合、端末装置2は、記憶部16のメールボックス40に記憶されたTIFF−F形式のファイル3を取得すれば本来の目的を達成する。このファイルの取得は標準的なFTP(filetransfer protocol)により実現する。
【0037】
即ち、端末装置2はネットワーク1を通じてFTPのプロトコルでネットワークインタフェース部14にアクセスを行う。そして、端末装置2からFTPのLISTコマンドが入力すると、インタフェースコントロール部21のスキャナ制御部26がこのコマンドを認識して、記憶部16のメールボックス40に記憶されたファイル3の情報をネットワークインタフェース部14に通知する。ネットワークインタフェース部14はこの通知を受けて、端末装置2にその情報を転送する。端末装置2の図示しないディスプレイには、その結果、ファイル3の名称が表示される。
【0038】
端末装置2からFTPのGETコマンドがネットワークインタフェース部14に入力すると、ネットワークインタフェース部14は、指定されたファイル3を端末装置2に転送する。端末装置2ではファイル3を受信すると、このファイルがTIFF−F形式の標準化されたファイルであるため、そのままディスプレイに表示しあるいはプリントアウトをすることが可能になる。
【0039】
〈具体例3の効果〉
以上のように、多機能端末装置がネットワークスキャナとして動作する場合においても、標準化されたTIFF−F形式のファイルに変換し、これをメールボックスに記憶するようにしたので、標準化されたFTPプロトコルを用いて他の端末装置が容易にその内容を取り出すことができる。従って、端末装置2の側で特殊なスキャナ用のアプリケーション等を用意しなくても、多機能端末装置10にスキャナ処理の依頼を行い、容易にその読み取り結果を取得することが可能になる。
【0040】
〈具体例4〉
この具体例では、多機能端末装置が通常通り電話回線等を通じてファクシミリ送信を行う例を説明する。
図7に、具体例4の多機能端末装置ブロック図を示す。
この多機能端末装置10には、具体例2とはやや異なる機能を持つファクシミリ制御部27が設けられる。更に、記憶部には、ファクシミリ送信用のデータを記憶するバッファ43を設ける。この例では、端末装置2がTIFF−F形式のファイル3を生成し、これに宛て先情報を含むタグコード41を付加して、多機能端末装置10にファクシミリ送信を依頼する。多機能端末装置10は、その依頼を受けて、モデム15を通じて電話回線9を通じてファクシミリ送信を行う。
【0041】
まず、原稿の読み取りは、例えば端末装置2が多機能端末装置10にこれを依頼する。その動作は、具体例3で説明した通りである。これによって、端末装置2は、送信原稿のTIFF−F形式のファイル3を取得する。その後、端末装置2のオペレータが宛て先情報を入力し、宛て先情報を含むタグコード41がファイル3に付加される。
【0042】
図8には、ファクシミリ制御タグコードの具体例(その2)を示す。
このタグコードは、TIFF−F形式のファイルで使用するタグコードと同形式であって、送信相手のファクシミリ番号を示す情報を含んでいる。なお、ファクシミリの送信依頼を多機能端末装置10が受け付け、送信を終了すると、その結果を端末装置に通知する必要がある。この結果通知のために結果通知用のタグコードが図8の下段に示されている。
【0043】
図7に戻って、ファイル3と宛て先情報を含むタグコード41を受信したネットワークインタフェース部14は、これをインタフェースコントロール部21に転送する。インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22は、その内容から宛て先情報のみを切り出して、通信制御部13に引き渡す。また、TIFF−F形式のファイル3の画像情報は、そのまま記憶部40のバッファ43に転送し、記憶しておく。
【0044】
通信制御部13は、インタフェースコントロール部21から受信した宛て先情報に基づいて、電話回線9に対しダイヤリング処理を行う。そして、相手ファクシミリとネゴシエーションが終了すると、バッファ43に記憶したファイルを符号化復号化部20を通じて送信する。なお、TIFF−F形式は、ファクシミリ送信用のイメージデータと共通の形式であるため、相手のファクシミリの受信能力と合致すれば、そのTIFF−F形式のデータをそのまま送信すればよい。こうして、ネットワークファクシミリとしての機能が実現する。
【0045】
次に、ファクシミリ受信機として動作する場合の説明を行う。
この場合、まず多機能端末装置10がモデム15を通じてファクシミリ信号の受信を行う。受信した符号化イメージデータは、インタフェースコントロール部21のTIFF−F解析部22に送られ、TIFF−F形式のファイルに変換される。そして、通信制御部13から通信相手先を示す宛て先情報がインタフェースコントロール部21に送られる。ファクシミリ制御部27は、この宛て先情報をタグコードにしてファイルに付加し、ネットワークインタフェース部14を通じて該当する宛て先に転送する。こうして、端末装置2が、自分宛のファクシミリの受信を行うことができる。
【0046】
〈具体例4の効果〉
以上のように、多機能端末装置は、他の端末装置からネットワークを通じてファクシミリ送信の依頼を受けた場合、他の端末装置から標準化された形式のファイルを受信し、これに付加されたタグコードから成る宛て先情報に基づいてファクシミリ送信を行うことができる。また、ファクシミリを受信した場合には、受信先の宛て先情報をタグコードに付加し、ファイルに添付して他の端末装置に送信できる。従って、具体例1、2、3と同様にして共通の標準形式のファイルを用いてファクシミリの送受信が可能になる。
【0047】
以上の結果、ネットワークを通じて、スキャナ、プリンタ、ファクシミリと、様々な機能を共通のファイル形式で実現することができ、各機能を実現するための制御自体は極めて簡単な制御で足りる。従って、クライアント側のアプリケーションを統合化したり、不要な機能を省略することができ、多機能端末装置の広い利用が可能となる。また、ネットワークインタフェース部は共通化することができ、ネットワークとの接続部が簡素化する。なお、多機能端末装置は、必ずしもスキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を備えている必要はない。いずれか1つあるいは複数の機能を持つようにして差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の多機能端末装置ブロック図である。
【図2】ファイルに付加されるタグコードの説明図である。
【図3】印刷制御タグコードの具体例説明図である。
【図4】具体例2の多機能端末装置ブロック図である。
【図5】ファクシミリ制御タグコードの具体例(その1)である。
【図6】具体例3の多機能端末装置ブロック図である。
【図7】具体例4の多機能端末装置ブロック図である。
【図8】ファクシミリ制御タグコードの具体例(その2)である。
【符号の説明】
1 ネットワーク
2 端末装置
3 ファイル
4 タグコード
5 イメージデータ
6 印刷制御情報を含むタグコード
10 多機能端末装置
14 ネットワークインタフェース部
18 スキャナ部
19 プリンタ部
21 インタフェースコントロール部
22 TIFF−F解析部

Claims (3)

  1. 第1のタグコードと符号化されたイメージデータとから成るファイルと、送信元で前記ファイルに付加された印刷制御情報を含む第2のタグコードとを、ネットワークを通じて受信して、前記第1のタグコードに基づいて符号化されたイメージデータを復号化して印刷用イメージデータを生成し、前記第2のタグコードにより前記印刷制御情報で指定された条件で印刷を実行するように制御する印刷制御部を備えたことを特徴とする多機能端末装置。
  2. 第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルに対して、ファクシミリ転送先の電子メールアドレスを含む第2のタグコードを付加するファクシミリ制御部と、
    前記第2のタグコードに基づいて電子メールを生成し、その電子メールの添付ファイルとして、前記第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルを、該当するファクシミリ転送先に転送するネットワークインタフェース部を備えたことを特徴とする多機能端末装置。
  3. 第1のタグコードと符号化されたイメージデータから成るファイルに対して、宛て先情報を含む第2のタグコードを付加したものを受信するネットワークインタフェース部と、
    前記第1のタグコードと符号化されたイメージデータによりファクシミリ送信用データを生成し、前記宛て先情報を含む第2のタグコードから宛て先情報を抽出するファクシミリ制御部と、
    前記宛て先情報の示す宛て先にダイヤルして、前記ファクシミリ制御部から転送を受けたファクシミリ送信用データを送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする多機能端末装置。
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